スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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ヘメロカリスとは? 特徴や花言葉から育て方まで徹底解説!
ヘメロカリスってどんな花? 「ヘメロカリス? なんだかギリシャ神話のキャラクターのような強そうな名前!」と、ガーデニングでよく見かける身近な植物とは違って、あまり馴染みのない花だと感じてしまう方も多いのではないでしょうか。じつはこのヘメロカリス、愛らしい花姿で育てやすいため、ぜひビギナーにおすすめしたい逸材です。ここでは、ヘメロカリスの基本情報について、詳しく解説していきます。 基本データ Pascal Huot/Shutterstock.com ヘメロカリスは、ワスレグサ科ワスレグサ属(ヘメロカリス属)の多年草です。3月下旬頃から新芽を出して、茎葉を旺盛に伸ばす生育期に入ります。5月中旬〜8月に開花し、11月下旬頃になると地上部が枯れて休眠(品種の一部には常緑・半常緑で越冬するタイプもあります)。越年して3月下旬になるとまた新芽を出すので、枯れたと判断して抜き取ったりしないでください。一度植え付ければ、毎年開花してくれる、コストパフォーマンスの高い植物です。 ヘメロカリスの原産地は東アジアで、暑さや寒さに強く、丈夫で育てやすい性質です。草丈は30〜90cmほどで、花壇の中段〜後段に向いています。花姿はユリに似て、花茎を伸ばした頂部に開花。花色は赤、ピンク、オレンジ、黄色、白、複色などがあり、葉に斑が入る品種もあります。 別名「デイリリー」の由来 Flower_Garden/Shutterstock.com ヘメロカリスはユリの花によく似ており、開花したら1日でしぼんでしまう「一日花」のため、「デイリリー」という別名を持っています。このため、ユリ科に分類されることもあるようです。1つの花の命は1日限りと短いのですが、1本の花茎に10〜30個のつぼみをつけ、次から次へと咲くため、開花期が長いのが特徴。品種によって早咲きタイプや遅咲きタイプがあり、開花期にずれがあるので、ヘメロカリスで開花リレーをさせて、長く楽しむのも一案です。 ヘメロカリスは食べることもできる! Lyudmila Mikhailovskaya/Shutterstock.com 品種が多様に揃うヘメロカリスのうち、原生種の中には食べられるものもあるようです。ヘメロカリスの一種であるクワンソウは、眠りを誘う薬草として利用されてきた歴史があり、現在も「クワンソウ花茶」などが販売されています。オレンジ色の花を咲かせるクワンソウのつぼみを採取し、花弁を茹でてサラダや炒め物などにすると、彩りとして映えそうです。 ヘメロカリスの歴史 ヘメロカリスは、古くから人間の手によって栽培されてきた歴史を持っています。ここでは、人々に寄り添って生育してきたヘメロカリスの歴史についてご紹介しましょう。 欧米での歴史 MaryKa/Shutterstock.com 東アジアが原産のヘメロカリスは、中国で古くから食用や薬用として栽培されてきました。それが16世紀のヨーロッパに渡って人気となり、園芸品種の作出に情熱を傾ける人々が登場。19〜20世紀に育種家として活躍したのは、ジョージ・イエルド氏やエイモス・ベリー氏などで、ヘメロカリスの発展に大きく寄与しました。さらにアメリカに渡るとアーロー・B・スタウト氏によって、ヘメロカリスの分類や育種が進められていきます。彼はヘメロカリスの聖典ともいえる『DAYLILIES』を著し、その特性や魅力を広く知らしめました。アメリカでは愛好家が多く品種改良が盛んで、毎年新品種が発表されています。 日本に来てからの歴史 Jill Callahan Klaver/Shutterstock.com 日本にもヘメロカリスの原生種は分布していますが、園芸品種としてのヘメロカリスが伝わったのは、昭和初期頃とされています。しかし、日本では原生種に慣れ親しんできたために物珍しさを感じなかったのか、爆発的な人気を得ることはありませんでした。そんな中、育種家の平尾秀一氏はヘメロカリスの美しさに目をつけ、日本での品種改良を進めてきました。1988年に平尾氏が亡くなった後、交流のあった岡本守氏が遺志を引き継いで育種を続け、数百種にも及ぶ品種を維持して普及に努めています。 ヘメロカリスの主な品種 Sergey and Marina Pyataev/Shutterstock.com 東アジア原産のユウスゲやカンゾウ類を親として交配した園芸品種を、主にヘメロカリスと呼んでいます。しかし、現在ではヘメロカリス属に属する植物全般を指すこともあるようです。ヨーロッパやアメリカを中心に品種改良が盛んに行われたことから、その品種は2万種にも及ぶといわれています。 花形はとがったような剣弁咲き、丸みを帯びた丸弁咲きなどのほか、花びらにフリルが入るものや、弁先がカールしたり、ねじれたりするもの、多数の花弁が重なる八重咲きなどがあります。花色も、複色咲きでは花弁の中央に目が入るもの、花弁とガクで色が異なるバイカラー、縁取りが入る覆輪咲き、ぼかしが入るものなど多様です。 クリムゾンレッドのスパイダー咲きが目を引く‘クリムゾンパイレーツ’、愛らしいピンクの八重咲き‘レイシードイリー’、長期間にわたって輝くような黄色い花が咲く‘エクセレントステラ’、黄色い花が咲いて葉に白い斑がストライプ状に入る‘ゴールデンゼブラ’などに人気があります。 ヘメロカリスの美しい花言葉 MityaChernov/Shutterstock.com ヘメロカリスの花言葉は、「宣言」「とりとめのない空想」「苦しみからの解放」「微笑」「一夜の恋」「愛の忘却」「憂鬱が去る」「憂いを忘れる」など。「一夜の恋」や「愛の忘却」は、花が一日で終わってしまう様子を表現しているのでしょう。 ガーデニング初心者におすすめな理由 Beekeepx/Shutterstock.com ヘメロカリスは、日本の気候と相性がよく、暑さ寒さに強い性質をもっています。土壌を選ばず乾燥や多湿にも適応し、生命力旺盛で一度植え付ければメンテナンスの手間がかかりません。そのため、特にガーデニングのビギナーにおすすめの植物です。成功体験が積み重なれば、ガーデニングがもっと楽しくなりますから、まずは育てやすく毎年花を咲かせてくれるヘメロカリスの栽培にチャレンジするのがおすすめです。 ヘメロカリスの育て方 これまで、ヘメロカリスを、その特性や歴史、品種、花言葉などさまざまな視点から解説してきました。さあ、ここからは実践編として、ヘメロカリスの上手な育て方についてご紹介します。それほど手のかかる植物ではありませんが、初心者でも管理のポイントがイメージできるように、詳しく解説していきます。 植え付け Vasyliuk/Shutterstock.com ヘメロカリスの植え付けは、3〜4月か10〜11月が適期です。花苗店などで開花株を買い求めた場合は、植えたい場所へ早めに定植します。品種名が分かるようにネームプレートを挿しておくと便利です。 【地植え】 日当たり、風通しのよい場所を選び、水はけ、水もちのよい土づくりをします。植え場所に、直径、深さともに30cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。 土づくりをしておいた場所に、入手した苗の根鉢より1〜2回り大きな穴を掘って、植え付けましょう。複数株を植え付ける場合は、40〜50cmの間隔を取ります。最後に、たっぷりと水やりをしておきましょう。 【鉢植え】 鉢の大きさは、6〜7号鉢に1株を目安にするとよいでしょう。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ヘメロカリスの苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら用土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 日当たりのよい場所を好みますが、真夏の酷暑の時期には半日陰の場所に移動するのが無難。暑さ寒さに強いので、一年を通して戸外に置いて越年できます。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。開花期に乾燥させるとつぼみが落ちてしまうことがあるので、注意しましょう。 また、真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、直射日光が当たらない半日陰の場所で管理し、朝夕2回の水やりを欠かさないようにします。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は水やりを控えめにして管理します。 施肥(せひ)について RossHelen/Shutterstock.com 施肥とは、植物に肥料を与えることをいいます。ヘメロカリスは、一度植え付ければ毎年花を咲かせる息の長い植物なので、肥料を補って株の勢いを保ちましょう。施肥の適したタイミングは、3月上旬か10月上旬です。新芽が動き始める春頃にエネルギーを与えるためと、開花が終わって株が消耗した秋頃に養分を与えて回復を促すため、と覚えておくとよいでしょう。 【地植え】 施肥の適期に緩効性化成肥料を株周りに均一にばらまきます。スコップなどで軽く耕して土になじませ、その後の生育を促します。 【鉢植え】 施肥の適期に緩効性化成肥料を均一にばらまいて、株の勢いを保ちます。開花期の少し前から、10日に1度を目安に、液体肥料を水やり代わりに与えると花つきがよくなります。 病害虫について Marcel Jancovic/Shutterstock.com 害虫は、アブラムシやスリップス(アザミウマ)が新芽やつぼみに発生しやすくなります。見つけ次第捕殺して広がるのを防ぎましょう。植え付け時に適応する粒剤を土壌にまいておくと発生を防ぐことが可能です。また、新芽や葉を食い荒らすヨトウムシや地中の根を食害するコガネムシの幼虫も発生しがち。ヨトウムシは適応する薬剤をスプレーして退治するとよいでしょう。コガネムシの幼虫には、表土にまいて退治する薬剤を利用するのがおすすめです。 病気は、秋にさび病が発生することがあります。それで枯れることはほぼありませんが、周囲に蔓延するのを防ぐため、適応する殺菌剤を散布して防除しましょう。 花がら摘み Dewin ID/Shutterstock.com ヘメロカリスは、1の花は1日で終わってしまいます。そのまま放っておくと汚らしくなってしまうので、終わった花は早めに摘み取りましょう。つぼみがつかなくなった花茎は、付け根から切り取ります。 花がらをまめに取り、株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次につぼみがつき、長く咲き続けてくれます。 植え替え・株分け OlegDoroshin/Shutterstock.com 【地植え】 一度植え付けたら、5〜6年は植えっぱなしにしてもかまいません。しかし、大株に育って地下茎が込んでくると生育が衰えるので、掘り上げて植え替えましょう。掘り上げた際に4〜5芽つけて株を切り分ける「株分け」をし、植え直します。株の若返りにもつながり、切り分けた分だけ株を増やすことができます。株分けするメリットは、同じ花が見られるクローンが増えることです。 【鉢植え】 鉢栽培の場合は、根が鉢底からはみ出して根詰まりし、生育が鈍くなっているようなら、植え替えましょう。鉢から株を出して根をほぐし、1〜2回り大きな鉢に植え替えます。大株にしたくない場合は、4~5芽つけて株を切り分ける「株分け」をし、数鉢に植え直すとよいでしょう。 パーフェクトプランツのヘメロカリスでガーデニングを楽しもう! Edita Medeina/Shutterstock.com この記事では、ヘメロカリスの基本情報から、その品種改良の歴史、花言葉、詳しい育て方まで、網羅してきました。ヘメロカリスはとても丈夫で育てやすく、品種の多彩さもあって、「パーフェクトプランツ」と呼ばれるほど評価の高い植物です。ぜひ庭やコンテナ栽培に取り入れて、美しい花姿を楽しんではいかがでしょうか?
