スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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園芸用品

鉢を知れば園芸がもっと楽しくなる! サイズ・材質などの種類をおさらい
植木鉢の基礎知識 「植木鉢」とは、植物を育てるために使用する容器の総称で、「コンテナ」と呼ばれることもあります。ひと口に植木鉢といっても、材質や形状、サイズ、デザインなどバラエティに富んでいるのはご存じでしょうか。それらの中から、植えたい植物に適したものを選ぶことが、上手に育てるコツにもつながります。植木鉢の特性を詳しく知り、ガーデニングをもっと楽しみましょう。 植木鉢の形状 植木鉢の形状に注目してみると、丸形、正方形、長方形、多角形や変形など、多様に揃います。形の違いによってどんな差があるのでしょうか。ここでは、植木鉢の形状ごとにその特性についてご紹介します。 丸形 artpritsadee/Shutterstock.com 植木鉢の中でも、最もスタンダードな形です。そのため、サイズ、デザイン、カラーなどのバリエーションが豊富で、用途や好みに合わせて選ぶ楽しみがあります。全体に丸みのあるフォルムが、空間にソフトな雰囲気をもたらしてくれます。 正方形 Catz/Shutterstock.com スタイリッシュな印象で、土もたっぷりと入ります。一般的に深さがあるので、大きくなる観葉植物などを植えてインテリアとして飾るのがおすすめ。鉢の側面が直線なので、いくつかまとめ置きしてもコンパクトにおさめることができます。 長方形 Victeah/Shutterstock.com プラスチック製のプランターに多く見られるデザインです。奥行きがあまりないので、ベランダやテラス、通路などに配しても邪魔になりにくく、草花を数株寄せ植えして華やかに飾るのに適しています。 その他 Aygul Bulte /Shutterstock.com 壁掛け用のフック穴がある半円形鉢や、吊り金具の付いたボウルタイプの吊り鉢などもあります。ほかにも樽をリサイクルして作られた樽鉢や、イチゴを栽培するためのストロベリーポット、さまざまな形状に焼き上げられたテラコッタ鉢などもあります。 植木鉢のサイズ 植木鉢には、草花や樹木のボリュームに応じたサイズがたくさん揃っています。育てたい植物に適したサイズが分かるとガーデニングの幅が広がるので、ぜひ知識を深めましょう。 普通鉢の場合 Vitaly Korovin/Shutterstock.com 一般的な円形の「普通鉢」は、口径と高さが同じサイズで、「標準鉢」とも呼ばれています。鉢の口径のサイズで大きさが決められており、その単位は「号」です。1号鉢は、口径と高さが1寸で約3cm。例えば5号鉢の場合は、口径も高さも約15cmとなります。0.5号から9号までは0.5号きざみ、9号からは1号きざみ。一般的には3号から12、13号までが園芸用に流通しているようです。土の容量の目安は、5号が約1ℓ、8号が約5ℓ、10号が8.5ℓ。買い求めたポット苗の号数よりも、2〜3号大きな鉢に植え付けるとよいでしょう。 プランターの場合 Wolna/Shutterstock.com 長方形のプランターでは、サイズ表記に「型」という単位が使われています。外寸の長辺の長さで表され、長辺が30cmなら、30型と呼ばれています。サイズは普通鉢ほど多様性はなく、30型、36型、43型、65型などが主に流通しています。土の容量は、ポピュラーな65型で12〜13ℓほどです。 植木鉢の深さ これまで普通鉢、プランターのように、一般的な鉢についてご紹介しましたが、植木鉢の中には、浅鉢や深鉢など、鉢の深さもいろいろあります。植物の根の張り方の特性に合わせて適した深さの鉢を選び、より健やかに育てましょう。 浅鉢 pranee_stocker/Shutterstock.com 普通鉢に比べ、高さが半分〜1/3くらいの鉢を、浅鉢、または半鉢、平鉢といいます。主に根が浅く横に張る、サツキ、アザレアなどツツジ科の植物や盆栽などに用いられます。また、種まきや挿し木など、育苗用の鉢として利用してもよいでしょう。 深鉢 Natalia Klenova/Shutterstock.com 普通鉢よりも高さのある鉢を、深鉢、または長鉢、腰高鉢といいます。シンビジウムやコチョウランなどラン科の植物、上根と下根を出すユリなど、根が深く張る植物に向いています。スマートな鉢なので、草丈が比較的高くなる植物とも相性よくまとまります。土の量がたくさん入るので、水もちのよい鉢ですが、逆に水が抜けにくいともいえるので、多湿に弱い植物の場合は、鉢底にゴロ土や軽石などを多めに入れたり、土の配合を工夫したりするとよいでしょう。 植木鉢の材質 植木鉢の材質は、素焼きやテラコッタが最もポピュラーですが、ほかにもプラスチック・FRP、陶器、木、ブリキ・缶など、さまざまな素材が用いられています。ここでは、素材それぞれの特性についてご紹介します。 プラスチック・FRP stanga/Shutterstock.com プラスチック鉢は軽くて持ち運びしやすいのが最大のメリット。落としたり衝撃を受けたりすることで破損することも、ほとんどありません。色や形も豊富で、ひと昔前は白がポピュラーでしたが、テラコッタに似せた明るいブラウンやグレー、濃いグリーンなどもあります。また、鉢底穴の加工がしやすいことも長所の一つ。排水しやすく、また内部に根が回るのを防ぐ加工を施したスリット鉢は、実用性が高いことから特に人気があります。 プラスチックの特性上、鉢壁から水分が逃げにくいので、水やりのしすぎに注意し、加湿にならないように管理しましょう。夏は直射日光が鉢の表面に長時間当たると温度が上がり、根が傷むことがあるので、置き場所に注意を。また、長く使っていると経年劣化により割れてしまうので、耐久性にはやや劣るといえます。 FRPは、プラスチックにグラスファイバーなどの素材を混ぜて強化した鉢で、より耐衝撃性に優れています。特に大鉢に向いており、土の重さにもゆがまずにしっかり耐える強度があります。デザイン性にも優れ、一見テラコッタ製などと見分けがつかない製品もあるほどです。 素焼き・テラコッタ sanddebeautheil/Shutterstock.com 粘土で形作り、高温で焼成して作られる鉢を素焼き鉢といいます。古くから植物を育てのに利用されてきました。素焼き鉢は表面が多孔質で、空気や水分を通しやすい特徴があります。つまり、余分な水分が鉢壁から蒸発しやすく、鉢内の空気も入れ替わりやすいので、蒸れにくいのです。そのため、水はけのよい環境を好む植物に向いています。ただし、真夏は特に乾きすぎる傾向にあるので、土の配合に工夫し、水やりでコントロールするとよいでしょう。 素焼き鉢は重量があるため、大鉢になるほど運搬が大掛かりになることも知っておきましょう。大鉢を使う場合は、あらかじめ配置する場所を決めておき、移動は避けたいものです。また、衝撃に弱く、落としたりぶつけたりすると、欠けたり割れたりします。恒久的に使えるというものではなく、風雨にさらされて年月が経つと、もろくなって割れやすくなるので、取り扱いに注意しましょう。 また、寒冷地では、冬期に鉢に含まれた水分が凍ることにより、割れたり、亀裂が入ったり、部分的に剥離したり、鉢底が抜けることもあります。そのため、地域によっては素焼きを避けるのも必要です。 テラコッタは、イタリア語で「素焼き」という意味。1,000〜1,300℃で焼かれ、通気性や耐久性は生産される国や地域によっても異なるようです。素焼き鉢と同じ素材ですが、現在は日本で生まれた普通鉢と区別して、洋風デザインのおしゃれな素焼き鉢を総称してテラコッタ鉢と呼び分けているようです。鉢底がフラットな形状のものが多いので、足をかませて地面から浮かせ、蒸れを防ぐようにするとよいでしょう。 陶器 Mark Brandon/Shutterstock.com 素焼き鉢に釉薬をかけて、1,100〜1,200℃で焼いた鉢が、陶器鉢です。デザイン性に優れることから、化粧鉢とも呼ばれています。瀬戸焼や信楽焼、織部焼などがあり、釉薬による色やモチーフなど、デザインのバラエティが豊かで人気の素材です。形もスクエア形や壺形など、さまざまに揃います。また、釉薬がかかっているため、多孔質の素焼き鉢のように鉢壁から水や空気が抜けることのない、非多孔質の素材です。ラン科の植物や観葉植物、多肉・サボテン植物、盆栽などを植えて、観賞用として利用するのに向いています。素焼き鉢と同様に衝撃に弱いので、落としたりぶつけたりすることのないよう、丁寧に扱いましょう。 木製 Asier Romero/Shutterstock.com 木材を加工して作られた鉢で、なんといってもナチュラルな素材感に人気があります。形状は長方形などがメインですが、籐で編まれたバスケットも木製素材の一つです。木は水分を保持する性質があるため、鉢土が乾きにくく、素焼き鉢ほどではないにしても通気性や排水性があります。また、断熱性が高い特性があり、真夏に直射日光が当たっても、鉢内の土まで熱を通さずに根を傷めないのが最大のメリットといえるでしょう。落としたり多少ぶつけたりしても割れにくく、素焼き鉢や陶器鉢よりも軽い素材です。ただし、木材の種類によって多少異なりますが、耐用年数は2〜3年ほどで、風雨にさらされるうちに腐食してきます。また直接地面に置くと底から腐りやすいので、台の上や軒下に置くなど、工夫が必要です。 セメント・コンクリート Photo Win1/Shutterstock.com 石のような重量感があり、クールな印象を与えます。多肉植物やサボテン、観葉植物など、モダンな表情を醸し出す植物と相性よくまとまります。耐久性があり、屋外で使いやすい素材ですが、真夏は特に長時間直射日光に当たると、鉢内の土に熱が伝わって高温になりやすく、根が傷むことがあるので置き場所に注意しましょう。堅牢に見えますが、意外に落とすと割れてしまったり、衝撃によって欠損したりすることもあります。大鉢を使う場合は重くなるので、先に置き場所を決めてから植え込むとよいでしょう。 ブリキ・金属 Keizt/Shutterstock.com 市販のブリキ缶やスチール缶などにデコパージュやペイントなどを施しておしゃれにリメイクし、植物のディスプレイに使うのがポピュラー。リメイクしなくても、100円ショップなどで鉢植え用素材として販売されているものもあります。注意したいのが、鉢底に水抜き用の穴があいているかどうか。あいていない場合は自身で穴をあけて、根腐れするのを防ぎましょう。熱が伝わりやすく、夏は長時間直射日光に当てたままの状態だと根が傷むことがあるので、置き場所に注意を。センスアップしたブリキ缶には、多肉・サボテン植物や観葉植物が似合います。 ガラス Africa Studio/Shutterstock.com ガラス鉢は、室内で育てるハイドロカルチャー(水耕栽培)用に使われるのが一般的です。特殊な人工土のハイドロボールを使って植物を植え込むので、水抜き用の穴は必要ありません。主にミニサイズの観葉植物などを植えて、インテリアとして楽しむ素材です。熱が伝わりやすく、直射日光に当たると土の温度が高くなって根腐れしやすくなるので、屋外では利用しない方ほうがいいでしょう。また、衝撃に弱く割れやすいので、取り扱いにはご注意を。 植木鉢と鉢カバーの違い tete_escape/Shutterstock.com ホームセンターや園芸店では、植木鉢の売り場近くに鉢カバーが置かれていることがあります。鉢カバーは、植木鉢よりも一回り大きく、鉢をすっぽりと覆う大きめのサイズで、鉢底には穴がありません。軽い素材でデザイン性に優れており、室内に観葉植物などを飾る時に鉢をそのまま入れて用います。鉢カバーは、インテリアや植物の雰囲気に合うものを選ぶとよいでしょう。数鉢をまとめ置きしたい場合は、同じ色、素材で揃えると統一感が生まれます。 鉢カバーの形が底よりも口径のサイズのほうが大きくて倒れやすい場合は、重しを中に入れて使うのがおすすめ。水の受け皿は、鉢カバーの底に入れておきましょう。表土にはバークチップやヤシの実の繊維、玉石、砂利などの化粧材を敷き詰めると、さらに見映えがよくなります。 さっそく鉢で植物を育ててみよう Nataly Reinch/Shutterstock.com 植物を手軽に育てるのに、欠かせないアイテムの植木鉢。形やサイズ、深さ、素材など、種類もさまざまに出回っていることをご紹介しました。育てたい植物に合う大きさの鉢を選ぶことも大切ですし、素材によっては断熱性や通気性、水もちに違いがあることもお分かりいただけたのではないでしょうか。植物に合ったサイズや素材、デザインを吟味し、お気に入りの植木鉢を見つけて、ガーデニングを楽しみましょう。
