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- 人気10品種を一挙公開! 葉が超絶可愛い【ピレア】の育て方を徹底解説!
ピレアは初心者でも育てやすく、種類も豊富な観葉植物。どの品種も葉の形がとても可愛らしく、複数の株を育てることで楽しさも倍増します。シンプルなインテリアからエレガントな空間まで、どんなシーンにも溶け込むピレアの魅力に迫り、育て方や選び方のポイントも詳しく解説します。
目次
ピレアはどんな植物?
葉の形と模様が特徴的な観葉植物

ピレアは、イラクサ科の中でも最大の品種数を擁する「ピレア属」に分類される常緑多年草(品種によっては一年草)の観葉植物で、最大の特徴はバリエーションの多い葉の形とその模様。
丸みのある葉にシルバーのラインが入った品種や、細かい葉が密集して茂るものなど、品種ごとに異なる個性を楽しむことができます。
例えば、ピレア・カディエレイのアルミニウムのような光沢や、ピレア・ペペロミオイデスのユニークな丸い葉は、視覚的にとてもインパクトがあります。
また、小型〜中型サイズの品種が多いため、狭いスペースでも栽培が可能で、インテリアグリーンとしても大人気です。
数百種類の品種があるといわれている
ピレア属には、野生種も含めると世界中で約600~700種類が存在するとされています。アフリカやアジア、南アメリカを中心に分布しており、特に湿度の高い熱帯地域に自生する品種が多いのが特徴です。
観葉植物として流通しているのは20種類程度と限られていますが、それぞれに個性があり、育て方や見た目のバリエーションが豊富なため、同じピレアでも複数種類を育てて楽しむ人が増えています。
ピレアで人気の種類10選
ピレア・カディエレイ

- 原産地:ベトナム、ラオスなど東南アジアの熱帯地域
- 名前の由来:フランスの植物学者であるR.P. Cadière(カディエール)にちなんで命名されたとされています。彼はベトナムでの植物研究に貢献し、この品種もベトナム原産であることから、その功績を称えて命名されたと考えられています。
- 概要:ピレア・カディエレイは、アルミニウムプラントの愛称でも親しまれている品種。
シルバーの縞模様が美しく、テーブルサイズの観葉植物としても人気があります。
オフィスのデスクやリビングの棚に置けば、空間をスタイリッシュに演出してくれます。
湿度を好むため、室内でも簡単に育てられる一方で、直射日光には弱いので注意が必要です。 - 市場価格(※本体のみの価格/以下同):一般的には700~1,200円ほどで手に入る手頃な価格の品種です。
ピレア・ペペロミオイデス

- 原産地:中国南部(雲南省など)
- 名前の由来:丸い葉の形がペペロミア属の植物に似ているため、「ペペロミオイデス(ペペロミアのような)」と名付けられました。
- 概要:「チャイニーズマネープラント」や「パンケーキプラント」として知られるこの品種は、その名が表すように丸く肉厚な葉が特徴的。
「救い」や「加護」を表す花言葉もあることから、キリスト教の教会で目にすることも。
風水的には「金運を呼ぶ」とされ、インテリアグリーンとしても根強い人気を誇ります。
鉢植えはもちろん、吊り鉢にして飾ると、垂れ下がる葉が空間に立体感をもたらします。

ちなみにこの品種は1906年に、スコットランドの植物学者ジョージ・フォレストによって西洋世界に紹介され、後年に英王立園芸協会の庭功労賞を受賞しましたが、以降乱獲が進み、現在自生地では絶滅の危機に瀕しているという情報もあります。
私たちが購入できるのは園芸品種とはいえ、手に入れたら大切に育てたいですね。
- 市場価格:1,500~3,000円程度とやや高めです。
ピレア・ミクロフィラ