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おすすめ植物(その他)

雨の庭もしっとりと美しく! 6月に咲く人気の花20選
アジサイアジサイ科低木/主な花色:青・紫・ピンク・赤・白/開花期:6月~9月上旬 Julia Lototskaya/Shutterstock.com 梅雨の季節を代表する花といえば、アジサイですね。しっとりとした雨の日に映えるアジサイは、乾燥にさえ気をつければ、丈夫で初心者ガーデナーにも育てやすく、世界中で広く親しまれて、次々に美しい品種も登場しています。大きな特徴の一つが土壌の酸性度による色変わりですが、品種によっては酸度に関係なく発色するものもあります。花のように見える部分はガクが変化した装飾花なので、長期間楽しむことができ、ドライフラワーにもおすすめ。咲き進むにつれて色が変化するものも多く、季節が移って赤や褐色など秋を思わせる色合いへと退色した花を楽しむ「秋色アジサイ」も人気です。病害虫に強く、耐陰性もありますが、花つきよく育てるには日当たりのよい場所がよいでしょう。やや湿った場所を好み、水をよく吸い上げるので、鉢植えの場合は特に水切れに注意します。花芽を落としてしまわないよう、剪定は花後すぐに行うとよいでしょう。アジサイ全般の花言葉は「移り気」「無常」「冷淡」「団らん」などです。 ●梅雨を彩る花「アジサイ」品種バリエと育て方のコツ カシワバアジサイアジサイ科低木/主な花色:白/開花期:5月中旬~7月 T.Kai/Shutterstock.com 一般的なアジサイとは異なり、円錐形のたっぷりとした花房をつけるカシワバアジサイ。深い切れ込みの入った葉が、カシワの葉に似ていることから名付けられたアジサイの仲間です。白色の一重の装飾花を咲かせるタイプがもっともポピュラーですが、ボリュームのある八重咲きの品種もあります。開花後は、花がらを切らずにそのままにしておくと、白からピンクや緑色へと花色が移ろう様子も楽しめます。丈夫で育てやすく、一般的なアジサイと同様に栽培できます。カシワバアジサイの花言葉は「慈愛」「清純な心」「美」「魅力ある人」「元気な女性」などです。 ●【丈夫で初心向き】カシワバアジサイの特徴・花言葉・育て方 ハナショウブアヤメ科多年草/主な花色:青・紫・白・黄・ピンク・複色/開花期:6月~7月中旬 初夏から梅雨にかけて咲くハナショウブは、雨の中でひときわ目を引く花の一つ。変化に富んだ花色があり、しっとりとした風情が古くから人々に愛され、見頃を迎えると各地の花菖蒲園に多くの人が訪れます。よく似た花に同じアヤメ科のアヤメやカキツバタがありますが、花弁の根元の部分に、細長い黄色の模様があればハナショウブ、細長い白色の模様があればカキツバタ、大きな網目模様があればアヤメと見分けることができます。花菖蒲園では水を張って育つ姿も見ますが、水生植物ではないので水を張る必要はありません。極端に乾燥する場所を除き、水辺近くから一般的な花壇まで、幅広い環境で育てられます。つぼみの期間に乾燥するときれいな花が咲かないので注意しましょう。ハナショウブの花言葉は「嬉しい知らせ」「優しさ」「伝言」「優雅」「信頼」「心意気」などです。 ●【ハナショウブ(花菖蒲)】令和時代にも注目したい、色彩豊かな日本の伝統園芸植物 クチナシアカネ科低木/主な花色:白/主な開花期:6~7月 写真/海野美規 純白の花から芳純な香りを強く漂わせるクチナシ。四大香木の一つに数えられ、甘い香りは香りに敏感な方は酔ってしまうほどなので、植え場所には注意が必要です。秋には染料としても用いられる橙赤色の実を付けますが、ガーデニングで人気の大型の八重花を咲かせるガーデニアは実を付けません。日本に自生してきた樹木なので、手がかからず育てやすい庭木です。日向〜半日陰で栽培できますが、あまりに日当たりが悪いと花つきが悪くなります。暑さには強いですが、やや湿り気がある土壌を好み、西日や乾燥が苦手。寒さには弱いので、寒風が吹きつけたり凍結しやすい場所は避けましょう。クチナシの花言葉は「とても幸せです」「喜びを運ぶ」「洗練」「優雅」などです。 ●美しい白花とかぐわしい香りで人気のクチナシ! 育て方を分かりやすく解説 クレマチスキンポウゲ科つる性多年草/主な花色:白・青・赤・ピンク・茶・黄・黒・複色/開花期:4月中旬~10月 写真/おぎはら植物園 つる植物の女王とも呼ばれるクレマチス。自由奔放に伸びるしなやかなつると、美しい花が魅力で、バラと合わせる植物としても人気があります。数多くの品種や野生種があり、いくつかの系統に分類されていますが、系統によって管理方法が異なるので、それぞれに合わせて育てましょう。ガーデニング初心者は新枝咲きの品種を選ぶと、冬にばっさりと切り戻しせば翌春に新しい枝を伸ばして花を咲かせるので、管理が簡単です。根を切られることや移植を嫌うので、植え場所をよく考えてから、根をいじらないように植えましょう。植え付けの際は、つるを1~2節分埋める深植えにします。クレマチスの花言葉は「精神の美」「旅人の喜び」「策略」などです。 ●「知名度なくても素晴らしい!クレマチス5種」専門家が選ぶ珠玉の品種 ラベンダーシソ科低木/主な花色:紫・白・ピンク/開花期:4~7月 aniana/Shutterstock.com 鮮やかな紫色の花と、リラックスできる優雅で豊かな香りから、ハーブの中でも人気の高いラベンダー。芳香剤やせっけん、ハーブティーなど、暮らしの中でも馴染み深い香りの一つです。ラベンダーは鎮静作用や体の不調を整える効果が期待できる薬用植物として、古くから利用されてきました。香りのよいコモンラベンダーや、ウサギの耳のような苞葉を持つフレンチラベンダーなど、いろいろな種類があります。高温多湿に弱いので、温暖な地域では‘グロッソ’など比較的暑さに強い品種を選ぶとよいでしょう。酸性土壌を嫌うので、少量の苦土石灰を加えると生育がよくなります。日当たりと風通し、水はけがよく、西日の当たらない場所で育てるとよいでしょう。ラベンダーの花言葉は「沈黙」「清潔」「期待」「あなたを待っています」などです。 ●ラベンダーの剪定は品種ごとに微妙に時期が違う!育て方のコツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します アガパンサスヒガンバナ科多年草/主な花色:青紫・白・複色/開花期:5月下旬~8月上旬 Roger Driscoll/Shutterstock.com 涼しげなブルーの花と青々とした細葉で夏の庭を彩ってくれるアガパンサス。手毬状に花が集まるボリュームのある咲き姿は、ガーデンの中でも存在感を放ちます。日本の高温多湿の厳しい気候の中でも丈夫に育ち、ほとんど手がかからず植えっぱなしで何年も咲くコストパフォーマンスのよい植物で、ガーデニング初心者にもおすすめ。日当たりと水はけがよい、乾燥気味の環境を好みます。生育旺盛で根は長く深く張るので、地植えのほうが管理しやすいです。鉢植えの場合、小さな鉢だと根詰まりしやすいため、6号以上の鉢に植えるとよいでしょう。基本的には日当たりを好むため、半日陰で育てると、花つきは悪くなります。アガパンサスの花言葉は「恋の訪れ」「ラブレター」「知的な装い」などです。 ●長寿の宿根草「アガパンサス」【オージーガーデニングのすすめ】 ガウラアカバナ科多年草/主な花色:白・ピンク・複色/開花期:5~11月 zzz555zzz/Shutterstock.com 細い花穂が風に揺れ、まるでチョウが舞っているようにも見えるガウラは、優美な姿がナチュラルガーデンにぴったり。繊細な印象とは裏腹に、強健で手がかからない、ビギナーにもおすすめの花です。一つの花の開花期間は短いですが、次々とつぼみを上げるので、初夏から晩秋まで長期間にわたり開花を楽しむことができます。日当たりと風通しのよい場所を好み、暑さ寒さには比較的強いほうなので、暖地では地植えで問題なく管理できます。こぼれ種でもよく増えるので、適宜移植するなどしてコントロールしましょう。摘心をするとわき芽が出てこんもりと茂り、花数も多くなりますよ。ガウラの花言葉は「清楚」「負けず嫌い」「我慢できない」「行きずりの恋」などです。 ●世界一のガーデンショーでベスト1に輝いた夢の花「ハイブリッド・ジギタリス」 ヘメロカリスワスレグサ科多年草/主な花色:白・赤・ピンク・オレンジ・黄・複色/開花期:5月中旬~8月 MityaChernov/Shutterstock.com ヘメロカリスは初夏から夏にかけて次々と花を咲かせる多年草です。日本に自生するニッコウキスゲやノカンゾウ、ヤブカンゾウもヘメロカリスの一種で、古くから親しまれています。暑さ寒さに強く、土壌もあまり選ばずに植えっぱなしでもよく育つので、ガーデニング初心者にもおすすめ。花は1日でしぼんでしまうことから英語では「デイリリー」と呼ばれますが、1本の花茎にたくさんのつぼみをつけ、次々に花を咲かせるので、長期間楽しむことができます。植え時は9月の彼岸すぎ。比較的大きく成長するので、スペースを確保し、根と茎の境目が2~3cmほど土中に埋まるように植え付けます。開花期から夏は水切れに注意しましょう。ヘメロカリスの花言葉は「宣言」「とりとめのない空想」「苦しみからの解放」「微笑」「一夜の恋」「愛の忘却」「憂いを忘れる」などです。 ●令和に期待の花「ヘメロカリス」魅力と育て方 アリウムネギ科多年草/主な花色:紫・白・ピンク・黄・複色/開花期:4月中旬~6月 Photo/BakerJarvis/Shutterstock.com 植えっぱなしで毎年楽しめるアリウムは、宙に浮かぶように咲く丸い花球が庭のアクセントになる、人気の球根植物です。どこかユーモラスな雰囲気で、ほかの草花と組み合わせても面白い光景を作ってくれます。代表的な大型種のアリウム・ギガンチウムは、海外の庭園でもよく植栽されています。球根が小さな種類は植えっぱなしでも大丈夫なものが多いですが、大きな球根を持つものは夏の高温多湿で腐りやすいため、掘り上げて保管するとよいでしょう。球根の植え時は、地温が落ち着き、寒くなる前の10月~11月前半。球根の高さの1.5倍程度の土がかぶさるくらいを目安に植え、鉢植えの場合は球根の下に根が十分に張れる深さを確保しましょう。アリウムの花言葉は「正しい主張」「深い悲しみ」「夫婦円満」などです。 ●真夏が買い時! オーナメンタルに春庭を彩る秋植え球根アリウム〜乙庭注目品種 2022年増補版!【乙庭Styleの植物37】 ユリユリ科多年草/主な花色:白・ピンク・オレンジ・赤・黄・複色/主な開花期:5月下旬~7月 Paul Maguire/Shutterstock.com 大輪で艶やかな花を咲かせるユリは、初夏の花壇の主役花の一つ。日本にもさまざまな自生種があり、広く親しまれてきた球根植物で、ゴージャスな花から可憐なものまで品種も多数あります。種類によって開花期は異なりますが、基本的にスカシユリ系からテッポウユリ系、そしてオリエンタル系へと咲き継ぎます。品種によっても異なりますが、一般に葉の細いユリは日当たりを、葉の広いユリは半日陰を好むとされるので、環境に合わせて植えてもいいですね。地温が高くなるのは嫌うため、風通しのよい場所で育て、地面に強い直射日光が当たらないようにするとよいでしょう。球根は乾燥しないように注意し、10~11月頃に植え付けます。その際、球根と地面の間に伸びる上根のスペースを十分に確保するため、深植えにしましょう。花後は花がら摘みを忘れずに行い、球根を太らせます。ユリの花言葉は「威厳」「純潔」「無垢」などです。 ●ユリの育て方! 夏花壇の主役、華やかなユリの分類と種類 タチアオイ(ホリホック)アオイ科多年草/主な花色:白・赤・ピンク・オレンジ・黄・黒・紫・複色/開花期:6月上旬~8月中旬 JakkriT SomsuK Krit/Shutterstock.com タチアオイは梅雨から夏にかけて、空に向かってまっすぐに伸びる長い茎に、次々に花を咲かせます。草丈は2mほどにもなる大型の植物で、ガーデンでの存在感は抜群。花は一重咲きや八重咲きがあり、下から順に咲き上がります。二年草または短命な多年草とされることが多く、株を更新しながら育てるとよいでしょう。種まきの適期は9~10月、または3~4月。成長の早い植物なので、春まきでも夏前に開花させることができます。根をいじられるのを嫌うので、水はけと日当たりのよい場所で栽培し、移植は控えたほうがよいでしょう。草丈が高くなるのでスペースを確保し、適宜支柱を立てて育てます。タチアオイの花言葉は「豊作」「あなたの美しさは気高い」などです。 ●華やかな花を咲かせるタチアオイの育て方・ポイント・注意点を徹底解説! ギボウシ(ホスタ)キジカクシ科多年草/主な花色:白・薄紫/開花期:6月下旬~8月 バリエーション豊富な美しいカラーリーフが人気のギボウシ。初夏には清楚な雰囲気の花も咲かせ、春の芽吹きから冬の落葉まで、長期間庭を彩ってくれます。その丈夫さと美しさから、アメリカでは「パーフェクト・プランツ」とまで呼ばれ、「空いた場所があればギボウシを植える」といわれるほどポピュラーな植物です。庭植えにすればほとんど手がかかりません。基本的には日向を好みますが、夏の直射日光で葉が傷まないように、落葉樹の下など、夏は明るい半日陰になる場所が向きます。あまり乾燥していると株の成長が遅くなるので、適度に保水性のある場所がよいでしょう。ギボウシの花言葉は「冷静」「沈静」「落ち着き」などです。 ●【宿根草】ギボウシ(ホスタ)のおすすめ品種7選&育て方 ヤマボウシミズキ科高木/主な花色:白・ピンク・淡緑/開花期:6月中旬~7月中旬 Iva Vagnerova/Shutterstock.com 梅雨時に雪をかぶったように白い花を咲かせるヤマボウシ。春先に咲くハナミズキと同じミズキ属の花木で、日本にも自生していることから環境に馴染んで初心者でも育てやすく、街路樹などにもよく利用されます。花弁のように見える部分はじつは総苞片で、比較的観賞期間も長く楽しめ、また秋に熟す実は食用することもできます。苗木の植え付け適期は休眠期の12~3月。5〜10mに成長する高木なので、大きく育てたい場合は、余裕のある広い場所に植えましょう。剪定によって樹高をコントロールすることもできます。剪定の適期は、尖った葉芽とふっくら丸い花芽の見分けがつきやすい、休眠中の12〜2月です。ヤマボウシの花言葉は「友情」です。 ●庭木にも食用にも? ヤマボウシの特徴から育て方まで徹底解説! ペンタスアカネ科低木/主な花色:白・赤・ピンク・紫/開花期:5〜10月 写真/小川泰弘 春から秋まで長期間にわたり、整った星形の小花をまとまって咲かせるペンタスは、暑さに負けずによく開花するので、真夏のガーデンにぴったり。花が少なくなりがちな花壇や寄せ植えなどで活躍します。寒さに弱く一年草扱いされることが多いですが、掘り上げて室内で管理すれば比較的簡単に越冬し、温度と日当たりに気をつければ冬でも花が咲くことも。