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地域の取り組み

バラと草花に囲まれた私らしいお墓。後継ぎ、管理費、ペット…お墓問題を解決する「お花葬」
お墓に関するみんなのお悩み 少し前まで、お墓は先祖代々受け継がれていくのが当たり前でしたが、現代ではお墓はさまざまな課題を抱えています。特に生まれ育った実家を離れ、都市部で暮らす人々にとって、お墓継承の負担は小さくありません。お墓に悩む人々の声を聞いてみました。 お墓の継承問題 「実家を出て以来、もう40年以上東京に住んでいるので、自分自身も高齢になってお墓参りに行くのが遠くて大変です。田舎の両親も亡くなっているので、あまり行く機会もなく、親戚がお彼岸のたびに、私の代わりに掃除をしてくれて、申し訳ない思いでいっぱいです」(東京都在住65歳) 「田舎の墓を墓じまいするにあたって、撤去費用に新しい納骨先の費用をプラスすると、300万以上かかってしまいそうです。そんなにお金をかけて自宅近くに新たにお墓を設けたとしても、子どももずっとここにいるかわかりませんから悩ましいです」(埼玉県在住60歳) 新たなお墓の費用&管理費問題 「私はいずれ主人の実家のお墓に入ることになる予定ですが、遠く離れた全然馴染みのない場所で納骨されるのに、とても抵抗があります。できればずっと暮らしてきた場所がいいなと思うんですが、新たに自分用のお墓を設けると最低でも100〜200万は必要ですし、管理費があちこちの墓地にかかってしまうことになるので、家族に相談もしにくいです」(千葉県在住57歳) 樹木葬の使用期限問題 「自然に還るという感じがいいなと思って、樹木葬を希望しているのですが、調べると使用期限が定められている場合がほとんどなんですよね。期限後は結局、合葬墓に遺骨を移されるので、自分の理想とはちょっと違うのかなぁ」(東京都在住70歳) 期限がなく合葬されない樹木葬の新しい形 こうしたお墓の悩みを解決し、さまざまな希望に応える新しい樹木葬のスタイル「お花葬」が登場し、今注目を集めています。 まるでフラワーパークのように明るく美しい墓地 花あふれるガーデニング式永代供養墓、『四季庭』の「花の区」。 千葉県松戸市「サニープレイス松戸」内の『四季庭』は、墓地というよりまるで公園やフラワーパークのように鮮やかな花々が一面を彩ります。周囲は梨畑に囲まれた開放的な空間で、高い建物もないので青空と花々のコントラストが美しい景色を展開します。霊園内を歩くと裾に触れるローズマリーが清々しい香りを放ち、花から花へと舞う蝶たちも明るくリラックスした雰囲気を演出してくれます。 明るく開放的な永代供養墓専用エリア『四季庭』。 故人を近くに感じながら、ゆっくり過ごせる癒やしの空間 一般的な墓石の霊園は、お参りのエリアが狭く、お線香をあげて数分で移動せざるを得ないことがほとんど。お墓参りが慌ただしく、事務的になってしまうことが少なくありません。一方、『四季庭』にはバラに囲まれた芝生エリアにベンチがいくつか用意されており、故人を近くに感じながらゆっくり過ごすことができます。季節ごとに移り変わる花々は、別れの悲しみにも寄り添い、癒やしのひと時を与えてくれます。 合祀されない永代供養墓が24万円〜で、ペットも可 バラに囲まれた「雪の区」。 『四季庭』はいくつかのエリアに分かれており、四季折々の花が墓標の「花の区」、バラと枝垂れ桃が美しい「雪の区」、水音が心地よい噴水を備えた石碑型の「泉の区」など、希望に合わせてスタイルを選ぶことができます。永代使用料は24万円〜とエリア別で分かれており、一般的な墓石を設けるスタイルより価格がぐっと抑えられます。永代供養で管理費も不要なため、後継者問題に悩まされることもありません。 「雪の区」の桃の木が、小さな実を膨らませる初夏。春は可愛らしいピンク色の花を咲かせます。 また、一度納骨した遺骨は合祀されず、時間をかけて自然の土に還るのも日本人の自然観とマッチし、注目される大きな理由の一つです。宗教を問わず、希望すればペットも一緒に眠ることができ、さまざまなニーズに応えてくれます。 プロのガーデナーが草花を手入れし、365日きれい 夏はペンタスやサルビアなどが墓標を彩る「花の区」。 植物はプロのガーデナーたちが丹精込めて手入れをしており、いつ訪れても季節の花々が迎えてくれます。花自体が1人ひとりの墓標になっている「花の区」は、1年に4回花の植え替えを行っており、季節ごとにさまざまな風景が展開。管理の負担を子どもに残すことなく、まるでお花見のような気分でお参りしてもらえるのであれば、旅立つ側も心安らかです。 子どもの遊び場や木陰の休憩スペースも充実。 素晴らしい人生の締めくくりのために、家族の幸せのために、お墓のことを考えるのに早すぎることはありません。さまざまな選択肢が生まれている今、あなたらしいスタイルをじっくり考えてみませんか。 Information 資料請求・お問い合わせ・見学会予約NPO法人 大樹の輪サニープレイス松戸https://www.taijyunowa.org/matsudo/TEL/047-711-8418受付時間(開園時間)/9:00〜17:00住所/千葉県松戸市高塚新田22-1
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宿根草・多年草

初心者にオススメ! 失敗しないで咲かせられる夏の球根花「グラジオラス」
グラジオラスってどんな花 JeanLucIchard/Shutterstock.com グラジオラスは、アヤメ科グラジオラス属の球根植物です。南アフリカを中心に欧州、西アジア、マダガスカルに180種ほどが自生し、これらが元になって育種された園芸品種は膨大な数に上り、グラジオラスだけで図鑑が1冊作れるほど。真夏は暑さで多くの植物の勢いが衰えますが、グラジオラスはそんな時期に元気に咲いてくれる貴重な夏の花です。赤、黄色、オレンジ、紫などネオンのような原色の鮮やかな色が多いのは、この花がもともとは地中海地域で切り花としての需要が多く、この地域の人々に好まれた色だったためです。しかし、近年は女性育種家の活躍によって、優しいペールカラーや花びらの端が別色で縁取られる覆輪咲き、深いベルベットカラーなど、複雑で繊細な花色も増え、人気が高まっています。 シャープな葉にも注目! toriru/Shutterstock.com 艶やかな花色ばかりに目がいきますが、シャープな葉も魅力的です。グラジオラスの名前は「剣」に由来し、英名では「Sword Lily(剣のユリ)」とも呼ばれます。草丈100cmほどの細長く真っ直ぐ伸びる葉の形からその名がつけられました。夏のボーダー花壇の背景や庭の小道の両脇などに列植すると、整然とした美しさがあります。また、ガウラやサンジャクバーベナなどの小花の群れ咲く中に配しても、フォルムのはっきりとしたグラジオラスが際立ちます。 初心者にもおすすめの球根花 Kristine Selivonenko・bond.aruke25/Shutterstock.com 球根はそれ自体の中に、生育するために十分な栄養素をたっぷり含んでいるため、適期適所に植え付ければ、手がかからず失敗も少ない植物です。また、グラジオラスには病虫害の心配もほとんどないことや、球根の中では比較的リーズナブル(1球100円台)なのも、初心者におすすめの理由です。球根は園芸店や通信販売でも入手できます。 植えてから3カ月後に開花 fon.tepsoda/Shutterstock.com グラジオラスの植え時は3月下旬から6月下旬まで。生育がとても早く、植え付けから3カ月後には開花します。ですから、8月に咲かせたい場合は5月に、10月に咲かせたい場合は6月下旬に植えるとよいでしょう。グラジオラスはつぼみが花茎に縦に連なってつき、下から順番に咲き上がっていきます。最初の開花から2週間ほど、ゆっくり花が楽しめるのも魅力です。 植え付けのアイデア natalia bulatova/Shutterstock.com 先ほども述べたように、グラジオラスは植えてから3カ月後に咲きます。ですから、6月下旬までの間に少しずつ時期をずらして植え込めば、7〜10月までずっと花を楽しむことも可能です。グラジオラスの咲く頃には、同じ球根花のダリアやユリも開花期を迎えるので、それらと組み合わせても美しい夏の花壇が作れるでしょう。また、アゲラタムやジニアなど、暑さに強い一年草との組み合わせもおすすめです。 植え付けは日当たりのよい場所を選んで Verena Joy/Shutterstock.com グラジオラスの球根は直径3〜4cmほどで、平べったい小さな玉ねぎのような形をしています。玉ねぎの頭のように、とんがっている方を上にして、10cmくらいの深さで植えます。小さいので、今咲いている春の花々の間にも、キュキュッと簡単に植え込むことができます。プランターや鉢など、新たに用土を用意する場合には、市販の培養土を使い、球根の5cmくらい下になる位置に緩効性肥料をパラっとまいてから植えると、よく育ちます。置き場所は、日当たりと排水のよいところを選びましょう。日当たりさえよければ、ほとんど問題なく咲きますが、日照不足だと花芽がつかないことがあります。 rodimov/Shutterstock.com 植え付け後は水のやりすぎに注意 jackbolla/Shutterstock.com グラジオラスは多湿を嫌います。地植えの場合、植え付け直後にはたっぷり水をやり、その後は特に水やりをしなくてもOKです。鉢植えの場合は植え付け直後にたっぷりと、それ以降は土の表面がすっかり乾いてから水を与えるようにします。いつも湿っていると球根が腐ってしまうので注意しましょう。また、草丈が1m前後になるので、花茎が伸びてきたら支柱を立てたほうがよいでしょう。 大きなアレンジでも小さなアレンジでも楽しめます New Africa/Shutterstock.com グラジオラスは1球から2〜3本の花茎が上がります。たくさん咲いたら、切って室内に飾って楽しむのもいいですね。草丈の高いグラジオラスは、大きな花瓶に1〜2本でもゴージャスな雰囲気になります。大きすぎて飾りにくい時は、花の上の方を切って小さなアレンジにしても楽しめます。 Maya Kruchankova/Shutterstock.com 花後の葉を残せば2〜3年は楽しめる 花が終わった後は、葉を切り取らずに枯れるまでおいておけば、翌年以降も2〜3年は続けて夏に花を楽しむことができるでしょう。 グラジオラスはとても育てやすく、失敗が少ないので初心者におすすめです。また、春の花がたくさん咲いている今の時期の花壇でも作業ができるのがいいところ。夏以降の庭や花壇の計画がまだの人は、ぜひ取り入れてみてくださいね!
