マツムシ(松虫)が鳴く頃に咲くことからその名がつけられたマツムシソウ(松虫草)。秋の季語として知られる日本固有の花で、古くから俳句にも詠まれて多くの人に愛されてきました。今回は、そんなマツムシソウについて、3枚の写真の中から正しいものはどれかを選ぶ3択クイズを出題! みなさんは、マツムシソウはどの花か分かりますか?
目次
高原の秋を代表する美しい花!「マツムシソウ」は次の3つのどれ?

マツムシソウは北海道から九州に分布する日本固有の植物で、山地の草原などに生育します。マツムシソウ属の植物はヨーロッパを中心に、アジアやアフリカまで約80種が分布し、ガーデニングではスカビオサの名で、バラエティに富んだ花姿を持つセイヨウマツムシソウや、大輪のコーカサスマツムシソウなどの近縁種が多く栽培されています。種類により開花期に違いはありますが、日本に自生するマツムシソウの開花期は8~10月。秋の虫の名を冠したマツムシソウは、風に揺れる自然な風情が美しく、秋の高原を彩る花として親しまれてきました。
さて、そんなマツムシソウには、よく似た花がいくつかあります。今回は、正しいマツムシソウの写真を選ぶ3択クイズ! マツムシソウは、次のA~Cのどれでしょう?
A

B

C

ヒント
花の形は似ていますが、よく見ると違いも。花色や開花期、花の大きさもそれぞれ異なります。
正解は…
↓
↓
↓
↓
B

マツムシソウの基本データ
学名:Scabiosa japonica
科名:スイカズラ科
属名:マツムシソウ属(スカビオサ属)
原産地:日本(北海道~九州)
和名:マツムシソウ(松虫草)
英名:Japanese pincushion flower
その他の名前:スカビオサ、リンポウギク、シバギク、タズマなど
開花期:8~10月
花色:薄紫、白
形態:二年草
草丈:60~90cm
夏~秋にかけて、爽やかな淡い青紫色の花を咲かせるマツムシソウ。主に日当たりのよい山地の草原にユニークな花形と風に揺れて群れ咲く自然な風情が美しい花です。秋の季語としても知られ、多くの俳句に詠まれるなど、古くから人々に愛されてきました。

マツムシソウ属の仲間はヨーロッパやアジア、アフリカなどに分布していますが、マツムシソウ(スカビオサ・ジャポニカ)は日本の固有種。霧ケ峰高原や美ヶ原高原、入笠山などが観賞地として知られています。また、現在は生育環境の変化により減少傾向にあり、地域によってレッドリストに登録されています。

マツムシソウは長く伸ばした花茎の先に、直径4~5cmの半球形の頭花をつけます。頭花は小花の集まりで、中央部の花は花冠の先が裂けた筒状、周囲の花は2唇形の舌状で、下唇の3個の裂片が大きいのが特徴。中央部が盛り上がった花の周囲を大きめの花弁が取り囲むようなユニークな姿から、英語では手芸で針を刺しておく針山にたとえて「Japanese pincushion flower」と呼ばれます。花色は薄紫のほか、白花品種もあります。

葉は対生し、羽状に深く裂けます。茎は直立し、上部で枝分かれして花をたくさんつけます。花後には小さな痩果が集まった、いがぐりのようなユニークな姿のシードヘッドも楽しめます。


マツムシソウという名前の由来は、マツムシが鳴く頃に咲くことが由来という説が一般的。ほかに花後の姿が仏具の伏鉦(松虫鉦)に似ているからという説もあります。ちなみに、松虫は代表的な秋に鳴く虫の1つで、唱歌にも歌われ、声のよい虫として親しまれてきました。古くは、現在のスズムシのことを「マツムシ」、マツムシのことを「スズムシ」と呼んでいたり、混同されることも多かったそう。マツムシソウの名はどちらの「マツムシ」に由来するものなのでしょうね。

ガーデニングなどでよく利用されるのは、花が盛り上がるように咲くセイヨウマツムシソウ(スカビオサ・アトロプルプレア)や、大輪でエレガントなコーカサスマツムシソウ(スカビオサ・コーカシカ)などの近縁種。属名のスカビオサの名で多く流通しています。特にセイヨウマツムシソウは品種も多く、花色も青、ピンク、白、紅などバラエティ豊かに揃います。ちなみにスカビオサはラテン語で「疥癬(かいせん)」という意味で、スカビオサの一種が皮膚病の薬として用いられたことに由来します。


スカビオサは風通しと日当たりのよい環境で育てます。冷涼な環境を好み、高温多湿になると蒸れて枯れてしまうこともあるので、夏はできるだけ涼しい環境で育てましょう。耐寒性は強いため、特に冬越し対策は必要ありませんが、寒冷地ではマルチングをして凍結を防止すると安心です。
植え付けの際は水はけのよい用土に植えます。山野草の土などを利用するのもよいでしょう。水やりの際は多湿に注意し、用土が乾いたらたっぷりと与えます。肥料はあまり必要ありませんが、必要に応じて秋や春など気温の低い時期に少量の緩効性肥料を与えましょう。

残りの選択肢の花は…
A クナウティア(アカバナマツムシソウ)

スイカズラ科クナウティア属の多年草で、マツムシソウと同じスイカズラ科の植物ですが、属が異なります。アカバナマツムシソウの和名のとおり、マツムシソウを小さくしたような赤紫色の花を咲かせます。開花期は5~9月で、初夏から秋にかけて。花色は赤紫のほか、ピンクや紫などもあります。マツムシソウよりも小型で素朴な雰囲気があり、比較的暑さに強く丈夫なため育てやすいのが特徴。花の形や草姿はよく似ていますが、マツムシソウは小花の付け根に小苞があるのに対し、クナウティアは小苞がないという違いがあります。
C プリムラ・カピタータ

サクラソウ科サクラソウ属(プリムラ属)の多年草。高山性のサクラソウで、一般的なサクラソウが早春に咲くのに対し、5月中旬~8月に青紫色の花を咲かせます。花茎の先に球状にまとまった小花を咲かせる姿は、一見マツムシソウに似ていますが、マツムシソウのように中央部と周辺部で花の構造が異なるわけではありません。側面の下部から順に開き始め、最後にはボール状の玉咲きになるので、プリムラ・デンテキュラータと同様に「玉咲きサクラソウ」とも呼ばれます。葉は長楕円形でロゼット状になり、茎葉やつぼみの表面が白粉をまぶしたようなパウダリーな質感になるのが特徴です。
クイズ一覧はこちら!
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中! 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)発売中!
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