植え付けの適期は5~7月。日当たりと風通しのよい場所を好み、過湿や蒸れに弱いので、梅雨時など長雨が続くと立ち枯れしやすくなります。鉢植えやプランターは、雨の当たりにくい場所に移動するとよいでしょう。花がら摘みを兼ねて切り詰めると、わき芽が伸びてより多くの花が楽しめます。ペンタスの花言葉は「願い事」「希望が叶う」などです。 ●【夏花】暑さに強く花が長く咲く! ペンタスの育て方や品種、冬越し全解説 サルビア(セージ)シソ科多年草/主な花色:紫・白・青・赤・ピンク・黄/開花期:6~11月 Vahan Abrahamyan/Shutterstock.com ハーブや観賞用として広く使われ、非常に種類が豊富なサルビア。一年草と多年草がありますが、初夏にはサルビア・ネモローサやチェリーセージなど多年草タイプのものがよく開花します。一年草タイプに比べ暑さには弱いですが、初夏から晩秋まで長く咲き、翌年も開花が楽しめます。丈夫で育てやすく、種類も豊富でほかの草花とも合わせやすいので、ガーデンではさまざまな場所に登場する使い勝手のよい植物です。低木状に育つタイプや、地際に葉を茂らせて花穂を伸ばすロゼットタイプ、地下茎を広げるタイプなど、種類によって花姿や性質は異なります。開花後は花穂ごと花がらを切り、伸びすぎたら切り戻しをしましょう。サルビア全般の花言葉は「尊敬」「知恵」「良い家庭」「家族愛」などです。 ●使い勝手抜群のガーデンプランツ、サルビア ゼラニウムフウロソウ科多年草/主な花色:白・赤・ピンク・オレンジ・紫・複色/主な開花期:3月~12月上旬 Vika Lilu/Shutterstock.com 乾燥に強く丈夫なゼラニウムは、夏場でも高温多湿になりにくいヨーロッパでは栽培しやすく、プランターや吊り鉢、ウィンドウボックスなどあらゆる場所で活用され、街並みを彩っています。ゼラニウムはペラルゴニウム属の植物の総称で、主に多肉質の茎を持つ四季咲きのゼラニウム、下垂するように育つアイビーゼラニウム、葉に香りのあるセンテッドゼラニウム、ゴージャスな一季咲きのペラルゴニウムという4つのグループに分けられます。どれも丈夫で育てやすい植物です。日光を好み、高温多湿を嫌うので、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。花がらは適宜取り除き、株姿が乱れてきたら新芽を残すようにして切り戻します。凍結すると枯死するので、寒冷地では霜が降りる前に室内に取り込む必要がありますが、暖地では防寒対策をすれば戸外での越冬も可能です。ゼラニウムの花言葉は「尊敬」「信頼」「真の友情」などです。 ●色鮮やかな花が春から秋まで楽しめる! ゼラニウムの特徴や育て方を解説 ペチュニアナス科一年草/主な花色:赤・ピンク・青・紫・白・黄・複色/主な開花期:3~11月 Panwasin seemala/Shutterstock.com 開花期間が長く、春から秋にかけて花壇や寄せ植え、ウィンドウボックス、ハンギングバスケットなどを彩ってくれるペチュニアは、夏のガーデンには欠かせない存在。品種のバリエーションが豊富で育てやすく、成長が早くてこんもり茂り、真夏もあふれんばかりにたくさんの花を咲かせてくれます。近年は、より花数が多く、丈夫で育てやすい園芸品種も多数登場しています。本来は多年草ですが、日本では基本的に一年草として扱われます。雨に弱いため、特に梅雨時は直接雨の当たらない場所で育てるとよいでしょう。泥がはねると病気が発生しやすくなるので注意します。植え付け後は摘心を繰り返すことでこんもり育ち、花数も増えます。蒸れが苦手なので、梅雨前や株姿が乱れてきたら半分程度まで切り戻して風通しよく育てましょう。開花期間中は適宜花がらを摘み、追肥を行うと長く楽しめます。ペチュニアの花言葉は「あなたと一緒なら心がやわらぐ」「心のやすらぎ」などです。 ●ペチュニアの育て方! 可愛い花をたくさん咲かせよう カンパニュラキキョウ科多年草/主な花色:白・ピンク・青・紫/開花期:5~7月 初夏になると、白やピンク、青、紫などパステルカラーの優しい花を咲かせるカンパニュラ。花茎を伸ばして、キキョウに似た星のようなベル状の花をふんわりと咲かせ、ガーデンを優しく彩ります。カンパニュラという名は、ラテン語で「釣り鐘」を意味する言葉から。多年草のものが多いですが、ふっくらとした花を咲かせるカンパニュラ・メディウムは一・二年草として扱われます。暑さはやや苦手で、風通しと水はけがよい、日向~半日陰で栽培します。落葉樹の下など、夏の強い日差しが直接当たらない場所を選ぶとよいでしょう。直根性で根をいじられるのを嫌うため、植え付ける際には根を傷つけないように注意しましょう。カンパニュラの花言葉は「感謝」「誠実」「節操」などです。 ●ベル型の花が初夏のガーデンを彩る カンパニュラ バーベナクマツヅラ科多年草/主な花色:白・赤・ピンク・紫・複色/開花期:5月中旬~11月中旬 Lamberrto/Shutterstock.com 花期が長く、春から晩秋にかけてサクラソウにも似た可愛らしい小花をまとまって咲かせるバーベナ。ほかの花とも合わせやすく、暑さの厳しい季節にも旺盛に生育する頼もしい植物です。本来は多年草ですが、日本では比較的耐寒性が強い多年草タイプと、寒さに弱く一年草として扱われるタイプに分かれます。バーベナ・ボナリエンシスやバーベナ・ハスタータなどの多年草タイプは大きく成長し、ナチュラルガーデンなどにおすすめです。酸性土壌を嫌うので、植え付け前に苦土石灰を加えてよく耕しておくとよいでしょう。日当たりと風通しのよい場所を好み、多湿が苦手なので、水はけのよい土壌で育てます。花がらを切るときは、花茎の付け根から切り取りましょう。バーベナの花言葉は「魔力」「魅力」などです。 ●ボーダー花壇や寄せ植えに、暑さに強くバラエティー豊かなバーベナ 6月に見頃を迎える人気の花を育てよう! 今回は、6月に咲くガーデニングで人気の花を20種類ご紹介しました。ここで取り上げたもの以外にも、まだまだたくさんあります。ぜひお気に入りの花を見つけて、6月のガーデニングを楽しんでみてくださいね。
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宿根草・多年草

ユリの育て方! 夏花壇の主役、華やかなユリの分類と種類
ユリってどんな花? 植物? Takakophoto/Shutterstock.com 日本にもヤマユリやササユリ、テッポウユリなど、さまざまな自生種があり、古くから人々に愛されてきたユリの花。鱗茎であるユリ根を食用にするコオニユリもあるなど、日本人にとって広く親しまれている花です。系統や園芸品種もとても多く、ゴージャスな花を咲かせるものから華奢で可憐なものまで、花姿や草姿がさまざまで、開花期も異なります。花束などに使われている印象の強いユリですが、その華やかな姿と豊かな香りは、庭植えや鉢植えなどで咲かせても、とても魅力的。ガーデニングにぜひ取り入れたい植物です。 ちなみに、ガーデニング界におけるユリの花のブームは、東洋のユリが巻き起こしたものだといわれています。ヨーロッパに自生するユリは、清楚で控えめなものが多かったのに対し、日本や中国には大輪で観賞価値が高い品種が多く、オリエンタルな印象もあって、ヨーロッパのガーデニング界に渡ると爆発的な人気を集め、多数の球根がヨーロッパへと輸入されました。今日では、ヨーロッパで品種改良された‘カサブランカ’をはじめとするオリエンタル・ハイブリッドなど、多くの園芸品種が日本でも人気を集めています。 多彩な品種があるユリの分類 ユリには大きく分けて、次の4つに分類されます。 【テッポウユリ亜属(レウコリリオン系)】 花弁に斑点がなく、香りのあるラッパ形の花を下向き、または横向きに咲かせる。【ヤマユリ亜属(アルケリリオン系)】 杯状の花を下向き、または横向きに咲かせる。【スカシユリ亜属(プセウドリリューム系)】 杯状の花を上向きに咲かせる。【カノコユリ亜属(マルタゴン系)】 花弁が強く反り返った花を下向きに咲かせる。 上記に加え、マドンナリリーなどが含まれるLiriotypus、オニユリやコオニユリなどが含まれるSinomartagonもあります。これらの亜属に加え、オリエンタル・ハイブリッドやアジアティック・ハイブリッド、マルタゴン・ハイブリッドなど、交配によってさまざまな園芸品種が生まれています。 Paul Maguire/shutterstock.com なお、英国王立園芸協会(RHS)の園芸区分では、それぞれの園芸品種は8つのグループに分けられ、そこに原種や変種を加えて9つの系統に分類されています。 ユリの品種は数多く、花色、花姿や草丈もさまざま。品種によって好む環境や開花期が異なるので、いくつかの品種を組み合わせれば、長い期間ユリの花を楽しむこともできますよ。 代表的なユリの品種 リーガルリリー Fotokon/Shutterstock.com 1903年に中国の四川省で発見されたリーガルリリーは、その美しさと丈夫さなどから、イギリスで人気を集めた、ガーデニングに欠かせない花の一つ。 ヒメサユリ(オトメユリ) KPG Payless2/Shutterstock.com 優しげな淡い桃色の花を咲かせるヒメサユリ。 ‘カサブランカ’ 純白の大輪花に豊かな香りを漂わせる‘カサブランカ’は、ガーデンでも育てやすく、切り花としても需要が高い品種。 カノコユリ Tom Meaker/Shutterstock.com くるりと反り返った花弁が愛らしいカノコユリ。日本自生種なので育てやすい。白花種も人気。 ヤマユリ 大輪で豊かな香りを漂わせるヤマユリは、日本を代表する自生種。耐寒性が強く育てやすいが、ウイルス病にかかりやすいので注意。 ヤマユリの変種で、希少なベニスジヤマユリ。 マルタゴンリリー Islavicek/Shutterstock.com くるりと反り返った花を咲かせるマルタゴンリリーは、ナチュラルガーデンにオススメ。マルタゴンリリーやマルタゴン・ハイブリッドには上根がないという珍しい特徴があります。 テッポウユリ Takakophoto/Shutterstock.com イースターの花としても親しまれる、ラッパ形の花を横向きに咲かせるテッポウユリ。 ‘クシマヤ’ 珍しい‘クシマヤ’は、淡いグリーンに中心部が赤紫色という神秘的な色彩のユリ。 ユリのあるガーデン風景 木陰にユリを群植してナチュラルな風情に。軽井沢レイクガーデンにて撮影。 ユリには大きく分けて、茎の先端にまとまって花が咲くタイプと、花茎全体にまんべんなく花がつくタイプがあります。テッポウユリ系やアジアティック・ハイブリッドの一部など、横向きまたは上向きの花が、茎の先端にまとまるタイプは、数株まとめて植えてフラワーアレンジの主役のように利用し、株元や周囲を白の小花など、他の植物でカバーするとよいでしょう。このタイプは日当たりを好むものも多いです。 Aynur_sib/Shutterstock.com 上向きに咲くユリは、群植してボーダーガーデンにも。 Del Boy/Shutterstock.com 矮性のユリとカラーリーフのコリウス、ダリアを合わせて花壇の手前の彩りに。 Janno Loide/Shutterstock.com コテージガーデンの一角に咲く、色鮮やかなユリの花。 一方、花茎全体に花を咲かせるカノコユリ系や、大輪で一株でも存在感のあるオリエンタル・ハイブリッドなどのヤマユリ系は、うつむき加減で咲くものも多く、ナチュラルな印象のガーデン演出にぴったり。木陰やシェードガーデンでの栽培がオススメです。 くるりと反り返った花を下向きに咲かせるマルタゴン・ハイブリッドはナチュラルガーデンにオススメ。 白いヤマユリと穂状の青い花を合わせて涼しげな色合いに。純白のユリはホワイトガーデンを構成する花としても活躍します。 Elisa Putti/Shutterstock.com 赤い壁面を背景に、ピンクのムクゲとオレンジ色のユリを合わせて。 淡いピンクのヒメサユリと、ピンクのリクニス‘フローレ・プレノ’、白花のアリウムを取り合わせた一角。 COULANGES/Shutterstock.com また、ユリはコンテナでの栽培もオススメ。花が終わったら、バックヤードなど目に付きにくい場所へ移動します。来年の花のために日に当てながら、秋、上部が枯れるまで水切れしないように管理するとよいでしょう。 Yulia Kuznetsova2017/Shutterstock.com 庭で咲いたユリをフラワーアレンジメントに利用するのも素敵です。 ユリの育て方 Elena Zajchikova/Shutterstock.com ユリの仲間は、通常秋植え球根として秋に出回り、10~11月頃に植え付け適期を迎えます。球根を購入したら、乾燥しないように早めに植え付けるとよいでしょう。ユリは水はけのよい土を好むので、栽培の際は、水はけに注意して育てましょう。球根と地面の間に伸びる上根のスペースを十分に確保するため、深植えにします。 品種によって違いがありますが、一般に葉の細いユリは日当たりを好み、葉の広いユリは半日陰を好むといわれています。どちらも地温が高くなるのは嫌うため、風通しのよい場所で育て、下草を植えるなど地面に強い直射日光が当たらないようにするとよいでしょう。落葉樹の木陰などで育てるのもオススメです。 WR.lili/Shutterstock.com 水やりは、庭植えの場合は特に必要としませんが、鉢植えなら土が乾いたらたっぷりと。花後も水やりを忘れないようにします。ただし、土がずっと湿っている状態は嫌うので、梅雨のように雨が続く時には軒下など雨の当たらない場所へ移動してやるとよいでしょう。ユリは茎が丈夫なので、根が十分に張っていれば、支柱は立てなくても大丈夫です。 DolfinVik/Shutterstock.com 花後は球根が消耗しないよう、花がら摘みを忘れずに。その際、ウイルス病に感染するのを防ぐため、ハサミは使わないようにするとよいでしょう。栄養を蓄えさせるために、葉は自然に枯れるまで残しておきます。 球根は植えっぱなしで翌年も楽しめます。鉢植えの場合は1~2年に1回程度植え替えを。庭植えの場合でも数年に1回植え替えるとよいでしょう。
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地域の取り組み

虫も雑草も生かし、野にあるようにバラを育てる 「深谷たんぽぽ」のローズ・メドウ
