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庭で育つ植物の名前を忘れないための必須アイテム「園芸用ラベル」の種類と使い方アイデア

庭で育つ植物の名前を忘れないための必須アイテム「園芸用ラベル」の種類と使い方アイデア

庭づくりをするうえで必ず必要になるグッズの一つが、「園芸用ラベル」や「ネームプレート」といった植物の名称を記載した名札です。自分が植えた植物の名前を添えておけば、育て方に迷ったときの大きな手がかりになります。ここでは、国内外で見つけた参考商品と、イギリスやフランス、日本のガーデンで見つけたラベルの実例をご紹介します。

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苗に添えられたラベルは使わない?

苗を買ったときについている札のいろいろ。開花時の写真などがプリントされたプラスチック製のものや、植物名だけの簡素なもの、紙製などさまざま。

植物の苗や鉢植えを購入すると、多くの場合、植物の名前や育て方が記載されているタグや札がついています。しかし、その札をそのまま利用していると、雨風や紫外線で文字が消えてしまうこともあります。また、栽培には邪魔になる大きすぎる札だったり、庭デザインに似合わないこともあります。そこで、植え付けなどの作業前に用意しておきたいのが、園芸用ラベルです。市販の園芸用ラベルには、素材やデザインがさまざまありますが、手づくりするのもオススメです。

苗についていた札は植えつける時に取り外して、購入した順にファイルや箱へ保存しておけば、季節ごとの生育の様子や栽培のポイントなどを調べる手がかりになりますよ。

おしゃれに名前を残す植物用ネームプレート

植物用のネームプレートには大きく分けて2タイプあり、地面に挿すものと、植物自体にくくりつけるものがあります。そして大切なのは、日差しや雨風で劣化せず名前が書き込める素材であることです。一年草や宿根草、球根など、季節ごとに株の姿が変化する植物には、地面に挿すタイプがオススメです。針金などで植物にくくりつけるタイプは、庭木やバラなどの樹木に向きます。写真のラベルは、アルミ製や銅製で、雨風に丈夫な素材でできています。植物の名前は、ペイントマーカーや建築用の鉛筆で書くと屋外でも消えにくいです。写真右下の銅製の細長いプレートは、先が尖ったもので強く文字を書くと凹凸ができて、文字が消えません。

写真左は木製の札で、植物にくくりつけるタイプ。右はアルミ製の札で、同じく植物にくくりつけるタイプです。木製の札は、雨風で劣化しますが、比較的安価なので春から秋、秋から春などに見頃の一年草など、短期間栽培する植物に向きます。

写真左は、黒色の自然石製。チョークで描いた文字がくっきり見えるおしゃれなデザインです。右は、アルミのフレームが囲む銅製のラベル部分に文字を書くプランツタグ。デザインや素材が個性的な札は、記念樹や庭の自慢のコーナーなどに使えば、アクセントとしても効果的です。

国内外で見つけたネームプレートのバリエーション

イギリスの「ベス・チャトー・ガーデン」のネームプレートは、長方形の黒色でプラスチック製。草花の彩りの邪魔にならず、名前もほどよいサイズで書かれているので確認しやすいデザインです。

イギリスのベス・チャトー・ガーデンのプレート。

名前を記載している部分が少し上向きに角度がついているので、園路からも見やすく、植物に埋もれていないので見学時の記録撮影もしっかりできます。併設の苗ショップでも同じ植物を購入できるガーデンなので、庭づくりの参考例を求めてやってきた国内外のガーデン愛好家が迷うことなく植物の名前を確認できます。数々の宿根草を取り入れている名園の配慮を感じさせるプレートです。

イギリスのキッチンガーデンで多く見かけたのは、幅広いスティックが黒く塗装され、白い文字が書かれている札。タネ播きから野菜を育てていると、若い苗の段階では品種の差が判別しにくく、ラベルの添付は必須です。タネ播きの時に添えていた札を地植えに移植したときも引き続き利用できる、大きすぎない札が重宝します。写真は、イギリス「ヒドコート」のキッチンガーデン。

イギリスの「ロイヤル・ボタニック・ガーデンズ・キュー」では、地面に挿し込む部分は鉄製で、判読しやすいよう印字されたプレートをネジでとめつけた、しっかりしたタイプを利用。見学者にも品種名を伝えながら、品種を保存する植物園らしく、学名以外の情報と思われる記号も表記してありました。品種名だけでなく、栽培スタート時期や自分にとって大切な情報(購入先やプレゼントしてくれた人の名前など)を書いておくのもアイデアです。

木製の角材に品種名を印字したプレートを木ネジでとめた、前出の札よりも手づくりできそうな素材の園芸用ラベル。イギリスで近年公開がスタートした、21世紀を代表するモダンなイングリッシュガーデン「ブロートン・グレンジ」にて。

イギリスのガーデンでは、アルミ製のラベルも多く見かけました。写真は、「ヘルミンガム・ホール」のバラの株元のラベル。芝の遠路から見やすい、株元の手前に挿してありました。札はどこにあるか分かりやすい場所につけておくことで、植え替えや手入れの作業の際にも紛失しにくくなります。

「ヘルミンガム・ホール」のラベルにデザインが似ていますが、こちらはワイヤーで木にくくりつけるタイプ。目の高さに掲示されているので、すぐに何の木か分かります。写真は、「モティスフォント・アビー・ガーデン」のバラ園内に植わるリンゴの木に添えられていたネームプレート。

細い丸棒に楕円形のプレートを組み合わせた園芸用ラベルは、フランスの「バガテル公園」にて。エレガントなデザインが、バラの品種表示としてぴったり。

こちらも、品種名を示す部分は楕円形ですが、半透明のプレートに白い文字が浮かび上がるオリジナルデザインの園芸用ラベル。鉄の丸棒にぶら下がっているところもおしゃれ。こちらもフランスのバラ園「ライレローズ」にて。

木製のラベルを好みの色にペイントして、オリジナリティーを出すのもガーデンデザインの工夫の一つ。北海道のガーデン「十勝千年の森」内、ファームガーデンのキッチンガーデンエリアにて。

小さな札が行方不明にならないように、支柱の頭に紐でくくりつけた珍しい方法。剪定枝などを利用すると素朴な雰囲気です。

高い位置に名前を掲示していた場所は、ツゲのトピアリーに縁取られた花壇内。この後、植物が茂ってきて名前が見えなくなるのを防ぐためのデザインでしょうか。イギリスの「ヘルミンガム・ホール」にて。

こちらは植物名を知らせるプレートではありませんが、スコップを地面に突き刺し、持ち手部分にお知らせを掲示したチャーミングな看板。植物の名前を知らせるだけの小さなプレートにも、さまざまなデザインや工夫があり、庭の雰囲気が変わりますね。

園芸用ラベルを植物につける利点

つるバラの誘引場所として張ったワイヤーにラベルをくくりつけるアイデア。イギリスの「ブラムディーン・ハウス」にて。

名無しの植物にならないように、植物にお気に入りのネームプレートをつけて、ガーデニングの腕を上げましょう! 栽培に迷った時は、その名前で栽培のポイントを調べたり、何年育ったかを思い出したり、日々の栽培に役立ててください。庭にお客さまを招いて案内をしているとき、「この植物の名前は?」と尋ねられることも。とっさに答えられない場合は、園芸用ラベルを確認すれば、ガーデントークもスムーズにできますよ。

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