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ナスタチウムはどんな花? 特徴や花言葉、育て方について

ナスタチウムはどんな花? 特徴や花言葉、育て方について

LifeCollectionPhotography/Shutterstock.com

鮮やかな黄色やオレンジ、赤い花が目を引くナスタチウムは、ハーブとしても利用されます。這うように伸びる草姿から、ハンギングバスケットなどでも活躍する花です。この記事では、ナスタチウムの基本情報や種類、育て方などについてご紹介します。

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ナスタチウムの特徴について

ビビッドなオレンジや黄色の花が目を引くナスタチウムは、どのような特徴や種類があるのでしょうか。ここでは、ナスタチウムの基本情報についてガイドしていきます。

ナスタチウムの見た目と特徴

ナスタチウム
Bembo20/Shutterstock.com

ナスタチウムはノウゼンハレン科ノウゼンハレン属(トロパエオルム属)の一年草です。ハスに似た丸い葉を持ち、黄色やオレンジ色の花を咲かせることから、金蓮花(きんれんか)という別名もあります。4〜5月頃に種を播くと、6月から11月上旬まで開花。ただし、夏の暑さにやや株が弱り、7月下旬〜8月は花数が少なくなります。暑さが一段落すると再び開花しますが、晩秋になると枯死してしまうので、半年くらいの短いライフサイクルです。原産地はペルー、コロンビアで、寒さには弱い性質をもっています。草丈は20〜300cmで、這うように広がっていくのが特徴です。

ナスタチウムの代表的な種類

ナスタチウム
Khairil Azhar Junos/Shutterstock.com

ナスタチウムは原産地で約50種類が分布しています。ガーデニングで最も流通しているのがマユス (Tradescantia.majus)です。園芸品種も多く見られ、矮性種で草丈20cmほどにまとまる‘チップトップ’、矮性種で草丈20cmほど、かつ葉に斑が入る‘アラスカ’のほか、紫がかったピンク色の花を咲かせる‘パープルエンペラー’、パステルピンクの‘レディーバードローズ’、パステルイエローの‘ミルクルメイド’などが注目品種です。

ナスタチウムはハーブとして使われる

ナスタチウム
artem Evdokimov/Shutterstock.com

ナスタチウムは、ハーブとしても利用されます。花や葉にはクレソンに似た独特の香りと辛みがあり、果実や種子も辛味と酸味があります。ビタミンやミネラルを豊富に含んでおり、サラダの彩りなどにおすすめです。

ナスタチウムの花言葉

ナスタチウム
COULANGES/Shutterstock.com

ナスタチウムの花言葉は、「勝利」「困難に打ち勝つ」など。これは草姿に由来し、丸い葉が盾を、赤い花が血を浴びた鎧をイメージさせ、戦いに赴く戦士を想起させるためです。

ナスタチウムが咲く時期と見頃

ナスタチウム
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ナスタチウムの開花時期は、4月下旬〜7月、9月〜11月上旬で、開花期間が長い植物の一つです。ただし熱帯地方原産とはいえ、高山地帯に自生するので、夏の暑さにやや弱い傾向にあり、真夏は開花が止みがちとなります。花色は黄色、赤、オレンジ、ピンク、黒みがかった茶色、複色など。花径は5〜7cmで、一重咲き、八重咲きなどがあります。

ナスタチウムの育て方

ここまで、ナスタチウムの基本情報や花や葉の特徴、代表的な種類、花言葉などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、ナスタチウムの栽培方法について、詳しく解説します。

適した栽培環境

ナスタチウム
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ナスタチウムの栽培には、日当たり・風通しのよい場所が最適です。ただし、やや暑さを苦手とするので、地植えの場合は午前のみ光が差し込む東側で栽培するか、夏前に鉢上げして涼しい半日陰などで管理するとよいでしょう。

また、水はけ・水もちがよくバランスのとれた土壌づくりがポイントです。有機質資材をすき込んでふかふかとした土壌にし、周囲より少し土を盛って高くしておくと水はけがよくなります。

土づくり

土
funnyangel/Shutterstock.com

【地植え】

丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておくとよいでしょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。

植え付け・植え替え

ガーデニング
OlegDoroshin/Shutterstock.com

ナスタチウムの植え付けの適期は3月下旬〜5月です。花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって勢いがあるものを選びましょう。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗を植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、20〜30㎝の間隔を取っておきましょう。あまり密に植え付けると、風通しが悪くなって株が蒸れることがあるので、余裕を持たせておくのが無難です。植え付けた後は、たっぷりと水やりをしておきましょう。

