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アグラオネマは人気の観葉植物! 特徴や魅力、枯らさないためのお手入れの仕方を解説

Firn/Shutterstock.com
葉姿が美しいアグラオネマは、耐陰性が高くインテリアグリーンとして今、人気の観葉植物です。品種によって斑の入り方がさまざまで、選ぶ楽しみがあるのも魅力。この記事では、アグラオネマの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉、種類、育て方などについて詳しくご紹介します。
目次
アグラオネマの基本情報

植物名:アグラオネマ
学名:Aglaonema
英名:Chinese Evergreen、Aglaonema
和名:リョクチク(緑竹)
科名:サトイモ科
属名:リョクチク属(アグラオネマ属)
原産地:熱帯アジア
形態:宿根草(多年草)
アグラオネマの学名はAglaonemaで、学名がそのまま流通名になっています。アグラオネマはサトイモ科アグラオネマ属の常緑多年草です。原産地は熱帯アジアで、高温多湿を好み、暑さには強いものの、寒さには弱いので、鉢栽培にして季節によって適した場所に移動しながら管理するのがポイントです。草丈は10〜50cmほどで、冬もみずみずしい葉姿を保つため、観葉植物として人気があります。
アグラオネマの葉や花の特徴

園芸分類:観葉植物
開花時期:5〜7月
草丈:10〜50cm
耐寒性:弱い
耐暑性:強い
花色:白
アグラオネマは、主に光沢がある艶やかな葉に美しい斑が入る株姿を観賞する観葉植物で、エキゾチックで涼感を感じさせる人気のインドアグリーンです。直立するタイプと横に広がるタイプがあります。品種が多様に出回っており、白斑、縞模様、迷彩柄、赤葉など、選ぶ楽しみがあるのも魅力の一つです。5〜7月には白い花を咲かせることがあります。白い花弁に見える部分は苞で、その中心にあるのが肉穂花序と呼ばれる花です。ミズバショウやアンスリウムの花に似た、サトイモ科らしい花です。
アグラオネマの名前の由来や花言葉

アグラオネマという学名は、ギリシア語で「輝く」という意味の「アグオス」と「糸」を意味する「ネーマ」に由来し、光沢のある雄しべを輝く糸に見立てて名付けられたとされています。アグラオネマの花言葉は「青春の輝き」「スマート」などです。
アグラオネマの主な品種
アグラオネマは約20種が確認されています。ここでは、アグラオネマの種類や人の手によって作出された園芸品種の中から、ポピュラーなものをいくつかご紹介します。
アグラオネマ‘マリア’

‘マリア’は交配して作出された園芸品種の一つで、放射状に茎葉を立ち上げます。ややウェーブがかった濃い緑の葉には、白いまだら模様の斑がくっきりと入ります。草丈は50cmほど。育てやすいのでビギナーにおすすめです。
アグラオネマ・ピクタム

細めの葉が華奢な印象を持つとともに、コンパクトにまとまるので小スペースで育てられます。緑の葉に黄緑色と深緑色、白色が混じり、迷彩柄となるのが特徴です。
アグラオネマ‘シルバークイーン’

葉が直立する、株姿が美しいタイプで、葉は緑色で銀緑色の斑が入ります。アグラオネマを代表する園芸品種ともいわれ、モダンな印象が魅力的。流通量が多く、手に入りやすいのも特徴です。
アグラオネマ‘ホワイトステム’