自然栽培で美しく咲き麗しい香りを放つ「奇跡のバラ」 草穂のなびく野に、のびやかに茂り甘い香りを放つバラ。株元にはオダマキやバーベナ、オルラヤの花々とともに、名の知れぬ雑草も茂ります。花の間をチョウやミツバチが飛び交い、草の陰にはクモやバッタが潜みます。まるでメドウ(野原)のようにも見えますが、ここは、障害福祉サービス事業所「深谷たんぽぽ(社会福祉法人埼玉のぞみの園)」のバラの畑。職員の持田和樹さんと深谷たんぽぽの利用者さんたちがバラを育てて花を収穫し、食用としてレストランやハーブティーのお店へ出荷するほか、花びらを蒸留してローズウォーターを作っています。 栽培には農薬や化学肥料はもちろん、有機質肥料もほとんど施さず、土も耕しません。バラを覆うようなハウスもなく、バラは太陽を浴び、自然の雨風を受けてすくすくと育っています。バラを育てたことのある人ならば、きっと驚かずにはいられないでしょう。なぜならバラは草花の中でも病害虫が多く、花を咲かせるにはたくさんの肥料を必要とするのがこれまでのセオリーだから。ゆえに、農薬も肥料も用いず育てられる深谷たんぽぽのバラは「奇跡のバラ」と呼ばれます。 バラにつきものの病害虫に悩まされる日々を超えて バラの葉を食べるチュウレンジハバチの幼虫。 アブラムシ、バラゾウムシ、ハバチの幼虫、ヨトウムシ、シャクトリムシ、コガネムシ、カミキリムシ、カイガラムシ、黒点病、うどんこ病…。これらはバラにつきものの病害虫で、きれいな花を咲かせるには、ケミカルにしろオーガニックにしろ、薬が不可欠というのが長い間のバラ栽培のセオリーです。同時に、バラは「肥料食い」と呼ばれ、冬にやる「寒肥(かんぴ)」、春の「芽出し肥」、花後の「お礼肥」というように、年に何度も肥料を与えることがあらゆるバラ栽培の本に共通するアドバイスです。 食用として出荷される深谷タンポポのバラ。 しかし、深谷たんぽぽの栽培法は、こうした常識には最初から当てはまりませんでした。というのも、そもそもバラは野菜のように食用を目的とした作物ではないため、食用として栽培出荷するにあたり使える登録農薬がなかったのです。そこで、持田さんたちは薬剤を使わずに栽培を始めることにし、虫対策としてハウスの中にバラの畝を作り、周囲に防虫ネットを張りました。ところがせっかく咲いたバラの花は、あっという間にどこからか侵入した虫たちに食べられてしまいました。花弁に少しでも傷がつくと食用バラとしての商品価値がなくなるため、来る日も来る日も虫取りに明け暮れる日々。ある利用者さんは「僕なんか一日かけて400匹くらいイラガの幼虫を取ったよ。刺されると本当に痛いんだから」と話します。あるときは、つぼみの一つひとつにお茶パックをかぶせて花を守ろうとしましたが、すでに卵が生みつけられており、策も虚しくバラはほぼ全滅でした。 雑草とともに育つオールドローズ。 「品種を変えてみたり、試行錯誤しましたが、もう打つ手がないと諦めかけたとき、ふとハウスの外できれいに咲いているバラがあることに気づいたんです。ハウスの中で僕らが必死になって虫取りをしているバラはボロボロなのに、なぜこっちの何もしないバラはきれいに咲いているのか。その違いは何かと考えたら、ハウスという囲いがあるかないか。だったら、一か八かでハウスのフィルムも防虫ネットも取っ払ってみることにしたんです。そしたら驚くことに、虫の被害が激減したんです」(持田さん) 生き物と共生するバラ栽培 オルラヤの花は昆虫がとまりやすく、ハナアブなどたくさんの昆虫を呼び寄せる。 その訳は、バラ畑を観察しているうちに分かりました。アブラムシは、テントウムシやクサカゲロウの幼虫、ハナアブの幼虫などたくさんの虫が食べてくれているし、つぼみをダメにするバラゾウムシはクモが、花をパクパク食べるガの幼虫はアシナガバチが食べてくれることを発見。囲いがなくなったことで昆虫の種類が増え、ほかの虫や鳥たちがバラの害虫を食べてくれていたのです。「排除していた虫や、怖いと思っていた虫が、じつはとてもいい働きをしてくれていて、戦う相手から僕らの大事な仲間に変わりました。そこで、もっと自然の力に頼ってバラを育ててみることにしたんです」。 雑草の葉に潜むクモ。 バラ畑を完全な露地栽培に転換し、なるべく多くの生き物が棲みつくようにバラ以外の草花も植え、タネが運ばれ自然に生える草もそのままにしました。 「邪魔者として嫌われる雑草にも、大事な役目があるんです。イネ科の雑草にはバッタがやってきて、バッタを求めてカマキリもやってきます。カマキリはバッタだけでなく、イラガなどさまざまなバラの害虫を食べてくれる心強いバラ栽培の仲間です」 刈り取った雑草はそのまま土の上に敷き詰める。昆虫や微生物によって分解されて土の養分になり、軽く指を差し込むとスポッと入るほど土はフカフカ。 無駄な命は一つとしてない 雑草はこうした生き物たちの棲処であると同時に、細い根を張り巡らせて土中に新鮮な空気や水の通り道を作ってくれているし、生き物のフンや死骸は土中の微生物の餌となり土を豊かにしている…。 「すべては繋がって循環し、無駄な命は一つもないんです。今、収穫や剪定などのほかは、自然を観察して、生態系のバランスを守るのが主な僕らの仕事。茂りすぎてバラが陰になるような草を払う程度で、虫取りも施肥もほとんど自然の生き物たちがやってくれます」と持田さんは話します。 あらゆる生き物と共存しながらバラを育てる彼らの畑は、国連生物多様性の10年日本委員会が主宰する「生物多様性アクション大賞2019」の審査委員賞を受賞。収穫したバラは香りやもちのよさが評判を呼び、レストランやパティスリーなどさまざまな場所に出荷されています。 バラ栽培は自立支援につながる大事な仕事 収穫したバラの香りを確かめ「素晴らしい香りだよ、かいでみて」と見学者を案内する利用者さん。 バラを出荷した売り上げは、深谷たんぽぽの利用者さんの収入になり、障害を持つ彼らが地域で自立して暮らしていくための大事な支えとなっています。障害者が就労で得られる収入は、全国平均で1カ月1万円台。国はその数字を伸ばすよう全国の事業所に提言していますが、深谷たんぽぽではさまざまな仕事を創出し、その倍以上の数字を実現しています。バラ栽培はそうした大切な仕事の一つで、花の摘み取りや草取り、挿し木で増やした苗の植え替え、検品、加工品のシール貼りなどを、それぞれの能力に合わせて分担しながら行っています。さらに、今年からバラ畑に一般の人を迎え入れての花摘みの収穫体験などもスタート。バラ畑を案内するのも、利用者さんたちの仕事に加わりました。 心身に変化をもたらしたバラ栽培 バラの手入れをしている深谷たんぽぽの職員、持田和樹さんと利用者さんたち。 バラ栽培が利用者さんの収入を増やすと同時に、その心身に変化をもたらしたことも大きな収穫でした。施設から飛び出して行ってしまうようなことがなくなり、行動が落ち着いて、トラブルが目に見えて減ったといいます。あらゆる生き物を生かしながら、美しい花を育てて収穫し、それが価値ある商品として認められることは、彼らの誇りになっていると持田さんは実感しています。 バラ摘み体験では、香りを長く楽しめるように、オアシスを入れた鉢に摘んだバラを挿していく。 「挫折を経てたどり着いたのが、あらゆる生き物と共生するこの栽培方法ですが、それが結果的に最もこの施設にぴったり合う方法だったと分かって嬉しいんです。福祉も共生社会の実現がテーマ。さまざまな生き物が関係してバラが健やかに育つように、人の社会にもさまざまな人がいて、一見関係ないように見えてもみな関わり合っているんです。社会の中では見えにくい障害者のことも、このバラを通じて知ってもらえたらと思います。ぜひ、僕らのローズ・メドウに、バラを摘みに、遊びにきてください」 食用のバラを蒸留した深谷たんぽぽのローズウォーター。 【Information】深谷たんぽぽ(社会福祉法人埼玉のぞみの園) 住所:埼玉県深谷市人見2000 バラの摘み取り体験お申し込みはこちら ●ご来園の際はお問い合わせ・ご予約をお願いします。TEL: 048-572-1668HP:https://www.nozominosono.jp/facility/tanpopo電話受付:平日 9:00~17:00アクセス:JR高崎線「深谷駅」より車で10分秩父鉄道「武川駅」車で10分
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一・二年草

紫蘇(シソ)の豆知識や自宅での育て方とは? 新鮮な紫蘇を楽しもう!
紫蘇(シソ)とは EQRoy/Shutterstock.com 紫蘇は、シソ科シソ属の葉菜類。草丈が10〜30cm程の一年草です。4月下旬〜6月下旬にタネを播いて間引きながら育成し、本葉が10枚ついた頃から、収穫が可能。短日植物のため、日の長さが14時間以上になると花芽分化を起こし、9月上旬頃からトウ立ちして花穂を伸ばし始めます。やがて実をつけますが、花穂・実の収穫も楽しめますよ! ただし実がつく頃になると、葉がややかたくなって香りも落ちてくる傾向に。秋が深まると、やがて枯死するというライフサイクルをたどります。タネは9月頃から3月頃まで長く休眠するので、採ったタネをすぐに播いても発芽しません。また翌年の栽培シーズンが訪れるまで待ちましょう。 紫蘇の原産地は、ヒマラヤからミャンマー、中国南部です。中国の後漢時代に、カニをたくさん食したことで中毒症状を起こした若者が、紫蘇の葉を煎じて飲んだところ、無事に回復したとか。「紫色をした草によって蘇った」ことから、「紫蘇」と名づけられたという話が伝えられています。 日本には古い時代に渡来したとされ、縄文遺跡から紫蘇の穂や実が出土したと報告されています。ただし、この時代は野山に自生する紫蘇を採取していたと考えられており、身近で栽培するようになったのは、平安時代頃から。10世紀頃にまとめられた『本草和名』や『倭名類聚抄』には「イヌエ、ヌカエ、ノラエ」と表記され、薬草や漬物用として利用された記録が残されています。 じつは大葉と同じ? EQRoy/Shutterstock.com 青果店やスーパーで、葉が束ねられた状態で「大葉」として売られている紫蘇の葉を見かけることも多いもの。ちょっと待って! 「大葉」と「紫蘇」、なにが違うの?…その答えは「同じもの」です。「大葉」は、紫蘇の中でも「青紫蘇の葉」を食材として指す言葉で、「紫蘇」は植物名なのです。「紫蘇の中でも」と、ちょっと引っかかる表現をしましたが、その理由は、紫蘇は「青紫蘇」と「赤紫蘇」に大きく分けられるからです。「青紫蘇」は茎葉が緑色で、葉や花、実を薬味や刺し身のつま、天ぷらなどに利用します。「赤紫蘇」は茎葉が紫色で、梅干しや乾燥させて、ふりかけに利用するほか、実や花は青紫蘇同様に刺し身のつまなどに使います。いずれも葉の表面が平らな品種と、縮れる品種とがあります。青紫蘇と赤紫蘇の両方を庭に植えると、彩りに変化がついてきれいですよ! なぜ「大葉」というのか kariphoto/Shutterstock.com 昔は青紫蘇を店で売るにあたって、芽や葉を食材として呼び分ける必要が生じ、大きく育った葉のほうを束ねて「大葉」と称すようになったことが由来とされています。青紫蘇が普及するようになったのは1960年代で、静岡から大阪へ出荷する時に「大葉」と呼ばれるようになりました。その後も出荷先を全国に広げたことによって「大葉」という名前が定着することに。呼び方は地域によって異なり、中部地方から東の日本海側では「紫蘇」のほうが主流で、関西から西の地域では「大葉」と呼ばれることが多いようです。 紫蘇の花言葉 Sixsmith/Shutterstock.com 紫蘇の花色は紫か白。花穂を伸ばして、花が下から円錐形に咲き上がっていきます。小さな花がたくさん咲く花姿は楚々とした雰囲気で、一輪挿しにしても趣があります。紫蘇はこの花穂や実も食べられ、利用価値の高い香味野菜です。 紫蘇の花言葉は、「力が蘇る」「善良な家風」など。紫蘇は栄養が豊富で殺菌作用が高いことから、このような花言葉になったと考えられます。 紫蘇の効能 masa44/Shutterstock.com 紫蘇には、βカロテンが豊富に含まれ、活性酸素を抑えて免疫力を高める効果があります。またビタミンB群やビタミンE、ビタミンKなどが、ほかの野菜より多く含まれるほか、鉄分、カルシウムなどのミネラル要素も豊富です。紫蘇の清々しい香りの成分は、主にぺリルアルデヒドで、強い防腐・殺菌の効果があります。刺し身のツマとして多く利用されるのは理にかなっており、経験的に古くから伝えられてきたのでしょう。食欲増進や健胃作用もあるとされ、夏バテしやすい時期に大変重宝します。また、梅干しの漬け込みに利用される赤紫蘇の葉色は、アントシアニンというポリフェノールの一種です。 紫蘇の育て方 香りのよい紫蘇は、日本で昔から余すところなく利用されてきた、和製ハーブ。夏の冷たいそうめんの薬味に、刺し身のツマに、サラダや料理の香りづけになど、爽やかな風味をプラスしてくれるので、庭に数株植えておくと大変便利です。ここでは、紫蘇の育て方を、菜園、プランターどちらでも楽しめるように、詳しく解説。夏の常備野菜にしておきたい紫蘇を、ぜひ家庭で栽培してみてください。 栽培環境 yoshi0511/Shutterstock.com 紫蘇は、日当たりがよく、風通しのよい場所を好みますが、半日陰の場所でも栽培可能です。生育適温は20〜23℃、発芽適温は22℃前後で、春から栽培をスタートします。丈夫で土質を選ばず、暑さに比較的強い植物です。 土づくり wavebreakmedia/Shutterstock.com 【地植え】 種まき、または苗の植え付けの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり約100g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。種まき・苗の植え付け当日、畝幅を約40cm取って目印をつけ、中央に深さ約20㎝の溝を掘ります。1㎡当たり堆肥2kg、化成肥料(N-P-K=8-8-8)約70gを均一にまき、埋め戻して平らにならしておきましょう。畝は1列植えで幅40cm、高さ10cmを目安につくります。 【プランター】 葉菜類の野菜用、またはハーブ用にブレンドされた市販の培養土を使うと便利です。 種まき wasanajai/Shutterstock.com ビギナーさんなら、花苗店やホームセンターで苗を買い求めて植え付けるのがおすすめですが、種まきからでも簡単に育成できます。「毎年、紫蘇の消費量が多いので、たくさん植えたい!」という方は、タネを購入して栽培するほうがお得です。 紫蘇の種まき適期は4月下旬〜6月中旬頃。丈夫で育てやすいので、畑やプランターに直接播く「直まき」にします。紫蘇は「好光性種子」といって、発芽に光を必要とする性質の植物なので、覆土は薄くかける程度にしましょう。 【地植え】 株間を約30cm取り、1カ所に6〜8粒ずつタネを播く「点まき」にします。薄く覆土し、最後にはす口をつけたジョウロで水やりを。 【プランター】 土の容量が10ℓほど入る、標準サイズのプランターを用いる場合、3株の栽培を目安とします。 プランターの底穴に鉢底網を敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。