スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
-
一年草

フラックス(亜麻)は美しいブルーの花が魅力! 育て方から亜麻仁油の食べ方までご紹介
フラックス(亜麻)の基本情報 Manfred Ruckszio/Shutterstock.com 植物名:リナム学名:Linum英名:flax和名:アマ(亜麻)その他の名前:フラックス、ブルーアース、ペレニアルフラックス、宿根アマ科名:アマ科属名:アマ属原産地:北半球の温帯、亜熱帯形態:宿根草(多年草)・一年草 フラックスは英名のflaxからきたもので、学名はLinum(リナム)、和名はアマ。アマ科アマ属の一年草、または宿根草です。原産地は北半球の温帯、亜熱帯で、200種ほどが分布しています。日本で主に流通しているのは、宿根草のLinum perenne(リナム・ペレンネ)、ベニバナアマの和名で知られるLinum grandiflorum(リナム・グランディフロルム)などで、園芸種もいくつか見られます。一年草のフラックスの茎から作られる繊維はリネン生地の材料に使われているほか、種子からは亜麻仁油が採取でき、北海道の一部で生産されています。草丈は50〜70cmで、花壇では中段〜後段に向いています。 フラックスの花や葉の特徴 weha/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:4〜7月草丈:50〜70cm耐寒性:強い耐暑性:やや弱い花色:青、白、ピンク、赤 フラックスの開花期は4〜7月で、花色は淡いブルー、白、ピンクなど。花茎を立ち上げた先に、花径2〜3cmほどの5弁花がつきます。日の出とともに開花し、午後には散ってしまう一日花ですが、花つきがよく開花期間中は次々とつぼみを上げて多数の花を咲かせます。花後には球状の実をつけ、種子採りも可能です。亜麻の葉は茎に互生につき、長さ2〜4cmの細長い線のような形をしています。 フラックスの名前の由来や花言葉 Flower_Garden/Shutterstock.com 学名のLinumは「糸」という意味で、茎から繊維が取れることに由来します。和名のアマ(亜麻)の「亜」は「次に」という意味を持ち、麻の次に繊維や食用油などが取れる有用植物という意味で名付けられたとされています。 フラックスの花言葉は「あなたの親切に感謝します」です。 フラックスの主な種類 フラックスには一年草と宿根草があり、一年草のフラックスはリネンやハーブとしても利用され、宿根草のフラックスはペレニアルフラックスや宿根アマと呼ばれます。主な種類をいくつかご紹介します。 フラックス(L. usitatissimum) Lialina Olena/Shutterstock.com 繊維や油などが利用できる有用植物で、英語ではコモンフラックスとも呼ばれ、一般に栽培されています。散りやすい小さな花は整った花形で色も美しく、繊細な印象です。まっすぐ伸びた茎の頂部に、房状に花を咲かせます。苗ではほとんど出回らず、種まきから育てるのが一般的です。 ペレニアルフラックス(L. perenne) Paul Burr/Shutterstock.com 宿根フラックス、宿根アマとも呼ばれるとおり多年性で、花はやや大きめ。花付きがよく、株元から分枝してボリュームがある株姿になります。細長い葉は茎に密につきます。白花種もあります。 リナム・グランディフローラ(L. grandiflorum) Diana Hlachova/Shutterstock.com 紅花フラックスや紅花アマとも呼ばれます。赤く大きめの花は華やかで、観賞用によく栽培されます。花の中心部分が黒紫になるのが特徴。ピンクや白の園芸品種もあり、代表的な品種に‘スカーレット・フラックス’があります。一年草です。 亜麻色はどのような色? Rubanitor/Shutterstock.com 『亜麻色の髪の乙女』というドビュッシーの名曲がありますが、この「亜麻色」とはどのような色を指すのでしょうか。この名曲から、金髪のような色をイメージする方も多いでしょう。亜麻色とは、アマの繊維から作った糸を紡いだ色を指しており、明るい薄茶色です。 フラックスの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4〜7月植え付け:5月、10月肥料:特になし種まき:10月頃(秋まき)、3月下旬〜4月(春まき) フラックスの栽培環境 Emilio100/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。日照不足では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとしたか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意しましょう。 【日当たり/屋内】一年を通して屋外での栽培が基本です。 【置き場所】土壌は水はけ・水もちがよく、腐植質に富んだ環境を好みます。もともと乾燥した気候のもとで自生してきた植物なので、水はけのよい土壌づくりをしておくことがポイントです。高温多湿が苦手なので、鉢植えの場合は風通しがよく涼しい場所で夏越しするとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 フラックスは暑さにはやや弱いです。一年草のフラックスは暑くなると枯れてしまいますが、越年して数年は生育する宿根草のフラックスも、暑さの厳しい暖地では夏を乗り越えることは難しいケースが多いようです。鉢植えは、夏は風通しがよく涼しい場所に移動し、地植えの場合は梅雨前に鉢に植え替えて同様に管理するのも一案です。寒さには強いですが、秋に種まきをして冬越しさせる場合は、株元にバークチップなどでマルチングし、霜対策をしておくとよいでしょう。 フラックスの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 苗を植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材と緩効性肥料を投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておきます。水はけの悪い場所では、川砂やパーライトなどで土壌改良し、周囲より土を盛っておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり ITP Media/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、過度な乾燥が続くようであれば、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、フラックスは乾燥気味の環境を好み、いつもじめじめした状態になると根腐れすることがあるので注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え・鉢植え共に】 植え付けの際に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。フラックスはやせ地でも育つ植物で、肥料を多く与えすぎると、倒れやすくなったり、軟弱になって病気が発生しやすくなるので、追肥は必要ありません。ただし、株に勢いがなく葉色が冴えない場合は、液肥を与えて様子を見てください。 注意すべき病害虫 フラックスの栽培では、健全に育っていれば病害虫が発生する心配はほとんどありません。ただし、肥料の与えすぎによって軟弱な株になった場合は、病害虫が発生しやすくなるので注意します。 フラックスの詳しい育て方 種まき Kunlanan Yarist/Shutterstock.com 一年草のフラックスは苗がほとんど出回っていないため、種まきからスタートするのが一般的です。種まきは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことがメリット。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。苗が手に入れば、苗の植え付けからスタートすることも可能です。 種まきの適期は、秋まきの場合は10月頃、春まきの場合は3月下旬〜4月です。暑さに弱いので、暖地では秋に播いて越年させ、株を大きくして開花に向かわせるとよいでしょう。 まず、黒ポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、種子を播いてごく薄く覆土します。最後にたっぷりと水を与えます。発芽までは雨の当たらない明るい半日陰で管理し、乾燥しないように適度に水やりしましょう。1週間ほどで発芽するので、発芽後は日当たりのよい場所へ移動し、植え付け適期まで育苗します。 植え付け・植え替え Nataly Studio/Shutterstock.com フラックスの植え付け適期は、秋まきの場合は10月頃、春まきの場合や花苗店で苗を購入した場合は5月頃です。苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に苗よりも1回り大きな穴を掘り、根鉢をくずさずに植え付けます。苗が複数の場合は、10〜30cmほどの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。 宿根草タイプを地植えして越年した場合、環境に合ってよく育っていれば植え替えの必要はなく、また、移植を嫌うため植え替えは極力しなように育てます。また、冷涼な土地であっても2〜3年で衰退するため、長年育てたい場合は、毎年タネから小苗を育てて更新するか、こぼれダネで毎年新しい苗を育てることをおすすめします。 【鉢植え】 鉢の大きさは、6〜7号鉢を準備します。 底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、根鉢をくずさずに植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 宿根草タイプを鉢植えにして越年できた場合も、2〜3年で衰退するため、長年育てたい場合は、毎年タネから小苗を育てて更新していくことをおすすめします。 日常のお手入れ Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 【花がら摘み】 多数の花が咲くうえ、一日花なので花がら摘みの手入れをすることは現実的ではありません。花がらはそのままにして、タネが熟すまでの姿も楽しむことをおすすめします。亜麻を翌年も同じ場所で育てたい場合は、種子を採らずそのままタネが地面に落ちるのを待ち、こぼれダネで翌年の苗ができるように管理します。もし、別の場所で再び育てたい場合は、種子が熟したら採取して保管し、秋や春に種まきをするとよいでしょう。 増やし方 krolya25/Shutterstock.com フラックスは種まきで増やします。 フラックスは移植を嫌うことや、2〜3年で株が衰退するので、種まきで増やします。花がら摘みをせず咲かせたままにしておけば、多くの種子が採取できるので、熟した種子を採取して密閉容器に入れ、種まき適期まで保管しておきましょう。 種まきの方法については、「種まき」の項目を参照してください。 亜麻(フラックス)の歴史 Bits And Splits/Shutterstock.com 亜麻は古くから栽培され、暮らしに利用されてきた植物です。ここでは、世界と日本の亜麻の歴史についてご紹介します。 世界における亜麻の歴史 亜麻は古代から栽培されてきた植物で、中東やユーラシア大陸西部で利用されてきたことが分かっています。石器時代には繊維と種子を利用していた記録があり、紀元前7000年前にはトルコやシリアで、紀元前5000年頃にはエジプトでも栽培されていました。時代が進んで800年頃にはフランスで食用として利用され、1700年代中期には北米で商業生産されるようになりました。現在では世界各国で栽培されています。 日本における亜麻の歴史 日本には明治時代に北海道の開拓に努めた榎本武揚が、駐ロシア大使として赴任していた時に亜麻の種子を入手し、屯田兵に栽培させたことが始まりとされています。寒さに強い性質から主に北海道での栽培が盛んになり、第二次世界大戦頃にピークを迎えましたが、1960年代頃からは徐々に衰退していきました。2000年代に入ると、その質のよさが再注目されて、栽培が復活し始めています。 亜麻(フラックス)の繊維が原料のリネンの特徴 Auhustsinovich/Shutterstock.com 亜麻の茎を採取したのち繊維として加工し、織られた生地がリネン。天然繊維の中でも特に強い生地として知られ、濡れると強度が増して洗濯にも強いのが特徴です。通気性と保水性に優れ、現代でも衣類やシーツ、カーテンなど幅広い用途に用いられています。シワになりやすいのが難点ですが、カジュアルな着こなしとしてシワを生かしてもいいですね。 亜麻仁油の特徴 kuzina/Shutterstock.com 亜麻の種子から採れる油を「亜麻仁油」といいます。ここでは、亜麻仁油の特徴についてガイドします。 亜麻仁油はどんな油? 保管方法は? 亜麻の種子から採れる油を「亜麻仁油」といい、食用のほかに塗料など幅広く利用されています。栄養価が豊富なため、近年はスーパーフードとしても注目を浴びています。保管の仕方が悪いと劣化が進みやすいため、使用後はしっかりと蓋をしめ、空気に晒さないようにしましょう。また低温でも劣化しやすくなるため、冷蔵庫には入れないでください。 亜麻仁油の食べ方 亜麻仁油は、加熱せずそのまま摂取するのがよいとされています。スプーン1杯程度が適量ですが、そのままでは苦みがあるので、何かに混ぜると食べやすいでしょう。ドレッシングを作る際に他の食用油の代わりに用いるほか、ヨーグルトに混ぜたり、冷奴や納豆にかけたりするのもおすすめです。 亜麻仁油に含まれる成分 亜麻仁油には、必須脂肪酸のオメガ3系のαリノレン酸やオメガ6系統のリノール酸が豊富に含まれています。これらは体内では作られないため、食品から摂取する必要がある成分です。 フラックス(亜麻)は花が観賞できリネンや亜麻仁油の原料にもなる植物 NsdPower/Shutterstock.com 古代から人々の暮らしに寄り添ってきたフラックス(亜麻)。その優美な花姿も魅力で、春から初夏にかけて咲く花は心を癒やしてくれます。ぜひフラックスを手に入れて、庭やベランダを彩ってみてはいかがでしょうか。
-
ガーデン&ショップ

「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」ガーデナー5名の2月の“庭づくり”をレポート
本格的な春到来前に行なわれた2月のメンテナンス作業 作庭日の2月下旬は、例年ほどの寒い日はなかったものの、吹きさらしの砧公園では最低気温がマイナスになることもありました。どのガーデンも万全の策で無事に冬を乗り越えていましたが、自然が相手では思いもよらぬことが起きるもの。いくつかのガーデンで球根類が掘り起こされた跡が発見されました。そのイタズラは、周囲の大木に棲みつく都会のカラスたちによるものと判明。代々木・神代ではなかった事態です。 そこでガーデナーたちは、カラス対策として水糸や麻糸を植栽の上に張り巡らすなどの策を講じることになりました。それでも隙間から入り込むつわものも。植物が根を張るまでの辛抱です。 鳥よけが施されたガーデン。これも自然との共存のためのひと手間。 「第3回 東京パークガーデンアワード」【2月】第2回作庭 2回目となるコンテストガーデンの作庭は、12月の第1回作庭時に多くの作業を済ませたこともあり、半日~1日でほぼ作業が終わりました。順調に進んだそれぞれのガーデンの作庭の様子をご紹介します。 コンテストガーデンAGathering of Bouquet 〜庭の花束〜 ◆今回の作業◆ ①プランツタグをつける カラスが紙のタグを引っこ抜いてしまう前に、金属製の黒いプランツタグを設置する。 ②グラス類の切り戻し、枯れた葉の除去 グラス類の地上部をカット。取り除いた枯れ葉とグラス類は細かく切って、花壇の中央に設けたバイオネストに入れる。 ③新しい苗の追加植栽とバークの追加 カラスの被害を受けた苗は交換しながら、ポイントでフロックスを補植。マルチングが流出した箇所には、寒の戻りの対策としてマルチバークを追加する。 ④バイオネストの補強と中を攪拌 しなやかな細い枝を編み込みながらバイオネストを補強しつつ、細かく刻んだ発生材はおがくずと一緒に土としっかり攪拌する。 ◆作業完了時のガーデンの様子◆ 草花を通じて、訪れる人々の優しい気持ちが連鎖するようにとの願いを込め、ラウンド形のブーケを模した配植計画と色彩計画で構成されています。子どもたちの目線の高さを意識して計画されているため、レイズドベッドの縁近くにはスイセンやシラーなどのコンパクトな球根類が咲き、多くの世代の目線からも楽しめるように工夫されています。また、花壇中央に設けたバイオネストへと続く管理動線には小枝を用いており、里山の小路を連想させるような、どこか懐かしさを覚える風景が広がっています。 コンテストガーデンBCircle of living things 〜おいでよ、みんなのにわへ〜 ◆今回の作業◆ ①新しく苗を追加植栽、マルチングの調整 前回手に入らなかった植物を新たに植える。バークに埋まってしまっている小さな植物によく日が当たるように、多すぎるバークを取り除く。 ②枯れたグラス類の上部をカット 枯れたグラスの葉を取り除き、溝に入れる。まだ寒くなることも考えられるので、汚くなった枝葉除去は、次回以降のメンテナンスに回す。 ③プランツタグを設置 植物名を刻印した木製のオリジナルプランツタグを各所に挿す。 ◆作業完了時のガーデンの様子◆ 命の循環というキーワードをもとに、植物だけではなく、生きとし生けるものたちの集まる「庭」をテーマにデザインされています。また、レタスなどの野菜類も加え、いままで携わっていたコミュニティー菜園をこの花壇に再現。宿根草の庭に収穫の要素が追加され、誰もが心浮き立つ風景が作られました。これからの時期、子どもたちが楽しめるオジギソウやニンジンのタネが、ガーデンの手前側に播かれる予定。新しい発想が盛り込まれています。 コンテストガーデンCLadybugs Table 「てんとう虫たちの食卓」 ◆今回の作業◆ ①花がら摘み、球根の植え直し 美観のためと花期をのばす目的で、ビオラの花がらをしっかりと摘み取る。また、カラスに掘り返された球根を植え直す。 ②苗の追加 前回手に入らなかったクジャクアスターやベニチガヤなどの苗を新たに補植する。 輸入苗のエピメディウム(イカリソウ)。株が大きいので分割して植える。 ③バークチップを足す マルチングが減ってしまった場所に、バークチップを加える。 ◆作業完了時のガーデンの様子◆ 砧公園で暮らす「小さな住人(虫たち)」がこのガーデンを訪れて棲みつきやすいように生態系を意識した植栽デザイン。見る場所や角度によって印象が変わるように、植栽にも工夫が施されています。花壇内の地面には高低差が設けられているので、これからさらにどのような立体感が生まれてくるのか楽しみ。カラスよけに用いられた紫とオレンジ色の麻ヒモは、英国のナッツシーン社のもの。色彩の少ない時期のガーデンに取り入れた色づかいが、心憎いこだわりを感じさせています。 コンテストガーデンDKINUTA “One Health” Garden ◆今回の作業◆ ①雑草取り ところどころに生えている雑草を抜いて袋に集め、花壇内に設けたバイオネストに投入。 ②新たなステップを配す オオヒラダケの菌床を固めて作ったステップを新たに数カ所配置。12月に配したものは、すでに朽ち始めていた。 ③切り戻し(グラス、低木など) ノコンギク(ホキヤマ)、ススキなどの枯れた不要な部分を地際から切り戻し、バイオネストに投入。 ④バイオネストの中を整える 当日発生したものも入れた状態。この後、米ヌカが手に入り次第、加えて混ぜ込む予定。 ◆作業完了時のガーデンの様子◆ ヒトの健康、生きものの健康、環境の保全を包括的な繋がりとして捉えるワンヘルス (One Health)の概念を軸に、土壌環境を改善し、植物や微生物を豊かに育て、鳥や虫など地域の生きものを呼び込むガーデンです。植物は植えた当時からそれほど大きな成長は見られませんが、手触りや香りを楽しめる植物たちの“人の心に安らぎをもたらす”ための準備はすでに整えられており、土中の菌糸たちも旺盛に広がっています。 コンテストガーデンE「みんなのガーデン」から「みんなの地球(ほし)」へ ◆今回の作業◆ ①除草、枯葉整理、切り戻し 冬季落葉で枯れた部分をすべて取り除き、春に向けての美観整理を行う。発生した切り枝葉は、通路の土に混ぜ込んでリサイクル。 ②球根の植え直し、新たな苗の補植 カラスに掘り出された球根を植え戻し、春植え品種を追加。景観のボリューム・バランスを整えるための新たな苗と球根の補植を行う。 ③寒さよけを一度取り外す 冬の植え付けだったため、不織布をかけて初年度の寒さから保護養生していたマンガべ ‘マッチョモカ’。不織布を一度取り外し、傷んだ外葉を整理する。本種は寒い冬には外葉が枯れて半落葉状態になることがあるが、温暖期の新葉で株が更新される。秋までによく根を張らせることで本来の耐寒性が発揮でき、2年目以降は防寒の必要はない。 ④通路に客土して地形を調整 土砂の流失を和らげるため、一度入れた土を取り除き、培養土と米ぬか酵素、砕いたトウガラシを混ぜ込んで戻す。こうして底上げを行い、花壇内の高低差を減らす。 ⑤剪定 花壇中央でアクセントになっているコルヌスは春の鮮やかなカラーリーフの芽吹きを促進させるため、半数の枝を低い位置でカット。一部の枝は春先のボリューム維持のため、今回は長いまま残している。 ◆作業完了時のガーデンの様子◆ 人だけでなく虫や鳥、土壌菌類などの分解者、そして庭の先につながるこの生きた星「地球」の環境といった全ての「生あるもの」。みんなが共に助け合いながら、末長く幸せに暮らす世界、生命共存の尊さ・美しさを伝えたい――。そんな想いを、個性豊かな植物で独創的に表現。芽吹き前で植物の地上部は少ないですが、既にそれぞれが強く主張し合っています。ボランティアで集まったチームの知識と想いの共有と共感、そして連携が、このガーデンの隠れたコンセプトとなり、今回の課題(テーマ)につながっています。 コンテストガーデンを見に行こう! Information 都立砧公園「みんなのひろば」前所在地: 東京都世田谷区砧公園1-1電話: 03-3700-0414https://www.tokyo-park.or.jp/park/kinuta/index.html開園時間:常時開園※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせ下さい。入園料:無料アクセス:東急田園都市線「用賀」から徒歩20分。または東急コーチバス(美術館行き)「美術館」下車/ 小田急線「千歳船橋」から東急バス(田園調布駅行き)「砧公園緑地入口」下車/小田急線「成城学園前駅」から東急バス(二子玉川駅行き)「区立総合運動場」下車駐車場:有料
-
樹木

桜(サクラ)は何種類ある? 基本的な14品種を写真つきで特徴や魅力も解説!
