天気のよい日は、庭のテラスで鳥のさえずりに耳を傾けてみませんか? ここでは、「鳥を呼ぶ庭」のガーデンアイデアをご提案します。巣箱の作り方などもイラスト入りで解説しますので、庭づくりの参考にしてくださいね。

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鳥が来やすい庭とは・・・

朝、小鳥たちの「ちゅんちゅん」という可愛らしい鳴き声で爽快に目覚め、窓を開けておいしい空気を吸い込めば、ヒーリング効果抜群ですね。実のなる木や草を植えて、季節の鳥が来る環境をつくると、少しずつですが鳥がやって来るようになります。冬場は、梅や一重咲きの椿の花の蜜を目当てにメジロが飛んできます。

鳥は赤い色を識別することができるため、赤い実のなる樹木に鳥たちが集まるのです。例えば、6月はジューンベリー、秋になれば紅葉するヤマボウシやマユミ、斑入りの葉のグミなど、いろいろな樹木があります。また、巣箱や水場も、鳥たちにとって嬉しい環境です。

鳥は警戒心が強いため、すぐには寄ってきませんが、気長に待つようにしましょう。

鳥は赤色を識別できる
鳥は赤色を識別できる Svetlana Turchenick/Shutterstock.com

DIYで巣箱をつくろう

巣箱をつくってみましょう。できるだけ自然の板を使います。おすすめの板は杉板です。1.2cm以上の厚みのもので、合板は使わないようにしましょう。箱の中は暗くなるようにして、小鳥が穴から入り、下に降りるようにつくります。

巣箱の大きさは、スズメやシジュウカラで、縦、横は各々15cm、高さは20cm、出入りする穴の大きさは3cm程度です。ムクドリは、縦、横は18cm、高さは30cm、穴の大きさは4~5cm程度です。

それでは作り方を説明します。

1. 図1のように杉板を鉛筆で割り付けします。

2. A、B、B’、C、Dと底板はノコギリでカットします。

3. BとB’の間は、斜めにカットしてDが斜めに取り付けられるようにします。

4. Cは前述のように、呼ぶ鳥に合わせて鳥が出入りできるように穴を開けます。

5. 巣箱の底板は雨水がたまらないように、ドリルで5ヵ所程度の穴を開けます。

6. 各部材は、図2のような形になるよう、クギを金づちで打ち付けて組み立てます。

7. AとDは丁番をつけて開け閉めができるようにします。巣箱の掃除をする際に役立ちます。

8. Aはドリルで穴を2所開け、針金かシュロ縄を通して樹木に取りつけられるようにします。完成したら、バーナーで少し表面を焦がしておくと、木が腐ることを防ぐことができます。

図1:板材をカットするための展開図
図1:板材をカットするための展開図
図2:巣箱の姿図
図2:巣箱の姿図
Cの穴のサイズは小鳥のサイズに合わせて決める。

鳥のエサ台もつくってみよう!

冬場はエサを見つけにくい自然環境になるため、エサ台を設置して鳥を寄せます。

シジュウカラは、ひまわりの種や殻付きピーナッツが大好物。殻の両端を切っておくと食べやすくなります。メジロやウグイス、ヒヨドリは柿やリンゴ、みかんを切って置いておくと寄ってきます。

図のように、20×30cm程度の板材の四方に、適度な長さの木の枝を接着剤で貼りつけます。それを、支柱に少し斜めに取りつけて、足元を土に埋めれば出来上がります。斜めに取りつけるのはエサ台に水がたまらないようにするためです。土に埋まる部分は、あらかじめ支柱の直角方向に十字にした角材を、互い違いにクギで打ち付けておくと、地面に安定して立てられます。

ところで、私が経験した面白い話があります。朝の犬の散歩のときに、自宅近所の庭でエサ台をみかけたのですが、それ以外に、エサの入った皿を置いた鳥カゴを見つけました。そこに住む奥さんに聞いてみたら、「鳥カゴのエサは小鳥用なのよ。大きな鳥がエサ台のエサを食べてしまうと小鳥が食べるエサがなくなってしまうから!」と言っていました。

なるほど! 小鳥思いの優しい奥さんですね。

ひまわりのタネをついばむシジュウカラの親子
ひまわりのタネをついばむシジュウカラの親子
エサ台の脚部は角材を十字に組むと安定する
エサ台の脚部は角材を十字に組むと安定する

簡単につくれるバードバスも置いてみよう!

水場は単に水飲み場だけでなく、水浴びするところでもあるのです。鳥は羽の中の虫やゴミを水浴びして洗い落とします。滑らないように浅くして、水は毎日変えて、きれいにしておきましょう。参考までに、誰でも簡単にできるバードバスのつくり方をご紹介します。

自分の気に入ったお皿の一面に、小石を敷き詰めます。これは、鳥が滑らないようにするためです。次に、1cm程度の深さの水を入れます。出来上がったら、自宅の庭の花台や景石などに置いてみましょう。

スズメはもちろんのこと、シジュウカラもやってくるかも…。気長に待ちましょう!!