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樹木

サルスベリ(百日紅)に注目しているあなたへ! これを読んで栽培に挑戦しよう
サルスベリの基本情報 marigold-y/Shutterstock.com サルスベリは、ミソハギ科サルスベリ属の落葉高木で、原産地は中国南部。自然樹高で7mに達しますが、剪定によって樹高をコントロールできます。シンボルツリーにするなら3〜4mでキープするとよいでしょう。成長の速度はやや遅いほうです。 サルスベリの名前の由来は、幹肌の特徴からつけられました。成長するとツルツルとしたなめらかな質感で、サルが登ろうとしても手や足がかからずにすべってしまいそう、という理由から。「サルがすべる木」というわけで、「サルスベリ」なのです。漢字で書く「百日紅」は、開花期が長いことからつけられた名前です。初夏から秋までほぼ3カ月間、つまり100日間も咲き続けることにちなんでいます。 サルスベリの一年のライフサイクルは、以下の通りです。 ほかの樹種に比べて芽吹くのが遅く、4月下旬頃から新芽が動き出します。新芽が出揃ったら6月頃から花芽を形成し始め、7〜9月に開花。11月頃から葉を落とし始め、12〜4月中旬は休眠期となります。 近年の日本の酷暑の中にあっても、サルスベリは暑さに負けずに長期間、次から次へと開花し続けます。暑さを嫌って花数が少なくなる時期に、華やかにガーデンを彩ってくれるので、重宝する樹種です。花は、一つひとつは小さくて縮れていますが、これらがまとまって房状になり、豪華な咲き姿を見せてくれます。花色は赤、ピンク、白、ミックス咲きなどがあり、大変華やか。白花を選べば、夏の庭に涼しい雰囲気をもたらす効果がありそうです。 サルスベリの花言葉 steve estvanik/Shutterstock.com サルスベリの花言葉は、「雄弁」「愛嬌」「不用意」など。真夏も暑さに弱ることなく、枝先に花を密生させて堂々とした咲き姿を見せることから、「雄弁」という言葉が与えられたそうです。「愛嬌」や「不用意」は、「猿が滑るほどツルツルした幹肌だから」という名前の由来から生まれた花言葉とされています。 サルスベリの品種 PUGUN SJ/Shutterstock.com 一般に出回っているサルスベリの多くの品種は中高木性ですが、中には樹高を低く抑えた矮性品種もあります。中高木性の品種は庭植えに、矮性種は鉢植えに利用するとよいでしょう。矮性の品種には、枝が細かく分かれてこんもりとした樹形になり、ピンクの花を咲かせる‘ポコモック’、赤い花を咲かせる‘チカレッド’などがあります。矮性種は、樹形や性質が個性的なので、「サルスベリなのに、こんなに小さいの⁉」と目新しい驚きをもたらすポイントになりそうです。 中高木性でよく出回っているのは、濃い赤花をダイナミックに咲かせる‘カントリーレッド’、濃いピンクの花がたっぷり咲く‘タスカローラ’、愛らしいピンクの‘マスコギー’、白い花が涼しげに咲く‘ナチェ’、白と赤がミックスして咲く‘ペパーミントレース’などです。かつてのサルスベリはうどんこ病にかかりやすい特性がありましたが、近年は病気に強い品種も多く生まれ、育てやすくなっています。特に前述の‘タスカローラ’はうどんこ病に耐性のある品種。成長が早すぎず、やや細長い樹形になるので、庭に植えた時のバランスがいいのも長所です。 そして、最近ガーデナーの間で注目を集めているのが、アメリカで生まれた新品種、‘ブラックパール’です。なんと黒葉で、花が咲かない時期でもカラーリーフとして楽しめるんです! 花色は赤、ピンク、白から選べます。特に白花と黒葉のコントラストは美しく、ガーデンにインパクトを与える存在になりそう。樹高はやや低めで、コンパクトに維持しやすい特性があります。 サルスベリの育て方 サルスベリは夏の暑さに強く、放任してもよく育つので初心者でも育てやすい樹種です。ポイントは乾燥が苦手なので、真夏の乾燥期に水やりをして補うことと、毎年剪定をして樹形が乱れないようにコントロールすることです。ここでは、植え付けから管理のポイントまで、詳しく解説していきます。 栽培環境 zzz555zzz/Shutterstock.com 日当たり、風通しのよい環境を好みます。乾燥がやや苦手で、適度に水はけ・水もちのよい土壌づくりをすることが大切です。極端に乾燥する場所では、枝が伸び切らずに花が小さくなってしまうことがあります。乾燥対策として、根元をバークチップなどで覆うマルンチグを施しておくとよいでしょう。 耐寒性は弱いほうで、地植えして冬越しができるのは、おおよそ関東北部まで。東北以北では地植えして育成するのは難しいので、矮性種(樹高が低く抑えられた改良品種)を鉢栽培にして夏に開花を楽しみ、冬は室内で管理するのも一案です。 土づくり bluedog studio/Shutterstock.com 【庭植え】 まず一年を通して日当たり、風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に直径、深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた培養土を利用すると手軽です。 植え付け Monkey Business Images/Shutterstock.com サルスベリの植え付け適期は4〜5月か9月頃です。 【庭植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、樹高が高くならない矮性品種を選び、8〜10号鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 【庭植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は、水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がってすぐお湯になってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉が、ややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水やりを欠かさないように注意します。気温が上がっている昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって株が弱ってしまうので、朝夕2回、涼しい時間帯に行うことが大切です。 肥料 sasimoto/Shutterstock.com 庭植え、鉢植えともに、2月に寒肥として、堆肥や腐葉土などの有機質肥料を施します。鉢植えの場合、生育期に木に勢いがなく成長が止まっているようなら、速効性のある液体肥料を水やり代わりに与えるとよいでしょう。 剪定 mihalec/Shutterstock.com サルスベリは、春から伸びた枝先に花芽をつくる「新枝咲き」です。剪定の適期は3月頃で、花芽分化はそれから先の6〜8月なので、「花芽を切ってしまわないだろうか」という心配がありません。 剪定の際は、まず不要な枝からカットしていきます。株元に目を向けてみましょう。地際から枝が出ているものを「ひこばえ」といいます。このひこばえは、成長に不要な枝なので、元から切り取ります。次に、骨格となっている幹や主要な枝の途中から伸びている、樹形を乱すような不要な前年枝を、元から切ります。ヒゲのような細い枝も一緒に元からカットしましょう。 ここからが、樹高をキープする剪定です。一般に、新枝咲きの樹種は強く伸びた枝の先に大きな花を咲かせる傾向にあるため、すべての枝を切り戻す強剪定が基本となります。前年の枝を2、3節残して、深く切り戻しましょう。この強剪定を数年繰り返すと、だんだんこぶ状になってくるので、数年に1度はこぶの下まで切り戻して更新するとよいでしょう。ゴツゴツしていた木の姿がスッキリします。 もしくは、強剪定にせずに枝の間引きを中心とした、弱剪定にしてもかまいません。するとこぶのある幹肌ができず、自然な木姿を楽しめます。 強剪定にすると大きな花がたくさん咲いて、ダイナミックに咲き誇る姿を楽しめ、弱剪定にすると小さめの花ながら自然で趣のある樹形を保てる、と覚えておいてください。どちらの剪定法を選ぶかは、庭のスタイルや樹形の好みによって分かれるところです。 植え替え Nataly Studio/Shutterstock.com 【庭植え】 しっかり根付いて順調に生育していれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 鉢植えで楽しんでいる場合は、放置していると根詰まりしてくるので、2〜3年に1度を目安に植え替えましょう。植え替えの適期は3〜4月か9〜10月です。 植え替えの前に、水やりを控えて鉢内の土を乾燥させておきましょう。鉢から株を取り出し、根鉢を少しずつ崩していきます。不要な根を切り取り、1/3くらいまでを目安に根鉢を小さくしましょう。これ以上大きくしたくない場合は同じ鉢を用い、もう少し大きくしたい場合は2回りくらい大きな鉢を用意し、植え替えます。手順は「植え付け」の項目を参考にしてください。 増やし方 aniana/Shutterstock.com サルスベリは、挿し木や根伏せ・根ざし、種まきの方法で増やすことができます。 挿し木の適期は6〜8月頃です。春に伸びた若くて勢いのある枝を選んで切り取ります。市販の園芸用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した枝葉を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理を。発根したら黒ポットなどに植え替えて育成します。大きく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。 根伏せ・根ざしの適期は4〜8月頃です。株元に穴を掘って根を切り出し、10〜20cm切り取ります。培養土を黒ポットに入れて、採取した根を植え付けます。根伏せ・根ざしの場合も、採取した根のクローンになります。ただし、台木に品種を接いで育成した接木苗を入手した場合は、台木のクローンをつくることになるので、確認しておきましょう。 種まきの適期は5月頃です。前年の11月頃に実から種子を採取し、冷暗所などで保存しておいたものを用います。よく水洗いをしたのち、園芸用培養土にタネを播きます。発芽まで乾燥しないように管理し、成長とともに鉢増ししながら育成します。 サルスベリの注意すべき病害虫 Happy_Nati/Shutterstock.com サルスベリは、うどんこ病が発生しやすい特性がありますが、近年はうどん粉病に強い品種も増えています。うどん粉病の発生しやすい時期は成長期の春から秋で、発症すると葉に白い粉が吹いたような状態になり、生育が阻害されて樹勢が弱ります。風通しが悪いと発生しやすくなるので、枝が込み合っている部分は不要な枝を選んで元から切り取る間引き剪定をするとよいでしょう。うどんこ病の症状が現れたら、早めに適応する薬剤を散布して対処します。 害虫については、カイガラムシがつきやすいので注意を。枝の付け根などによくつくので、見つけやすい害虫です。カイガラムシの排泄物に菌が繁殖すると、すす病を発症する原因になるので、見つけ次第対処しましょう。やわらかめのブラシでこすってカイガラムシを取り除きます。 サルスベリの栽培に挑戦しよう Passakorn Umpornmaha/Shutterstock.com 夏の花を代表するサルスベリについて、これまで幅広くご紹介してきました。その特性や品種群、育て方など、ご理解いただけたでしょうか。サルスベリは寒さに弱い特性などがありますが、基本的にそれほど手がかからず、ビギナーでも育てやすい樹木です。シンボルツリーとして取り入れ、夏の庭を華やかに彩ってはいかがでしょうか。
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家庭菜園

プランターで野菜栽培を始めよう! 基本の育て方やおすすめ野菜をご紹介
