スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
-
DIY

庭の小道をおしゃれにDIY実例デザインバリエ
まっすぐ一直線の小道 まっすぐ一直線な道は、その先に目的地が見えるデザインです。最短ルートでたどり着くので、出入り口付近など、日常生活でよく行き来する場所にはまっすぐな道がオススメ。また、通る頻度が多い場合は地盤を固くして、歩きやすく平らに舗装をしておくと、安全に長く使うことができます。 写真は、イギリスの公園の出口へと案内する小道です。左右に低く灌木が茂り、生け垣の外へと誘導するシンプルなデザイン。地面には、敷石がランダムに張ってあるので、雨の日もぬかるまず、歩きやすくなっています。小道は、花壇などの植栽スペースと歩く場所とを分ける意味もあり、庭に必須の要素です。 一直線の小道に植物でアクセントをプラス まっすぐな道でも、幅が広ければアクセントをつけることでチャーミングになります。写真は、イギリスのガーデンの中で、建物と庭をつなぐレンガの道です。道の中にランダムに草花が茂り、面白い景色になっています。道の中央にあるのは石の日時計です。 レンガの中に植物が生えている⁉︎ という驚きがある新鮮なデザインです。植物はどこに生えているのか、近づいて見ると、レンガを外した地面に低く茂るゲラニウムが植わっていました。こんもりまとまって花も咲き、道に緑のアクセントになっています。 道を斜めから引いて見ると、左右には芝生や木々の緑というシンプルな植栽で、小道が際立っています。花が咲き乱れているばかりがガーデンではなく、こうした緑のすがすがしい空間に、デザインに一工夫した小道があることで、楽しく行き来ができる場所になりますね。 小道の敷石選びで表情が変わる 平らで歩きやすい小道の舗装は、選ぶ石材によってもイメージががらりと変わります。先にご紹介した道はレンガ色でしたが、上写真のようにグレイッシュなピンコロ石(立方体に加工した御影石などの舗装材)を敷き詰めたら、明るい雰囲気に。敷石の色に合わせて、左右に白花が咲く草花を組み合わせたことで、ロマンチックな小道になりました。 レンガや石は敷き方によって模様をつくることができます。四角い石の間に丸い石を入れてアクセントにすると、オリジナル感がアップ。こうして石材で模様をつくって舗装することを「ペイビング」といいます。庭づくりを進めていくと掘り返した土の中から石が出てくることも多く、取り除いた石を捨てずに、ペイビングの材料として活用するのもアイデアです。 タイル状の平板の隙間に小石を敷き詰めたデザイン。風雨にさらされて味が出るのも楽しみ。 カーブを描く小道 Photo/Patryk Michalski/Shutterstock.com まっすぐな道に対してカーブする道は、行き先が隠れる場合が多いので、「その先がどうなっているのか」期待感をもたせる道になります。歩きやすい、ゆるやかなカーブの形を描くには、地面にロープやホースを仮置きして、実際に歩いてみるとよいでしょう。DIYでつくる場合、路面は砂利を敷きつめると簡単に仕上がります。 Photo/Del Boy/Shutterstock.com 庭のスペースに余裕があったら、カーブする小道にアーチを組み合わせると立体感が出ます。アーチがある場所は道幅を広くし、手前の道幅は狭くすると、遠近感が出て庭が広く見える効果も。人一人がゆったり歩ける道幅は50㎝程度を目安にするとよいでしょう。 飛び石や擬木にグラウンドカバーを組み合わせた小道 枕木や擬木、飛び石などをカーブを描くように並べ、その隙間にリシマキアなどの這って広がるグラウンドカバーの植物を植えておくと、多少カーブが歪んでいても気になりません。きっちりきれいなカーブをつくらなくても、雰囲気がよい道に仕上がる好例です。 ペイビングで模様が浮かぶ凝ったデザインの小道 Photo/apple2499/Shutterstock.com カーブを描く小道に、無数の小石をペイビングしたアートなデザイン。庭仕事が一段落する冬は、モルタルの硬化も緩やかなので、ちょっと手のかかるペイビングを冬の間にチャレンジするのも、手づくりガーデニングの醍醐味。今から構想を練って、材料を用意してDIYの計画をしておくのはいかがですか? きっと、オープンガーデンの見せ場が増えますよ。 Photo/Destinyweddingstudio/Shutterstock.com 小道の基本的なつくり方は、『庭にレンガを置くだけでDIYできる小道』や『庭の小道やアプローチなどに必須のペイビング実例』もご覧ください。
-
一・二年草

暑さに負けずに育つ夏の花 サンパチェンス
真夏も花が休まない! 炎天下でも咲き続けるサンパチェンス 初夏から秋にかけて花を咲かせ、育てやすい秋播きの一年草、インパチェンス。生育が速く、開花期にはこんもりと茂って次々に花を咲かせる、豪華な咲き姿が楽しめます。花色も幅広く、八重咲きになる品種などもあり、バラエティ豊かな色と形も魅力。日当たりの悪い場所でも育ち、春から秋まで花壇を彩るガーデニングの花材として親しまれています。 さて、このインパチェンスですが、夏に花期を迎える一方で、酷暑や直射日光に弱いのが難点でした。この難点を改良した品種、サンパチェンスをご存じでしょうか? インパチェンス属の種間雑種として、サカタのタネにより改良されたサンパチェンスは、高温多湿で陽射しも強く、花が少なくなってしまいがちな厳しい日本の夏でも、休まず元気に咲き続けます。真夏だけでなく、春から秋までの長い期間、次々に花を咲かせてくれる花期の長さも魅力。