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インテリアにぴったり! ミルクブッシュの育て方とお手入れ方法

インテリアにぴったり! ミルクブッシュの育て方とお手入れ方法

Phubes Juwattana/Shutterstock.com

サンゴのようなユニークな株姿が美しく、観葉植物として人気の高いミルクブッシュ。さまざまな園芸品種が見つかるのも魅力です。この記事では、インテリアグリーンにおすすめのミルクブッシュの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉、品種、育て方について、詳しくご紹介します。

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ミルクブッシュの基本情報

ミルクブッシュ
PhilipYb Studio/Shutterstock.com

植物名:ミルクブッシュ
学名:Euphorbia tirucalli
英名:Indian tree spurge、milk bush、naked lady、pencil tree、pencil cactus、fire stick、aveloz
和名:ミドリサンゴ(緑珊瑚)
その他の名前:アオサンゴ(青珊瑚)、ミルクブッシュ
科名:トウダイグサ科
属名:トウダイグサ属(ユーフォルビア属)
原産地:熱帯アフリカ、南アフリカ
形態:常緑性低木 

ミルクブッシュの学名はEuphorbia tirucalli(ユーフォルビア・ティルカリ)。ユーフォルビアの一種で、トウダイグサ科トウダイグサ属(ユーフォルビア属)の低木です。樹高は10〜200cmほど。こまめに剪定すれば樹高をコンパクトに保つことができます。

原産地は熱帯アフリカ、南アフリカで、暑さに強いものの寒さには大変弱いので、地植えにする場合は、冬は鉢上げして室内や温室に取り込む必要があります。常緑性で冬もみずみずしい姿を保ち、枝姿が美しいので観葉植物として人気があります。

ミルクブッシュの枝や葉、花の特徴

ミルクブッシュ
Paladin12/Shutterstock.com

園芸分類:観葉植物
開花時期:6〜9月
樹高:10〜200cm
耐寒性:弱い
耐暑性:強い
花色:黄色

ミルクブッシュの枝はグリーンの直径5mmほどの棒状で、とても小さな楕円形の葉がつきますが、すぐに落葉してしまいます。枝は多肉性で、よく分枝して伸びる姿はサンゴに似ていることから、「ミドリサンゴ」「アオサンゴ」という名前でも呼ばれています。枝の切り口から出る白い樹液は有毒で、皮膚につくとかぶれを引き起こし、目に入ると失明の危険性もあるので注意しましょう。

ミルクブッシュの花
Pungu x/Shutterstock.com

ミルクブッシュは主に茎を観賞しますが、夏には小さな花も開花します。枝先に杯状花序と苞葉がつき、花後には蒴果が実ります。

名前の由来と花言葉

ミルクブッシュ
GreenThumbShots/Shutterstock.com

ミルクブッシュをカットすると、切り口からミルクのような白い液体が出てくるので「ミルクブッシュ」の名前がつきました。この液に触れると、皮膚がかぶれることがあるので注意しましょう。剪定をする際は、必ず園芸用のグローブをはめて作業し、もし手指についたら流水で洗い流しておきましょう。デメリットのようでもありますが、獣害の食害に遭いにくいというメリットもあります。

ミルクブッシュの花言葉は「穏やかな性格」です。

ミルクブッシュの代表的な品種

ミルクブッシュ
Nikolay Kurzenko/Shutterstock.com

ミルクブッシュは、人の手による交配によって作出された園芸品種も多く出回っています。ここでは、主に流通している品種についてご紹介します。

‘ファイヤースティック’

ミルクブッシュ‘ファイヤースティック’
alybaba/Shutterstock.com

寒くなるとグリーンの枝先がオレンジから赤へ変色していき、それが品種名の由来となっています。日当たりのよい場所で管理すると、さらに発色がよくなります。‘スティックオンファイア’とも。

‘イエローマジック’

新芽が出始める頃に黄色〜オレンジに色づいて、カラフルな株姿を観賞できます。日当たりのよい場所に置くと色がよく冴えるのが特徴。やがて枝葉の色はグリーンに落ち着きます。

‘ピンクカメレオン’

秋から冬にかけて紅葉するタイプで、枝先がピンク色〜黄色になります。‘ファイヤースティック’よりも赤みが控えめな色調で、シックな雰囲気が魅力的です。

ミルクブッシュの栽培12カ月カレンダー

開花時期:6〜9月
植え付け・植え替え:5〜9月
肥料:4〜10月
剪定:4〜5月、9月頃

ミルクブッシュの栽培環境

ミルクブッシュ
Natalia Leen/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。春から秋は屋外でも栽培できますが、寒さに弱いので冬は室内に取り込みましょう。

【日当たり/屋内】日当たり・風通しのよい場所で管理します。

【置き場所】水はけ、水もちのよい土壌を好むので、腐葉土や堆肥を多めにすき込んで腐植質に富んだふかふかの土づくりをしましょう。屋内の場合、日当たりのよい窓辺などで管理します。また、鉢を動かさずにいると日の当たる方向にばかり枝葉が伸びて、樹形のバランスが悪くなってしまいます。週に一度ぐらいを目安に、鉢の向きを替えるのもポイントです。

