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庭木の根元に「おがくず」があったら要注意! 7月に急増するクビアカツヤカミキリの見分け方

庭木の根元に「おがくず」があったら要注意! 7月に急増するクビアカツヤカミキリの見分け方

Yuangeng Zhang/Shutterstock.com

庭木の根元に、茶色いおがくずのようなものが大量に落ちていませんか。それは木の中に幼虫が入り込んでいる危険サインかもしれません。近年、全国で急速に被害が広がっている特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」は、サクラやウメ、モモなどの樹木を内部から食い荒らし、大木でも数年で枯らしてしまうことがあります。
特に7月は成虫が活発に活動する時期。
この記事では、今すぐ確認したい危険サイン「フラス」の見分け方と、庭木を守るための対策を紹介します。

これが見つかったら赤信号! 被害のサイン「フラス」は見逃し厳禁

まずここだけ確認!

  • 木の根元におがくず(フラス)
  • 幹から樹液が大量に出る
  • 幹に楕円形の穴

1つでもあれば要注意。

最重要チェックポイント「フラス」とは

クビアカツヤカミキリのフラス
根元にたまった「フラス」。Signyamo/Shutterstock.com

樹木の中にいるクビアカツヤカミキリ発見のための最重要チェックポイントが、「フラス」と呼ばれるおがくずのようなもの。幼虫が排出する「フン」と「木くず」が混ざったもので、被害にあった樹木の根元や幹で見つけることができます。フラスは特に5~9月にかけて活発に排出され、発見しやすい時期です。

ほかのカミキリムシの幼虫もこうしたおがくず状の痕跡を残しますが、クビアカツヤカミキリのフラスは木屑が多く、大量で、排出直後は棒状やかりんとう状につながっていることが多いのが特徴。幼虫が小さいときはフラスも細いですが、大きくなるにつれて太くなります。幼虫は十分に生育すると木の内部の木部へと掘り進むため、木の地際に大量のフラスがたまるようになり、よく目立ちます。また、フラスがなくても樹液が何カ所も大量に出ている場合は注意が必要です。

フラス
幹から出た、棒状に固まっているフラス。Signyamo/Shutterstock.com

パトロールの場所は木の根元、幹の分かれ目、樹皮の隙間

フラス
木の股にたまったフラス。This_is_JiHun_Lee/Shutterstock.com

点検するポイントは、フラスがたまっていることがある根元の周りや二股の上。また幹や太い枝の周りも注目したいポイントです。また、木の周囲の地上部には、上部で排出されたフラスが落ちていることもあります。

「脱出孔」が見つかることも

フラスのほか、木の幹に縦に長く、長径2~3cmの楕円形の穴があいているのも、クビアカツヤカミキリのサイン。この穴は羽化する際の脱出孔です。被害を受けた木には複数の幼虫がいることが多いため、脱出孔があいていても、まだ幼虫が中にいる可能性があります。また、樹皮を薄く残した、翌年羽化するための脱出予定孔が見つかったら、中に幼虫がいる証拠です。ただし、クビアカツヤカミキリ以外にも脱出孔をあける害虫もいます。

クビアカツヤカミキリを見つけたら? ステージ別の対策方法

クビアカツヤカミキリ
This_is_JiHun_Lee/Shutterstock.com

6~8月にかけて成虫が活発に活動するクビアカツヤカミキリ。見つけた場合の対処法を状況ごとに解説します。

 成虫を見つけた場合

見つけたらその場で捕殺(踏みつぶすなど)が原則

クビアカツヤカミキリは特定外来生物に指定されており、生きたまま持ち運ぶことは法律で禁止されています。バケツや虫かごに入れて移動させるだけでも違法(罰則の対象)になるため、捕まえたら必ずその場で処分しましょう。

行政への連絡

自宅の庭木であっても、クビアカツヤカミキリの発見事例は被害拡大を防ぐための大切な情報になります。まずはスマホで写真を撮り、お住まいの自治体の環境課や環境省地方環境事務所、自宅以外で見つけた場合は土地や施設の管理者などに相談してみましょう。発見時の日時・場所・状況を連絡できるとベストです。死んでいる個体を見つけた場合も同様に連絡するとよいでしょう。

② 庭木の周囲にフラスを見つけた場合(幼虫がいるサイン)

薬剤注入

庭木でフラスを見つけたら、クビアカツヤカミキリの登録があるスプレー式殺虫剤(ロングノズル付き)で退治しましょう。被害が初期段階のうちであれば、個人でも十分に駆除が可能です。

<駆除方法>

  1. 穴を探す:フラスを掃除しながら、幼虫が潜む穴(排糞孔)を特定します。
  2. フラスを除く:穴に詰まったフラスを針金などでかき出します。
  3. 薬剤を注入:ノズルを差し込み、薬剤が行きわたるよう穴から逆流してあふれるまでたっぷり注入します。
  4. 経過観察:注入した穴にマーキングを。数日後にまた新しいフラスが出てきたら生き残っている証拠なので、再度薬剤を注入します。数週間は再びフラスが出ていないかの確認を続けましょう。

