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パキラが枯れる原因は主に7つ! 症状別の詳しい対処法を解説します

Robert MacMillan/Shutterstock.com
観葉植物として人気のパキラは、生命力が旺盛で枯れにくい植物。ですが、管理の方法を間違えると枯れてしまうことがあります。この記事では、パキラが枯れてしまう主な7つの原因とその対処法、そしてパキラを枯れずに育てるためのポイントについて解説します。
目次
パキラが枯れる原因1 根腐れ

パキラを枯らしてしまったという場合の原因として多いのが、根の部分が腐ってしまう根腐れです。ここでは根腐れしてしまった場合の症状や、その対処法について解説します。
根腐れが起きたときの主な症状

根腐れは、根の先端から腐りはじめ、症状が進むと最終的には株全体が腐ってしまいます。過湿や酸素不足が原因で発生しやすく、土が常時湿っている状態が続くことで根が呼吸できなくなり、根腐れにつながります。
根腐れが進行すると、いくつかの症状が現れます。もともとは硬かった幹が弱って折れやすくなり、葉は黄色く変色し、ハリを失います。さらに、土の表面にはカビが生え、腐ったような臭いがします。また、水やりの際に土への染みこみが悪くなったり、土の乾きが悪くなり表面が常に湿った状態になります。根腐れを起こすと根が水を吸い上げられなくなるため、葉に元気がないなど一見水不足のような症状が現れます。そのため水不足と誤解し、水を多く与えてますます弱らせてしまうことがあるので注意しましょう。
根腐れの原因はいくつかありますが、特に多いのが水やりの仕方によるもの。水やりのしすぎにより土が過湿になると発生しやすくなります。毎日少しずつ水を与えるなど、土が常に湿った状態になる水やりでは、根の呼吸が妨げられてしまいます。水やりの基本は「土が乾いたらたっぷりと」。表土が乾いてから、鉢底から流れ出すまでたっぷりと水を与え、受け皿にたまった水は捨てましょう。たっぷりと水を与えることにより、鉢内の空気を押し出して新しい空気と入れ替える効果もあります。また、水はけ・通気性の悪い用土や不潔な用土により発生したり、肥料焼け、根詰まり、大きすぎる鉢などが原因となることもあります。
根腐れの対処法

根腐れした部分は復活させることはできませんが、まだ生きている部分があれば、そこから再生する可能性があります。根腐れの症状に気づいたら、まず水やりを止めて土を乾燥させます。次に、株を鉢から抜いて根の状態を確認し、腐った根の部分を切り取ります。その後、清潔な新しい土に植え替えましょう。
また、根腐れが進行していて株全体の回復が難しい場合は、挿し木で株を更新する方法もあります。元気のある枝を3節ほど切り取って挿し穂にし、水挿しや土に挿して発根させ、新しい株を作るとよいでしょう。
パキラが枯れる原因2 根詰まり

根詰まりは、植木鉢の中で根が成長し、鉢の中が根でいっぱいになってしまうことです。ここでは根詰まりで起こる症状やその対処法を解説します。
根詰まりが起きたときの主な症状

根詰まりは、株の植え替えを数年間行わないまま放置すると起こりやすいです。この状態が続くと、土が水や養分を十分に保持できなくなり、パキラは水不足や養分不足に陥って、最終的には枯れてしまいます。
根詰まりが起こると、水の吸収が困難になり、葉のハリがなくなる、葉が変色する、下葉が落ちるなどの症状が現れます。また、鉢底の穴から根が出てきたり、水を与えても吸収しないなどの症状も見られます。
根詰まりの対処法

根詰まりの対処法は植え替えです。鉢底から根が飛び出ていたり、根詰まりが疑われる症状が現れたら、株を鉢から抜いて根の状態を確認し、根詰まりしている場合は植え替えましょう。
植え替えを行う前に、水やりを控えて根鉢(鉢に植っている部分)を乾燥させます。その後、鉢から株を抜き出して根をほぐし、茶色くなっている根や元気がない根をカットします。根を整理したら一回り大きな鉢に植え替え、風通しのよい場所で管理します。
パキラが枯れる原因3 葉焼け