元肥として用土10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を大さじ2ほど混ぜ込んでおきましょう。水やりの際に水があふれ出ないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきます。株間を約15cm取り、1カ所に6〜8粒ずつの点まきに。最後にジョウロにはす口をつけて、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと水やりしましょう。 地植え、プランター栽培ともに、発芽後、2週間ほどすると本葉が出てきます。勢いのある苗を3本残して、ほかの弱々しい苗を間引きましょう。さらに成長して本葉が3〜4枚ついたら、勢いのよい苗を1本のみ残して「1本立ち」にします。間引き菜は、ベビーリーフとして利用できますよ! 植え付け Trong Nguyen/Shutterstock.com ここでは、花苗店やホームセンターで買い求めた苗の植え付けからスタートする方に向けて解説します。種まきから栽培するのを選んだ方は、この項目は飛ばして次項からお読みください。 本葉が5〜6枚ついた苗が、植え付け適期のものです。 【地植え】 土づくりをして畝を立てた場所に、株間を約30cm取って苗を植え付けます。最後にたっぷりと水やりしましょう。 【プランター】 土の容量が10ℓほど入る、標準サイズのプランターを用いる場合、3株の栽培を目安とします。 プランターの底穴に鉢底網を敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れます。野菜用にブレンドされた培養土に、元肥として用土10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を大さじ2ほど混ぜ込んでプランターに入れましょう。水やりの際に水があふれ出ないように、ウォータースペースを鉢縁から2~3cm残しておきます。株間を約15cm取って根鉢より一回り大きな植え穴を掘り、苗を植え付けましょう。最後に鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと水やりをします。 水やり Zoom Team/Shutterstock.com 【地植え】 地植えの場合は、下から水が上がってくるので、天候に任せてもよく育ちますが、雨が降らずに乾燥が続くようなら、適切に水やりをして補いましょう。乾燥すると葉がかたくなるので、梅雨明け頃から夏の間は敷きわらをしておくと効果的です。 【プランター】 土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えます。特に梅雨明け後の高温期は乾燥しやすいので、朝夕2回の水やりを忘れずに行いましょう。高温の真昼に水やりすると、すぐにお湯状になって地温が上がり、かえって株が弱ってしまうので、必ず涼しい時間帯に与えることが大切です。 肥料 Singkham/Shutterstock.com 地植え、プランター栽培ともに、苗の植え付け(種まきをした場合は本葉が5〜6枚ついた頃)から、約2週間が経った頃から、追肥をスタートします。月に1〜2度、1株当たり約5gを目安に化成肥料を株の周囲にばらまきます。軽く耕して土に混ぜ込み、株元に軽く土寄せしておきましょう。肥料不足になると、葉が小さくなり、葉色も香りも薄くなります。 摘芯・花穂摘み Kittisak Chysree/Shutterstock.com 草丈が15〜20cmくらいになったら、先端を摘み取る「摘芯」を行うと、脇芽が出て収穫量がアップします。また、花が咲くと株の老化が早まるので、「穂紫蘇(花穂)の収穫」を目的としていない限りは、花穂がついたら早めに摘み取りましょう。 病害虫 optimarc/Shutterstock.com ハダニ、アブラムシ、ハマキムシの発生が多く見られます。紫蘇は葉を収穫するため、薬剤の使用は避けたいものです。梅雨明け後に乾燥が続くとハダニがつきやすいので、発生の疑いがある時は、葉裏へ霧吹きをしたり、水をかけて洗い流したりするとよいでしょう。害虫は見つけ次第捕殺するように心がけます。 秋になると、ハスモンヨトウが大発生することがあります。成長した幼虫は夜に活動するので見つけにくいのですが、孵化したての幼い幼虫は葉裏にいて見つけやすいので、発生初期に対処することが大切です。苗を植え付けた後すぐに、支柱をアーチ状に立てて防虫ネットを張ると、物理的に侵入を防ぐことができます。 収穫 Taro_since2017/Shutterstock.com 紫蘇は、主に葉を収穫して楽しむのがポピュラーですが、芽紫蘇、穂紫蘇、実紫蘇と、生育段階に応じた収穫もできます。それぞれの収穫適期や用い方を、以下にご紹介しますので、参考にしてください。家庭栽培だからこそできる、さまざまな利用法にチャレンジしてみましょう! 【芽紫蘇】 タネを播いた後、10〜15日で双葉を収穫したものを芽紫蘇といいます。主に刺し身のツマに用いられます。種まきした後にタネがたくさん余ったら、トレイなどに順次播いて楽しむのもよいでしょう。 【葉紫蘇】 本葉が10枚以上ついたら収穫を始めます。ほかの野菜のように根ごと抜き取って収穫するのはNG。葉が茂ってきたら、必要な分だけ摘み取る収穫を繰り返します。ただし、梅干しに使う赤紫蘇を収穫する場合は、梅を漬ける時期に株ごと収穫するとよいでしょう。 【穂紫蘇】 紫蘇は9月上旬頃から花穂を伸ばし始めます。花穂が1/3ほど開いたら、順次収穫を。刺し身のつまや吸い物などに用います。 【実紫蘇】 タネがついて、穂の先端の花が開いているうちに摘み取ります。佃煮にすると風味があっておいしく、また天ぷらや漬け物としても利用できますよ! 紫蘇を自分で育ててみよう homi/Shutterstock.com 紫蘇の特徴や豆知識、育て方など、さまざまな角度からご紹介してきましたが、いかがでしたか? 紫蘇は食用として余すところなく利用できる植物ですが、楚々とした風情の花にも観賞価値があります。昔から育てられてきた紫蘇は、栽培する土地の気候に順応しやすく、大変育てやすい野菜です。失敗の心配がなく、収穫の喜びをたっぷり味わえる紫蘇を、ぜひ育ててみてください。
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街を彩るハンギングバスケットコンテスト@横浜 受賞作品発表
横浜の街を望む「山手イタリア山庭園」に咲き競う作品44点を展示 「ガーデンネックレス横浜2023」が開催された横浜は、バラが咲く山下公園や港の見える丘公園、日本大通りのイチョウ並木や山手西洋館、中華街と名所のあふれる街。そんな横浜で開催されたコンテストのテーマは、「横浜の景観に映えるハンギングバスケット(壁掛けタイプ)」。作品タイトルを添えて全国から出品された44の作品が、2023年4月22日(土)〜30日(日)まで庭園に展示され、訪れる人々に花の彩りが披露されました。 作品が展示されたのは、JR「石川町」駅から徒歩5分の場所にある「山手イタリア山庭園」。テラスからは横浜ベイブリッジやみなとみらい21が一望できる小高い丘の上にあり、フランス瓦の「ブラフ18番館」や、とんがり屋根の「外交官の家」が建つ敷地内に、噴水や花壇が幾何学的に配置されたイタリア式の公園です。 あらかじめ用意されたブルーのラティスを背景に、重量20kg以内、幅70cm、高さ80cmという規定サイズで作られた44の作品がずらりと設置された2023年4月22日。5名の審査員により、最優秀賞1作品、優秀賞3作品、奨励賞5作品、特別賞1作品の合計10作品が選ばれました。 一次審査、二次審査、協議の3つのステップで行われた審査風景。右上/横浜の花と緑をPRするアンバサダー、三上真史さん。左下/日本ハンギングバスケット協会理事長、上田奈美さん。 ハンギングバスケットは複数の植物を組み合わせ、一つの容器に植え付けて作品を作ります。作品はすべて規定のサイズで作られますが、一つとして同じようなものはなく変化に富んでいます。なぜなら、横浜と聞いてイメージするものがさまざまであることに加え、作者のハンギング技術も大いに影響するからです。日頃から植物の育ち方などの栽培知識の向上に努め、適した品種を入手する方法や、植え付けのテクニックを磨いていればこそ、個性を反映した作品を作り上げることができるのです。ハンギングバスケットの審査は主に、全体のフォルムがこんもり丸く整って乱れていないか、展示開始から最低1カ月は花が咲き、観賞期間が持続するかなどを評価します。また、全体のカラーハーモニーや葉の動き、アクセントになっている植物、背景との調和なども評価の対象になります。 個性が光る10作品の使用花材と作者の思い 作品の条件は、規定のサイズ内で根付きの植物を使うということのみ。容器の素材や形に制限はなく、使用する植物もサイズに収まっていれば種類は問いません。ですから、植物の組み合わせ次第で、表情が豊かに変わるのがコンテストの醍醐味。各受賞作品に選ばれた植物リストと、こだわった点や苦労した点、気に入っている点について、作者のコメントとともにご紹介します。 【最優秀賞】小屋智佳子さん作「花音(カノン)」 使用した植物 ♢オステオスペルマム サニー ♢和ペチュニア 折鶴 ♢ペチュニア ♢バーベナ エストレラ ♢ライスフラワー ロイヤルピンク ♢ボロニア ピナータ ♢雲南黄梅 ♢セネシオ エンジェルウィングス ♢ヘリオトロープ ♢フクシア ミスティックカラーズ ♢ヘリクリサム ライム ♢トリフォニウム バニーズ こだわった点 誰もが知っている名曲「パッフェルベルのカノン」が表現できるように苗選びをしました。色のグラデーションで、音の重なりを感じてもらえるよう細い苗を差し込んで調節しました。 苦労した点 2段目に入れたバーベナが、搬入間近の気温上昇により急速に咲き進み、つぼみがなくなって、期間中に花が無くなりそうになったため、さんざん迷って2日前に予備の苗と差し替えをしました。他の苗にもダメージを与えたかと心配しましたが、無事搬入できたのは運がよかったのではと思います。 気に入っている点 フォルムが丸くふんわりとできたことと、タイトルを花音(はなおと)→かおん→カノンとつけたこと。 【審査員の講評】審査員全員一致で、絶妙な色の組み合わせに感動しました。パステルカラーの花に重厚感のあるワインレッドの花を添える新しい色合わせ。そして、多くの花を使っているのに、とてもまとまりがある。品があって横浜の街に合う色の演出がされています。植物に目を向けると、形や大きさの異なる多くの種類が巧みに組み合わされていて、引き立て合いハーモニーを作っています。見事に、このピンポイントの審査日に花が咲き揃っていて、花たちが最大のパフォーマンスを表現してくれています。そして、作品名の「花音」、つまりカノンの4重奏が横浜の多面的な魅力をよく表現し、調和していました。まるで音楽が流れているように感じました。 【優秀賞】石川久美子さん作「春のしずく」 使用した植物 ♢オステオスペルマム シルバーナイト ♢マーガレット ♢ペチュニア 妖精のチュチュ ♢ヘリオトロープ ♢セネシオ エンジェルウィングス ♢ロータスブリムストーン ♢テマリシモツケ ディアボロ ♢ワイルドストロベリー アレキサンドリア ♢コプロスマ ブロッキー こだわった点 全体のカタチです。タイトルの「しずく」を表現するために植物を選びました。 苦労した点 寒暖の差が例年よりはげしく、開花調整は大変でした。 気に入っている点 カタチと色合いです。このコンテストで、しずくの形を表現するために1年間練習をしました。渋めの色味が好きなので、自分の好きな色合いで挑戦しました。 【審査員の講評】 作品名である“しずく形”がきれいに形作られている点や、セネシオ・エンジェルウィングスがアイキャッチになっていて、さらには黄色の花色を中心としながらも、全体に優しいハーモニーが感じられました。また、中心に据えられた銅葉と紫花のヘリオトロープがシックな色で引き締め役になり、周りに配置されたリーフで動きも演出されていて魅力ある作品です。 【優秀賞】北多加子さん作「山手の風 がんばっているあなたへ」 使用した植物 ♢ペチュニア あずき ♢フクシア(八重、一重) ♢オステオスペルマム ♢ワスレナグサ ♢ラベンダー ♢ライスフラワー ♢シモツケ ゴールドフレーム ♢ブッドレア シルバーアニバーサリー ♢オレアリア リトルスモーキー ♢ヒューケラ キャラメル ♢ヘデラ リンダ こだわった点 ➀葉物を生かす ➁花の形の違いを意識する ③ブルーを差し色に使う ④ふんわりと大きく、植物がいきいきと育つ植え込みをする この4つを意識して、シモツケ ゴールドフレームを効果的に使い、葉物のよさを引き出し、ペチュニアあずきや八重のフクシアなどで華やかさを出しました。 苦労した点 ➀色合わせ ➁素材のよさをいかに引き出すか ③ブルーの花の選択と使い方 ④八重のフクシアの使い方(暑さに弱かったので) 気に入っている点 ➀フォルムの美しさとダイナミックさ ➁素材のよさを表現できたこと ③背景 【審査員の講評】 皆さん同じ規定サイズでの制作の中、とても大きく感じた作品です。植物のバリエーションも多く、迫力を感じました。その分、植物が密集しているように感じるものですが、それぞれの植物が傷まないように丁寧に植え込まれているのも評価のポイントです。レモンイエローと落ち着いたオレンジの色彩の調和も素敵です。 【優秀賞】貝瀬洋子さん作「時をこえて」 使用した植物 ♢ペチュニア・モンローウォーク ベールモーブシルバー ♢ペチュニア Crazytunia アンティーク(2種) ♢ペチュニア ジュリエット ♢ユーフォルビア・ダイアモンドフロスト ♢エリゲロン・カルビンスキアヌス ♢ネメシア・メーテル「ともえ」 ♢ハゴロモジャスミン ミルキーウェイ ♢斑入りナルコユリ ♢ヒューケラ(2種) ♢オレガノ ケントビューティ ♢アキレギア ウィンキーダブルレッド&ホワイト ♢キンギョソウ(2種)♢ロータス・ヒルスタス ブリムストーン こだわった点 背景とペチュニアの黄色、ペチュニアの花心と紫のヒューケラ、ペチュニアの花びらと淡いオレンジのヒューケラなど、色によるリレーにこだわりました。また、タイトルを連想するようなアンティークな色合いにもこだわりました。 苦労した点 主役の花材選びに苦労しました。あらかじめ買っておいたオステオスペルマムが、コンテスト期間中に盛りを過ぎそうだったので、気に入った色のペチュニアを探して、あちこちの園芸店をまわりました。 気に入っている点 チャームポイントのように使った、斑入りナルコユリと、伸びやかに散らしたハゴロモジャスミンが、気に入っています。 