葉の先端と茎が真っ白なタイプで、緑と白のコントラストが美しい園芸品種です。葉脈に沿うようにして白い斑も入ります。比較的寒さに強く、株姿が乱れにくいのが特徴です。
アグラオネマ‘ジュエリー’
艶やかな濃い緑の葉に、クリーム色、ピンク、赤の斑がランダムに入り混じる、とても美しい園芸品種です。
アグラオネマ・オプロンギフォリウム‘カーティシー’
細長い葉にホワイトの矢羽根模様が入るスタイリッシュな葉を持ち、インテリアグリーンとして映える園芸品種です。匍匐するタイプのため、株姿が乱れてきたら仕立て直しをするとよいでしょう。映画「レオン」に登場したことから人気になった品種です。
アグラオネマの栽培12カ月カレンダー
開花時期:5〜7月
植え付け・植え替え:5〜7月
肥料:5〜7月、9~10月
剪定:5~9月
アグラオネマの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】直射日光に当たると葉焼けしやすく、耐寒性も低いため、室内での管理がおすすめです。5〜9月の生育期は屋外の明るい半日陰で管理すると締まった丈夫な株になります。
【日当たり/屋内】一年を通して明るい半日陰の場所で管理します。室内では窓辺に置き、レースのカーテンで遮光しましょう。
【置き場所】高温多湿を好むので、乾燥する時期は葉に霧吹きで水をかけるとよいでしょう。乾燥しすぎると葉を落とすことがあります。また低温に弱いので、冬は室内のできるだけ暖かい場所に置きます。窓にごく近い場所は夜に冷気が伝わりやすいので、窓から少し離して置きましょう。
耐寒性・耐暑性
アグラオネマは暑さには強いのですが、夏の強い自然光を浴びると葉焼けするので、レースのカーテンなどで遮光することが大切です。寒さに弱く、冬は12℃を下回る場所では株が弱るので、必ず室内の暖かい場所で管理します。
アグラオネマの育て方のポイント
アグラオネマは寒さに弱く、日本の真冬の厳しい気候を苦手とするため、基本的に鉢栽培とします。季節に応じて、置き場所を移動しながら管理しましょう。ここでは、鉢栽培でのアグラオネマの育て方を解説します。
用土

アグラオネマは水はけ、水もちのよい土壌を好みます。観葉植物用にブレンドされた、園芸用培養土を利用すると便利です。自身でブレンドする場合は、赤玉土小粒7、腐葉土3の割合にします。また、根腐れ防止にゼオライトを混ぜておくのもおすすめです。
水やり

日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。受け皿にたまった水は、こまめに捨てましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。また、生育が鈍る冬は水やりを控えめにしましょう。
高温多湿を好むため、こまめに霧吹きで葉に水をかけると調子よく育ちやすく、ハダニの予防にもなります。
肥料

【元肥】
苗を植え付ける際に施す肥料が、元肥です。元肥を施すことで苗の初期生育を助け、茎葉をしっかり茂らせることにつながります。植え付けの際に、培養土に緩効性化成肥料を施しておきましょう。ただし市販の培養土を利用する場合、元肥配合済みのものであれば不要です。
【追肥】
植え付けた苗が順調に生育し、元肥の効き目が切れた頃に与えるのが追肥です。鉢栽培の場合は、水やりとともに肥料成分が流失しやすいので、追肥をして株の勢いを保つようにします。肥料を与える期間は、盛んに生育する5〜7月と9〜10月です。2カ月に1度を目安に緩効性化成肥料を表土にばらまき、軽く土になじませます。もしくは2週間に1度を目安に、速効性の液肥を与えてもよいでしょう。真夏と冬は肥料焼けすることがあるので、肥料を与えずにおくこともポイントです。
注意する病害虫

【病気】
アグラオネマに発生しやすい病気は、灰色かび病、軟腐病などです。
灰色かび病は葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下にて発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。
軟腐病は細菌性の病気で、高温時に発生しやすくなります。特に梅雨明けから真夏が要注意。
球根や成長点近くの茎、地際の部分や根が腐って悪臭を放つので、発症したのを見つけたら、周囲に蔓延しないようにただちに抜き取り、周囲の土ごと処分してください。予防は水はけをよくして、いつもジメジメとした環境にしないこと。また、害虫に食害されて傷ついた部分から病原菌が侵入しやすくなるので、害虫からしっかり守ることもポイントになります。
【害虫】
アグラオネマに発生しやすい害虫は、ハダニ、アブラムシなどです。
ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期に葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。
アグラオネマの詳しい育て方
苗の選び方
アグラオネマを購入する際は、葉の色つやがよく、病害虫の痕がないもの、葉の模様が好みのものを選ぶとよいでしょう。
植え付け・植え替え

