花茎を長く伸ばし、小さな花を鈴なりに連ねるカラミンサは、初夏から秋まで長く咲く草花の一つ。ミントのようなすがすがしい香りを持ち、ハーブとしての一面も持っています。この記事では、カラミンサの基本情報や種類、詳しい育て方、取り入れ方など、幅広くご紹介していきます。

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カラミンサはこんな花! まずは基本情報を確認しよう

カラミンサはシソ科トウバナ属(カラミンサ属)の多年草。原産地は南ヨーロッパ、地中海沿岸で、寒さに強い性質を持っています。花の名前は、学名のCalaminthaからそのまま呼ばれて流通しています。「カラミント」と呼ばれることもあるようです。

カラミンサの草丈は15〜50cmほどで、さわやかなミントの香りがあります。花色は淡いピンク、白、淡い紫色。花穂を長く伸ばした先に小さな花をいくつも連ね、一つひとつの花は小さいものの、花つきがよいので開花時期は大変華やかです。

カラミンサは多年草のため、ライフサイクルが長いのが特徴。春に成長期を迎えて新芽をたくさん出し、5月中旬〜11月上旬に開花、冬になると地上部を枯らします。しかし枯れたわけではなく、地中で休眠して越年し、春になると再び新芽を出し始める……ということを繰り返し、一度植え付ければ長く楽しめる植物です。

カラミンサの代表的な種類を紹介

カラミンサは、主に7種が分布しているとされていますが、日本のガーデニングで流通しているのは主に2種類です。ここでは、カラミンサの代表的な種類についてご紹介します。

最も流通している品種のカラミンサ・ネペタ

カラミンサ・ネペタ
Enokorogusa/Shutterstock.com

カラミンサ・ネペタは、最もポピュラーに出回っており、コモン・カラミンサとも呼ばれています。花色は白、淡い紫色で、花のサイズは1〜2cmくらい。小さな花が花茎にたくさんつき、群植すると見応えがあります。

一回り大きな花を咲かせるカラミンサ・グランディフローラ

カラミンサ・グランディフローラ
Anna Gratys/Shutterstock.com

カラミンサ・グランディフローラは、ネペタよりも少し花のサイズが大きめで、2〜3cmほど。花色は淡いピンクで、華やかな雰囲気が素敵です。園芸品種の‘バリエガータ’は、葉に白い斑が入るので、カラーリーフとして利用することもできます。

カラミンサを元気に育てるコツ

ここまで、カラミンサの基本情報や種類についてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、カラミンサの育て方について、詳しく解説します。

カラミンサに適した栽培環境

カラミンサ
Wiert nieuman/Shutterstock.com

カラミンサは、日当たり、風通しのよい場所を好みます。水はけのよい場所であれば、朝のみ日が差す東側や木漏れ日がチラチラと差す程度の半日陰の場所でも栽培できますが、日当たりの悪い場所では、花つきが悪くなったり、徒長して茎葉がヒョロヒョロと長く伸びて倒れやすくなるので注意してください。

水はけ、水もちのよい土壌を好みます。極端な乾燥を嫌うので、適度な水管理が必要です。

カラミンサは寒さには強いので、特に防寒の必要はありません。

カラミンサに適した土づくり

土
blueeyes/Shutterstock.com

【地植え】

植え付けの約2週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕してください。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

ハーブ用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。自身で配合土を作りたい場合は、赤玉土小粒6、軽石1、腐葉土3の割合でブレンドするとよいでしょう。

カラミンサの植え付けと植え替え

ガーデニング
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カラミンサの植え付け・植え替えの適期は、3〜4月頃か、9月下旬〜11月上旬頃です。ただし、植え付け適期以外にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えます。株が大きく育つので、複数の苗を植える場合は、40㎝くらいの間隔を取っておきましょう。

庭で育てている場合、環境に合えば植え替える必要はありません。

【鉢植え】

鉢で栽培する場合は、6〜8号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてからハーブ用の培養土を半分くらいまで入れましょう。カラミンサの苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に入れて仮置きして高さを決めます。少しずつ土を入れて、植え付けていきましょう。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前には水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢を崩す程度にして植え替えてください。

カラミンサの水やり

水やり
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水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えましょう。