一株でもこんもり大きく育ち、大鉢いっぱいにたくさんの花をつけるので、ガーデンのアクセントとしてもよく目立つ、夏に取り入れたい育てやすいガーデンプランツです。 サンパチェンスは、夏にぴったりのトロピカルな色合いも魅力。オレンジや白、赤など、太陽を浴びて輝くようなクリアな発色の花を咲かせます。それに加え、優しいピンクやパープルなどの花色や、斑入り葉を持つ品種などのシリーズも登場し、ガーデンに取り入れる際の選択肢も徐々に増えてきています。 驚くべき特質を持つサンパチェンス さらに、サンパチェンスの大きな特徴が、環境浄化植物ともいわれるその性質。排気ガスに含まれる二酸化窒素や、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドといった大気汚染物質を、他の園芸植物に比べて速く吸収し、無害化して養分として利用します。水質浄化についても効果が見込め、植物プランクトンの大発生など、生態系のバランスを崩す要因の一つとなる窒素やリンをはじめとする栄養塩類を素早く除去する作用があります。さらに、サンパチェンスは他の植物よりも表面温度がやや低く、夏場には周囲の温度を下げる「打ち水効果」も。夏の暑さに負けずに茂るので、日陰をつくって冷たい空気を周囲に循環させる働きもあります。きれいなだけではなく、さまざまなメリットがある高機能な植物であるところも、面白いですね。 サンパチェンスの育て方 サンパチェンスは光が十分に当たらないと花が咲きにくくなるので、日向か半日陰の場所に植えつけます。植えつけの適期は4~7月頃。サンパチェンスは直根性のため、植え込む際は根をあまりいじらないよう気を付けましょう。地植えでは大きくなるので、株間を十分にとっておくことが大切です。 サンパチェンスは暑さに強い反面、寒さには弱いので、まだ苗が小さく気温が低い時には、水やりを控えめにして日向に置き、根をしっかりと張らせましょう。ここで根を育てておくことが、夏の成長につながります。 サンパチェンスは水を好み、特に夏が近づくと水をよく吸い上げます。鉢植えの場合は、水が切れないよう、表土が乾いていたらたっぷりと水を与えましょう。また、大きく育ち、花を次々に咲かせるので、肥料も多く必要とします。株の成長に合わせ、春から秋にかけて追肥を行います。 枝が伸びて株姿が乱れてきたら、1/3~1/2程度を目安に切り戻しを。株姿を整え、再び花が咲くようになります。また、気温が高くなる6月下旬~8月にかけて、一度花やつぼみをすべて摘み、液肥をたっぷり施すと、2週間ぐらいで再び花が咲き出し、約1カ月後には枝数も増えて再び開花を楽しむことができます。 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
-
おすすめ植物(その他)

知っていますか? 身近な植物の名前の由来
植物の名前には、日本語の意味を持つものや、外国での名前をそのまま使っているものなどがあり、その名も見た目に由来したり、発見者の名にちなんだり、故事や物語の一節から取られたりとさまざま。ここでは、ガーデンや身近な場所でもよく見かける、なじみ深い植物の名前の由来を7つご紹介します。 アネモネ 春に赤、青、白などの色鮮やかな花を咲かせるアネモネ。古くから人々に親しまれており、神話や伝説にも登場します。アネモネの語源はギリシャ語「anemone」にあり、風という意味の「anemo」に、子や娘を表す「one」が結びついた「風の娘」を意味します。これは、アネモネは風が吹いているときにだけ花を開くと考えられていたことから。他に、風の神ゼピュロスに愛された、女神フローラの侍女アネモネが姿を変えた花だというギリシャ神話に由来する説、長い綿毛を持つタネが風に乗って運ばれることに由来する説などもあり、どれも風にまつわる由来となっています。 フジ 長く垂れ下がる藤色の花房が美しいフジ。名前の由来には、つるで縄や籠を編んだり、橋をつくるのに利用した実用面から、フ(綜、経糸のこと)ウチ(打)が転じたもので、古代の織りや編みから生まれた言葉だという説や、花の様子から吹き流しを意味する「フキチリ(吹散)」が転訛したという説があります。ほかにも、つるを鞭として利用したことから「ブチ(鞭)」が転じたというもの、中国のシナフジを「紫藤」としたというもの、房状に花を下げて咲かせる姿から「フサタリハナ(房垂花)」が転じたというものなど、非常に多くの説があります。いずれにしてもフジの名前は古くからあり、万葉集でもすでに歌に詠まれているように、古来より日本人に親しまれていたようです。 オダマキ 丈夫で育てやすい宿根草のオダマキ。大きく分けて、日本原産のミヤマオダマキと、ヨーロッパなどを原産とするセイヨウオダマキの2種があります。非常に多数の園芸品種があり、初夏には色も姿もさまざまな花が楽しめます。この花の名前の由来となったものは、機織りの際に使う六角形の糸巻き「苧環(おだまき)」。距が長く伸びた筒状の花姿が、中心が空洞になっているこの道具に似ていることから名づけられたといわれます。 クレマチス つる植物の中でも特に人気が高く、多くのガーデナーに愛されているクレマチス。トレリスやオベリスク、フェンス、パーゴラなどの構造物に絡みながら花を咲かせ、ガーデンの景観づくりにもぴったりです。特にバラとの相性が抜群なので、ローズガーデンには欠かせない存在。そんなクレマチスの名前は、ラテン語「Clematis」から。しがみつくという意味の「klema」を語源に持ち、巻き蔓を意味するギリシャ語「klematida」から派生したとされています。