桜の基本情報 福島県二本松市「合戦場のしだれ桜」。 桜は、バラ科サクラ亜科サクラ属(Prunus subg. Cerasus)の落葉高木、または低木です。日本ではヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、オオシマザクラ、エドヒガン、チョウジザクラ、マメザクラ、タカネザクラ、ミヤマザクラ、クマノザクラの10種を基本にして、変種を合わせると100種以上の桜が自生しており、沖縄には野生化したといわれるカンヒザクラがあります。また、これらから育成された園芸品種は200以上もあり、一重咲きや華やかな八重咲き、枝垂れ咲きなど、品種によって多様な咲き姿や色合いを楽しむことができるのも魅力です。 桜の主な種類 ひと口に桜といっても、公園や街路樹として植えられる大きな品種から、個人の庭に植える中木程度の品種まで、じつに多くの種類があります。そこで、日本で見られる代表的な桜をご紹介しましょう。 ソメイヨシノ(染井吉野) Alex Manders/shutterstock.com 開花時期:3〜4月落葉高木 ソメイヨシノは日本で最も有名な桜であり、日本固有の桜とされています。江戸末期~明治初期頃から園芸品種として栽培されており、当時の染井村の植木職人や造園師が、オオシマザクラとエドヒガンを交配させてつくったとされています。花弁は5枚あり、咲き始めは淡い赤色で、満開になると白色に近い色になります。日本で栽培されているソメイヨシノすべてがクローン(挿し木や接ぎ木などでの繁殖)で増やされたため、一斉に開花するという特徴があり、桜の開花日を予想する「桜前線」もソメイヨシノの開花を基準にしています。 桜の開花情報 https://tenki.jp/sakura/ エドヒガンザクラ(江戸彼岸桜) zzz555zzz /Shutterstock.com 開花時期:3月下旬(他よりも10日ほど早い)落葉高木 エドヒガンザクラは、本州・四国・九州の山地でよく見られる種類で、樹高は15~25m、楕円形の葉が特徴です。花弁は5枚で一重、色は薄紅色から白に変わります。丈夫で花がたくさん咲くため、多くの品種の母種として使われ、ソメイヨシノの片親としても有名です。寿命は長く、日本の三大桜と謳われる山梨県北巨摩郡武川村の山高神代桜(やまたかじんだいざくら)は樹齢2,000年以上、岐阜県本巣市の根尾谷淡墨桜(ねおだにうすずみざくら)は樹齢1,500年以上、福島県田村郡三春町の三春滝桜(みはるたきざくら)は樹齢1,000年以上とされています。これらは国の天然記念物に指定され、世界中から多くの観光客が見物に訪れます。 福島県田村郡三春町の「三春滝桜」は樹齢1,000年以上と推定されており、国の天然記念物に指定されている。YouTubeのライブ中継で開花を見ることができる。 Find!三春ホームページ http://miharukoma.com写真提供/福島県観光復興推進委員会 マメザクラ(豆桜) 開花時期:3月下旬〜5月上旬(自生地)、3月下旬〜4月上旬(東京)落葉小高木または低木 マメザクラは、箱根や伊豆、富士山の標高1,500m以下の低山地から丘陵帯に咲く自生種で、別名「フジザクラ」とも呼ばれます。樹の高さは他の種類と比べて低く、岩石地に生えているものは、1m以下でも花をつけます。また、花径も1~2cmと小さく、花弁は5枚、白色から淡紅色で下向きに咲くのが特徴です。花後に伏毛のある葉が生え、直径8mm程で甘みのある黒い実がなります。挿し木でも増え、家庭の庭でも育てられます。 ヤマザクラ(山桜) traction/Shutterstock.com 開花時期:3月中旬〜下旬(鹿児島)、3月下旬(対馬)、4月上旬〜中旬(京都、東京) 、4月下旬(松島)落葉高木 ヤマザクラは日本で最も代表的な種類で、古くから詩や歌に詠まれ、親しまれてきました。山地に広く自生し、関東、中部から南の地域によく見られます。花と同時に葉が出るのが特徴で、花弁は5枚、淡紅色の花を咲かせますが、色の変異が多く、白色や先端だけ色が濃い花を咲かせる場合もあります。葉色は赤紫色や褐色など、さまざまに色が変化します。樹皮は暗褐色から灰褐色。丈夫で加工性が高いので、木材としても利用されています。 桜の名所として有名な吉野山の桜は、650年頃から修験者たちが植えたものといわれており、ヤマザクラを中心に約200種3万本の桜が密集している。吉野山観光協会 http://www.yoshinoyama-sakura.jp/sakura.php オオヤマザクラ(大山桜) 開花時期:4月中旬〜5月上旬(日光)、4月中旬(東京)落葉高木 オオヤマザクラは、ヤマザクラより花や葉が大きいことから名付けられました。寒さに強く、北海道の山地によく見られることから、別名「エゾヤマザクラ(蝦夷山桜)」とも呼ばれています。花は直径3~5cmになり、花柄はほとんどなく、ソメイヨシノなどと比べて濃いピンク色の花を咲かせます。樹高は7~15mですが、20m程度まで成長することもあります。夏になると小さな黒紫色の実をつけ、鳥たちがその実を食べにきます。 カンヒザクラ(寒緋桜) 開花時期:1月下旬〜2月下旬(沖縄)、3月中旬(東京)落葉高木または亜高木 カンヒザクラは沖縄でよく見られる桜で、早咲きとして有名なカワヅザクラの片親です。花の色は名前の「緋」からも分かるような赤紫色が一般的ですが、ときに白色や色の淡いものなどもあり、個体によって異なります。開花後、花は釣り鐘のように垂れ下がっていき、最後は花びらがついた状態で落ちます。花の大きさは小ぶりで、樹高も他と比べて約5mと低いのが特徴です。寒さに弱く寒冷地ではあまり育ちませんが、耐暑性があります。別名がいくつかあり「ヒカンザクラ」や九州南部では「ガンジツザクラ(元日桜)」、「サツマヒザクラ(薩摩緋桜)」と呼ばれることもあります。 オオシマザクラ(大島桜) 開花時期:3月下旬(伊豆半島、南伊豆) 、4月上旬(東京)落葉高木 伊豆七島、伊豆半島でよく見られる桜で、伊豆大島北東部にある本種の株は天然記念物に指定されています。樹形、花の形や色、果実の味まで個体によって変異が多く見られますが、ふつう花弁は5枚で白色が多く、淡い香りがします。また葉の成長と一緒に花をつけ、丈夫で成長が早いという特徴があります。葉の長さは5~10cmで先端が尖っており、桜餅を包む塩漬けの葉はこのオオシマザクラの葉が使われています。オオシマザクラは多くの園芸品種を生み出しており、ソメイヨシノやカワヅザクラの片親としても有名です。 カワヅザクラ(河津桜) * 開花時期:3月上旬〜中旬(伊豆半島)落葉高木 花は直径約3cmのピンク色、または淡い紅色。花序は散房状で4〜5花からなり、樹皮は紫褐色で光沢があります。原木が野生で発見され、カンヒザクラとオオシマザクラの自然交雑種と見られています。のちに静岡県河津町に移植されたことから「カワヅザクラ」と名付けられました。早咲きとして有名で、桜の季節になると、静岡県河津町に毎年多くの観光客が訪れます。花期は1カ月と、他の桜と比べて長いという特徴があります。 河津町観光協会 http://www.kawazu-onsen.com/sakura/ シダレザクラ(枝垂れ桜) 開花時期:3月下旬~4月上旬落葉高木 シダレザクラは、柳のように細く垂れ下がるように咲く姿でよく知られる品種です。園芸種であり、全国の公園や寺社で観賞用として植えられています。京都の東寺や平安神宮、東京の六義園、仙台の榴岡公園なども枝垂れ桜の名所として有名です。また、シダレザクラは寿命が大変長く、前出のエドヒガンザクラでも紹介した国指定の天然記念物である福島の「三春滝桜」はエドヒガン系ベニシダレザクラで、樹齢が約1000年だと推定されています。 花の色は淡い紅色または白色・2cm~3cmの花が、垂れ下がった枝に沿って2輪~4輪ずつまとまって咲きます。5枚の花弁を持つ一重咲きが基本ですが、品種によっては八重咲の花もあります。花色や花形の個体差が大きいため、個々の違いが楽しめるでしょう。 ジュウガツザクラ(十月桜) 開花時期:9月下旬~4月上旬小高木 ジュウガツザクラは、秋から冬に開花時期を迎える珍しい桜です。開花時期の中でも旧暦の10月(現在の11月)に咲く様子が特に目立つことから、ジュウガツザクラ(十月桜)と名付けられました。 ジュウガツザクラの花は基本的に白色ですが、薄ピンクや濃ピンクも見られます。蕾はピンクがかっているため、開花時期のはじめ頃は全体がピンクに見えることもあるでしょう。また、花弁は5枚~20枚で八重咲きのものが一般的です。1.5cm~3cmほどの花が3輪~5輪程度まとまって咲きます。 葉は先端が尖った楕円形で、縁にはノコギリの歯のような細かな凹凸があります。枝葉に産毛のような細かな毛があるのも特徴です。 カスミザクラ(霞桜) 開花時期:4~5月落葉高木 カスミザクラは北海道~九州北部の寒冷地に分布している野生の桜です。山間に咲く姿が、山にかかる霞とよく似ていることから、カスミザクラ(霞桜)と名付けられました。ヤマザクラとよく似ているとされていますが、ヤマザクラよりもやや遅い時期に見頃を迎えます。 花色は白色あるいはごく淡いピンク色。5枚の花弁を持つ一重咲きで、2cm~3cmほどの花が2輪~3輪ずつまとまって咲きます。葉は8cm~12cmの楕円形をしており、縁にはギザギザがあります。ヤマザクラと同じく、開花時期と新葉がつく時期が同じなのも特徴です。 ギョイコウ(御衣黄) 開花時期:4月下旬~5月上旬落葉広葉中高木 ギョイコウはオオシマザクラが原種の園芸品種です。一説によると、江戸時代に京都の仁和寺で生まれた桜で、花弁の色が貴族の衣装と似ていることからギョイコウ(御衣黄)と名付けられました。開花時期は桜のなかで最も遅い品種の一つで、ギョイコウの花が終わると初夏がはじまる目安だとされています。 ギョイコウの花は4cm~5cmほどで、約12枚~14枚の花弁が重なって花開く八重咲きです。咲き始めは黄緑色ですが、数日かけて黄色に変わり、やがて花弁に筋状のピンク色が広がります。また、葉は先端が尾のように細く尖った楕円形で、ほかの品種と同様に葉の縁にギザギザの凹凸が見られます。秋には葉が赤く色づき、紅葉が楽しめるのも特徴です。 ヨウコウ(陽光) 開花時期:3月下旬~4月上旬落葉高木 ヨウコウは、アマギヨシノとカンヒザクラの交配種です。作者は愛媛県在住の教員・農業家の高岡正明氏。第二次世界大戦中に出征した教え子たちが、極寒のシベリアや暑さが厳しいジャワで亡くなったことを受け、慰霊をテーマに25年もの歳月をかけて開発されました。 ヨウコウは「どんな環境でも花を咲かせられるように」という思いを込めて開発されたことから、耐暑性・耐寒性に優れているのが特徴です。1981年に品種登録され、鎮魂・平和の志のもと世界各地に無償で提供されています。ヨウコウの花は濃いピンク色。花弁が5枚の一重咲きで、4cm~5cmの花が数輪ずつまとまって咲きます。 チョウジザクラ(丁子桜) 開花時期:3月下旬~4月上旬落葉低木~小高木 チョウジザクラは本州の北中部や九州の一部地域に自生する桜です。花の形が丁子(スパイスのクローブ)に似ていることからチョウジザクラ(丁子桜)と呼ばれています。チョウジザクラの花色は薄いピンクまたは白色で、5枚の花弁で構成されています。ガクから筒状の基部が伸び、その先が花ひらくユニークな花形です。 基部の部分は黄緑色から濃いピンク色のグラデーションで、触ると粘りがあります。花は2cm弱と小さく、花数も少なめなので、遠目から見てもあまり目立ちません。近くで鑑賞したほうが、特有の姿を楽しめるでしょう。 日本の歴史と深い関わりのある桜の種類 Shawn.ccf /Shutterstock.com 古代の桜は御神木として大事にされ、開花はその年の作柄を教えてくれるものとして、人々は豊作を占うために花見をしてきました。昔から行われている花見は山に咲くヤマザクラを見るのが主流で、後に宮人や貴族の「花の宴」へと移り、8代将軍・徳川吉宗によって現在のお花見の風習が確立しました。 ソメイヨシノは日本の桜の約80%を占めるといわれていますが、世間に登場したのは意外と遅く、明治に入ってからです。その頃は、まだ交通が不便な時代だったため「東京にいながら吉野山の桜が見られる」という宣伝文句と、また葉より花が先に咲き乱れるという特性が評判を呼び、関東を中心に、アッという間に人気が広がったといわれています。その後、全国に広がるソメイヨシノとは逆に、文明開化の名のもと、昔からあったサクラは封建時代のシンボルとして伐採されてしまいました。この時に、日本の名花の大半は絶滅したといわれています。さらに昭和初期になると、ソメイヨシノの特徴である「パっと咲いてパっと散る」姿が軍人の心意気を示すとされ、軍国主義の兵舎や小学校にどんどん植えられていきました。第二次世界大戦時には、食糧増産のためソメイヨシノも伐採されてしまいますが、戦後復興のシンボルとして再び植樹され、今では、お花見も盛んに行われるようになりました。 桜の種類別の花言葉 Sanga Park/shutterstock.com 桜にはさまざまな種類があり、品種ごとに花言葉が異なります。ここでは代表的な桜の品種を挙げ、それぞれの花言葉を紹介します。 ・ヤエザクラ(八重桜)…「豊かな教養」「おしとやか」・カワヅザクラ(河津桜)…「純潔」「初恋」・カンヒザクラ(寒緋桜)…「あでやかな美人」 また、英語でも桜の花言葉がいくつかあります。 ・「kind(親切)」・「peace(平和)」・「spiritual beauty(精神的な美しさ)」・「transience of life(人生のはかなさ)」 いずれも桜の見た目や性質にぴったりの花言葉ですね。 いろいろな桜の種類を見つけて楽しもう! Photo/3and garden 桜は種類によって樹形から花の大きさや数、花色がさまざまに違います。庭に桜を植えたいと考えている方はぜひ、好みの種類を見つけて育てることをおすすめします。また全国の桜の名所では、直接花見に来られない人のために、ライブ配信や動画を使って美しい開花の様子を紹介したり、桜の写真集やボタニカルアート、桜を使ったお菓子やグッズの販売など、さまざまな楽しみ方を提案しています。みなさんもぜひ、自分流のスタイルでお花見を楽しんでみてください。
-
宿根草・多年草

アルストロメリアはカラフルな花が魅力! 特徴や育て方のポイント、主な品種もご紹介
アルストロメリアの基本情報 Ichirou Tsumori/Shutterstock.com 植物名:アルストロメリア学名:Alstroemeria英名:Peruvian lily、lily of the Incas和名:ユリズイセン(百合水仙)その他の名前:ユメユリソウ、インカノユリ科名:ユリズイセン科属名:ユリズイセン属(アルストロメリア属)原産地:南米形態:宿根草(多年草) アルストロメリアの学名は、Alstroemeriaで、そのまま流通名にもなっています。ユリズイセン科ユリズイセン属(アルストロメリア属)の常緑多年草です。原産地はチリの高地からブラジルの森林地帯で、約120種が分布。花色、花姿は種類によってさまざまで、草丈も10〜100cmと幅があります。分布地域が広く種類も多様なため、日本の環境に適したものを選ぶとよいでしょう。交配が進んでおり、育てやすい園芸品種が多数出回っています。花色が豊富で花もちもよいことから、フラワーアレンジメントでも人気の高い花の1つです。 アルストロメリアの花や葉の特徴 patjo/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:4〜6月草丈:10〜100cm耐寒性:やや弱い耐暑性:やや弱い花色:赤、ピンク、淡いピンク、紫、オレンジ、黄、白、複色など アルストロメリアの開花期は、4〜6月です。花色は赤、ピンク、淡いピンク、紫、オレンジ、黄、白、複色など。花弁は6枚で、ベイン(脈)やそばかすが入るものなどが多く見られます。葉はやや肉厚で互生に付き、付け根でねじれる特性があります。 アルストロメリアの名前の由来や花言葉 Natalia van D/Shutterstock.com アルストロメリアという名前は、この花を発見した植物学者リンネが、友人の名前からとったとされています。 花言葉は「持続」「未来への憧れ」「エキゾチック」など。「持続」は花もちがよいことから。ほかは花姿をイメージしているようです。 アルストロメリアの主な系統 アルストロメリアにはいくつかの系統があるので、代表的なものを一部ご紹介します。ただし、近年は交配が進んで系統を区別しにくくなっているものもあります。 リグツ系 Andy Sutherland/Shutterstock.com チリ原産のリグツを品種改良した園芸品種群を指します。草丈が高く、寒さに強いのが特徴です。一季咲きで初夏に開花します。 バタフライ系 春から秋にかけて咲く、四季咲きの性質を持っています。草丈がコンパクトにまとまり、寒さに強いのが特徴です。 ペレグリナ系 Antoniya Kadiyska/Shutterstock.com チリ北部原産のペレグリナを品種改良した園芸品種群です。草丈は20〜40㎝で、大輪の花を咲かせます。やや寒さに弱いのが特徴です。 ハイブリッド系 Shevil/Shutterstock.com 異なる系統を交配した園芸品種を指します。オランダで品種改良されたものが多く、毎年魅力的な新品種が発表されています。 アルストロメリアの主な品種 アルストロメリアは多様な園芸品種が出回っています。ここでは、人気のある品種や種類をいくつかご紹介します。 ‘インディアンサマー’ Alex Manders/Shutterstock.com オレンジ色の花弁に黄色がのる花色で、目に鮮やか。比較的暑さに強いほうで、管理しやすいタイプです。夏季常緑性で春と秋に開花し、たくさん咲きます。春先はブロンズがかった葉色を楽しめます。 ‘ロックンロール’ 花色は赤。注目すべきは斑入りの葉で、白い斑が入る面積が大きく、グリーンは葉を縁取る程度。カラーリーフプランツとしても活躍します。 