プランター菜園の基礎知識 vaivirga/Shutterstock.com 「野菜を育てるには、庭や畑を持っていなければ無理だろう」と最初からあきらめている方も多いのではないでしょうか。でも、プランターでも栽培できる野菜の種類はたくさんあるんです! 容量が大きく土がたっぷり入るプランター、土、肥料、育てる野菜の苗、または種子を準備すればOK。日々の水やりや肥料の施し方、それぞれの野菜に応じた管理のテクニックなど、植物を育てる基本さえ押さえれば、プランター栽培でも野菜を収穫する喜びを味わえます。 プランターで野菜を育てるメリット 「どうしてわざわざプランターで野菜を栽培するの?」と疑問を感じる方もいるかもしれません。ここでは、プランターで野菜を栽培するメリットについてご紹介します。 天候や病害虫の被害を受けにくい yoshi0511/Shutterstock.com 畑や庭で野菜を栽培する場合、長雨や台風、また病虫害の大発生などによって被害を受けることがあります。しかし、プランターなら、雨や強風を避けるために移動して難を逃れることができます。またベランダなど生活の場のすぐ近くに置けば、病虫害が発生しても発見しやすく、早期に対処できるというメリットもあります。 気軽に野菜作りを楽しめる! Production Perig/Shutterstock.com ベランダやテラスなどにプランターを置けば、リビングからすぐに様子を確かめに行ける気軽さがあります。特に野菜の成長スピードは速く、植え付けから収穫まで頼もしく生育する姿を楽しめ、その生命力に癒やされるというメリットも。最終的には収穫して、手をかけて育ててきた野菜の新鮮なおいしさを味わう喜びも得られます。 プランター栽培の基本の野菜の育て方 ここでは、プランターで菜園づくりを楽しむための基礎知識を詳しく解説します。植え付けや種まきから、管理、収穫までの道すじがしっかりと見えてくるはずですよ! プランターを選ぶ kasarp studio/Shutterstock.com プランターには小型から大型まで、さまざまなサイズが揃いますが、育てる野菜に合わせて大きさを選ぶことが大切です。アサツキやラディッシュ、コマツナやホウレンソウなどの葉菜類は標準的なプランターでOK。ジャガイモやニンジン、カブ、ダイコンなどの根菜類は、深めで大型のサイズを選ぶようにしましょう。根菜類の場合は、プランターでも容易に栽培できるミニサイズの品種を選ぶことも大切です。トマト、ナス、ピーマンなどの果菜類は、深さが30cm以上ある、大型の10号鉢以上を選ぶとよいでしょう。鉢の素材は特に選びませんが、大型のプランターの場合は、軽くて移動がしやすいプラスチック製がおすすめです。 土を選ぶ Adamov_d/Shutterstock.com プランターで野菜を栽培する場合、野菜用にブレンドされた培養土を使うのが便利です。ただし、野菜によって好みの土壌酸度が異なるので、育てたい野菜に適したpH値のチェックは欠かさずに。必要な情報が培養土のパッケージに記載されているので、よく確認するとよいでしょう。連作障害が出やすい野菜も多いので、古土の使い回しはせず、新しい培養土を使うことが、成功への近道となります。 プランターを設置する ChiccoDodiFC/Shutterstock.com 野菜をプランターで栽培するなら、置き場所は日当たりと風通しのよいベランダやテラスが理想です。ただし、午前中のみ日が当たる東側のベランダでも、十分生育します。また、プランターにキャスターをかませておけば、日当たりや風通しのよい場所を求めて楽に移動することも可能です。ベランダや屋上の床にプランターを直置きすると、床からの熱の影響を受けやすいので、脚やプランタースタンドの上に置くとよいでしょう。 種子を播いたり苗を植える Kimichan/Shutterstock.com 野菜の種類によっては、苗の植え付けからスタートしたほうがよいもの、種まきから始める必要があるものなど、さまざまです。特に根菜類は、生育の途中で移植すると根が変形したり、生育が止まったりする場合があるので、種まきからスタートするのが鉄則。葉菜類は、種まきして間引きながら育てるのが基本です。果菜類は、種まきからスタートすることも可能ですが、温度管理などの手間がかかるので、苗の植え付けから始めるのが一般的。植え付けや種まきの適期は、野菜の種類によって異なるので、必ずチェックしておきましょう。プランター栽培では、植え付け後の水やりを忘れずに。特に乾燥しやすい夏は、朝夕の水やりを欠かさず行ってください。 防虫害対策を行う Itsanan/Shutterstock.com 野菜には、病虫害の発生がつきものです。でも、せっかく自分で育てるのですから、薬剤を使うのは避けたいですね。そこで、防虫ネットを張って物理的に虫が侵入するのを防ぐ方法がおすすめ。しなるタイプの支柱をアーチ状にプランターに2本以上セットして防虫ネットを張り、洗濯バサミで閉じればOK。特に幼苗期と、葉物野菜には効果的です。病気に関しては、こまめに茎葉の状態をチェックして風通しよく管理していれば、大発生するようなことはほとんどありません。 プランター菜園におすすめの野菜 大型のプランターを用意すれば、育てられる野菜はたくさんありますよ! その中でもおすすめの野菜を、葉菜類、果菜類、根菜類からバランスよく選び、プランターでの栽培方法を詳しく解説します。 コマツナ kariphoto/Shutterstock.com アブラナ科の葉菜類で、栽培しやすい野菜の代表。栽培できる期間も長く、種まきの適期は3〜10月です。プランターは標準〜大型を用意。野菜用の培養土を用い、10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を約20g混ぜた土に、20cm間隔で深さ1cmほどの溝をつけ、種子を約1cm間隔で条まき(すじまき)にします。両側から土を寄せて覆い、軽く押さえたら、はす口をつけたジョウロで水をやりましょう。発芽して本葉1〜2枚がついたら3〜4cm間隔に間引き、本葉3〜4枚がつくまでに最終株間が5〜6cmになるように間引きます。間引いた葉はサラダや味噌汁などに利用できますよ! 草丈が20cm程度になったら収穫を。虫が発生しやすい時期は、支柱をアーチ状にかけて防虫ネットで覆っておくと防除効果があります。 ベビーリーフ CL Shebley/Shutterstock.com ベビーリーフとは、発芽して10〜30日くらいまでの若い葉の総称で、特定の野菜を指すものではありません。スーパーや青果店でベビーリーフと称して、さまざまな葉物野菜がミックスされて売られているのを見ることも多いのではないでしょうか。じつは「ベビーリーフ」用に7〜10種ほどがミックスされた種子が販売されているんです! メーカーによって異なりますが、レタスやルッコラ、チコリ、マスタードなど、色みや風味のよい葉物野菜が入っています。育て方は初心者でもカンタン! プランターに野菜用の培養土を入れて、種子をランダムに播き、あとは水やりをするだけです。双葉、本葉3枚、本葉5枚のタイミングで間引きながら収穫を。もちろん間引き菜はサラダなどに利用できますよ! 株間が10cmほどあいたら、間引きをやめて、外葉からかきとり収穫をすると、長く楽しめます。 ダイコン homi/Shutterstock.com アブラナ科の根菜類。原産地は地中海沿岸で、日本では古くから栽培され、さまざまな地方品種が生まれています。プランター栽培に向くのは、15〜20cmのミニダイコンです。根菜類は移植ができないため、種まきから育てます。種まきの適期は4月中旬〜5月中旬か、8月下旬〜9月。プランターは大型を用意。野菜用の培養土を用い、10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を約10g混ぜた土に、深さ1cmほどのくぼみを約15cm間隔でつけて、種子を5粒ずつ点まきにします。土を寄せて覆い、軽く押さえてから、はす口をつけたジョウロで水を与えましょう。発芽したら2本ずつ間引いて3本残し、本葉が3〜4枚ついたら1本ずつ間引いて2本残し、本葉が5〜6枚ついたら間引いて1本のみ残します。間引き菜はサラダや味噌汁などに。2回目と3回目の間引きの際に、約10gの化成肥料をばらまいて土寄せしておきましょう。葉が外側に倒れてきたら、抜き取って収穫します。 カブ julie deshaies/Shutterstock.com アブラナ科の根菜類で、原産地は地中海沿岸。プランター栽培に向くのは、直径5〜6cmの小カブです。根菜類は移植ができないため、種まきから育成します。種まきの適期は3月下旬〜5月か、9〜10月上旬。プランターは標準〜大型を用意。野菜用の培養土を用い、10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を約10g混ぜた土に、10〜15cm間隔で深さ1cmほどの溝をつけ、種子を約1cm間隔で条まきにします。両側から土を寄せて覆い、軽く押さえてから、はす口をつけたジョウロで水を与えましょう。発芽後、本葉が1枚ついたら3〜4cm間隔、本葉が3〜5枚ついたら5〜6cm間隔、本葉が5〜6枚ついたら10〜12cm間隔に間引きます。間引き菜は捨てずにサラダや味噌汁などに。2回目と3回目の間引きの際に、約10gの化成肥料をばらまいて土寄せしておきましょう。小カブが頭をのぞかせ、直径5cmほどになったら、抜き取って収穫します。 ホウレンソウ Hong Vo/Shutterstock.com アカザ科の葉菜類で、原産地は中央アジア。種まき適期は3〜5月中旬、9月〜11月上旬です。プランターは標準型を用意。野菜用の培養土を用い、10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を約20g混ぜた土に、15〜20cm間隔で深さ1cmほどの溝をつけ、種子を約1cm間隔で条まきにします。両側から土を寄せて覆い、軽く押さえたら、はす口をつけたジョウロで水を与えましょう。発芽して本葉1〜2枚がついたら3〜4cm間隔に間引き、本葉3〜4枚がつくまでに最終株間が5〜6cmになるように間引きます。間引いた葉は、サラダや味噌汁などに利用できますよ! 発芽後は10日に1度を目安に液体肥料を与えて育てます。草丈が20〜25cm程度になったら収穫を。虫が発生しやすい時期は、支柱をアーチ状に立てて防虫ネットで覆っておくと防除効果があります。 トマト&ミニトマト Agenturfotografin/Shutterstock.com ナス科の果菜類で、原産地は南米のアンデス高地です。10号鉢に1株が植え付けの目安で、ビギナーにはミニトマトのほうが栽培しやすいでしょう。植え付けの適期は4月下旬〜5月上旬。野菜用の培養土に苗を植え付けます。3本の支柱を鉢の縁に立て、上部を合わせてひもで結び、苗の成長とともに支柱に誘引していきましょう。脇芽は全てかき取り、一番花が咲いたら人工授粉をして確実に結実させるようにします。第1果の果房がピンポン玉くらいの大きさになったら、化成肥料を約10g追肥。さらに成長して第3果房の果実がピンポン玉くらいになったら、同様の追肥をします。果実が熟した順に、収穫していきましょう。 ニンジン PKBluemoon/Shutterstock.com セリ科の根菜類で、原産地は中央アジア。プランターでの栽培に向くのは、ミニニンジンです。根菜類は移植ができないため、種まきから育てます。種まきの適期は3月下旬〜5月か、7月中旬〜9月上旬。プランターは標準〜大型を用意。野菜用の培養土を用い、10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を約10g混ぜた土に、10〜15cm間隔で深さ1cmほどの溝をつけ、種子を約1cm間隔で条まきにします。両側から土を寄せて覆い、軽く押さえてから、はす口をつけたジョウロで水を与えましょう。発芽後は約3cm間隔に間引き、その2週間後には5〜6cm間隔に間引きます。間引き菜は味噌汁の具やサラダに利用しましょう。2回目の間引きの2週間後を目安に、約10gの化成肥料をばらまいて土寄せし、その後は生育の状況を見て株に勢いがないようであれば追肥します。種まきから11〜12週間を目安に、抜き取って収穫します。 ワケギ&アサツキ Tim UR/Shutterstock.com いずれもネギ科の葉菜類で、プランターで最も簡単に育てられる野菜といえるかもしれません。プランターは容量10ℓ程度の標準的なサイズでOK。植え付けの適期は8月下旬〜9月下旬です。野菜用の培養土を用い、10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を約10g混ぜた土に、10〜15cmの間隔を取って、球根を2〜3球ずつ植え付けます。草丈が10cm程度に育ったら、化成肥料を10gほど追肥して、土寄せしましょう。草丈が20cmほどに伸びたら収穫適期です。3cmほど残して地際で刈り取ると、再び葉を伸ばして何度か収穫を繰り返すことができます。 プランターで野菜を育てる楽しみを味わってみよう vaivirga/Shutterstock.com 野菜のプランター栽培は、初心者でも十分に楽しめます。特にここで取り上げた野菜は初心者向けのものばかりですから、失敗も少ないはず。ぜひ、お伝えした情報を参考に、ベランダやテラス、屋上などで野菜を育ててみてください。収穫の喜びや、食卓にのぼる新鮮な野菜の醍醐味が味わえますよ。
