【危険】毒針を飛ばす毛虫チャドクガの発生時期!被害回避の対策方法を解説

Marinodenisenko, traction/Shutterstock.com
庭にツバキやサザンカ、チャノキといったツバキ科の庭木や生け垣がある方はいませんか? ツバキの仲間を育てている人は、この時期要注意! 初夏と初秋は、チャドクガの幼虫の発生シーズンです。植物を食害するだけでなく、毒があるため人間にとっても危険なこのチャドクガの概要について、また「もしチャドクガに触れてしまったら?」などの対処方法についても解説します。虫の写真もご紹介していますので、ご注意ください。
目次
庭木や生け垣のケムシにご用心

新葉が美しいこの季節、庭の生け垣や庭木の葉の上に黒い点々が落ちていたり、食害された葉があったり、ケムシが固まってくっついていたら要注意! もしかしたら、チャドクガの幼虫かもしれません。
チャドクガは、庭木としてよく植えられるツバキ類の葉に発生するポピュラーな害虫です。幼虫は葉を食害するため、植物にも被害があるのですが、他の害虫に比べても厄介なのがその毒針毛。これに触れるとひどい発疹が出て、痛みやかゆみを感じます。さらにケムシのときだけでなく、卵、脱皮後の抜け殻、成虫の体にも毒針毛があり、死骸であっても症状を引き起こすことに加え、チャドクガのいる木の下を通っただけで、飛散した毒針毛によって発症することも。植物を守るだけでなく、自分や家族を守るためにも、できるだけ早期に対処したいところです。
チャドクガとは

チャドクガは日本の代表的な毒蛾の一種で、目に見える体毛のほかに0.1mmほどの毒針毛をもち、この毒針毛が触れたり飛散したりして皮膚に付くと、炎症を起こして痛みやかゆみを感じます。チャドクガはハチのように積極的に刺しにくることはありませんが、この毒針毛は抜けやすいので風や衝撃などをきっかけに飛散し、さらに服や皮膚につくと抜けにくいという厄介な構造。非常に細かいので、長袖でも隙間から入り込むことがあります。成虫にも毒針毛が付着していて、また卵塊は成虫の体毛に覆われているので、幼虫の時期だけでなく一年を通して注意が必要です。
ガーデニングで害虫とされるのはチャドクガの幼虫で、主にツバキやサザンカ、チャノキといったツバキ類の葉について食害します。

チャドクガの発生シーズンは年2回

チャドクガの幼虫の発生シーズンは、4月中旬~6月、7月下旬~9月の年2回。チャドクガは葉裏に卵塊を産ぬ付け、ふ化した後しばらくは葉裏に集団でかたまっていますが、数週間で分散して行動するようになり、その後成熟すると地面に下りて土の中で蛹になります。
発生初期の幼虫は葉裏で群れているので、このときがチャドクガを一網打尽にするチャンスです。分散して行動するようになってからでは効率的に対処することは難しくなります。レースのように穴だらけになった葉や、葉の上に黒い点々が散乱しているのを見つけたら、チャドクガの幼虫がいる可能性があります。毒針毛に注意しながら周辺の葉裏を確認してみましょう。チャドクガの幼虫は、見つけ次第捕殺します。
チャドクガの対処方法と注意点

前述のように、チャドクガ対策は発生初期にまとめて捕殺してしまうのが一番効率的。大きくなると単独行動になって広がる上、食べる量も増えてしまいます。ふ化直後の葉裏に群生している段階で、葉ごと剪定してポリ袋などで密封し、処分しましょう。その際、毒針毛に触らないよう、雨具や使い捨てのポリ袋などを着用して作業すると安心です。夏と冬に葉裏に産み付けられた卵塊のうちに対処してしまうとよりよいですが、見つけるのはなかなか難しいです。薬剤を用いて駆除する場合は、スミチオンやマラソン乳剤などが有効。スプレー式殺虫剤も多く市販されているので、必要に応じて薬剤を活用するのもよいでしょう。チャドクガの毒針毛は幼虫の抜け殻や死骸でも炎症を引き起こすため、薬剤を用いた場合でも十分注意しましょう。心配な場合は、業者に駆除してもらうのも一案です。
チャドクガの被害を防ぐためには、剪定して風通しよく育てることが大切です。こうすることで、早期発見にもつながります。
チャドクガに触れてしまったら
もしチャドクガに触れてしまったら、決してこすらずに粘着テープなどを使って皮膚についた毒針毛を取り除きます。服にも付着している可能性があるので着替え、毛を洗い流して皮膚科を受診しましょう。服についた毒針毛は、洗濯機で洗った程度では残ってしまうことが多いので、掃除機で吸い取ってからほかの衣服と分けて洗濯し、乾いたらスチームアイロンをかけるとよいでしょう。毒針毛を構成しているのは主にタンパク質なので、熱を加えると変性します。
庭で安全に過ごすためにチャドクガへの対処を忘れずに!

チャドクガは植物への被害にとどまらず、人間にも、炎症を引き起こすことがある厄介な害虫です。チャドクガを直接触らなくても、生け垣の下を通った子どもに症状が出たり、ペットについた毒針毛から被害が発生したりすることもあるので、ツバキ科の植物を育てている人は周囲に被害が及ばないようしっかりと対処し、庭を安全に楽しみましょう。
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