- 原産地:中南米(メキシコからブラジルまで広く分布)
- 名前の由来:繊細な葉の形状を表現した名前がついており、ギリシャ語で「小さな葉」を意味する「ミクロ(micro)」と「フィラ(phyllos)」から来ています。
日本では「タマシダ」という和名で呼ばれることもあります。 - 概要:小さな緑色の葉が密集し、フワっと茂る姿が特徴のピレア・ミクロフィラは、這うように成長する特性を利用し、グラウンドカバーとして活用されることもあります。
暖かい環境を好むため、温度と湿度を保ちつつ、風通しのよい場所で育てることで、鮮やかな葉色をキープすることができます。逆にそれらが不足すると、急速に褪色し、葉を落とすので注意が必要です。
写真のようにハンギングにして飾ると、そのボリューム感がインテリアのアクセントになります。 - 市場価格:流通量も多く、500~1,000円程度と手頃な価格で、初心者にもおすすめです。
ピレア・ムーンバレー

- 原産地:中南米(特にブラジル周辺)
- 名前の由来:表面が月面のようにデコボコしていることから「ムーンバレー」というユニークな名前が付けられました。
- 概要:ゴツゴツとした独特のテクスチャーと、深い緑に黄色や褐色が混じった特徴的な葉色が魅力のムーンバレー。コンパクトで取り扱いやすいため、テーブルグリーンとしても大人気。
テラリウムや寄せ植えもおすすめで、組み合わせることで他の植物とのコントラストを楽しむことができます。
半日陰でも育つので、リビングの棚や、ベッドサイドなどでの栽培もおすすめです。
15℃以上の環境で、土が少し湿っている状態を維持することで、葉色の鮮やかさもキープしながら元気に育ちます。ただし、根腐れしないよう、定期的に直射日光の当たらない軒下に出すなどして、適度な風通しを与えてあげるようにしましょう。 - 市場価格:800~1,500円程度で、気軽に手に入れられるインテリアグリーンとして人気があります。
ピレア・グラウカ

- 原産地:西インド諸島や南米
- 名前の由来:「グラウカ(glauca)」はラテン語で「青白い」や「灰色がかった青」を意味し、その独特な葉色に由来しています。
- 概要:青みがかったシルバートーンの葉が美しいピレア・グラウカ。ツルが伸びる性質があるため、吊り鉢にして飾ったり、背の高い棚に飾ると空間を有効活用できます。軽やかに垂れる葉は明るい日陰でより輝きを増し、おしゃれに演出することができます。

乾燥気味の環境を好むため、土の表面が乾いたら表面全体が湿る程度の水を与える程度でOK。
- 市場価格:600~2,000円程度で、小さな鉢植えにこんもりと生い茂ったものが特に人気です。
ちなみに写真の株は3.5号鉢のサイズで、680円(税込)で購入しました(素焼き鉢は別)。
ピレア・ヌンムフォラリア

- 原産地:熱帯アフリカや南アメリカ
- 名前の由来:「ヌンムフォラリア」はラテン語で「コインのような葉」という意味があり、小さな丸い葉を表現しています。
- 概要:丸いコイン状のミントカラーの葉が密集して生えるピレア・ヌンムフォラリアは、その可愛らしい見た目から、欧米では「ベビーティアーズ」というロマンチックな名前で親しまれています。
水分を好む性質があるため、成長期は土が常に軽く湿った状態を保つのがポイント。
小さな鉢に植えてデスクに置いたり、テラリウムの一部として使ったりすると、空間にナチュラルな雰囲気を加えられます。 - 市場価格:500~1,200円程度で、吊り鉢スタイルが人気です。
ピレア・シルバーツリー

- 原産地:東南アジア
- 名前の由来:葉の表面にシルバーの模様が入ることから「シルバーツリー」と名付けられました。
- 概要:シルバーの模様が入ったエレガントな葉が目を引くピレア・シルバーツリーは、上品なインテリアにぴったりの植物です。
水やりは控えめに、柔らかい光が入る場所に置くことで、葉の模様がくっきりと現れ、より映えます。
褪色や葉焼けの原因となるため直射日光は避けましょう。
寄せ植えのアクセントとしても優秀で、シンプルな鉢との親和性も高く、カフェ風インテリアとの相性は抜群です。 - 市場価格:1,200~2,000円程度で、シルバー模様が鮮やかな品種ほど高価になる傾向があります。
ピレア・ディプレッサ

