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捨てたらもったいない! 買ってきた「空芯菜の茎」から始める超簡単な無限水耕栽培

捨てたらもったいない! 買ってきた「空芯菜の茎」から始める超簡単な無限水耕栽培

スーパーで買った「クウシンサイ(空芯菜)」、料理に使った後の茎をそのまま捨てていませんか? じつはクウシンサイは再生力が非常に強く、コップの水に挿しておくだけで簡単に根が生えてくるんです。暑さに強い水生植物なので、頻繁な水やりの手間も少なくすむ“水耕栽培”で育てるのがおすすめ。野菜高騰のタイミングに大助かり間違いなし! クウシンサイの性質など基本的な情報から、失敗知らずの簡単な育て方までを栽培のプロがご紹介します。

クウシンサイの基本情報

クウシンサイ
Masyhuri abi toyyib/Shutterstock.com

植物名:クウシンサイ
学名:Ipomoea aquatica
英名:Water Spinach、Swamp Morning-Glory 、Kangkong
和名:クウシンサイ(空芯菜)、ヨウサイ(蕹菜)
別名:エンツァイ、ヨウサイ、アサガオナ、ウンチェー(沖縄)、ウンチェーバー(沖縄)
科名:ヒルガオ科
属名:サツマイモ(イポメア)属
原産地:アジア、アフリカ、オーストラリア、太平洋諸島などの熱帯~亜熱帯地域
形態:一年草(熱帯、亜熱帯地域では多年草)

アジアやアフリカ、オーストラリアの熱帯から亜熱帯地域に広く分布し、水辺や水中などに自生する多年草です。寒さに弱いため、冬も温暖な沖縄などの地域以外の国内では一年草として栽培されます。

生育初期は直立して伸びますが、だんだんとつるが這うように伸びて地面や水面を覆うように茂ります。中華料理や東南アジアの料理などではよく使われる重要な野菜で、茎の先端付近の柔らかい部分を葉とともに食用とします。沖縄でも春の4月頃から秋の9月まで長期間収穫できる野菜として、以前から栽培されてきました。また近年は、沖縄以外の地域でも夏に収穫できる貴重な葉物野菜として人気が上昇しており、全国的に栽培数が増えています。

茎は内部が空洞になっており、水面に浮きます。浮遊した状態で根を出して生育できるため、池に浮かべたイカダなどでも栽培されています。汚染された水でもよく育つため、水質浄化の目的でも栽培されているケースがあります。ただし重金属を吸収して蓄積する危険があることが研究報告されています。また細菌感染の可能性があるため、食用とする場合は加熱調理したほうが安全です。

地植えで育つ瑞々しいクウシンサイの様子。Chairil Azmi/Shutterstock.com

クウシンサイの特徴・生育サイクル

クウシンサイ
Masato Studio/Shutterstock.com

園芸分類:野菜
開花時期:10月
草丈:2~3m(つるの長さ)  
収穫時期:7~11月
耐暑性:強い
耐寒性:弱い
花色:白、ピンク、薄紫

生育が早く、つるは収穫しないで放置していると2~3mまで伸びます。熱帯・亜熱帯地域では多年草で、最適な環境条件ではつるが最大で20m以上まで伸びます。繁殖力が旺盛なため、地域によっては有害雑草に指定されています。

サツマイモなどと同様に、茎を切ると白い乳液がでます。生育状態が悪いと葉が硬くなり、乳液が多くなります。

発芽適温や生育温度が高いので、5月くらいから種まきします。早く種まきをしたい場合は、室内などの暖かい場所に置いてください。

春の温度が低い時期は生育が遅いですが、温度の上昇とともに生育が早くなります。7月頃から収穫がはじまり、乾燥に注意すれば、夏が最も旺盛に生育してたくさん収穫できます。短日条件で開花するため、秋の10月頃に白やピンク、薄紫色のアサガオによく似た花が咲きます。温度の低下とともに生育が遅くなり、沖縄以外の地域では花が咲いても種子ができずに枯れてしまいます。

