秋は春と並ぶ病害虫の発生警戒時期です。さまざまな植物を食害するヨトウガや毒針毛によりひどい痒みを引き起こすチャドクガ、バラの葉に発生する黒星病など、注意すべき病害虫がたくさん。Webメディア「ガーデンストーリー」が主催する会員制度、ガーデンストーリークラブでは、病害虫対策のスペシャリスト草間祐輔さんを講師にお招きし「庭の病害虫お悩み解決オンラインサロン」を開催します。

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秋は病害虫が発生しやすい時期

病害虫
虫にかじられてボロボロになったバラの葉。

暑さがやわらぎ、ガーデニングに最適の季節になりました。秋は球根を植えたり、草花を植え替えたり、樹木の剪定をしたりと、庭仕事がたくさんあります。庭に出る機会が増える今だからこそ、やってほしいのが病害虫チェック。害虫の中には、今年2度目のふ化時期を迎えるものも多く、幼虫たちが葉を旺盛に食べて生育している最中です。つまり、今まさにあなたの大事な草花が被害に合っているかもしれないのです。

秋に発生する代表的な庭の害虫

チャドクガ
ツバキの葉の上にある黒い点々はチャドクガの幼虫のフン。
  • モンクロシャチホコ/サクラなどバラ科の樹木やクヌギ、カエデ、ナラなどに発生し、葉を食害するケムシ。
  • カミキリムシ類の幼虫/バラやカエデ、イチジクなどに発生し、幹の中を食害する。
  • ヨトウガ/さまざまな草花に発生し、葉を食害する。
  • ミカンハモグリガ/かんきつ類の夏に伸びた新葉に発生し、葉にもぐって食害する。
  • チャドクガ/ツバキ類に発生し、葉を食害する。毒針毛があるので要注意。

手遅れになる前に気づくのが大事

上記のようなケムシやイモムシを「好き」という人は珍しく、ほとんどの人は庭で彼らに遭遇すると、小さな悲鳴をあげてしまうもの。苦手な相手には近づきたくないし、あまり姿を見たくもないので彼らの生態についてよく知らない人も多いのでは? そのため、庭の植物が被害にあっていても長い間気がつかず、気がついたら葉がボロボロ、いつの間にか枯れてしまったということも少なくありません。ガーデニングには虫はつきもの。好きになる必要はありませんが、彼らのことを知れば大事な草花を守ることができます。彼らがいつどのように発生し、何を食べて大きくなって成虫となり、いつどこに産卵するのか。害虫のライフサイクルを知っていれば、被害を最小限に抑えたり、被害を未然に防ぐこともできます。

チャドクガのライフサイクル

例えば、ツバキ類の葉を食害するチャドクガの幼虫は以下のように一年を過ごします。

  • 春/卵から幼虫がかえる。幼虫が小さいうちは葉裏で群生して行動する。
  • 初夏/葉を食べながら大きくなって、単独行動になり、土の中でさなぎになる。
  • 盛夏/さなぎから羽化し、成虫が産卵する。
  • 晩夏〜秋/卵から幼虫がかえる。幼虫が小さいうちは葉裏で群生して行動する。
  • 秋/葉を食べながら大きくなって、単独行動になり、土の中でさなぎになる。
  • 晩秋/さなぎから羽化し、成虫が産卵する。
  • 冬/卵塊で越冬。翌春、卵から幼虫がかえる。

チャドクガに刺されたときの正しい対処

チャドクガはツバキ類の葉の食害とともに、毒針毛による人への被害があるため注意しなければなりません。しかも、チャドクガは幼虫だけでなく、卵にも幼虫の脱皮殻にも成虫にも毒針毛があるので、うっかり触らないように気をつけましょう。この時期、庭木の剪定などをしているうちに、うっかり触ってしまったというケースは少なくありません。毒針毛に刺されると、ひどい痒みを伴う発疹が発症します。刺されたら決してかきむしらず皮膚科を受診しましょう。毒針毛は熱で無毒化するので、着ていた衣類はスチームアイロンをかけてから洗濯しましょう。

ちなみに、ケムシの全てに毒があるわけではなく、秋にサクラなどに発生するモンクロシャチホコにも毛がありますが、人には無害です。

チャドクガの被害を防ぐには

チャドクガ
ふ化直後の幼虫は群生している。

このように、厄介な害虫チャドクガの被害に合わないようにするためには、どうしたらいいのでしょう。病害虫対策のスペシャリスト草間祐輔さんは、タイミングが大事だと話します。

