スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
3and gardenの記事
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花と緑

「都道府県の花」3択クイズ! 福島県の花は次のうちどれ?【Let’s Try! 植物クイズ】
「福島県の花」は次の3つのどれ? Wizard8492/Shutterstock.com 磐梯山や神秘的な五色沼、日本4位の広さの猪苗代湖など、雄大な自然に恵まれた福島県。鶴ヶ城や大内宿など、江戸時代の面影を残す町並みもあり、郷土料理や伝統工芸といった文化体験も楽しめます。また、「花の王国」としても知られ、四季折々に咲き乱れる多様な花々を目当てに訪れる観光客も多い地域です。 そんな福島県を象徴する「鳥」はキビタキ、「木」はケヤキ。それでは、福島県の花は、次のA~Cのどれでしょう? A クマガイソウ High Mountain /Shutterstock.com B ネモトシャクナゲ niobium/Photolibrary C ボタン Iwanami Photos/Shutterstock.com ヒント 個体数が少なく、なかなか見ることができない貴重な植物。自生地は国や県の天然記念物に指定されています。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ B ネモトシャクナゲ niobium/Photolibrary ネモトシャクナゲの基本データ 学名:Rhododendron brachycarpum D.Don ex G.Don f. nemotoanum (Makino) Murata科名:ツツジ科属名:ツツジ属原産地:日本和名:ネモトシャクナゲ(根本石楠花)別名:ヤエハクサンシャクナゲ英名:Nemoto rhododendron開花期:6~7月花色:白または淡紅色形態:常緑低木樹高:1~3m ネモトシャクナゲは、亜高山帯の林に多く自生するハクサンシャクナゲの八重咲き品種です。福島県では、吾妻山、安達太良山に群生しています。1903年、植物学者・根本莞爾氏に師事していた中原源治氏によって発見され、1909年に牧野富太郎氏により発表されたネモトシャクナゲは、昭和29年、NHK開局29周年記念特別番組の中で、福島県の「郷土の花」として発表されました。ネモトシャクナゲという和名は、根本莞爾氏の名にちなむものです。 基本種のハクサンシャクナゲ。emongrara/Shutterstock.com 基本種のハクサンシャクナゲは北海道、本州、四国、朝鮮半島などに分布し、亜高山帯を彩る代表的な花ですが、八重咲きのネモトシャクナゲは非常に少なく、県民でも大半が見たことがないといわれるほど希少な存在。福島県以外では、岩手山、鳥海山、男体山など限られた場所で確認されているだけです。ハクサンシャクナゲとの見分けがつくのは開花期間だけで、雄しべの花糸が花弁化して繋がり、花冠状になっているのがネモトシャクナゲの特徴です。 八重咲き状に変化したネモトシャクナゲの花。Qwert1234, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons 花弁への変化が不完全なものも。Qwert1234, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons 開花は例年7月上旬頃にピークを迎え、花は白~淡紅色。ネモトシャクナゲの自生地は天然記念物の指定区域に含まれる場所もあるので、訪れる場合は、自然環境を保護するため、マナーを守って観察しましょう。 Licvin/Shutterstock.com ネモトシャクナゲの苗木は流通が少ないですが、シャクナゲはガーデンプランツとして人気が高い植物。原種だけでも1,000種以上あるとされ、非常に多くの品種が流通しています。開花期は基本的にネモトシャクナゲよりも早い4月下旬~5月中旬で、花色は赤、ピンク、オレンジ、黄、紫、茶、白などさまざま。シャクナゲは水はけのよい酸性土壌を好むため、pH5.0〜6.0になるよう土壌の酸度を調整しておくとよいでしょう。鉢植えの場合は、シャクナゲ用にブレンドされた専用の土を使うのが手軽でおすすめです。暑さはやや苦手ですが、近年では暑さに耐える品種も登場しています。 クイズ一覧はこちら!
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雑草対策

実家や空き家、生え放題の雑草は“不在のサイン”に? 空き家管理で見落とせない防犯対策
空き家の雑草放置は誰にでも起こる問題 captainX/Shutterstock.com 日本では、現在空き家そのものが増えています。総務省が5年ごとに実施している「住宅・土地統計調査」によると、2023年時点の空き家は約900万戸、空き家率は13.8%と過去最高を記録。特に「賃貸・売却用」や「二次的住宅」などを除いた、使用目的のない空き家が増加しています。実家を相続したり、1人暮らしの親が施設に入居するなど、誰にとっても、他人事ではない問題になりつつあります。 また、空き家の所在地と所有者の居住地の関係については、徒歩圏内35.6%、1時間以内35.6%、1~3時間15.7%、3時間超12.5%でした。つまり、所有者の約3割は、片道1時間超の場所に空き家を持っている計算になります。こうした居住地から離れた位置の空き家や、なかなか帰省ができない実家において、頭を悩ませる厄介ごとの1つが「雑草対策」。国土交通省も、空き家の問題は防災・防犯、衛生、景観などに及ぶとしており、問題例の中に「防犯性の低下」「犯罪の誘発」「雑草の繁茂」などを挙げています。 雑草の生えた空き家は防犯上も懸念事項 雑草が伸び放題の庭は「管理されていない家」に見えやすい Oleksandr Filatov/Shutterstock.com 「割れ窓理論」という言葉をご存じでしょうか。 「割れ窓理論」とは、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士により提唱されたもの。1枚の割れた窓ガラスを放置していると、「誰も管理していない」「ルールを守らなくてもよい」という心理が働いて、ほかの窓ガラスも割られ、次第にその建物全体が荒れ、いずれは街自体の治安が悪くなってしまう――という理論です。ニューヨーク市では「割れ窓理論」を実践し、小さなものであっても1つの無秩序を放置せず、対処することで社会の秩序を保てるという考えにより、大幅に犯罪を抑止したことで注目されました。もちろん、「割れ窓理論」ですべて説明できるというわけではありませんが、荒れた景観が防犯上マイナスに働く可能性は高く、実践運動が行われている自治体も多くあります。 破れた障子や黄色くなった雑草も荒れた雰囲気のもと。candy candy/Shutterstock.com 雑草放置の具体的なリスク Roman_Kypirev/Shutterstock.com こうした心理面だけでなく、雑草や庭木が茂りすぎると、死角が生まれて犯行が外から見えにくくなるという単純なリスクも。警察庁の「住まいの防犯対策」でも、見通しの確保が重要とされています。雑草が繁茂し人目につきにくい状態では、不法侵入やゴミの不法投棄、空き巣などの被害にあう可能性が高まります。また、生い茂った雑草は「この家は誰も管理していない」「人が住んでいない」という不在のサインになり、不法侵入や放火などの犯罪を誘発する恐れもあります。 犯罪の発生場所になる恐れもある KoreaKHW/Shutterstock.com 警察庁による「令和7年の犯罪情勢」によると、窃盗犯の認知件数を発生場所ごとに見てみると、発生件数では商業施設や一戸建て住宅が多いものの、増加率においては「空き家」が急増しています。令和2年との比較では307.9%増加し、特に金属類が盗まれる被害が多くなっています。金属価格が高騰している昨今、こうした空き巣のターゲットとなる危険性は、ますます高まっているといえるでしょう。 雑草は近隣トラブルの火種にも Anastasiia Akh/Shutterstock.com 雑草が伸び放題になっている場所は、景観上よくないだけでなく、周囲の治安が悪化するリスクもあることから、近隣住民のストレスに。また、伸び放題に茂った雑草や樹木が敷地からはみ出し、隣家の敷地内に侵入したり、道路の通行の妨げになったりするほか、花粉や種子を周囲に広げてしまう恐れがあります。雑草が繁茂した庭は風通しが悪く、ゴキブリやシロアリなどの害虫の温床や、ネズミやハクビシンといった害獣の隠れ家や餌場になってしまう危険性も見逃せません。実際に、管理不全な土地に対して寄せられる住民からの苦情は、「雑草・雑木の繁茂、落ち葉等の散乱、草木の越境」といった苦情が最も多く、次いで「害虫の発生」「ごみ等の投棄」などが苦情の上位になっているという国土交通省の調査結果もあります。このように、雑草を放置していると、近隣トラブルにも発展しかねません。 kuremo/Shutterstock.com 雑草は建物自体の劣化にも悪影響を及ぼします。雑草が周囲を覆うことや、外壁にへばりついたつる性の雑草により建物に湿気がこもり、老朽化が進みやすくなって、倒壊の危険性が高まります。特に通気口をふさいでしまうと床下に湿気がこもりやすくなるので注意が必要。雨どいに枯れ葉が詰まることにより雨水が室内に染み出すなどの問題も生じやすくなります。 「管理不全」の空き家は税金が最大6倍に? travelershigh/Shutterstock.com 雑草が生い茂っているなど、管理が行き届いていない空き家には、行政から助言や指導などが入ることがあります。さらに、放置により倒壊など保安上の危険がある空き家や、適切な管理が行われず著しく景観を損なっている空き家など、特定の条件が認められると、「特定空家」に指定される可能性もあります。 不動産には、固定資産税や地域によっては都市計画税が課されていますが、住宅用地は税負担が軽減されています。ところが、「特定空家」に指定された場合、この特例措置を受けることができません。その結果、場合によってはそれまで1/6に減額されていた固定資産税が本来の税率に戻るため、実質的な負担が一気に跳ね上がります。「あとでやろう」の先延ばしが、大きな金銭的リスクに直結するのです。 遠方の実家や空き家は“何度も通わなくていい対策”が重要 captainX/Shutterstock.com 「空き家の雑草」がリスクであることは分かっていても、家から離れた場所の土地など、頻繁に手入れをすることが難しい状況にある場合も多いことでしょう。 そこで、遠方の実家や空き家は、何度も通わなくても済むよう、“一度の手入れで長く効く”雑草対策がポイント。そのためには、草むしりだけでなく、雑草対策の資材を上手に活用するのがおすすめです。 <資材を活用した空き家の主な雑草対策> 対策方法持続性手間費用感手軽さ除草剤短期~中期低安価◎防草シート+砂利中期~長期中中程度〇コンクリート化半永久低 (施工後)高額× 除草剤の散布(短期的・手軽) Natalia Kokhanova/Shutterstock.com メリット: 即効性があり、広い範囲も手間なく短時間で処理が可能。 デメリット: 持続期間は長くても1年程度。周辺の植木や隣家の庭木を枯らすリスクに注意。 手間: 低(散布するだけ) 費用: 低(数千円〜) ポイント:商品によって持続期間が異なるので、用途に合わせて選択を。 最も実践しやすいおすすめの方法が、手軽に対処できて効果も期待できる除草剤。散布するだけで手間なく対処でき、即効性もあるため、コストを抑えて対策することができます。除草剤にもさまざまなタイプがありますが、今ある雑草を枯らすだけでなく、土壌を処理して雑草の発芽を抑制する成分を含むものを選ぶことで、効果が長く持続します。 ただし、除草剤の効果期間は長くても1年程度。効果が持続するよう、まき直す必要があります。除草剤で雑草を処理した後、より効果が長く続く防草シートを敷くなど、ほかの対策と併用するのもおすすめです。また、使用の際は近隣に除草剤が流れないよう、傾斜地での使用は避けるなど配慮しましょう。 防草シート + 砂利(中長期・手軽) Boyloso/Shutterstock.com メリット: 一度施工すれば数年〜10年ほど効果が持続。砂利の音で防犯効果も期待。 デメリット: 初期費用や準備が必要。シートの隙間から雑草が生えることも。 手間: 中(整地とシート敷きが必要) 費用: 中〜高(1㎡あたり数千円。DIYならコストを抑えられます) イント:品質によってはすぐに突き破られてしまうため、透水性のある高密度なシートがおすすめ。 中長期的に対策でき、バランスの取れた対策方法が防草シート。商品タイプによりますが、一度シートを敷いてしまえば、数年~10年程度は効果が持続し、雑草管理の手間が大幅に軽減します。整地などの事前準備は必要ですが、自分でシートを敷くこともできるため、コストを抑えて対策することも可能。ただし、シートに隙間があるとそこから雑草が生えてくるため、より確実に施工するには業者に依頼するのもおすすめです。防草シートの上に砂利を敷けば、防草シートを隠して美観が向上するだけでなく、シートを固定したり、踏むと大きな音が鳴る防犯砂利であれば防犯効果も期待できます。 固まる土・コンクリート(長期的・完全防御) Sigit dan Flora Fauna/Shutterstock.com メリット: ほぼ完全に半永久的に雑草をシャットアウト。 デメリット: 費用が高い。照り返しで夏場に温度が上がりやすい。撤去する際に多額の費用がかかる。 手間: 高(業者への依頼が一般的) 費用: 高(1㎡あたり1万円〜) ポイント: 資産価値や解体費用に影響するためよく検討を。 雑草とは永遠にお別れしたい! という場合は、コンクリートや固まる土などを用いて、物理的に地面を覆い尽くしてしまうというのも一案です。基本的に業者に依頼する形になるので手間もかからず、ほぼ完全に雑草の発生を予防することができる“奥の手”ですが、施工には費用がかかります。また撤去にも費用がかかり、将来的に売却や解体を考えている場合は資産価値や解体費用にも影響するため、事前に慎重に検討する必要があります。 このほか、クラピアなど雑草をしのぐ繁殖力を持つグラウンドカバーを取り入れて雑草を抑制するという手もありますが、管理しきれないと雑草の繁茂と同じ結果を招きかねないため、慎重に判断するのがおすすめです。 塩をまくのはNG対策! 雑草対策に、塩をまく方法があると聞いたことがある人もいるかもしれませんが、これはNG。塩をまくと確かに雑草は枯れますが、塩分によりコンクリートの基礎や金属部分などが腐食し、構造物の劣化の原因になる恐れがあるほか、雨で溶けて流れれば、隣家の植物や畑を枯らしてしまうことにもつながります。また、塩は分解されることなく半永久的に土壌に残り続け、除去も困難なため、今後植物を育てることができない「枯れた土地」になってしまいます。さらに、土地を売却する際、塩分濃度が高いと土壌汚染とみなされ、資産価値が著しく下がったり、浄化費用を請求される可能性もあります。 塩による除草剤も市販されていますが、リスクを考慮したうえで、将来的に植物を植えることがない墓石周辺などの使用にとどめるのがおすすめです。 長く効く除草・抑草資材を活用して管理負担を減らそう captainX/Shutterstock.com 空き家の雑草放置は、単なる景観の問題だけではありません。公的な資料においても、雑草の繁茂は「管理不全のサイン」と位置付けられ、防犯性の低下や犯罪誘発のリスクと考えられています。 遠方の実家や空き家を維持するためには、以下のポイントを意識した対策を検討しましょう。 「管理されている」という外観の維持:定期的な除草や防草シートの活用などにより、周囲に管理の意思を示す。 物理的な死角の解消:見通しを確保し、不法投棄や不法侵入を未然に防ぐ。 中長期的な視点での資材選び:頻繁に通えない場合は、持続性の高い対策で負担を軽減する。 適切な雑草対策を行うことは、近隣トラブルや資産価値の低下を防ぐだけでなく、地域の安全を守ることにもつながります。ご自身の状況に合わせた無理のない管理方法を選び、健やかな状態に保ちましょう!
