ひと口に園芸店といっても、今やさまざまなスタイルのショップがあります。それぞれの個性が色濃く反映されたこだわりの空間は、ガーデニングのセンスを磨ける最高の場所。今回は、本格派ガーデナーにはたまらない品揃えのショップ「サカタのタネ ガーデンセンター横浜」を訪ねました。

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2021年、開店70年を迎える
老舗の園芸店

日本を代表する種苗メーカー「サカタのタネ」のアンテナショップとして、1951年にこの地にオープンした「サカタのタネ ガーデンセンター横浜」。今年開店70年を迎えますが、その時々の園芸スタイルに合わせて、改修・リニューアルを重ね、多様化する人々の暮らしに寄り添いながら、多くのガーデナーに支持されるショップに成長し、現在に至ります。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜
ここは、今イチオシの旬の花が紹介される入口正面のコーナー。ここで記念撮影をする人や手前のベンチで眺めながら休憩する人もいるとか。

「サカタのタネ」は1913年の創業以来種子の販売で、美しい花とおいしい野菜でうるおいのある暮らしを届け、実りある世界づくりに貢献することを第一に考えています。その理念を一般の園芸を楽しむ人々にダイレクトに伝える役割を担っているのが、「サカタのタネ ガーデンセンター横浜」。本格的なガーデニングブームに対応するためにも、園芸教室や催し物を開催し(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当面の間休止しています。再開は店頭・ホームページにてお知らせします)、夢のある店づくりを目指しています。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜

広い敷地に並ぶ無数の植物に
テンションアップ!

横浜駅の隣駅に位置し、幹線道路に面しているので利便性は抜群で、120台駐車できるパーキングを完備。郊外にあるような広々とした解放感が魅力です。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜

2,000㎡近くもある店舗面積には、花や野菜、ハーブ、花木、果樹、バラ、盆栽、資材のコーナーが設けられ、植物の数は年間約1,200種類にものぼります。外の売り場にも屋根があるので、雨の日でも安心。陽気のよい時季はさわやかな風が吹き抜け、とても心地よい空間となっています。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜
花苗は自社ブランド苗をはじめ、他社ブランドの苗もバラエティ充実。色とりどりの売り場はまるでお花畑のよう。
サカタのタネ ガーデンセンター横浜

時期により見本鉢が飾ってあるので、花色や植える鉢のサイズを確認できます。この株姿を見られることで、栽培条件に合っているかを事前に確認できるだけでなく、理想的な目標として育てることができます。売り場にはベテランの園芸アドバイザー(主にサカタのタネOB)が常駐しているので、栽培方法など分からないことは気軽に尋ねてみるといいでしょう。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜の山野草

山野草コーナーも充実。洋から和まで、あらゆるスタイルの庭づくりに対応しています。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜

カラーリーフやオージープランツなど、季節に応じてさまざまな花木や樹木が並ぶ樹木売り場。定番の樹木と併せて販売しています。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜 サカタのタネ ガーデンセンター横浜

最近は、ハーブやブルーベリーをはじめとする果樹など、食べられるものもが大人気。ナチュラルライフにおすすめの種類・品種が多数並んでいます。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜の盆栽 サカタのタネ ガーデンセンター横浜の盆栽

緑が瑞々しい盆栽コーナーの小鉢に入ったコンパクトなカエデ(右)や、白い小花をつけた白紫壇(左)。ほとんどがビギナーさんでも気軽に始められるお手頃価格。なかには、マニアもうなるような、風格のある糸魚川真柏などの本格的な盆栽も。春・初夏・秋には盆栽フェアを開催。育て方などを盆栽栽培専門家に相談できます。フェア開催予定等はHPをチェックして。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜の小鉢
さまざまな形の盆栽小鉢や軽石鉢が、ゴロゴロと陳列。これらもお手頃価格なので、子どもと公園などで拾ったドングリの実を植えてみるのも楽しい。

育てやすくおいしいと評判の
サカタのタネ自慢の野菜

サカタのタネ ガーデンセンター横浜の野菜苗

色・形がよく、さらには病気に強く、高い生産性を併せ持つオリジナル品種を次々に生み出している「サカタのタネ」。種苗会社だけに野菜コーナーも充実しています。自社開発品種の多くは、指定生産者が育てているので品質は抜群。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜の野菜苗