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樹木

ルリマツリ(プルンバゴ)はどんな植物? 特徴や育て方についてご紹介
ルリマツリの特徴について AliaksaB/Shutterstock.com ルリマツリは、イソマツ科ルリマツリ属(プルンバゴ属)の常緑性低木です。原産地は南アフリカで、熱帯性の花木のため、暑さには強い性質をもっています。一方で、寒さにはやや弱い傾向がありますが、0℃以下にならない暖地では戸外でも越冬可能です。 ルリマツリが咲く時期 AlicanA/Shutterstock.com ルリマツリのライフサイクルは、以下の通りです。4月頃から新梢が動き始め、植え付けの適期は、霜が降りる心配のなくなった5〜6月頃。旺盛に生育し、6〜10月まで長い期間にわたって開花し続けます。寒くなる11月下旬頃になると生育が止まりますが、越年して翌春にはまた新梢を出すというサイクル。生命力旺盛で、一度根付けば毎年開花してくれる、息の長い植物です。花が少なくなる真夏にも暑さに負けることなく次々とつぼみを上げて咲き、庭に華やぎをもたらしてくれます。 ルリマツリの見た目 Tanya rusa/Shutterstock.com ルリマツリの樹高は0.3〜3mくらい。放任すると大きく育って庭のスペースを占領しますが、剪定によって樹高をコントロールすることができ、小さく仕立てることもできます。生育期間ならどこで切ってもかまわないので、仕立てやすい花木です。半つる性で、他者に絡みながら這うようにこんもりと茂りますが、自立させることもできます。 花色は清涼感のあるブルーが最もポピュラーですが、淡い紫色や白色もあります。花のサイズは径2cmほどで、5弁の花びらからなる小さな花が、頂部に房状にかたまってドーム状に咲くので、大変華やかです。花つきもよく、ブルーの花がたっぷりと咲くので、夏の庭に爽やかな雰囲気をもたらしてくれます。 葉は明るいグリーンで、ヘラのように先端が丸く細長い形が特徴。やわらかな質感で、花をよく引き立てます。 ルリマツリの代表的な種類 mizy/Shutterstock.com ルリマツリが属すプルンバゴの仲間は、熱帯地域を中心に約20種類が分布するとされています。ルリマツリの学名は、プルンバゴ・オーリキュラタ(Plumbago Auriculata)で、日本でルリマツリとして流通しているのは、アフリカ原産のオーリキュラタ種です。 ルリマツリの園芸品種には、清楚な雰囲気を持つ白花 ‘アルバ’、従来のルリマツリよりも濃いブルーに品種改良された‘インペリアル・ブルー’などがあります。 夏の涼しさを演出!花をたくさん咲かせよう Adisa/Shutterstock.com 爽やかなブルーや白などの花を咲かせるルリマツリは、サマーガーデンに涼を呼ぶ植物として重宝します。半つる性なので、フェンスに誘引して横に広げる仕立て方もおすすめ。つる植物ほど自由に伸びることはありませんが、アーチやパーゴラの足元から頂上部へ向けて誘引し、縦の空間に向かってダイナミックに仕立てることもできます。またはポールの頂部まで枝を誘引し、頂部から四方へ枝葉をしならせるスタンダード仕立てにしてもよいでしょう。 半つる性の低木の特性を生かし、樹高の高いシンボルツリーと、宿根草や一年草などの草花の間をつなぐ役割として華やかに演出しても素敵です。高木の株元はぽっかり空いてしまいがちなので、その空間を補うように植栽するとよいでしょう。 庭のスペースが限られているなら、小まめに剪定をして樹高を低く抑えることもできます。「剪定といっても、切っていい枝、切ってはいけない枝があって難しいのでは?」とビギナーさんならイメージしがちでしょうが、心配ご無用。ルリマツリは生命力旺盛なので、生育期であればどこで切ってもOK。深めに切り戻してコンパクトに仕立てることができます。 このように、ルリマツリはダイナミックにも、小さくも、好みに合わせて仕立てることができる、汎用性の高い植物です。 ルリマツリの名前の由来と花言葉 ルリマツリは、「瑠璃色のマツリカ」という意味で名付けられました。学名の「プルンバゴ」の名前で流通することも多く、「アオマツリ」の別名も持っています。 ルリマツリの花言葉は、「いつも明るい」「同情」「ひそかな情熱」など。開花期が長く、花つきもよいことから「いつも明るい」、長い開花によって心を寄せてくれる様子を「同情」と表現したのでしょうか。「ひそかな情熱」は、開花後にガクから粘液を出し、動物にくっついて種子を広範囲にばらまく、繁殖戦略を表しているとされています。 ルリマツリの育て方 ここまで、ルリマツリのプロフィールや特性、種類や花言葉などについてご紹介してきました。さて、ここからは庭での育て方をじっくりと解説。栽培環境、植え付け、日頃の管理の仕方、病害虫対策、剪定、増やし方など、一つひとつの項目を深く掘り下げていきます。最後まで読み終えたら、栽培テクニックが把握できるはずですよ! 栽培環境 Brett Hondow/Shutterstock.com 日当たり、風通しのよい環境を好みます。日当たりが悪い場所では、花つきが悪くなってしまうのでご注意を。水はけ・水もちのよい肥沃な土壌を好み、粘土質などの極度に水はけの悪い土地では土壌改良が必要です。盛り土をして水はけをよくし、腐葉土や堆肥などをすき込んでおくとよいでしょう。 暖地性で暑さには大変強く、寒さにも比較的耐えます。関東以西では越冬しますが、本来は常緑樹ながら寒さで葉を全て落とすことも。枯れたと判断してすぐには処分せずに、翌春の生育期まで様子を見守ってください。生育期になれば新葉を展開することが多いようです。0℃以下になる地域では、寒くなる前に鉢上げして越冬させるのが無難です。 また、半つる性の植物で自立はしますが、棚やフェンス、ポールなどに沿わせて仕立てるのがおすすめです。旺盛に枝葉を伸ばすので広めのスペースを取り、植え付ける場所に応じて、枝を支えるための園芸資材を準備しておくとよいでしょう。 土づくり funnyangel/Shutterstock.com 【庭植え】 まず一年を通して日当たり、風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた、培養土を利用すると手軽です。 植え付け wavebreakmedia/Shutterstock.com ルリマツリの植え付け適期は5〜6月です。 【庭植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。枝が伸びていれば、フェンスや棚など、伸ばしたい方向へ誘引しておきます。最後にたっぷりと水をやります。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、8〜10号鉢を準備し、枝を支えるための支柱も揃えます。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下までを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内や根の間にしっかり入るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。支柱を設置してつるを誘引したのち、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 水やり cam3957/Shutterstock.com 【庭植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は、水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。新梢がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は生育が止まるので、控えめにして乾燥気味に管理します。 追肥 Criniger kolio/Shutterstock.com 【庭植え】 生育期の4〜9月に、木の状態を見て勢いがなくなっているようなら、緩効性化成肥料を株周りにまいて土に混ぜ込みます。 【鉢植え】 4〜10月に、緩効性化成肥料を1〜2カ月に1回ほどを目安に施しましょう。開花期間中は、液肥に切り替えるのもおすすめです。開花を促すリン酸分が多めに配合された液肥を選び、10日に1回を目安に与えると、次々に花を咲かせてくれます。 花がら摘み Wachiraphorn Thongya/Shutterstock.com ルリマツリは次から次へと花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。花茎を伸ばした頂部に花を咲かせるので、花茎の付け根からカットします。まめに花がらを摘んで株周りを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、タネをつけようとして株が消耗し、花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けます。 剪定 mihalec/Shutterstock.com 生育期ならいつ剪定をしてもかまいません。枝が旺盛に伸びて樹形が乱れやすいので、込み合っている部分があれば、そのつど切り取って風通しをよくします。絡んでいる枝や内向きに向かって伸びる枝などは、付け根から切り取るとよいでしょう。比較的強く切り戻しても、樹勢が強いので再び盛り返して開花します。 植え替え Nataly Studio/Shutterstock.com 【庭植え】 0℃以下にならない地域で、しっかり根づいて順調に生育していれば、植え替えの必要はありません。寒冷地では寒くなる前に掘り上げて鉢に植え替え、暖かい場所に移動して冬越しさせましょう。 【鉢植え】 鉢植えで楽しんでいる場合は、放置していると根詰まりしてくるので、1〜2年に1回を目安に植え替えましょう。植え替えの適期は5〜6月です。 植え替えの前に、水やりを控えて鉢内の土を乾燥させておきましょう。鉢から株を取り出し、根鉢を少しずつ崩していきます。不要な根を切り取り、1/3くらいまでを目安に根鉢を小さくしましょう。これ以上大きくしたくない場合は同じ鉢を用い、もう少し大きくしたい場合は2回りくらい大きな鉢を用意し、植え替えます。手順は「植え付け」の項目を参考にしてください。 病気や害虫など注意点 Decha Thapanya/Shutterstock.com 大変強健な性質で、病気の心配はほとんどありません。 害虫は、カイガラムシやハダニが発生することがあります。カイガラムシは見つけ次第、ハブラシなどでこすり落として退治しましょう。ハダニは乾燥すると発生し、水に弱い性質があるので、葉裏など発生箇所に勢いよく水をかけると効果があります。適応する薬剤を散布して防除してもよいでしょう。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com ルリマツリは、挿し木で増やすことができます。挿し木の適期は5〜9月頃。若くて勢いのある新梢を選び、7〜8cmの長さで切り取ります。市販の園芸用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した枝を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理しましょう。発根した根が充実したら、黒ポットなどに植え替えて育成します。大きく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。 育てやすいルリマツリの栽培にチャレンジしてみよう! Dou_Fa/Shutterstock.com 半つる性の花木に分類されるルリマツリは、ダイナミックに大きく仕立てても、まめに剪定して小づくりに仕立てても美しくまとまるので、目的に合わせて自由に仕立てられる汎用性の高さが魅力です。育てやすく、また増やしやすい生命力旺盛な面もあり、ビギナーにもおすすめ。ぜひルリマツリを庭に取り入れて、涼感あふれるシーンを演出してはいかがでしょうか。