耐寒性・耐暑性

耐寒性が弱いので、最低気温が10℃を下回るようになったら、地植えの場合は鉢に植え替え、日当たりのよい室内に移動して管理しましょう。

ミルクブッシュの育て方のポイント

用土

土
funnyangel/Shutterstock.com

【地植え】

植え付けの2〜3週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料少量を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。

水やり

水やり
wavebreakmedia/Shutterstock.com

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。

真夏は、気温が高い昼間に与えると、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると夜温で冷たくなってしまうので、十分に気温が上がった日中に行うようにしましょう。

【地植え】

根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。生育期は旺盛に枝葉を伸ばすので水切れに注意が必要ですが、秋以降は徐々に水やりの回数を減らし、乾燥気味に管理するとよいでしょう。

肥料

【地植え・鉢植えともに】

植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきます。その後は、生育期に緩効性化成肥料を2カ月に1度を目安に施しましょう。

注意する病害虫

カイガラムシ
Decha Thapanya/Shutterstock.com

【病気】

ミルクブッシュに発生しやすい病気は、枝枯病です。

枝枯病にかかりやすいのは主に4〜10月。日当たりが悪く、湿気の多い場所で発生しやすい病気です。主に枝に発生し、剪定時の切り口や食害された部分などに淡い褐色または黒ずんだ褐色の不整形な斑点が現れ、病班が広がると枝が枯れてしまいます。枯れた枝の表面には、黒い粒が発生するのが特徴です。剪定する際、枯れ枝があれば切り取っておき、株と株同士の間が狭い場合や、茎葉が茂りすぎて鬱蒼としていたら、間引いて風通しよく管理します。生育期に芽吹いて新しい枝を伸ばし始めた頃に、適用する殺菌剤を散布して予防してもよいでしょう。

【害虫】

ミルクブッシュに発生しやすい害虫は、ハダニやカイガラムシなどです。

ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。

カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。

ミルクブッシュの詳しい育て方

苗の選び方

苗を購入する際は、節間が短くがっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。黄色く傷んだ葉がついているものや虫食い跡のあるもの、ヒョロヒョロと茎葉が長く伸びて弱々しいものは避けたほうが無難です。

植え付け・植え替え

ガーデニング
OlegDoroshin/Shutterstock.com

ミルクブッシュの植え付け・植え替えの適期は、5〜9月です。ただし、植え付け適期以外にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えます。複数の苗を植える場合は、40〜50cmくらいの間隔を取っておきましょう。

ミルクブッシュの耐寒温度は5℃くらいなので、最低気温が10℃を下回るようになってきたら、鉢に植え替えましょう。日当たりのよい室内や温室へ移動してください。越年して霜の心配がなくなった頃に、地植えに戻します。

【鉢植え】

鉢で栽培する場合は、6〜8号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に入れて仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取って植え替えましょう。

剪定

剪定
mihalec/Shutterstock.com

成長して樹形が乱れてきたら、剪定をします。ミルクブッシュの剪定適期は4〜5月か9月頃です。枝を切ると切り口から樹液がポタポタと落ちてくるので、インテリアに飾っている場合に室内で作業する際は、ビニールシートや新聞紙などを敷いておくとよいでしょう。

ミルクブッシュはどこで切ってもよく、密に茂りすぎて風通しが悪くなっている部分を、バランスを見ながら透かすように剪定していきます。枝は途中で切らずに、分岐部まで遡って切るようにしましょう。また、太くて勢いよく伸びている徒長枝があると、全体のバランスが崩れるので、深めに切り戻してください。枯れ枝があれば、すべて切り取っておきます。

増やし方

種まきポット
Kunlanan Yarist/Shutterstock.com

ミルクブッシュは、株分けと挿し木で増やすことができます。ここでは、それぞれの方法について解説します。

【株分け】

ミルクブッシュの株分けの適期は5〜9月です。

ミルクブッシュの株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら「株分け」をして増やします。株を掘り上げて数芽ずつつけて根を切り分け、再び植え直します。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。

【挿し木】

挿し木とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木ができないものもありますが、ミルクブッシュは挿し木で増やせます。

ミルクブッシュの挿し木の適期は、5〜9月です。新しく伸びた枝を10〜15㎝ほど、切り口が斜めになるように切り取り、切り口から乳液が出なくなるまで、流水で洗い流します。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を半分くらいに切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。明るい日陰に置いて乾燥させないように管理し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

見た目がユニークなミルクブッシュを育ててみよう

ミルクブッシュ
GreenThumbShots/Shutterstock.com

まるでサンゴのようなユニークなフォルムが目を引くミルクブッシュは、インテリアグリーンとして楽しめる植物です。日当たりのよい場所に置き、週に1度を目安に180度回転しながら管理すると、美しい株姿をキープでき、リビングや個室で存在感あるアクセントになります。ミルクブッシュの栽培にぜひチャレンジしてみてください。

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