【審査員の講評】ペチュニアを色違いで使いながら、花心の紫とヒューケラの紫の組み合わせや、黄花とエリゲロンの花心の黄色が調和していたりと、大人かわいいハーモニーが全体に感じられました。ユーフォルビアやエリゲロンなどの小花がそれぞれの間をつなぎ、トップに枝垂れる斑入りのナルコユリの葉を配して動きを出したのも効果的で、巧みなテクニックを感じました。横浜の歴史を表現していますね。 【奨励賞】井上恵さん作「Yokohama Blue」 使用した植物 ♢オステオスペルマム・シルバーナイト ♢ペチュニア・モンローウォーク ペールモーグシルバー ♢ペチュニア・モンローウォーク ペールヴァルド ♢ペチュニア・ヨコハマブルーシャトー ♢ロベリア・春くれよん ぐんじょう ♢ロベリア・春くれよん そらいろ ♢バーベナ・ラナイアップ トゥルーブルー ♢サルビア・ディスコロール ♢ヒューケラ・エレクトラ ♢ヒューケラ・トパーズジャズ ♢スクテラリア・ブルーファイヤー ♢プリムローズジャスミン ♢ヘリクリサム・ペティオラレシルバー ♢キンギョソウ・クレバータッチ こだわった点 ブルーで制作しようと考えて苗を揃えましたが、暗いイメージになってしまうのでカラーリーフで色の変化や明るさが出るように考えました。 苦労した点 展示の時期に花が満開の状態になるよう、苗選びの時からつぼみの大きさを見てチョイスしたり、咲いている花はカットして花上がりの調整をしましたが、天候の影響もあり、思うようにはいきませんでした。 気に入っている点 以前購入してあったお気に入りのオステオスペルマムを使用したくて、それに合わせてシックなペチュニアを選びました。自分好みの色合いです。 【奨励賞】山本泰子さん作「花澄む街角〜yokohama〜」 使用した植物 ♢マーガレット・スウィートピンク ♢クレマチス・ミゼットブルー ♢ペチュニア・モンローウォーク ペールモーヴシルバー ♢ペチュニア・妖精のチュチュ ♢サルビア・ボルドー ♢サルビア・メルロー ♢スカビオサ 大輪 ♢ロベリア・ホワイトエール ♢ライスフラワー・ロイヤルピンク ♢フクシア・プーニー ♢フクシア リーフ ♢ルブス・サンシャインスプレーダー ♢ヒューケラ・ブロンディインライム ♢ヒューケラ・シルバーガムドロップ ♢セネシオ・エンジェルウィングス ♢エレモフィラニベア ♢ヘーベ ♢シロタエギク ♢カレックス・テヌイクルミス ♢アイビー ♢ツルニチニチソウ こだわった点 タイトルの『花澄む街角 ~yokohama~』に合うイメージでつくりあげる点です。お洒落な横浜の街でふと目にする花のシーンは、ナチュラルさと甘さ、シックなアンティークさをも感じられる大人なテイストに仕上げたいと思いました。また、ブルーでは海も感じられるように。セネシオ エンジェルウィングスは、翼を纏った天使が、花のバスケットに現れた要素や、海の波しぶきの要素も兼ねてイメージし取り入れました。 苦労した点 花が咲き揃うように角度を変えつつ、日の光をまんべんなく行き渡らせたかったのですが、天候にも左右され、なかなか思うようにはいかなかったです。 気に入っている点 全体に活力があり、さまざまな植物が混合していても、一体感が生まれた所です。見てくださる方々にも、元気をお届けすることができそうなハンギングバスケットになりました。 【奨励賞】原田有子さん作「春が眩しくて」 使用した植物 ♢オステオスペルマム(スターシリーズ オレンジマジック) ♢ペチュニア(ベリーラテ) ♢ゲウム ハナビ ♢スカビオサ ♢ダーベルグデージー ♢クレマチス・ピクシー ♢リシマキア リッシー ♢アジュガ ライムブルー こだわった点 とにかくタイトルとテーマに合う花材を集めることにこだわりました。私は、どちらかというと落ち着いたトーンの色を好む傾向があるので、タイトルの「春が眩しくて」に添うような、パッと見て明るい、キラキラとした印象を与える花材を集めるのに苦労しました。ただ、作品を作り終えると、一つひとつは全く派手な色では無かったので、要は組み合わせなのかな、とも思いました。 苦労した点 毎回のことですが、週間天気予報と毎日にらめっこしつつ、展示の日に向けて開花を揃えていけるように養生することです。とはいえ、思ったようにいかないものです。また、横浜に搬入するのに車で長時間かかるため、細心の注意を払って運転し、車内の冷暖房にも気を遣いました。 気に入っている点 全体の花の色合わせはもちろん、オレンジ色のゲウム(ダイコンソウ)、ラベンダーカラーのマツムシソウがぴょんぴょん飛び出て、可愛らしさをアピールしているところです。また、アジュガとリシマキアのカラーリーフが渋い色で、作品全体に私らしさが出ているかなぁと思っています。自分の「好き」が集まって完成した作品が評価していただけると、本当に嬉しいです。 【奨励賞】田中則子さん作「横浜デートコース」 使用した植物 ♢ゼラニウム ♢ペチュニア ♢ライスフラワー ♢スカエボラ ♢ダイアンサス ♢ローダンセマム ♢オステオスペルマム ♢ヒューケラ ♢バーベナ ♢アベリア ♢プリペット ♢ロニセラ ♢ヘデラ こだわった点 「横浜の景観に映える作品」がテーマでしたので、赤レンガ倉庫での若いカップルをイメージしました。背景のレンガは本物の素材にこだわり、軽いレンガを探し、色も赤レンガらしい色に塗り替えました。 苦労した点 コンテストの時はいつもそうですが、搬入時にすべての花が美しい状態であるというのは難しいことです。 気に入っている点 今回の作品は、いつも私が使う色合いではないのですが、若いカップルらしい可愛らしいピンクをイメージして花材を揃えました。搬入から1カ月が経ったこの作品は、ゼラニウムの花が終わりかけていますが、しばらくしたら次の花が出てくるでしょう。その他はいまだに元気に咲いています。 【奨励賞】勝又有佳さん作「春の輪舞(ろんど)」 使用した植物 ♢ペチュニア(あずき・夕焼けオレンジ)♢ゼラニウム(サニーデイ) ♢ガザニア(ビーストレモン) ♢ディスコロールセージ ♢ヒューケラ ♢ラミウム ♢ヘデラ(雪の踊子) ♢ライスフラワー ♢ネメシア ♢シレネ(ホワイトパンサー) こだわった点 横浜の海と空の青に映える色の花で作ることにこだわりました。 苦労した点 搬入の2週間前に作ったため、花が終わらないか、いいタイミングでつぼみが開くかなどの管理に苦労しました。 気に入っている点 ゼラニウムのピンクとシレネの白のコントラストです。思っていた以上にきれいなコントラストになりました。 【特別賞】清水淳子さん作「海を見ていた午後」 使用した植物 ♢ヒューケラ 2株 ♢ペチュニア白 3株 ♢マーガレット 2株 ♢プラチーナ カロケファルスシルバーボーイ 2株 ♢ニゲラ ブルー 2株 ♢バコパ スコーピア 1株 ♢ペチュニア クレイジーチュニアホワイトブラック 2株 ♢セネシオ エンジェルウィングス 4株 ♢ロベリア青 2株 ♢ヘリクリサム 1株 ♢モンタナ 1株 こだわった点 横浜といえば? と考えたとき、音楽と映像に関わる仕事していることから、やっぱりユーミン! と、曲の中のフレーズを切り取りたくてイメージしました。 苦労した点 ソーダ水の中なので、シュワシュワ感を出したかったのですが、難しくて断念。 ニゲラ⇒泡 セネシオ⇒カモメ ロベリア⇒海 を感じてもらえたらと植物を選びました。 気に入っている点 「カモメ・貨物船・キラキラの空と海」を表現した背景です。 【審査員の講評】 規定サイズの中に収まりながら、きれいな円形が保たれ、しっかりしたフォルムが形作られています。セネシオ・エンジェルウィングスがカモメの羽を思わせ、飛んでいるようでもあり、何羽かとまっているかのようにも見えます。また、ロベリアが海を感じさせ、全体の色を抑えていながらも華やかで、随所に光る植物を選ばれている。風通しよく植物を育てられる工夫もされていました。「海を見ていた午後」という作品のタイトルのとおり、作品から物語を感じました。 受賞の皆さま、おめでとうございます! 2023年5月11日、横浜市庁舎1階アトリウムで行われた表彰式にて受賞者の方々とプレゼンター。 審査員長、上田奈美さんによる総評 今年は3月、4月と寒暖差が非常に厳しいなか、4月下旬の審査日に合わせてピンポイントで開花するように調整することは非常にテクニックが必要でした。生きている花を前に、フォトスポットになる花が咲いてほしいと祈りながら出品されたのではないでしょうか。みなさんどれも技術力が高く、わずかな点差で受賞作品が決まりましたが、これは、一部「運」にも左右されます。審査日の日差しの具合や風の有無によっても、作品の見え方が変わり、映える花色が変わってくることがあります。ですから、今回受賞とならなかった方も、ぜひ、次もチャレンジしていただきたいです。じつは、ハンギングバスケットがイギリスから導入されて、まだ30年弱ですが、すでに模倣ではなく、日本の気候に合う多くの植物を用いて、素晴らしい作品を作り上げる技術が日本で築き上げられています。今まであまり使われてこなかったクレマチスやアジサイも今回使われるようになりました。どんな品種を使って作品を作るか。植物の可能性も引き続き勉強されて、「ザ゙・日本」の素晴らしい園芸を2027年園芸博に向けて、発展させてくださることを期待します。 右から/審査委員 福山一男さん(横浜市緑の協会 理事長)/審査委員 横浜の花と緑をPRするアンバサダー 三上真史さん/審査委員長 上田奈美さん(日本ハンギングバスケット協会 理事長)/審査委員 倉重香理(ガーデンストーリー編集長)/審査委員 藤田辰一郎さん(横浜市環境創造局 みどり政策推進担当理事)
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寄せ植え・花壇

【夏の寄せ植え】耐暑性・耐雨性ペチュニアと寄せ植え実例5選
ペチュニアとは ビビッドなピンク色が目を引くペチュニア‘ホットローズ’。 ペチュニアはナス科の植物で、本来は多年草ですが、寒さに弱いため日本では基本的に一年草として扱われます。夏の暑い時期もよく咲き、花期が長く品種のバリエーションも豊富なので、夏のガーデンには欠かせない存在。草丈は15〜30cm程度で、多くのものは這うように広がってこんもりとした丸い花の茂みを作ります。鉢植えにすると縁からあふれるように咲き、とても華やかです。 耐暑性・耐雨性に優れたペチュニアの登場 しかし、近年の日本の夏は、夏の定番花ペチュニアにとっても過酷。40℃を超える異常な暑さや打ち付けるような強い雨によって、きれいに咲いていた花がダメになってしまった、という残念な思いをしている人も多いのでは? でも、もうがっかりしなくて大丈夫。耐暑性はもちろん、耐雨性にも優れた品種が次々に登場しています。黄色のペチュニア‘ビーズニーズ’はその一つ。近年の厳しい夏の課題をクリアし、ジャパンフラワーセレクションでベスト・フラワー賞、グッドパフォーマンス賞を受賞するのみならず、アメリカのオール・アメリカ・セレクションでも最高品種賞のゴールドメダルを獲得。なんと、ペチュニアがこの賞に輝くのはコンテスト90年の歴史において、‘ビーズニーズ’でまだ2度目。約70年ぶりに、あまたの優れた草花のなかでNO.1に輝いた、いわば奇跡のペチュニアなのです。 オレンジ&ブラウンのグラデーションがおしゃれな‘ゆうやけこやけ’も同様に、耐暑性・耐雨性に優れた品種。春から秋まで絶え間なく花が咲き、長く楽しませてくれます。写真は9月末の様子。まだまだつぼみが上がり最盛期が続きます。 繊細な色彩のペチュニアも続々 暑さにも雨にも負けない「強さ」を追求する一方で、ビジュアルの進化も目を見張るペチュニア。単に色幅だけでなく、一輪のなかで複雑かつ繊細な色合いを展開するものが増えています。 白い花弁にラズベリーピンクがにじむような‘ピンクサファイア’。ツンと尖った小ぶりの花弁が幾重にも重なり合う愛らしい花です。色鉛筆でふわっと色をつけたような素朴な味わいのある‘花ことば’。ピンクから次第に淡い紫へと花色が変化し、株全体がグラデーションになります花弁の重なりが多く目を惹く‘花衣(はなごろも)’シリーズの新色「瑠璃静(るりしずか)」。淡い藤色に白い覆輪が入る小ぶりの八重咲きです。ライムグリーンにプラムカラーの花心、花弁の縁がわずかに藤色がかり、ひらひらとひるがえる優雅な花姿は、これまでにない個性。来春、デビューするか否か、お楽しみの品種です。 ペチュニアとカラーリーフの寄せ植え実例5選 同系色での色合わせ 単体でも見どころ満載のペチュニアですが、色の複雑性ゆえに寄せ植えの花材としてもこれほど楽しいものはありません。例えば、発売以来不動の人気を誇るペチュニア‘カプチーノ’。アイボリーの花弁にブラックの花心がおしゃれな花ですが、このような複色の場合、ペチュニアを構成するアイボリーとブラックの2色で他の草花を色合わせすれば、美しくまとまること間違いなし。ここではブラックリーフのミカニア・デンタータと白い粒々の花が愛らしい斑入りコデマリ‘ピンクアイス’を合わせました。 このペチュニアは日本の育種家、花芳さんの八重咲きペチュニア‘ジュリエット’「モダンホワイト」。なんとも複雑でユニークでおしゃれな花を主役に、同系色のアジュガとミカニア・デンタータを合わせ、鉢もアンティークカラーのものを選びました。 こちらはシックなベルベットレッドのペチュニア‘スイートサンシャイン’「バーガンディ」を主役にした寄せ植えです。このペチュニアの花色は、一口に「赤」と言えない深みのある色です。花色をよく観察してみると、赤紫や黒みがかった赤色などで構成されています。それをヒントに、他の植物を選びます。カラーリーフにはミカニア・デンタータとシルバータイムを。シルバータイムは葉の色に目が行きがちですが、じつは茎の色が赤紫で今回の寄せ植えの主役のペチュニアの花色と重なります。さらに赤紫の花のアゲラタムを組み合わせました。植物の色は1色に見えて、よく観察するとこのように複数の微妙な色で構成されていることがよくあります。寄せ植え植物のセレクトは、まずは主役となる花を決め、それをよく観察するのがポイント。組み合わせのヒントは花が教えてくれます。 赤紫という共通点で選んだ植物セレクト。 補色の植物セレクト ‘花衣(はなごろも)’シリーズの「瑠璃静(るりしずか)」を主役にした寄せ植えです。淡い藤色の花と組み合わせたのは、オレガノやルーなど、ライムイエローの葉を持つ植物。紫と黄色は補色ですが、補色もお互いの色を引き立て合うため相性のよい組み合わせです。花を縁取る白い覆輪に合わせて、斑入りのバコパやアジュガ、シルバータイムを入れて繊細な雰囲気もプラスしました。 白と紫のコントラストが鮮やかな‘花衣’シリーズの「藍染」を使った寄せ植え。基本的には先ほどと同様の補色の組み合わせですが、それに加えスッと茎を伸ばすガウラやサルビア‘ブルーチル’、ユーフォルビアなど白っぽい花をプラス。風に揺れる風情が涼しげな一鉢に仕上げました。 ペチュニアの寄せ植えを長く美しく保つコツ 八重咲きの品種は雨に当たると花が傷みやすいため、軒下など直接雨がかからない場所に置くとよいでしょう。春から植えていたものは、品種によって梅雨頃には茎が伸びて中心部が空洞化してくることがあります。そうなったら一度、株元10〜15cmを残してカットします。これを「切り戻し」といいますが、しばらくすると再び花が上がってきて、こんもりきれいな形に茂ります。また、花を咲かせ続けると株は体力を使うため、定期的に液肥などを与えて栄養を補給してやりましょう。切り戻し後も液肥を与えると、分枝が促進されます。 魅力的な品種があふれるペチュニア。いろいろ試して、夏のガーデンも楽しく美しく彩ってくださいね。