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一・二年草

オシャレなのに初心者向き! シックな花「セリンセ・マヨール」の育て方と冬越しのポイント
セリンセ・マヨールの基本情報 Flower_Garden/Shutterstock.com 植物名:セリンセ・マヨール学名:Cerinthe major英名:honeywort和名:キバナルリソウ(黄花瑠璃草)その他の名前:セリンセ、セリンセ・マヨル科名:ムラサキ科属名:セリンセ属(キバナルリソウ属)原産地:南ヨーロッパの地中海沿岸地域形態:一年草 セリンセ・マヨールはムラサキ科セリンセ属(キバナルリソウ属)の一年草で、学名はCerinthe majorです。ヨーロッパ南部~中部原産で、草原や牧草地に自生しています。 セリンセ属は20〜25種ほど存在しますが、観賞用としてはセリンセ・マヨールのみが利用されます。 草丈は30〜60cmで、環境に合うと株幅が40〜50cmまで張ります。近年は日本でも少しずつ流通するようになり、急速に普及し始めています。寒さに気を付けて冬越しさせれば、放任でもよく育つため、初心者でも育てやすい花です。環境が合えば、こぼれ種でもよく増えます。 セリンセ・マヨールの花や葉の特徴 Golden Shark 2/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:4〜5月草丈:30〜60cm耐寒性:やや弱い~普通耐暑性:やや弱い花色:紫、黄 セリンセ・マヨールの開花期は4〜5月です。花期になると伸びた茎の頂部に花序を出し、筒状の花を咲かせます。花は2cmほどで、シルバーがかった青緑色の苞葉に包まれているのが特徴です。苞葉は成長につれ、青緑色から紫、青色へと変化し、この苞葉の美しさにも観賞価値があります。 花はムラサキ科らしいさそり形花序で、上部が紫で下部が黄色となるのが基本種です。一方、園芸用としては紫一色の花をつける‘プルプラセンス’という品種が主に流通しています。 葉は長さ2〜6cm、幅1〜2cmの心形〜長楕円形で、葉には不規則な白い斑点が見られますが、これは病気ではなく、成長につれて消えていきます。 サソリの尾のようにくるりと巻いて伸びる花序がユニーク。ThechoBoy/Shutterstock.com セリンセ・マヨールの名前の由来や花言葉 Gruzdeva Taisiia/Shutterstock.com 「セリンセ(Cerinthe)」という属名は、ギリシャ語の蝋を意味する「keros」と花を意味する「anthos」に由来するとされています。「keros」は、花が蝋質な光沢があることや、ミツバチが巣作りのためにワックスをとることから。種小名の「マヨール(major)」は、ラテン語で「大きいほう」という意味があります。 セリンセ・マヨールは、和名ではキバナルリソウ(黄花瑠璃草)、英語ではhoneywortと呼ばれています。園芸品種では紫色の花が流通していますが、野生種の花は黄色の部分が多く、花の基部が紫になることが和名の由来。英名の「honeywort」は、蜂蜜のような蜜を生産することが由来と考えられています。 黄色い花を咲かせるセリンセ・マヨール。Gestiafoto/Shutterstock.com セリンセ・マヨールの花言葉は「優美」「母性愛」です。 セリンセ・マヨールの代表的な品種 davide bonaldo/Shutterstock.com セリンセ・マヨールにはいくつかの園芸品種があります。中でも代表的なものについてご紹介します。 プルプラセンス Mike Russell/Shutterstock.com ‘プルプラセンス’は、花全体が紫色になる品種で、日本でセリンセ・マヨールとして流通している園芸品種の大半を占めています。 紫色の上品な花はイングリッシュガーデンによく似合います。気温によって、花色がダークブルーからピンクブルーに微妙に変化するのも魅力。園芸店では取り扱いがない場合もあるため、確実に購入するにはネット販売を利用するのもおすすめです。 イエローキャンディ ‘イエローキャンディ’は、黄花のセリンセの園芸品種で、赤褐色と黄色の複色の花を咲かせるのが特徴です。先述のとおり、セリンセは黄花が基本で、和名もキバナルリソウとなっています。日本で一般に流通している青花の‘プルプラセンス’は、この黄花のセリンセの変種とされています。 プライドオブジブラルタル ‘プライドオブジブラルタル’は、セリンセ・マヨールの園芸品種。黒みがかった紫色の花で、‘プルプラセンス’よりも青みが強い色合いが特徴です。葉には斑点が入り、草丈は30〜60cmになります。開花時期は4〜6月。 セリンセ・マヨールの栽培12カ月カレンダー Lijuan Guo/Shutterstock.com 開花時期:4〜5月植え付け:3〜4月、10~12月肥料:10月〜翌年5月種まき:9月下旬~10月下旬 セリンセ・マヨールの栽培環境 Martin Fowler/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい環境を好みます。日当たりが悪いと花付きや発色が悪くなるので注意しましょう。 【日当たり/屋内】屋外での管理が基本ですが、寒冷地では冬は屋内に取り込むのが無難です。 【置き場所】湿気や蒸れに弱く、水はけがよい環境を好みます。梅雨時は雨があたらない風通しのよい場所に移動させたり、寒冷地では冬に屋内に取り込めるよう、鉢植えにするのもおすすめです。 耐寒性・耐暑性 耐寒温度はマイナス3~マイナス5℃。冬は防寒対策が必要ですが、寒冷地以外では地植えでも冬越しすることができます。耐暑性はやや弱く、日本では夏に枯れる一年草として扱われるため、特に夏越し対策の必要はありません。 セリンセ・マヨールの育て方のポイント 用土 Madlen/Shutterstock.com 水はけがよい用土を選びましょう。じめじめしていたり乾燥しすぎたりする用土ではうまく育ちません。 地植えの場合は、腐葉土などを混ぜて水はけをよくしておくことが重要です。鉢植えの場合は市販の草花用培養土でもよく、自分で作る場合は赤玉土7:腐葉土3の割合で配合します。 水やり Ground Picture/Shutterstock.com セリンセ・マヨールは乾燥気味に育てましょう。 地植えの場合、基本的に水やりは不要ですが、雨が降らない日が続いて葉がしおれてくるようであれば水を与えましょう。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら水やりをします。 肥料 F_studio/Shutterstock.com 肥料は、植え付け時に元肥として草花用の緩効性肥料を混ぜます。鉢植えでは、自作の配合土の場合は元肥として緩効性肥料を混ぜておき、さらに植え付け後は2週間に1回のペースで液体肥料を与えます。市販の草花用培養土を使っている場合は、元肥が含まれているため別に与える必要はありません。花が止まり、下葉が黄色くなってきた場合は肥料が切れている可能性があります。 セリンセ・マヨールは、比較的肥料を好む植物なので、生育期や開花中は必要に応じて追肥をしましょう。 注意する病害虫 schankz/Shutterstock.com 【病気】 セリンセ・マヨールに発生しやすい病気は、灰色かび病です。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。多湿で風通しが悪く込み合っていたり、花がらや枯れ葉を放置していたりすると発生しやすいため、花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込みすぎている場合は間引いて風通しよく管理しましょう。 なお、葉に入る斑点は病気ではなく、セリンセ・マヨールの特徴です。 【害虫】 セリンセ・マヨールに発生しやすい害虫はアブラムシです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の殺虫粒剤を利用するのがおすすめです。 セリンセ・マヨールの詳しい育て方 種まき Elena Medoks/Shutterstock.com 種まきの適期は9月下旬~10月下旬で、18℃前後で発芽します。種まきが遅くなると、冬までに苗が十分育たないので注意が必要です。春まきも可能ですが、秋まきより開花が遅れ、開花期間が短くなります。 種子は播く前に一晩水につけておくと、発芽が早まります。ポットに数粒播き、種子が隠れる程度の土をかぶせ、たっぷり水やりをします。発芽したら生育のよいものを残して間引き、本葉が5〜6枚ほどになったら定植します。 寒冷地ではポットのまま春まで管理したほうがよいでしょう。霜に当たると苗が傷むので、当たらないところに移動するか霜よけを設置します。 苗の選び方 葉色がきれいで、しっかりした苗を選びます。生育期間を長く取るため、苗は早めに植え付けるとよいでしょう。 植え付け・植え替え Tom Meaker/Shutterstock.com 暖地では地植えでも育てることができますが、寒くなる地域では霜や梅雨時の多湿を避けるため、適宜移動できる鉢植えがおすすめです。 苗を地植えする場合は、深さ30cmほどの穴を掘って植えます。株間は20〜40cm開け、植え付け後はたっぷり水を与えます。鉢植えでは、鉢底ネットの上に鉢底石と用土を入れて植え付けます。鉢植えの場合、ウォータースペースを3cmほど取ります。 一年草のため、植え替えをする必要はありません。 日常のお手入れ Tom Meaker/Shutterstock.com 【花がら摘み】 セリンセ・マヨールは花序を伸ばしながら次々に花をつけます。花は咲き終わると自然に落ちるので、こまめに取り除きましょう。花後に切り戻すと、次の花芽が出て再び開花を楽しむことができます。 種子を採りたい場合は採種用の株を決め、切り戻さずに種子ができるまで育てます。 【梅雨対策】 梅雨時期は、多湿を避けるために雨の当たらない風通しのよい場所に移動したほうがよいでしょう。 増やし方 Soho A Studio/Shutterstock.com セリンセ・マヨールを増やすには、花後に種子を採って播きます。花後に花がらをつけたままにしておき、苞の中に隠れている種子を花序ごと切り取ります。種子は熟すと自然に落ちるため、あらかじめ花序にだし取り用の小袋をネット代わりにかぶせておいてもよいでしょう。 採種したらよく乾燥させ、紙袋などに入れて、種まきの適期まで保管しておきます。こぼれ種でも増えますが、中間地や寒冷地では難しいです。 セリンセ・マヨールは寒さ対策が大切 セリンセ・マヨールは特に苗が小さいうちは寒さに弱く、霜や雪にあたると傷んで枯れることもあります。寒風も避けたほうがよいでしょう。 霜が降りる地域では、鉢で育てて軒下に移動させるなどの対策が必要です。一年草のため長く楽しむためには春に苗を購入して植え付けるのが無難です。しかし、冬でも霜が降りない暖地であれば、地植えで秋まきして栽培することもできます。 セリンセ・マヨールの開花は「日照時間」と「低温」がポイント Province_photo/Shutterstock.com セリンセは夜よりも昼のほうが長いと咲く「長日植物」です。 気温が上がると草丈や葉はよく成長しますが、日が長くなったと感じない限り花をつけません。そのため、2〜3月の出荷時期に開花していないことも多いです。お店で花が咲く頃には根詰まりで貧弱に育っている場合が多いので、開花前の状態で早めに購入したほうがよいでしょう。 また、寒さに当てることで春の成長が促され、茎が締まって草姿が間のびせず、美しいドーム状に育ちます。前項で寒さ対策が大切とお伝えしましたが、過保護にしすぎもNG。適切な寒さに当てることが、きれいな株を作るポイントです。 セリンセ・マヨールを育てて独特の花姿で庭を彩ろう Golden Shark 2/Shutterstock.com セリンセ・マヨールは、紫や黄色の上品な花が魅力の植物です。ナチュラルガーデンにもよく似合い、寒さに注意すれば育てやすいので初心者の方にもおすすめです。ほかの花とも合わせやすく、栽培も難しくないので、お気に入りの品種を見つけて庭に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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樹木

花・実・紅葉を1本で楽しめる! 欲張りな庭木「ヤマボウシ」徹底解説