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一年草

フウセンカズラで夏の節電対策! 緑のカーテンを育てよう
フウセンカズラの基本情報 pisitpong2017Y/shutterstock.com 植物名:フウセンカズラ学名:Cardiospermum halicacabum英名:Baloon vine、Heart pea vine和名:フウセンカズラ(風船葛)その他の名前:ハートカズラ科名:ムクロジ科属名:フウセンカズラ属原産地:北アメリカ南部分類:一年草 風船状にふくらんだ淡緑色の果実が美しいフウセンカズラ(Cardiospermum halicacabum)は、ムクロジ科フウセンカズラ属のつる性植物。十数種がアメリカ大陸を中心とする熱帯に分布しています。 ムクロジ科の植物は、その果皮にサポニンを含むものが多く、魚毒や石鹸として使われてきました。日本では食用ではなく、観賞用として普及しています。インドなど一部の地域では薬や野菜として口にされることもありますが、作用が強く毒性と判断されることも多いので、食べることは避けましょう。なお、熱帯や亜熱帯で果物として食用にされるレイシやリュウガン、ランブータンなども同じ科になります。 木本が多いムクロジ科の中で、フウセンカズラは少数派の草本植物。熱帯では多年草として生育していますが、寒さに弱いため日本では一年草として扱われています。 フウセンカズラは育てやすいため、初心者にも人気の植物です。開花期も比較的長いので、独特な花や実、種をじっくりと楽しめるでしょう。 フウセンカズラの花や葉の特徴 pimchawee/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:7~9月草丈:1~3m耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:白色 長さ数メートルにも伸びる茎に、モミジのような深い切れ込みのある柔らかな葉。その葉の付け根から出る細長い茎の先には、数ミリほどの小さい花と細い巻きひげがついています。このひげで他のものに絡みついて、よじ登りながら成長していくのです。7月頃になると、4枚花弁の3mmほどの小花が咲き始めます。花が終わると、子房の膜が膨らみ始めて、直径3cmほどの中空の実に。ぷっくりと膨らんだ実が風に揺れる様子から、和名は「フウセンカズラ」、英名では「Balloon Vine」と呼ばれています。また、「Heart Pea」「Heart Seed Vine」などもフウセンカズラの別名です。 熟すと真っ黒になる種子。実にくっついていた部分が白くハート形に残ります。wasanajai, RealityImages/Shutterstock.com 風船のような実の中から現れる3粒の種子は、黒熟した腹面に白いハート形が。フウセンカズラの属名である「Cardiospermum」は、種子の特徴にちなんでギリシア語の「cardia(心臓)」と「sperma(種子)」から名づけられています。 フウセンカズラの花や葉の特徴を、上手に生かした栽培法を「あんどん仕立て」と呼びます。鉢に植え、つるを支柱に絡ませて育てると、実がつく頃には行灯(あんどん)のような、風情のある佇まいの鉢植えになるでしょう。また、支柱にうまくつるを絡ませれば、日差しをさえぎるグリーンカーテンも作れます。幅広い飾り方で家を彩るフウセンカズラは、日本でも人気の高い草花です。 フウセンカズラの名前の由来と花言葉 フウセンカズラの花。細い巻きひげで、周囲のものに絡みつきます。NOPPHARAT789/Shutterstock.com フウセンカズラ(風船葛)の名前は、風船のように空気で膨らんだような見た目の実をつけることが由来です。なお、「葛(かずら)」はつる植物を指します。また、花言葉は、「一緒に飛びたい」。風船のような実の見た目にふさわしい、軽やかで可愛らしい花言葉ですね。名前や花言葉に、花ではなく実の特徴が反映されているのは、独特な形の実のほうが、よりインパクトが大きいためでしょう。 フウセンカズラだけじゃない。ぷっくり膨らむ実を愛でる植物たち。 フウセンカズラの蒴果。3室のそれぞれに一粒ずつ種子が入っています。Cromo Digital/Shutterstock.com 花後につく実の形状がユニークな植物は、開花期よりも実をつけた状態で切り花やドライフラワーとして楽しまれます。なかには、フウセンカズラのように膨らんだ実をつけるものもあります。代表的なものをあげてみましょう。 ニゲラ jessicahyde/Shutterstock.com キンポウゲ科・クロタネソウ属のニゲラ(Nigella)。薄紫やピンク、白などの花も美しいですが、花後に膨らむ果実はドライフラワーにしても楽しめます。 ホオズキ Mariola Anna S/Shutterstock.com 日本原産のホオズキ(鬼灯、鬼燈、酸漿)はナス科の一年草。萼(がく)の部分が果実を包んで袋状になります。 フウセントウワタ Doikanoy/Shutterstock.com 怒ったときのハリセンボンのようなトゲつきの実をつけるのは、アフリカ原産のガガイモ科(キョウチクトウ科)の一年草、フウセントウワタです。切り口から出る白い汁は毒性があるので注意を。 フウセンカズラの栽培12カ月カレンダー 開花時期:7〜9月植え付け・植え替え:5月中旬〜6月中旬肥料:5〜9月種まき 4月中旬頃 グリーンカーテンやあんどん仕立てなどのために、つるを誘引したい場合は、本葉が5~7枚生える頃を目安にしましょう。 フウセンカズラの栽培環境 小さな鉢植えをハンギングしてグリーンカーテンにするアイデア植栽。 日当たり・置き場所 フウセンカズラは日当たりのよい環境を好みます。土は水はけがよく、栄養豊富なものがいいでしょう。基本的には、草花向けの培養土がおすすめです。また、鉢植え・地植えどちらでも育てられるので、ライフスタイルに合わせて栽培法を選びましょう。なお、あんどん仕立てにしたいなら、鉢植えでの栽培がおすすめです。グリーンカーテンに育てたい場合は、グリーンカーテンを作りたい場所に種や苗を植えましょう。土や鉢植えの選び方は、後ほど詳しく解説します。 耐寒性・耐暑性 フウセンカズラは暑さに強い植物です。夏場でも直射日光のもとで、たっぷりと日差しを浴びさせましょう。なお、フウセンカズラは一年草のため、冬越しの必要はありません。 フウセンカズラの育て方のポイント Tamotsu Ito/Shutterstock.com 用土 地植えにする場合、掘り起こした土に完熟堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕すとよいでしょう。鉢植えの場合は、水はけがよく、通気性のある土が適しています。 市販の草花用培養土を利用するか、赤玉土6:腐葉土4で土を配合するのもよいでしょう。 水やり 暑い季節が成長期にあたるため、梅雨時期を除いては、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりを。鉢植えやプランター植えの場合は、鉢底から水が出てくるまで十分に与えます。夏場は、日中に水やりをすると蒸れてしまうので、朝や夕方など涼しい時間に与えます。緑のカーテンとして植えるような直射日光が当たる場所では、吸水がより活発になるので、早朝と夕方、1日2回与えるくらいの頻度がよいでしょう。 肥料 肥料を多く欲しがるので、土壌や用土には、元肥として緩効性化成肥料を混ぜておきましょう。ただし、チッ素分の与えすぎは葉だけが茂り果実を落とす原因に。追肥には、リン酸分とカリ分が多めの緩効性肥料を置き肥にするか、1~2週間に1度液体肥料を施すとよいでしょう。 注意する病害虫 病害虫の心配はほとんどありませんが、高温・乾燥下の環境ではハダニが発生することがあります。葉のツヤがなくなり、茶色くなって枯れてしまうのはハダニが増殖している合図。ハダニがつきやすい葉の裏側に、こまめに散水すると予防になりますが、変色した葉が多くなったら殺ダニ剤を散布して駆除しましょう。 フウセンカズラの詳しい育て方 pisitpong2017/Shutterstock.com 苗の選び方 苗はつるや葉が変色していないものを選びましょう。つるばかりが伸びているものや、虫食い跡があるものは避けたほうが無難です。 植え付け・植え替え フウセンカズラは移植を嫌うため、種を直まきしない場合は移植ポットで発芽させてから植え付けます。発芽させたフウセンカズラや市販の苗を植え付ける時期は、5月中旬~6月中旬が目安です。 ↓用土のところと被る原稿がここに入っていたのですが、用土に移動する?by倉重 水はけ・通気性に優れた栄養豊富な土壌を好むため、赤玉土と腐葉を6:4で配合するか、市販の草花用培養土を使ってもよいでしょう。なお、直まきする場合は、土壌を深さ30cm程度耕し、腐葉土や完熟堆肥をすきこんでおきます。 植え付けや植え替えの際は、地植え・鉢植えともに、株間が20~30cmになるように植え付けます。また、鉢やプランターで育てるときは、十分な深さがあるタイプを用意しましょう。 フウセンカズラは、植え付けてから1~2カ月で早くも開花時期を迎えます。つるを思い通りの場所に誘引したいなら、つるを絡めるためのネットや支柱を早めに用意しておくことも重要です。 日常のお手入れ 本葉が5~7枚展開したタイミングで、茎の先端を摘み取る摘心を行うと、脇芽が伸びてボリュームのある株に育ちます。脇目が伸びてきたら、適宜その先端を摘心すれば、枝葉が広がり美しいカーテンに。アサガオのように茎自体がくるくると巻きついて登っていくのとは違い、フウセンカズラは細い“巻きひげ”が絡みついてよじ登るスタイル。そのため支柱やフェンスなど棒状のものにそのまま絡みつくのは苦手です。ネットを張るか、柵やトレリスなどには、棒と棒の間に麻ひもなどを渡すと巻きひげが絡みやすくなります。行灯仕立ても同様に、支柱と支柱の間にネットや紐を張るときれいに仕上がります。軒下などにネットを吊すときは、フウセンカズラの背面にネットを張るように。伸ばしたい方向に茎を誘引するのもよいでしょう。 種まき 左/種まき前にしっかりと吸水。一昼夜以上水につけておくと、少し大きくなります。右/フウセンカズラの発芽。関東以西なら5月の中旬~6月が種まきの適期です。 フウセンカズラの発芽適温は20~25℃。種まき時期は、関東以西であれば5月の連休以降が種まきの適期です。「八重桜が咲く頃」と覚えておくと分かりやすいでしょう。 フウセンカズラは移植を嫌うので、種を直まきするか、移植ポットを用いて発芽させるのがおすすめです。種子は吸水しにくい硬実のため、刃物やヤスリなどで表面に傷をつけ、一晩水につけておくと発芽が揃いやすくなります。 増やし方 wanida tubtawee/Shutterstock.com 暑さの盛りを迎えると、緑色だった実が茶色く色づいてきます。1つの実に3つ入っている種子も緑色から真っ黒に熟し、収穫のタイミングです。9月に入ると葉が落ち始めるので、ネットをはずして撤去するとともに、来年用の種子を採取しておきましょう。大きく成長した株からは200個以上の種子が採れることも。白いハート模様の真っ黒な硬い種子は、かなり個性的。クラフト素材にしたり、瓶に詰めて飾ったりすると、とても可愛いですよ。 岐阜県飛騨地方の民芸品「さるぼぼ」を真似て。great-i / PIXTA アイロンビーズと園芸用のワイヤーを合わせて小さな猿を工作。 つるを生かしてそのまま輪っかに。ベースに巻きつけて緑のリースにしても素敵! ゾウ / PIXTA(ピクスタ) 春まきのつる性植物で省エネ対策の「グリーンカーテン」を Shirosuna_m/Shutterstock.com 夏の強い日差しを遮るように、壁面や窓の外側に張ったネットに、つる性の植物を這わせてつくる天然の日除け、いわゆる“緑のカーテン(グリーンカーテン)”。その効果は、日陰をつくってくれるだけでなく、「建物に熱を蓄積させない」「蒸散により葉から空中に放出された水分が周囲の熱を下げ、涼風を室内に運ぶ」など。自然の力を利用した夏の省エネ対策です。 ●緑のカーテンの詳しい記事はこちら 酷暑に備えて早めの準備! 緑のカーテンを目指した栽培計画 伸びた枝の先端を摘まんでおくと、下にある脇芽が伸びてきます。NOPPHARAT789/Shutterstock.com 夏場に成長が旺盛になるつる性の植物であれば、たいていのものは“緑のカーテン”に利用できます。花を楽しむのであれば、アサガオやユウガオ、トケイソウ、ルコウソウ、ツンベルギアなど。収穫も楽しみたいのであれば、ゴーヤやヘチマ、オカワカメ、ツルムラサキなどがよいでしょう。細い茎、淡い葉色のフウセンカズラでつくったカーテンは、やや繊細なイメージですが、ゴーヤやヘチマのように重い実がなる植物に比べて、ネットや留め具にかかる負担も少なく、初めて挑戦する人にもおすすめです。 フウセンカズラで涼を呼び込むガーデニングを wasanajai/Shutterstock.com 酷暑ともいえる日本の夏にも負けないで、すくすくと伸びるフウセンカズラ。その丈夫さとは裏腹に、ほっそりとした草姿に可愛らしい実をつける様がなんとも涼し気です。緑のカーテンに、行灯仕立てにと、アレンジの幅があるのも魅力。自家採種で毎年更新できるので、育ててみてはいかがでしょう。