アグラオネマの植え付け適期は、5〜7月です。
【植え付け】
入手したアグラオネマの苗よりも1〜2まわり大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから観葉植物用培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出し、根鉢をくずさずに鉢の中に入れ、仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。
【植え替え】
鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から出してみて根詰まりを起こしていたら、軽くほぐして古い土を落とし、一まわり大きな鉢に植えるとよいでしょう。
日常のお手入れ

【花がら摘み】
アグラオネマは、5〜7月に白い花をつけることがあります。花を楽しむのもいいのですが、そのままにして種子をつけさせると株が消耗するので、花が傷み始めた頃に切り取っておきましょう。早めに切って一輪挿しに飾って楽しむのもおすすめです。
剪定・切り戻し

アグラオネマの剪定適期は5~9月で、生育している時期に行います。込み合いすぎている部分を透かすように剪定していきましょう。傷んでいる葉や枯れている葉を選んで切り取ります。また、株姿が乱れていたら、深めの位置まで切り戻して仕立て直すとよいでしょう。剪定の際には、切り口から白い樹液が出てきます。これが皮膚につくと炎症を起こすことがあるので、必ずガーデングローブを着用しましょう。
夏越し・冬越し

【夏越し】
アグラオネマは高温多湿な環境を好むので暑さには強いのですが、夏の強い自然光を浴びると葉焼けするので、レースのカーテンで遮光することが大切です。乾燥を嫌うので、半日陰で管理しましょう。
【冬越し】
アグラオネマは寒さに大変弱く、冬は12℃を下回る場所では株が弱るので、必ず室内の暖かい場所で管理します。窓にごく近い場所では夜に冷気が伝わりやすいので、少し離した場所に置きましょう。乾燥しすぎると葉を落とすことがあるので、定期的に葉に霧吹きをかけて管理します。
増やし方

アグラオネマは、挿し芽、株分け、水挿しで増やすことができます。
【挿し芽】
挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽ができないものもありますが、アグラオネマは挿し芽で増やせます。
アグラオネマの挿し芽の適期は、5月中旬〜7月下旬です。新しく伸びた茎節を切り取り、樹液が出てこなくなるまで流水で洗い流し、下葉を数枚落とします。採取した茎(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。3号くらいの鉢を用意し、底にゴロ土を入れてから新しい培養土を入れます。湿らせた培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。その後は明るい日陰に置いて、乾かさないように水の管理をします。十分に育ったら、サイズに見合った鉢に移植します。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。
【株分け】
株分けの適期は、5月中旬〜7月下旬です。鉢から出して根鉢をくずし、古い土を落とします。数芽ずつつけて根を切り分けて、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。
【水挿し】
水挿しの適期は、5月中旬〜7月下旬です。新しく伸びた茎節を切り取り、下葉を数枚落として水を張った器に挿しておくだけでOK。毎日水を替えて様子を見守ると、1カ月ほどで発根します。十分に発根したら見合った小さい鉢に植え替え、成長と共に大きな鉢に植え替えて大きく育てるとよいでしょう。
アグラオネマは毒性に注意

サトイモ科に属するアグラオネマにはシュウ酸カルシウムが含まれており、誤食すると食中毒を引き起こす危険性があるので注意しましょう。特に幼児やペットのいる家庭では、インテリアグリーンとして飾った際に誤って口に入れることのないように、置き場所に配慮してください。また、切り口から出る液も、触れるとかぶれることがあるため、お手入れの際はゴム手袋を装着しておくと安心です。
適切に手入れをして好みのアグラオネマを育ててみよう!

斑の入り方が美しく、一年を通してみずみずしい葉姿を楽しめるアグラオネマは、観葉植物界の中でも人気の存在。インテリアに飾れば眺めがワンランクアップするアグラオネマを、リビングや個室に迎えてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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