地植えの場合、夏の水やりが大変なので、家庭では水耕栽培がおすすめです。あまり水質のよくない沼や池などでもよく生育するので、簡易的な水耕栽培が成功しやすいです。

クウシンサイの効能・利用方法

クウシンサイ
Quang Vinh Tran/Shutterstock.com

ビタミンAをはじめとした各種ビタミン類、カルシウムや鉄分、タンパク質、良質の食物繊維などを含むヘルシー野菜です。シャキシャキと食感がよく、くせのない風味です。

傷みやすいので、収穫したら早めに食べるようにしてください。茎が固い場合は葉と茎に分け、茎を包丁の腹などで潰し、火の通りにくい茎から炒めると食べやすくなります。

保存する場合は、湿らせた新聞紙などに包み、立てて置くと長持ちしやすいです。

クウシンサイの栽培12カ月カレンダー

植え付け: 5~6月(地植え)
収穫:7~10月
肥料:5~10月
挿し芽:5~10月

クウシンサイの栽培環境

クウシンサイ
Krisrian/Shutterstock.com

適した環境・置き場所

日なたから明るい日陰の水辺や池、湿地などで生育します。やや水質の悪い池や河川水(淡水)と海水が混ざり合うような汽水域でも育ち、水質浄化にも役立ちます。畑で地植えするほか、水田や池などで栽培できます。

乾燥に弱いので、地植えする場合は夏に水やりできる場所に植えるとよいでしょう。プランターや水耕栽培のバケツなどの容器で栽培している場合は、夏は西日の当たらない半日陰か明るい日陰に移動したほうが水切れしにくく、葉や茎が柔らかくなって生育もよくなる場合が多いです。

生育温度

クウシンサイの生育に適した温度の目安は15~35℃で、高温多湿を好みます。水分が十分なら夏に最もよく生育し、暑さで弱ることもありません。

冬越し

寒さには弱く、屋外では越冬しません。温度が10℃以下になると生育が止まり、0℃以下になると枯死します。

クウシンサイの種まき

クウシンサイ
Puripatch Lokakalin/Shutterstock.com

「クウシンサイ」の名称は商標登録されているため、流通する種子は「エンサイ」や「エンツァイ」などの名前で販売されているので注意してください。

5月が種まきの適期です。発芽適温は20~30℃と高いので、できるだけ暖かい環境に置くと発芽率が高くなります。種子は一晩水に漬けてから播き、5mm~1cm程度覆土してください。ポット鉢に播く場合は3~4粒播き、本葉が2~3枚程度になったら2本に間引きます。

本葉が4~5枚になるまで育苗したら、植え付けします。

クウシンサイの挿し芽

クウシンサイ
Ageng Arifian Sasono/Shutterstock.com

5月から10月に、挿し芽で簡単に増やすことができます。特に夏の温度が高い時期は生育が早いです。

クウシンサイは再生力が強く、根元付近の茎をコップに水ざしするだけで発根して芽が出てきます。初夏頃からクウシンサイが野菜売り場で流通するようになるので、苗を購入するよりお得に栽培をスタートできます。赤玉土小粒などの用土に挿し芽しても、用土を乾かさなければ簡単に発根します。

挿し芽する際は、上部の葉を2~3枚だけ残して下葉をとってください。葉が大きい場合は半分に切ります。水ざしして葉が多くついた苗を用土に植える場合は、古い葉をとって葉の量を1/3~半分程度減らしてから植えてください。

クウシンサイの植え付け・植え替え

クウシンサイ
ThessaElArta/Shutterstock.com

植え付け(地植え)

連作障害はないので、前年度栽培した場所でも再度問題なく植えることができるのも利点です。多めの肥料を好むので、たくさん収穫するにはしっかりと土づくりをすることが大切です。

植え付けの適期は5~6月です。植え付け前の準備として、2週間くらい前に1㎡当たり堆肥や腐葉土3㎏、化成肥料150gを均一にまき、耕しておきます。苗を株間20~30cmあけて植え、種まきで育てた小さな苗は1カ所に2株植えるとよいでしょう。植え付け後にたっぷり水やりしてください。植え付け後に敷き藁などで表土の乾燥を防ぐとよいでしょう。

植え付け・植え替え(鉢植え、プランター)

鉢植えで育てる場合は、ポット苗が根詰まりしたら5~6号鉢に植替え、最終的に8号くらいの鉢に植えます。はじめから苗を3鉢程度寄せ植えにして8~10号鉢に植えてもよいでしょう。