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ガーデニング

【危険】毒針を飛ばす毛虫チャドクガの発生時期!被害回避の対策方法を解説
庭木や生け垣のケムシにご用心 集団行動中のチャドクガの幼虫。 新葉が美しいこの季節、庭の生け垣や庭木の葉の上に黒い点々が落ちていたり、食害された葉があったり、ケムシが固まってくっついていたら要注意! もしかしたら、チャドクガの幼虫かもしれません。 チャドクガは、庭木としてよく植えられるツバキ類の葉に発生するポピュラーな害虫です。幼虫は葉を食害するため、植物にも被害があるのですが、他の害虫に比べても厄介なのがその毒針毛。これに触れるとひどい発疹が出て、痛みやかゆみを感じます。さらにケムシのときだけでなく、卵、脱皮後の抜け殻、成虫の体にも毒針毛があり、死骸であっても症状を引き起こすことに加え、チャドクガのいる木の下を通っただけで、飛散した毒針毛によって発症することも。植物を守るだけでなく、自分や家族を守るためにも、できるだけ早期に対処したいところです。 チャドクガとは traction/Shutterstock.com チャドクガは日本の代表的な毒蛾の一種で、目に見える体毛のほかに0.1mmほどの毒針毛をもち、この毒針毛が触れたり飛散したりして皮膚に付くと、炎症を起こして痛みやかゆみを感じます。チャドクガはハチのように積極的に刺しにくることはありませんが、この毒針毛は抜けやすいので風や衝撃などをきっかけに飛散し、さらに服や皮膚につくと抜けにくいという厄介な構造。非常に細かいので、長袖でも隙間から入り込むことがあります。成虫にも毒針毛が付着していて、また卵塊は成虫の体毛に覆われているので、幼虫の時期だけでなく一年を通して注意が必要です。 ガーデニングで害虫とされるのはチャドクガの幼虫で、主にツバキやサザンカ、チャノキといったツバキ類の葉について食害します。 ふわふわの毛で覆われたチャドクガの成虫と卵塊。 チャドクガの発生シーズンは年2回 葉の上の黒い点々はチャドクガの幼虫のサインかも。 チャドクガの幼虫の発生シーズンは、4月中旬~6月、7月下旬~9月の年2回。チャドクガは葉裏に卵塊を産ぬ付け、ふ化した後しばらくは葉裏に集団でかたまっていますが、数週間で分散して行動するようになり、その後成熟すると地面に下りて土の中で蛹になります。 発生初期の幼虫は葉裏で群れているので、このときがチャドクガを一網打尽にするチャンスです。分散して行動するようになってからでは効率的に対処することは難しくなります。レースのように穴だらけになった葉や、葉の上に黒い点々が散乱しているのを見つけたら、チャドクガの幼虫がいる可能性があります。毒針毛に注意しながら周辺の葉裏を確認してみましょう。チャドクガの幼虫は、見つけ次第捕殺します。 チャドクガの対処方法と注意点 前述のように、チャドクガ対策は発生初期にまとめて捕殺してしまうのが一番効率的。大きくなると単独行動になって広がる上、食べる量も増えてしまいます。ふ化直後の葉裏に群生している段階で、葉ごと剪定してポリ袋などで密封し、処分しましょう。その際、毒針毛に触らないよう、雨具や使い捨てのポリ袋などを着用して作業すると安心です。夏と冬に葉裏に産み付けられた卵塊のうちに対処してしまうとよりよいですが、見つけるのはなかなか難しいです。薬剤を用いて駆除する場合は、スミチオンやマラソン乳剤などが有効。スプレー式殺虫剤も多く市販されているので、必要に応じて薬剤を活用するのもよいでしょう。チャドクガの毒針毛は幼虫の抜け殻や死骸でも炎症を引き起こすため、薬剤を用いた場合でも十分注意しましょう。心配な場合は、業者に駆除してもらうのも一案です。 チャドクガの被害を防ぐためには、剪定して風通しよく育てることが大切です。こうすることで、早期発見にもつながります。 チャドクガに触れてしまったら もしチャドクガに触れてしまったら、決してこすらずに粘着テープなどを使って皮膚についた毒針毛を取り除きます。服にも付着している可能性があるので着替え、毛を洗い流して皮膚科を受診しましょう。服についた毒針毛は、洗濯機で洗った程度では残ってしまうことが多いので、掃除機で吸い取ってからほかの衣服と分けて洗濯し、乾いたらスチームアイロンをかけるとよいでしょう。毒針毛を構成しているのは主にタンパク質なので、熱を加えると変性します。 庭で安全に過ごすためにチャドクガへの対処を忘れずに! Alina_Miyazaki/Shutterstock.com チャドクガは植物への被害にとどまらず、人間にも、炎症を引き起こすことがある厄介な害虫です。チャドクガを直接触らなくても、生け垣の下を通った子どもに症状が出たり、ペットについた毒針毛から被害が発生したりすることもあるので、ツバキ科の植物を育てている人は周囲に被害が及ばないようしっかりと対処し、庭を安全に楽しみましょう。
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園芸用品

庭で育つ植物の名前を忘れないための必須アイテム「園芸用ラベル」の種類と使い方アイデア
苗に添えられたラベルは使わない? 植物の苗や鉢植えを購入すると、多くの場合、植物の名前や育て方が記載されているタグや札がついています。しかし、その札をそのまま利用していると、雨風や紫外線で文字が消えてしまうこともあります。また、栽培には邪魔になる大きすぎる札だったり、庭デザインに似合わないこともあります。そこで、植え付けなどの作業前に用意しておきたいのが、園芸用ラベルです。市販の園芸用ラベルには、素材やデザインがさまざまありますが、手づくりするのもオススメです。 苗についていた札は植えつける時に取り外して、購入した順にファイルや箱へ保存しておけば、季節ごとの生育の様子や栽培のポイントなどを調べる手がかりになりますよ。 おしゃれに名前を残す植物用ネームプレート 植物用のネームプレートには大きく分けて2タイプあり、地面に挿すものと、植物自体にくくりつけるものがあります。そして大切なのは、日差しや雨風で劣化せず名前が書き込める素材であることです。一年草や宿根草、球根など、季節ごとに株の姿が変化する植物には、地面に挿すタイプがオススメです。針金などで植物にくくりつけるタイプは、庭木やバラなどの樹木に向きます。写真のラベルは、アルミ製や銅製で、雨風に丈夫な素材でできています。植物の名前は、ペイントマーカーや建築用の鉛筆で書くと屋外でも消えにくいです。写真右下の銅製の細長いプレートは、先が尖ったもので強く文字を書くと凹凸ができて、文字が消えません。 写真左は木製の札で、植物にくくりつけるタイプ。右はアルミ製の札で、同じく植物にくくりつけるタイプです。木製の札は、雨風で劣化しますが、比較的安価なので春から秋、秋から春などに見頃の一年草など、短期間栽培する植物に向きます。 写真左は、黒色の自然石製。チョークで描いた文字がくっきり見えるおしゃれなデザインです。右は、アルミのフレームが囲む銅製のラベル部分に文字を書くプランツタグ。デザインや素材が個性的な札は、記念樹や庭の自慢のコーナーなどに使えば、アクセントとしても効果的です。 国内外で見つけたネームプレートのバリエーション イギリスの「ベス・チャトー・ガーデン」のネームプレートは、長方形の黒色でプラスチック製。草花の彩りの邪魔にならず、名前もほどよいサイズで書かれているので確認しやすいデザインです。 名前を記載している部分が少し上向きに角度がついているので、園路からも見やすく、植物に埋もれていないので見学時の記録撮影もしっかりできます。併設の苗ショップでも同じ植物を購入できるガーデンなので、庭づくりの参考例を求めてやってきた国内外のガーデン愛好家が迷うことなく植物の名前を確認できます。数々の宿根草を取り入れている名園の配慮を感じさせるプレートです。 イギリスのキッチンガーデンで多く見かけたのは、幅広いスティックが黒く塗装され、白い文字が書かれている札。タネ播きから野菜を育てていると、若い苗の段階では品種の差が判別しにくく、ラベルの添付は必須です。タネ播きの時に添えていた札を地植えに移植したときも引き続き利用できる、大きすぎない札が重宝します。写真は、イギリス「ヒドコート」のキッチンガーデン。 イギリスの「ロイヤル・ボタニック・ガーデンズ・キュー」では、地面に挿し込む部分は鉄製で、判読しやすいよう印字されたプレートをネジでとめつけた、しっかりしたタイプを利用。見学者にも品種名を伝えながら、品種を保存する植物園らしく、学名以外の情報と思われる記号も表記してありました。品種名だけでなく、栽培スタート時期や自分にとって大切な情報(購入先やプレゼントしてくれた人の名前など)を書いておくのもアイデアです。 木製の角材に品種名を印字したプレートを木ネジでとめた、前出の札よりも手づくりできそうな素材の園芸用ラベル。イギリスで近年公開がスタートした、21世紀を代表するモダンなイングリッシュガーデン「ブロートン・グレンジ」にて。 イギリスのガーデンでは、アルミ製のラベルも多く見かけました。写真は、「ヘルミンガム・ホール」のバラの株元のラベル。芝の遠路から見やすい、株元の手前に挿してありました。札はどこにあるか分かりやすい場所につけておくことで、植え替えや手入れの作業の際にも紛失しにくくなります。 「ヘルミンガム・ホール」のラベルにデザインが似ていますが、こちらはワイヤーで木にくくりつけるタイプ。目の高さに掲示されているので、すぐに何の木か分かります。写真は、「モティスフォント・アビー・ガーデン」のバラ園内に植わるリンゴの木に添えられていたネームプレート。 細い丸棒に楕円形のプレートを組み合わせた園芸用ラベルは、フランスの「バガテル公園」にて。エレガントなデザインが、バラの品種表示としてぴったり。 こちらも、品種名を示す部分は楕円形ですが、半透明のプレートに白い文字が浮かび上がるオリジナルデザインの園芸用ラベル。鉄の丸棒にぶら下がっているところもおしゃれ。こちらもフランスのバラ園「ライレローズ」にて。 木製のラベルを好みの色にペイントして、オリジナリティーを出すのもガーデンデザインの工夫の一つ。北海道のガーデン「十勝千年の森」内、ファームガーデンのキッチンガーデンエリアにて。 小さな札が行方不明にならないように、支柱の頭に紐でくくりつけた珍しい方法。剪定枝などを利用すると素朴な雰囲気です。 高い位置に名前を掲示していた場所は、ツゲのトピアリーに縁取られた花壇内。この後、植物が茂ってきて名前が見えなくなるのを防ぐためのデザインでしょうか。イギリスの「ヘルミンガム・ホール」にて。 こちらは植物名を知らせるプレートではありませんが、スコップを地面に突き刺し、持ち手部分にお知らせを掲示したチャーミングな看板。植物の名前を知らせるだけの小さなプレートにも、さまざまなデザインや工夫があり、庭の雰囲気が変わりますね。 園芸用ラベルを植物につける利点 名無しの植物にならないように、植物にお気に入りのネームプレートをつけて、ガーデニングの腕を上げましょう! 栽培に迷った時は、その名前で栽培のポイントを調べたり、何年育ったかを思い出したり、日々の栽培に役立ててください。庭にお客さまを招いて案内をしているとき、「この植物の名前は?」と尋ねられることも。とっさに答えられない場合は、園芸用ラベルを確認すれば、ガーデントークもスムーズにできますよ。
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野菜

自分で育ててみよう! きゅうりの育て方・基礎知識・旬の時期