アルストロメリア・プルケラ(アルストロメリア・プシタキナ) Rose Marinelli/Shutterstock.com 原種の1つで、ブラジル北部原産。筒状の花を咲かせるのが特徴です。花色はオレンジ、白、ピンク、赤などがあり、野趣的な花姿に魅力があります。アルストロメリアの和名ユリズイセンは、広義ではアルストロメリア属全体を指しますが、狭義ではこのアルストロメリア・プルケラを指します。 アルストロメリア・オーレア Kabar/Shutterstock.com チリとアルゼンチンを原産とし、現在広く栽培されているハイブリッドタイプの親種の1つとしても知られています。花は黄橙色で、線状のスポットが入るのが特徴です。 アルストロメリアの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4〜6月植え付け・植え替え:3月下旬〜4月中旬、9月中旬〜10月肥料:4〜5月(一季咲き)種まき:10月上・中旬 アルストロメリアの栽培環境 STEVENSON/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。半日陰でも生育しますが、極端に日照が不足すると、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとしたか弱い茎葉ばかりが茂って草姿が間のびしたりするので注意しましょう。 【日当たり/屋内】一年を通して屋外での栽培が基本です。 【置き場所】水はけのよい環境を好みます。高温多湿の環境を嫌い、根腐れしやすくなるので、水はけのよい土壌づくりをしましょう。地中深くに根茎があるので、深く根が張れるようにしておくのがポイントです。鉢植えの場合、春と秋は日なた、夏は日陰、冬は凍らない軒下などに移動しながら管理するとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 厳しい暑さや寒さをやや苦手とし、株が凍結すると枯れてしまうので、地植えでは地温の上昇や凍結を防ぐためにマルチングをしておくとよいでしょう。常緑性の多年草ですが、高温多湿や低温など、生育条件が合わないと地上部が枯れて休眠することがあります。葉が枯れても地下部は生きているので、そのまま休眠させておくことができます。 アルストロメリアの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込み、よく耕してふかふかの土をつくっておきます。水はけの悪い場所では、川砂やパーライトなどで土壌改良し、周囲より土を盛っておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると手軽です。 水やり Ivanko80/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただしアルストロメリアは多湿を嫌うので、いつもジメジメした状態にしておくと根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 sasimoto/Shutterstock.com 【地植え・鉢植え共に】 植え付けの際に、元肥として緩効性肥料を施しておきます。ぐんぐん生育し始めた頃に1度緩効性肥料を施し、開花期になったらリン酸・カリを多く含む肥料を与えましょう。四季咲きの場合は、10~11月にも追肥を与えるとよいでしょう。地植えの場合はほとんど追肥を与えなくても問題ありません。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 アルストロメリアに発生しやすい病気は、灰色かび病です。 灰色かび病は花や葉に褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすく、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれます。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は間引いて、風通しよく管理しましょう。 【害虫】 アルストロメリアに発生しやすい害虫は、アブラムシ、アザミウマなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 アザミウマは花や葉につき、吸汁する害虫で、スリップスともいいます。体長は1〜2mmと大変小さく、緑や茶色、黒い姿をした昆虫です。群生して植物を弱らせるので注意しましょう。針のような器官を葉などに刺して吸汁する際にウイルスを媒介するので、二次被害が発生することもあります。被害が進んだ花や葉は傷がつき、かすり状になるなど異変が見られるので、よく観察してみてください。花がらや枯れ葉、雑草などに潜みやすいので、株まわりを清潔に保っておきます。土に混ぜるタイプの粒剤を利用して防除してもよいでしょう。 アルストロメリアの詳しい育て方 苗の選び方 アルストロメリアは苗のほか、貯蔵根が球根のように販売されています。苗を購入する際は、葉が生き生きとしたものを選ぶとよいでしょう。また、貯蔵根の場合、クラウン(芽)が付いていないものは発芽しないため、クラウンが外れないように丁寧に扱います。 植え付け・植え替え OlegDoroshin/Shutterstock.com アルストロメリアの植え付け適期は、一般地で3月下旬〜4月中旬、または9月中旬〜10月です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に1回り大きな穴を掘って、根鉢をくずさずに植え付けます。苗が複数の場合は、約30cmの間隔を取っておきましょう。 貯蔵根を植え付ける場合は、土づくりをしておいた場所に穴を掘って、貯蔵根のクラウン(芽)を必ず上にして植え付けます。覆土は10cmくらいを目安にし、複数植え付ける場合は30〜60cmの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。 地植えの場合、環境に合ってよく育っていれば2〜3年は植えたままにして構いません。株が大きくなったら9月中旬〜10月に掘り上げ、肥大して大きな塊になっている貯蔵根を切り分け、植え直します。 【鉢植え】 鉢の大きさは、5〜6号鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。 苗を鉢に仮置きして高さを決めたら、ポットから出し、根鉢をくずさずに植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 貯蔵根を植える場合は、鉢縁から2〜3cmほど下を目安に培養土を入れ、貯蔵根のクラウン(芽)を必ず上にして植え付けます。深さは10〜15cmを目安にし、貯蔵根が長い場合は斜めにするとよいでしょう。覆土は5〜6cmを目安にします。 成長とともに根詰まりしてくるので、1年に1度は植え替えることが大切です。適期は9月中旬〜10月で、植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から貯蔵根を取り出し、新しい培養土を使って植え直しましょう。すぐに植えない場合は、雨の当たらない風通しのよい場所で保管します。 日常のお手入れ Aleksei Golovanov/Shutterstock.com 【支柱の設置】 草丈が高くなる品種は、早めに園芸用支柱を設置し、麻ひもかビニタイで誘引しておき、強風による倒伏を防ぎましょう。 【花がら摘み・枯れ葉の整理】 アルストロメリアは次から次へと花が咲くので、終わった花は園芸用のハサミで切り取りましょう。まめに花がらを摘み、枯れ葉があれば取り除くなど株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 夏越し・冬越し Paul Maguire/Shutterstock.com 【夏越し】 地植えの場合は、地温が高くなるのを防ぐため、バークチップなどでマルチングしておきましょう。日差しが強く当たらないように遮光ネットを張るのも一案です。 鉢植えの場合は、休眠したら直射日光が当たらない涼しい場所に移動します。 【冬越し】 地植えの場合は、凍結する場所ではバークチップなどでマルチングしておきましょう。鉢植えの場合は、軒下など凍結しない場所に移動します。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com アルストロメリアは株分け、種まきで増やすことができます。 【株分け】 アルストロメリアの株分けの適期は、10〜11月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、株分けをして若返りをはかります。株を掘り上げて貯蔵根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 【種まき】 種まきから増やしたい場合、開花後に種子を採取します。開花期が終わりを迎える頃に花がら摘みをやめ、熟した種子を採取して密閉容器に入れ、種まき適期まで保管しておきましょう。ただし、交配された園芸品種の場合は、親と同じ性質になるとは限りません。 アルストロメリアの種まきの適期は、10月上・中旬頃です。 まず、種まき用のトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、種子を数粒ずつ播きます。薄く覆土し、浅く水を張った容器に入れてトレイの底から給水します。これはジョウロなどで上から水やりすると、水流によって種子が流れ出してしまうことがあるからです。発芽までは明るい半日陰で管理し、乾燥しすぎないように適度に底から給水しましょう。 発芽後は日当たりのよい場所に置き、乾燥気味に管理します。勢いがあって元気のよい苗を1本のみ残し、ほかは間引きましょう。ヒョロヒョロと伸びて弱々しい苗や葉が虫に食われている苗、葉が黄色くなっている苗などを選んで間引きます。本葉が2〜3枚ついたら黒ポットに鉢上げして育苗し、十分に育ったら花壇や鉢などに植え付けます。 アルストロメリアのエキゾチックな花を楽しもう Kristina Ismulyani/Shutterstock.com アルストロメリアは花色が多彩で、ビビッドカラーからパステルカラーまで色幅も広く、選ぶ楽しみがあります。花もちがいいので、切り花にしてインテリアに飾るのもおすすめ。ぜひ庭やベランダにアルストロメリアを取り入れてみてください。
-
樹木

ライスフラワーは可愛らしい小花が魅力! 特徴や育て方を詳しく解説
ライスフラワーの基本情報 alybaba/Shutterstock.com 植物名:ライスフラワー学名:Ozothamnus diosmifolius英名:rice flower、white dogwood、pill flower、sago bush和名:ライスフラワーその他の名前:サゴフラワー科名:キク科属名:オゾタムヌス属原産地:オーストラリア北東部形態:常緑性低木 ライスフラワーの学名は、Ozothamnus diosmifolius(オゾタムヌス・ディオスミフォリウス)。キク科オゾタムヌス属の低木で、原産地はオーストラリア北東部。乾燥した気候を好み、日本の暑さ寒さや多湿を乗り切れずに枯れることが多いため、一年草として扱われることもあります。春から初夏にかけて咲く花に観賞価値があり、切り花やドライフラワーとしても人気です。樹高は30〜300cmで、よく枝分かれして株立ち状になります。定期的に剪定すれば、コンパクトな姿を保つことができます。 ライスフラワーの花や葉の特徴 Mirna Dwiyanti/Shutterstock.com 園芸分類:草花・庭木開花時期:3月下旬〜6月上旬樹高:30〜300cm耐寒性:やや弱い~普通耐暑性:やや弱い花色:ピンク、白 ライスフラワーの開花期は3月下旬〜6月上旬で、ぷちぷちとしたつぼみが愛らしく、花もちもよいので、長く楽しめます。花色はピンク、白。咲き始めはピンク色ですが、咲き進むにつれて白へと変化していきます。1つの花は米粒のように小さいのですが、花茎を伸ばした先に集散花序を形成し、多数集まって咲いて色の塊となるので大変華やかです。 ハーブのような香りも楽しめる 細い線形のライスフラワーの葉には、爽やかな芳香があります。葉を摘んだり触ってたりすると香りがたつので、ぜひ試してみてください。 ライスフラワーの名前の由来と花言葉 Totokzww/Shutterstock.com ライスフラワーという流通名は、つぼみをつけた姿がお米に似ていることからつけられたとされています。花言葉は「豊かさ」「豊かな実り」などです。 ライスフラワーの主な品種 KarenHBlack/Shutterstock.com ライスフラワーの花色はピンクまたは白ですが、園芸品種が多く、ピンクの色幅が揃っているのが特徴です。濃いピンクから淡いピンク、くすんだピンクなどもあります。主な品種はローズレッドが印象的な‘キャンディーレッド’、濃いピンクの‘ロイヤルピンク’、優しいパステルピンクの‘ソフトピンク’、アプリコット色の‘マーマレード’など。 ライスフラワーの活用方法 Kit Leong/Shutterstock.com ライスフラワーは花もちがよいため、庭で育てるだけでなく、摘み取って活用するのもおすすめ。ここでは、活用の仕方についてご紹介します。 切り花として楽しむ Svetlyachock/Shutterstock.com ライスフラワーは花もちがよいので、開花したら切り花としても楽しめます。長めに茎を切り取り、下のほうについている葉は取り去っておきましょう。切り口は斜めにカットしてから、縦に割り目を入れてください。さらに茎の中のわたをとっておくと、水揚げしやすくなります。茎がまっすぐになるように紙などで巻いてから、たっぷり水を張った深めの器に入れて2〜4時間ほど待ちましょう。すると、花瓶に飾ったあとの花もちがよくなります。ただし、花瓶の水は、毎日取り替えてください。 ドライフラワーにする Vladeep/Shutterstock.com ライスフラワーは、ドライにしても花が落ちにくく、長く楽しめます。開花し始めた頃に茎の下のほうでカットし、下葉は取り去っておきます。束ねて輪ゴムでとめ、直射日光の当たらない涼しい場所に逆さにして吊り下げます。3週間ほどでドライになるので、インテリアに飾ったり、リースの花材などに利用してもよいでしょう。 寄せ植えや花束のアクセントにも Nancy J. Ondra/Shutterstock.com ライスフラワーは個性的な花姿がアクセントになるので、寄せ植えにも向いています。大鉢に開花期の合う草花やカラーリーフプランツと一緒に植えて楽しむのもおすすめです。また、切り花にしてブーケやフラワーアレンジメントに利用しても見栄えがします。 ライスフラワーの栽培12カ月カレンダー 開花時期:3月下旬〜6月上旬植え付け・植え替え:5月中旬〜6月肥料:4~6月、9月中旬〜10月挿し木:5〜6月、10月頃 ライスフラワーの栽培環境 Kit Leong/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。日照不足になると葉色が冴えなくなったり、か弱い枝がヒョロヒョロと徒長したりするので注意してください。 【日当たり/屋内】一年を通して基本的に屋外で管理しますが、寒さに弱いので、冬は日当たりのよい窓辺などに取り込んでもよいでしょう。 【置き場所】多湿を嫌うので、水はけのよい土づくりをします。梅雨明け以降から秋の彼岸くらいまでは、雨の当たらない涼しい半日陰の場所に移動しましょう。冬は冷たい風が吹きつける場所を避け、凍結しない日当たりのよい軒下や、室内の窓辺や温室などで管理するとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 高温多湿を嫌うため、夏は雨の当たらない涼しい半日陰の場所に移動しましょう。寒さにも弱いので、冬は寒風を避け、凍結しない日当たりのよい軒下などで管理します。室内の窓辺や温室などに取り込んでもよいでしょう。 ライスフラワーの育て方のポイント ライスフラワーは、暑さや寒さを苦手とするので、基本的に鉢栽培とし、季節に応じて適した場所に移動しながら管理することがポイントです。 用土 blueeyes/Shutterstock.com 花鉢を入手した場合は、開花が終わるまではそのまま植え替えずに花姿を楽しみましょう。水はけと通気性のよい土壌を好むので、ポット苗を入手した場合、ハーブ用にブレンドされた培養土を利用して植え替えると手軽です。自身で配合するなら、赤玉土小粒5、腐葉土3、軽石2の割合でブレンドするとよいでしょう。 水やり Ivanko80/Shutterstock.com ライスフラワーは鉢栽培が基本で、地植えに比べて乾燥しやすいために日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし多湿を嫌い、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。特に花弁に水がかかると、傷みやすくなるので注意が必要です。 また、真夏に水やりする場合は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。一方、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になるので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 鉢栽培の場合は、水やりとともに肥料成分が流亡しやすいので、春と秋に追肥を与え、肥料を切らさないように管理することが大切です。 生育期の4〜6月は、緩効性肥料を月に1度を目安に株の周囲にばらまいて、軽く耕して土に馴染ませます。または、10日に1度を目安に液体肥料を与えてもよいでしょう。7〜8月の真夏は、肥料を与えるとかえって株が弱ることがあるので、肥料を切らして管理します。