バードバスとガビチョウ
こちらのバードバスに水浴びに来ているのは、中国南部あたりが原産のガビチョウ(スズメ目イメドリ科)のようです。鳴き声が美しい飼い鳥として輸入されましたが、逃げ出して関東や九州地方に定着しました。(朝日新聞デジタル記事:米山正寛 2019年12月26日)

余裕があればメダカや金魚も育ててみよう

自宅の庭にちょっとした池をつくり、情緒を味わって見る贅沢もいいのではないでしょうか? 池の一部に浅い水場をつくり、小鳥たちの水浴び場をつくることもできます。

池のつくり方は、コンクリートやFRPなどの容器を使ったり、防水シートを敷く方法などがあります。コンクリートは、池を自由な形にできるメリットがありますが、天災などでヒビが入りやすいデメリットも。容器を使う場合は、池づくりが容易なメリットがありますが、池の形が決まってしまうデメリットもあります。一方、防水シートは手軽にでき、砂利や石でシート面を隠して自然な雰囲気に仕上げることができます。ここでは初めてDIYでつくる方に、「シート防水」で池をつくる方法を解説します。

最初に穴を掘り、次に防水シートを敷きます。そのあとは、池の周りにシートの端を隠すように石を並べてしまえば自然に見え、池の底には砂利やきれいな小石を並べて見栄えをよくすれば出来上がりです。池にはメダカや金魚を入れて育てましょう。メダカは蚊の幼虫を退治し、水に流れを作りだすので、悪い成分がたまることを防いでくれます。

池の水は天気により蒸発するので、湿気対策として、家から1m以上は離すようにしましょう。また、こまめに水を補給しましょう。できれば、水があふれないように水抜きパイプをつけましょう。水抜きパイプの設置をする場合は、防水シートの一部に穴を開け、水抜きパイプを通してつけるため、シートとパイプの周りを防水用パテで埋めておくと水が漏れにくくなります。

また、水田用の土を入れると良いという話をよく聞きますが、できたばかりはキレイな水ですが、時がたつと濁ったり、藻が大繁殖して汚れてしまいます。また、水田用の土は窒素やリンが含まれる肥料分があるため、水質を悪化させるため、あまりおすすめできません。

本格的に鯉やフナなどを育てる場合は、毎年の成長を考えると、大きく自由な形が可能な、コンクリートでつくることをおすすめします。排水パイプを設置したり、排水溝につなげる工夫もしましょう。水替え機能や濾過フィルターを設置して、水をきれいに保つなどの必要があるので、水の循環機能をするための電気や水道が使えることも考慮する必要があります。

防水シートを敷いた池
防水シートを敷いた池
水はこまめに補給し、小石や砂利できれいな水を保つ。

以上のアイデアをまとめたお庭のイラストを描きました。下をご覧ください!

バードバスもあるカスケードと雑木風の庭

バードバスもあるカスケードと雑木風の庭

3段の流れをつくったオブジェにもなるカスケードは、家庭用ろ過ポンプで水を循環させ、水が汚れにくいように保ちます。カスケードの2段目には浅いくぼみをつくってバードバスとして小鳥を呼びます。

6月は実のなるジューンベリー、5~6月は花を咲かせ8月には実のなるヤマボウシ、その他はモチノキ科の樹木などで鳥を誘います。風がそよいで葉のすれ合う音で美しいソヨゴは、築山に配植してシンボルツリーにします。池の水草やその脇の6月頃に咲くジャーマンアイリス、7月頃から開花する蓮などで落ちついた水辺を演出します。水草を植える場合はガーデンセンターや、金魚やメダカの相性もあるのでペットショップの専門家にも相談しましょう。

浅いくぼみで小鳥がおぼれないバードバス
浅いくぼみで小鳥がおぼれないバードバス
家庭用ろ過ポンプで水を循環させる
家庭用ろ過ポンプで水を循環させる

庭に鳥を呼ぶには、赤い実のなる木や草を植えて、鳥が来やすい環境をつくりましょう。鳥かごやバードバスも設置すれば、鳥たちは大喜び! 冬場はエサ台を置いてスズメやシジュウカラを呼びましょう。鳥たちのさえずりも気持ちの良いものですが、鳥たちの仕草を眺めることも楽しいひと時になります。それ以外の季節はエサを鳥にあげてしまうと自分でエサを取らなくなり、鳥を甘やかしてしまうことになるので、冬だけにしましょう。

Credit

文:松下高弘

文&イラスト/松下高弘(まつしたたかひろ)

長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、手描きパース・イラスト・CG・模型等のプレゼンテーションや大手ハウスメーカー社員研修、エクステリア業の研修講師およびセミナープロデュースを行う。

著書には、『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』、『住宅エクステリアのパース・スケッチ・プレゼンが上達する本(彰国社)』など。新刊『気持ちをつかむ住宅インテリアパース(彰国社)』、好評につき絶賛発売中!!

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