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人物

山崎亮子さん新刊本『いのちのガーデン 北の森で暮らす車椅子のガーデナー』
亮子さんと家族が大切に育ててきた「森の庭」 北海道馬追(まおい)丘陵の森の中、そこだけポッカリ開けた、陽だまりのような庭があります。ここは山崎亮子さんと家族がつくる「森の庭」。 4月、雪解けを待ってクロッカスが花開くと、スイセン、シャクヤク、バラ、キキョウ、フロックス、アスターと、季節を花が咲き継いでいきます。庭を囲むシラカバやヤナギ、ハンノキの森は花々を輝かせる緑のキャンバスとして活躍してくれますが、秋には黄金や紅色に色づき、庭シーズンの華やかなフィナーレを飾る主役となります。 11月、雪が降り始めると、草花は銀世界の中で眠りにつきます。そこから半年近くは雪に白く縁取られた森の木々が窓辺の景色。時折、梢に積もった雪を落としながらエゾリスが走っていきます。この森も、庭も、亮子さんと家族が時間をかけて大切に育ててきました。 花を植え、咲いた花を摘んで窓辺に飾り、庭で実るスモモやブラックベリーを味わい、森の梢を薪に使ってお茶を入れ、焚き火を囲んで家族で夜空をあおぎ、また花を植える。かたわらでは子どもたちや犬が走り回り、リスも遊びにやってくる、まるで絵本のような暮らし。しかし、この穏やかな暮らしは、穏やかなだけの日々で手にしたものではありません。 病気と向き合い、自分らしく生きるために 亮子さんの生活には今、電動車椅子と人工呼吸器が欠かせません。四肢体幹の麻痺と慢性呼吸不全という症状があるためです。この症状が始まったのは2010年のこと。よく転ぶようになるという異変を発端に、歩けなくなり、次第に座っているのも辛くなり、数年のうちに呼吸もままならない状態に陥りました。保育士として働き、両親の暮らしをサポートしながら子育てをしていたハツラツとした自分が失われ、一つずつできなくなっていくことが増える焦りと不安、恐怖、そして身体の痛みに苛まれる日々。息さえも思うように吸えない苦しさとともに、亮子さんをさらに苦しめたのは、病名不明という状態です。いくつもの病院に足を運び診断を仰ぎましたが、原因が分からず、治療法も定まりません。「難病」と呼ばれる疾患は、このような原因不明の病気に当てはまることが多くありますが、亮子さんの場合、病気かどうかすら分からない混乱状態におかれることになりました。 原因不明の「難病」というカテゴリーからもこぼれ落ちてしまう状態は、現在医療社会学の分野で研究がなされており、代表的な疾患として「筋痛性脳脊髄炎」「慢性疲労症候群」「線維筋痛症」「過敏性腸症候群」「化学物質過敏症」などがあげられます。当事者には明らかな症状があり、日常生活が送れないにもかかわらず、既存の医学的な検査では異常が確認されないために、長期にわたり未診断状態におかれ、精神疾患と誤診されることがままあります。亮子さんもまた、同じ経過を辿ることになりました。また、症状によって数えきれないほど生活に支障があるにもかかわらず、病名のつかない亮子さんは、社会保証制度や社会福祉制度の利用においても数々の困難を体験しました。日本では、病院に行けばどうにかなると誰もが思って暮らしていますが、現在の医療でも未だに解明できないことは多々あります。いざというときは助けてもらえると当たり前のように信じていた医療や福祉も、熟練の名医ですら戸惑う状況下では、満足に機能しにくい現実を前に、途方に暮れる日々。生きるための息をつなぐのがやっとで、唯一寄り添ってくれる家族の会話にも加われない寂しさと悲しみが、亮子さんを覆っていきました。 闇の底に沈むような孤独に光を灯したのは「森の庭」です。厳寒の冬を経て力強く芽吹く森の木々、雨に打たれても再び光に向かって顔を上げる花々、動けぬ身ながら風や他の生き物にタネを託して自由に移動する植物たち。巡る季節に立ち止まることのない「森の庭」の命の営みは、ベッドの中で一日を過ごす亮子さんに、楽しみと勇気、そして希望を与えてくれました。長い長い紆余曲折の末に、診断が困難で治療方針を立てにくい難しい状況下でありながら、真摯に向き合い、救いの手を差しのべてくれる医師にも恵まれ、亮子さんの患う症状は心因性ではなく、何らかの神経筋疾患であることが分かりました。そして電動車椅子や人工呼吸器を用いることで、再び庭に出ることも叶いました。今も病名は分からず、車椅子や命をつなぐための医療機器は欠かせませんが、亮子さんは「自分らしく生きている」と胸を張ります。 明るく日の差すほうへ人生を進める亮子さんとガーデンライフ 本書では、美しい「森の庭」の四季と、車椅子を使いながら庭づくりをする亮子さんのガーデニング、季節ごとの手仕事の楽しみなどがまとめられています。香りを振りまくバラの花のモビール、ホオズキのランタン、グラス(草)のしめ縄など、庭の収穫物を使った暮らしの美しいアイデアもいっぱい。身体が不自由でも庭づくりを続ける工夫や楽しみ方は、誰にとっても参考になります。何より、困難の縁にあっても光をたぐり寄せ、明るく日の差すほうへ人生を進める姿に勇気づけられます。ガーデニングの楽しみを教えてくれながら、生きるヒントを見つけられる1冊です。 『いのちのガーデン 北の森で暮らす車椅子のガーデナー』目次 森の庭というガーデンスタイル <Essay 私の転機> 車椅子のガーデナーになるまで 庭が真ん中のナチュラルライフ 森の庭の四季/5月 黄金のスイセン 幸せの花畑 <Column> ビンに花を生ける 森の庭の四季/6月 ルピナスの季節 シャクヤクの女王様 <Column> ハーブでティータイム 森の庭の四季/7月 私たちのバラ わんこと過ごす庭 私の庭仕事 森の庭の四季/8月 焚き火にくつろぐ 青い野原でキキョウに思う <Column> 森の果樹を楽しむ 森の庭の四季/9月 秋の庭仕事 まさ土の道を作る 森の庭の四季/10月 森のハロウィン 庭じまいの季節 森の庭の四季/11月 遊び心ある空間づくり 森の庭の四季/12~2月 雪のなかの暮らしぶり 小さなガーデン、窓辺で楽しむ春 他多数 著者:山崎亮子定価:1,760円(本体1,600円+税)発売:2023年6月16日判型:A5判 ページ数:128ページ発行:家の光協会ISBN:978-4259567651 ●お求めは、お近くの書店、または「amazon」でお求めいただけます。
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一・二年草

【上手に咲かせるコツ】ニコチアナは連作障害に注意! 特徴や育て方のポイント
ニコチアナの主な特徴とは 庭に個性をもたらすニコチアナは、どんな特徴をもっているのでしょうか。ここでは、ニコチアナの基本情報や名前の由来・花言葉、特徴についてご紹介します。 基本情報 ElenaSnezh/Shutterstock.com ニコチアナはナス科ニコチアナ属の植物です。本来は多年草ですが日本の寒さを苦手とし、冬に枯死してしまうことが多いために、一年草として流通しています。原産地はアメリカ、オセアニア、アフリカで50種以上が確認されており、タバコの原料となるものから開花を観賞するものまで多様です。タバコの原料となるものを葉タバコ、観賞用を花タバコと呼び分けています。草丈は種類によって幅があり、30〜100cmです。 名前の由来や花言葉 MalvaElena/Shutterstock.com ニコチアナという花名は、学名のNicotianaの読みそのもので、フランスに初めてタバコをもたらした、ジャン・ニコ氏の名前が由来となっています。 花言葉は「あなたがいれば寂しくない」「孤独な愛」などです。 花や葉の特徴 mcajan/Shutterstock.com ニコチアナの開花期は5〜10月で、花つきがよく、開花期間中は次から次へとつぼみが上がります。花色は赤、ピンク、紫、グリーン、白、複色など。花のサイズは3〜5cm。基部が筒状で、先端は5裂した星形の花が開花します。夕方から芳香を漂わせ、特に白花の香りは濃厚で、ジャスミンタバコという異名もあるほど。葉は広めの楕円形で、品種によっては触るとベタベタとした粘着物質が手につくことがあります。 ニコチアナの育て方のポイント9つ ここまで、ニコチアナの基本情報や花言葉、名前の由来、特徴などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、植え付けや水やり、施肥、日頃の管理や気をつけたい病害虫など、育て方について詳しく解説します。 1.栽培環境 M. Schuppich/Shutterstock.com ニコチアナは日当たり・風通しのよい場所を好みます。日当たりの悪い場所では、ひょろひょろと徒長した軟弱な株になり、花つきも悪くなるので注意しましょう。また、水はけのよい環境を好むので、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込み、10〜20cm土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。 2.種まき Montana Isabella/Shutterstock.com ニコチアナは、ビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。 ただし、手軽に栽培したいなら、苗の植え付けからのスタートがおすすめです。ニコチアナの苗は春から花苗店に出回り始めます。「1〜2株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、後ろの「植え付け」の項に進んでください。 発芽適温は20〜25℃、種まき適期は4〜5月です。 まず、種まき用のトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、種子を数粒ずつ播きます。ニコチアナは「好光性種子」といって、発芽に光を必要とする性質のため、覆土はしなくてOK。浅く水を張った容器に入れて底から給水します。これはジョウロなどで上から水やりすると微細な種子が流れ出してしまうことがあるからです。発芽までは明るい半日陰で管理し、乾燥しないように適度に底から給水しましょう。 10日前後で発芽するので、その後は日当たりのよい場所で管理します。勢いがあって元気のよい苗を1株のみ残し、ほかは間引きましょう。ヒョロヒョロと伸びて弱々しい苗や、葉が虫に食われたり黄色くなっている苗などを選んで間引きます。本葉が2〜3枚ついたら黒ポットに鉢上げして育苗し、十分に育ったら花壇や鉢などの植えたい場所に植え付けます。 3. 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕してください。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると手軽です。 4.植え付け・植え替え OlegDoroshin/Shutterstock.com ニコチアナの植え付け・植え替えの適期は、4月下旬〜6月上旬です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。苗を購入する際は、節間ががっしりと締まって勢いのあるものを選びます。葉が傷んでいるものや、ヒョロヒョロと間のびしているものは避けたほうが無難です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢を軽くくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 一年草の場合は、開花後は衰えて枯死するので、抜き取って処分します。多年草を地植えにしている場合は、2〜3年は植えたままにしてもかまいません。しかし、大株に育って込み合ってきたら、掘り上げて株分けして植え直し、株の若返りをはかるとよいでしょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、6〜8号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くくずして植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。大きな鉢にほかの草花と一緒に寄せ植えてもOKです。 一年草の場合は、開花後は衰えて枯死するので、抜き取って処分します。多年草の場合は、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 5.水やり Ivanko80/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に水をやると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 6.肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付けの際に肥料を施しておきます。開花期間は、10日〜2週間に1度は液体肥料を与えて、株の勢いを保ちましょう。 7.日常のお手入れや注意点 Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 【支柱の設置】 草丈が高くなるタイプは、早めに支柱を設置して茎を誘引しておくと、強風による倒伏を防げます。 【花がら摘み】 ニコチアナは次から次へと花が咲くので、終わった花は花茎の根元から園芸用バサミで切り取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 8.増やし方 Kazakov Maksim/Shutterstock.com ニコチアナは種まきで増やせます。その場合は、開花後に種子を採取します。開花期が終わりを迎える頃に花がら摘みをやめ、熟したら種子を採取して密閉容器に入れ、種まき適期まで保管しておきましょう。ただし、交配された園芸品種の場合は、親と同じ性質になるとは限らないことに留意しましょう。 種まきの方法については、前述の「種まき」の項目を参照してください。 