- 原産地:中南米
- 名前の由来:地を這うように広がる成長スタイルを反映し、ラテン語で「低く押しつぶされた」を意味する「ディプレッサ」という名がつきました。
- 概要:柔らかな丸い緑色の葉が特徴のピレア・ディプレッサは、ピレアの中でも比較的成長の早い品種で、這うように広がる性質を持ち、テラリウムや寄せ植えにも最適です。
水分をしっかりと与えつつ、風通しのよい場所で育てることで、健康的で瑞々しい葉を保つことができます。
特に夏場はこまめに水やりをするよう心がけてください。
棚や小さなコーナーに置くと、その穏やかな雰囲気が空間を癒やしてくれます。
窓辺に置いて窓を開けていると、時折風に揺れる葉がとてもかわいらしいですよ。 - 市場価格:500~1,000円程度と初心者にも手を出しやすい価格帯です。
ピレア・グロボーサ

- 原産地:東南アジア
- 名前の由来:「グロボーサ」はラテン語で「球状の」という意味で、葉が丸くコンパクトな形をしていることに由来します。
- 概要:珍しい球状の葉を持つピレア・グロボーサは、コンパクトなサイズ感が魅力のユニークな品種です。
乾燥気味の環境を好むため、水やりは控えめに。そんな性質から、多忙な方でも育てやすいのがポイント。
小型の鉢に植えてデスクや窓辺のアクセントとして飾ると、シンプルな空間が一気に華やぎます。
直射日光は避け、レースのカーテンや曇りガラス越しの日光が当たる場所で育てると元気に育ちます。 - 市場価格:800~1,500円程度で、珍しい品種として注目されているわりには、お手頃価格で購入可能。
ピレア・サンパウロ

- 原産地:ブラジル
- 名前の由来:発見地であるサンパウロにちなんで命名されています。
- 概要:たくさんの艶やかな葉に独特の模様が入るピレア・サンパウロは、ツル状に伸びるタイプの品種。
希少性が高く、観葉植物愛好家の間で注目を集めています。
モダンなデザインの鉢に植えることで、アーバンライクなインテリアにも溶け込みます。
温暖な環境を好むため、10℃以上を保ってください。
直射日光は厳禁。レースのカーテンなどで遮光した光が当たる窓辺に置くと、柔らかな光の中でその模様が美しく映えます。 - 市場価格:1,500~4,000円程度と少し高めですが、その希少性から、探している人が多いと聞きます。
ピレアの育て方
植え付け・植え替えは4~9月に行う

ピレアは暖かい時期に生育が活発になるため、植え付けや植え替えは気温が安定している4月から9月がおすすめです。
植え替えは1~2年に1回が目安で、鉢の中で根が詰まってきたら行います。
新しい鉢は、現在使用しているものより一回り大きなサイズを選ぶとよいでしょう。
根の状態を確認し、黒くなり傷んでいる部分は清潔なハサミでカットしてから植え付けることで、健康な生育が促されます。
用土は水はけと通気性のよいものを

ピレアは湿気がこもる環境を嫌うため、用土には市販の観葉植物用培養土や、赤玉土(小粒)と腐葉土を7:3で混ぜたものを使うのがおすすめです。
軽石やパーライトを混ぜることで、さらに排水性を高められます。
また、鉢底には必ず鉢底石を敷いて、根腐れを防ぎましょう。
明るい日陰や半日陰に置く

