数ある植物の中から今、注目の植物をピックアップするシリーズ「Now blooming」。ガーデナーや育種家、ナーセリーなど、植物の達人たちへの取材を元に編集部がセレクトした植えどき・買い時・咲き時のオススメ植物をご紹介します。今回は、夏の盛りにも新しい花を次々と咲かせるムクゲをピックアップ。

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盛夏の彩りムクゲ

暑さも盛りになると、人も植物もぐったりと元気がなくなりがち。そんな暑い日々にも、次々と新しく大きな花を咲かせてくれるのがムクゲです。高さ3~4mほどになる低木のムクゲは、ハイビスカスなどと同じアオイ科フヨウ属。アオイ科らしい、ホリホックやハイビスカスによく似た整った形の花を咲かせます。フヨウ属の中では寒さに強く、丈夫で栽培しやすいため、庭木や生け垣としてよく植栽されるなじみ深い樹木です。

中国を原産とするムクゲですが、日本のみならず欧米でも夏を彩る庭木として活用されるほか、韓国の国花としても知られています。次々と大きな花を咲かせ、木全体が花で覆われるような姿は、植物の勢いがなくなりがちな暑い夏の日には嬉しい光景。樹形もまとまりやすく、横に広がりにくいので、省スペースでの栽培も可能です。

豊富な花色、花形のムクゲ

ムクゲは園芸品種も豊富で、すっきりとして清楚な一重咲きや、可愛らしい半八重咲き、華やかな八重咲きといった花形に加え、赤紫から白、ピンク、青紫など、さまざまな花色の品種があります。日本でも江戸時代から多くの品種が作出されてきました。花形や花色が揃っているので、和洋どちらの庭でも大丈夫。植えたい場所に合わせて品種を選ぶとよいでしょう。

一重咲き

Photo/LensTravel/Shutterstock.com
‘レッド・ハート’Photo/catus/Shutterstock.com

半八重咲き

‘赤花笠’
‘桃花笠’

八重咲き

‘紫玉’
‘Duc de Brabant’ Photo/Wiert nieuman/Shutterstock.com

このように、幅広い花色や花形の園芸品種があるのも、ムクゲの大きな魅力です。

ムクゲの育て方

ムクゲは丈夫で育てやすく、切った枝を土に挿して置けば根付くといわれるほど。ガーデニング初心者にもオススメしたい庭木です。

ムクゲの植え付けや植え替えは冬に行います。半日陰でも育ちますが、花つきをよくするためには、できるだけ日向に植えます。生育旺盛なため、鉢植えよりも庭植えのほうが管理しやすいでしょう。庭植えの場合、特に水やりなどは必要ありませんが、夏場の極端な乾燥を嫌うので、晴天が続いたときにはたっぷり水を与えるとよいでしょう。

開花期は7~9月頃。非常に丈夫で、手をかけなくてもたくさん花を咲かせてくれます。必要に応じて剪定する以外には、ほとんど手入れは必要ありません。病気にもかかりにくく、害虫が発生しても木を枯らすほどの被害が出ることは稀です。

ムクゲは春に枝が伸びた後に花芽をつけるので、花芽を落とさないよう、剪定は11~3月頃に行います。春に剪定を行うこともできますが、作業時期が遅れると花芽を落として花が咲かなくなるので注意しましょう。ムクゲは芽吹く力が強いため、基本的にどこで切っても問題なく、バランスを見ながら剪定できます。枝が混み合っている場合は、枝のつけ根から切り落として内部まで日が当たるようにするとよいでしょう。刈り込みに耐えていろいろな形に仕立てられるほか、枝葉をよく吹くので生け垣にも利用できます。自然樹形でもまとまりがよいので、大きさを気にしなければ剪定をしなくても構いません。

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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