涼しくなった9月中旬〜10月に、緩効性肥料または液肥を与えて株の勢いを取り戻しましょう。 注意する病害虫 muroPhotographer/Shutterstock.com 【病気】 ライスフラワーの栽培では、病気の心配はほとんどありません。 【害虫】 ライスフラワーの栽培では、害虫の心配はほとんどありませんが、アブラムシが発生することがあります。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ライスフラワーの詳しい育て方 苗の選び方 ライスフラワーの苗を購入する際は、葉に元気があり、株元がぐらついていないものを選ぶとよいでしょう。 植え付け Nataly Studio/Shutterstock.com ライスフラワーの植え付けの適期は、5月中旬〜6月です。 まず、入手した苗木より1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてからハーブ用に配合された培養土を半分くらいまで入れます。苗をポットから取り出して鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。 植え替え Sandu Herta/Shutterstock.com 鉢植えで楽しんでいると、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、古い根が絡み合っているようであればカットして整理しましょう。植え替えの際には、新しい培養土を使います。もっと大きく育てたい場合は、前よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 暑さ・寒さ対策 Anton Starikov/Shutterstock.com ライスフラワーの原産地はオーストラリアで、雨の少ない乾燥した気候のもとで自生する植物です。雨が多くて蒸し暑く、冬の寒さが厳しい日本とは気候がまったく異なるので、季節によって適切にケアしてあげることがポイントです。 夏には、直射日光にさらされない軒下などに移動しましょう。風通しのよい涼しい場所がベターです。そのような場所がなければ、遮光ネットや寒冷紗などを張って対処してください。ライスフラワーは乾燥を好むとはいえ、真夏は鉢土がすぐに乾いて水切れしやすくなるので、水の管理にも注意しましょう。 冬は日中にひだまりになる軒下など凍結しない場所に移動しましょう。株元にはバークチップなどをマルチングしておきます。凍結する地域では、室内や温室に取り込んで日当たりのよい窓辺などで管理するとよいでしょう。 増やし方 ライスフラワーは、挿し木で増やすことができます。挿し木とは、枝葉を切り取って土に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ライスフラワーは挿し木で増やせます。 ライスフラワーの挿し木の適期は5〜6月、または10月頃です。新しく伸びた枝を選び、5cm程度を目安に切り口が斜めになるように切り取ります。葉は先端の2〜3枚を残して下の葉は切り取ってください。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほど入れて水あげしておきましょう。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり・風通しのよい場所に移動し、土が乾いてから水やりします。十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。 ライスフラワーを育てる際のポイント alybaba/Shutterstock.com ライスフラワーを育てる際に、注意しておきたいポイントをまとめました。栽培の参考にしてください。 開花後に剪定する ライスフラワーを剪定せずに放任していると、枝葉が上へ上へと伸びて樹形が乱れてきます。見栄えのよい状態を保つために、剪定して樹形を整えましょう。剪定の適期は開花後です。樹高の半分くらいまでを目安に切り戻します。枝が内側に伸びて邪魔になっているものや、交差しているものなど、込み合っている部分があれば、間引くように剪定して風通しをよくしましょう。 常に濡れている状態にならないようにする オーストラリアの乾燥した気候のもとで自生してきたライスフラワーは、多湿の環境を非常に嫌います。切り花にして飾っていても、水に浸かっている茎から傷んでくるくらいです。鉢栽培も長雨に当たると根腐れを起こしやすくなり、株が弱って病害虫を招きやすくなるので注意。雨の当たらない場所に置き、適した水の管理を行うことが、ライスフラワーを栽培する際の最大のポイントです。 ライスフラワーを育ててみよう two K/Shutterstock.com ライスフラワーは、夏越しや冬越しが難しいといわれていますが、その魅力的な咲き姿を見ると迎え入れたくなるもの。鉢植えにして、季節ごとに適した場所に移動しながら管理するのがポイントです。ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。
-
雑草対策

グラウンドカバーに最適な植物17選【足元のカバーや雑草対策に活用!】
グラウンドカバーとは? グラウンドカバー(グラウンドカバー)とは、地を這うように広がり、足元を彩る植物のこと。グラウンドカバーで地面を覆うことで、土が露出せずにガーデンをよりきれいに演出したり、傾斜地などの土が流出するのを根が抑えたり、乾燥を防止したりすることができます。また、グラウンドカバーで背景をつくれば、花々や木々がいっそうきれいに見え、高低の変化もある立体的な庭に。花が咲く植物を選べば季節には一面に小花で覆われるかわいらしい光景が楽しめます。 さらには、地面を這うように広がる匍匐性(ほふく性)の性質により地面を覆ってしまうので、雑草対策としても効果的。踏んでも平気な丈夫なものが多いので、石やレンガを敷いた小径やステップの隙間、花壇の縁取りや低木の株元などを彩るのにもぴったりです。芝生のように日頃から借り込む必要もないので、ガーデニング初心者さんが庭づくりに慣れてきたら、ぜひグラウンドカバーを取り入れて、ガーデンをおしゃれにセンスアップしましょう。グラウンドカバープランツは生育旺盛なものが多いので、隣家の庭など、広がってほしくない区画には入れないようにご用心を。増えすぎたらはみ出した分を切って縁を整えたり、間引いたりするだけで手間いらずなのもグラウンドカバーの魅力です。 グラウンドカバーの魅力とメリット Luciano Santandreu/Shutterstock.com グラウンドカバーを取り入れると、景観がナチュラルで瑞々しい印象になりますが、ほかにもさまざまなメリットがあります。 まずは、雑草対策です。グラウンドカバーは地中に根を密集させ、地表を覆うように繁殖するため、雑草を生えにくくする効果があります。無農薬なので他の庭木への影響を抑制できますし、雑草を抜く手間が減るので、少ない労力で庭の景観を維持しやすくなります。 次に暑さ対策です。植物は、根から吸い上げた水分を葉から放出する「蒸散」を行います。グラウンドカバーを植えておくと、この蒸散作用により地表面付近がミスト冷却をしたときのように冷やされ、地表温度の上昇を防ぎます。 また、地中に根を張ることで土や石を固定し、土壌流出の防止にも役立ちます。また、雨や霜などによるぬかるみ防止効果も期待できます。さらに、地表を覆う茎葉により埃や砂の飛散が軽減されるのもメリットです。 では、植えるとメリットがいっぱいのグラウンドカバーにおすすめの植物17選をご紹介します。 おすすめのグラウンドカバー1タイム 小さな葉が可愛いタイム(Thymus)はグラウンドカバーにもオススメのハーブ。木立性のものもありますが、グラウンドカバーには這うように横に広がるクリーピングタイムを選びましょう。歩くたびに広がる清々しい香りも楽しめます。。水はけがよい場所にも育ちやすいので、傾斜した場所の土どめとして植えられることもあります。 同じハーブの仲間のミントは増えすぎるので、グラウンドカバーとして取り入れるのは避けたほうがよいでしょう。 おすすめのグラウンドカバー2プラティア 春から秋にかけて、星形のブルーの小花をちりばめたように咲かせる可愛らしいグラウンドカバーのプラティア(エクボソウ/Pratia angulata)。小さな葉がマット状に広がります。生育は遅めなので、小さなスペースや隙間のカバーにオススメです。 おすすめのグラウンドカバー3リシマキア 黄金葉の‘オーレア’や、濃い褐色の‘ミッドナイトサン’など、カラーリーフが美しいリシマキア(Lysimachia)。やや湿りけのある環境を好み、日陰でも丸い葉をよく茂らせます。日当たりのよい場所で育てれば、梅雨時に濃い黄色の小花を咲かせます。 おすすめのグラウンドカバー4クラピア 踏みつけにも耐える、丈夫なグラウンドカバープランツとして、また日本生まれで環境にも配慮した植物としても近年注目されているクマツヅラ科イワダレソウ属のクラピア(Lippia nodiflora L.)。小さな丸いかわいい花が咲きながら這って広がり、雑草の侵入を防ぎます。また、クラピアの葉は丸くて柔らかいので裸足でもチクチクせず、ペットやお子様のいる庭にもおすすめ。刈り込む事で美しいグリーンカーペットのような仕上がりも楽しめます。メンテナンスが楽なので、芝生の代わりに選ぶ人も増えています。 ●クラピアについて詳しくはこちらへ 低く這って密に広がるクラピア、初夏の様子。 おすすめのグラウンドカバー5ツルニチニチソウ 紫色の花が美しいつる性植物のツルニチニチソウ(Vinca major)。鮮やかな緑色の葉を一年中茂らせる常緑性で、樹木の足元などのカバーにぴったりです。生育旺盛で、地面を覆うように育てたり、上から垂らしたりといろいろな仕立て方が楽しめます。斑入りや白花品種も。 おすすめのグラウンドカバー6イブキジャコウソウ 日本原産のタイムの仲間で、茎葉に触れると爽やかなよい香りが立ち上るのも魅力なイブキジャコウソウ(Thymus quinquecostatus)。花つきがよく、初夏には株全体が小さなピンクの花で覆われるほど。冬には葉が落ちますが、春になるとまた芽を吹きます。 おすすめのグラウンドカバー7シバザクラ 芝桜は、花色違いを組み合わせてパッチワークのように咲かせるのも魅力的なグラウンドカバーです。tamu1500/Shutterstock.com 横に広がる性質を生かして、グラウンドカバーとしても利用されるシバザクラ(芝桜/Phlox subulata)。春に白やピンク、藤色の花を、辺り一面に咲かせる様子は見応えがあります。踏みつけには強くないので、通路には植栽しないようにしましょう。 おすすめのグラウンドカバー8イオノプシジウム 明るい緑色の葉に、淡い紫色の花を株いっぱいに咲かせる一年草のイオノプシジウム(Ionopsidium acaule Rchb.)。花後は枯れてしまいますが、秋になるとこぼれダネから発芽してよく増える性質。その性質から、種をまくだけで花と緑のカーペットが欲しい場合にもおすすめの植物です。耐寒性が強いため、暖地であれば冬でも開花することがあります。 おすすめのグラウンドカバー9アジュガ Renee Foskett/Shutterstock.com 耐寒性もあり、湿った場所に育ちやすいアジュガ(Ajuga reptans)は、半日陰のガーデンでのグラウンドカバーにも向く多年草です。匍匐してマット状に株が増えて広がり、3〜5月には花穂を立ち上げて青紫やピンクの花を咲かせます。 花が咲いていない時期も葉の彩りが庭にアクセントとなります。Yoga Ardi Nugroho/Shutterstock.com 葉が銅色などシックな色味の種類もあり、カラーリーフとして、寄せ植えなどで組み合わせる草花としても人気です。洋風の庭に限らず、和風の庭にも似合います。 おすすめのグラウンドカバー10セダム Elena Terletskaya/Shutterstock.com ベンケイソウや万年草(マンネングサ)とも呼ばれる多肉植物の仲間であるセダム(Sedum)も、グラウンドカバーに向きます。病害虫が発生する心配がほとんどなく、暑さや乾燥に強く、用土の厚みが比較的少なくても育つので、屋上緑化やリース仕立ての寄せ植えなどでも取り入れられる植物です。葉の形や色味など種類も豊富なので、複数の種類を混ぜながら植えると、色味の変化のあるグラウンドカバーになります。苗は園芸店やホームセンターなどで年中販売されているので、入手しやすく、暖かい地域ならば植えっぱなしで冬も緑を保ちます。 おすすめのグラウンドカバー11ベロニカ‘オックスフォードブルー’ Maria Papworth/Shutterstock.com 耐寒性、耐暑性ともに優れているベロニカ‘オックスフォードブルー’(Veronica peduncularis 'Oxford Blue')もグラウンドカバーに適した植物です。日向や半日陰を好み、早春に可愛らしい青い花をつけます。広がりすぎないため、寄せ植えなどにも使いやすく、人気の高い多年草です。夏には葉が茂り、秋冬は紅葉するので四季折々の表情も楽しめます。 おすすめのグラウンドカバー12メカルドニア Thomas Plante/Shutterstock.com メカルドニア(Mecardonia)は、別名がキバナオトメアゼナやアメリカシソクサで、その名のとおりたくさんの黄色い花を咲かせます。夏の暑さや乾燥にも強く、開花期は6~10月と長いのが特徴です。日当たりがよく、水はけのよい場所を好みます。丈夫な植物ですが、やや寒さに弱く、耐寒可能な最低温度は0度です。 おすすめのグラウンドカバー13ダイコンドラ(ディコンドラ) 横に広がって這うように伸びる長い茎に、ハート形の葉が特徴のダイコンドラ(ディコンドラ/Dichondra)は、グラウンドカバーとしてだけでなく、寄せ植え用でも人気の高い多年草です。春から初夏にかけて葉の付け根に3mm程度の花をつけます。暑さには強いものの、耐寒性はあまりありません。また、踏み付けにも弱いので、往来が多い場所などには向きません。 おすすめのグラウンドカバー14タピアン BlackFarm/Shutterstock.com 花名の由来は、フランス語で絨毯を意味する「tapis」であるタピアン(Verbena×hybrida 'tapian')。クマツヅラ科バーベナ属の植物で、開花時期が4~11月と長く、花色も4色あるので植え方次第でさまざまな楽しみ方ができます。風通しがよく日当たりのよい場所を好み、日陰では成長しません。また、踏み付けにも弱いので、往来が多い場所は避けたほうがよいでしょう。成長が早く、病気にも強いですが、寒冷地での越冬はできません。 おすすめのグラウンドカバー15ローマンカモミール areeya_ann/Shutterstock.com ローマンカモミール(Chamaemelum nobile)は、リンゴのような爽やかな香りが特徴のハーブで、耐寒性に優れ、踏み付けにも強い多年草です。開花時期は4~7月で、小さな白い花を咲かせます。日当たりがよく、水はけのよい場所を好みます。比較的アブラムシが発生しやすいので注意が必要です。 おすすめのグラウンドカバー16クローバー(シロツメクサ) クローバー(シロツメクサ/Trifolium repens)は繁殖力が強く、雑草に近いイメージもありますが、グラウンドカバーにもなります。ただし、放置しておくと背丈が伸びて雑草然としてくるので、こまめに踏んで背丈を抑え、横に広がるように育てるとよいでしょう。4~10月にかけて白い球形の花をつけます。耐寒性、耐暑性も強く、日陰地以外であれば土壌を選ばず生育が可能です。 おすすめのグラウンドカバー17ハツユキカズラ Tin-Kong/Shutterstock.com ハツユキカズラ(Trachelospermum asiaticum 'Hatuyukikazura')は、古くから日本に自生してきたテイカカズラを品種改良した植物であり、日本の気候で育てやすく、丈夫です。ただし、寒冷地での越冬は鉢上げしたうえで暖かい場所に移すことをおすすめします。開花時期は5~6月で、小さな白い花をつけます。葉は新芽の頃はピンクでその後、白い斑入りから緑へと変化し落葉しないため、一年を通して楽しめます。 庭に適したグラウンドカバーの選び方 AliScha/Shutterstock.com グラウンドカバーに適した植物は、前述したようにさまざまな種類がありますが、基本的には這うように旺盛に生育し、見た目が美しく丈夫で一年中楽しめる常緑のものがおすすめです。 これらを踏まえて、植える場所の環境に合った種類を選ぶようにしましょう。選ぶ際に考慮すべきポイントとしては、日陰か日向か、水はけの良し悪し、通路として使うか(踏圧に強いか)、花が咲くかどうか、などがあります。 また、種類によっては繁殖力が強すぎて、予定外の場所まで覆いつくしたり、他の庭木の生育を阻害したりするなどの問題が生じる場合もあります。そうならないためにも、種子をつけない不稔性かどうかや、広がりをコントロールしやすいかどうかなど、管理のしやすさも重要なポイントです。 グラウンドカバーの基本のお手入れ グラウンドカバーを移植する際は、あらかじめ雑草やほかの植物は除去しておきましょう。とくに雑草が残った状態だと、養分を雑草に奪われてしまうのでグラウンドカバーが生育しにくくなってしまいます。 グラウンドカバーの植え付け後、根付くまでは土が乾いたら水やりをしましょう。肥料は根付いた後に液肥を与え、その後は通常の草花と同様に緩効性肥料などを与えます。とくに、花をつける植物の場合はしっかり肥料を与えることが必要です。種類に応じて、必要な時期に施肥をしましょう。 根付いてからは、どんどん繁殖していくので、広がり過ぎた分は適宜切り落とし、枯れた下枝なども除去しておきます。とくに梅雨時は蒸れやすくカビや病気の原因になるので、あまり密集しすぎている場合は枝を間引いて風通しをよくしておき、雑草なども除去しておきましょう。花が終わった後の花柄はこまめに摘み取ると、見た目が良いだけでなく、カビや病害虫予防になります。
