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ルリマツリ(プルンバゴ)はどんな植物? 特徴や育て方についてご紹介

ルリマツリ(プルンバゴ)はどんな植物? 特徴や育て方についてご紹介

GOLFX/Shutterstock.com

初夏から秋にかけて、長い期間にわたってブルーや白の涼しげな花を咲かせてくれる、ルリマツリ。花数が少なくなってくる真夏でも、暑さにも負けずたっぷりと咲く生命力旺盛な花木です。この記事では、そんなルリマツリのプロフィールや特性、庭での生かし方、名前の由来や花言葉、育て方についてご紹介します。

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ルリマツリの特徴について

ルリマツリ
AliaksaB/Shutterstock.com

ルリマツリは、イソマツ科ルリマツリ属(プルンバゴ属)の常緑性低木です。原産地は南アフリカで、熱帯性の花木のため、暑さには強い性質をもっています。一方で、寒さにはやや弱い傾向がありますが、0℃以下にならない暖地では戸外でも越冬可能です。

ルリマツリが咲く時期

ルリマツリ
AlicanA/Shutterstock.com

ルリマツリのライフサイクルは、以下の通りです。4月頃から新梢が動き始め、植え付けの適期は、霜が降りる心配のなくなった5〜6月頃。旺盛に生育し、6〜10月まで長い期間にわたって開花し続けます。寒くなる11月下旬頃になると生育が止まりますが、越年して翌春にはまた新梢を出すというサイクル。生命力旺盛で、一度根付けば毎年開花してくれる、息の長い植物です。花が少なくなる真夏にも暑さに負けることなく次々とつぼみを上げて咲き、庭に華やぎをもたらしてくれます。

ルリマツリの見た目

ルリマツリの樹形
Tanya rusa/Shutterstock.com

ルリマツリの樹高は0.3〜3mくらい。放任すると大きく育って庭のスペースを占領しますが、剪定によって樹高をコントロールすることができ、小さく仕立てることもできます。生育期間ならどこで切ってもかまわないので、仕立てやすい花木です。半つる性で、他者に絡みながら這うようにこんもりと茂りますが、自立させることもできます。

花色は清涼感のあるブルーが最もポピュラーですが、淡い紫色や白色もあります。花のサイズは径2cmほどで、5弁の花びらからなる小さな花が、頂部に房状にかたまってドーム状に咲くので、大変華やかです。花つきもよく、ブルーの花がたっぷりと咲くので、夏の庭に爽やかな雰囲気をもたらしてくれます。

葉は明るいグリーンで、ヘラのように先端が丸く細長い形が特徴。やわらかな質感で、花をよく引き立てます。

ルリマツリの代表的な種類

ルリマツリの種類
mizy/Shutterstock.com

ルリマツリが属すプルンバゴの仲間は、熱帯地域を中心に約20種類が分布するとされています。ルリマツリの学名は、プルンバゴ・オーリキュラタ(Plumbago Auriculata)で、日本でルリマツリとして流通しているのは、アフリカ原産のオーリキュラタ種です。

ルリマツリの園芸品種には、清楚な雰囲気を持つ白花 ‘アルバ’、従来のルリマツリよりも濃いブルーに品種改良された‘インペリアル・ブルー’などがあります。

夏の涼しさを演出!
花をたくさん咲かせよう

ルリマツリの仕立て
Adisa/Shutterstock.com

爽やかなブルーや白などの花を咲かせるルリマツリは、サマーガーデンに涼を呼ぶ植物として重宝します。半つる性なので、フェンスに誘引して横に広げる仕立て方もおすすめ。つる植物ほど自由に伸びることはありませんが、アーチやパーゴラの足元から頂上部へ向けて誘引し、縦の空間に向かってダイナミックに仕立てることもできます。またはポールの頂部まで枝を誘引し、頂部から四方へ枝葉をしならせるスタンダード仕立てにしてもよいでしょう。

半つる性の低木の特性を生かし、樹高の高いシンボルツリーと、宿根草や一年草などの草花の間をつなぐ役割として華やかに演出しても素敵です。高木の株元はぽっかり空いてしまいがちなので、その空間を補うように植栽するとよいでしょう。

庭のスペースが限られているなら、小まめに剪定をして樹高を低く抑えることもできます。「剪定といっても、切っていい枝、切ってはいけない枝があって難しいのでは?」とビギナーさんならイメージしがちでしょうが、心配ご無用。ルリマツリは生命力旺盛なので、生育期であればどこで切ってもOK。深めに切り戻してコンパクトに仕立てることができます。

このように、ルリマツリはダイナミックにも、小さくも、好みに合わせて仕立てることができる、汎用性の高い植物です。

ルリマツリの名前の由来と花言葉

ルリマツリは、「瑠璃色のマツリカ」という意味で名付けられました。学名の「プルンバゴ」の名前で流通することも多く、「アオマツリ」の別名も持っています。

ルリマツリの花言葉は、「いつも明るい」「同情」「ひそかな情熱」など。開花期が長く、花つきもよいことから「いつも明るい」、長い開花によって心を寄せてくれる様子を「同情」と表現したのでしょうか。「ひそかな情熱」は、開花後にガクから粘液を出し、動物にくっついて種子を広範囲にばらまく、繁殖戦略を表しているとされています。

ルリマツリの育て方

ここまで、ルリマツリのプロフィールや特性、種類や花言葉などについてご紹介してきました。さて、ここからは庭での育て方をじっくりと解説。栽培環境、植え付け、日頃の管理の仕方、病害虫対策、剪定、増やし方など、一つひとつの項目を深く掘り下げていきます。最後まで読み終えたら、栽培テクニックが把握できるはずですよ!