きゅうり(胡瓜)の基本情報 tchara/Shutterstock.com きゅうりは、ウリ科キュウリ属の果菜類で、インド北西部・ヒマラヤ山麓地帯が原産地です。つる性の植物で、草丈は2m以上にまで達します。きゅうりの生育適温は18〜25℃。3月頃に種子を播いて育苗し、4月下旬〜5月中旬に苗を定植します。生育スピードが速く、6月下旬頃から収穫スタート、8月下旬頃まで楽しめます。その後は枯死するというライフスタイルをたどる一年草です。 原産地のインドでは3,000年も前から栽培が始まっており、日本へは1,000年ほど前に中国・朝鮮半島を経由して伝わったとされています。当初は薬草として利用されていたようです。きゅうりが野菜として食されるようになったのは、江戸時代末期から明治時代にかけて。今日では大人気のサラダには欠かせない食材で、促成栽培などによって一年中食べられる野菜です。 きゅうりのブルームとは? 近年、青果店やスーパーで見かけるきゅうりは、表面がつやつやとしていますが、一昔前のきゅうりは、表面にうっすらと白い粉が吹いた状態になっていました。これは、きゅうりが自然に生成する物質で、「ブルーム」と呼ばれ、水をはじくとともに、実の内部に含まれる水分の蒸発を抑えて、表面を保護する役割を持っています。ブルーベリーも同様に、鮮度がよいものはブルームが見られますよね。ところが、きゅうりに生じるブルームは「農薬散布の残留物ではないか」というクレームの要因となっていた時代があったのです。ブルームが中途半端に落ちて汚いなど、見た目も悪かったことから、このブルームが生じない「ブルームレス」の品種が生まれて、普及するようになりました。しかし、このブルームレスの品種は、通常のきゅうりに比べて皮が硬く、日もちはするものの、味が落ちるとする向きもあるようです。一周回って、本来ブルームに守られた歯ざわりのよいきゅうりが再注目され、また新しい品種が生まれる動きが出てきました。きゅうりは人気の野菜ですから、各種苗会社がしのぎを削って美味しい品種を追求し、日進月歩で品種改良が進んでいます。 きゅうりの品種 Trialist/Shutterstock.com きゅうりには非常に多くの品種があり、白イボ系と黒いぼ系に大別することができます。日本で栽培されている品種の多くが白イボ系で、表面につくイボが白色、果皮が鮮やかなグリーンで、皮が薄くシャキシャキとした歯ざわりです。一方、黒イボ系は、表面のイボが黒いのが特徴。南西日本で広く栽培され、春〜初夏採りの早生種が普及していました。漬物に適していますが、サラダなど生食するには、味が白いぼ系よりもやや劣るとされ、現在は九州や四国でわずかに見られるくらいとなっています。 他にも加賀の伝統野菜で、太くて大きいものでは1㎏にも達する「加賀太きゅうり」のほか、実の上部が緑で下に向けて白っぽくグラデーションになる「半白節成」などもあります。また、品種改良によって果皮のイボをなくした「いぼなしきゅうり」も人気です。 きゅうりも綺麗な花が咲く! jekin/Shutterstock.com きゅうりは、6〜8月が開花期。直径3cmほどの黄色い5弁花を、多数咲かせます。じつは、きゅうりには雄花と雌花があるんです! 花が咲いたら、付け根をよく観察してみましょう。付け根が膨らんでいるのが雌花で、膨らんでいないのが雄花です。「だったら、人工授粉が必要なの?」と思われるかもしれませんが、答えはNO。きゅうりは「単為結果」という性質があり、雌花と雄花の間で受粉できなくても、しっかり実をつけてくれるのです。 ちなみに、きゅうりの花言葉は「洒落」です。「洒落」には、「あか抜けた」とか「気の利いた」という意味がありますが、目を引く黄色い花を咲かせる姿や、人工授粉をしなくてもよく実る性質から、この言葉を当てたのかもしれません。 世界一栄養がない野菜? Nishihama/Shutterstock.com きゅうりは全体の96%が水分で、ギネスブックで「Least calorific fruit」と認定ました。これが「世界一栄養の少ない野菜」と誤訳され、不名誉な評判が広まってしまいました。実際には100g当たり14キロカロリーであることを評して「最も熱量の低い果実」と認定されたものです。しかし、低カロリーだからといって、栄養が少ないわけではありません。また、「fruit」とある通り、「果実」(分類上、果菜類も含む)と比較したもので、野菜と比較してのギネス記録ではないのです。 きゅうりの効能 Nguyen Quang Ngoc Tonkin/Shutterstock.com きゅうりのほとんどは水分ですが、栄養素としてβカロテン、ビタミンC、カリウムが含まれています。特に多く含まれるカリウムは、ナトリウム(塩分)を排出する役割があって、体内の水分量を調節するので、むくみの解消にも効果的です。また、きゅうりには体を冷やす効果があり、熱中症対策の水分補給にもいいとされています。歯ざわりがよくさっぱりとした味なので、夏バテ気味で食欲がない時にも、美味しく食べられるのがいいですね。 きゅうりの旬の季節 yoshi0511/Shutterstock.com サラダや漬物など、日本人に愛されているきゅうり。需要が高いため、ハウス栽培も盛んで、一年中野菜売り場に並んでいます。「きゅうりの旬はいつですか?」と問われても、答えに窮してしまう方もいるのではないでしょうか。きゅうりは夏野菜の一つで、収穫のハイシーズンは7〜9月。この旬の時期には、畑で栽培されているものが出回るため、価格も手頃感がありますね。旬に出回るきゅうりは、冬にハウス栽培されたものと比べて2倍ほどのビタミンCが含まれているといわれています。畑で太陽の恵みを受けた旬のきゅうりを、ぜひ味わいましょう! きゅうりの育て方 きゅうりは生育が旺盛でたくさん実をつけ、収穫の喜びを実感できる野菜の一つ。1株から15〜30本収穫できるので、一家族なら1〜2株栽培すれば十分ではないでしょうか。したがって家庭できゅうりを栽培する場合は、苗を買い求めて植え付けるところからスタートするのが一般的です。 また、きゅうりを育てるには、支柱につるを絡ませる「支柱栽培」と、地面につるを伸ばす「地這栽培」の2つの方法があります。ビギナーさんには、場所を取らずに管理がしやすい「支柱栽培」がおすすめ。ここでは、きゅうりの支柱栽培について、詳しくご紹介していきます。 土づくり MTaitas/Shutterstock.com 同じ科の野菜を続けて同じ場所で育てると、連作障害が出て生育が悪くなるので、前作にウリ科の植物を栽培していない場所を選びましょう。 苗の植え付けの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり100〜150g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。さらに植え付けの1〜2週間前に、1㎡当たり堆肥2kg、化成肥料(N-P-K=8-8-8)100gを全面に散布し、よく耕して平らにならしておきましょう。土づくりは植え付け直前ではなく、数週間前に行うことで、分解が進んで土が熟成します。 苗の選び方 Toru Kimura/Shutterstock.com 本葉が3〜4枚ついた頃が、植え付けの適期です。双葉がついているものがよく、茎葉が締まり、がっしりとして勢いのあるものを選びましょう。ヒョロヒョロと間延びしているものはNGです。 定植 Tarasovastock/Shutterstock.com 植え付けの適期は、4月下旬〜5月中旬。幅70cm、高さ5〜10cmの畝をつくります。きゅうりは水切れしやすいので、あまり高い畝にしないことがポイントです。 畝ができたら、保水性をよくするために畝の表面に黒マルチ(ポリフィルム製の被覆資材)を張り、風で飛ばされないように四方に土を盛って固定します。黒マルチはできるだけピンと張っておきましょう。黒マルチを張ることで、乾燥や雑草を防ぎ、泥はねも防止して病気の蔓延を防ぐ効果もあります。この一手間が成功のポイントです。 畝の中央に、株間を約45cm取って穴あけ器で黒マルチごと植え穴をあけます。植え穴に水を注ぎ、水が引いたら苗を植え付けましょう。苗のそばに仮支柱を立てて、茎を誘引しておきます。 支柱の設置 yoshi0511/Shutterstock.com 本葉が5〜6枚ついた頃が、仮支柱から本支柱に差し替えるタイミングです。2.4mほどの園芸用支柱を3本用意し、株元から20cm以上離した3カ所に支柱を差し込みます。しっかりと支えるために、地中には深さ40cmほど支柱を埋め込みましょう。頂部をまとめて三角錐状にし、ひもで固定します。きゅうりのつるを下から誘引しておき、以降は、つるが伸びてきたら適宜支柱に誘引していきましょう。 複数の苗を列植する場合は、1株の苗ごとに両側から内側へ向けて支柱を2本立てて、上部を交差させ、ひもでまとめます。交差させたところに横に支柱を渡して列全体を一体化させる合掌式にするとよいでしょう。 水やり daniiD/Shutterstock.com プランター栽培とは違い、地植えの場合は下から水が上がってくるので不要です。しかし、実がつき始めたら水を欲しがるので、雨が降らずに日照りと乾燥が続くような時は、水やりをして補うとよいでしょう。茎葉がだらんと下がって、しなびそうになっている時は、水を欲しがっているサインです。 追肥 New Africa/Shutterstock.com 植え付けから2週間後に黒マルチをはがし、株の両側に、化成肥料を1㎡当たり約30g均一にばらまきます。クワで耕して土に混ぜ込み、株元に土を寄せましょう。追肥が終わったら黒マルチを元に戻しておきます。 以降、収穫が終わるまで2週間に1度を目安に、同様にして追肥と土寄せを繰り返します。きゅうりの実は急速に肥大するので、実がなり始めると肥料や水を多く必要とします。肥料切れになったり、株が疲れたりすると、実が曲がったり、尻細や尻太など変形が出てくるので、ご注意を。 摘花 親づるの地際から3〜5節目までに雌花が咲いたら、早めに摘み取りましょう。成長の早期から株が消耗するのを防ぐためです。 子づるの整枝 親づるの3〜5節目から出る子づるは、すべて摘み取ります。 また、4〜6節目以降から出る子づるは、雌花を2つと葉1枚を残して、その先のつるは切り取りましょう。整枝をすることで、養分が分散せずに実を充実させることができます。 摘芯 親づるが支柱の高さ以上に伸びてきたら、先端を切る「摘芯」をして管理しやすくします。 病害虫対策 Eag1eEyes/Shutterstock.com きゅうりはビギナーさんでも育てやすい野菜ですが、病虫害が発生しやすい一面もあります。特に「べと病」と「うどん粉病」は発生しやすい二大病です。 梅雨時などの高温多湿期に肥料切れすると発生しやすいのが「べと病」で、葉脈に囲まれた部分が褐色に変色するのが特徴です。菌は土壌の中にいて、雨などの跳ね上がりが下葉に付くと発生しやすくなるので、やはり先述の「土づくり」の項目で触れたように、植え付け時に黒マルチを張っておくことが対策となります。 「うどん粉病」は、葉の表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がります。乾燥が続いて、涼しかったり日照不足だったりすると発生しやすくなります。いずれの病気も、発症した葉を摘み取って処分し、適応の薬剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎます。 きゅうりにつきやすい害虫は、アブラムシやウリハムシなど。見つけ次第捕殺しましょう。 病虫害は、葉が込んで風通しが悪くなると発生しやすくなります。枯れ葉や傷んだ葉があればまめに摘み取り、つるも適宜誘引して風通しよく管理しましょう。 収穫 decoplus/Shutterstock.com 最初の2〜3本は、株を疲れさせないために、長さ15cmくらいの若採りにするとよいでしょう。実の成長は早く、開花から約1週間で標準サイズの長さ18〜20cmになります。タイミングを逃すと、あっというまにヘチマサイズまで大きくなるので、なるべく若いうちの収穫を心がけましょう。 一通り収穫が終わったあとは枯死してしまうので、株を引き抜いて処分し、支柱は撤去しておきます。枯れ葉や根も整理して、次のシーズンに向けて整地しておきましょう。 自分で美味しいきゅうりを育てよう! Swetlana Wall/Shutterstock.com この記事では、きゅうりの特徴から育て方まで、詳しく解説してきました。きゅうりは黄色い花をたくさん咲かせるので観賞の楽しみもあり、またたくさんの実りをもたらしてくれる、まさに一石二鳥の野菜です。毎年夏の味覚として、「我が家産のきゅうり」を楽しんでみてはいかがでしょうか。



