-
宿根草・多年草

シルバーリーフが魅力! アサギリソウ(朝霧草)の育て方とお手入れ方法
アサギリソウの基本情報 Cornflakes/Shutterstock.com 植物名:アサギリソウ学名:Artemisia schmidtiana英名:silvermound和名:アサギリソウ(朝霧草)科名:キク科属名:ヨモギ属原産地:北陸以北~北海道、樺太、千島形態:宿根草(多年草) アサギリソウは漢字で「朝霧草」と書き、学名はArtemisia schmidtiana(アルテミシア・シュミドティアナ)です。キク科ヨモギ属の多年草で、原産地は日本の北陸以北〜北海道、樺太、千島。寒さには強く、高温多湿がやや苦手です。草丈は20〜30cm。落葉性で、冬は地上部を枯らして休眠し、翌年には再び新芽を出して生育します。 アサギリソウの葉や花の特徴 Ticiana32/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:8月〜9月上旬草丈:20〜30cm耐寒性:普通耐暑性:普通花色:黄 アサギリソウの茎葉は、びっしりと白い産毛に覆われています。光を受けると輝くようなシルバーリーフが大変美しく、主に茎葉を観賞するカラーリーフプランツとして人気があります。線のような細い葉は長さ4〜5cmの羽状複葉で、細かい切れ込みが入る繊細な表情が魅力。ふわふわと軽やかな質感でドーム形にまとまり、思わず触ってみたくなるような草姿をしています。 アサギリソウの開花期は8月〜9月上旬で、小さな黄色い花を咲かせます。花よりも茎葉に観賞価値があるとされ、つぼみのうちから切り取って株姿の勢いを保つのも一案です。 アサギリソウの名前の由来や花言葉 roollooralla/Shutterstock.com アサギリソウという和名は、光を通して輝く繊細な白い葉が朝霧を連想させることに由来するとされています。アサギリソウの花言葉は「喝采」「慕う心」「脚光」「光」などです。 アサギリソウの近縁の仲間 アサギリソウが属するヨモギ属にはいくつかの種類があり、カラーリーフとしてガーデニングで人気のものもあります。主なものを取り上げてご紹介します。 シロヨモギ Yupin Li/Shutterstock.com 本州中部から北に分布し、海岸の砂地や斜面などに自生。茎葉はびっしりと白い産毛に覆われてふかふかと厚みがあります。葉はアサギリソウほど細くはなく、羽状に中裂するのが特徴です。地下茎を伸ばして増えていきます。草丈は20〜50cm。 チシマアサギリソウ 南千島産のアサギリソウで、より葉が繊細です。草丈は15〜30cmで、コンパクトにまとまります。暖地では多湿に弱いため、長雨などに当てないように管理しましょう。 サマニヨモギ 北海道や東北地方に分布し、高山の岩場や乾いた草地などに自生。新芽の頃は産毛に覆われていますが、開花する頃には薄くなります。小型種で、草丈は30〜50cm。 アルテミシア‘ポウィスキャッスル’ Kathryn Roach/Shutterstock.com ニガヨモギの交配種で、イギリスのウェールズにあるポウィス城の名を冠した園芸種。丈夫ですが、ニガヨモギよりも小さめの草姿にまとまるので扱いやすく、人気が高い品種です。 アルテミシア・ルドビシアナ Flower_Garden/Shutterstock.com 高さ90cmほどまで垂直に伸びる立性の草姿と、‘ポウィスキャッスル’に比べ葉幅がより広く、より明るいシルバーグレーになるのが特徴です。高温多湿への耐性は、やや低め。 アサギリソウの栽培12カ月カレンダー 開花時期:8月〜9月上旬植え付け・植え替え:3月下旬〜4月肥料:4月下旬〜6月下旬、10月〜11月上旬 適した栽培環境 roollooralla/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。日照不足では、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびするので注意しましょう。 【日当たり/屋内】一年を通して屋外での栽培が基本です。 【置き場所】真夏の高温多湿の環境をやや苦手とし、蒸れに弱いので、水はけのよい場所で風通しよく管理します。 耐寒性・耐暑性 寒さには強く、耐寒温度はマイナス15〜マイナス25℃くらいなので、戸外で越冬できます。 アサギリソウの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。自身で培養土をブレンドする場合は、赤玉土と鹿沼土を等量で混合し、さらに元肥として緩効性肥料を施しておくとよいでしょう。 水やり cam3957/Shutterstock.com アサギリソウは細かな産毛を株全体にびっしりとまとっています。そのため、茎葉に水がかかると蒸れやすくなるので水やりの際には注意してください。株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えるようにしましょう。 真夏は昼間に水やりすると水の温度が高くなり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉を伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は地中の水を吸い上げるので、ほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、多湿を嫌うので与えすぎには注意し、いつもジメジメしている環境にならないようにしてください。 土の表面が十分に乾いてから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水やりを忘れないよう注意します。冬は休眠しますが、カラカラに乾燥させることのないように控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え・鉢植え共に】 土づくりの際に、元肥として緩効性肥料を施しておきます。追肥は4月下旬〜6月下旬と10月〜11月上旬の真夏を除いた生育期に、液肥を2週間に1度を目安に与えて株の勢いを保ちましょう。 注意する病害虫 devil79sd/Shutterstock.com 【病気】 アサギリソウに発生しやすい病気は、軟腐病、炭疽病などです。 軟腐病は細菌性の病気で、高温時に発生しやすくなります。特に梅雨明けから真夏が要注意。 球根や成長点近くの茎、地際の部分や根などが腐って悪臭を放つので、発症したら蔓延しないようにただちに抜き取り、周囲の土ごと処分してください。予防としては、連作(同じ科に属する植物を同じ場所に植え続けること)を避け、水はけをよくしてジメジメした環境にしないこと。また、食害されて傷ついた部分から病原菌が侵入しやすくなるので、害虫からしっかり守ることもポイントになります。 炭疽病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因の伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点ができるのが特徴です。その後、葉に穴があき始め、やがて枯れ込んでいくので早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので、被害を見つけたらすぐに除去して土ごと処分しておきましょう。密植すると発病しやすくなるので、茂りすぎた葉は間引くなど、風通しよく管理してください。水やり時に株全体に水をかけると、泥の跳ね返りをきっかけに発症しやすくなるので、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。 【害虫】 アサギリソウに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ナメクジなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ナメクジは花やつぼみ、新芽、新葉、果実などを食害します。体長は40〜50mmで、頭にツノが2つあり、茶色でぬらぬらとした粘液に覆われているのが特徴。昼間は鉢の下や落ち葉の下などに潜んで姿を現しませんが、夜に活動します。植物に粘液がついていたら、ナメクジの疑いがあるので、夜にパトロールして捕殺してください。または、ナメクジ用の駆除剤を利用して防除してもよいでしょう。多湿を好むので風通しをよくし、落ち葉などは整理して清潔に保っておきます。 アサギリソウの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、節間が間のびしておらず、がっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。 植え付け・植え替え Vasyliuk/Shutterstock.com 植え付けの適期は3月下旬〜4月です。適期以外に花苗店などで苗を購入した場合は、早めに植え付けてください。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、根鉢よりも1回り大きな穴を掘って苗を植え付けます。複数の苗を植える場合は30〜40cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。 環境に合えば数年は植え替える必要はありません。大株に育って込み合ってきたら掘り上げて株分けし、植え直して若返りをはかりましょう。 【鉢植え】 苗を単植するなら、6〜7号鉢を準備します。 底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、軽く根鉢をほぐして植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、前よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 日常のお手入れ Aleksei Golovanov/Shutterstock.com 【切り戻し】 草姿が乱れてきたら、適宜切り戻します。草丈の半分くらいまでを目安に、深めにカットしましょう。梅雨前に行うと、株が蒸れやすくなるのを防ぎ、風通しよく管理することができます。 【つぼみの除去・花がら摘み】 アサギリソウは小さな黄色い花を咲かせますが、どちらかというとシルバーリーフの茎葉を主に観賞します。花を咲かせると株が消耗してしまうので、茎葉の観賞を重視するならば、つぼみがついたら早めに摘み取りましょう。 また、花を楽しむなら、終わった花は適宜摘み取りましょう。まめに傷んだ花を摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まってしまうので注意しましょう。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com アサギリソウは、株分けと挿し芽で増やすことができます。ここでは、それぞれの方法について解説します。 【株分け】 アサギリソウの株分けの適期は3月下旬〜4月です。 植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、株分けをして若返りをはかります。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直します。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。切り分ける際は、あまり小分けにしないほうがよいでしょう。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って土に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、アサギリソウは挿し芽で増やせます。 挿し芽の適期は、4月下旬〜5月です。新しく伸びた茎を10〜15cm、切り口が斜めになるように切り取り(挿し穂)、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を半分くらい取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。明るい日陰に置いて適宜水やりをしながら管理し、発根して十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 ふわふわの見た目がかわいいシルバーリーフ「アサギリソウ」を育ててみよう Razumhelen/Shutterstock.com シルバーリーフが美しいアサギリソウは、こんもりと茂るので色の塊となって主張しつつも、葉姿が繊細なので軽やかな雰囲気も持っています。カラーリーフとしても、また華やかな花々との調和役としても重宝するアサギリソウの栽培に、チャレンジしてみませんか?
-
宿根草・多年草

アルメリアはどんな植物? 育て方・増やし方・栽培時の注意点も解説
アルメリアの基本情報 Wirestock Creators/Shutterstock.com 植物名:アルメリア学名:Armeria英名:sea thrift、thrift、sea pink和名:ハマカンザシ(浜簪)その他の名前:マツバカンザシ(松葉簪)、オオハマカンザシ科名:イソマツ科属名:ハマカンザシ属(アルメリア属)原産地:ヨーロッパ、北アフリカなど形態:宿根草(多年草) アルメリアの学名はArmeriaで、学名がそのまま流通名になっています。和名はハマカンザシ、オオハマカンザシ。イソマツ科ハマカンザシ属(アルメリア属)の多年草です。ボール状に咲く花が特徴。常緑性で、冬でもみずみずしい葉姿を保ちます。原産地はヨーロッパ、北アフリカなどで、寒さには強い一方で蒸れに弱く、夏越しが栽培のポイントです。開花期は3〜5月。海岸に自生し、塩分に強いという特徴があります。 アルメリアの花や葉の特徴 crystaldream/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:3〜5月草丈:5〜60cm耐寒性:強い耐暑性:強い花色:赤、ピンク、白 アルメリアの花色は赤、ピンク、白。3~5月に、花茎の先に小花が半球状に集まった頭状花序をつけます。常緑の葉は細長く、こんもりと密に茂ってロゼットを形成します。 アルメリアの名前の由来と花言葉 Robert Harding Video/Shutterstock.com アルメリアの学名Armeriaの語源「armer」は、ケルト語で「海に」という意味があり、海岸に自生していることから名付けられたと考えられます。また和名はハマカンザシ(浜簪)で、こちらも海の近くで咲くことと、細い花茎の先の丸い頭状花所を簪に見立てて名付けられました。アルメリアの花言葉は「思いやり」「共感」「愛らしさ」「歓待」などです。 アルメリアの品種 Aleksandr Stepanov/Shutterstock.com アルメリアにはたくさんの種類があり、北半球を中心に50種ほどが確認されています。草丈は5〜60cmほどで、種によって幅があります。最もポピュラーに流通しているのはアルメリア・マリチマで、園芸品種も多様です。ほかに高性種のプセウドアルメリア、小型のジュニペリフォリアなどもあります。 アルメリアの活用方法 R. Maximiliane/Shutterstock.com 日本で一般に流通しているアルメリアは、草丈が10〜20cmなので花壇の縁取りやロックガーデンの隙間などに向いています。鉢植えにしてもよく、花もちがよいので切り花としても利用可能です。 アルメリアの栽培12カ月カレンダー 開花時期:3〜5月植え付け・植え替え:3〜5月、10~11月肥料:3〜4月、10~11月種まき:4月頃、10月頃 アルメリアの栽培環境 Valeriya Stupina/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所が最適です。日照不足では間のびぎみの頼りない草姿になり、花数が減ってしまうので注意しましょう。 【日当たり/屋内】一年を通して屋外で栽培します。基本的に開花には低温が必要なので、冬はしっかりと寒さに当てましょう。 【置き場所】西日の当たらない場所を選び、水はけ・水もちがよくバランスのとれた土壌づくりがポイントです。有機質資材をすき込んでふかふかとした土壌にし、周囲より少し土を盛って高くしておくと水はけがよくなります。高温多湿の環境が苦手で、粘土質の土壌や、水場に近くて低い場所など、水はけが悪くてジメジメとした環境を嫌うため注意しましょう。鉢栽培では、梅雨時期などは軒下など雨が当たらない場所に移動して管理するとよいでしょう。また塩分に強く、海岸に近い地域でも栽培できます。 耐寒性・耐暑性 耐寒性・耐暑性ともにあり、特に対策は必要ありません。ただし高温多湿には弱いため、夏場は風通しをよくして35℃以下になるように管理し、暑さが厳しい真夏は遮光するか涼しい日陰に移動するほうが無難です。 アルメリアの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただしアルメリアは多湿を嫌うので、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 【地植え・鉢植え共に】 3〜4月と10〜11月に、緩効性肥料を月に1度を目安に株の周囲にばらまいて、表土を軽く耕して馴染ませます。地植えでは控えめにしてもかまいませんが、鉢植えの場合は水やりなどで肥料成分が流れ出すので、肥料切れに注意して株の勢いを保ちましょう。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 アルメリアに発生しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。