ヤマボウシの基本情報 Peter Turner Photography/Shutterstock.com 植物名:ヤマボウシ学名:Cornus kousa(Benthamidia japonica)英名:Japanese Flowering dogwood、Kousa dogwood和名:山法師その他の名前:ヤマグルマ科名:ミズキ科属名:サンシュユ属(ヤマボウシ属)原産地:日本、朝鮮半島、中国形態:落葉高木 ヤマボウシは、ミズキ科サンシュユ属(ヤマボウシ属)の落葉高木で、原産地は日本、朝鮮半島、中国。日本では沖縄、九州、本州の山地に自生しており、環境に馴染みやすく初心者でも育てやすい樹木です。江戸時代には欧米に渡り、美しい花木として人気を博しています。 開花時期、見頃は? islavicek/Shutterstock.com ヤマボウシの開花時期は、5〜6月です。春に開花する花木が一通り咲き終えた端境期に爛漫と咲くので、ひときわ目立つ存在となります。 ヤマボウシのライフサイクルは、以下の通りです。3月頃から新芽を出し、葉をたくさん茂らせます。5〜6月に開花し、9月頃には赤い実が熟し、収穫することができます。11月頃に紅葉を楽しんだ後は、すべての葉を落として休眠。新緑、開花、結実、紅葉と、一年を通して表情を変え、四季の移ろいを伝えてくれる樹木です。 ヤマボウシの花や葉、実の特徴 Iva Vagnerova/Shutterstock.com 園芸分類:庭木、花木開花時期:6月中旬~7月中旬樹高:10~15m耐寒性:普通耐暑性:普通花色:常緑色、ピンク、白 ヤマボウシの花色は白、うっすらとグリーンを帯びた白、ピンクなどがあります。花色と書きましたが、花に見える部分は苞で、葉が変化したものです。苞はもちがよいので、観賞期間も長いのが長所といえます。花は苞の中央にあるグリーンの球状のもの。花茎を伸ばした頂部に白い4弁の苞がつき、その中央にボール状の淡いグリーンの花が咲きます。 また、ヤマボウシの葉は丸みを帯びた楕円形で、先がつんと尖った独特な形をしています。縁にはのこぎり状のぎざぎざがついており、小さく波打っているのも特徴です。 ヤマボウシの名前の由来や花言葉 MirSiwy/Shutterstock.com ヤマボウシの名前は、比叡山延暦寺の僧兵である白い頭巾をかぶった山法師をイメージして名付けられたとされています。苞の中央に集まるグリーンの球体の花が坊主頭に、4弁の白い苞が頭巾のように見えたのでしょうか。 学名は、Cornus kousa。属名の「Cornus」は、ラテン語で「つの」という意味で、材質が堅いことからこの名前がついたようです。 英語では「Kousa dogwood」「Japanese dogwood」と呼ばれています。これは樹皮を煮た汁を犬の皮膚病の治療に使うことからとされていますが、諸説あるようです。 ヤマボウシの花言葉は、「友情」です。端境期にあふれるように咲いて存在感をアピールする樹木として人気が高く、花言葉に気持ちを託してプレゼントに利用されることもあるようです。 ヤマボウシの代表的な種類や仲間 ‘ミルキーウェイ’ Cornus kousa 'Milky Way' N.Stertz/Shutterstock.com 春から初夏にかけて、枝葉を覆いつくすほどの白い花を咲かせる品種です。樹高は6~9mまで成長するので、開花期にはひときわ目を引く存在になるでしょう。 ‘ミスサトミ’ Cornus kousa 'Miss Satomi' AngieC333/Shutterstock.com 華やかなピンク色の花が特徴の品種です。成長すると、樹高3〜4mほどに伸びます。花がびっしりと咲く満開の時期は圧巻で、庭の主役としても人気です。 ‘ウルフアイ’ Cornus kousa 'Wolf Eyes' Joe Kuis/Shutterstock.com 葉の縁がやわらかく波打ち、白い覆輪が入っているため、おしゃれな印象を与えます。花や実はほかのヤマボウシと同様のものをつけます。 常緑ヤマボウシ(ホンコンエンシス)Cornus hongkongensis Delpixel/Shutterstock.com 冬になっても葉が枯れない品種。6月から8月にかけて白い花をたくさんつけ、秋になると食用可能な赤い実がなります。 また、常緑ヤマボウシを原種とした交配種に‘リトルルビー’があります。若葉のうちから葉が赤いため、カラーリーフとしても人気です。半常緑性で、寒い地域では冬に落葉することもあります。 ヒマラヤヤマボウシ Cornus capitata smtd4/Shutterstock.com ヒマラヤ山脈やミャンマー、中国、ベトナムなどが原産で、キバナヤマボウシとも呼ばれています。常緑~半常緑性で、寒い地域では冬になると葉が落ちますが、暖かい地域では葉を落とさずに越冬可能です。 ヤマボウシよりも小ぶりで、黄味が強い花を咲かせます。葉も黄味の強い緑色で、細長い形をしています。 ヤマボウシとハナミズキの見分け方 左が丸みのある苞を持つハナミズキで、右がやや先端が尖る苞を持つヤマボウシ。Leene(左), tamu1500(右)/Shutterstock.com ヤマボウシは、ハナミズキと外見がそっくり。それもそのはず、ハナミズキは和名を「アメリカヤマボウシ」といいます。ヤマボウシは日本原産で、ハナミズキはアメリカ原産の外来種です。ヤマボウシは苞の先端が少し尖っているのに対し、ハナミズキの苞は全体に丸みを帯びているので、じっくりと見比べるとその違いが分かります。 ヤマボウシとハナミズキは、実の形状にも違いがあります。ヤマボウシの実はツヤがなく、表面に複数の突起があり、ほぼ正円形です。それに対し、ハナミズキの実は滑らかでツヤがあり、楕円形をしています。 樹皮もやや異なります。ハナミズキの樹皮にはひび割れがありますが、ヤマボウシの樹皮にはひび割れがありません。 また、花が咲く時期によって見分けることもできます。ヤマボウシの開花期は5〜6月で、4月中旬〜5月中旬に咲くハナミズキよりも遅く見頃を迎えます。 ヤマボウシは食べられる? 秋に実をつけるヤマボウシ。じつはこの実は食べられることをご存じですか? ここでは、ヤマボウシの実にスポットを当ててご紹介します。 実が食べられる! nnattalli/Shutterstock.com ヤマボウシは、5〜6月に開花した後、9月頃に小さな実をつけます。表面は赤またはオレンジ色で、十分に熟したら食べることができますよ! この実の利用の仕方はさまざま。生でも、乾燥させてドライフルーツとして楽しんでもOK。また、ジャムや果実酒に加工しても美味しくいただけます。果肉にはたくさんの種が入っていますが、香りがよく甘みがあります。マンゴーやバナナのような風味が特徴で、ビタミンやカロテン、アントシアニンなどが含まれ、疲労回復の効果があるとされています。 ジャムの作り方 JanoJano/Shutterstock.com 熟した実をよく洗い、ヘタと硬い皮の部分を取り除き、ボウルに入れます。果肉を軽くつぶして砂糖を入れながら混ぜ合わせ、1時間ほど寝かせましょう。鍋に移して中火にかけ、沸騰したらザルなどで果肉をこす作業を繰り返します。こし終えたら火にかけて、木ベラで混ぜながら焦げないように水分を飛ばし、とろみが出てきたらレモンを加えて完成。冷えたら煮沸消毒しておいた瓶に入れて保存します。 ヤマボウシの実は意外に甘いので、砂糖は少しずつ入れて味見をしながら調整していくとよいでしょう。 果実酒の作り方 Peter Titmuss/Shutterstock.com 収穫したヤマボウシの実をよく水洗いし、ヘタと皮の硬い部分を取り除きましょう。キッチンペーパーなどで水気を拭き取り、煮沸消毒しておいた保存瓶に実を入れて実の3倍の量のホワイトリカーを入れます。ホワイトリカー1ℓに対し氷砂糖100g、レモン1/4個を目安に、作る量に合わせて氷砂糖とレモンを加え、しっかりふたをして寝かせましょう。2〜3カ月後に果肉を取り出し、さらに半年以上寝かせたら飲み頃です。 ヤマボウシは庭木として人気! High Mountain/Shutterstock.com 新緑、開花、結実、紅葉と表情を変え、季節感を強く感じられる落葉樹として人気が高いヤマボウシ。軽やかな葉をつける野趣漂う樹姿ながら、開花期には木全体が花で覆われ、大変華やかな姿を見せてくれるので、家のシンボルになるような存在感のある木、シンボルツリーにもおすすめです。 シンボルツリーの代表的な樹木は、おしゃれな樹形のシマトネリコ、花だけでなく果実も楽しめるジューンベリー、濃い緑の葉がよく繁るソヨゴなど。ヤマボウシのほかにもさまざまな木がシンボルツリーとして活躍しています。 なお、ヤマボウシの成長スピードはやや遅めで、樹形も自然に整います。地植えではほとんど水やりの手間がいらず、病害虫にも強いため、初心者でもメンテナンスしやすい樹木です。 ヤマボウシの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6月中旬~7月中旬植え替え適期:12月〜翌年3月肥料:2〜3月植え付け:12月〜翌年3月種まき:3月頃 ヤマボウシの栽培環境 ヤマボウシを元気に育てるためには、適した日当たりや置き場所が大切です。また、場合によっては夏越しや冬越しが必要になることもあります。ヤマボウシの栽培環境について、次から詳しく見ていきましょう。 日当たり・置き場所 ヤマボウシは日当たりの良い場所を好む木です。ただし、西日を苦手とするため、置き場所は西日の当たらないエリアを選びましょう。どうしても西日が当たってしまう場合は、下草を植えるなど、土壌の乾燥対策がおすすめです。 また、土壌は通気性や透水性がよいところが適しています。 耐寒性・耐暑性 ヤマボウシは耐寒性、耐暑性ともに特に弱いわけではありません。しかし、栽培環境によっては冬越しや夏越しの対策が必要な場合があります。 【夏越し】 よく日が当たる場所では、夏の強すぎる日差しで葉焼けを起こしてしまうことがあります。遮光ネットなどを適宜使用して、保護しましょう。 【冬越し】 根の凍結が心配な場合は、根元にマルチングを施しましょう。霜が下りる地域では凍害を防ぐため、風通しのよい場所での管理がおすすめです。 ヤマボウシの育て方のポイント 用土 VM1989/Shutterstock.com 【地植え】 水はけ、水もちがよく腐植質に富んだ肥沃な土壌を好みます。粘土質や砂質、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めに入れるとよいでしょう。肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた培養土を利用すると手軽です。赤玉土(小粒)7、腐葉土3の割合でよく混ぜ、配合土を作ってもよいでしょう。 水やり Vladimir Gjorgiev/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 Vineyard Perspective/Shutterstock.com 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。与える際は、気温が十分に上がった日中に行います。 肥料 Vaakim/Shutterstock.com 地植え、鉢植えともに2〜3月に緩効性化成肥料を与え、土によくなじませましょう。生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり旺盛に枝葉を広げることにつながります。 注意する病害虫 feathercollector/Shutterstock.com 【病気】 ヤマボウシがかかりやすい病気は、うどんこ病、すす病です。 うどんこ病は、発生すると葉の表面に白い粉が吹いたようなカビが見られます。光合成を阻害されたり、葉から養分を吸収されたりして生育が悪くなります。放任してひどくなると枯れてしまうこともあるので注意。木の勢いがなくなり、見た目も悪いので、兆候が見えたら早期に殺菌剤などを散布して対処しましょう。梅雨の時期に発生しやすい傾向にあるので、水もち、水はけのよい土壌づくりと、適切な水やりの管理が回避のカギです。窒素成分の多い肥料を与えすぎるのも、発症のきっかけになります。 すす病は、カビの一種が原因で、植物に黒い粉が吹いてすすがついたような状態になるのが特徴です。樹勢が衰えるうえに見た目も悪いので、発見次第適用する薬剤を散布して防除しましょう。 【害虫】 ヤマボウシにはほとんど害虫の被害は出ませんが、テッポウムシが現れることがあります。テッポウムシは、ゴマダラカミキリの幼虫のことです。成虫が幹などに産卵し、幼虫は1〜2年にわたって木の内部を食害するので、徐々に樹勢が弱り、枯死することも。木の周囲にオガクズが落ちていたら、内部にテッポウムシがいることが疑われます。見つけ次第、侵入したと見られる穴に薬剤を注入して駆除しましょう。 ヤマボウシの詳しい育て方 苗の選び方 ヤマボウシの苗は幹が1本の単木と、いくつかに枝分かれしている株立ちの2タイプがあります。株立ちの苗は、成長と共に横にも広がるので、植える場所や好みに合わせて苗を選びましょう。 植え付け・植え替え SujaImages/Shutterstock.com ヤマボウシの植え付け適期は、落葉したのちの休眠期にあたる、12月〜翌年3月です。 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに5cm程度の穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 土作りをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかり根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 鉢の大きさは、8〜10号鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引しておくとよいでしょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。