葉焼けとは、直射日光が当たりすぎて葉が傷んでしまうことで、人でいうとやけどしたような状態になることです。ここでは葉焼けした場合の症状や、その対処法について解説します。
葉焼けが起きたときの症状

パキラはある程度明るい場所を好みますが、30℃を超えるような真夏の高温期に直射日光を長時間浴びると、葉焼けを起こす可能性があります。葉焼けは日光の強さだけでなく、気温や風など、急な環境変化などの要因も関係して起きる現象で、他の観葉植物でもよく見られます。葉焼けした部分は色あせたようにまばらに変色したり、色が抜けて白っぽくなったりします。葉焼け部分が復活することはありませんが、一部の葉が葉焼けした程度であれば、株自体が枯れることはありません。ですが、植物にとって葉は光合成に必要な大切な器官であり、過度に葉焼けすると植物全体が枯れてしまう可能性があるため、注意が必要です。
葉焼けの対処法

葉焼けした場合、植物にとって日光が強すぎるということなので、まずは直射日光が当たらない明るい場所に植物を移動させるか、遮光をします。次に、葉焼けした部分は復活しないため、清潔なハサミでカットし取り除きます。株が元気であれば、葉を切ってもまた新しい葉が出てきます。ただし、緑色の部分は光合成を続けているため、葉が少なくなっている場合は残すとよいでしょう。
パキラが枯れる原因4 寒さ

パキラは暖かい地域を原産とする植物なので寒さに弱く、冬には暖かい場所に移動させないと枯れてしまうことがあります。ここでは寒さで傷んだ場合の症状や、その対処法について解説します。
寒さで枯れるときの症状

パキラの耐寒温度は一般に5℃程度とされていますが、株によっては10℃を下回ると枯れ始めることがあります。寒くなると葉が落ちますが、寒さで葉が落ちても株まで枯れることは少ないため、適切な対処をすれば復活する可能性は高いです。ただし、そのまま寒さの中で育てていると枯れてしまうこともあるので、早めに適した場所に移動することが大切です。
寒さの対処法

屋外の気温が15℃を下回ったら、屋外で育てているパキラは屋内に入れ、暖かく明るい場所に置きます。冬場は室内でも夜間の窓際は冷えるので、窓から少し離して置きます。床近くは冷気がやってくるので、少し高い場所に置くとなおよいでしょう。室内では乾燥したエアコンの風に当たらないように注意することも大切です。
また、気温が低い冬は生育が鈍るため、水やりを控えめにするとよいでしょう。寒さで変色した葉があるときは、適宜カットします。
パキラが枯れる原因5 日光不足

パキラは比較的明るいところを好み、日光が不足すると徒長したり枯れてしまうことがあります。ここでは日光不足で起こる症状や、その対処法について解説します。
日光不足で枯れるときの症状

パキラは耐陰性がありますが、ある程度の日光は必要です。暗い部屋に長く置きっぱなしにしていると枯れることがあります。
日光不足が原因で弱ったときは、次のような症状が出やすいです。葉に元気がなくなり、パラパラと落ちてしまいます。また、葉の緑色が薄くなることもあります。さらに、茎が弱々しく伸び、先端が枯れることもあります。
日向不足の対処法

日光不足が考えられる場合は、日照が確保できる明るい場所に移動します。ただし、強い直射日光は葉焼けを起こす可能性があるため注意が必要です。特に暗い場所にあった株は日光への耐性が低くなっているため、急に明るい環境に置くと葉が傷みやすいです。1カ月ほどかけて慣らしながら、徐々に明るい場所へと移動させるとよいでしょう。同様の理由から、日照が足りないからといって急に直射日光の当たる場所で日光浴させるのも避けたほうが無難です。
日光不足を避けるため、室内で育てる場合は、レースのカーテン越しに光が入る場所に置くとよいでしょう。また、半日以上薄暗い玄関やトイレ、寝室などに置くのは避けましょう。このような日光が入らない場所に置きたい場合は、植物用ライトを使って光を補うのがおすすめです。
パキラが枯れる原因6 肥料焼け

