遊びもあり、学びもあり! スマホアプリで植物ライフをより豊かに 〜園芸・ガーデニング業界最新情報をお届け〜

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40年以上の歴史を持つ老舗業界専門雑誌『グリーン情報』最新号から最新トピックスをご紹介! 2025年5月号の特集は、「スマホアプリで『みどり好き』を増やす」。そのほかにも、最新のイベント紹介や、話題の園芸店紹介、園芸業界で押さえておきたいトピックスなど、注目のテーマが盛りだくさん。業界誌だからこそ発信できる貴重な情報の一部をお見せします。
目次
特集:スマホアプリで「みどり好き」を増やす

今号の特集は、「スマホアプリで『みどり好き』を増やす」。
手軽に使えるスマホアプリは、みどりの魅力発信やコミュニティづくりに適しています。画像診断での植物判定やチャットでの疑問解決、栽培サポートなどさまざまな機能が使えるアプリが存在します。
本特集では、代表的なスマホアプリを5つ取り上げ、それぞれの特徴やおすすめポイントをご紹介しています。
「GreenSnap」-GreenSnap株式会社

「GreenSnap」は、1日最大4万人ものユーザーの投稿や専門家が監修する公式コラムなど、みどりに関する情報が盛りだくさんの植物・花好きさんが集まるアプリ。「みどりのコミュニティをつくる」というコンセプトで、2014年にウェブサイト版からスタートしました。園芸などのブロガー100人に声をかけて利用してもらい、翌年にはアプリをリリース。これまでに投稿された写真は2,000枚以上。他のユーザーと交流しながら、自分に合ったみどりの楽しみを見つける場となっています。
使える機能は、写真をアップロードするだけで植物の名前判定ができる「教えてカメラ」や、植物図鑑で品種ごとの育て方や施肥の時期などを調べられる「育てる」、他のユーザーの投稿が見られる「タイムライン」など多岐にわたります。
中でも注目すべきは、投稿を通したユーザー同士の交流。植物について語り合い、一緒に楽しめる仲間が集う場となっています。また、GreenSnapユーザーを中心に多くの人が集まるリアルイベント「GreenSnapMarche」も各地で開催され、花や植物に限らず音楽なども盛り込んで、植物に関心がないような人がみどりに触れる機会をつくっています。
「GreenSnap」のおすすめポイント
①タイムラインで自分好みの写真を探す

自分好みの投稿に「いいね」やコメントをしていけば、趣味に適したタイムラインが完成する。自分でも気がついていなかった好みを見つけるきっかけになるかもしれない。
②植物の名前を質問

「教えてカメラ」機能でも特定しきれなかった植物は、「名前を教えて!」で他のユーザーに質問できる。
③「育てる」で植物の特色を知る

「育てる」では品種ごとの植物図鑑がチェックでき、どの作業をいつするのかを学べる。同じ植物を育てるユーザーの投稿もまとまっており、生育の助けとなる。
「KEEP GREEN SMART」-株式会社DAISHIZEN

「KEEP GREEN SMART」は、株式会社DAISHIZENが2025年1月にリリースしたトータルグリーンサービスアプリ。前出のGreenSnap株式会社が開発したAIエンジンを活用し、3つの機能で幅広い人がみどりに触れるきっかけづくりをしています。
3つの機能とは、写真を撮るだけで植物の名前を判断し、育て方のアドバイスをする「AI SEARCH」、植物に関するさまざまな疑問に答える「AI SUPPORT CHAT」、部屋などの写真をアップロードすると施工例を提示してくれる「AI DESIGN」(トライアル版)。
「AI DESIGN」についてはまだまだ改良が必要な状態であるものの、まずは植物がある空間に興味を持ってほしいとの思いから、トライアル版として公開しました。
各機能とも、今後も対応品種数を増やすなど、よりユーザーが使いやすい形へのアップグレードを目指し、また、他社でも「これがあったら」と思うものを作って、ユーザーが楽しめるように業界全体で使えるアプリを目指しています。
「KEEP GREEN SMART」のおすすめポイント
①気になった植物がすぐ分かる

「AI SEARCH」では、まちなかで興味を持った植物にカメラを向ければ、すぐに品種や特徴、育て方を知ることができる。
②いつでもどこでもチャットで質問

「AI SUPPORT CHAT」なら、時間や場所を選ばずにいつでも質問できる。実際に店舗で質問される情報が多く入っているので、疑問解決につながりやすい。
③写真一つで簡単緑化

「AI DESIGN」では、写真を撮るだけで、自宅やオフィスの緑化イメージが簡単に完成。「植物を配置したいけれどイメージがわかない」という人におすすめ。
「トマサポ!」-カゴメ株式会社

初めての家庭園芸で選ばれることが多いトマト。その栽培を失敗させたくないという思いから生まれたのが、トマト栽培サポートアプリ「トマサポ!」です。
アプリ開発のきっかけは、カゴメ株式会社のお客様センターなどに寄せられた悩みの声。トマトの栽培に失敗したり悩んだりしている人が多く、「プロとしてなんとかしたい」と考えた総合研究所の若手社員の発案により、2019年にプロジェクトがスタートしました。
トマトの一般的な育て方は、インターネット検索でも簡単に見つけられます。それでも失敗するのは、品種や地域、置き場所によって実際に必要な手入れが大きく変わるから。そこで、カゴメはトマト栽培事業で培った他社にはないノウハウを生かして、ユーザーそれぞれに適したアドバイスができるシステムを構築しました。
「トマサポ!」のおすすめポイント
①成果を実感できるランキング