つるが強く針金のように固いことから、テッセン(鉄線)と呼ばれることもありますが、本来、この呼び名は‘テッセン’という特定の品種を指します。 ヘチマ Photo/leungchopan/Shutterstock.com 夏に大きな実をいくつもぶら下げるヘチマ。果実が繊維状であることから、漢字では「糸瓜」と書いてイトウリとも読み、「い」の音を省略した「トウリ」とも呼ばれました。桃山時代にはすでにヘチマという名があったようですが、ヘチマの語源は不詳で、この「トウリ」の頭の「と」が、いろは歌の並びでは「へ」と「ち」の間(ま)にあるため、のちに「ヘチ間(へちま)」と呼ばれるようになったという俗説があります。しかし、実際には外来語に由来するのではないかと考えられています。 パンジー Photo/Tatiana Grozetskaya/Shutterstock.com 冬から春にかけてのガーデニングには欠かせない花がパンジーやビオラ。彩りが少なくなる冬の時期にもカラフルな花を咲かせてくれる嬉しい植物です。日本では三色スミレという名でも呼ばれますが、主に使われているのは、外来語である英名「pansy」そのままのパンジーという呼び名です。このパンジーという名は、思想や考えを意味するフランス語「pensee」に由来し、前に傾いたように咲く花姿を、頭を垂れて思考している人の姿に見立てたとされています。 ヘビイチゴ Photo/High Mountain/Shutterstock.com 可愛らしい赤い実をつけるヘビイチゴ。名前を一見したところ、ヘビが好んで食べるからこの名がついたのかと思ってしまいそうですが、実はヘビは肉食性なので、ヘビイチゴを食べることはありません。人が食べても問題はありませんが、美味しくはないそう。さて、ヘビイチゴの名前は漢名の蛇苺から。その由来は諸説ありますが、中国ではヘビが食べると考えられていたことや、その不味さから「ヘビにでも食べさせておけ」といわれたのが由来だとか。ヘビが出るような湿気の多い場所に育つことから「ヘビイチゴ」と名づけられたともいわれます。 参考文献:『語源辞典 植物編』(吉田金彦編著・東京堂出版刊)『日本辞典』 http://www.nihonjiten.com/
-
一・二年草

使い勝手抜群のガーデンプランツ、サルビア
花穂を伸ばしてガーデンを彩る、種類豊富なサルビア 穂状の花をまっすぐに立ち上げて咲くサルビア(セージ類)。サルビアの仲間には、観賞用やハーブとしてよく栽培され、薬用サルビアとも呼ばれるコモンセージ、バラの下草としてもおなじみのサルビア・ネモローサ、品種が多く、ガーデンでよく見かけるチェリーセージ(サルビア・ミクロフィラ)、燃えるような赤い花を咲かせるサルビア・スプレンデンスなど、たくさんの種類があります。花数が次第に少なくなってくる夏から晩秋まで庭を彩ってくれ、花期が長く、花色や花形の種類が豊富で、ガーデナーにとっては欠かせない存在。品種によって耐寒性の強さなどに差があるため、大きく分けて一年草扱いされるものと宿根性のものとに分類されます。 真っ赤な花を咲かせるサルビア・スプレンデンスは、サルビアの中でもポピュラーな品種で、単にサルビアというとこの品種を指すことが多いようです。この種を始め、南米を原産とするサルビアの品種には耐寒性がないものが多く、寒さに弱いため、日本では一年草扱いとされます。一方で耐暑性は強く、夏から秋にかけて長く花を咲かせ、花のインパクトも強いため、秋花壇の主役としても活躍します。 耐寒性がある宿根性のサルビアは、コモンセージやチェリーセージ、サルビア・ネモローサなどが有名。日本では、宿根性のサルビアは、セージという名でよく流通しています。丈夫で育てやすく、種類も豊富でほかの草花とも合わせやすいので、ガーデンではさまざまな場所に登場する使い勝手のよい植物です。低木状に育つタイプや、地際に葉を茂らせて花穂を伸ばすロゼットタイプ、地下茎を広げるタイプなど、種類によって花姿や性質は異なります。 サルビアの品種例 サルビア属には900以上の種があるともいわれ、とても種類が豊富。育てやすく丈夫なものが多く、ガーデナーにとっては頼れるガーデンプランツです。その中でも、よくガーデンに登場するサルビアをいくつかご紹介します。 コモンセージ(サルビア・オフィシナリス) 古来から薬用に利用されてきたコモンセージは、灰色がかった葉に、青紫色の花を咲かせ、観賞用としても美しい植物。葉には爽やかな香りとかすかな苦味があり、ハーブティーや肉料理の臭み消しなどに使われます。宿根性。 サルビア・スプレンデンス サルビアといえばこの花を指すほどポピュラーな品種。ヒゴロモソウという名でも親しまれています。濃緑色の葉に、燃えるような赤い花が穂状に下から咲き上がり、観賞期間も長いので、花壇の主役としてもよく使われます。一年草扱い。 サルビア・ネモローサ 花穂を立ち上げるシャープな花姿が印象的なサルビア・ネモローサ。黒褐色の花茎に青紫色の花の色合いが美しい‘カラドンナ’は、花色や縦のラインを描く花姿がバラと相性がよいため、ローズガーデンの下草としてもオススメです。宿根性。 チェリーセージ(サルビア・ミクロフィラ) 花色が豊富で手がかからず育てやすいチェリーセージは、伸ばした花茎にちらちらと可愛らしい花を咲かせます。甘い香りにはアブラムシ避けの効果があるともいわれ、コンパニオンプランツとして使われることも。宿根性。 ブルーセージ(サルビア・ファリナセア) ラベンダーに似た青紫色の爽やかな花を咲かせます。白花や2色咲きの園芸品種もあり、花期も長く楽しめます。一年草扱い。 