苗のラベルはもちろん、丁寧に説明が書かれたポップ類は、品種選びの際にとても便利。野菜栽培はビギナーさんには難しいと思われがちですが、育てやすく改良しているので、ぜひトライを。園芸アドバイザーは野菜にも詳しいので、ぜひ聞きながら、おすすめ品種を教えてもらいましょう。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜の野菜苗

おすすめの野菜の見本鉢の展示は、成長後をイメージしやすく、眺めているだけで楽しい。このときは、丈夫でおいしい長卵型のミニトマト‘アイコ’(左)とトウモロコシのなかでも強風でも倒れにくく、暑さに強くて育てやすい品種 ‘ゴールドラッシュ’(右)、ナス、インゲンなどが展示。自宅でこんなに実ったら嬉しいですね。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜のミニトマト苗

ミニトマト‘アイコ’(左)に続き、姉妹品種がたくさん登場しています。オレンジ色の実をつける‘オレンジアイコ’(中)、愛らしいえくぼができる‘プリンセスアイコ’(右)、そのほか、甘みが強くフルーツ感覚で食べられるチョコレート色の‘チョコアイコ’など、他店では入手しにくい品種がたくさん。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜ミニ青梗菜

葉野菜のミニチンゲンサイ‘シャオパオ’も、展示用レイズドベッドで栽培。ふっくらした株が規則正しく並んでいる様子に、気持ちがなごみます。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜
黄色いシートは、ハダニ、コナジラミ、スリップスなど、飛来して食害する微小な害虫を捕らえる捕虫シート「ラスボスRタイプ」。これを野菜の傍らに添えておけば安心です。

気候に左右されず、いつも快適
ゆったりとした屋内売り場

明るい日差しが差し込む建物内は、ギフトなどの花鉢や園芸資材売り場。ゆったりと什器が配置されているので、長時間買い物をしていても疲れません。ここに並ぶ植物も、外売り場同様、信用のおける生産者から仕入れた、確かな品質のものばかり。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜の紫陽花

母の日を近くにした時期に訪れたため、近年おしゃれな品種が増え続けている人気のアジサイがずらりと陳列されていました。「母の日の直前は、もっとたくさんのアジサイが並びます。どれも素敵なので、選ぶのに困ってしまいますよ」と、スタッフの小林秀美さん。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜の観葉植物

在宅時間が多くなり、需要がどんどん伸びている観葉植物。コンパクトな卓上タイプだけでなく、丈のある大きな尺鉢なども並んでいます。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜
マニアもうれしい、世界の希少種の植物も。くるりとした細い葉がユニークなキジカクシ科の球根植物のアルブカ・スピラリス‘フリズルシズル’(左)と、洋ランのブラッサダ‘オレンジデライト’(右)。

種苗会社ならでは!圧巻の
種子&播種グッズコーナー

サカタのタネ ガーデンセンター横浜の種コーナー

たくさんの色とりどりの種子袋が並ぶコーナー。主に自社開発の種子が並んでいます。その数は一番取り扱いの多い時期で、花・野菜を合わせてなんと約500種類! まるで、図書館の一角のような光景です。春まきは1月頃、秋まきは7月頃が一番多いそう。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜の種コーナー
この時期は春まきの種子が並んでいました。おすすめなのは、サカタのタネオリジナルの品種、ヒマワリ‘ビンセント’。種子が大きいので、初心者でもお子さんでも簡単に試すことができますね。
サカタのタネ ガーデンセンター横浜播種アイテム サカタのタネ ガーデンセンター横浜播種アイテム

播種アイテムも充実。特にビギナーにおすすめなのが、そのまま植えられる土ポット ‘ジフィー’(左上、左下)と、種子とプランター、培養土が一緒になったセット(右下)。そのほか、さまざまなアイテムが揃っています。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜培養土
サカタのタネオリジナルの播種や土壌改良剤にぴったりの培養土2つと、花、野菜培養土2種。
サカタのタネ ガーデンセンター横浜のガーデンツール

豊富な品揃えのガーデンツール類。ハサミだけでもたくさんの種類があるので、迷ったらアドバイザーに相談を。そのほかガーデニング用エプロンやグローブなど、ガーデニングに必須の実用的なものがすべて揃います。

大人気。食卓に彩りを添える
野菜やスイーツ販売もときどき開催!