針金で突き刺す

幼虫が幹の浅い部分にいる場合、穴に針金を差し込んで中の幼虫を刺し殺すこともできます。

ネットを巻く

カミキリムシ対策
Sunset Sky Studio/Shutterstock.com

フラスを発見した場合、成虫が飛び出してきた際に逃さず捕殺できるよう、幹の周囲にネットを巻くのも被害の拡大防止に有効です。

<ネットの巻き方>

ネットは成虫が羽化する5月下旬までに設置します。木の状態を確認しづらくなるため、成虫の発生時期を終える9月下旬頃にはネットは撤去しましょう。

目の細かい防風ネットなど丈夫なものを使用し、上下の隙間がないように粘着テープやペグなどを使って固定します。ぴったり巻きすぎるとネットをかみ切って逃げてしまいやすいため、少しゆとりを持たせて巻くのがポイント。ネットを設置した後は、出てきた成虫を逃がさないよう見回りを欠かさず行い、見つけたら速やかに捕殺しましょう。放置しておくと出てきた成虫がネットをかみ切って逃げてしまう恐れがあるだけでなく、ネット内で産卵してネットを巻いた木に深刻なダメージを与えてしまうこともあります。

被害が深刻な場合は伐採を

樹木が衰弱して倒木や枯れ枝の落下の危険性がある場合などは伐採を検討しましょう。伐採すると、その中に生息するすべての幼虫や蛹を駆除できるため、被害の継続や拡大を防止できる有効な手段です。ただし、伐採後も幼虫は木の中で生き続け、成虫に羽化することもできるため、焼却や粉砕などの処理が必要。こうした処理を行わず、伐採したり枯死した木を移動させるとクビアカツヤカミキリを拡散してしまうことにつながるため注意が必要です。切り株も伐根するか、ブルーシートやモルタルなどで覆って処理しましょう。

自治体によっては、クビアカツヤカミキリの被害にあった樹木の伐採に補助金を利用できることもあります。

そもそもクビアカツヤカミキリとは?なぜ危険?

クビアカツヤカミキリ
Yuangeng Zhang/Shutterstock.com

名称:クビアカツヤカミキリ
学名:Aromia bungii
原産:中国、朝鮮半島、ベトナムなど
体⾧:2.5~4cm(触角は含まず)
特徴:
・全体は光沢のある黒色で、前胸部の背中側だけが鮮やかな赤。
・オスの触角は体⾧の 2 倍程度と⾧く、メスの触角は体⾧と同じ程度。
被害:
・幼虫が木の内部(特に養分を運ぶ内樹皮)を食べ進み、最悪の場合、大木でも数年で枯死させる。
・特にバラ科の樹木を好むため、果樹園や庭木、街路樹がターゲットになりやすい。被害が確認されている樹種は、サクラ、ウメ、モモ(ハナモモ)、スモモ(プラム)、プルーン、おうとう(サクランボ)、アンズなど。
・2018年に特定外来生物に指定。

クビアカツヤカミキリは東アジア原産のカミキリムシ科の昆虫。名前のとおり黒光りする全身に首だけが赤いようなインパクトのある外見を持ちます。

モモ、アンズなどサクラ属の果樹に対する重要害虫として知られ、幼虫が樹木の内部、特に幹の表面から少し内側にある内樹皮の部分を食い荒らします。内樹皮は養分を運ぶ役割を担っているため、被害にあった樹木はその先に養分が届かなくなって衰弱し、やがて枯れてしまいます。大木に育った木でも数年で枯死させるため、被害が深刻になりやすいのが特徴。景観や農業への影響だけでなく、衰弱した街路樹の枝が落ちたり木が倒れたりしてけがをする恐れもあります。

クビアカツヤカミキリ
クビアカツヤカミキリの被害にあったサクラの木。This_is_JiHun_Lee /Shutterstock.com

クビアカツヤカミキリは中国、韓国、台湾、ベトナムなどに分布し、日本では2012年に愛知県のサクラで、国内で初めて発見されました。貨物などに紛れて日本にやってきたと考えられていて、以後全国各地に分布を拡大し、2026年2月末までに関東地方や近畿地方を中心とする17都府県で発生が確認されています。当初は公園や街路樹のサクラで主に被害が発生していたため、最も被害本数が多いのは‘ソメイヨシノ’ですが、近年ではウメ、モモなどの果樹園でも確認され、中でもモモ類が被害を受けやすいと考えられています。

2018年に外来生物法に基づく特定外来生物に指定され、原則として生きたままの移動や飼育等が禁止されています。

モモ類
加害されやすいとされるのが、モモやハナモモなどのモモ類。croquette/Shutterstock.com

クビアカツヤカミキリのライフサイクル

クビアカツヤカミキリのライフサイクル

クビアカツヤカミキリの日本での生態はまだはっきりと分かっていませんが、成虫は主に5月末~8月に出現し、7~8月に産卵。幼虫の期間は2年程度で、主に4~10月に活動すると考えられています。成虫の発生のピークは地域によって異なり、都内の場合は7月上旬~中旬といわれています。成虫はその年のうちに交尾・産卵し、越冬することはありません。

まとめ 早期発見&通報がクビアカツヤカミキリ拡散防止の基本

クビアカツヤカミキリ
Yuangeng Zhang/Shutterstock.com

早期発見と退治が、大切な庭木を守る手段。7月は庭の水やりついでに、幹のチェックを習慣にしましょう。見つけてしまった場合は、捕殺や薬剤により駆除するとともに、行政への連絡も忘れずに行いましょう。

自治体によっては、被害樹木の伐採費用の補助金が出たり、クビアカツヤカミキリの成虫の駆除に対して報奨金を出しているケースもあります。まずは地元の自治体HPをチェックしましょう!

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