世の中は家庭菜園ブームです。なんと、畑付きの賃貸住宅も増えてきているんです! この家で野菜を作る(食べるものを作る)「家庭菜園」という文化は、どのような背景から生まれたのでしょうか。今回は、そんな菜園の歴史と家庭菜園のメリットを紹介します。
市民農園から生まれた家庭菜園
市民農園(クラインガルテン)とは?
クラインガルテンという名前で世界的に知られているドイツの市民農園は、1832年に失業対策事業を兼ねて、市民の手で開墾された農園から始まったといわれています。
現在のクラインガルテンの形態になったのは、シュレーバー博士の功績が大です。ライプチヒ市の医師であった彼は、産業革命の影響による都市化に伴う生活環境の悪化から、子どもたちの健康のために遊び場の必要性を唱え、クラインガルテンの概念を固めました。彼の死後、弟子のハウシルドがこの思想を受け継いでシュレーバー協会を設立し、1865年に子どもの遊び場を持った菜園をつくりました。他のヨーロッパの国でも同様に市民農園が食糧供給の上で重要な役割を果たしたとされています。

家庭菜園は体にも心にも効果あり
家庭菜園づくりは五感を使うため、感性が豊かになるといわれています。植物を育てることは、視覚・触覚・聴覚・嗅覚・味覚の五感を刺激し、忘れかけていた記憶を呼び起こしたり、感受性や感情を豊かにする効果があるといい、これに着目したのが、いわゆる園芸療法です。
ガーデニングは季節や天候に合わせて水や肥料を変えたり、温度管理に気をつけたり、常に頭を使って工夫をしなければなりません。また、先の計画やガーデンデザインを考えるなど、一年中考えるタネは尽きません。特に日本のように四季が明確な国ではなおさらです。このような一連の「頭脳労働」が高齢者の認知症を予防し、老後を生き生きと過ごすために特に効果的といわれるのでしょう。
また、日中作業をすると日光を体いっぱい浴びるため、自然に丈夫になります。特にカルシウムの吸収を助けるビタミンDは、日光に当たることで体内にたくさんつくられるので、骨を丈夫にするためにも、日光を浴びることはとても大切なのです。

園芸療法という考え方
園芸療法は、一人ではなくチームで行われることが多いようです。皆で知恵を出し合って植物を育てることで仲間意識が芽生え、人と協力して作業することの醍醐味を味わうことができるからです。
家庭菜園は時代の中で考え方が変化しつつあります。食べられるものをつくる。安全なものをつくる。健康をつくる。子どもが食育として学べる。何よりお年寄りの健康を維持するのに、体も頭も使い、人とのコミュニケーションもでき、また旬を食し、健康も保てるという素晴らしい、万能の分野であることは間違いありません。
この市民農園の発想からくる、食べるための野菜づくりという家庭菜園は、歴史の中で実践されてきたように、食べること、元気になること、精神的な癒やし、皆で共同作業をする、そして何より、生きていることの命の意味と素晴らしさを思い知らされるなど、これからの暮らしを向上させる大きな手段になるのではないかと思われます。住まう、ということの中で家庭菜園や市民農園は本当に大事なものに気づくよいチャンスかもしれません。
ベジトラグで手軽に園芸療法

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