真夏に水やりする場合は、気温が上がっている昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

【地植え】

根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

カラミンサは、極端に乾燥するのを嫌うので、日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、多湿が苦手で、いつでもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたのを見はからってから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬に地上部が枯れても、カラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。

カラミンサの肥料

肥料
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【地植え・鉢植えともに】

やせ地で育つほど強健な性質なので、1年目は植え付け時に元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。

2年目以降は春に新芽が動き出す少し前の3月上旬と、気温が落ち着く9月下旬頃に、緩効性化成肥料を株の周りにまいて軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。

成長が旺盛なカラミンサは切り戻しが必要

剪定
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多湿になると株が蒸れて弱ることがあるので、梅雨前に切り戻して風通しよく管理します。地際から10〜20cmの高さを目安にカットして、込み合っている部分があればすかし剪定をしておくとよいでしょう。

カラミンサを育てるうえで気をつけておきたい病気や害虫

【病気】

ほとんど病気の心配はありませんが、まれにうどんこ病や灰色かび病が発生することがあります。

うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分しましょう。

灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほどかつ多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合いすぎていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合いすぎている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。

【害虫】

カラミンサはほとんど害虫発生の心配はありません。

カラミンサを冬越しさせるのに対策をすべき?

カラミンサは、基本的に寒くなると落葉して越年します。枯れ葉などをいつまでも残しておくと、病害虫の越年場所となってしまうことがあるので、地上部が枯れたら枯れ葉や茎を地際で刈り取っておくとよいでしょう。

カラミンサは寒さに大変強く、種類にもよりますがマイナス10℃まで耐えるとされています。そのため庭植えの場合は、植えっぱなしにしてもかまいません。鉢栽培の場合も室内などに取り入れる必要はなく、戸外に置いたままにして越冬できます。

カラミンサの増やし方は3種類

種まき
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カラミンサは、種まき、挿し芽、株分けで増やすことができます。

花後に種を採取して種まき! こぼれ種でも増える

種まきするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。カラミンサはこぼれ種で増えるほどに強健な性質なので、種まきは容易です。

カラミンサの種まきの適期は4月頃で、発芽適温は20℃くらいです。種まき用のセルトレイにハーブ用にブレンドされた市販の培養土を入れ、1穴当たり1〜2粒ずつ播きます。種が隠れる程度に土を薄くかけ、はす口をつけたジョウロで高い位置から優しい水流で水やりをしましょう。乾燥しないように管理し、発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗しましょう。ポットに根が回ってしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植します。

手間はかかるが挿し芽でも容易に増やせる!

挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽で増やせないものもありますが、カラミンサは挿し芽で増やせます。

カラミンサの挿し芽の適期は、3〜4月か9月下旬〜11月上旬頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚取ります。セルトレイを用意して新しい培養土を入れ、水を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴を開け、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたら黒ポットに鉢上げして育苗し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

株が大きくなったら株分けで増やせる!

カラミンサは株分けして増やすことができ、適期は9月下旬〜11月上旬です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。株を掘り上げて数芽ずつつけて根を切り分け、再び植え直します。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。

花期が長いカラミンサは寄せ植えにもピッタリ

寄せ植え
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カラミンサは、草丈が50cmほどにまで成長するので、花壇では中段あたりで活躍。茎葉を多数立ち上げて小さな花を咲かせるので、空間を埋める役割やメインとなる花の引き立て役として重宝します。草丈や株幅が大きくなるので、寄せ植えの花材として利用するなら大鉢を用意してください。脇役として後方や中央に配するのもいいですが、単植してこんもりと仕立てて楽しむのも素敵です。

ミントのようないい香りがするカラミンサはハーブとして楽しめる

カラミンサ
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カラミンサは、ミントのような清涼感のある香りを持っています。生葉を利用してハーブティーを淹れてもよく、摘み取った葉をだしパックに入れて湯船に浮かべ、ハーバルバスとして利用することもできます。

春から秋まで花が楽しめるカラミンサを育ててみよう!

カラミンサ
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開花期が長く、長い期間にわたって庭を彩ってくれるカラミンサ。強健な性質で、管理の手間がかからないのでビギナーにもおすすめ。寄せ植えや花壇などで活躍するほか、ハーブとして利用の楽しみもあるので、ぜひ庭やベランダで育ててみてはいかがでしょうか。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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