30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了された遠藤昭さん。帰国後は、オーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、神奈川県の自宅の庭で100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストでも数々の受賞歴があり、60㎡の庭づくりの経験は20年になるという遠藤さんに、庭で育てがいのある植物を解説していただきます。

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剣葉植物コルディリネとニューサイランの違い

前回ご紹介したコルディリネと並んで、最近、新築住宅の庭の植栽に人気の剣葉植物が、ニューサイランだ。コルディリネと間違えやすい姿だが、コルディリネは木(木本)で年々背が高くなるのに対し、ニューサイランは草(草本)なので、花壇や寄せ植えにも使いやすく重宝である。ともに主な原産地はニュージーランドだ。

ニューサイランを育て始めた頃

このニューサイラン、日本で出回り始めたのは比較的新しい。もう30年近く前だが、メルボルン駐在中には、公園や個人宅でもカッコいいこのニューサイランをよく見かけた。1992年に帰国して、ニューサイランを育てたいと思っていたが、当時は園芸店では見かけることがなかった。僕が初めて通販でニューサイランを入手したのは1998年頃だったと記憶している。

記録に残っている一番古い写真は、2000年に地元の園芸店の寄せ植えコンテストに応募した時のものだ。まだデジカメも出始めで、こんな小さなサイズの写真しか残っていない。確かタイトルを「ニュージーランドの思い出」とし、めでたくグランプリを頂いた。今、見るとお恥ずかしいが、当時のレベルはこんな感じだったのだ。

やがて、このニューサイランを地植えにしたところ、すくすくと成長した。記録に残る18年間にさまざまな庭風景を演出してくれた。

印象に残るのが2007年頃。ちょうど、背景を飾るスクリーンのように扇を広げ、ピンク花のボタンや、デンドロビウム・キンギアナムを引き立ててくれた。こんな使い方もあるのだ。

そして、この原稿を書いている2018年7月の姿が上写真だ。庭がすっかりジャングル状態の“ジャングリッシュガーデン”になった。木生羊歯のディクソニアやソテツなどと、所狭しと生存競争をして、現在の背の高さは3m近い。

ニューサイランの種類

ニューサイランでは、ここまでご紹介してきた、葉にストライプの入った、Phormium tenax ‘Variegata’がポピュラーだが、ほかにもいろいろな品種が出回っている。

銅葉のPhormium tenax purpureum。
カラフルなPhormium tenax rainbow queen。

ニューサイランの性質と育て方

ニュージーランド原産なので、比較的耐寒性も強い。品種により差はあるが、大体-10℃近くまで耐えられるようだ。日のよく当たるところを好む。

ふやし方は、株分けだ。4月頃が適期。根が切れやすいので注意して堀り上げ、葉を短く切ると根がつきやすい。用土は水はけをよくするために、赤玉土6、腐葉土3、軽石1とする。

ニューサイランは地植えでも鉢植えでも姿がよく、絵になる。

寄せ植えの主役にもぴったりだし、宿根草花壇に入れても景色が引き締まる。

また、僕は植栽デザインを頼まれると、大体ニューサイランを入れる。今風のスタイリッシュなガーデンづくりにはぴったりだ。

旅で見つけたニューサイラン

ところで、ニュージーランドを旅行した時には、巨大な株に遭遇した。現地では夏に花をつける。日本ではあまり見かけない。

花をつけたニューサイラン。

最近、イギリスのコッツウォルズを旅したら、ストラットフォード・アポン・エイボンにこんな素敵なニューサイランの花壇があった。日本でも、公共花壇などに使用すると、素敵な都市景観に活躍しそうだと実感したニューサイランだ。

Credit

写真&文/遠藤 
30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。現在は、川崎市緑化センター緑化相談員を担当しながら、コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施。園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。

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