茎葉やつぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、かかりやすくなります。感染したら病害部分を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすく、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれます。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は間引いて、風通しよく管理しましょう。 【害虫】 アルメリアに発生しやすい害虫は、アブラムシ、アザミウマなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 アザミウマは花や葉につき、吸汁する害虫で、スリップスの別名を持っています。体長は1〜2mmと大変小さく、緑や茶色、黒い姿の昆虫です。群棲して植物を弱らせるので注意しましょう。針のような器官を葉などに刺して吸汁する際にウイルスを媒介するので、二次被害が発生することもあります。被害が進んだ花や葉は、傷がついてかすり状になるので、よく観察してみてください。花がらや枯れ葉、雑草などに潜みやすいので、株まわりを清潔に保っておきます。土に混ぜるタイプの粒剤を利用して防除してもよいでしょう。 アルメリアの詳しい育て方 苗の選び方 アルメリアの苗を選ぶ際は、節間が短くがっしりと締まって勢いのあるものを選びます。傷んだ葉がついているものや虫食い痕のあるもの、ヒョロヒョロと茎葉が長く伸びて弱々しいものは避けたほうが無難です。 植え付け・植え替え AlenKadr/Shutterstock.com アルメリアの植え付け適期は、3〜5月か10〜11月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けましょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗を植え付けます。苗が複数の場合は、20〜40cmの間隔を取っておきましょう。あまり密に植え付けると、風通しが悪くなって株が蒸れることがあるので、余裕を持たせておきましょう。 数年は植えたままにしてもかまいません。しかし、大株に育って込み合ってきたら掘り上げ、株分けして植え直し、若返りをはかるとよいでしょう。 【鉢植え】 入手した苗よりも1〜2回りほど大きい鉢を準備します。 底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、ポットから出して植え付けます。根が白く回っているようなら、軽く根鉢をくずしてから植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切。植え替えの適期は3〜5月か10〜11月です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、前よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 暑さ・寒さ対策 暑さや寒さよけの対策にも有効なワラ。Photo/長田節子 ●夏越し 【地植え】 一日中、日差しが強く照りつける場所では遮光ネットを張り、株元に敷きワラをして暑さ・乾燥対策をするとよいでしょう。真夏は鉢に植え替えて、風通しがよく涼しい場所で夏越しするのも一案です。 【鉢植え】 強い日差しが照りつけたり暑い環境にさらされると弱るので、風通しのよい涼しい場所に移動して管理しましょう。 ●冬越し 【地植え】 寒さには強いので戸外で越冬できますが、株元に敷きワラをしておくとよいでしょう。 【鉢植え】 寒さには強いので、戸外で越冬できます。 日常の管理 marekuliasz/Shutterstock.com 【花がら摘み】 アルメリアは次々に花が咲くので、花がら摘みは必須の作業。終わった花は早めに摘み取りましょう。こまめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com アルメリアは、株分け、挿し芽、種まきで増やすことができます。ここでは、それぞれの方法についてご紹介します。 【株分け】 アルメリアの株分け適期は3〜5月か10〜11月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、アルメリアは挿し芽で増やせます。 アルメリアの挿し芽の適期は、6月頃か10月頃です。新しく伸びた茎葉を切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に切り取った茎葉を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。成長して根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【種まき】 アルメリアの種まきの適期は、4月頃か10月頃です。種まき用のセルトレイに市販の草花用培養土を入れて種子を播き、薄く覆土してください。種子が流れ出すことがないように、トレイより1回り大きな容器に浅く水を張り、トレイをのせて底面から吸水させます。発芽までは半日陰の場所に置いて、乾燥しないように管理しましょう。 発芽後は日当たり・風通しのよい場所へ移動します。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗します。直根性のため、根を傷めないように扱いましょう。10日に1度を目安に、液肥を与えると生育がよくなります。しっかりした株に育ったら、植えたい場所に根鉢をくずさずに定植しましょう。 アルメリアを育てる際の注意点 Alex Manders/Shutterstock.com アルメリアが順調に育っていない場合、その対処法についてご紹介します。 葉が変色していたらすぐに取り除く アルメリアの葉が、生育期なのにもかかわらず黄色や茶色、黒などに変色することがあります。これは株が蒸れているか、病気にかかっているかのサイン。掘り上げて株分けし、風通しのよい場所に植え直します。病気の場合は、変色した葉を除去し、適用のある薬剤を散布して様子を見ましょう。 花が咲かないときは育てる場所を変える 開花期がきてもつぼみがつかない場合は、適した環境ではない可能性があります。日当たり、風通しのよい場所に植え直しましょう。また多湿を嫌うので、じめじめした環境であれば、パーライトや川砂などを混ぜて水はけをよくし、周囲よりも土を盛って植え直してみてください。 アルメリアの栽培に挑戦しよう photoPOU/Shutterstock.com アルメリアは高温多湿の環境による蒸れにさえ注意すれば、丈夫に育つ草花です。可憐な咲き姿は、ロックガーデンやボーダー花壇などで本領を発揮します。また寄せ植えにも素敵なアクセントとして活躍します。ぜひ庭の景色づくりに取り入れてみてください。
-
宿根草・多年草

「ハナニラ」は野菜のニラとは違う⁉︎ 星形の愛らしい春の花を解説
ハナニラの基本情報 Blanscape/Shutterstock.com 植物名:ハナニラ学名:Ipheion uniflorum英名:springstar、spring starflower和名:ハナニラ(花韮)その他の名前:イフェイオン、アイフェイオン、イエイオン、セイヨウアマナ(西洋甘菜)科名:ヒガンバナ科属名:ハナニラ属(イフェイオン属)原産地:中央アメリカ~南アメリカ形態:宿根草(多年草) ハナニラはヒガンバナ科ハナニラ属の球根性多年草で、かつてはユリ科に分類されていましたが、現在はヒガンバナ科とされています。また、食用の花ニラと園芸用のハナニラは違う種類の植物です。 ハナニラの草丈は15~25cmで、葉や茎を傷つけるとニラのようなニオイがしますが、傷つけないようにすれば栽培中にニオイはそれほど気になりません。 現在はハナニラ属の植物ではない黄色ハナニラやパルビフローラもハナニラの仲間として販売されることがありますが、これらは以前ハナニラ属に分類されていたためです。ハナニラ Ipheion uniflorum(イフェイオン・ユニフロラム)の開花時期は3~4月、黄色ハナニラは2~4月、パルビフローラは11~12月です。 Okimo/Shutterstock.com ハナニラの原産地は中央アメリカから南アメリカです。上部で育てやすいため世界中で栽培されており、アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランスなどでは帰化植物として定着しています。耐寒性・耐暑性ともにあり、栽培難度は低く、丈夫で自然分球やこぼれ種でもよく増えます。 ハナニラの花や葉の特徴 Alex Manders/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:3〜4月草丈:15〜25cm耐寒性:普通耐暑性:強い花色:青、紫、ピンク、白 ハナニラの花色は青や紫、ピンク、白などがあり、星形の美しい花を咲かせます。花は光に反応して、夜や曇りの日、雨の日には花びらを閉じる性質があります。葉は細長く明るい緑色で、食用のニラに似た形をしています。葉は地面に倒れて横に広がる傾向があるため、春先のグラウンドカバーとしても利用できます。夏には休眠期に入り、地上部がなくなって休眠します。 ハナニラの名前の由来や花言葉・誕生花 Naoki Kim/Shutterstock.com ハナニラという和名の由来は、花が美しく、葉にニラ臭があることから。ハナニラの花言葉は「悲しい別れ」「愛しい人」などです。これは、青みがかった白い花の色が憂いを秘めたもの悲しさを感じさせることが由来とされています。また、ハナニラは3月26日の誕生花でもあります。 ハナニラの代表的な品種と種類 Shigeyoshi Umezu/Shutterstock.com ハナニラにはいくつかの品種があります。ここでは、人気の品種を一部ご紹介します。 ウィズレーブルー Alex Manders/Shutterstock.com ‘ウィズレーブルー’はユニフロラムの中でも特に美しい藤青色の花を咲かせ、人気の高い品種です。花にはよい香りがあります。 ロルフフィードラー Andrew Fletcher/Shutterstock.com ‘ロルフフィードラー’は、一般的なユニフロラムに比べて葉が短く、花が肉厚で丸みがあります。鮮やかな青色の花が特徴的な品種です。 黄花ハナニラ Graeme L Scott/Shutterstock.com 黄花ハナニラはハナニラによく似ていますが、現在はヒガンバナ科ハタケニラ属に分類され、ハナニラとは別の属です。多年草で、2~4月に黄色い花を咲かせます。「セロウィアナム」と呼ばれることもあります。 ハナニラと食用の花ニラとの違い ハナニラ(左)とニラの花(花ニラ)(右)。Bowonpat Sakaew、Tom Meaker/Shutterstock.com ハナニラと同音の「花ニラ」と呼ばれる植物に、野菜のニラの花があります。 ニラの花の開花期は8~9月。白い星形の小さな花が集まって花茎の先に咲き、丸い散形花序を作ります。このニラの花は食用でき、つぼみの状態で野菜として流通していることもあります。ただし、ニラは花が咲くと株が弱り、また茎葉も硬くなりやすいため、葉を収穫する場合は、つぼみを摘んで咲かせないようにするとよいでしょう。 一方、ハナニラは3~4月に開花期を迎え、1本の茎の先に1つの花を咲かせます。ニラのような香りですが、毒性があり食用できません。葉だけの状態では見分けにくいので、ハナニラを栽培する際は、家庭菜園のスペースからは離して植えるなど注意しましょう。 アリウムに似た姿で、観賞用としても可愛いニラの花。Peter Turner Photography/Shutterstock.com ハナニラの栽培12カ月カレンダー Images01/Shutterstock.com 開花時期:3〜4月植え付け・植え替え:9〜11月肥料:特になし分球:9~11月種まき:5~6月 ハナニラの栽培環境 Robert Buchel/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日なたから半日陰で育てるのが理想的です。日陰では花付きが悪くなることがあります。 【日当たり/屋内】一年を通して屋外での栽培が基本です。 【置き場所】水はけのよい場所を好みますが、土質はあまり選ばないため、鉢やプランターのほか、道路脇の隙間やロックガーデンなどでも栽培できます。草丈が低いため、春のグラウンドカバーとしても人気があり、寄せ植えにも利用しやすい植物です。 耐寒性・耐暑性 耐寒性、耐暑性ともにあり、特に冬越しや夏越しの対策は必要ありません。基本的に植えっぱなしで問題ありませんが、休眠期の夏に湿った状態が続くと球根が腐ってしまうことがあるため、水はけの悪い場所で育てている場合は掘り上げて貯蔵するか、鉢植えの場合は雨の当たらない場所に移動してもよいでしょう。 ハナニラの育て方のポイント 用土 VM1989/Shutterstock.com ハナニラは水はけのよい弱アルカリ性の土を好みますが、基本的に土質は選びません。地植えする場合は、植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を混ぜ込み、1週間前に腐葉土を混ぜ込んで土づくりをしておくとよいでしょう。鉢やプランターに植える場合は、市販の草花用培養土を使うのがおすすめです。 水やり Osetrik/Shutterstock.com ハナニラは乾燥に強いため、地植えの場合は降雨だけで十分で、基本的には水やりをしなくても問題ありません。鉢植えでも、雨の当たる場所に置いている場合は、水やりなしで育つことがほとんどです。ただし、長期間雨が降らず、土が乾燥しているときにはたっぷりと水を与えます。 7~9月の休眠期には生育が止まるため、この期間の水やりは必要ありません。 肥料 Vladdon/Shutterstock.com 鉢植え・地植えのどちらで育てる場合も、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。追肥は特に必要ありません。 注意する病害虫 Vectorbum/Shutterstock.com ハナニラには特に注意すべき病害虫はありませんが、まれにアブラムシがつくことがあります。日当たりや風通しの悪い環境下で増えやすい害虫で、発見したら根気強く取り除くか、薬剤を使って退治することが大切です。 ハナニラの詳しい育て方 植え付け・植え替え Peter Turner Photography/Shutterstock.com ハナニラの球根は夏に出回り、ポット苗は春に流通します。球根の植え付けの適期は秋(9~11月)ですが、春にポット苗を入手した場合は早めに植え付けましょう。 地中で球根が増えるため、植え付けの際には株間を十分に取ることが重要です。鉢植えの場合は5号鉢に10球が目安となります。地植えでは球根同士の間を約6cmあけ、植え付け深さを5cmほどにしましょう。 一度植え付けた後は数年間放置してもよく増えますが、むしろ増えすぎに注意が必要です。株が育ち密集してきたら、掘り上げて手で球根を分けて植え直します。鉢植えでは根がいっぱいになったら、1回り大きな鉢に植え替えます。 剪定・切り戻し scott mirror/Shutterstock.com ハナニラはあまり手入れをしなくてもよく育ちますが、花が咲いている期間には、こまめに花がら摘みを行うようにします。終わった花をそのままにしておくと種子ができ、球根の栄養を奪ってしまうためです。 剪定は特に必要ありません。また、葉は球根に栄養を送るのに大切な役割を果たすため、花が咲き終わった後も自然に枯れるまでそのままにしておきます。 夏越し・冬越し Chansom Pantip/Shutterstock.com ハナニラは耐暑性が強いため、夏場も特別な対策はほとんど必要ありません。ただし、夏は休眠期に入るため、水やりは控えてください。また、ある程度の耐寒性があるため、冬でも日が当たる場所であれば育ちます。 増やし方 Oxford Media Library/Shutterstock.com ハナニラは、何もしなくても地中で球根が増えて広がりますが、分球と種まきでさらに増やすことも可能です。 分球の適期は9~11月です。球根を掘り上げ、親球の横にできた子球を分けて増やします。分球は植え替え時に行うとよいでしょう。花が咲き終わった後は、球根を太らせるために花を早めに摘み取り、種子を作らせずに球根に栄養を回すことが重要です。 種まきの適期は5~6月で、秋に発芽します。花後にできる種子を取り出して涼しい場所で保管し、適期に播きます。 花壇や鉢植えなどさまざまなスタイルでハナニラを楽しもう High Mountain/Shutterstock.com ハナニラは草丈が低く、土質を選ばないため、庭の花壇や鉢、ちょっとした隙間など、どこでも元気に育つ植物です。春に咲く繊細で美しい星形の花はさまざまな色があり、庭や鉢植えの脇役としてもおすすめです。丈夫で育てやすく、一度植えれば何年も楽しめるので、ガーデニングビギナーにもぴったり。ぜひ、いろいろな場所でハナニラを楽しんでみてはいかがでしょうか。
-
おすすめ植物(その他)

【春の花一覧】3月・4月・5月に咲く人気花42選