サルビア・レウカンサ ビロードのような質感の紫色のガクが印象的なサルビア・レウカンサは、生育がよく、比較的大型になる宿根草。夏の終わりから晩秋まで開花する、秋咲きの代表品種の一つです。アメジストセージなどの別名も。宿根性。 このほかにもさまざまな種類や園芸品種があるので、ぜひガーデンにぴったりの品種を選んでください。 サルビアの育て方 サルビアは、病害虫による被害も少なく、育てやすいガーデンプランツ。種類が豊富にあり、品種によって耐寒性や耐暑性に大きく幅があります。基本的には、コモンセージなどヨーロッパを原産とするサルビアは耐寒性がある一方、高温多湿や蒸れに弱いのに対し、中南米を原産とする種類は耐暑性が強く耐寒性が弱いものが多いようです。霜や凍結に弱く冬越しが難しいタイプのサルビアは、一年草扱いになります。栽培する際には、それぞれの性質を確認しておきましょう。 サルビアは、一般に日当たりがよく、水はけがよくて乾燥しすぎない環境を好みます。植えつけの適期は4~5月頃。暑さに強い一年草タイプは5月以降~7月頃にかけて植えつけします。鉢植えの場合、根詰まりしやすいので、1~2年に一度、根をほぐして植え替えましょう。 開花期は初夏から秋までと長く、肥料が切れると花つきが悪くなるので、開花中は追肥を施すとよいでしょう。ただ、夏の暑さに弱い品種の場合、高温期に肥料が残っていると株を傷める原因になるので注意します。開花期には、花穂ごと花がらを切り取り、伸びすぎてきたら切り戻して株姿を整えます。乾燥しているとハダニが発生することがあるので、葉水をして発生を防ぎます。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/ 1,7)Vahan Abrahamyan/ 2)Anna Gratys/ 3)Stefan Sorean/ 4)Jorge Salcedo/ 5)Ahmet Yasti/ 6)tratong/ 8)pilialoha/ 9)aimful/ 10)Nick Pecker/ 11)KPG Payless2/ Shutterstock.com
-
樹木

盛夏に次々と開く夏の花 ムクゲ
盛夏の彩りムクゲ 暑さも盛りになると、人も植物もぐったりと元気がなくなりがち。そんな暑い日々にも、次々と新しく大きな花を咲かせてくれるのがムクゲです。高さ3~4mほどになる低木のムクゲは、ハイビスカスなどと同じアオイ科フヨウ属。アオイ科らしい、ホリホックやハイビスカスによく似た整った形の花を咲かせます。フヨウ属の中では寒さに強く、丈夫で栽培しやすいため、庭木や生け垣としてよく植栽されるなじみ深い樹木です。 中国を原産とするムクゲですが、日本のみならず欧米でも夏を彩る庭木として活用されるほか、韓国の国花としても知られています。次々と大きな花を咲かせ、木全体が花で覆われるような姿は、植物の勢いがなくなりがちな暑い夏の日には嬉しい光景。樹形もまとまりやすく、横に広がりにくいので、省スペースでの栽培も可能です。 豊富な花色、花形のムクゲ ムクゲは園芸品種も豊富で、すっきりとして清楚な一重咲きや、可愛らしい半八重咲き、華やかな八重咲きといった花形に加え、赤紫から白、ピンク、青紫など、さまざまな花色の品種があります。日本でも江戸時代から多くの品種が作出されてきました。花形や花色が揃っているので、和洋どちらの庭でも大丈夫。植えたい場所に合わせて品種を選ぶとよいでしょう。 一重咲き 半八重咲き 八重咲き このように、幅広い花色や花形の園芸品種があるのも、ムクゲの大きな魅力です。 ムクゲの育て方 ムクゲは丈夫で育てやすく、切った枝を土に挿して置けば根付くといわれるほど。ガーデニング初心者にもオススメしたい庭木です。 ムクゲの植え付けや植え替えは冬に行います。半日陰でも育ちますが、花つきをよくするためには、できるだけ日向に植えます。生育旺盛なため、鉢植えよりも庭植えのほうが管理しやすいでしょう。庭植えの場合、特に水やりなどは必要ありませんが、夏場の極端な乾燥を嫌うので、晴天が続いたときにはたっぷり水を与えるとよいでしょう。 開花期は7~9月頃。非常に丈夫で、手をかけなくてもたくさん花を咲かせてくれます。必要に応じて剪定する以外には、ほとんど手入れは必要ありません。病気にもかかりにくく、害虫が発生しても木を枯らすほどの被害が出ることは稀です。 ムクゲは春に枝が伸びた後に花芽をつけるので、花芽を落とさないよう、剪定は11~3月頃に行います。春に剪定を行うこともできますが、作業時期が遅れると花芽を落として花が咲かなくなるので注意しましょう。ムクゲは芽吹く力が強いため、基本的にどこで切っても問題なく、バランスを見ながら剪定できます。枝が混み合っている場合は、枝のつけ根から切り落として内部まで日が当たるようにするとよいでしょう。刈り込みに耐えていろいろな形に仕立てられるほか、枝葉をよく吹くので生け垣にも利用できます。自然樹形でもまとまりがよいので、大きさを気にしなければ剪定をしなくても構いません。 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
-
レシピ・料理

庭のバラを摘んで作るバラジャム【色をきれいに残す5つのコツ】