一年を通して日当たり、風通しのよい場所に置いて管理しましょう。 鉢植えで楽しむ場合は、成長とともに根詰まりしてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替えの際は、一回り大きな鉢と新しい用土を用意しましょう。 剪定・切り戻し mihalec/Shutterstock.com ヤマボウシは自然に樹形が整いやすい植物です。そのため、基本的には剪定が必ず必要というわけではありません。剪定の必要性を感じたら、下記を参考にしてみましょう。 ヤマボウシの剪定適期は、休眠中の12月〜翌年2月です。 開花のための花芽ができる期間は7月下旬〜8月です。ヤマボウシの開花期は5〜6月で花芽分化期に大変近く、花後に剪定すると花芽分化に影響することがあるので、避けたほうが無難です。剪定適期の12月〜翌年2月には、尖った葉芽とふっくらと丸い花芽の見分けがつきやすいので、この時期に形を整える程度の剪定を行います。 地際から立ち上がっている「ひこばえ」は、元から切り取りましょう。木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく伸びすぎている「徒長枝」も元から切り取ります。1カ所から3本以上の枝が出ることが多いので、間引いて枝を透かすとよいでしょう。 増やし方 ヤマボウシは主に種まきと接ぎ木で増やせます。 【種まき】 秋に結実したら実から種を採取して、時間を置かずに培養土を入れた黒ポットにまきましょう。この際、培養土は十分水で湿らせておきます。発芽前は日陰、発芽後は日当たりの良い場所で管理しましょう。 【接ぎ木】 元気なヤマボウシの枝を切り取り、接ぎ木テープなどを使って台木に接合します。 ヤマボウシを育てる時のポイント ingehogenbijl/Shutterstock.com ヤマボウシは、5〜10mほどにまで成長する樹木です。樹高を抑える剪定によってコンパクトに抑えるのはもちろん可能ですが、たっぷりと枝葉を茂らせることで、本来の魅力を発揮できます。シンボルツリーとして大きく育てたい場合は、余裕のある広い場所に植えましょう。日当たりが悪くなってほかの植物が育たないとか、軒や車庫に枝葉がぶつかって邪魔になってしまうなど、後々トラブルにならないよう配慮が必要です。 ヤマボウシは、種まきして育てることも可能ですが、発芽率が低く、花を咲かせるまでには7〜8かかります。そのため、苗木の購入からスタートするのが一般的です。 また、比較的乾燥を好み、水やりをしすぎると根腐れしてしまうこともあるので注意。適切な水分管理をして、健やかに育てましょう。 ヤマボウシの花が咲かない理由は? ichizen/Shutterstock.com ヤマボウシの花が咲かないときには、いくつかの理由が考えられます。 もっともよくあるのが、剪定時に花芽を落としてしまうことです。剪定時には、誤って花芽を切ってしまわないように注意しましょう。 根詰まりを起こしていても、花が咲かないことがあります。鉢植え・地植えともに根詰まりには注意して、必要に応じて定期的に植え替えを行いましょう。 夏場の水切れにも注意が必要です。日照や肥料不足でも、花つきが悪くなってしまいます。 また、植えてから数年間はなかなか花が咲かないこともあります。株がまだ若く充実していない時期は、手入れをしつつ成長を待ちましょう。 花も実も紅葉も! 欲張りなヤマボウシをシンボルツリーに選ぼう Photology1971/Shutterstock.com 新緑、開花、結実、紅葉と、季節の巡りとともに劇的に表情を変えるヤマボウシ。1本植えるだけで庭の印象がパッと華やぎ、家全体のシンボルとして力強く根付いてくれます。 剪定の手間が少なく、初心者でも育てやすいうえに、秋には実を味わう楽しみまで待っています。一年中見どころが尽きない魅力たっぷりなヤマボウシを、ぜひあなたの庭に迎えて、自宅の庭を特別な空間にしてみませんか?
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宿根草・多年草

ベルフラワー(オトメギキョウ)の育て方|満開に咲かせるコツと失敗しない夏越しの方法は?
オトメギキョウ(ベルフラワー)の基本情報 haraldmuc/Shutterstock.com 植物名:オトメギキョウ学名:Campanula portenschlagiana英名:wall bellflower、Dalmatian bellflower、Adria bellflower、Campanula muralisなど和名:オトメギキョウ(乙女桔梗)その他の名前:ベルフラワー科名:キキョウ科属名:ホタルブクロ属原産地:クロアチア西部形態:多年草 オトメギキョウの学名はCampanula portenschlagiana(カンパニュラ・ポルテンシュラギアナ)、別名はベルフラワーです。キキョウ科ホタルブクロ属の多年草で、原産地はクロアチア西部。比較的冷涼な気候を好み、寒さには強い一方で、夏の暑さが苦手なため夏越し対策が必要です。草丈は10〜15cmで、花壇の前面や縁取り、ロックガーデンなどに向いています。 crystaldream/Shutterstock.com 多年草で、一度植え付ければ越年して毎年開花を楽しめます。常緑性のため、冬もみずみずしい葉姿を保ちます。 オトメギキョウ(ベルフラワー)の花や葉の特徴 PeteConrad/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:4〜5月草丈:10〜15cm耐寒性:強い耐暑性:やや弱い花色:紫 オトメギキョウの開花期は4〜5月で、花色は青紫や赤紫から淡い紫。花径は2cm前後で、ベル形の花を上向きに咲かせます。花茎を伸ばした先に数輪の花が付き、満開時には株を覆うほどに咲くので、見応えがあります。花つきがよく、コンパクトにまとまるため、鉢植えやロックガーデンでも人気です。 hbpictures/Shutterstock.com 葉は互生し、楕円〜扇状で縁にいくつかギザギザとした鋸歯が入ります。分枝してこんもりと茂り、ボリューム感のある株姿になるのが特徴です。 ベルフラワーとカンパニュラの違い crystaldream/Shutterstock.com ベルフラワーは、オトメギキョウの別名です。カンパニュラはキキョウ科ホタルブクロ属の総称で、北半球の広い範囲に分布して約300種が確認されており、オトメギキョウはカンパニュラの1種ということになります。オトメギキョウを限定して指すなら、学名のカンパニュラ・ポルテンシュラギアナと表記するのが正式です。 カンパニュラの仲間の中でもポピュラーなカンパニュラ・メディウム(フウリンソウ)。MacBen/Shutterstock.com オトメギキョウ(ベルフラワー)の名前の由来と花言葉 Nahhana/Shutterstock.com オトメギキョウ(乙女桔梗)という名前は、花の色・形がキキョウに似ていて、草丈も花も小さく可憐であることが由来。釣り鐘形の小さなベルのような花を咲かせることから、ベルフラワーという別名でもよく知られます。ちなみに、属名のカンパニュラはラテン語で「小さな鐘」を意味し、こちらも釣り鐘形の花に由来します。 オトメギキョウの花言葉は「感謝」「誠実」「楽しいおしゃべり」などです。「感謝」「誠実」は花姿の美しさから、「楽しいおしゃべり」は株を覆うように咲く姿がまるでおしゃべりしているように見えることから、とされています。 オトメギキョウ(ベルフラワー)の栽培12カ月カレンダー 開花時期:4〜5月植え付け・植え替え:2月〜3月上旬、9月下旬~11月肥料:3〜10月(真夏を除く)種まき:2月~3月上旬 オトメギキョウ(ベルフラワー)の栽培環境 Irene Fox/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】基本的には日当たりのよい場所を好みます。しかし、夏の強い日差しで葉焼けしたり弱ることがあるので、夏は半日陰で育てるとよいでしょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】水はけのよい環境を好むので、地植えにする場合は水はけのよい土づくりをし、植え付けの際に土を盛って少し高くしておくとよいでしょう。石組みの間に苗を植えるロックガーデンなどにも向いています。連作を嫌うので、地植えにする際はキキョウ科の植物を育てていた場所は2~3年は避けましょう。 高温多湿や強い直射日光は苦手なので、夏は朝のみ光が差し込む東側か、木漏れ日がチラチラと差す落葉樹の株元など半日陰の環境で管理し、必要に応じて鉢に植え替えて風通しのよい涼しい場所に移動します。冬は寒風が強く吹き付ける場所は避けましょう。 耐寒性・耐暑性 耐寒温度はマイナス15~マイナス20℃と寒さに強いですが、強い霜や寒風により傷むことがあるので、寒冷地ではマルチングなどの霜よけをしたり、北風の当たらない場所に移動するなどの防寒対策をすると安心です。また、高温多湿に弱いため、夏は遮光をするなど半日陰の涼しい場所で管理し、切り戻しをして風通しよく育てるとよいでしょう。 オトメギキョウ(ベルフラワー)の育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 苗を植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材と緩効性肥料を投入し、よく耕してふかふかの土を作っておきます。水はけの悪い場所では、川砂やパーライトなどで土壌改良し、周囲より土を盛っておくとよいでしょう。土づくりは植え付け直前ではなく、数週間前に行っておくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 山野草の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり cam3957/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 地植えの場合は、根付いた後はほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥するようであれば、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、オトメギキョウは多湿を嫌い、いつもじめじめした状態にしていると根腐れすることがあるので注意しましょう。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。冬は控えめに与えます。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 追肥は、3〜10月の生育期に10日に1度を目安にリン酸分が多めの液体肥料を与え、真夏は肥料を与えずに切らしておきましょう。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 発生しやすい病気は、軟腐病やうどんこ病などです。 軟腐病は細菌性の病気で、高温時、特に梅雨明けから真夏が要注意。球根や成長点近くの茎、地際の部分や根が腐って悪臭を放つので、発生したら周囲に蔓延しないようにただちに抜き取り、周囲の土ごと処分してください。予防としては、連作(同じ科に属する植物を同じ場所に植え続けること)を避け、水はけをよくしていつもジメジメした環境にしないこと。また、害虫に食害されて傷ついた部分から病原菌が侵入しやすくなるので、害虫からしっかり守ることもポイントになります。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気で、茎葉やつぼみなどの表面が白く粉を吹いたような状態になります。放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂して風通しが悪くなったりしていると発生しやすいので注意。病害部は摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 【害虫】 発生しやすい害虫は、ハダニやアブラムシなどです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁します。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 オトメギキョウ(ベルフラワー)の詳しい育て方 苗の選び方 株元が蒸れて葉が枯れたりカビたりしていないもの。葉が生き生きと鮮やかでつぼみが多く、茎葉がしっかり締まって徒長していないものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え Vlyaks/Shutterstock.com 植え付け・植え替えの適期は、2月〜3月上旬、または9月下旬~11月です。ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘って植え付けます。根を傷つけると弱りやすいので注意しましょう。最後にたっぷりと水を与えます。 環境に合えば植え替える必要はありません。ただし、植え付けから数年が経って株が込み合っているようなら、掘り上げて株分けしてください。改めて植え直し、株の若返りをはかりましょう。 【鉢植え】 入手した苗の根鉢よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから山野草用の培養土を半分くらいまで入れましょう。根鉢をくずさずに鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1回は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて根が詰まっていたら、根鉢を軽くくずして古土を取り除き、古い根を整理してから元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。植え替えの際は、根をあまり傷つけないように注意しましょう。 日常の管理 wjarek/Shutterstock.com 【花がら摘み】 種子を採取しない場合、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 切り戻し Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com ひと通り咲いて草姿が乱れてきたら、込み合って株が蒸れないよう、草丈の半分くらいまでを目安に全体を刈り込む「切り戻し」をするとよいでしょう。すると再び株が勢いを取り戻して生育し始めます。真夏の高温多湿を嫌うので、暑くなる前に切り戻して風通しよく管理することがポイントです。 夏越し xpixel/Shutterstock.com 【地植え】 1日中、日差しが強く照りつける場所では遮光ネットを張り、株元に敷きワラをして暑さ・乾燥対策をするとよいでしょう。真夏は鉢に植え替えて、風通しがよく涼しい場所で夏越しするのも一案です。 【鉢植え】 強い日差しが照りつける暑い環境にさらされると弱るので、風通しのよい涼しい半日陰で管理しましょう。 冬越し crystaldream/Shutterstock.com 【地植え】 寒さには強いほうですが、凍結する地域は敷きワラをして寒さ対策をしておきます。 【鉢植え】 常に寒風が吹き付ける場所を避け、夜に凍結しない軒下などで管理します。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com オトメギキョウは、種まき、株分けで増やすことができます。 【種まき】 種まきの適期は2月〜3月上旬です。種子はほとんど市販されていませんが、植え付けたオトメギキョウが開花した後につける小さな種子を採取すれば種まきできます。採取した種子は密閉袋に入れて冷暗所で保管し、適期になったら播くとよいでしょう。 黒ポットに市販の草花用培養土を入れて種子を播き、最後にたっぷりと水やりをしましょう。発芽するまでは風通しのよい半日陰に置き、乾燥しないように適度な水管理をしてください。発芽後は日当たり・風通しのよい場所に移し、生育期は週に1回を目安に液肥を与えて育苗します。種まきした苗は、順調であれば翌年の春から開花します。 【株分け】 株分けの適期は、2月〜3月上旬です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、株分けをして若返りをはかります。株を掘り上げて数芽ずつ付けて切り分け、切り口には殺菌剤または癒合剤を塗っておきましょう。分けた株を植え直すと再び大きく成長し、株が増えていきます。 オトメギキョウ(ベルフラワー)を育てて住まいに彩りを Fabian Junge/Shutterstock.com 紫色の小ぶりな花がいっせいに咲いて、庭を愛らしく彩るオトメギキョウ。夏越しさえ注意すれば比較的育てやすく、ビギナーにもおすすめです。ぜひ庭やベランダに植栽してみてください。
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一・二年草

春の庭に青い花の絨毯を! 可憐で美しい「ワスレナグサ」の育て方・種類を徹底解説
ワスレナグサの基本情報 dowraik/Shutterstock.com 植物名:ワスレナグサ学名:Myosotis英名:forget-me-not和名:忘れな草(勿忘草)その他の名前:Myosotis scorpioides科名:ムラサキ科属名:ワスレナグサ属原産地:世界各地(温帯)形態:一年草(寒冷地のみ多年草) ワスレナグサは、ムラサキ科ワスレナグサ属の植物です。原産地は世界中の温帯地域で、本来は多年草ですが、日本の高温多湿の気候に弱く夏越しできずに枯死してしまうので、日本では一年草として分類されています。やや湿り気のある環境を好み、極端に乾燥すると葉が黄色く枯れ込んだり、しおれたりすることもあります。 ワスレナグサは丈夫で育てやすく、控えめながらも美しい佇まいで、どんな庭にも合う植物です。 ワスレナグサの花や葉の特徴 Shulevskyy Volodymyr/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:3月下旬~6月上旬草丈:10~50cm耐寒性:普通耐暑性:弱い花色:白、青、紫、ピンク ワスレナグサの草丈は10~50cmほど。一般に出回っている種類は10~20cmほどですが、中には40~50cmにまで成長する高性種もあります。開花期は3月下旬~6月。小さな5弁花のように見えますが、根元でつながっています。花の中央には鱗片状の黄色い副花弁と呼ばれる部分があり、花弁とのコントラストが目を引くでしょう。 小さく可憐な姿ですが、たくさんの花茎を立ち上げてたっぷりと咲き、色の塊となるので、庭で存在感を放ちます。花色はパステルブルーが最もポピュラーですが、ピンク、白、紫なども揃います。 ワスレナグサの葉は、細長い楕円形で、茎に互い違いにつくのが特徴です。葉や茎は細かい産毛のような軟毛に覆われているものが大半ですが、品種によっては無毛のものもあります。葉は花より大きめでよく茂るため、可憐な花をより際立たせます。 ワスレナグサの名前の由来や花言葉 Szymon Bartosz/Shutterstock.com ワスレナグサの花名の由来となっている、悲恋物語をご存じでしょうか。 中世時代のドイツでのお話です。騎士のドルフは、恋人のベルタとドナウ川を散策していました。美しい青い花が咲いているのを見て、ベルタのために摘み取ろうとした彼は、あろうことか足をすべらせ、そのまま川に落ちてしまったのです。川の流れにさからい、岸辺にたどり着こうともがくも虚しく、最期を悟ったドルフ。力を振り絞って摘み取ったその花を岸辺へ投げて「私を忘れないで!」とベルタに呼びかけたのち、その姿は見えなくなりました。残された恋人のベルタは、彼が残した最期の言葉をこの花に名付け、ドルフの墓前に捧げたといいます。この悲恋物語から、英名も「forget me not」と名付けられ、日本にも「勿忘草(わすれなぐさ)」と伝わりました。 Andrew Pustiakin/Shutterstock.com このようなストーリーがあることから、ワスレナグサの花言葉には、「私を忘れないで」「真実の愛」「思い出」などがあります。 ワスレナグサの品種 Lijuan Guo/Shutterstock.com ワスレナグサは一般的にはムラサキ科ワスレナグサ属全般の呼び名ですが、厳密にはヨーロッパ産のミオソティス・スコルピオイデス(Myosotis scorpioides)を指します。ここではワスレナグサの代表的な品種を見ていきましょう。 ミオソティス・スコルピオイデス(Myosotis scorpioides) Petr Ganaj/Shutterstock.com 狭義でのワスレナグサは、ミオソティス・スコルピオイデスです。水辺を好むことから、「ミズワスレナグサ(水勿忘草)」とも呼ばれています。前章で紹介した悲恋物語に登場するのも、ミオソティス・スコルピオイデスです。花色は淡いブルー、花の中心は黄色。花はやや小ぶりです。 ミオソティス・シルヴァチカ(Myosotis sylvatica) Iva Vagnerova/Shutterstock.com ヨーロッパ~アジアが原産地。和名はエゾムラサキといい、日本でも自生する姿が見られるようです。多くの品種の中でも草丈は高いほうで、50cmほどになります。 ミオソティス・アルペストリス(Myosotis alpestris) BergeImLicht/Shutterstock.com ヨーロッパのアルプス山脈やピレネー山脈、バルカン半島などが原産地。山地や高冷地の草原や林の中で自生しているのが見られます。草丈は10~20cmくらい。日本ではノハラワスレナグサと呼ばれています。 ‘ミオマルク’Myosotis 'Myomark' 従来種に比べて大きな花が咲く品種。咲き始めはピンクの花色が、時間の経過とともに紫、淡い青へと変化するのが特徴です。花つきがよく、開花期には華やかな雰囲気を楽しめるので、ブルーガーデンにもぴったりです。 ‘ドワーフブルー’ Myosotis sylvatica 'Dwarf Blue' エゾムラサキ(Myosotis sylvatica)の改良品種。小ぶりなサイズで、穂のように咲く花の姿が特徴です。花は小さめですが花つきがよく、たっぷりと咲いてくれます。コンパクトなので花壇や寄せ植えにもおすすめです。 ‘ブルームッツ’ ミオソティス・アルペストリス(Myosotis alpestris)の改良種で、紫がかった青色が上品な印象を与えます。ワスレナグサのなかでは早咲きで、早春が開花期です。草丈はやや高く、50cm程度まで伸びます。切り花にも使えるため、さまざまな場面で楽しめる花です。 「ビクトリア」シリーズ 欧州~アジアが原産、エゾムラサキ(Myosotis sylvatica)の改良品種。株がコンパクトで扱いやすく、鉢植えや花壇にぴったりです。多年草ですが、日本の厳しい暑さでは管理が難しいため、二年草として扱われることもあります。 ワスレナグサの栽培12カ月カレンダー 開花時期:3月~6月上旬肥料:2月下旬~5月、9月下旬~11月上旬入手時期:3月下旬植え付け:2月下旬~4月上旬、9月下旬~11月上旬種まき:9月下旬~10月 ワスレナグサのライフサイクルは、以下の通りです。秋にタネを播いて育苗し、越冬して翌春の3月下旬頃から開花。夏前には枯死してしまうので抜き取って処分します。このように、種まきから枯死するまでが半年ほどで、ライフサイクルの短い植物です。 ワスレナグサの栽培環境 日当たり・置き場所 ワスレナグサは日当たりと風通しのよい場所を好みます。十分な日光を当てないと花付きが悪くなるので、開花期は特に管理場所に注意しましょう。 またワスレナグサは高温多湿に弱いのが特徴です。水はけの悪い場所や湿度が高くなりやすい場所での栽培は避けましょう。 耐寒性・耐暑性 ワスレナグサは耐寒性は普通程度、耐暑性は弱いです。本来多年草であるワスレナグサですが、日本の夏は暑さが厳しいため、多くの地域では一年草扱いになります。 高温多湿を嫌うので、梅雨明け以降は半日陰や日陰の涼しい場所に移して管理しましょう。寒さには比較的耐えるので、不織布などで霜よけをする以外は特別な冬越しは必要ありません。 ワスレナグサの育て方のポイント 用土 bluedog studio/Shutterstock.com 丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1~2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておくとよいでしょう。鉢植えの場合は、草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。その際は、株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、ジョウロのハスロを外して、株元の地面を狙って与えてください。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましよう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、ジョウロのハスロを外して、株元の土を狙って与えてください。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 元肥 苗を植え付ける際に施す肥料が、元肥です。元肥を施すことで苗の初期生育を助け、茎葉をしっかり茂らせることにつながります。 【地植え】 植え付ける前に、腐葉土や堆肥などの有機質肥料を施しておきましょう。 