精油を使って、心身のケアをする「アロマテラピー」をご存じですか?
植物から採れた濃い香り成分が入っていて、その香りの信号が脳にすぐに届くことで、私たちの心や体によい変化をもたらしてくれます。でも…香りをかぐだけではもったいない! 精油をもっと日々の暮らしの中に役立てませんか? 今回は、急な運動後に起こる筋肉痛を精油を使ってケアする方法について、お伝えします。
目次
アロマテラピーで暮らしをもっと快適にしてみませんか?

このような小瓶に入っている精油は、エッセンシャルオイルとも呼ばれ、アロマテラピー(芳香療法)を楽しむ時に使われます。
精油は、植物の花、果皮、果実、根、葉など、さまざまな部位から抽出された、天然の揮発性物質で、アルコールや水などは一切添加されていない、純度100%のものだけを精油と呼びます。
100%の天然香料は、数十~数百種類の天然の化学成分からなり、植物ごとに異なる芳香成分を含むとともに、血圧を下げる作用や脳の働きを活発にする作用など、身体に働きかけるさまざまな効能を持っています。
香りを楽しむことはもちろんですが、それぞれの植物から採れた精油を上手に活用することで、「なんとなくだるい…」「ストレスが溜まってきたな…」という心身の状況を、自分でケアすることができるのが最大の魅力です。
今回のテーマ「筋肉痛」にも、精油が大活躍してくれます。天然の香りで、セルフケアしてみましょう。
筋肉痛のケアにオススメの精油「ローズマリー」
運動会シーズンに張り切りすぎてしまったり、久しぶりにジムに行って運動をした翌日以降にやってくるのが、筋肉痛。精油を使って行うアロマテラピーは、筋肉の痛みや疲れにも有効です。精油の中には、痛みを鎮める「鎮痛作用」を持つものがたくさんあり、その中でも、オススメの精油が、ローズマリー。

葉は針のような葉の形をしていて、スーッとする爽快感と苦みのある香りが特徴のハーブです。薬効性がとても高く、日常生活で料理やハーブティーなどに使われるほか、認知症予防から美容まで、幅広く活用されています。
ローズマリーには、さまざまな種類があります。最もポピュラーで、手に入りやすいのは、1,8シネオールという種類のものです。1本持っていると便利。ただし、月経調整作用がありますので、妊娠中・授乳中の方は注意が必要です。また、刺激が強い精油でもありますので、高齢者・高血圧の方の使用もご注意ください。
精油を体に取り込む! 筋肉痛のケア方法
筋肉痛の場合、香りをかぐ芳香浴ではなく、精油を体に取り込むことで効果を発揮します。ですが、精油は飲めませんし、原液を皮膚に直接塗るのは、刺激が強すぎて危険ですのでできません。次のような方法で、体の中に精油を取り込んでみましょう!
痛い部分に冷湿布
筋肉に痛みがある場合には、まずは冷やして、炎症を抑えることが大切です。洗面器に冷たい水を張って、ローズマリーの精油を2~3滴落とし、タオルを浸して固く絞り、痛い部分に当てます。筋肉痛がひどくなると、呼吸も浅くなりますから、冷湿布をしている間は、ローズマリーの香りを感じながら、大きく深呼吸してみてください。痛みで縮こまってしまった身体を、シャキッとさせてくれますよ。
マッサージオイルをつくって痛い部分をセルフマッサージ
痛みが軽い場合には、マッサージオイルをつくって、痛い部分をセルフケアしましょう。

<材料>1回分
〇ホホバオイル 10ml
ホホバオイルでなくても大丈夫です。スイートアーモンドオイル、オリーブオイルなど、化粧品用のオイルをご用意ください。
〇ローズマリー(1,8シネオール) 2滴
こちらの2つの材料は、アロマテラピー専門店・インターネット通信販売で購入可能です。精油やオイルは空気に触れると酸化し、劣化します。あまり長くは保ちませんので、購入する際には、少量をこまめに買い足すことをオススメします。
<作り方>
1. ビーカーにホホバオイルを10ml入れる
2. その中にローズマリーの精油を2滴入れる
その際、振り落としたりせず、瓶を傾けて、自然に精油が垂れてくるのを待ちましょう。
3. 竹串などでよく混ぜたら完成
マッサージオイルができたら、手に取って痛い部分に塗布し、心臓に向かって軽くさすってみましょう。ローズマリーは、代謝や血液循環をよくしてくれる作用もあります。入浴後に行えば、より早く筋肉疲労が取れて、楽になるかもしれません。
アロマテラピーでの筋肉痛ケア、ぜひ試してみてくださいね。
<注意点>
ハーブは薬ではありません。健康状態が気になる方は医師にご相談ください。
また、ご紹介したレシピの作用や反応には、個人差がございます。ご利用の際には、身体に合うかどうかパッチテストを行い、違和感がある場合にはすぐ使用を中止するなど、ご自身で責任を持ってお試しいただくようお願いします。
併せて読みたい
・おうちでアロマテラピー 秋の夜をしっとり過ごす フランキンセンス&ラベンダーの芳香浴
・香りでセルフケア! ストレスが溜まってイライラする時のアロマテラピー 芳香浴の3つの楽しみ方
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Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
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