【住宅街の庭実例】隣家の視線や日陰も解決! おしゃれなプチロックガーデンを眺めるポーチ付きの庭
ファサードは1m四方のミニガーデンで
植物の色や形が多彩で楽しい1m四方のミニガーデン。
家の顔になるファサードは、1m四方のスペースに自然風の植栽を施しました。縁石にはブラウンの濃淡でまとめた不揃いの石を使い、縦に細長い門柱と横に広がるニューサイランの対比が目を引きます。
周囲に植えた低木やグラウンドカバー類は、メインのニューサイランがシンボリックに引き立つよう明るいイエローのアベリアやシルバーリーフなどをセレクト。コンパクトでありながら、植物の色や形が多彩で楽しいミニガーデンになっています。
さまざまなカラー砂利でステキに飾る。
住宅基礎の足元は、カラー砂利でオシャレにデザイン。このベージュやピンク、エンジなどのカラー砂利は、通販などで20kg4,500~5,000円程度で手に入ります。
流し台はオリジナルカラーでペイント
車庫スペースを抜けて奥へ入っていくと、住宅の壁際に木製の流し台が設置してありました。木製品を屋外で用いると、紫外線や風雨により劣化が早いものですが、キシラデコールなどの木材保護塗料で定期的にメンテナンスすることで美観と耐久性を保っています。向かいの植木鉢とも色を合わせてあるので空間全体が調和し、いい感じです。
シェード付きのパーゴラと縁側のくつろぎスペース
サンドベージュのシェードとポーチガーデン・Jポーチ(タカショー)。
さらに奥へ進むと、縁側とシェード付きパーゴラのあるポーチが現れました。
明るいサンドベージュのシェードとダークブラウンのフレームが住宅外壁とフィットしています。このパーゴラはタカショーのポーチガーデン・Jポーチで、フレームのこげ茶色はダークパインを使用しています。ポーチには床タイルを張り、歩行性やガーデンファニチャーの安定性を確保、庭の居心地のよさも高めています。また、パーゴラや縁側の色が生きるグレーのタイルで落ち着き感も演出しています。
ミニスペースは特徴のある植栽で
植栽が生きるグレーの平板や砂利のモノトーンベース。
このポーチの先は、グレーの砂利が敷き詰められています。植栽は手前から、コルディリネ、オリーブ、ポップブッシュと、フォルムや色の違いを意識してセレクト。手前には明るい黄緑色、奥には濃いエンジ色を配置して、奥行き感を演出するという細やかな配慮がなされています。グレーのシンプルなペイビングは植物の瑞々しさやフォルムをより強調するキャンバスの役目を果たしながら、同時に歩くと音が出ることから防犯にも一役買っています。
適材適所に植物が配置されたプチロックガーデン
ロックと植栽の配置がステキな自然風ガーデン。左手前の鉢は、ヘデラ・ヘリックスとプリンセスクローバーの寄せ植え。
隣家との境には自然石で囲ったロックガーデン風の花壇が設けられています。植栽スペース以外はオフホワイトの小砂利敷きになっていて、雑草取りなどに苦労することがありません。この砂利の色と合わせたベージュの横板フェンスで周囲を囲んで目隠しとしつつ、下部は横板を張らずに植物への風通しを確保し、開放感も演出しています。花壇を囲った自然石もベージュや優しいブラウンを選び、全体的にナチュラルなカラーで統一してありますが、形や大きさが不揃いな石を上手に組み合わせることで、花壇自体が景色としての存在感を発揮しています。
植栽は日照が得られるコーナーにはオリーブの木を、隣家との境で日陰になりがちな場所には半日陰でも生育するヒューケラやクリスマスローズを配置。これらの植物は奥様の趣味で選ばれたもので、一年中瑞々しい緑をもたらしてくれます。毎年、季節の花を咲かせてくれる常緑宿根草も適材適所に配置してありました。
このように植栽スペースはコンパクトでも、花壇に自然石を用いることで植栽と調和させながら存在感のある景色を作ることができます。また、住宅街では庭が隣家との境に位置し日陰になりがちですが、半日陰で育つ常緑宿根草を組み合わせることで緑の景色も叶います。さらに、フェンスやパーゴラといったエクステリアで庭空間の居心地を高めれば、我が家の快適度は格段に上がります。住宅街の快適な屋外空間の作り方として、ぜひ参考にしてください。
設計施工:株式会社Green-Land/Land-Garden 鈴木伸幸