【鉢植え】 鉢植えの場合、市販の培養土には肥料が含まれていることが多いので、元肥を施す必要があるかどうか確認し、必要な場合は緩効性化成肥料を施しておきます。 追肥 植え付けた苗が順調に生育し、元肥の効き目が切れた頃に与えるのが追肥です。 【地植え】 秋に植え付けた場合は、生育が盛んになる少し前の3月上旬頃に、緩効性化成肥料を施すとよいでしょう。 春に植え付けた場合は、元肥を施してあれば十分。あまり与えすぎると茎葉ばかりが旺盛に茂って、かえって花つきが悪くなることもあるので注意します。ただし、生育が悪いようなら速効性のある液肥を与えて様子を見ましょう。 【鉢植え】 鉢植えの場合は、水やりとともに肥料成分が流失しやすいので、追肥をして株の勢いを保つようにします。春から生育が盛んになるので、月に1度を目安に緩効性化成肥料を表土にばらまき、軽く土になじませます。もしくは10日に1度を目安に、速効性のある液肥を与えてもよいでしょう。開花期は開花促進の効果がある、リン酸やカリ分などを多く含んだ液肥を選ぶと花つきがよくなります。 注意する病害虫 Marcel Jancovic/Shutterstock.com 【病気】 ワスレナグサに発生しやすい病気は、灰色カビ病です。やや気温が低くて湿気が多い時期に多く、花やっぼみ、葉などに灰色のカビが現れます。茎葉がまだら模様になり、ひどくなると枯死してしまうので注意。病気を防ぐためにも、終わった花がらや枯れ葉はまめに摘み取り、株周りを清潔に保っておきましょう。発生したら冒されている部分を切り取り、適応する殺菌剤を散布します。 【害虫】 ワスレナグサにつきやすい害虫はアブラムシで、3月頃から発生しやすくなります。2~4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついてしまうほどに。植物の茎葉について吸汁し、株を弱らせると共にウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒剤を利用するのがおすすめです。 ワスレナグサの詳しい育て方 苗の選び方 ワスレナグサの苗を選ぶ際は、茎がひょろひょろと伸びて徒長していないことや、葉が黄色く変色しておらず緑が鮮やかなことがポイントです。また、根が過密になっていないか気を付けて観察しましょう。 植え付け・植え替え Sveta1202/Shutterstock.com 植え付けの適期は、10月中旬~11月上旬か、翌年の3月頃です。ポットに種まきして育てた苗、または花苗店で入手した苗を植え付けます。ワスレナグサは春の定番の花として人気があり、安価で手に入れやすい草花の一つです。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗を植え付けます。こんもりと茂るので、複数の苗を植え付ける場合は20~30cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 鉢の大きさは、5~6号鉢に1~3株を目安にします。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1~2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。 ワスレナグサの苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2~3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物とー緒に植え付けてもOKです。 なお、ワスレナグサは日本では夏越しが難しく、一年草扱いであることが多いので、基本的に植え替えは必要ありません。 日常のお手入れ ワスレナグサは次から次へと咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、タネをつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 剪定・切り戻し ワスレナグサは、日本では基本的に一年草扱いなので、剪定や切り戻しは必要ありません。ただし寒冷地では多年草として育てることも可能です。夏越し前の切り戻しで、再度花を楽しめます。 花後、梅雨明け~初夏に草丈を半分ほどまで切り戻しましょう。風通しがよくなることで病害虫を防ぎ、株をすこやかに保てます。 増やし方 Kazakov Maksim/Shutterstock.com ワスレナグサは種まきでも増やせます。ワスレナグサの花を広範囲にわたって楽しみたい場合や、費用をおさえたい場合には、ぜひ種まきに挑戦してみましょう。 ワスレナグサの種まきの適期は、10月頃です。タネを播くと、たくさんの苗をつくることができるので、花壇へたっぷりと群植させてみましょう。楚々とした風情の花ですが、群植させると迫力が出ますよ! 苗を入手するよりも安価になるのもメリットです。また、ワスレナグサは前年に植えていた花がタネをつけ、周囲にこぼれたタネから発芽して増えるほど、丈夫な植物。成功体験を得やすいので、ビギナーにもおすすめです。 【直まき】 ポットなどで育苗せずに、花壇に直接タネを播くことを「直まき」といいます。日当たりや風通しのよい場所を選び、種まきの1~2週間前に腐葉土や堆肥などを混ぜ込んで、ふかふかの土壌づくりをしておきましょう。タネを播く前日に、一晩水に浸けて吸水させておきます。花壇にタネをばらまきし、軽く土をかぶせて手で押さえます。発芽したら、苗が重なっているところや、込み合っている部分を間引いて調整します。間引く際は、ヒョ ロヒョロと伸びたか弱い苗や、傷がついている苗など、生育が悪いものを選ぶとよいでしょう。最終的に株の間隔は20~30cmほどになるようにしましょう。 【ポットまき】 ビニール製の黒ポットにタネを播いて育苗することを「ポットまき」といいます。培養土は、赤玉土7、腐葉土3の割合で混ぜ合わせた配合土を準備しましょう。市販の種まき用にブレンドされた培養土を用いてもかまいません。タネを播く前日に、一晩水に浸けて吸水させておきましょう。黒ポットに用土を入れ、2~3粒ずつタネを播き、軽く土をかぶせて手で押さえます。発芽後、弱々しい苗は間引いて、最終的に1本残します。日当たりがよく暖かい場所で、適切に水やりをして管理しましょう。 ワスレナグサは寄せ植えに向いている? YvonneH/Shutterstock.com 一般に流通しているワスレナグサは草丈が20cm前後とやや低いので、鉢植えにして扱いやすい植物です。 ただし、40~50cmにまで成長する種類もあります。高性種は花壇向きなので、寄せ植えを目的にタネや苗を購入する際は、草丈のチェックを忘れずに。 Oksana Shufrych/Shutterstock.com ワスレナグサは一つひとつの花は小さいですが、開花期にはたっぷりと咲くので、主役としても脇役としても活躍してくれます。また、春の花の中でもワスレナグサのようなブルーの花色は少ないため、存在感を強く放ってくれます。調和しやすいパステルカラーなのでバランスが取りやすく、反対色にあたるオレンジ色のナスタチウムなどと組み合わせれば、メリハリの効いたカラーコーディネートにも利用できます。 ワスレナグサは丈夫で鉢栽培もしやすく、寄せ植えの相手を特に選びません。ビオラやパンジー、デージー、プリムラ、ネモフィラ、スイートアリッサムなど、開花期の合う植物と相性よくまとまります。 ワスレナグサは春の庭づくりにもおすすめ AnnaRoth108/Shutterstock.com ワスレナグサは春の庭づくりにぴったりの花です。控えめなブルーの花色は、ほかの花の邪魔をしないので、名脇役として活躍します。こぼれ種でも増えるため、いつの間にか植えていない場所で花を咲かせていることも。 またワスレナグサの群生をつくれば、庭の主役になります。あえてほかの花を入れずにグランドカバーのように仕立てても素敵です。切り花にしても可憐なフラワーアレンジメントになります。 主役でも脇役でも活躍! ワスレナグサを育てよう Marina Shutterstock/Shutterstock.com ワスレナグサは春先に咲くパステルブルーの花で、つい足を止めて見とれてしまうほど美しい花色が魅力です。花をたくさん咲かせる性質を生かして花の絨毯を演出してもいいですし、他の春の草花と寄せ植えして脇役としても活躍します。比較的丈夫で育てやすいワスレナグサを、ぜひ育ててみてはいかがでしょうか。
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花と緑

明るい黄色の花が咲く! 身近なこの野草の名前は?【Let’s Try! 植物クイズ】
タンポポによく似た黄色い花 黄色の花が目を引く、こちらの野草。全世界的に分布し、日本でも全国の畑や道端、野原など人里に近い場所でよく見かけます。明るい黄色の頭花は舌のような形の多数の舌状花が集まって構成されています。花だけを見るとタンポポにそっくりですが、花径は2cmほどと小さめです。 もう少し離れて見てみましょう。 najeebbajauri/Shutterstock.com 少し離れると、タンポポとはだいぶ様子が違いますね。 草丈は50~100cmと高く、まっすぐ伸びた茎の途中に、茎を抱くように葉がつき、葉の基部は三角形に張り出して尖っています。葉は長さ15~25cmで柔らかく、羽状に粗く切れ込み、葉縁には不規則に鋸歯があります。また、タンポポは1つの花茎の頂点に1つの花が咲きますが、こちらは花茎が枝分かれして複数の花が咲いているのが特徴。茎は中空で、茎葉を傷つけると白い乳液が出ます。 tamu1500/Shutterstock.com かつては救荒植物の1つとして、食用にされた歴史も。 さて、この野草はなんでしょう? 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ ノゲシ Doikanoy/Shutterstock.com ノゲシの基本データ 学名:Sonchus oleraceus科名:キク科属名:ノゲシ属原産地:ヨーロッパ和名:ノゲシ(野芥子)別名:ハルノノゲシ、ケシアザミ、チチグサ、ウマンモチなど英名:common sowthistle、sow thistle、annual sow thistleなど形態:越年草または一年草草丈:50~100cm ノゲシはヨーロッパ原産で世界各地に広がったと考えられている植物です。日本には有史以前に伝わったとされ、現在では全国各地に分布し、道端や畑、空き地などでごく普通に見られます。秋に発芽し、越冬して翌春にかけて生育する越年草で、花期のピークは4~7月ですが、10月頃まで咲くものもあり、暖かい地域ではほとんど1年中咲いていることもあります。 LFRabanedo /Shutterstock.com 「ケシ」という名前がついていますが、キク科の野草。葉の形と、切り口から白い乳液を出すところがケシに似ていることが「ノゲシ」という名前の由来です。春に多く開花することから、ハルノノゲシの別名もあります。 outdoor photos/Shutterstock.com ノゲシは花が一度しぼんだ後、白いふわふわの綿毛がついた種子をつけます。この綿毛が風にのり、広い範囲に広がっていきます。綿毛はタンポポのように透ける感じではなく密集していて、白いポンポンのようになります。 Uunal/Shutterstock.com ノゲシは若葉や柔らかい茎先は食用できます。成長した葉は苦みがあるので、まだ花茎が伸びない春先の若い株が食用に向きます。あく抜きをしてお浸しや炒め物、和え物にしたり、てんぷらなどに利用できます。葉はギザギザと尖っていますが意外と柔らかく、触っても痛くありません。 James Nature Pics /Shutterstock.com ノゲシとオニノゲシ オニノゲシ。Martin Fowler/Shutterstock.com ノゲシと同じような場所に生育する、よく似た近縁の仲間にオニノゲシがあります。オニノゲシはより大型で、葉の縁には鋭いトゲがいくつもあり、触ると痛いのが特徴です。また、ノゲシの葉には光沢がありませんが、オニノゲシの葉には光沢があること、ノゲシの葉の基部は三角形に張り出すのに対し、オニノゲシは丸くなるという違いがあります。 オニノゲシも、若いときは食用できるとされますが、あまり利用はされません。 ノゲシとアキノノゲシ アキノノゲシ。Hank Asia/Shutterstock.com ノゲシとよく似た花に、アキノノゲシがあります。こちらはレタスに近いアキノノゲシ属の野草で、ノゲシよりも2回りほど大きく、その名のとおり秋に咲くのが特徴。花色は淡黄色。花弁(舌状花)も幅広で、ノゲシに比べて密集せずにすっきりした印象です。 葉もノゲシとは異なり、下部の葉は深く切れ込みますが、上部の葉はほとんど切れ込みが入らず、基部もあまり茎を抱かないのが特徴です。ちなみに、今回ご紹介したノゲシは主に春に咲くため、ハルノノゲシの別名もあります。 tamu1500/Shutterstock.com 日本全国で見られるノゲシ。見かけたらぜひ観察してみましょう。 クイズ一覧はこちら!