栽培環境

ルリマツリの育て方
Brett Hondow/Shutterstock.com

日当たり、風通しのよい環境を好みます。日当たりが悪い場所では、花つきが悪くなってしまうのでご注意を。水はけ・水もちのよい肥沃な土壌を好み、粘土質などの極度に水はけの悪い土地では土壌改良が必要です。盛り土をして水はけをよくし、腐葉土や堆肥などをすき込んでおくとよいでしょう。

暖地性で暑さには大変強く、寒さにも比較的耐えます。関東以西では越冬しますが、本来は常緑樹ながら寒さで葉を全て落とすことも。枯れたと判断してすぐには処分せずに、翌春の生育期まで様子を見守ってください。生育期になれば新葉を展開することが多いようです。0℃以下になる地域では、寒くなる前に鉢上げして越冬させるのが無難です。

また、半つる性の植物で自立はしますが、棚やフェンス、ポールなどに沿わせて仕立てるのがおすすめです。旺盛に枝葉を伸ばすので広めのスペースを取り、植え付ける場所に応じて、枝を支えるための園芸資材を準備しておくとよいでしょう。

土づくり

土
funnyangel/Shutterstock.com

【庭植え】

まず一年を通して日当たり、風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

樹木用にブレンドされた、培養土を利用すると手軽です。

植え付け

植え付け
wavebreakmedia/Shutterstock.com

ルリマツリの植え付け適期は5〜6月です。

【庭植え】

土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。枝が伸びていれば、フェンスや棚など、伸ばしたい方向へ誘引しておきます。最後にたっぷりと水をやります。

【鉢植え】

鉢で栽培する場合は、8〜10号鉢を準備し、枝を支えるための支柱も揃えます。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下までを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内や根の間にしっかり入るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。支柱を設置してつるを誘引したのち、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

水やり

水やり
cam3957/Shutterstock.com

【庭植え】

植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は、水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。

【鉢植え】

日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。新梢がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は生育が止まるので、控えめにして乾燥気味に管理します。

追肥

肥料
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【庭植え】

生育期の4〜9月に、木の状態を見て勢いがなくなっているようなら、緩効性化成肥料を株周りにまいて土に混ぜ込みます。

【鉢植え】

4〜10月に、緩効性化成肥料を1〜2カ月に1回ほどを目安に施しましょう。開花期間中は、液肥に切り替えるのもおすすめです。開花を促すリン酸分が多めに配合された液肥を選び、10日に1回を目安に与えると、次々に花を咲かせてくれます。

花がら摘み

ルリマツリの花殻つみ
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ルリマツリは次から次へと花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。花茎を伸ばした頂部に花を咲かせるので、花茎の付け根からカットします。まめに花がらを摘んで株周りを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、タネをつけようとして株が消耗し、花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けます。

剪定

剪定
mihalec/Shutterstock.com

生育期ならいつ剪定をしてもかまいません。枝が旺盛に伸びて樹形が乱れやすいので、込み合っている部分があれば、そのつど切り取って風通しをよくします。絡んでいる枝や内向きに向かって伸びる枝などは、付け根から切り取るとよいでしょう。比較的強く切り戻しても、樹勢が強いので再び盛り返して開花します。

植え替え

ガーデニング
Nataly Studio/Shutterstock.com

【庭植え】

0℃以下にならない地域で、しっかり根づいて順調に生育していれば、植え替えの必要はありません。寒冷地では寒くなる前に掘り上げて鉢に植え替え、暖かい場所に移動して冬越しさせましょう。

【鉢植え】

鉢植えで楽しんでいる場合は、放置していると根詰まりしてくるので、1〜2年に1回を目安に植え替えましょう。植え替えの適期は5〜6月です。

植え替えの前に、水やりを控えて鉢内の土を乾燥させておきましょう。鉢から株を取り出し、根鉢を少しずつ崩していきます。不要な根を切り取り、1/3くらいまでを目安に根鉢を小さくしましょう。これ以上大きくしたくない場合は同じ鉢を用い、もう少し大きくしたい場合は2回りくらい大きな鉢を用意し、植え替えます。手順は「植え付け」の項目を参考にしてください。

病気や害虫など注意点

カイガラムシ
Decha Thapanya/Shutterstock.com

大変強健な性質で、病気の心配はほとんどありません。

害虫は、カイガラムシやハダニが発生することがあります。カイガラムシは見つけ次第、ハブラシなどでこすり落として退治しましょう。ハダニは乾燥すると発生し、水に弱い性質があるので、葉裏など発生箇所に勢いよく水をかけると効果があります。適応する薬剤を散布して防除してもよいでしょう。

増やし方

種まき
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ルリマツリは、挿し木で増やすことができます。挿し木の適期は5〜9月頃。若くて勢いのある新梢を選び、7〜8cmの長さで切り取ります。市販の園芸用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した枝を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理しましょう。発根した根が充実したら、黒ポットなどに植え替えて育成します。大きく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。

育てやすいルリマツリの栽培にチャレンジしてみよう!

ルリマツリの育て方
Dou_Fa/Shutterstock.com

半つる性の花木に分類されるルリマツリは、ダイナミックに大きく仕立てても、まめに剪定して小づくりに仕立てても美しくまとまるので、目的に合わせて自由に仕立てられる汎用性の高さが魅力です。育てやすく、また増やしやすい生命力旺盛な面もあり、ビギナーにもおすすめ。ぜひルリマツリを庭に取り入れて、涼感あふれるシーンを演出してはいかがでしょうか。

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