思いを実現するリノベーション お金ではなく時間をかけて
写真/Sunny studio/Shutterstock.com
人の暮らしの変化と共に行うリノベーションと、自然の成長と共につくりこまれていくガーデン。リノベーションすることとガーデンというスペースでは、時の流れに寄り添うという共通点があります。
今回は、リノベーションの楽しみとガーデンとの関係性について、専門家からきいたこぼれ話をみなさんにも少しだけお話しましょう。
変化する暮らしと向き合うことを楽しむ

日本には現在、800万戸を超える空き家があるとされ、大きな問題になっています。住まいを変えたいときに「住み替える」のではなく、「住まいの改良」をするだけでも、より豊かで心地いい暮らしを手に入れることができます。
どんな家庭でも、時間とともに暮らし方が変化し、家族のライフスタイルが変わっていきます。家族の人数も、夫婦二人だったところに子どもが産まれ、また夫婦二人に戻っていく、そんな家庭が多いでしょう。そのタイミングで家を手放し、サービス付きマンションへの引っ越しや生まれ故郷への移住などを検討されることが多い現状にあります。しかし、その住まいにとどまり、ゆっくりと「自分のライフスタイル」について考えて、住まいのレイアウトや空間をつくり変えていくのも楽しいものです。そのようなつくり変えは「リノベーション」と呼ばれ、既存のものに新しい価値を付加する手法として注目されています。
工業的に住まいを考えた時、モノの新しさこそが価値であり、引き渡し後はどんどん悪く(古く)なるものというイメージがあります。そのため、これまでは設備を新しくする「リフォーム」という修繕工事が行われてきました。ただ、修繕では機能は回復しますが、これまでと何の変化もありません。このような工業的な考え方で暮らしていると、息苦しさを感じるようになります。便利になるものの、生き生きとした刺激が生まれないからです。
つくり込みすぎず変化に適応できる住まいへ

反面、自然を取り込んだ「ガーデン」という領域は、「引き渡し時にはまだ未完成(未熟)」といわれます。引き渡してから時間をかけてつくり込み、その住まいに馴染みながら成長します。基本的には庭も家と同じはず。基礎部分さえしっかりとできていれば、心地よく過ごすために成長させてよいはずです。
お金をかける修復ではなく、時間をかけてつくり込むリノベーションを住まいで行っていきたい場合には、変化させられる余裕を残すことが大切です。つくり込みすぎず、詰め込みすぎず、手をかけることを楽しみながら過ごしていくこと。焦らず続けることで、家や庭が生活者の思いにぴったり寄り添うようになってくるでしょう。
新着記事
-
ガーデン&ショップ

都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園【ファイナル審査を迎え…
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第3回コンテストは、都立砧公園(東京都世田谷区)を舞台に2024年12月の作庭後、さまざまな植物が日々成長…
-
宿根草・多年草

毎年咲かせるラナンキュラス・ラックスの秋ケア完全ガイド|植え替え・株分け・夏越しの見…PR
春の訪れを告げる植物の中でも、近年ガーデンに欠かせない花としてファンの多い宿根草「ラナンキュラス・ラックス」。春早くから咲き始め、1株で何十輪という花が咲き、誰しもが虜になる魅力的な植物です。年々新し…
-
ガーデン&ショップ

【秋バラが本格的に開花!】煌めくクリスマスの雰囲気を先取り「横浜イングリッシュガーデ…PR
希少なアンティークローズから最新品種まで、国内外でも屈指のコレクション数を誇る「横浜イングリッシュガーデン」は、秋に色香を増すバラも続々開花が進んでいます。11月4日(火)からは、季節を先取りしてクリス…



