【春の花】3月に咲く花 チューリップ pr2is/Shutterstock.com チューリップは、ユリ科チューリップ属の球根植物です。原産地は中央アジア〜北アフリカで、寒さに強い性質を持っていますが、夏の暑さを苦手とします。開花期は4月頃。花色は赤、ピンク、オレンジ、黄色、緑、紫、黒、複色などがあり、色のニュアンスもさまざま。ユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲きなど個性的な花姿の品種もあります。草丈は10〜70cmほど。 球根の植え付け適期は10月中旬〜12月中旬で、球根2個分の深さに植え付けます。複数植える場合は、球根2個分の間隔を取りましょう。チューリップは球根を1〜2球植えるよりは、同じ品種を5〜10球ずつ植えるマス植えにするとよく映えます。寒さにあわせることが大切なので、必ず戸外で管理しましょう。球根植物ですが、温暖な地域では球根を太らせることが難しいので、一年草として扱うのが無難。寒冷地では地上部が枯れたら掘り上げて風通しのよい場所で管理し、秋に再び植え付けます。 スイセン Radovan1/Shutterstock.com スイセンは、ヒガンバナ科スイセン属の球根植物です。原産地はイベリア半島を中心とした地中海沿岸で、寒さに強い性質を持っています。開花期は11月中旬〜4月で、花色は白、オレンジ、黄色、複色など。人気の高い花だけに品種が豊富で、花色や花姿は多様です。草丈は10〜50cmほど。 球根の植え付け適期は10〜11月で、球根2個分の深さに植え付けます。複数植える場合は、大型の球根で15〜20cm、中〜小型の球根で10〜15cmの間隔を取りましょう。春の開花が終わったら花首で切り取り、お礼肥として肥料をばらまいて球根を太らせます。数年は植えっぱなしにしてかまいませんが、大株に育ったら6月頃に球根を掘り上げて分球し、風通しのよい場所に吊して保存を。秋に植え直すと、翌春に再び開花します。 スミレ ikwc_exps/Shutterstock.com スミレは、スミレ科スミレ属の多年草です。日本では北海道から沖縄まで自生する山野草で、その地域でしか見られない変種などもあり、海、山、街と、じつにさまざまな場所で見ることができます。開花期は4〜5月頃で、花色は紫、ピンク、白など。草丈は10cmほどで、可憐な花を咲かせます。 苗を植え付ける場合、適期は2~3月、または9月頃。鉢植えでも、地植えでも栽培できるので、環境に合わせて選びましょう。根が深く伸びるので深さのある容器を選び、成長に合わせて2~3月、または9月に植え替えを行いましょう。種まきから育てる場合、適期は1~2月が適期です。 ヒヤシンス baitong333/Shutterstock.com ヒヤシンスは、キジカクシ科ヒヤシンス属の球根植物です。原産地はギリシャ、シリア、小アジアで、寒さに強い性質を持っています。開花期は3〜4月で、花色は赤、ピンク、白、黄色、青、紫。甘い香りも魅力です。草丈は20cmほど。 球根の植え付け適期は10〜11月で、球根2個分の深さに植え付けます。複数植える場合は、球根2個分の間隔を取りましょう。寒さにあわせることが大切なので、必ず戸外で管理しましょう。春の開花が終わったら花首で切り取り、お礼肥として肥料をばらまいて球根を太らせます。6月頃に地上部が枯れたら球根を掘り上げて、風通しのよい場所に吊しておきましょう。秋に植え直すと、翌春にまた開花します。ヒヤシンスは水栽培にしても開花するので、インテリアで楽しんでもよいでしょう。 フリージア Yusei/Shutterstock.com 可憐な花姿と甘い香りが特徴のフリージアは、切り花としても人気が高い春の花の定番です。原産地は南アフリカで、アヤメ科フリージア属の球根植物です。温暖な気候を好み、耐寒性はそれほど強くありません。3月中旬~5月上旬で、花色は白、赤、ピンク、オレンジ、黄色、紫、複色と多様です。花形には一重咲き、八重咲き、半八重咲きがあり、草丈は40~80cmほどで、芳香があり、切花としても人気です。 フリージアは球根から育てるのが一般的で、植え付け時期は9~11月です。鉢植え、地植えともに可能ですが、アヤメ科の植物を植えた土壌は連作障害を起こす場合があるので、注意が必要です。日当たりと風通しよくく、冬は3℃以下にならない場所が理想です。夏は地上部が枯れて休眠しますが、休眠期間は、球根を掘り上げて乾燥させ、新たな球根を冷暗な場所で保管すれば翌シーズンも楽しめます。 発芽するまでは、土が乾いたらたっぷり水やりをします。葉が伸びた後の水やりは控えめにしましょう。肥料は元肥として緩効性肥料を施し、3月頃に液体肥料か化成肥料を追肥します。また、草丈が40~80cmと比較的高くなるので、風などで倒れないよう支柱を添えておくとよいでしょう。花が咲き終わったらこまめに花がら摘みを行うと、病害虫の予防にもなり長く美しい花を楽しめます。 ムスカリ mizy/Shutterstock.com ムスカリは、キジカクシ科ムスカリ属の球根植物です。原産地は地中海沿岸、西アジアで、寒さに強い性質を持っています。開花期は3月〜5月中旬で、花色は青、紫、白、ピンクなど。ムスカリは5〜10球をまとめて植えるマス植えにしたり、ボーダー状に群植させたりすると、見応えのある景色をつくることができます。草丈は10〜20cmほど。 球根の植え付け適期は10〜12月中旬頃で、深さ5cm程度の穴を掘って植え付けます。複数植える場合は1〜2球分ほどの間隔を取りましょう。春の開花が終わったら花首で切り取り、お礼肥として緩効性化成肥料をばらまいて球根を太らせます。6月頃に葉が枯れ込んできたら球根を掘り上げ、風通しのよい場所に吊して保存を。秋に植え直すと、翌春に再び開花します。 菜の花 rootstock/Shutterstock.com 菜の花は、アブラナ科アブラナ属の一年草です。原産地は地中海沿岸で、寒さに強い性質があります。開花期は2〜5月で、花色は黄色。開花すると独特の香りが漂います。草丈は50〜80cmほど。 10月頃にタネを播いて育成します。花苗店で苗を入手して植え付けてもOKですが、直根性で移植を嫌うので、根鉢を崩さないように植え付けましょう。アブラムシやアオムシが発生しやすいので、見つけ次第薬剤を散布して防除を。開花が終わったら枯死するので、抜き取って処分します。 タンポポ Alex Polo/Shutterstock.com タンポポは、キク科タンポポ属の草花の総称。日本の自生種である「ニホンタンポポ」は基本的に春の3〜4月に開花し、外来種である「セイヨウタンポポ」は一年中開花します。タンポポの花といえば、茎の先に咲く丸い花をイメージしますが、じつは1枚1枚の花弁のように見えている小さな花が集まった花の塊(頭状花)なのです。小さな花が集まって、一つの大きな花のように見せることで、より昆虫の目を引くようにしているのだそう。 ハナニラ John R Martin/Shutterstock.com ハナニラは、ヒガンバナ科ハナニラ属の球根植物です。原産地は南アメリカで、暑さ寒さに強い性質を持っています。開花期は3〜4月で、花色は白、ピンク、紫、黄色など。葉にはニラのような香りがあるので、「花韮(はなにら)」という名前がつけられました。丈夫で野草化するほど生命力旺盛なため、人の手を借りずとも元気に育つ植物です。草丈は15〜25cmほど。 球根の植え付け適期は10〜11月で、深さ5cm程度の穴を掘って植え付けます。複数植える場合は1〜2球分ほどの間隔を取りましょう。春の開花が終わったら花首で切り取り、お礼肥として緩効性化成肥料をばらまいて球根を太らせます。数年は植えっぱなしにしてかまいませんが、大株に育って込み合ってきたら9月頃に掘り上げて分球し、植え直しましょう。 パンジー&ビオラ Photo/3and garden パンジー&ビオラは、スミレ科スミレ属のヨーロッパ、西アジア原産の一年草です。かつては「花径が4cm以上はパンジー」、「小輪多花はビオラ」といった分け方がされていましたが、現在は人工交配により複雑化し、両者の境界は曖昧となっています。開花期は10〜6月で、花色は赤、ピンク、黄、オレンジ、白、青、紫、黒、複色など。 パンジーとビオラの育て方に特に違いはなく、ポット苗から育てるなら10~11月が適期。晩秋から育てたほうが、苗の入手がしやすく長く楽しめます。苗の定植時には緩効性肥料を施し、開花が盛んになってきたら7~10日に一回程度、1,000倍に薄めた液肥などで追肥しましょう。園芸初心者にも育てやすく、同時期に開花するクリスマスローズの株元に配置して、早春の可憐な花々の競演を楽しむのもおすすめです。 ラナンキュラス Photo/3and garden ラナンキュラスは、キンポウゲ科キンポウゲ属の球根植物です。原産地は東ヨーロッパ、南ヨーロッパ、西アジアで、花弁がいく重にも重なる花姿が特徴です。開花期は3月下旬~5月下旬で、花色は、赤、ピンク、黄、オレンジ、白、紫、緑、複色など。草丈は30~60cmほど。 苗の植え付け適期は、暖地では11月中旬~12月中旬、寒冷地では10月上旬から11月中旬。苗は根鉢をくずさずに植え付けましょう。耐暑性が弱く、夏の間は休眠します。耐寒性は普通ですが、地植えなら霜が当たらない場所で育てて防寒対策をしましょう。 近年は、球根を植えっぱなしで夏越しや冬越しがしやすいラナンキュラス・ラックスシリーズ(上写真)が人気です。 アネモネ PT Hamilton/Shutterstock.com アネモネは、キンポウゲ科イチリンソウ属(アネモネ属)の球根植物です。原産地はヨーロッパ南部〜地中海沿岸東部で、暑さに弱く、寒さに強い性質を持っています。開花期は3〜4月で、花色は白、赤、ピンク、青、紫、複色など。コロナリア種が最もポピュラーですが、菊の花のようなブランダ種、原種系のフルゲンスなども出回っています。草丈は15〜50cmほど。 球根の植え付け適期は10〜12月で、球根は尖ったほうを下、平らなほうを上にして、浅めに植え付けます。複数植える場合は15〜20cmほど間隔を取りましょう。春の開花が終わったら花首で切り取り、お礼肥として肥料をばらまいて球根を太らせます。6月頃に球根を掘り上げ、風通しのよい場所に吊して保存を。秋に植え直すと、翌春に再び開花します。 ムラサキハナナ Lin Xiu Xiu/Shutterstock.com ムラサキハナナは、別名ショカッサイ、オオアラセイトウとも呼ばれます。アブラナ科オオアラセイトウ属の一年草です。原産地は中国、ヨーロッパで、夏の暑さに弱く、寒さに強い性質があります。開花期は3〜4月で、花色は淡い紫色。群植すると見応えがあります。草丈は50cmほど。 10月にタネを播いて育成します。花苗店で苗を入手して植え付けてもOKですが、直根性で移植を嫌うので、根鉢を崩さないように植え付けましょう。3月頃からアブラムシやアオムシが発生しやすくなるので、見つけ次第薬剤を散布して防除を。開花期は花がらをまめに摘んで、株周りを清潔に保ちます。開花後は枯死するので、抜き取って処分しましょう。 サクラ(桜) Mei Yi/Shutterstock.com サクラは、バラ科サクラ亜科サクラ属の落葉性の花木です。北半球の温帯地域に広く分布し、日本では変種を合わせると100種以上の桜が自生しています。開花期は3~4月で、品種によっては10〜3月に開花するものも。花色はピンクと白。代表的なものは「ソメイヨシノ(染井吉野)」や、「エドヒガンザクラ(江戸彼岸桜)」、「カンヒザクラ(寒緋桜)」、「オオシマザクラ(大島桜)」、「カワヅザクラ(河津桜)」など。ソメイヨシノは日本の桜の約80%を占めるといわれていますが、世間に登場したのは意外と遅く、明治に入ってからです。辺り一面を薄紅色に染める桜並木は、日本の春を象徴する風景と言えます。 サクラの植え付け適期は12〜3月で、品種によって一重咲き、八重咲き、枝垂れ咲きなど、多様な咲き姿や色合いを楽しむことができます。 オステオスペルマム LPchart/Shutterstock.com オステオスペルマムの原産地は熱帯アフリカとアラビアで、キク科オステオスペルマム属の多年草です。高温多湿を嫌い、日当たりが良く風通しのよい場所を好みます。比較的耐寒性があり、環境が合えば越年して毎年花を咲かせるのでガーデニング初心者にも育てやすい植物です。 開花期は3~6月で、冬は生育が止まり常緑のまま越年します。花色は紫、白、オレンジ、黄色、ベージュ、ピンク、複色などがあり、花形はマーガレットに似た一重咲きのほか、八重咲きや花弁がスプーン状のスプーン咲きなどもあります。夜間や曇天の日は花を閉じる性質がありますが、品種改良により閉じない品種も増えています。 植え付けは、種まき、苗植えともに9~10月が適期です。地植え、鉢植えのいずれも可能で、苗を植え付けた後はしっかりと水やりを行いましょう。施肥は地植え、鉢植えともに3〜5月と9〜10月が適期です。緩効性化成肥料と液体肥料を施し、液体肥料は2週間に1度を目安にしましょう。肥料が不足すると花付きが悪くなります。次々に開花するので、花がら摘みはこまめに行いましょう。 ユキヤナギ(雪柳) Anastasiia Malinich/Shutterstock.com ユキヤナギは、バラ科シモツケ属の落葉性の花木です。日本や中国を原産とし、本州から西のエリアで多く見られます。開花期は2〜4月で、花色は白。「ユキヤナギ」の名前の由来は、白い小花をたくさん咲かせ、まるで雪をかぶったかのように見えることから。日本の気候に適していて寒さにも暑さにも強く、病害虫の心配も少ないため、庭木としても扱いやすい樹木です。 ユキヤナギの植え付け適期は2~3月で、早咲き品種は10~12月に行うのがおすすめです。1~2月に寒肥として有機質肥料や緩効性の化成肥料を与え、開花後にはお礼肥を与えて樹勢を回復させましょう。また、花芽分化期を迎える秋にも追肥をすることで、花付きよく美しい花を咲かせてくれます。 マグノリア mamesuke/Shutterstock.com マグノリアとは、モクレン属の園芸品種の総称。落葉性の花木で、ボリュームのある美しい花を一面に咲かせます。日本原産にはコブシやシデコブシ、オオヤマレンゲなど、中国産にはモクレンやハクモクレンなどがあります。開花期は3~5月、花色は白、赤、ピンク、黄、複色などがあります。樹高は2~10m以上と大きくなるので、小スペースでの栽培なら小型の園芸品種、ガールマグノリアの系統がおすすめです。 ミモザ(ギンヨウアカシア) Vincenzo Iacovoni/Shutterstock.com ミモザは、マメ科アカシア属の常緑性の花木です。原産地はオーストラリア。開花期は3月~4月上旬で、黄色い房状の花をたっぷりと咲かせます。比較的痩せた土地でも育ち、シンボルツリーとして人気が高いほか、スワッグやリース、ブーケにして部屋に飾るなど開花後の楽しみも魅力です。 植え付け適期は4〜9月。本来ミモザはオジギソウなどの別の植物を指す名前でしたが、現在はギンヨウアカシアを表すことが多くなっています。ギンヨウアカシアのほか、フサアカシアもミモザという名称で流通していることがあります。どちらも成長が速く大きく育つため、支柱を立てて支えるほか、花後には剪定を行います。 【春の花】4月に咲く花 ネモフィラ hardrocker43/Shutterstock.com ネモフィラは、ムラサキ科ルリカラクサ属の一年草です。原産地は北アメリカ西部で、暑さに弱い性質があります。開花期は4〜5月で、花色は青、黒、白など。草丈は10〜20cmで、這うように広がるので、花壇のエッジなどに重宝します。 ポピュラーな植物で、花苗店で容易に苗を入手できます。植え付け適期は3月頃。花壇に元肥として緩効性化成肥料を施して植え付けます。移植を嫌うので、根鉢を崩さないように扱うことがポイントです。春にアブラムシが発生しやすいので、土中に粒状タイプの薬剤を混ぜておくのもおすすめです。開花中は花がらをまめに摘んで株まわりを清潔に保ちます。夏越しはできないので、枯れたら抜き取って処分しましょう。 スイートピー AJSTUDIO PHOTOGRAPHY/Shutterstock.com スイートピーはイタリアのシチリア島が原産地の、マメ科レンリソウ属の一年草または宿根草です。つる性のため、フェンスに這わせたりアーチを作ったりと、立体的な仕立てが楽しめます。つるを伸ばしながら最終的に2~3mの草丈になりますが、小型の矮小品種もあります。 春の花というイメージがあるスイートピーですが、開花期は4~6月の春咲き、6~8月の夏咲き、さらに冬咲きのものもあります。花色は白、赤、ピンク、紫、オレンジ、複色などがあり、フリルのような花と芳香が特徴で、切り花としても人気です。日当たりと風通しのよい場所を好み、比較的耐暑性が弱いとされています。また、マメ科の植物は連作障害を起こしやすいため、前年に栽培した場所は避けましょう。 晩秋から早春にかけてポット苗が園芸店やホームセンターで出回るので、購入したら早めに植え付けて元肥を施しましょう。植え付けの際はポット苗を用いて、根を傷めないように植え付けます。根が深く張るので水は多めに与えましょう。緩効性化成肥料を元肥に、その後は月に1回程度、緩効性化成肥料を置き肥にし、チッ素分が少なく、リン酸分の多い肥料を選ぶとよいでしょう。 クレマチス Lijuan Guo/Shutterstock.com クレマチスは、キンポウゲ科センニンソウ属(クレマチス属)の多年草です。つるを伸ばして生育する植物で、フェンスやアーチ、オベリスクなどに仕立てるとよく映えます(品種の中には立ち性・半立ち性もあります)。原産地は北半球の各地で、品種によって耐寒性や耐暑性、落葉性・常緑性などかなり性質が異なるので、選んだ品種が好む環境をしっかりと把握することが失敗なく育てるポイントです。開花時期も種類によって3月下旬~5月に開花する春咲きと、5〜10月に繰り返し開花する夏咲き、10月〜翌年の5月に開花する冬咲き種があります。花色は白、赤、ピンク、黄色、青、茶色、紫、複色など。咲き姿は多様で、一重咲き、八重咲きの他、チューリップ形、ベル形などもあります。つるが伸びる範囲は品種によって幅があり、20〜300cmほどです。 植え付けの適期は12〜2月。日当たり、風通しのよい場所に元肥として緩効性化成肥料を施し、苗を植え付けます。開花期には終わった花がらを摘み取り、株周りを清潔に保ちましょう。つるが込み合っている場所があれば、生育期に適宜切り取って調整します。 スズラン Morten Normann Almeland/Shutterstock.com スズランは、キジカクシ科スズラン属の多年草です。