9.注意すべき病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 ニコチアナが発症しやすい病気は、モザイク病、灰色かび病です。 モザイク病はウイルス性の病気で、アブラムシやアザミウマ、コナジラミなどの虫が媒介となって発症します。したがって、発症しやすい時期はアブラムシなどが活発に動き出す春から秋にかけて。主に花や葉に被害が発生し、モザイク模様が現れます。症状が進むとウイルスの種類によっては葉などが縮れてきたり、湾曲して変形したりし、株の生育が著しく悪くなります。治療効果のある薬剤はないので、発症したら抜き取って土ごと処分し、周囲に蔓延するのを防ぎましょう。アブラムシ対策をしておくことが、発症を抑制することにつながります。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下にて発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 ニコチアナに発生しやすい害虫は、アブラムシ、オオタバコガなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 オオタバコガは蛾の一種で、主に幼虫が植物を食い荒らして被害をもたらします。主に葉などを食害し、老齢になると体長は3.5〜4cmに到達して食欲も旺盛に。春から秋にかけて動きが活発になり、特に高温・乾燥が続くと発生しやすくなります。産卵数が多いために大量発生して被害が拡大することがあるので注意。見つけ次第捕殺するか、適用の薬剤を散布して防除します。 ニコチアナの夏越し・冬越しの方法 Anton Starikov/Shutterstock.com ニコチアナの栽培で、夏越しや冬越しの注意点についてご紹介します。 夏越しの方法 長雨に当たると花が傷みやすいので、鉢植えの場合は梅雨前に軒下などに移動すると、きれいな開花を長く楽しめます。庭植えの場合も、傷んだ花はまめに摘んで株まわりを清潔にしておきましょう。 冬越しの方法 ニコチアナは寒さに弱く、冬に枯れることが多いのですが、暖地では越年できるケースもあるようです。霜対策として、バークチップなどを株元に敷き詰めておきます。鉢植えの場合は霜のあたらない軒下などに移動するか、室内の暖かい場所で越冬させるのもよいでしょう。冬越しできなかった場合に備えて、開花後に種を採取しておくのも一案です。 ニコチアナは連作障害に注意 mizy/Shutterstock.com ニコチアナは、連作障害が起きやすい植物です。連作とは、同じ科に属する植物を同じ場所に植え続けることをいいます。連作することによって土壌バランスが悪くなって病気や生理障害が発生しやすくなり、極端に生育が悪くなる状態を連作障害といいます。前年に同じナス科の植物を植えていた場所は避けましょう。植え替える場合、地植えでは別の場所を選び、鉢植えでは新しい培養土を用意して作業します。 ニコチアナの仲間 日本でよく見かけるニコチアナは、シルベストリスやラングスドルフィーです。それぞれの特性についてご紹介します。 シルベストリス Tom Meaker/Shutterstock.com 大型で草丈は約1.5mに達します。花筒が細長く、下向きに星形の花が咲くのが特徴です。花色は白で、甘い香りを放ちます。開花期は6〜8月で、暑さに強く、真夏も花を絶やすことなく、咲き続けます。冬の寒さに弱く、寒くなる前に枯死しますが、こぼれ種で増えるほど強健です。 ラングスドルフィー RukiMedia/Shutterstock.com ハナタバコの原種の一つです。グリーンの花色で、シルベストリスに比べてずんぐりとした花姿で愛らしい表情を楽しめます。花つきがよく、そよ風にゆらゆらと揺れる優しい株姿はナチュラルガーデンにぴったり。草丈は60〜120cmです。 星形の可愛い花を観賞しよう Bubushonok/Shutterstock.com 夕暮れ時から甘い香りを漂わせるニコチアナ。星形の花姿も愛らしく、たくさんの花をつけて初夏から秋まで庭を豊かに彩ってくれます。ぜひ植栽にチャレンジしてほしい、おすすめの草花です。
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早くも猛暑の気配⁉ バラの夏バテ対策&バラ栽培におすすめの資材を解説
こんな症状に注意! バラの夏バテ症状を徹底解説 夏バテしたバラは、葉色が抜けたり、黒星病にかかりやすくなるなどの症状が出ます。(右)Helen Liam/Shutterstock.com 多くのバラは、高温多湿の日本の夏には弱ってしまいがち。近年作出されたバラは耐暑性が向上しているとはいえ、ほとんどの品種で夏バテには注意が必要です。バラが夏バテすると、葉が縮れたり黄変したり、黒星病が蔓延したり、悪化するとほとんどの葉が落ちてしまうこともあります。多くの場合は気温が下がる秋にまた新芽を出してくれますが、夏にダメージを受けたバラは、秋バラの開花が少なくなってしまうだけでなく、回復する前に冬を迎えると翌年の春にまで不調を持ち越してしまうことも。できるだけ早い段階で夏バテに対処することが大切です。 バラの夏バテはなぜ起きる? Mariia Boiko/Shutterstock.com 植物の根の中でも、水や肥料をしっかりと吸収する役割を担っているのが、土の表面近くに張った「上根(うわね)」です。しかしながら、土の表面は夏の直射日光により50℃近くまで温度が上がってしまうこともある過酷な環境。さらに日々の水やりや降雨で、表面の土は次第に固くなり、空気や水が浸透しづらくなっています。こうした状況下では根が徐々にダメージを受け、いくら水をあげても吸い上げる力がなくなり、結果として土は濡れているのに株全体では水分不足という状態に。そして、根から吸い上げる水や養分が不足し、地上部の葉を維持できなくなり、ついに葉を落としてしまうのです。 ですから、バラを夏バテから回復させる秘訣は、根の元気を取り戻させること。夏バテしたバラへの対処として、まずは株元の雑草を取り除き、表面の土を軽く耕してあげましょう。そうすることで、カチカチに固くなった土の表面がほぐされ、空気や水を取り込みやすくなります。しかし、これはあくまで一時的な対処法。バラを夏バテからしっかり回復させるには、土壌改良と根のダメージの回復が必須です。 バラの夏バテ対策には活力液の使用がおすすめ! 夏のバラの手入れでは、花を咲かせることよりも、株の元気を回復させることが最優先。株が元気になれば、また美しい花を咲かせてくれます。水分や養分を吸い上げる根の力を回復させるためには、「活力液」の使用が効果的です。活力液は液肥とは異なり肥料を補給するわけではありませんが、発根や養分、水分の吸収を助けて樹勢の回復を促し、さらには土壌改良効果もあるので、夏バテ対策にはぴったりなのです。 バラを育てている人にはおなじみの「マイローズ」シリーズから、2023年に新たに発売された「マイローズばらの活力液DX」は、近年の猛暑に備えてぜひ持っておきたい1本。夏バテで弱ったバラ対策に効果を発揮してくれます。酵母抽出物が根張りをよくし、発根を助けてバラをもっといきいきと育ててくれます。さらにマルチミネラルやビタミン、アミノ酸入りの天然有機質が、土壌の微生物環境を整えてくれるので、土壌改善にも効果あり。吸収しやすいキレート鉄が、新葉の白化も防ぎます。バラの夏バテ対策にはもちろん、植え付けや植え替え時に使用すれば、定植後の発根を促してスタートダッシュを成功させてくれますよ。 「マイローズばらの活力液DX」は、水で希釈して使用します。いつもの水やりの際にジョウロに混ぜれば、簡単に夏バテ対策ができますね。気温の高い日は水切れに特に注意し、2週間に1回は活力液を与えるとよいでしょう。植え付けや植え替え時に使用するなら、水4ℓあたりキャップ1~2杯(100~200倍)が希釈の目安。容器をよく振ってから使用しましょう。液体肥料と混ぜて与えるのもおすすめです。 バラに関するあらゆる悩みを解決! バラを育てるなら信頼の「マイローズ」シリーズ 今回ご紹介した「マイローズばらの活力液DX」は、バラを育てている人にはおなじみの「マイローズ」シリーズから新たに発売された活力液。バラをデザインしたパッケージが目印の「マイローズ」シリーズは、初心者からベテランまで幅広いガーデナーに愛され続け、2023年に10周年を迎えた信頼のシリーズです。家庭園芸向けのバラ栽培のお助けアイテムがラインナップされているベストセレクションなので、初めてバラを育てようと思っているなら、「マイローズ」シリーズを選べば間違いなし! その中でも、初心者ガーデナーがまず揃えたい、バラ栽培に必須のベーシックな培養土・肥料・病害虫対策資材をご紹介しましょう。 「みんなでつくるマイローズコレクション」今年も開催中! 大切に育てたバラを写真に撮って投稿。みんなでバラの美しさを分かち合いましょう。 ご投稿いただいた方のなかから抽選で30名様にマイローズシリーズばら専用肥料&活力液をプレゼント。 開催期間は2023年6月30日(金)まで。お早めにご投稿を! 夏バテにも負けない丈夫なバラを育てる「マイローズばらの培養土」 植物を育てる際にとても大切なことが、適した土を使うこと。植物はそれぞれ好む土や必要な養分が異なるため、適した土を使うことが植物を元気に育てるための第一歩です。バラを育てるなら、バラ栽培に適した培養土を使うのが、美しい開花を楽しむための近道。ローズライフアドバイザーの有島薫氏が監修した「マイローズばらの培養土」は、バラ栽培専用の用土なので、バラを育てるのに最適です。良質な熟成馬ふん堆肥、腐葉土、鹿沼土などの厳選素材がバランスよくブレンドされた培養土が、しっかりと根が張った丈夫なバラを育てるサポートをしてくれます。さらに土に活力を与える腐植酸や鉄ポリフェノール、有用微生物資材(善玉菌)なども配合。この土を使うだけで、夏の暑さにも負けない丈夫で生育のよいバラ栽培に一歩近づきます。 肥料食いのバラの生育もしっかりサポート! 元肥にも追肥にも使いやすい肥料&活力液 「肥料食い」ともいわれるほど、肥料分をたくさん必要とするバラ。健全に育てて美しい開花を楽しむためには、適切な量の肥料が欠かせません。もちろん「マイローズ」シリーズにも、バラの生育をサポートするための肥料や活力液が揃います。置くだけで簡単に使え、長くしっかり効く新発売の「マイローズばらの置くだけ肥料」や、素早く効果を発揮する「マイローズばらの液体肥料」などの魅力的なラインナップがありますが、初めて肥料を購入するなら、元肥としても追肥としても使える「マイローズばらの肥料」がおすすめ。バラに特化した肥料成分が配合された扱いやすい粒状肥料で、施肥後すぐに効き始めて、2~3カ月の間効果が持続します。さらに温度によって溶け出す肥料の量が自動的に調節されるリリースコントロールテクノロジーにより、生育が旺盛な暖かい季節にはよく肥料分が溶け出す一方、涼しい季節には控えめになり、効率的にバラに肥料を届けることができます。ただ肥料分を補充するだけでなく、土壌改良効果のある腐植酸や有機質も配合され、土づくりにも効果を発揮します。 元肥として施す場合は、植え付けや植え替え時に用土に混ぜ込んで使います。使用量の目安は、6号鉢(直径18cm)なら1鉢20g程度、地植えであれば1㎡当たり200g程度。「マイローズばらの肥料」は直接根に触れても肥料焼けしないので、事前に土づくりをしておく必要がないのも手軽ですね。その後は生育に応じて追肥として与え、2~3カ月に1度を目安に株元に均一にばらまきましょう。 2本使いで耐性回避! 薬剤を確実に効率よく効かせるコツ 「マイローズ」シリーズの殺虫殺菌剤や殺虫剤など、病害虫対策資材のラインナップ。右側のスプレーボトルが「ベニカXファインスプレー」と「マイローズ殺菌スプレー」、金色のパッケージが「ベニカXガード粒剤」。 夏は黒星病やコガネムシなど病害虫の発生も多くなる季節です。病害虫が発生してしまったときに備えて、殺虫殺菌スプレーなどの病害虫用の資材があると安心です。「マイローズ」シリーズの中でも揃えておきたいのは、1本で病気にも害虫にも対応できる便利な殺虫殺菌スプレー「ベニカXファインスプレー」と、殺菌剤の「マイローズ殺菌スプレー」。どちらも手軽に使えるスプレータイプで、幅広いバラの病害虫に対応できます。「ベニカXファインスプレー」があれば、アブラムシやコガネムシなど、バラに集まるいろいろな害虫に対して素早く長く効き、病原菌の侵入を防いでバラの病気もしっかり予防してくれますよ。 1本で害虫と病気からバラを守る「ベニカXファインスプレー」。 殺虫殺菌スプレーと殺菌スプレーを組み合わせて使う理由は、1種類のスプレーばかり繰り返し使っていると、耐性菌が出現して効きにくくなってくることがあるため。「ベニカXファインスプレー」と「マイローズ殺菌スプレー」を組み合わせ、ローテーションで散布すると、効果をしっかり維持することができますよ。金のノズルが「ベニカXファインスプレー」、銀のノズルが「マイローズ殺菌スプレー」です。「マイローズ殺菌スプレー」は散布回数の制限がありませんが、「ベニカXファインスプレー」は年4回まで使用できます。病気の予防として症状が出る前や、害虫発生初期に使うとより効果的です。スプレーの目安は、葉がしっとりと濡れるくらい。病害虫が発生しやすい葉の裏側も忘れず、しっかりスプレーしましょう。 これらのスプレーに加え、パラッと土にまくだけ、混ぜるだけで病害虫を予防できる「ベニカXガード粒剤」を、植え付け時に使用するのもおすすめです。「ベニカXガード粒剤」は、根から吸収された殺⾍成分が植物にいきわたることで、葉を食べる虫も根を食べる虫も発生初期にしっかり退治してくれる優れもの。さらに微生物(B.t.菌)の作用によって植物の防御機能の強化を促し、病気に強い丈夫な株へと導いてくれます(抵抗性誘導)。 「ベニカXガード粒剤」の使い方は、とても簡単。バラであれば、1株につき5~10gを植え付け時に土に混ぜるか、株元にばらまくだけでOKです。予防効果に優れているので、植え付け時や種まき時に使うとよいでしょう。バラの場合は、株元散布で年に4回まで使用できます。 ※殺虫殺菌スプレーや粒剤を使用する際には、商品に記載された注意事項等をよく読み、記載事項に従って正しくお使いください。また、マスクや手袋、長袖の作業衣などを着用してください。作業後は手や顔などを石けんでよく洗いましょう。 憧れのバラの花が咲き乱れるガーデン。そんなガーデンづくりのパートナーとして、長年選ばれ続けている「マイローズ」シリーズはベストの選択肢。バラ栽培をより充実させてくれるアイテムが揃っています。「マイローズ」シリーズを取り入れて、あなたの庭やベランダでも美しいバラの花を楽しんでみませんか?






















