【春の花アレンジ】ジンチョウゲと春の庭花でピンク系春色グラデーションアレンジ

春に豊かな芳香を漂わせる花木、ジンチョウゲ(沈丁花)。フレッシュで爽やかなその香りは、この時期だけのお楽しみです。手毬のように咲くジンチョウゲと、ビオラやムスカリなどの春の花を合わせて、瑞々しい春のアレンジメントを楽しんでみませんか? 教えてくれるのは、フラワー&フォトスタイリストの海野美規さん。ジンチョウゲの名前の由来などもご紹介します。
ジンチョウゲをアレンジに

庭に出ると、ジンチョウゲのよい香りがふわりと漂ってきます。この香りがすると、いよいよ春本番が間近だと教えてくれる花。今年は桜の開花が早く、ジンチョウゲも急げ! 急げ! とせかされたことでしょう。

ジンチョウゲは小さな花が毬のように球形になっています。少しアジサイに似ていますね。和のイメージをお持ちの方も多いかもしれません。でも、洋のテイストのアレンジにしても、意外と似合うのです。マグカップにいっぱいに活けるのも好きですが、春の庭花と一緒にアレンジするのも素敵ですよ。

ウスイロジンチョウゲのピンクに合わせて、白からピンク、そして紫色までのグラデーションの色合わせはいかがでしょう。まだ茎が短いビオラ、ムスカリ、下向きに咲くクリスマスローズ、お花屋さんで見つけた白い小花のアリウム・コワニーを組み合わせました。小さな可愛らしい花との相性もよく、春らしい賑やかなアレンジが楽しめます。

ジンチョウゲの香り

「春のジンチョウゲ」「夏のクチナシ(梔子)」「秋のキンモクセイ(金木犀)」、これらは三大香木と言われます。
ジンチョウゲの香りは、三大香木の中でも一番香りの届く範囲が広いのだとか。別名「千里香」とも呼ばれているそうです。確かに、庭にある2本のジンチョウゲからは、とても強い香りを感じます。柑橘系の爽やかでフレッシュな感じがするジンチョウゲの香りが、私はとても好き。春らしい香りだなと思わせてくれます。
沈丁花の名前の由来は、花の香りが香木の沈香に似ていることと、丁子(クローブ)に似た十字形の花をつけることからこのような名前になりました。

ところで、クチナシもキンモクセイも精油があるのですが、ジンチョウゲはどうだったでしょう。調べてみると、沈丁花の花や根には毒があり、また精油として抽出することが難しいため、ジンチョウゲの精油は存在しないとのことです。
それでもジンチョウゲの香水はあるそうで、それはレモンやベルガモット、沈香をブレンドして再現されたもの。スズランとレモンを足した香りが一番似ているとか。やはり爽やかでエレガントな組み合わせになるのですね。
それにしても、こんなに素敵な香りなのに、精油がないのは残念です。花が咲いている今のうちに、ジンチョウゲの豊かな香りを存分に楽しんでおきたいですね。
アレンジに使った花と器

- ジンチョウゲ
シロバナジンチョウゲ
ウスイロジンチョウゲ - クリスマスローズ
- ムスカリ
- ビオラ
- アリウム・コワニー
- 15cm四方のブリキコンポート皿
1cmほどの深さがあり、ここに水を入れて使います。 - ガラスの小さい器(直径5cm)
アレンジの手順
- コンポート皿にガラスの器をセットして、コンポート皿のほうに水を入れます。
- ジンチョウゲを入れます。
茎を寝かせるようにして入れて、水に浸かるようにします。
- クリスマスローズ、ムスカリ、ビオラを入れます。
クリスマスローズは茎を短めにして、水につかるようにします。 - アリウム・コワニーを入れます。
- 形を整えて出来上がり。
水が浅いので、水切れになっていないかどうか日々、注意してくださいね。
ジンチョウゲの風車のような葉っぱも入れて、アクセントにするのがおすすめです。

春を感じる順番

春は三段階で訪れると言われていると、ニュース番組のお天気コーナーで紹介されていました。
まず一段階目は、「光の春」。だんだん日が伸びてきて、日差しも力強くなってきます。春の光に反応して、冬眠していた動物が目を覚ましたり、木々が芽吹いてきたりします。
二段階目は、「音の春」。雪が溶けて川になって、せせらぎが聞こえたり、ウグイスやヒバリが鳴き方の練習を始めたり。人々の話し声が、静かだった街や通りに賑やかに響くようになったりします。
そして三段階目に「気温の春」。ぽかぽかと暖かくなり、桜の開花の便りが聞こえてくるようになります。こうなるといよいよ春本番です。

この合間に、「香りの春」や「味覚の春」も加わって、さらに春爛漫になっていきますね。桜の開花が早いと、長く楽しめるそうです。どうぞ素敵な春をお過ごしください。
Credit
写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
https://www.annegarden.jp/
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