バラジャムづくりのコツ1. 発色のきれいな赤系のバラを選ぶ 赤やピンクの、発色が美しく、香りのよいバラを選ぶと、美味しいバラジャムができます。黄色や青みがかったバラは、香りはよくても色はあまりきれいに出ません。以下は色がキレイに出て、香りも良いオススメのバラです。 バラジャムづくりのコツ2. 咲きたての花を朝摘む 気温が上がってくると花びらの香り成分が揮発してしまうので、朝早くに摘みます。花は終わりそうなものではなく、咲きたてのものを選んだほうが、虫が入っていることも少なく、色もキレイに出ます。摘んですぐに調理するのがベストですが、できない場合はジップロックなどに入れて冷蔵庫に保存し、その日の夜までには調理するようにします。 バラジャムづくりのコツ3. ガク近くの花弁の基部を切る 花心から花びらをもいで、花びらの基部を少し切ります。ここには少し苦味やエグミがあるので、取り除いたほうが美味しく仕上がります。水を張ったボウルに花びらを浮かべて優しくかき混ぜて洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。 バラジャムづくりのコツ4. 8分揉み込み、花色水を出す ボウルに花びらを入れ、レモン汁を絞りかけて強く揉み込みます。4分くらい経つと、一気にバラから水分が出てきます。計8分ほど揉み込んだら、花びらをザッと絞ります。ここで出た花色水は後で使うので、捨てずにとっておきます。揉み込みが足りないと、味や香り、色の出が悪くなるため、しっかり8分揉みましょう。 バラジャムづくりのコツ5. 花びらを煮詰め、花色水を加えて寝かせる 絞った花びらを鍋に入れ、砂糖と水を加え、中弱火で20分ほど煮ます。火からおろして冷ましたら、先ほどの花色水を加えて、そのまま1時間ほど寝かせます。その後、もう一度火にかけて煮詰めたらでき上がり。花色水を後から加えることで、発色がよくなります。 <分量の目安> ・バラの花びら 150g ・砂糖 100g ・レモン汁 1個分 ・水 1カップ 無農薬でバラを育てて 自宅でジャムをつくる楽しみ 我が家のバラは、全て香りのよいものを選んで、無農薬で育てているので、バラジャムづくりには最適です。庭に植えたワイルドストロベリーでもジャムをつくりますが、ベリーよりもバラのほうが素材として大量に収穫できるなぁと、ふと思ったことがきっかけです。そこで、以前からバラジャムづくりをしている友人にレシピを聞いて試してみたところ、あまりの香りのよさと色の美しさに、すっかりジャムづくりにハマッてしまいました。ジャムづくりをしてみると、庭で育てているだけでは分からなかった花の個性に触れることができます。 例えば、オールドローズとイングリッシュローズでは、花弁の薄さが異なり、同じくらいの大きさの花を同じ数摘んでも、グラム(g)数が倍近く異なります。オールドローズのほうが花弁が薄く、ボウルに入れて揉み込もうと手を入れた途端、まるで羽毛が舞い上がるように花びらがフワッと浮き上がります。口に入れた時の食感も、オールドローズのほうが柔らかく、花びらがより厚くしっかりしているイングリッシュローズは、シャキシャキとした食感が楽しめます。 バラジャムはスコーンやヨーグルト、アイスクリームなどシンプルなものに添えていただくと、味と香りが際立ちます。オープンガーデンの際に、ヨーグルトに添えてお客様にも味わっていただきましたが、とても好評でした。無農薬でバラを育てているなら、ぜひバラジャムづくりをお試しください。美味しいのはもちろん、つくっている最中のキッチンも、まるで夢のような香りですよ。 面谷さんのお庭はこちら。
-
育て方

バラにつく害虫Q& A・症状別! 被害と対策「葉っぱ編」
「葉っぱがボロボロ」の原因はバラにつく虫 Q1 葉っぱが何かにかじられたように、ボロボロになっています。5月初頭からこのような葉っぱが現れ始めました。原因はなんでしょうか。 A1 ハバチの仲間でチュウレンジバチの幼虫がかじった痕です。4月頃に成虫が飛んできて、茎に卵を産みつけます。5月には一斉に卵から幼虫がかえります。まだ小さいうちは集団で葉裏の縁に群がって葉をかじります。葉っぱの裏側からぶら下がっているので、表からは葉の縁に黒い頭が連なっているように見えます。成長してくると、それぞれ単独で散らばって行動するようになり、食欲も旺盛になるので、被害も拡大します。放置しておくとすべての葉が葉軸だけになり、夏以降のバラの生育が弱まります。チュウレンジバチの幼虫が原因で枯れることは滅多にありませんが、夏や秋にも花を期待するなら、早いうちに対処したほうがよいでしょう。 <対策>集団でいるうちに見つけて葉っぱごと切り取るのが効率的で、被害も少なくて済みます。5月になったら、よく葉っぱを観察しましょう。刺したり、かぶれたりするような幼虫ではありません。 チュウレンジバチの成虫は、身体の色がオレンジ色。春先に飛んできて、茎に卵を産み付けます。「ハチ」という名前がついていますが、刺さないので見つけたら卵を産みつけるのを防ぐために手で捕獲します。あまり素早くないので、容易に手で捕らえることができます。 「葉に白いポツポツ」の原因はバラにつく虫 Q2 葉っぱに白いポツポツがあります。病気でしょうか? A2 これもハバチの仲間でオオシロオビクロハバチの幼虫が、葉裏の葉肉をかじった痕です。表から見ると、それが白い斑点状に見えます。チュウレンジバチと同様に、5月初頭から現れ始めます。幼虫は薄緑色でチュウレンジバチの幼虫のように頭が黒くなく、葉っぱの縁にぶら下がっているわけでもないので、写真より小さいうちは、よく見ないと見落としてしまうかもしれません。成長に従い被害も拡大します。 <対策>5月になったらよく葉っぱを観察し、葉に白いポツポツを発見したら葉っぱごと切り取って捨てましょう。被害葉を残しておかないほうが、効率的に退治できます。触れても刺したり、かぶれたりするような幼虫ではありません。 「葉っぱの先がしおれてチリチリ」これもバラにつく虫が原因? Q3 葉っぱの先がしおれてチリチリです。