暑い日が続くなか、庭のバラたちは元気にしていますか。外に出るのは億劫ですが、猛暑の中でもつぼみをつけている夏のバラを見つけたら、どうするとよいのでしょうか。神奈川県在住で「日本ローズライフコーディネーター協会」の代表を務める元木はるみさんは、夏につぼみをつけたバラを「サマーローズ」と呼んで、その大切な命の恵みを大事に楽しんでいます。今回は、夏のバラとの付き合い方について教えていただきます。
目次
盛夏のガーデンで健気に咲くバラ

この時期は、猛暑と害虫による被害などがあり、バラにとっても過酷な季節です。
それでも、毎日水やりをしていると、小さなつぼみを上げてくるバラたちに、生きた植物の力強さを感じさせられます。
今回は、そんな健気で愛らしい夏のバラ「サマーローズ」の楽しみ方をご紹介します。
食害を受ける前に「摘蕾」を

夏のバラは、目を離すとたちまち上写真のようにカナブンやコガネムシ、マメコガネなどに花や葉を食害され、無残な姿になってしまいます。

食害されないためには、予防方法として「摘蕾(てきらい)」を行うとよいでしょう。
特に効果があるバラは、以下のような株です。
- 植えて間もないまだ小さな苗
- 古くて弱った苗
- 夏の暑さに弱い苗(葉が黄色くなったり、葉を落としてしまう症状が出ている)
これらのバラの体力を温存するためにも、つぼみができていたら手で摘み取ります。
夏も元気な株につぼみを見つけた場合

葉が茂った元気な株の場合は、摘蕾せずに室内で咲かせることができます。このバラを私は、「サマーローズ」と呼んで楽しんでいます。
室内飾りにできそうなバラは、上写真のようにつぼみが少し色付いたタイミングで、下方の枝も少し付けた状態(株に残る枝があまり短くならないように)で剪定します。
サマーローズを楽しむためのポイント
ポイント①
まず日頃からバラの面倒をよくみて、株を弱らせないようにすること。
注意:暑さに強い品種であっても、水やりをしなければ、弱ってしまいます。
ポイント②
つぼみができたら、外で咲く前に剪定して室内で咲かせること。
注意:鉢植えのバラを、鉢ごと急に冷房の効いた室内に持ち込むと、環境の変化にうまく適応できない場合があります。
サマーローズを楽しむ手順

手順① つぼみが付いた枝は、剪定したらすぐに水につけます。

手順② 要らない葉を取り除きます。

手順③ 枝先にハサミを斜めに入れて、水の中でカットします(水切り)。

手順④ 水に挿しておくと、日に日につぼみが膨らんできました。

害虫たちに食害される心配もなく、テーブルなどに飾って室内で花開くサマーローズを楽しみます。

また、花が害虫の食害にあっても(写真左)、外側の花弁を取り除けば、楽しめることもあります。
三番花や四番花のサマーローズは、春に比べて小ぶりなので、花器も小さいものが似合います。ミルクピッチャー(上写真右)は形も綺麗で、花器としておすすめです。

また、枝を短くしか剪定できない場合は、オアシスに挿したり、小さなお猪口などを花器代わりにしたり、水を張ったお皿に浮かべるのも素敵なアイデアです。

夏は夏らしくバラと付き合う

以前は「夏のバラは、小さくて汚らしい」と、私自身も思っていた一人でしたが、今では、「サマーローズ」と呼んで、その大切な命の恵みを、大事に楽しんでいます。今年の夏もサマーローズに元気をもらって乗り越えたいものです。
Credit
写真&文 / 元木はるみ - 「日本ローズライフコーディネーター協会」代表 -

神奈川の庭でバラを育てながら、バラ文化と育成方法の研究を続ける。近著に『薔薇ごよみ365日 育てる、愛でる、語る』(誠文堂新光社)、『アフターガーデニングを楽しむバラ庭づくり』(家の光協会刊)、『ときめく薔薇図鑑』(山と渓谷社)著、『バラの物語 いにしえから続く花の女王の運命』、『ちいさな手のひら事典 バラ』(グラフィック社)監修など。TBSテレビ「マツコの知らない世界」で「美しく優雅~バラの世界」を紹介。
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