花瓶なしでもOK! 数輪の花とガラス瓶で作る、プロ直伝「北欧×和モダン」のインテリア
「和の花を飾るのは、格式が高くて難しそう……」そんな風に思っていませんか? ここでは、フラワー&フォトスタイリストの海野美規さんが、北欧デザインのナチュラルな質感と、凛とした和の花を掛け合わせた、今の暮らしに馴染むアレンジをご提案します。主役は、生命力あふれるピンクの椿。まだ冷たい2月の空気の中に「春の予感」を運んでくれる、早春の花々にまつわる物語とともに、少ない本数の花でもおしゃれ&軽やかに見せるテクニックを解説します。
目次
春の足音が聞こえる季節

窓の外はまだ冷たい風が吹く2月。けれど、ふとした瞬間に漂い始めたジンチョウゲの香りに、「あ、春がそこまで来ている」と気づかされる季節でもありますね。
「和の花を飾るのは、なんだか難しそう……」そんな風に思っていませんか? 今月は、凛とした美しさを持つ椿(つばき)や梅を、あえて北欧デザインの木製トレイとガラスの小瓶を使って、今の暮らしに溶け込むモダンなスタイルで活けてみましょう。

主役は、ピンクの椿です。
たとえ花が数輪しかなくても、トレイという「キャンバス」の上にリズムを作るだけで、お部屋は一気に春めいた表情に変わります。

北欧デザイン×和の花

どっしりと活けがちな「和の花」を、あえて北欧デザインの木製トレイに合わせるのが今回のスタイルです。ナチュラルな木の質感とガラスの透明感をプラスすることで、和の趣はそのままに、現代のインテリアに馴染む「軽やかさ」が生まれます。
今月の花材

- 椿 艶やかな葉と大輪の花。アレンジに重心を作り、主役になります。
- 紅梅(こうばい) 凛とした枝ぶり。アレンジにラインを描きます。
- ストック ふわふわした質感で春らしさアップ。
- ジンチョウゲ 「春の三大香木」の1つ。紅紫のつぼみから香りのよい白い花が開きます。
- スイートピー ひらひらと舞う蝶のような軽やかさをプラス。
- ラナンキュラス 柔らかい花びらが優しく華やか。
少ない本数でも「楽しげ」に見せるテクニックとアレンジ手順

今回のアレンジのポイントは、1つの大きな花瓶に生けるのではなく、小さなグラスや空き瓶を3〜5個トレイに並べること。少ない本数でもアレンジにリズムが生まれ、軽やかな印象になります。
<アレンジの手順と目的>
リズムを作る
コップやグラス、ジャムの空き瓶など、高さや形の異なる瓶をトレイにランダムに配置します。私は以下のような形で配置しました。

ラインを描く
背の高い瓶に梅の枝を入れます。
重心を決める
真ん中の瓶に椿を低めに挿します。残りの数本の椿をバランスを見ながら入れ、全体のアウトラインを決めます。


仕上げ
空いたスペースにストックやラナンキュラス、スイートピー、ジンチョウゲを添えましょう。


出来上がり!

2月のピンクは特別

2月を象徴する花といえば「梅」ですが、平安時代、おしゃれな貴族たちの間では「紅梅(こうばい)」のピンク色が一番のトレンドだったとか。

厳しい寒さの中で、他の花に先駆けて咲く梅のピンクは、当時の人々にとって生命力の象徴であり、待ちわびた「光の予兆」。現代の私たちにとっても、2月に飾るピンクの花は、単なる可愛らしさだけでなく、冬を乗り越える強さのようなものを感じる特別な色と言えると思います。
桃の花に秘められた「最強の守護」

3月3日はひな祭りですね。「桃の節句」とも呼ばれるように、この日に飾るのは「桃の花」。じつは古来より、桃には「邪気を払う強力な力があると信じられてきました。鬼退治に行くのが「桃」太郎なのも、神話の中でイザナギノミコトが黄泉の国の追手を退けた武器が「桃の実」だったからとされています。
2月の冷たい空気の中、ピンクの花を飾ることは、新しい季節を迎える前に家の中を浄化し、大切な人を守るためのお守りを飾ることでもあるのです。
かわいい! 長崎の「桃カステラ」

長崎名物の桃カステラをご存じですか?
カステラの上にぽってりとのったピンクの砂糖細工は、まるで今活けたばかりの椿の花のようなお菓子です。初めて見た時は、とてもかわいらしくて、思わず「わぁ!」と声をあげてしまいました。
桃カステラとは、なんでも、中国の不老長寿の果実「桃」と、南蛮渡来の「カステラ」が融合した、異国情緒漂う長崎の郷土菓子で、雛祭りだけでなく、出産・長寿祝いなどの慶事に欠かせない縁起菓子なのだそうです。
私の住む静岡県の中部地方には、特別な雛祭りのお菓子はないようなのですが、みなさまの街には、どんな『春を告げるお菓子』があるでしょうか?
Credit
写真&文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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