ピレアは直射日光に弱いため、初夏から秋の間は直射日光下に5分程度置いただけで葉が焼けてしまうことがあります。
そのため、カーテン越しに柔らかな光が入る窓辺や、明るい日陰で管理します。
一方で、光が不足すると葉の色が薄くなることがあるため、適度な明るさを保つ工夫が必要です。
園芸用の遮光ネット(遮光率30〜45%)を活用するのもおすすめです。
水やりは土の表面が乾いてきてから

ピレアの水やりは土の表面が乾いてから行うのが基本ですが、ヌンムフォラリアのように適度に湿った状態を好む品種もあるため、特に成長期は品種ごとの特性を調べて水やりを行ってください。
どの品種も、水やりは鉢底から水が流れるくらいたっぷりと与えます。
ただし、冬場はどの品種も成長が緩やかになるため、水やりの頻度を減らし、土が少し乾燥気味になるように調整しましょう。
また、葉に霧吹きで水を与える「葉水」を行うと、葉の表面が潤い元気な状態が長く続きます。
しかし、品種によっては過湿状態を好まない品種もあるため、葉水を行ったあとは、水滴が長時間残らないように風通しのよい場所に置き、余分な水分を飛ばしてあげましょう。
ピレアの管理方法
剪定は小まめに行う

ピレアは比較的成長が早い植物で、葉が茂りすぎることがあります。
剪定は、形を整えるためや、弱った部分を取り除くために小まめに行うことが大切です。
特に、長く伸びすぎた茎や枯れた葉を取り除くことで、見た目が美しく保たれるだけでなく、植物全体の健康が向上します。
剪定時は清潔なハサミを使用し、スパっとカットして切り口をきれいに仕上げるように心がけてください。剪定後は風通しがよくなり、光が全体に均等に届くようになりますので、新しい成長を促進できます。
肥料は生育期に与える
ピレアは成長期にエネルギーを必要とするため、春から秋にかけての成長期に、液体肥料か固形肥料を与えてください。

液体肥料の場合、月に1~2回が目安です。与えすぎると徒長の原因となり、茎が間延びして弱くなってしまうため注意してください。
固形肥料を使う場合、2~3カ月に1回のペースで与えると効率よく栄養が供給されます。
冬季の休眠期には肥料を与える必要はありません。成長期の春〜秋も、過剰な肥料は根にダメージを与える原因となるため、肥料は必ず製品の用法用量を守って与えてください。
病害虫対策も随時行う

ピレアは一般的には病害虫に強い植物ですが、注意深く管理することでトラブルを未然に防ぐことができます。
特に、アブラムシやハダニ、コナジラミなどの害虫はこまめにチェックして、もし発生した場合は早めに対処することが大切です。
害虫が発生した場合、湿った布で葉を拭き取って駆除します。
また、専用の駆除剤や、薄めた牛乳を霧吹きで吹きかける方法も効果的です。
病気の場合、特に葉に黒い斑点(黒星病)が現れることがありますが、原因は過湿である場合が多いため、この場合は早期に病葉を取り除き、風通しを良くすることが重要です。
念のため、「ベニカXスプレー」などの殺虫殺菌剤をスプレーしておくのもおすすめです。
とにかく、管理場所の湿度が高いとカビや病気が発生しやすいので、風通しを保ち、日頃の湿度管理が大切です。
おわりに|さまざまな種類のピレアを育ててみよう
ピレアは、そのユニークな見た目と育てやすさから、多くの方々に愛されている観葉植物です。
筆者も3品種ほど購入して実際に育てていますが、葉の可愛らしさは特筆すべきもので、特にペペロミオイデスの、まるで小さなアマガエルでも乗っていそうな丸く可愛らしい葉には、55歳男性の筆者をキュン死させるに十分な魅力があります。
私個人的にも、ピレアを育てることで、日々の暮らしに大きな癒やしと豊かな心が育まれることが分かりました。
ピレアは種類も多いので、ぜひいろいろな種類を育てて、自分だけのピレアコレクションを作ってみてください。どのピレアも、きっとあなたの生活に色とりどりの楽しみをもたらしてくれるはずです。
Credit
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