肥料焼けとは、肥料によって根が傷み、株が弱ることです。ここでは肥料焼けで起こる症状や、その対処法について解説します。
肥料焼けが起きたときの症状

肥料は多く与えればそれだけ成長するという訳ではなく、過剰に施すとかえって根を傷めることがあります。肥料が高濃度になったり、根に直接触れることによって根が傷むと、根が水分や養分をうまく吸い上げられなくなって株が弱り、枯れてしまうこともあります。肥料焼けにより株が弱ると、葉が変色したり、葉の先端がしおれるなどの症状が現れます。
特に、生育が鈍る冬季に肥料を多く与えると根が傷みやすくなります。冬に肥料が残らないよう、秋頃からは固形の肥料を与えるのは止めましょう。また、冬季に室内に取り込んで、室温が18℃以上ある場合は生育を続けるため肥料を与えてもよいですが、その際も2,000〜5,000倍程度に薄めた液体肥料を用いるとよいでしょう。
肥料焼けの対処法

肥料を施して数日の間に植物が急に弱ったときは、肥料焼けが原因かもしれません。肥料を施しすぎたときは、まず余分な肥料を取り除くことが大切です。また、水やりをして肥料を洗い流すことでも、肥料の成分を薄めることができます。ただし、水を与えすぎると根腐れを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
肥料焼けで植物が枯れ始めた場合は、枯れた部分をカットして処分し、土を入れ替えるか新しい土に植え替えるとよいでしょう。
パキラが枯れる原因7 病害虫

パキラは比較的害虫が付きにくい植物ですが、ハダニやカイガラムシがつくことがあります。病気ではすす病に注意が必要です。ここでは病害虫による症状と、その対処法について解説します。
ハダニやカイガラムシが発生したときの症状と対処法

パキラはハダニやコナカイガラムシが葉につくことがあります。これらの害虫は放置しておくと植物が弱り、すす病などを誘発する可能性もあるため、見つけ次第対処が必要です。
害虫を見つけたら、濡れた布で葉をふき取るなどして駆除します。被害が深刻な場合は殺虫剤を使うのも効果的です。また、日頃から日当たりと風通しのよい場所で植物を管理し、こまめに葉水を与えることで、ある程度の予防になります。
すす病が発生したときの症状と対処法

すす病はカビが原因で発症し、葉や枝、幹を黒いすすのように覆う病気です。すす病は基本的に植物自体が罹病するのではなく、植物に寄生する害虫の排泄物などを栄養源として広がります。したがって、害虫を駆除することで、すす病の発生を抑えることができます。発生初期のすす病はきれいにふき取って対処できますが、被害が進行している場合は薬剤を用いて対処するとよいでしょう。
パキラが枯れる確率が下がる育て方のポイント

パキラが枯れないようにするための育て方のポイントは、「水やり」「日光」「風通し」の3つです。
水やり
季節によって水やりの頻度や量を変えます。春から秋は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。一方、冬は植物が休眠するため、水やりの回数を減らします。また、受け皿の水もこまめに捨てることが重要です。
日光
パキラは耐陰性がありますが、室内ではレースのカーテン越しに光が当たる窓辺など、なるべく明るい場所に置き、生育期の春から秋は戸外で育てるのもおすすめです。ただし、夏の直射日光は避けるようにしましょう。
風通し
風通しがよいと葉焼けや病害虫の予防にもなります。また、枝が込み入ってきたら適度に剪定することも大切です。
パキラが枯れる原因を知って適切に対処しよう

パキラは丈夫で初心者の方にも育てやすい観葉植物ですが、根腐れや根詰まりなどの原因で枯れてしまうこともあります。完全に枯れていなければパキラを復活させることができる可能性があるので、この記事を参考に早めに適切な対処をして、パキラを上手に育ててみてください。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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