地元産新鮮野菜やスイーツ販売などのイベントも、不定期で催されます。詳しくはHPのチェックを!この日は「春日井 よし乃」の旬の和菓子が並んでいました。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜

おすすめの「サカタのタネ」オリジナル品種

春~秋まで楽しめる「サカタのタネ」オリジナルの品種をご紹介します。どれも育てやすい特性のものばかりです。この夏ぜひ庭に取り入れてみましょう。

ペチュニア‘ビューティカル’
【ペチュニア‘ビューティカル’】左からシナモン、ボルドー、キャラメルイエロー。雨に強く、ニュアンスのあるシックな彩りが魅力の新品種。あまり手間をかけなくても自然にスタイルのよい立体的な草姿になり、中~大輪の花をたくさん咲かせる。
カリブラコア‘ふわリッチシリーズ’
【カリブラコア‘ふわリッチシリーズ’】左から、レッド、ラベンダー、イエロー。ふんわりドーム型にまとまり、花付き抜群。次々と分枝して1株でも大きく育つ。摘芯をしなくても自然と株がまとまるので、切り戻しをあまり必要としない。
ペチュニア‘カラーワークスシリーズ’
【ペチュニア‘カラーワークスシリーズ’】左から、バイオレットスター、ローズスター、ピンクスター。ストライプが星の形に入る落ち着いたカラー。草姿はこんもりとしたラウンド状となり、分枝に優れているため、花壇やハンギングなど幅広い用途で活躍してくれる。
ジニア‘プロフュージョンシリーズ’
【ジニア‘プロフュージョンシリーズ’】左から、チェリー、レモン、レッド。耐暑性、耐病性にすぐれ、株はコンパクトに収まる丈夫な品種。鮮やかな花を咲かせ、花がらを摘まなくても、それを覆うように新しい花が次々に咲く性質があるので手間いらず。
ペチュニア‘春きらり’
【ペチュニア‘春きらり’】左から、すもも、きなこ。花は雨に強く、日光に当たるとつやつやと美しく光り輝く。やや小さめの中輪でこんもりと育つので、寄せ植えなどにもおすすめ。

「サカタのタネ ガーデンセンター横浜」スタッフ小林さんのイチオシはコレ!
一株でこんもり育つ‘サンパチェンス’

サカタのタネ ガーデンセンター横浜

真夏の強い日差しに耐え、春から秋までと長期にわたりトロピカルな美しい花を咲かせる‘サンパチェンス’。大きな株に育つのが最大の魅力です。草丈は、鉢植えの場合約60cm、地植え(花壇植え)では約1m近くの大株になることも。生育速度も従来のインパチェンスより格段に早く、栽培は簡単です。

サカタのタネ ガーデンセンター横浜
「水と肥料を切らさなければ、本当にこの見本鉢ぐらいの大きさにまで育つんですよ。水やりは表面の土が乾いてきたら、たっぷりやるといいでしょう。肥料は、元肥には長期間効く緩効性タイプのものを、追肥には液肥を7~10日に1回施して」と小林さん。
サンパチェンス
一番人気のオーキッド(左)。‘スプラッシュホワイト’などの斑入り種は、このショップとサカタのオンラインショップ、そして一部のホームセンターや園芸店でしか買えない品種。
‘サンパチェンス’の苗
‘サンパチェンス’の苗(左)。「小さなベランダなどで育てるにはちょっと大きすぎる…」、そんな方におすすめなのが、姉妹品種の‘サンパティオ’(右)。草丈30cm程度に収まります。

ホームセンターとは大きく異なり、園芸をするにあたり、あらゆるものが揃う本格派のガーデニングショップ「サカタのタネ ガーデンセンター横浜」。ワークショップや専門的な講習会などが定期的に開催されるなど(コロナ禍中は休み)、ガーデニングについて学べる格好の場です。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、京浜急行・神奈川駅より徒歩約5分、東急東横線・反町駅より徒歩約7分、JR・東神奈川駅より徒歩約10分。

【GARDEN DATA】

サカタのタネ ガーデンセンター横浜

神奈川県横浜市神奈川区桐畑2

TEL:045-321-3744

営業時間:10:00~18:00

定休日:3~5月はなし。6~2月は水曜日。

https://www.sakataseed.co.jp/gardencenter/index.html

Credit

写真&文/井上園子
ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。

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