原産地はヨーロッパ、東アジア、北アジアで、暑さに弱く、寒さに強い性質を持っています。開花期は4〜5月で、花色は白、ピンクなど。開花すると芳香が漂います。草丈は15〜20cmほど。スズランは全草に毒を持っているので、作業の際には必ずガーデニング用の手袋をはめましょう。 苗の植え付け適期は10月〜12月上旬、4月。建物の東側や落葉樹の足元など、真夏は半日陰になるような場所を選んで、浅めに植え付けます。開花が終わったら花がらを摘み、お礼肥に緩効性化成肥料を施しておきましょう。晩秋には休眠して地上部が枯れますが、越年して再び春には生育し始めます。数年植えっぱなしにしてかまいませんが、大株に育って込み合ってきたら、10月〜12月上旬頃に掘り上げて株分けしましょう。 オダマキ DavidYoung/Shutterstock.com オダマキは、キンポウゲ科オダマキ属の多年草です。ミヤマオダマキなど日本原産の自生種と、ヨーロッパや北米を原産とする西洋オダマキがあります。宿根草の中でも特に長生きで、一度植えると20年以上変わらず美しい姿で咲き続けるものも。開花期は4〜6月で、花色は白、ピンク、赤、オレンジ、黄、青、紫、茶、黒など。 複雑で個性的な造形の花は繊細そうに見えますが、性質は丈夫で育てやすいので、ガーデニング初心者にもおすすめ。少しブルーがかった葉の美しさも魅力で、花が咲いていない期間も庭の彩りとして活躍します。強い直射日光はやや苦手なので、午前中は日向、午後は明るい日陰になる場所などで育て、夏は遮光するなどして葉焼けや高温障害を防ぐとよいでしょう。 ラベンダー Tatsiana Khamitskaya/Shutterstock.com ラベンダーは、シソ科ラベンダー属の常緑性低木で、原産地は地中海沿岸です。耐寒性、耐暑性は育てる品種によって異なるので、環境に適した品種を選ぶとよいでしょう。開花期は4〜7月で、花色は紫、ピンク、白。人気の高いハーブの一つで、花には癒やし効果を持つ香りがあります。草丈は20〜120cmほど。 植え付けの適期は10月か3月下旬頃。日当たり、風通しのよい場所に元肥として緩効性化成肥料を施し、苗を植え付けます。過湿を嫌うので、乾燥気味に管理するとよいでしょう。開花が終わったら、草丈の半分くらいまで切り戻します。大株に育ったら、古い枝や細い枝、内側に向かって伸びている枝などを選んで元から切り取り、風通しよく管理しましょう。 ●ラベンダーの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します ワスレナグサ(勿忘草) Fire-fly/Shutterstock.com ワスレナグサは、ムラサキ科ワスレナグサ属の一年草です。原産地は世界中の温帯地域。寒さには強い一方で、高温多湿には弱い性質を持っています。開花期は4〜5月で、花色は青、ピンク、紫、白。草丈は10〜50cmほどで、品種によってスタンダードな10〜20cmのサイズと、大きく成長する40〜50cmの高性種があります。 ポット苗が多く出回るので、苗の植え付けからスタートするとよいでしょう。3月頃が植え付けの適期です。日当たり、風通しのよい場所に元肥として緩効性化成肥料を施して植え付けます。春にアブラムシが発生しやすいので、土中に粒状タイプの薬剤を混ぜておくとよいでしょう。開花期は、まめに花がらを摘んで株周りを清潔に保ちます。高温多湿を嫌い、暖地では夏越しができないので、枯れたら抜き取って処分しましょう。 ルピナス Flower_Garden/Shutterstock.com ルピナスは、マメ科ハウチワマメ属(ルピナス属)の一・二年草です。原産地は北アメリカで、暑さに弱く、寒さに強い性質を持っています。開花期は4月下旬〜6月で、花色は赤、ピンク、オレンジ、黄色、紫、白、複色など。花穂を長く立ち上げて咲くので、群植するとダイナミックな景色をつくってくれます。草丈は20〜150cmほど。ポット苗が多く出回るので、苗の植え付けからスタートするとよいでしょう。 植え付け適期は3月頃。日当たり、風通しのよい場所に元肥として緩効性化成肥料を施して植え付けます。移植を嫌うので、根鉢を崩さないように扱うことがポイントです。春にアブラムシが発生しやすいので、土中に粒状タイプの薬剤を混ぜておくとよいでしょう。高温多湿を嫌い、暖地では夏越しができないので、枯れたら抜き取って処分しましょう。 カーネーション Nick Pecker/Shutterstock.com カーネーションは、ナデシコ科ナデシコ属(ダイアンサス属)の多年草。冬でも茎葉を枯らさない常緑タイプです。原産地は南ヨーロッパ、西アジアで、寒さや暑さに強い性質を持っています。開花時期は、4〜6月に一季のみ咲くタイプと、開花条件が合えば春から秋まで何度か咲く四季咲きタイプがあります。花色はピンクのほかに赤、白、黄、複色などがあります。草丈は10〜30cm。 植え付けの適期は3〜5月、10〜11月。日当たり、風通しのよい場所を選び、多湿を嫌うので水はけのよい土作りをして苗を植え付けます。花つきがよいので終わった花は早めに摘み、開花期が終わる頃に草姿が乱れていたら切り戻すとよいでしょう。 モモ(桃) zzz555zzz/Shutterstock.com 桃は大きく分けて2種類あり、食用の実桃と、園芸品種のハナモモに分けられます。桃というと思い浮かぶのはフルーツのほうですが、私たちがひな祭りに飾る桃の花は、花を観賞するための品種で「ハナモモ」と呼び、食用の実桃とは性質が異なります。 ハナモモは、バラ科サクラ属の落葉性の花木です。原産地は中国で、耐寒性、耐暑性に優れています。開花期は3〜5月で、花色はピンク、赤、白、左記の色が混じる花もあります。 ハナモモの植え付け適期は11〜12月、または2〜3月。桃の木というと大きく育つイメージを持つ人も多いですが、鉢植えや盆栽として楽しむことも可能です。 ヤマブキ(山吹) Nick Pecker/Shutterstock.com ヤマブキは、バラ科ヤマブキ属の落葉の花木です。日本原産の花で北海道から九州まで分布し、一重咲きのほかに八重咲きもあります。一重咲きには実がつきますが、八重咲きには実がつきません。開花時期は4〜5月で、花色は黄色。 耐寒性、耐暑性ともに強く、育てやすいので、特別手をかけなくても毎年美しい花を楽しむことができます。水はけがよく、腐植質に富んだ土壌に植え、夏は乾燥に注意しましょう。地際から枝が次々に伸びてくるので、スペースは広めに確保しておくとよいでしょう。 マリーゴールド Hatthakon/Shutterstock.com マリーゴールドは、キク科マンジュギク属(タゲテス属)の一年草です。原産地はメキシコ、中央アメリカなどで、暑さに強く、オレンジ色や黄色などの元気なビタミンカラーが花の少ない時期に貴重な彩りとなってくれます。開花期は4〜12月で、花色は黄、オレンジ、白、赤、複色など。 マリーゴールドは、ビギナーでも種まきから簡単に育てられ、種まきの適期は4〜5月で、発芽適温は20〜25℃。苗からの栽培の場合、植え付け適期は5〜6月です。マリーゴールドはセンチュウなど害虫を寄せ付けない効果もあるので、コンパニオンプランツとして家庭菜園に取り入れるのもおすすめ。 デージー(雛菊) Adrienne Kulcsar/Shutterstock.com デージーは、キク科ヒナギク属の一年草です。原産地はヨーロッパ、地中海沿岸で、寒さにはやや強く、暑さに弱い性質を持っています。本来は多年草ですが、日本の暑い夏には耐えられずに枯死してしまうので、日本では一年草として扱われています。開花期は12月下旬〜5月上旬と長く、最盛期は4月頃です。花色は赤、パステルピンク、白などで、草丈は15〜40cmほど。よく似た花のマーガレットとの違いは葉にあり、マーガレットの葉にはギザギザとした切れ込みがありますが、デージーの楕円形をしていることから見分けられます。 タネから育てた場合、植え付け適期は温暖地で11月中旬〜12月上旬頃で、ポット苗からスタートする場合は、春先まで苗が出回っているので、手に入り次第植え付けます。寒冷地で種まきした場合は、4月下旬頃に定植するとよいでしょう。 ガーベラ Kobus Peche/Shutterstock.com ガーベラはキク科ガーベラ属で、南アフリカが原産地の多年草です。開花期の最盛期は春が4~6月、秋が10~11月の四季咲きで、耐寒性、耐暑性ともに強く、ガーデニング初心者にも育てやすい植物です。花色は赤、ピンク、白、黄色、オレンジ、複色があり、花形は一重咲き、八重咲き、スパイダー咲きやセミダブル咲きなど多様ですが、さらに新品種も多数作られています。 花姿が可愛らしいうえに、花言葉も「希望」や「常に前進」であることから、切り花は贈答用としても人気です。また、花が比較的大き目のため、一輪挿しにしても映えます。 ガーベラの植え付けは3~5月、9~11月に行います。日当たりと風通しのよい場所を好むため、苗の間隔は30cmほどあけて植えましょう。水はけはよくしておいたうえで、土が乾いたら水をたっぷり与えます。根から少し離れた場所に緩効性の粒状肥料置き肥をし、定期的に追肥すると育ちがよくなります。 新葉やつぼみの成長を促すためと、病害虫予防のために、花が終わったら花がらや枯れ葉はこまめに摘み取りましょう。 ポピー Nick Pecker/Shutterstock.com ポピーは和名がヒナゲシ、別名が虞美人草です。原産地はヨーロッパ中部で、ケシ科ケシ属の一年草です。種類によってはアヘンの原料となるため、栽培が禁止されていますが、シャーレーポピー、アイスランドポピー、オリエンタルポピーなどはガーデニング用として栽培できます。開花期は種類により4~7月と比較的長く、花色は白、赤、ピンク、オレンジ、黄色、複色などがあり、草丈は60〜80cmになります。花形は一重咲き、半八重咲き、八重咲き、フリンジ咲きなど多様で、薄くてしわがある大きめの花弁が特徴です。耐寒性は強い一方で耐暑性に弱く、アイスランドポピーやシャーレーポピーは夏越しができません。 一年草のアイスランドポピーとシャーレーポピーは、ビギナーでも種まきから育てられ、種まき適期は一般地で9月下旬〜10月です。植え付け適期は、種から育てて育苗した場合は10〜11月、花苗店で苗を購入する場合は3〜4月です。ポピーは直根性の根を持ち、この根を傷めると生育が悪くなるので、植え付けや移植の際は丁寧に扱いましょう。 植え付けは3〜4月、10〜11月が適期で、酸性土壌を避け、日当たりと水はけのよい場所を選びましょう。肥料は元肥として緩効性化成肥料を土壌に混ぜておけば後は不要です。花がらはこまめに摘んで病害虫を防ぎましょう。3月頃にアブラムシが発生する場合があるため、見つけたら殺虫剤で駆除しましょう。 【春の花】5月に咲く花 バラ Besklubova Liubov/Shutterstock.com バラは、バラ科バラ属の落葉性の花木です。花の女王とも呼ばれるバラは、自然のなかに自生している野生種(原種)、人が手を加え品種改良をした園芸品種があり、園芸種もオールドローズやモダンローズ、ミニバラといったカテゴリーに分けられ、花色、形、香り、トゲの有無、花びらの枚数まで、膨大な種類があります。開花期は5〜11月で、白、赤、ピンク、オレンジ、黄、紫、茶、黒、緑、複色など。 樹形もつる性、半つる性、木立ち性と3タイプあるので、好みの組み合わせで庭を素敵に演出することができます。バラの苗を購入したら植え替えをし、適切に肥料を施しながら育てましょう。剪定のタイミングは主に冬で、品種によっては夏にも剪定が必要な種類もあります。 また、バラは切り花としても大変人気が高く、特に赤いバラの花束は恋人への花束としても贈られます。バラの花言葉は本数によって異なり、一輪なら「一目ぼれ」「あなたしかいない」といった意味を持ち、出会ったばかり時期や記念日などのギフトに適し、プロポーズには「結婚してください」の意味を持つ108本の花束が贈られます。 フジ(藤) Inna Giliarova/Shutterstock.com フジ(藤)は、日本原産のつる植物でマメ科フジ属の落葉性の花木です。たっぷりとした房状の花序が頭上から降り注ぐように咲く美しい姿は、全国各地に有名な観光地があるほどに愛されています。開花期は4月下旬~5月中旬、花色は紫、白、ピンク、黄など。同じ頃にはツツジやシャクナゲなども見頃を迎えます。 植え付けの適期は11〜3月。鉢植えでも地植えでも育てられますが、地植えの場合は日当たりのよい場所を選びましょう。鉢植えの場合、植え付け後は2〜3年に一度植え替えをしましょう。 デルフィニウム Svetlana Danilova/Shutterstock.com デルフィニウムは、キンポウゲ科オオヒエンソウ属(デルフィニウム属)の草花です。本来は宿根草ですが、高温多湿な日本の夏に耐えられずに枯れてしまうことも多く、暖地では基本的に一年草扱いとされます。開花期は4月下旬~6月で、花色は白、ピンク、青、紫、複色。 春と秋に苗が出回りますが、秋に植え付けをすると大株に育ち、ボリュームのある花姿が楽しめます。花穂が下から咲き上がっていくので、花がらを摘む際は花が咲ききって終わりかけた頃に、株元から花茎を切り戻します。花後、早めに花茎を切ることで、6月から二番花を楽しめる場合もあります。庭花では貴重な冴えた青色の花が直線的にスラリと咲く姿は、バラとの相性もよく、ローズガーデンやボーダーガーデンなどにおすすめです。 シラン(紫蘭) ikwc_exps/Shutterstock.com シラン(紫蘭)は、ラン科シラン属の多年草です。原産地は日本、中国で、暑さ寒さに強く、地中に根を張って育つ「地生蘭」に分類されます。開花期は4〜6月で、花色は赤紫、紫、ピンク、白など。 植え付け適期は4〜5月、または9月下旬〜10月の暖かい時期がおすすめです。冬の間は葉を落としますが、春になると地中のバルブ(偽球茎。球根のような部位)から新芽を出し、開花に向けて生育を始めます。 ヤグルマギク(矢車菊) Timofey Zadvornov/Shutterstock.com ヤグルマギク(矢車菊)は、キク科ヤグルマギク属の一年草です。原産地は地中海沿岸で、寒さには強いですが、日本の高温多湿の気候は苦手とします。草丈は30〜100cmで、ガーデニングでは花壇の中段〜後段に向く素材です。開花期は4〜5月で、花色は青、紫、ピンク、白、黒赤、複色などがあります。 ヤグルマギクは容易にタネから栽培でき、種まきの適期は、温暖な地域では9月下旬〜10月頃。寒い地域では4〜5月にタネを播いて、6月下旬〜8月に開花させるとよいでしょう。 ツツジ TakeshiJapan/Shutterstock.com ツツジは、ツツジ科ツツジ属の半常緑性の花木です。日本や中国などのアジア東部が原産で、公園や街路樹など公共の場で植栽されていることが多い植物です。開花期は4月中旬~5月中旬で、花色は白、赤、ピンク、紫、複色など。 植え付け適期は3~6月上旬、または9月下旬~10月。やや酸性の土壌を好みます。日本の土壌は酸性になりやすいので、地植えの場合は基本的に問題ありませんが、酸性土壌を嫌う植物の近くに植える場合は注意しましょう。 カシワバアジサイ Tom Cardrick/Shutterstock.com カシワバアジサイは、アジサイ科アジサイ属の落葉性の花木です。原産地はアメリカで、梅雨時期に一般的なアジサイとは異なる一風変わったボリュームある花を咲かせます。その名の通り、深い切れ込みのあるカシワに似た葉と、円錐形の花房が特徴。開花期は5月中旬~7月で、白色の一重の装飾花を咲かせるタイプがもっともポピュラーですが、ボリュームのある八重咲きの品種もあります。 植え付け適期は3~4月。秋であれば、9月下旬~10月中旬のまだ暖かさが残る頃がよいでしょう。地植えにする場合は、あらかじめ腐葉土や堆肥を混ぜ込んで土壌改良してから植え付けます。生育旺盛なので、鉢植えの場合は根詰まりしないよう、数年に一度、植え替えや鉢増しをしましょう。 ノースポール(クリサンセマム) kazzpix/Shutterstock.com ノースポールは、キク科フランスギク属(レウカンセマム属)の一年草です。原産地は北アフリカで、寒さには強い性質のため、暖地では地植えして越冬できます。開花期は12〜5月で、花色は白(中央は黄色)。 ノースポールはこぼれ種でも増えるほど強健な性質で、ビギナーでも種まきから育てられます。種まきの適期は、一般地では2〜4月か10〜11月です。春になるのを待ってから種まきしてもよく、長い間場所を占領することがないので、小スペースで楽しみたい時には春にタネを播いてもOK。寒い地域では、3〜5月にタネを播いて、6〜7月に開花させるとよいでしょう。 スイートアリッサム Nonchanon/Shutterstock.com スイートアリッサムは、アブラナ科ニワナズナ属(ロブラリア属)の一年草です。原産地は地中海沿岸北部〜西アジアで、高温多湿に弱い傾向があります。開花期は3〜5月、10〜12月頃で、花色は白、赤、ピンク、紫など。草丈は10〜15cmで這うように広がるので、花壇のエッジなどに重宝します。 植え付け適期は10〜11月か3月頃。花壇に元肥として緩効性化成肥料を施して植え付けます。春にアブラムシが発生しやすいので、土中に粒状タイプの薬剤を混ぜておくのもおすすめです。花がらはまめに摘んで株周りを清潔に保ち、生育して草姿が乱れてきたら切り戻すと、再び開花します。夏越しは難しいので、枯れたら抜き取って処分しましょう。 春の庭で、さまざまな花を楽しもう! Robert Schneider/Shutterstock.com 春はたくさんの花が咲く季節で、「どんな花を育てようかな」と選ぶ楽しみもあります。今回は、タネからでも育てやすいようなビギナーおすすめの花から、こだわりの庭づくりをしたいベテラン向けまで、多種多様な春の花をご紹介しました。ぜひ、気に入った花を庭やベランダに取り入れて、春の華やかで心躍る景色を楽しんでくださいね。



