「一般にチャドクガも含めて多くのケムシの幼虫は、ふ化直後の小さいうちは葉の裏などに群生していることが多いんです。ですから、その時に葉っぱごと切り取って捨てれば、一網打尽にできて処理も楽だし被害も少なくすみます。大きくなると単独行動になって、1匹1匹が食べる量も増えていくので、そうなる前に対処するのが大事。早期発見・即対処が害虫対策の鉄則です。動き出す前の卵塊の段階で処理できれば理想ですが、知らなければ気がつくことは難しいですね」(草間さん)。

存在に気づきにくい害虫ヨトウガ

ヨトウガ
ヨトウガ被害を受けたデルフィニウム。ツボミが全て食べられマッチ棒のようなありさまに。

ヨトウガも知らなければ気づきにくい害虫の一つ。チャドクガと違って刺したりしないガの幼虫ですが、特定の植物だけではなく、なんでもよく食べる大食漢なので注意が必要です。葉っぱだけでなく、明日にも咲こうという草花のツボミもパクパク跡形もなく食べるため、ガーデナーの憎き宿敵。しかも、昼間は土の中などに身を隠していて、夜になって活動を開始するため、原因に気づかない人も多々。咲くのを楽しみにしていたのに、ある日忽然とツボミがなくなってガッカリという経験をお持ちの方も少なくないのでは?

秋はヨトウガにも注意!

ヨトウガ
ヨトウガの幼虫。成長に従い被害が拡大する。Muddy knees/Shutterstock.com

「つぼみが忽然と姿を消すというのは、もうヨトウガが大きくなってしまってからの症状で、いわば末期。その前に対処すれば葉は多少かじられたとしても、花は守れますよね。ガーデナーにとって一番の喜びは、花を咲かせるということですから、そこは死守したいですよね」(草間さん)。

ヨトウガも年に2回、春と秋に幼虫が発生し、幼虫が小さいうちは、葉っぱに特徴的な症状が出ます。オンラインサロンでは、ヨトウガのライフサイクルやその被害状況を草間さんが撮りためた貴重な写真を下に解説してくれます。「あっ!うちの葉っぱもこれ!」という発見もあるかもしれませんよ。

病害虫対策のスペシャリスト草間祐輔さん「庭の病害虫お悩み解決オンラインサロン」

黒星病
バラの葉に発生した黒星病。放置すると株が弱る。

2022年9月17日(土)15時より、草間祐輔さんを講師に招き「庭の病害虫お悩み解決オンラインサロン」を開催します。ヨトウガなどの害虫やバラに発生する黒星病、クリスマスローズなどで気をつけたい灰色かび病など、秋に注意したい庭の病害虫を中心に解説。長年の徹底的な観察によって得た病害虫のライフサイクルに合わせた超効率的な対策を伝授します。ガーデンストーリークラブ会員様からは、事前にお困りごとも募集。お悩みの症状をクラブの掲示板かメールで編集部にお送りいただければ、草間先生からの対処策を直接うかがうことが可能です。参加ご希望の方は、クラブ会員サイトよりお申し込みください。

ガーデンストーリークラブについてのご案内はこちらのページをご覧ください。

また、ガーデンストーリークラブ会員以外の方も、オンラインサロンの様子をYouTubeの同時ライブ配信でご覧いただけます。たくさんの方のご参加をお待ちしております!

*You Tubeライブ配信アドレス https://youtu.be/LBG9vK6odKk

草間さん

草間祐輔/くさまゆうすけ

1960年長野県松本市生まれ。千葉大学園芸学部卒業。園芸研究家。千葉大学園芸学部非常勤講師。ロサンゼルス郊外のガーデンセンターに勤務したのち、家庭園芸用薬品・肥料を製造販売する住友化学園芸に在職。家庭園芸での薬剤の使い方について研鑽を積み、講習会などで広く実践的な指導を行っている。テキスト『NHK 趣味の園芸』(今月の管理・作業)で 「今月気をつけたい病気と害虫」の執筆も担当。『最新版 植物の病気と害虫 防ぎ方・なおし方』(主婦の友社)、『NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビ Do 病気と害虫を防ぐ』(NHK出版)ほか、著書多数。初心者にも分かりやすい写真と解説に定評がある。

Credit

写真・文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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