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ガーデン

春光うららか!「第4回東京パークガーデンアワード夢の島公園」の『ショーアップ審査』を迎えた5人の庭と審査の様子をご紹介
最初の審査を迎えた夢の島公園での「東京パークガーデンアワード」 4回目の開催となる今回のテーマは「海辺のサステナブルガーデン」。コンテスト会場が海辺という環境にあることから、これまで以上に注目が集まっています。 審査は4月・7月・11月の年3回実施されます。第1回目となる4月は、『春の見ごろを迎えたガーデンの観賞性』が審査されます。春の美しさが植栽で的確に表現されているかに加え、単に華やかであるだけでなく、植物の個性や魅力が生かされているか、また、花や葉の組み合わせに美しいデザイン性が見られるかといった点が問われます。さらに、公共空間に設けられたガーデンとして、訪れる人をどのように楽しませ、心地よいと感じてもらえるかも評価されます。 審査期間:2026年4月8日~15日 審査員は以下の5名。福岡孝則(東京農業大学地域環境科学部 教授)、正木覚(環境デザイナー・まちなか緑化士養成講座講師)、吉谷桂子(ガーデンデザイナー)、本木一彦(東京都建設局公園緑地部長)、植村敦子(公益財団法人東京都公園協会 常務理事) 【コンテスト審査基準】公園の景観と調和していること/公園利用者の関心を得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること /メンテナンスがしやすいこと/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価 ※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 ※今回行われた審査結果の公表はありません。 4月のショーアップ審査を迎えた5名のガーデンをご紹介! コンテストガーデンA花の巡り、風と大地の詩 【4月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころブルーやバイオレットを中心に、多様な花が咲きそろい、平坦に広がる野原のような風景です。力みのない植栽は、みずみずしくさわやかな印象。そのやさしく柔らかな表情が、訪れた人をリラックスさせてくれます。 【開花を迎えていた植物】ユーフォルビア・ウルフェニー、ゲラニウム‘サバニブルー’、フロックス‘ムーディーブルー’、ネペタ‘フェリックス’、チョウジソウ、フロックス・ピロサ、ルナリア‘チェドグロウ’、ブルビネ・フルテスセンス、ムスカリ、ドリメリア‘スイートドリーム’、ダイアンサス・カルスシアノルム、ギリア(白)、カマシア・クシキー コンテストガーデンB潮風に揺れるプレイフルガーデン-Playful Garden Swaying in the Coastal Breeze- 【4月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ背景のユーカリの林に自然になじむ植栽はボリュームがあり、包み込まれるような没入感が感じられます。グレヴィレアや球根類の鮮やかな花色が、下草のグリーンのグラデーションに美しく映え、表情豊かな風景をつくり出しています。 【開花を迎えていた植物】グレヴィレア‘プーリンダ・イルミナ’、ユーフォルビア・ウルフェニー、カマシア・カエルレア、チューリップ‘マーラ’、フリチラリア・ツンベルギー、ダイアンサス・カルスシアノルム、ジギタリス‘クリームベル’ コンテストガーデンCStewardship Garden:The Way 【4月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ波型の花壇の中で、植栽のデザインが交差するように構成され、美しいアンジュレーションが印象的です。グラウンドカバーの使い方も独特で、海の砂や貝を取り入れることで、海辺の庭というテーマがユニークに表現されているところも見どころ。草花一つひとつの造形も際立ち、個性あふれる植栽が楽しめます。 【開花を迎えていた植物】フリチラリア・ペルシカ、ゲラニウム・ツベロサム、シラー・シヴェリカ‘アルバ’、ラナンキュラス・ラックス‘アリアドネ’、ラナンキュラス・ラックス‘ミネルバ’、ムスカリ‘ダブルマジック’、スイセン‘タリア’ コンテストガーデンDSurFIVE Garden 【4月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ起伏の頂部をクロスさせながら絶妙な株間で植え込まれた植栽は、ボリューム感たっぷり。群植されたラナンキュラス・ラックス‘サティロス’がウェーブ状に広がる風景は、遠くからでも目を引き、強いインパクトを残しています。 【開花を迎えていた植物】ラナンキュラス・ラックス‘サティロス’、ゲウム‘トータリータンジェリン’、ムスカリ、ハナニラ、キンギョソウ‘ブラックプリンス’ コンテストガーデンE「東京サバンナ・バイ・ザ・ベイ」 〜地の記憶と環境を翻訳する庭 【4月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころまだボリュームは控えめですが、力強く芽を出す植物の様子からは、確かな春の訪れが感じられます。グラス類の多いワイルドな植栽の中に、ピンクや青紫、黄色、白といった花色が効果的に配され、これから迎えるピーク時の見応えを予感させます。 【開花を迎えていた植物】アルメリア‘モーニングスターディープピンク’、ゲウム‘バナナダイキリ’、ゲウム‘マイタイ’、ネペタ‘キャッツパジャマ’、フロクス・デバリカタ‘ラファミイ’ コンテストガーデンを見に行こう! Information 都立夢の島公園「グリーンパーク」内所在地: 東京都江東区夢の島2-1電話: 03-3522-0281https://www.yumenoshima.jp/park開園時間:常時開園※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせ下さい。入園料:無料(一部有料施設あり)アクセス:東京メトロ有楽町線(Y24)・JR京葉線・りんかい線「新木場」下車、徒歩7分。東京メトロ東西線「東陽町」(T14)から都バス(東陽町-新木場、東陽町-若洲海浜公園)「夢の島」下車。高速湾岸線「新木場インター」より5分駐車場:有料
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ハーブ

スパイシーな香り漂うカレープラントの育て方|枯らさないコツは? 食べられるの? 剪定や夏越しの方法を徹底解説!
カレープラントの基本情報 JasminaS/Shutterstock.com 植物名:カレープラント学名:Helichrysum italicum英名:curry plant、Italian strawflower、immortelle、everlastingなど和名:カレープラントその他の名前:カレープランツ、エバーラスティング科名:キク科属名:ムギワラギク属原産地:地中海沿岸形態:常緑亜低木 カレープラントの学名はHelichrysum italicum 、キク科ムギワラギク属(ヘリクリサム属)の常緑低木で、多年草として扱われます。原産地は地中海沿岸で乾燥した気候を好み、寒さに強く、一般地では周年戸外で管理できます。高温多湿を苦手とするので、日本での栽培では夏越しがポイントになります。 カレープラントの花や葉の特徴 LifeCollectionPhotography/Shutterstock.com 園芸分類:ハーブ開花時期:7〜8月樹高:40〜50cm耐寒性:やや強い耐暑性:普通(多湿に弱い)花色:黄 開花期は7~8月で、花は黄色。花茎を伸ばした先に小さな花が集まってドーム状に開花します。乾燥に強く、ドライフラワーにするのもおすすめです。 高さ40~50cmで、花壇では中段あたり向き。葉は披針形で互生し、常緑性で、冬もみずみずしい葉姿を保ちます。茎葉は産毛で覆われているため、日差しを反射してシルバーグリーンに見え、カラーリーフプランツとして利用できます。1年中庭やベランダをみずみずしく彩り、寄せ植えのアクセントにしても素敵です。 カレープラントの特徴は、なんといってもそのカレーに似た香り。葉はスープやピクルスなどの香りづけ程度には利用されることもありますが、苦みが強く消化に悪いため、一般に食用には適しません。 Esin Deniz/Shutterstock.com カレーのような香りの正体 wisely/Shutterstock.com カレープラントの茎葉に触れると、カレーのようなスパイシーな香りが漂います。これはカレープラントに含まれる、ネリル・アセテートやα-ピネンなどを主とする精油成分によるもの。料理に使用するというよりは、ドライフラワーやリースなどのクラフトに利用されることが多いようです。本物のカレー粉の原料としてカレープラントが用いられることはありません。 カレープラントの名前の由来と花言葉 martin.dlugo/Shutterstock.com カレープラントという名前の由来は、茎葉に特徴的なカレーの香りがあることから。属名のHelichryaumは、ギリシャ語で「太陽」や「金色の」を意味します。また、乾燥させても葉の銀白色や花色があまり色あせないことから、「エバーラスティング(永遠)」や「イモーテル(不滅)」と呼ばれることもあります。 カレープラントの花言葉は「不滅の愛」「黄金の輝き」「刺激」「独創的」などです。 カレープラントとカレーリーフ 左/カレープラント、右/カレーリーフ。Iva Vagnerova、Gurcharan Singh/Shutterstock.com カレーのようなスパイシーな香りをもつ植物は、カレープラントのほかにカレーリーフがあります。こちらはミカン科ゲッキツ属の常緑低木オオバゲッキツの別名で、香辛料として利用されます。ナンヨウザンショウ(南洋山椒)とも呼ばれ、葉はサンショウの葉を大きくしたような羽状複葉。樹高は4~6mになり、7~9月に白い花を咲かせます。姿形は異なりますが、名前は似ているため、購入の際には混同しないようにしましょう。 カレープラントの栽培12カ月カレンダー 開花時期:7~8月植え付け・植え替え:4〜6月、10月頃肥料:3〜6月、10〜11月種まき:3~5月、9~10月 カレープラントの栽培環境 Fabio Pagani/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。日照が不足すると、ヒョロヒョロとか弱い茎葉ばかりが茂って間のびするので注意しましょう。強い日差しを浴びると傷むことがあるので、西日は避け、夏は半日陰で管理するのが無難です。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】自生地は乾燥した気候のため、高温多湿を苦手とし、水はけのよい土壌を好みます。地植えでは西日が当たる場所を避け、朝のみ光が差し込む東側か、太陽が高く上がる日中は木漏れ日がチラチラと差す落葉樹の足元など、半日陰の環境を選ぶとよいでしょう。鉢植えの場合、寒さが厳しい地域では、冬は霜が降りない軒下などに移動するとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 カレープラントは寒さに強く、マイナス5℃くらいまで耐えるので寒冷地を除き戸外で越冬できます。ただし凍結する寒い地域では株元にバークチップなどでマルチングをしておき、地上部の茎葉に不織布をかぶせるなど対策しておくとよいでしょう。暑さには強いですが、高温多湿が苦手で蒸れに弱いため、夏前に切り戻して風通しをよくし、水はけよく管理します。 カレープラントの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 酸性の土壌を嫌うので、植え付ける3〜4週間前に苦土石灰を散布して、よく耕しておきましょう。さらに植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を投入し、よく耕して水はけのよい土壌を作っておきます。水はけの悪い場所では、川砂やパーライトなどで土壌改良し、周囲より土を盛っておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 ハーブの栽培用に配合された、市販の園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり IrinaSol/Shutterstock.com カレープラントは細かな産毛を株全体にびっしりとまとっているため、茎葉に水がかかると蒸れやすくなるので、水やりの際には注意が必要です。株全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えるようにしましょう。 真夏は、昼間に行うと水の温度が上がって株が弱ってしまうため、夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に与えると凍結の原因になるので避けてください。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉を伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、ほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、多湿を嫌う性質のため、与えすぎには注意し、いつもジメジメしている環境にならないようにしてください。 土の表面が十分に乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水やり忘れに注意します。冬は生育が止まって表土も乾きにくくなるので、控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 土づくりの際に、元肥として緩効性肥料を施しておきます。追肥はほとんど必要ありませんが、株に勢いがないようであれば、生育期の3〜6月と10〜11月に液肥を与えて様子を見ましょう。多肥にすると徒長して株姿が乱れやすいため、肥料を控えめに管理するのがポイントです。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 病気の心配はほとんどありませんが、灰色かび病にかかることがあります。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉は適宜間引いて、風通しよく管理しましょう。 【害虫】 害虫の心配はほとんどありませんが、アブラムシやハダニが発生することがあります。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁します。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 カレープラントの詳しい育て方 苗の選び方 節間が詰まってがっしりとし、勢いのある苗を選びましょう。 植え付け・植え替え Vasyliuk/Shutterstock.com 植え付け・植え替えの適期は、5〜6月か10月頃です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、根鉢よりも1回り大きな穴を掘って苗を植え付けます。苗が複数の場合は、50〜60cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。 環境に合えば植え替えの必要はなく、そのまま植えっぱなしにしてかまいません。 【鉢植え】 苗を単植するなら、6〜8号鉢を準備します。 底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、軽く根鉢をほぐして植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもかまいません。 成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1回は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、古い土や根を落として、新しい培養土に植え直します。もっと大きく育てたい場合は、前よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずして植え替えてください。 剪定・切り戻し Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 茎葉が密に茂り、風通しが悪くなってきたら、適宜切り戻して株の若返りをはかります。樹高の半分くらいまでを目安に深めにカットし、枝が込み合っている部分があれば間引くように透かし剪定をしましょう。梅雨前に行うと、株が蒸れるのを防ぎ、風通しよく管理することができます。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com カレープラントは挿し木で増やします。 挿し木とは、茎葉を切り取って土に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、カレープラントは挿し木で増やすことができます。 挿し木の適期は、5〜6月か10月頃です。新しく伸びた茎葉を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります(挿し穂)。水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために、下葉を半分くらい取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。明るい日陰に置いて適宜水やりをしながら管理し、発根して十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 カレープラントが枯れる原因と対処法 Muhlbach/Shutterstock.com カレープラントの栽培にあたって、「うまく育たない」「枯れてしまったのはどうして?」といった質問が寄せられることがあります。この章では、考えられる原因などについて紐解きます。 過湿による根腐れ カレープラントは乾燥した気候地域に自生している植物で、雨の多い日本の多湿な環境は苦手です。鉢栽培では特に、水やりのしすぎで常に土が湿った状態になっていると、根腐れしてしまうことがあるので注意しましょう。水やりは、表土が白っぽく乾き切ってから与えるようにしてください。 日照不足 カレープラントは日当たりのよい環境を好みます。日当たりの悪い場所や室内などに置くと、茎葉がひょろひょろと徒長し、やがて葉を落として弱っていくので注意。地植えの場合は6時間以上しっかりと日が当たる場所に定植し、鉢植えの場合は必ず日当たりのよい場所に置くようにしましょう。 蒸れ 蒸れは夏の高温多湿の環境下で発生しやすくなります。茎葉が込み合っている場合透かし剪定をして風通しをよくしておきましょう。また茎葉に産毛があるので、株全体に水をかけると蒸れやすくなります。水やりの際は、茎葉に水がかからないよう、必ず表土に与えるようにしてください。 冬の寒さ カレープラントは寒さに強いほうで、マイナス5℃くらいまでは耐えますが、凍結する地域では寒さ対策が必要です。地植えの場合は地上部を不織布で二重、三重に覆って冷気に当たらないようにし、株元はバークチップなどを厚めに敷いてマルチングをしておくとよいでしょう。鉢植えは日当たりのよい軒下など、凍結しない場所に移動しておきます。 香りと見た目、ともに楽しめるカレープラントを育ててみよう Scisetti Alfio/Shutterstock.com カレープラントはシルバーグリーンの茎葉が美しく、また夏に開花する黄色い花は簡単にドライフラワーにできます。リースやスワッグづくりなどに利用できるので、用途の幅が広いハーブの1つです。スパイシーな香りが魅力のカレープラントをぜひ育ててみてください。