水切れ? 病気? A3 葉っぱの先だけしおれて乾いている場合は、水切れでも病気でもなく、バラゾウムシが原因です。新しく展開したばかりの新葉やつぼみの根元に穴をあけてエキスを吸うため、突然つぼみが枯れる原因はバラゾウムシがほとんどです。生態と対策については、『バラの新芽を枯らす「バラゾウムシ」の捕獲方法』や『【春の庭仕事】3月はバラの害虫バラゾウムシに要注意』で詳しくご紹介していますので参考にしてください。 「葉っぱに茶色いシミ」まさか、これもバラにつく虫が原因? Q4 葉っぱに茶色いシミができ、日に日に広がっていきます。 A4 一見、何かの病気のように見えますが、ハモグリバエという幼虫の仕業です。5月頃から現れ始めます。葉っぱの表皮と葉肉の間に入って、他の外敵に襲われることなく悠々と中で食事をしながら成長します。表皮が剥がれて浮いた部分が茶色のシミのようになります。そこを破ってみると、中にハモグリバエの幼虫と黒いフンが入っています。 <対策>バラが枯れるような被害には至りませんが、見た目が気になる場合は、見つけたら被害が拡大する前に、葉を指で挟んで中の幼虫を潰します。 バラにつく虫が悪さをして「つぼみが半分に!」 Q5 つぼみがパックリ半分になってしまいました。何かが食べたのでしょうか。 A5 これはエダシャクの仲間で、オカモトトゲエダシャクというガの幼虫です。エダシャクの仲間はたくさんの種類がありますが、皆とても「化け上手」。このオカモトトゲエダシャクは鳥のフンに擬態していますが、バラの枝そっくりに擬態するものもいますし、誘引ヒモに化けるものもいます。5月頃から現れ始め、つぼみを大胆にパクッと半分、または丸ごと食べます。丸ごとキレイに食べられてしまうと被害に気づきにくいのですが、よく観察すると、まるでハサミで剪定したかのような痕があります。 <対策>見つけ次第、手で取りましょう。触るのが嫌な場合は軍手をするなり割り箸を用いるなりして対処を。触れても刺したり、かぶれたりするような幼虫ではありません。 バラに虫がついても、怖がらなくて大丈夫! 薬剤を使わない庭では、良い虫も悪い虫もいろいろやってきますが、バラにつく虫で人に被害を及ぼすようなものはほとんどいません。ですから、むやみに怖がったり嫌がったりするよりも、いつ頃、どんな虫がやってきて、何をするのかをきちんと把握しましょう。早めに対処すれば、それほど悩まされることはありません。慣れてしまえば昆虫を含めてバラ栽培がより面白くなり、趣味の世界が広く深くなりますよ。
-
宿根草・多年草

ベル型の花が初夏のガーデンを彩る カンパニュラ
可憐な釣鐘状の花を咲かせるカンパニュラ 初夏になると、白やピンク、青、紫などパステルカラーの優しい花を咲かせるカンパニュラ。花茎を伸ばして、キキョウに似た星のようなベル状の花をふんわりと咲かせ、ガーデンを優しく彩ります。カンパニュラという名は、ラテン語で「釣り鐘」を意味する言葉から。フウリンソウやツリガネソウ、ベルフラワーなどとも呼ばれます。どれも、ベル型の花の形状にちなんだ名前ですね。 カンパニュラの仲間は種類が多く、300以上の品種があるといわれています。例えば、日本を原産とする山野草、ホタルブクロもカンパニュラの一種。ヨーロッパで古くから栽培されていた、カンパニュラ・メディウムは、ガーデンに欠かせない花としてよく登場します。ボーダー花壇の彩りや鉢植えのほか、和風の庭とも相性がよく、カッティングガーデンにもオススメ。新しい品種なども次々に登場していて、ぜひガーデンに取り入れたいガーデンプランツです。 カンパニュラの品種例と育て方 バラエティーに富んだカンパニュラの中から一部をご紹介します。 カンパニュラ・ラクティフローラ 草丈1.5m前後になる大型のカンパニュラ。まっすぐ伸ばした花茎の先に、ベル型の小花をまとまって咲かせ、開花期にはボリュームたっぷりの花景色が楽しめます。薄紫色の花色のほか、淡いピンク色の ‘ロドン・アンナ’や白花種など。 カンパニュラ・パーシフォリア ふんわりとした大きなカップ咲きの花を咲かせるカンパニュラ・パーシフォリア。草丈1m前後になる大型のカンパニュラです。明るい青色の‘グランディフローラ’や白花の‘アルバ’のほか、‘ラ・ベロ’や‘ブルー・デライト’などの八重咲き品種も。青花と白花を混植させても爽やかです。 カンパニュラ・グロメラータ ベル状の小さな花を、上向きにまとまって咲かせます。ヤツシロソウやリンドウ咲きカンパニュラなどの別名も。美しい青紫色の花を咲かせる品種が多く、草丈は30~60㎝前後で、コンパクトで扱いやすい種類です。 カンパニュラ・ロツンディフォリア まるで糸のような細い花茎を何本も立ち上げ、澄んだブルーの小花を吊り下げる繊細な花姿が特徴。和洋どちらの庭にも使いやすい種類です。和名はイトシャジンですが、山野草のイワシャジンとは別種です。 カンパニュラ・メディウム フウリンソウという和名の通り、ふっくりとしたベル型の花が可愛らしく、切り花などでも馴染みが深いカンパニュラ・メディウム。多年草のカンパニュラが多い中、カンパニュラ・メディウムは主に一~二年草として扱われます。 カンパニュラ・ラプンクロイデス 細身の花茎にびっしりと青紫色の小花を咲かせ、群生させると風に揺れる姿が見事。日本ではハタザオキキョウという名で古くから親しまれています。丈夫で育てやすく、こぼれダネでもよく増えます。 カンパニュラ・ポルテンシュラギアナ 草丈10~20㎝ほどとコンパクトに育つカンパニュラ。ベルフラワーやオトメギキョウという名前のほうが有名かもしれません。