収穫量のランキングは、他ユーザーと競いながら成果を実感できる機能。総合順位だけでなく、品種別・地域別の順位も確認できるため、自分と近い生育環境のユーザーの収穫量を知ることができる。
②天気に合わせた水やり目安量を通知

水分量は初心者が失敗しやすいポイントの一つ。トマサポでは毎日天気を考慮した目安量を通知するため、水分量に悩まず水やりができる。
③5つのステージで育て方を説明

定植、開花、着花、色づき、収穫・調理の5つのステージで栽培過程を説明。それぞれで必要な作業の要点もイラストや動画で見られるようにしている。収穫までの道筋と自分の現在地が分かることで、先が見えずに挫折する人を減らしている。
「Biome」-株式会社バイオーム

通勤途中や近所の公園には、意外と多くの植物、虫、鳥が生きています。それに気づくだけでも、生き物に関心を持つ人が増えるのではないだろうか……。そんな発想から、身近な植物や虫、鳥などの生き物を写真で集めて楽しむアプリ「Biome(バイオーム)」は生まれました。
撮影した生き物は、独自のAIで名前判定ができ、種名が分からない場合はユーザー同士で質問や提案ができるため、知識がなくても始められます。
「みんなで作る図鑑」機能では、それぞれの生き物の概要と、観察できる時期、生態、他のユーザーが撮影した写真などが見られ、学びの要素もあります。
アプリ内の期間限定イベント「いきものクエスト」では、指定の生き物を見つけることや、特定の地域で見つけた生き物を投稿するなどのミッションが設けられ、ゲーム感覚で生き物探しが楽しめます。
さまざまな仕掛けが散りばめられていて、ユーザー層は老若男女を問わない一方で、ユーザー同士の直接の交流を減らし、あくまで生き物を主体に自然体験を楽しめるようになっているのもポイントです。
※希少種の位置情報は自動的に非公開になります。
「Biome」のおすすめポイント
①コレクションして、調べて、学ぶ

見つけた生き物を撮影してコレクションしたり、AIで生き物の名前を調べたりできる。公式ブログによる生き物情報は、生き物の見分け方や生態などを学べると人気。
②データを生物多様性保全に活用

Biomeに集まったデータは、収集・分析し、環境保全のために自治体や企業に活用されている。生物多様性を評価するのは個人や一企業の力だけでは難しいが、全国のBiomeユーザーが投稿した情報をまとめれば可能になる。
③イベントの楽しみを増幅

全国都市緑化かわさきフェア(秋)では、各会場で見つけられる生き物探しなどを、企業の社員向け研修ではバーベキューの食材をかけた生き物探しを企画するなど、Biomeを使えばイベントをさらに楽しくできる。
「TOKYO PARKS PLAY 〜パープレ〜」-公益財団法人東京都公園協会

健康づくりや防災、生物多様性など、公園にはさまざまな役割があります。遊びを通じて都立公園を知ってもらおうと考えてできたのが、「TOKYO PARKS PLAY〜パープレ〜」です。都立公園のうち東京都公園協会が管理している43カ所に対応し、各公園のイベント情報や公園マップなどの基本情報、公園で遊べるコンテンツのほか、水上バスや葛西臨海公園の大観覧車のクーポンなど、公園に行きたくなる工夫が詰まっています。
遊びの要素は「プレイ」というタブに集約されていて、6つのカテゴリーに分けられています。
中でも人気が高いのは「なぞとき」。対象の公園内にアプリと連携したクイズやミッションが設置されていて、公園の歴史を学んだり、ストーリーを楽しんだりすることができます。クイズ制作のプロを招いて作られていて、難易度調整にこだわっています。
そのほか、「防災クイズ」「自然にふれる」「おそとであそぶ」「スポットめぐり」「かいけつゾロリ」のカテゴリーがあります。
「TOKYO PARKS PLAY 〜パープレ〜」のおすすめポイント
①公園での遊び方を提案

クイズや植物探し、ウォークラリーなど、公園の楽しみ方を提案するコンテンツがたくさん。園内をぐるりと巡る「なぞとき」は、サクサク進めても1時間ほど楽しめる。
②防災を学ぶ

防災スポットを回ってクイズに答えることで、楽しく公園の防災機能について学べる。小学生向けの防災イベントにも活用されている。
③公園の情報を一元化

都立公園のお知らせや、開園情報や園内マップなど基本情報が確認できる。イベントはプッシュ通知でリマインドされるため、公園に足を運ぶ機会が増えるかも。前述の観覧車や水上バスの乗船券などのクーポンも配信している。
各アプリに込められた思いや活用例の詳細は、『グリーン情報』本誌をご覧ください。
業界の最新情報が盛りだくさんの『グリーン情報』
このほか、『グリーン情報』2025年5月号には、シンガポール・ガーデンシティ視察ツアーの様子や「Fukuoka Flower Show プレイベント」のレポート、園芸店や生産地紹介、業界最新ニュース、学べるクイズコーナーなど、園芸・ガーデニング・グリーン業界の幅広く深い情報が満載。ぜひお手にとってご覧ください。

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