ナスタチウムは夏秋咲きの一年草で、寒くなると枯れてしまうため植え替える必要はありません。枯れて株まわりが汚くなる前に抜き取って処分します。

【鉢植え】

鉢の大きさは、5〜6号鉢を準備します。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出してみて根が白く回っているようなら、軽く根鉢をくずしてから植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。

ナスタチウムは夏秋咲きの一年草で、寒くなると枯れてしまうため植え替える必要はありません。枯れて株まわりが汚くなる前に抜き取って処分します。

水やり

水やり
cam3957/Shutterstock.com

株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。

真夏は、気温の高い昼間に与えると、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

【地植え】

根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。

肥料

肥料
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【地植え】

元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。真夏を除き、株の生育に勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見てください。真夏は暑さのせいで株が弱ってしまい、かえって肥料やけすることがあるため、与えずに切らしておきましょう。

【鉢植え】

株の状態を見て勢いがないようであれば、6月〜7月中旬と9月〜10月上旬に、緩効性化成肥料を少量、株の周囲にまきます。スコップなどで軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。開花期間中は、緩効性化成肥料をやめて速効性タイプの肥料を与えるのも一案。開花を促すタイプの液体肥料を、10日に1度を目安に与えて株の勢いを保ちます。窒素成分の多い肥料を与えると、茎葉ばかりが茂って花つきが悪くなるので、与える際には注意してください。

真夏は暑さのせいで株が弱ってしまい、かえって肥料やけすることがあるため、与えずに切らしておきましょう。

日頃の手入れ

剪定
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【花がら摘み】

ナスタチウムは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

【切り戻し】

草姿が乱れてきたら7月下旬に切り戻して、株の若返りをはかります。地際から草丈の半分〜1/3の高さを目安に、深めにカットしましょう。すると新芽を出して株が盛り返し、再び開花し始めます。

病気や害虫など注意点

ナメクジ
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【病気】

ナスタチウムが発症しやすい病気は、立ち枯れ病などです。

立ち枯れ病は、根や地際の茎から感染する病気です。だんだん生育が悪くなり、葉が黄色くなって株全体に病気が広がり、やがて腐って枯れてしまいます。発生初期に適用のある殺菌剤をかけて防除しましょう。病気が広がるようなら、抜き取って処分します。

【害虫】

ナスタチウムに発生しやすい害虫は、ハダニ、ナメクジなどです。

ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけて予防するとよいでしょう。

ナメクジは花やつぼみ、新芽、新葉、果実などを食害します。体長は40〜50mmで、頭にツノが2つあり、茶色でぬらぬらとした粘液に覆われているのが特徴。昼間は鉢底や落ち葉の下などに潜んで姿を現しませんが、夜に活動します。植物に不快な粘液がついていたら、ナメクジの疑いがあるので夜にパトロールして捕殺してください。または、ナメクジ用の駆除剤を利用して防除してもよいでしょう。多湿を好むので、風通しをよくし、落ち葉などは整理して株まわりを清潔に保っておきます。

ナスタチウムの増やし方

ナスタチウムは、種まきと挿し芽で増やすことができます。

【種まき】

ナスタチウムは、ビギナーでも種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。

ナスタチウムの発芽適温は20℃前後。種まきの適期は、4〜5月頃です。種を播く前に、種の外皮を削り、一晩水に浸けて吸水させておくとよいでしょう。種まき用のセルトレイに市販の草花用培養土を入れて種を播き、薄く覆土してください。種が流れ出すことがないように、トレイより一回り大きな容器に浅く水を張り、トレイを入れて底面から吸水させます。発芽までは半日陰の場所に置いて、乾燥しないように管理しましょう。

発芽したら、日当たり・風通しのよい場所へ移動します。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗します。10日に1度を目安に、液肥を与えると生育がよくなります。本葉が5〜6枚ついてしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。

ナスタチウムはこぼれ種で増えるほど生命力が旺盛なので、花壇やコンテナなど育てたい場所に直に播いてもかまいません。

【挿し芽】

挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、ナスタチウムは挿し芽で増やせます。

ナスタチウムの挿し芽の適期は、6月頃です。新しく伸びた茎葉を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、十分に湿らせておきます。培養土に植え穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。成長して根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

家庭でナスタチウムを育ててみよう

ナスタチウム
Nadya So/Shutterstock.com

オレンジを中心にビビッドカラーのイメージが強いナスタチウム。近年は品種改良が進んで、パステルピンクやパステルイエローなどの花色も出回るようになり、注目を浴びています。比較的強健で、放任してもよく育つので、ガーデニングのビギナーにもおすすめです。ぜひ庭やベランダに迎え入れてみてはいかがでしょうか。

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