青紫や白の小さな花をこぼれんばかりに咲かせ、鉢植えや足元のカバーに向く品種です。 ホタルブクロ 鮮やかな青紫色が印象的な青花ホタルブクロや、タケシマナの変種など、ホタルブクロやその改良品種を総称したもの。うつむき加減に咲く花が、和風の庭にもよく似合います。園芸品種は、暑さに強かったり、地下茎による広がりを抑えて混植しやすくしたりといった改良点が特徴。 カンパニュラの多くは暑さがやや苦手。温暖な地域で育てる際は、蒸れや暑さに強い品種を選びましょう。栽培の際には、苗を植え付けるかタネを播いて育てます。植えつけの適期は3~4月頃、または10月頃。風通し、水はけがよく、日向~半日陰に植えつけます。落葉樹の下などに植えて夏の強い日差しが直接当たらない場所を選ぶとよいでしょう。キキョウ科の植物は直根性で、根が傷つくと枯れてしまうことがあるため、植えつけの際には根を傷つけないように注意しましょう。 水やりは土が乾いたらたっぷりと。蒸れや高温多湿が苦手なので、株間を取り、風通しよく育てます。初夏に花が開花したら、花がらはこまめに摘み取りましょう。うまく夏越しさせることができれば、翌年も開花が楽しめます。 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/ 1-3)3and garden/ 4)Peter Turner Photography/ 5)Del Boy/ 6)Peter Turner Photography/ 7)Ole Schoener/ 8)guentermanaus/ 9)Amy Johansson/ 10)ajisai13/ 11)Lost Mountain Studio/ 12)Nadalina/ 13) High Mountain /Shutterstock.com
-
樹木

待ちに待った開花のトップシーズン到来! 花の女王、バラ
バラの開花前線は5〜7月に日本を北上します バラは、花形や花色、株姿などに幅広いバリエーションがある樹木のグループです。花が咲くのは、主に春から初夏で、例年では5月の連休頃から九州地方で開花がスタートし、関東地方では5月中旬、東北地方では6月、北海道では7月上旬と、同じバラ科のサクラの開花前線と同様にバラの開花前線も北上します。 2018年の今年は例年になく開花が早まり、バラの中でもいち早く咲き始めるキモッコウバラが、早い地域では4月中旬に咲き出し、バラ愛好家を驚かせています。 春から初夏に開花のピークが訪れるバラにも、早咲きから遅咲きがあり、早咲きにはつるバラのキモッコウバラや白花のモッコウバラ、半八重の‘ジャクリーヌ・デュ・プレ’、‘スパニッシュ・ビューティ’が代表的です。これらのバラの咲き姿を覚えておくと、街中や自宅の庭で咲いた花を見つけたら「バラの開花シーズンがこれからいよいよ始まる」と知ることができます。 早咲きのバラが1~2週間ほどで満開を迎えると、多くの品種が次々と咲き始め、 ‘ロサ・ムリガニー’や‘エクセルサ’、‘スーパー・フェアリー’などの遅咲きのバラにバトンタッチしていきます。バラだけで図鑑がつくれるほど種類が多いので、早咲き、中間咲き、遅咲きを意識して組み合わせることで、自宅の庭でもバラの開花シーズンを長く楽しむことができます。 バラの種類には、一年で春に一度開花する「一季咲き」と、春の開花以降も数回返り咲く「返り咲き」や、春から秋まで繰り返して咲く「四季咲き」があります。また、樹形には大きく分けて、自立する「木立性(ブッシュローズ)」、つるが長く伸びる「つる性(クライミングローズ)」、木立性とつる性の中間に位置する「半つる性(シュラブローズ)」の3タイプがあり、コンパクトな木立性や半つる性は鉢植えで育てることもできます。スペースがあれば、庭植えでアーチやオベリスク、フェンスなどに絡めるなど、立体的に花を咲かせることもでき、いろいろな仕立て方で景色をつくれるのもバラの魅力の一つです。 バラの買い時は春と秋 バラの苗は、一年中購入することができますが、花が咲いている様子を見て選べるのは5月です。前年には出回っていなかった新品種などがお披露目されるのもこの時期。苗は、ガーデンセンターやバラの専門店に限らず、多くのバラを植えているローズガーデンや観光ガーデン、日本全国で行われるバラのイベント会場などでも多種並ぶので、お気に入りの品種と出会える絶好のタイミングです。 花形のバリエーションを解説した記事はこちら 『進化がとまらない!多彩なバラの花形から個性的な8種をご紹介』 『バラの花形を知りたい!「一重」と「八重」咲きのバラをご紹介』 失敗しないバラ選びの方法 バラとの出会いからまだ日が浅く、どれを選べばいいのか目移りして迷ったら、秋までじっくり考えて栽培の準備をするのも一つの方法です。四季咲き性のバラなら、春の開花以降、夏を越え、再び涼しくなった秋にまた開花します。つる性のバラは、植え付けてから何年かかけて屋根に届くほどつるを伸ばす品種もあります。 半つる性やつる性バラのように、大きく育つ品種は、一度植え付けたらできるだけ植え替えをせず、構造物に誘引をしながら何年もかけて育てていく必要があるので、花が気に入ったからと思いつきで植えてしまうと、その後の管理に苦労することがあります。気が長い話と思うかもしれませんが、春以降はどんな風に育つか、どこに植えてどんな姿で育てていくか、次の苗の買い時シーズンである秋〜冬までにじっくり検討することも、バラ栽培を失敗しないコツです。 まず苗を買う前に図鑑やバラのカタログをじっくり読み、実際に育てている友人の庭や観光ガーデンに通って、情報を得てからバラ栽培をスタートさせた人もいます。