初心者にオススメ! 失敗しないで咲かせられる夏の球根花「グラジオラス」
「Stay Home」を有意義に過ごす季節のガーデニングをご紹介します。花々が次々に咲き競う5月、今ちょうど植えどきの球根があります。それはグラジオラス。初心者でも失敗しない丈夫な夏咲きの球根で、今植えれば3カ月後の真夏の庭を美しく彩ってくれますよ。
目次
グラジオラスってどんな花
グラジオラスは、アヤメ科グラジオラス属の球根植物です。南アフリカを中心に欧州、西アジア、マダガスカルに180種ほどが自生し、これらが元になって育種された園芸品種は膨大な数に上り、グラジオラスだけで図鑑が1冊作れるほど。真夏は暑さで多くの植物の勢いが衰えますが、グラジオラスはそんな時期に元気に咲いてくれる貴重な夏の花です。赤、黄色、オレンジ、紫などネオンのような原色の鮮やかな色が多いのは、この花がもともとは地中海地域で切り花としての需要が多く、この地域の人々に好まれた色だったためです。しかし、近年は女性育種家の活躍によって、優しいペールカラーや花びらの端が別色で縁取られる覆輪咲き、深いベルベットカラーなど、複雑で繊細な花色も増え、人気が高まっています。
シャープな葉にも注目!
艶やかな花色ばかりに目がいきますが、シャープな葉も魅力的です。グラジオラスの名前は「剣」に由来し、英名では「Sword Lily(剣のユリ)」とも呼ばれます。草丈100cmほどの細長く真っ直ぐ伸びる葉の形からその名がつけられました。夏のボーダー花壇の背景や庭の小道の両脇などに列植すると、整然とした美しさがあります。また、ガウラやサンジャクバーベナなどの小花の群れ咲く中に配しても、フォルムのはっきりとしたグラジオラスが際立ちます。
初心者にもおすすめの球根花
球根はそれ自体の中に、生育するために十分な栄養素をたっぷり含んでいるため、適期適所に植え付ければ、手がかからず失敗も少ない植物です。また、グラジオラスには病虫害の心配もほとんどないことや、球根の中では比較的リーズナブル(1球100円台)なのも、初心者におすすめの理由です。球根は園芸店や通信販売でも入手できます。
植えてから3カ月後に開花
グラジオラスの植え時は3月下旬から6月下旬まで。生育がとても早く、植え付けから3カ月後には開花します。ですから、8月に咲かせたい場合は5月に、10月に咲かせたい場合は6月下旬に植えるとよいでしょう。グラジオラスはつぼみが花茎に縦に連なってつき、下から順番に咲き上がっていきます。最初の開花から2週間ほど、ゆっくり花が楽しめるのも魅力です。
植え付けのアイデア
先ほども述べたように、グラジオラスは植えてから3カ月後に咲きます。ですから、6月下旬までの間に少しずつ時期をずらして植え込めば、7〜10月までずっと花を楽しむことも可能です。グラジオラスの咲く頃には、同じ球根花のダリアやユリも開花期を迎えるので、それらと組み合わせても美しい夏の花壇が作れるでしょう。また、アゲラタムやジニアなど、暑さに強い一年草との組み合わせもおすすめです。
植え付けは日当たりのよい場所を選んで
グラジオラスの球根は直径3〜4cmほどで、平べったい小さな玉ねぎのような形をしています。玉ねぎの頭のように、とんがっている方を上にして、10cmくらいの深さで植えます。小さいので、今咲いている春の花々の間にも、キュキュッと簡単に植え込むことができます。プランターや鉢など、新たに用土を用意する場合には、市販の培養土を使い、球根の5cmくらい下になる位置に緩効性肥料をパラっとまいてから植えると、よく育ちます。置き場所は、日当たりと排水のよいところを選びましょう。日当たりさえよければ、ほとんど問題なく咲きますが、日照不足だと花芽がつかないことがあります。
植え付け後は水のやりすぎに注意
グラジオラスは多湿を嫌います。地植えの場合、植え付け直後にはたっぷり水をやり、その後は特に水やりをしなくてもOKです。鉢植えの場合は植え付け直後にたっぷりと、それ以降は土の表面がすっかり乾いてから水を与えるようにします。いつも湿っていると球根が腐ってしまうので注意しましょう。また、草丈が1m前後になるので、花茎が伸びてきたら支柱を立てたほうがよいでしょう。
大きなアレンジでも小さなアレンジでも楽しめます
グラジオラスは1球から2〜3本の花茎が上がります。たくさん咲いたら、切って室内に飾って楽しむのもいいですね。草丈の高いグラジオラスは、大きな花瓶に1〜2本でもゴージャスな雰囲気になります。大きすぎて飾りにくい時は、花の上の方を切って小さなアレンジにしても楽しめます。
花後の葉を残せば2〜3年は楽しめる
花が終わった後は、葉を切り取らずに枯れるまでおいておけば、翌年以降も2〜3年は続けて夏に花を楽しむことができるでしょう。
グラジオラスはとても育てやすく、失敗が少ないので初心者におすすめです。また、春の花がたくさん咲いている今の時期の花壇でも作業ができるのがいいところ。夏以降の庭や花壇の計画がまだの人は、ぜひ取り入れてみてくださいね!
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