虎ノ門ヒルズビジネスタワー テラスで過ごす緑豊かな時間 〜植物の文化を運ぶ plants culture caravan vol.17

「connected」をテーマに、“日常に公園の心地よさを提案しているparkERs”が、自然と都会をつなげ、暮らしに取り入れる新しい植物の楽しみ方をご紹介。日本の豊かな自然を感じながら、植物と生きる考え方を未来へ運びます。今回は、虎ノ門ヒルズビジネスタワー2Fテラスに作った空間のコンセプトや、そこに込めた想いをお伝えします。

虎ノ門ヒルズビジネスタワーとは
国際新都心グローバルビジネスセンターとして開発が進む東京都港区の虎ノ門エリア。
2014年に開業した「虎ノ門ヒルズ森タワー」に続き、2020年6月に「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」が開業。parkERsはこのビジネスタワー2Fのオープンテラスの空間・植栽デザインを行いました。
計画当初よりビル低層部の植栽や近隣の愛宕山などのエリアをグリーンベルトでつなぐというテーマを掲げ、誰もが気軽に立ち寄れるパブリック性のある空間を目指しました。
ここは森タワーとつながる歩道であり、また東京メトロの虎ノ門ヒルズ駅や虎ノ門駅へ続く地下通路にもつながる、人の行き交う場所ですが、少し立ち止まって一息つける小さな公園のような空間をつくりました。


“都市の流れの中に溜まりを生み出す”

コンセプトは、「都市の流れの中に溜まりを生み出す」。
流れる水のように、日々せわしなく過ぎてゆく都会の時間の中でふと目にした葉のゆらぎや聞こえてくる水の音、季節によって変わる空気の匂いなど、一瞬の気づきや体感がいつもの日常をより豊かなものにしてくれます。
川が曲りくねることで穏やかな流れの“溜まり”ができ、そこに生き物が集まり住処になるように、オフィスで働く人をはじめとしたさまざまな人が日常の中で足を止め、緑豊かな空間でゆったり時間を過ごすことのできる場所です。




地域の在来種でつなげる緑


※愛宕グリーンヒルズに込めた地域自然のストーリーはこちら https://gardenstory.jp/stories/41947
愛宕山に残る緑や、テラス周囲の植栽帯とのつながりを考慮し、樹木は地域の在来種から選定を行いました。
在来種を植えることで、その植物を餌にしたり住処にする在来の虫や鳥たちにも生息場所を提供できます。つまり、土地本来の樹種を選ぶことは、生物多様性への配慮にも貢献できるのです。
また、年間を通して葉を繁らせる常緑樹だけでなく、季節の変化を感じてもらいやすいように春の新芽、夏の青葉、秋の紅葉、冬の枝姿といった移り変わりのわかりやすい落葉樹も織り交ぜています。
その他、花のつくもの、香りのあるもの、葉の模様が特徴的な種類などを入れ、訪れるたびに植物の成長や季節の移ろいといった新鮮な発見を楽しみながら過ごしていただけたらと思います。




駅とビルが直結され、建物の中だけを移動する日々も多い都会だからこそ、外の空気を感じながら季節の変化に立ち止まれる空間を作りました。
いつもの日常が少しだけ豊かに感じられますように。
Credit

東京農業大学造園科卒業。在学中より青山フラワーマーケットでアルバイトを始め、その後parkERsに入社。大学で学んだ造園的な知識と、メンテナンスをはじめとするさまざまな現場経験を武器に、植物を通じて人が幸せになるような空間づくりを目指しています。

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