プランターに植える場合は、65cm幅のプランターの場合、3~5株植えます。

いずれも肥料と水をしっかり与えられるなら、2~3cm間隔くらいの密植気味に植えても育ちます。

用土

多くの植物に使える一般的な培養土か、野菜用の培養土を利用することができます。自分で配合する場合は、赤玉土小粒7:腐葉土3を混ぜた用土などを使います。

クウシンサイの育て方・日常の手入れ

クウシンサイ
Dezych/Shutterstock.com

水やり

水生、または半水生の植物なので、乾燥を嫌います。春の温度が低く苗が小さい時期は、用土の表面が乾いたら水やりしますが、その後の晴れた日は毎日水やりしてください。

鉢植えやプランターは夏に腰水栽培できますが、溜めた水がお湯にならないよう注意してください。

肥料

植え付け後、元肥が切れた1カ月後ぐらいから10月まで肥料を切らさないように追肥します。窒素が多め、または3要素が等量程度含まれた緩効性化成肥料などを規定量与えます。

病害虫

アブラムシが発生することがあります。春は日当たりのよい場所で育てると発生が少ないです。発生したら、初期のうちは水を強めに当てて洗い流すようにします。

またベランダなど乾燥しやすい場所ではハダニが発生します。半日陰から明るい日陰に移動し、葉水をよく与えるようにしてください。

クウシンサイの簡易的な水耕栽培

クウシンサイ
kobrunrun/Shutterstock.com

家庭で水耕栽培する場合は、密集した状態で栽培できます。水質のよくない池で茎が浮かんだ状態でも生育できる水生植物なので、難しく考える必要はありません。ペットボトルやビニールコップなどを利用して、少しの工夫でさまざまに栽培することができます。以下に100円ショップで購入できる簡単な資材を使ってたくさんのクウシンサイを収穫できる方法を紹介します。

水耕栽培の種まき・苗の植え付け

クウシンサイ
撮影:小川恭弘

【用意するもの】

  • プラスチック製のザル
  • ザルが収まるサイズのバケツ
  • 不織布
  • 野菜用の培養土、または軽石小粒

プラスチック製のザルと、ザルがちょうどはまるサイズのバケツを購入します。バケツとザルがセットになったものも販売されています。

不織布をザルにしき、その上に野菜用の培養土をザルの半分~2/3程度の高さまで入れます。また培養土の代わりに軽石小粒を使っても、初期の成長はやや遅れますがその後は問題なく生育します。

ジョウロなどで水をかけて用土を湿らせ、2~3cm間隔くらいで密集気味に種まきして軽く覆土してください。用土に挿し芽してもよいでしょう。

その後はバケツに貯めた水がザルの底の部分に浸かるようにすれば、用土が底面から湿るようになります。ただし春の温度が低い時期は底面給水せず、室内の日当たりのよい場所でザルに直接水やりしたほうが発芽率や初期生育がよいです。

水耕栽培の管理

根がザルから長く伸びてバケツの水を直接吸収するようになったら、用土が水に浸からなくても問題ありません。水の交換は2~3週間に1回やれば大丈夫です。夏は水の減り具合が激しいので、水量のチェックを怠らないようにしてください。

バケツの水には、肥料成分として微粉ハイポネックスを1,500倍~3,000倍程度に薄めて与えるようにします。肥料は、ザルから根が多く伸びてきたくらいのタイミングで与えます。

クウシンサイの収穫

クウシンサイ
Arayabandit/Shutterstock.com

つるの先端の柔らかい部分を10~30cmほど切って収穫します。

植え付け後、30~40cmほどの高さに伸びたら、株元から3~4節を残して切り収穫します。その後発生した脇芽を伸ばし、分岐した部分から1~2節を残して切り収穫を繰り返します。

収穫が遅れて枝葉が茂りすぎると、脇芽が伸びにくくなります。適度に収穫して風通しよく育てるとよいでしょう。

秋に花が咲いて結実すると茎が硬くなり、生育も衰えてきます。

クウシンサイの栽培ポイント

クウシンサイ
Robert Buchel/Shutterstock.com
  • 高温性で夏に最もよく生育する
  • 水生植物なので乾燥に弱い
  • 水耕栽培がおすすめ
  • 肥料切れに注意
  • 挿し芽でよく増える

風味がよく栄養豊富なクウシンサイは、水辺などで簡単に栽培でき生産性が高いので、東南アジアなどでは最も重要な野菜です。クウシンサイを栽培すれば近年の夏の猛暑にも負けずに旺盛に生育し、貴重な葉物野菜がたくさん入手できます。生育も早いので驚くほど何度も収穫でき、重宝することでしょう。水耕栽培ならあまり手間がかからずグングン大きくなるので、生育する様子の観察も楽しめます。

野菜として入手したクウシンサイの根元付近の茎を利用して、気軽に栽培を始めてみませんか。

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