自分好みのバラについて研究しているうちに、ますますバラを好きになり、長く付き合っていきたいと確信したというエピソードもあります。 進化する丈夫で育てやすいバラ 「バラを育てるのはなんだか難しそう」「病気や害虫に悩まされないだろうか」など、心配する人も多いですが、近年のバラはめざましく進化していて、魅力的な形や色、香りのよさに加え、病害虫に強く、誰もが育てやすい丈夫な品種が続々と生み出されています。近年のヨーロッパでは公園での農薬散布が規制されるなどの理由から、病気に強いバラが増え、日本でもそれらを入手することができます。強い性質を持ったバラの品種については、ガーデニングや園芸の雑誌、バラ専門店のカタログなどでも新情報を得ることができます。 病気に強く、誰もが育てやすい丈夫なバラは年々増えています。世界中に多くのファンがいるバラを、ぜひ身近に育てて、花のある暮らしを充実させませんか。 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
-
育て方

【春の庭仕事】3月はバラの害虫バラゾウムシに要注意
3月のバラの手入れで必須のバラゾウムシ退治 バラの新芽が展開し、日毎若草色におおわれていくバラを見るのは心躍るもの。もう1ヶ月もすれば、美しくかぐわしいバラたちに会えますね。しかし、この時期は害虫対策のスタート時期でもあります。特に、バラゾウムシには要注意。野放しにしていると、バラの花との再会がかなわなくなってしまうことがあります。 バラの害虫バラゾウムシとは バラゾウムシはとても小さな甲虫の仲間です。体長は約2〜3㎜で、ケシ粒のように小さいので、別名クロケシツブチョッキリとも呼ばれています。ゾウムシとは、象の鼻のように伸びたストロー状の口の形状からそのような名前がつけられており、バラゾウムシの他にたくさんの種類がいます。バラゾウムシはその象のような口でバラの葉やつぼみに穴をあけてエキスを吸います。穴のあいた葉はそこから先に水分が行き渡らなくなり、枯れてしまいます。バラゾウムシ被害で最も残念なのは、開花目前のバラのつぼみを枯らされることです。日一日と膨らんでいくバラのつぼみが、ある日突然クタッと萎れてしまった時のガッカリ感。それをいくつも見つけたときのショック。花咲くその日のために一年間、ずっと世話をしてきた人にとって、その精神的ダメージはとても大きなものです。3月以降庭に現れて、秋まで活動します。この時期、数が増えないうちに対処するのが大事です。 バラゾウムシの被害にあったバラの葉。古い葉ではなく、新葉が狙われます。 被害にあってチリチリに萎れています。 バラゾウムシはポロっと落ちて逃げるので、手のひらなどを受け皿にしてその上にそっと落とすようにして捕まえます。 バラゾウムシは死んだふりをする! バラゾウムシはしばしば死んだふりをします。死んだと思ってその辺に捨てると、またバラの葉に戻っていきます。ダマされないで! 手のひらに落として5分ほど観察していると…。死んだふりからヒョッコリ起き上がりました。そして慌てた様子で羽を広げて飛んでいきました。バラゾウムシは滅多に飛びませんが、緊急事態には飛んで逃げるという技も使います。ですから、捕まえたら速やかに捕殺します。また、枯れたツボミはそのままにしないで取り除いて確実に捨てましょう。ツボミの中に卵が産み付けられている場合があります。産卵されたツボミを庭に捨ててしまうと、卵がかえって幼虫が土の中で越冬し、翌年の被害につながってしまいます。 ゾウムシバンバンの効率的な退治方法 鳥取県米子市でバラの庭づくりを楽しむ面谷ひとみさんは、オーガニックで庭づくりを行っています。バラゾウムシ退治のスプレー殺虫剤や予防薬も市販されていますが、面谷さんの庭はクリニックに併設されておりさまざまな体調の人が訪れるため、そうした薬剤を散布していません。薬剤を使わない場合、バラの庭には必ずバラゾウムシが現れます。面谷さんは毎日、庭を見回って被害をチェックし、バラゾウムシを見つけたら、一匹一匹、手で取り除いてきました。 「だけど、つるバラで高いところに誘引してある場合は、手が届かないのでバラゾウムシ退治も難しいんです。葉先にしばしば被害を見つけても、これまでは仕方ないなぁと諦めるしかなかったんですよ」 そこで考案したのが、ビニール傘を逆さにして、枝をトントンと叩いてバラゾウムシを捕まえる方法。 「ビニール傘の一箇所に切れ込みを入れておき、そこに枝を挟み込んで大きな受け皿にします。それから、枝の上の方を長い棒でトントンと叩くと数匹一緒に落ちてきて、高い所に潜むバラゾウムシも効率よく捕まえられるんです」 試行錯誤の末、透明傘で一網打尽にする「ゾウムシバンバン」 名付けて「ゾウムシバンバン」。面谷さんがいろいろ試した結果、傘は白や半透明ではなく、透明に限るとのこと。「透明の傘なら、つるバラの下に植わっている宿根草類が見えるので、折らないように気をつけることができます」。 傘の一箇所に切れ込みを入れ、逆さにしてバラの枝に押し当てます。 傘に落ちたバラゾウムシ。 多い時は一度に5〜6匹取れる。 さらに高い所は、傘の先端部分を持って受け皿にする。 面谷さんは、この「ゾウムシバンバン」を発明以降、バラゾウムシ退治はもっぱらこの方法で行っているといいます。「たくさんバラを育てているので、手で一匹一匹捕まえるより、いっぺんに何匹も捕まえられて効率がいいんです」。 バラゾウムシの被害で悔しい思いをしている方は、ぜひ面谷さん考案の「ゾウムシバンバン」を試してみてください。




















