冬になると庭や店先で見かける、つややかな黄色のキンカン。喉にやさしい果実として親しまれています。甘露煮を作れば家中に広がる甘く爽やかな香りは、愛犬にとっても興味をそそるもの。けれど、キンカンは犬に与えるには注意が必要な果実です。そこで、人には喉をいたわるキンカンの甘露煮を、そして愛犬にはキンカンの代わりに安心して食べられる冬の手作りおやつを用意しましょう。ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法を学ぶ海野美規さんが、冬の台所で生まれた、人と犬それぞれにやさしいおやつの話と、簡単レシピをご紹介します。
目次
冬の風物詩キンカンと愛犬のおやつ

冷え込みが厳しくなる季節、庭の木々に黄色く色づくキンカンを見ると、冬の本番を感じますね。キンカンは、古くから喉の薬として親しまれてきた冬の風物詩。コトコトと甘露煮を煮込む時間は、お家の中に爽やかな香りが広がる癒やしのひとときでもあります。
そうしてキッチンから甘い香りが漂ってくると、ソファーの上で寝ていたはずの愛犬あんが期待に満ちた瞳でこちらをじっと見ています。
あんと暮らしていると、何を作るにも「これは犬に安全かな?」と考えるようになりました。キンカンはというと、犬にとっては少し注意が必要な果実とされています。

ということで、今回はキッチンで2つのおやつを同時に作ります。私には喉に優しいキンカンの甘露煮を、そしてソファーで待っている愛犬には、キンカンと同じくらい栄養たっぷりの「リンゴとサツマイモ」のおやつを作ります。
キンカンの栄養

キンカンの甘露煮は、民間療法では古くから風邪予防や喉のケアによいとされ、親しまれています。栄養学的にもメリットがあります。
【キンカンに含まれる栄養素例】
- ビタミンC:風邪予防や免疫力向上に。キンカンは皮ごと食べるため、多くのビタミンCを摂取できます。
- ビタミンP(ヘスペリジン):皮に多く含まれ、壊れやすいビタミンCを安定させたり、血流の改善、毛細血管の強化に役立つとされています。
- ビタミンA(β-クリプトキサンチンなど):粘膜を強くし、喉の健康を守る効果が期待できます。
そのほか、食物繊維やカルシウムも豊富。ビタミンCは加熱に弱いため、甘露煮にすると減少する恐れがありますが、とろりと甘いキンカンの甘露煮は寒い冬にうれしいおやつですね。
キンカンの甘露煮活用法

この甘露煮を風邪予防や喉のケアに活用する方法は、
1つ目は、そのまま一粒いただく。じっくりと煮込むことでキンカン特有の苦味や酸味が和らぎ、おやつを食べるような感覚で手軽に栄養を補給できます。
2つ目は、冬の寒い日にぴったりの「キンカン湯」として楽しむ方法。甘露煮のシロップをお湯や紅茶で割って飲むと、体が芯から温まると同時に、蒸気と共に広がる爽やかな香りが喉を優しく潤してくれます。
キンカンの甘露煮の作り方

それでは、キンカンの甘露煮を作りましょう。
<材料>
- キンカン 1袋(約250〜300g)
- 砂糖 約150g
キンカンの重さの約半分が目安です。氷砂糖を使うとよりスッキリした甘さとツヤが出ます。 - 水 120ml
- (お好みで)ショウガスライス 2〜3枚
風邪予防効果をより高めるため、ショウガを追加しても。
<作り方>
① 下茹で(アク抜き)

キンカンをよく洗い、ヘタを竹串などで取り除きます。
たっぷりの沸騰したお湯にキンカンを入れ、2〜3分ほど茹でます。
その後、冷水にとって冷まします。
【ポイント】
これにより苦味が抜け、皮がふっくらと仕上がります。
② 切り込みと種取り
キンカンの側面に、縦に4〜5箇所ほど包丁で浅く切り込みを入れます。
種が気になる方は、指で少し押し出すようにして、隙間から竹串で中の種を取り除いてくださいね。私はいつもそのままです。
③ 煮込む

1. お鍋に水、砂糖を入れて火にかけます。
2. 砂糖が溶けたら、キンカンを重ならないように並べ入れます。
3. 落とし蓋(またはクッキングシートに穴を開けたもの)をして、弱火で15分〜20分ほど煮ます。

4. キンカンが透き通ってきたら火を止め、そのまま冷まします。
【ポイント】
「冷ます」のが一番の味付け: 煮上がった直後よりも、煮汁に浸したままゆっくり冷ますことで、中まで甘みがじわじわと染み込み、シワのないツヤツヤな見た目になります。
保存方法:清潔な瓶に入れて冷蔵庫で保存を。2週間ほど美味しくいただけます。
犬とキンカン
我が家では庭に実っているキンカンですが、じつは犬が皮ごと食べるのはおすすめできないとのこと。柑橘の皮に含まれる「リモネン」は、犬の皮膚や胃腸に刺激を与えることがあります。
落ちた実を愛犬がパクっと食べてしまわないよう、収穫時期はお散歩や庭遊びの際に見守ってあげてくださいね。
愛犬用おやつ リンゴとサツマイモの「ほっこりお団子」

キンカンが食べられない愛犬のために、キンカンと同じく冬に美味しさを増すリンゴを使ったおやつを用意してあげましょう。キッチンで甘露煮を煮ている横で、さっと作れる簡単レシピです。

<材料>

- リンゴ 30g
- サツマイモ 70g
- (お好みで)フリーズドライの犬用チーズ 適量
<作り方>
- サツマイモを蒸し、フォークなどで潰します。
2. 皮を剥いて細かく刻んだリンゴを混ぜます。

3. 愛犬が食べやすい大きさに丸めます。

お好みで、フリーズドライの犬用チーズを入れてもよいです。
寒い日のおやつの時間を愛犬と一緒に楽しんでくださいね。

Credit
写真&文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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