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一・二年草

庭を格上げする「ラークスパー」の魅力。涼しげで上品な花を美しく咲かせる栽培のポイント
ラークスパーの基本情報 Bubushonok/Shutterstock.com 植物名:ラークスパー学名:Consolida ajacis 英名:larkspur、doubtful knight's spur、rocket larkspurなど和名:チドリソウ(千鳥草)その他の名前:ラクスパー、ヒエンソウ(飛燕草)など科名:キンポウゲ科属名:コンソリダ属原産地:ヨーロッパ南部形態:一年草 ラークスパーの学名はConsolida ajacis。キンポウゲ科コンソリダ属の一年草です。原産地はヨーロッパ南部。生育適温は10〜20℃で比較的冷涼な気候を好み、寒さには強い一方で、夏の暑さには耐えられずに枯死します。日本には明治初期にもたらされたようです。草丈は80〜120cmで株幅も取るので、地植えにする際は広めのスペースを確保するとよいでしょう。初夏を彩る花として人気が高いこともあって園芸品種も多く、一重咲きや八重咲きなど選ぶ楽しみがあります。 ラークスパーの花や葉の特徴 Melinda Nagy/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:5〜7月草丈:80〜120cm耐寒性:強い耐暑性:弱い花色:青、紫、白、ピンクなど ラークスパーの開花期は5〜7月。花色はブルー、紫、白、ピンクなどで、それぞれ色幅があります。デルフィニウムに似ていますが、ラークスパーは一年草で、葉がより細かく繊細なのが異なる点です。花径2〜3cmで個々の花は小さいのですが、花穂を長く伸ばし、総じて30輪ほども連ねるのでダイナミックな咲き姿を楽しめます。花弁のように見えるのは萼片が変化したもので、実際の花弁は中心部にあり、花の後ろには距がつくのが特徴です。葉は細く裂けて糸状になり、花後は莢ができます。 花の後ろに長く伸びる距があるのが特徴。soba_apple/Shutterstock.com ラークスパーの名前の由来と花言葉 olko1975/Shutterstock.com ラークスパーの和名は「千鳥草(チドリソウ)」。また「飛燕草(ヒエンソウ)」という別名もあります。どちらも鳥の名前が入っているのは、花姿が鳥が飛んでいるように見えることが由来です。ラークスパーは英名で「Larkspur」。「lark」はヒバリ、「spur」は鳥の足の後ろにある、上に向かって伸びる蹴爪のことです。直訳すると「ヒバリの蹴爪」で、ラークスパーの花の後ろに距があることにちなんでいます。 Pilar Andreu Rovira/Shutterstock.com ラークスパーの花言葉は「自由」「陽気」「快活」です。カラフルな花姿をイメージしたものと考えられます。 ラークスパーは毒性に注意 Bing Dwen Dwen/Shutterstock.com キンポウゲ科の植物には毒性のあるものが多く、ラークスパーも全草、特に種子にアルカロイドを含む有毒植物です。ガーデンで栽培している分には基本的に問題はありませんが、子供やペットが誤って口にしないように注意が必要です。皮膚に触れるとかぶれることもあるため、手入れの際は手袋を着用するとよいでしょう。 ラークスパーの代表的な種類と品種 ラークスパーは花色の幅もあり、また園芸品種も多くあります。人気の品種を一部ご紹介します。 ‘アールグレイ’ クラシックな印象のニュアンスカラーの園芸品種。くすんだモーブピンクは、どんな草花にもよく似合います。半八重、八重の花姿もエレガント。 ‘ミスティラベンダー’ グレーがかったシックなラベンダーカラーが特徴。落ち着きのある色合いが人気です。八重~半八重咲き。 ‘マーベラスピンク’ 八重~半八重の穂咲き大輪種。従来の繊細な印象に対し、サーモンピンクの花が密についてボリューム感のある品種。 カンヌ系 耐病性に優れ、八重〜半八重の大輪で花のボリューム感があるカンヌ・シリーズ。白に青紫の覆輪が爽やかな‘ブルーピコティ’、濃い桃色に淡いピンクの絞りが入る‘ローズストライプ’、濃い青紫色が目を引く‘ディープブルー’、純白の‘ホワイト’などの品種があります。 ‘かぐや姫’ ピンクの花弁に紫の絞りが入る、珍しい絞り柄のラークスパー。見元園芸が生産する希少な品種。 ルリヒエンソウ Nick Pecker/Shutterstock.com 学名はConsolida regalis。青紫がかった花を咲かせ、ややコンパクトに生育します。園芸店ではこちらもラークスパーやチドリソウとして販売され、明確に区別されないことも多いです。 ラークスパーとデルフィニウムの違い 左がラークスパー、右がデルフィニウム。Yulcha、Nadezhda Nesterova/Shutterstock.com ラークスパーは、もともとはデルフィニウムの1種として同じデルフィニウム属に分類されていましたが、現在では、ラークスパーはコンソリダ属に分類されています。デルフィニウムは宿根草が多いのに対し、ラークスパーは一年草であるという違いがあります。花姿や草姿はよく似ていますが、大きな違いは葉の形。ラークスパーの葉はデルフィニウムよりも細かく裂け、コスモスの葉に似た糸状になるのが特徴です。ただしデルフィニウムは系統により葉の形が異なり、深く切れ込むものもあります。 ラークスパーの栽培12カ月カレンダー Helga_foto/Shutterstock.com 開花時期:5〜7月種まき:10月〜11月上旬植え付け:3~4月、11〜12月肥料:3月、10〜11月 ラークスパーは秋まき一年草で、一般地でのライフサイクルは次のとおりです。 秋に種まきをして育苗し、年内に定植。越年して春になると旺盛に生育し始め、5〜7月に開花します。開花が終わると夏越しできずに枯死する、短いライフサイクルです。とはいえ、こぼれ種で増えるほど強健で種まきが容易なので、種子を採取して播けば毎年開花を楽しめます。 ラークスパーの栽培環境 Bubushonok/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。日照が不足すると、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロしたか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意しましょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】連作を嫌うため、キンポウゲ科の植物を植えていた場所を数年は避けることがポイント。水はけ・水もちのよい環境を好み、酸性に傾いた土壌を嫌う性質があるので、土づくりの際に苦土石灰を散布して酸度調整をしておきます。植え付け前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入してよく耕し、ふかふかの土づくりをしておくとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 寒さには強く、耐寒温度はマイナス12~マイナス15℃。ただし、霜にあたると株が傷むため、霜よけ対策をしておくと安心です。高温多湿に弱く、夏に枯れる一年草として扱われます。 ラークスパーの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの1カ月ほど前に苦土石灰を、表土がうっすらと白くなる程度に散布してよく耕しておきます。さらに植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておくとよいでしょう。植え付けの少し前に土づくりをしておくことで次第に分解して土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると便利です。 水やり Zoom Team/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために、株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。なお、種まきしたあと、育苗中の冬は夕方に水やりすると凍結の原因になるので、十分に気温が上がった日中に行いましょう。 【地植え】 根付いた後は、ほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥し、茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、多湿にすると株が弱るので、水の与えすぎには注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。成長期を迎えてぐんぐん茎葉を広げと、水を欲しがるようになります。気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 多肥を嫌うので、地植えの場合は十分に土づくりをしていれば追肥の必要はありません。鉢栽培の場合は、生育期に株の勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見ましょう。 注意する病害虫 schankz/Shutterstock.com 【病気】 発生しやすい病気は、灰色かび病やうどんこ病などです。 灰色かび病は花や葉に褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境で発生しやすく、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれます。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると感染しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は間引いて、風通しよく管理しましょう。 うどんこ病はカビによる伝染性の病気で、茎葉やつぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になります。放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くならないよう注意。病害部は摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 【害虫】 発生しやすい害虫は、アブラムシやヨトウムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ヨトウムシは蛾の幼虫で、漢字で「夜盗虫」と書くように、主に夜に姿を現して茎葉を食害します。大きくなった幼虫は食欲が旺盛で、一晩で株を丸裸にしてしまうほどです。葉から食害し始めるので、異変があれば幼虫がまだ若いうちに駆除しましょう。発生しやすい時期は4〜6月、9〜10月です。食害の痕が認められたら夜にパトロールして捕殺するか、適用のある薬剤を散布して防除します。 ラークスパーの詳しい育て方 種まき Taras Garkusha/Shutterstock.com ラークスパーは、ビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境になじみやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。 ただし、苗は春から出回り始めるので、手軽に栽培したいなら、苗の植え付けからのスタートがおすすめです。「1〜2株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、後ろの「植え付け」の項に進んでください。 種まき適期は一般地で10月〜11月上旬、発芽適温は15〜20℃です。まず、種まき用のトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、十分に湿らせます。種を1〜2粒ずつまいて5mmほど覆土します。最後に浅く水を張った容器にトレイを入れて、底から給水します。これはジョウロなどで水やりすると水流によって種が流れ出してしまうことがあるからです。発芽までは明るい半日陰で管理し、乾燥しないように適度に底から給水しましょう。発芽まで10〜15日ほどかかります。 発芽後は日当たりのよい場所で管理します。勢いがあって元気のよい苗を1本のみ残し、ほかは間引きましょう。ヒョロヒョロと伸びて弱々しい苗や葉が虫に食われている苗、葉が黄色くなっている苗などを選んで間引きます。本葉が3〜4枚ついたら花壇や鉢などの植えたい場所に植え付けます。 植え付け Vasyliuk/Shutterstock.com 植え付け適期は、種まきして育苗した場合は11〜12月、花苗店で苗を購入する場合は3〜4月です。節間が短く、茎ががっしりと締まって丈夫な苗を選びましょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、根鉢をくずさずに植え付けます。苗が複数の場合は、20〜30cmの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 6〜7号鉢を準備しましょう。 底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたらポットから出し、根鉢をくずさずに植え付けます。水やりの際にあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 支柱・摘心 NinaMalyna/Shutterstock.com 【支柱】 草丈が高くなるため、早めに支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぎましょう。 【摘心】 草丈が10cmほどの幼苗のうちに茎の先端を切り取る「摘心」をしておくと、分枝して株張りがよくなります。 日常の管理 Aleksei Golovanov/Shutterstock.com 【花がら摘み】 次々に花が咲くので、終わった花穂は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 夏越し・冬越し xpixel/Shutterstock.com 【夏越し】 ラークスパーは一年草で、夏前には枯死します。開花が終わり、茎葉が枯れてきたら抜き取りましょう。 【冬越し】 寒さに強いほうですが、種まき後に定植して冬越しする場合は、株元にワラやバークチップなどでマルチングをしておくとよいでしょう。 増やし方 sophiecat/Shutterstock.com ラークスパーは種子を採取し、種まきして増やすことができます。ただし、園芸品種の場合は必ずしも親と同じ花が咲くとは限りません。 【種子の採取】 開花期の終わりが見えてきたら、花がら摘みをせずに、そのままにしておくと莢がつきます。茶色く変色したら完熟したタイミングなので莢を採取し、中から種子を取り出しましょう。密閉できる袋に入れて、種まきの適期(10〜11月)まで保管します。 【こぼれ種でも増える】 花がら摘みをやめると莢がつくので、そのままにしておきます。完熟すると自然に莢が弾けて種子が周囲に飛び散り、適期になると発芽して生育し始めるので、幼苗のうちに掘り上げて植えたい場所に定植しましょう。連作を嫌うので、別の場所に移したほうがよく育ちます。 ラークスパーの育て方を知り上品な花を楽しもう bykot photo/Shutterstock.com 強健な性質で、ビギナーでも種まきから容易に育てられるラークスパー。花穂を長く伸ばし、縦のラインを強調してダイナミックに咲き誇るので、庭に華やぎをもたらしてくれます。ぜひラークスパーの栽培にチャレンジしてみてください。




















