いつの間にか葉がボロボロ! 真っ白で元気がない! なんか虫がびっしり! アブラムシやチャドクガなどの害虫やうどんこ病などの病気は、植物を育てていれば必ず遭遇する問題。どうすればいいか分からず、植物を枯らしてしまっていませんか? 大切な植物を守るための病害虫対策のコツをご紹介します。

Print Friendly, PDF & Email

アブラムシがあっという間に増えるわけ

ガーデニングをしていれば、必ず出会うのがアブラムシ。さまざまな植物に発生し、植物の汁を吸います。体長1〜2mmほどと小さいので、1匹2匹なら見過ごしてしまいますが、あなどれないのはメスだけでクローンのように増えることができるため繁殖力が非常に旺盛で、あっという間に植物を覆うように増えてしまうこと。さらにやっかいなことに、多くは飛びませんが、生息密度が増えると翅(はね)のある成虫が現れ、周囲の植物に移動して被害を拡大させます。

アブラムシはいつ出る?どこにいる?吸われるとどうなる?

『12か月栽培ナビ Do 病気と害虫を防ぐ』(草間祐輔著/NHK出版)©️草間祐輔
『12か月栽培ナビ Do 病気と害虫を防ぐ』(草間祐輔著/NHK出版)より。©️草間祐輔

アブラムシは4月頃から現れ、新芽や新梢に寄生し、植物の生育を阻害します。葉っぱが開かなくなったり、枝が伸びなくなったり、花も十分に咲かなくなったりします。さらに、アブラムシはやっかいなことに、すす病を媒介します。すす病に罹患すると葉っぱの光合成が阻害され生育不良になるので対策が必要です。

アブラムシを増やさないようにする対策

アブラムシ発生の原因の一つは、チッ素分の多い肥料を一度に与え過ぎることです。チッ素は葉や茎を伸ばしたいときに使われる肥料で、肥料袋で「N-P-K」と表示されているもののうち「N」がチッ素です。油かすなどはチッ素分が多い肥料の代表ですが、早く生育させたいために、こうした肥料を与えすぎるとアブラムシを寄せ付ける原因になるので気を付けましょう。また、密植して風通しの悪い場所でも増えます。茂り過ぎた枝葉は適宜整枝し、日当たりと風通しをよくしましょう。見つけた場合は補殺しましょう。たくさん寄生している部分は葉ごと切り取って処分します。

被害に遭う前にできることは、相手を知ること

アブラムシは1匹、2匹のうちはそれほど植物に影響を与えません。ですから、発生初期に補殺しておけば被害は防ぐことができます。そのためには、上記のようにいつ頃現れるのか、どんなところにいるのかといった相手のライフサイクルを知ることが大事。アブラムシに限らず、他の害虫も病気もライフサイクルを知れば、卵のうちから補殺して被害を防いだり、適切な薬剤を使って予防することができます。とはいえ、アブラムシのようによく知られた虫ならまだ分かるかも知れませんが、実際には「何これ?」「分からないけど調子が悪い」と、植物の不調の原因が、なんの虫なのか、それとも病気なのか、はたまた環境が悪いのか、さっぱり分からないこともたびたびありますよね。

病害虫対策が月ごとに分かる『12か月栽培ナビ Do 病気と害虫を防ぐ』

『NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビ Do 病気と害虫を防ぐ』

『12か月栽培ナビ Do 病気と害虫を防ぐ』(草間祐輔著/NHK出版)は、12カ月ごとに注意すべき病害虫対策をまとめた1冊。著者は家庭園芸薬品や肥料を製造販売する住友化学園芸に在職する病害虫対策のプロ。病気や害虫を知り尽くした著者が、効率よく万全な対策を月ごとに伝授してくれます。

『NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビ Do 病気と害虫を防ぐ』

Chapter1の病害虫図鑑では、被害状況や病状の写真がそれぞれの病気や虫ごとに掲載されているので、自身の植物と照らし合わせて「これだ!」と原因が突き止められます。特に、病気はウイルスなどで感染する病気と栄養不足による生育不良かが判断しにくいことがありますが、写真つきで原因や対処方法、該当植物が挙げられており、対処に迷うことがなくなるでしょう。

『NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビ Do 病気と害虫を防ぐ』
©️草間祐輔

上写真は書籍の中で紹介されている事例。両者ともよく似たような葉の異変ですが、左のポトスの症状は炭疽病の病原菌によるもので、右は強い日差しを浴びたことによる葉焼け。炭疽病の場合は日当たりのよい場所へ移すことで症状が改善されることがありますが、葉焼けは逆に日差しを和らげてあげる必要があります。両者の対処は全く逆ですが、原因を知らないと、間違ってどんどん悪化させてしまう可能性があります。病気や害虫への対処の第一歩は、正しい原因を知ることがとても大切です。

『NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビ Do 病気と害虫を防ぐ』

Chapter2では12カ月ごとに発生やまん延の予防に役立つ今月の作業や発生後の対処方法、今月するとよい薬剤散布などが丁寧に解説され、「いつ、何を行えば、どんな病気と害虫を防ぐことができるか」が分かります。

6月はチャドクガ、イラガ、うどんこ病…最も病害虫に警戒が必要な時期

チャドクガは庭木としてよく植えられるツバキ類の葉に発生し、刺されるとひどい発疹と痛み、かゆみが発生します。チャドクガはケムシだけでなく卵、脱皮後の殻、成虫の体にも毒針毛があるため、要注意害虫としてそれぞれの生育ステージを写真つきでライフサイクルを詳しく紹介しています。触れてしまった場合の皮膚、衣類の適切な対処方法も詳しく解説。6月はチャドクガの他にも刺されると電気が走ったような痛みがあるイラガやその他さまざまなケムシが発生し、病気の進行も早いので対策が必須な月です。

薬剤を安全に正しく効率よく使うための病害虫別薬剤一覧が便利

『NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビ Do 病気と害虫を防ぐ』

Chapter3では、そんな「触るなキケン!」のやっかいなケムシや病気への対処として薬剤の使い方を紹介。いつ、どんなタイミングで、何を使ったらよいのかを解説しています。ホームセンターに行くとたくさんの種類の薬剤があり、どれを使ったらよいか迷うことがありますが、具体的な商品名を記載した病害虫別一覧を参照すれば売り場で困ることもありません。

お守りに1冊あると安心! 防いで見つけて正しく対処

『NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビ Do 病気と害虫を防ぐ』

ガーデニングをしていれば、病害虫問題はつきもの。でも、相手を知って正しく対処すれば何も心配はいりません。病害虫対策のプロの知恵が詰まったこの1冊をお守りに、楽しいガーデニングライフを!

NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビ Do 病気と害虫を防ぐ

著者/草間祐輔

1960年長野県松本市生まれ。千葉大学園芸学部卒業。園芸研究家。千葉大学園芸学部非常勤講師。ロサンゼルス郊外のガーデンセンターに勤務したのち、家庭園芸用薬品・肥料を製造販売する住友化学園芸に在職。家庭園芸での薬剤の使い方について研鑽を積み、講習会などで広く実践的な指導を行っている。テキスト『NHK 趣味の園芸』(今月の管理・作業)の執筆も担当。『最新版 植物の病気と害虫 防ぎ方・なおし方』(主婦の友社)、『別冊 NHK 趣味の園芸 植物別ですぐわかる 病気と害虫ハンドブック』(NHK出版)ほか、著書多数。

*写真は全て書籍より。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

Print Friendly, PDF & Email