30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了された遠藤昭さん。帰国後は、オーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、神奈川県の自宅の庭で100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストでも数々の受賞歴があり、60㎡の庭づくりの経験は20年になるという遠藤さんに、庭で育てがいのある植物を解説していただきます。

コルディリネの葉色のバリエーション

最近、庭木に大人気の植物といえばコルディリネ・オーストラリス・プルプレア=Cordyline australis purpuleaだ。

和名をニオイシュロランと言い、緑の葉の品種はかなり以前から日本でもモダンな庭木として使用されていた。しかし最近は銅葉やピンク、赤色、斑入りとバリエーションもあり、選べる楽しさもある。

銅葉のコルディリネ・オーストラリス・プルプレア=Cordyline australis purpulea。
鮮やかな赤葉のCordyline ‘Electric Pink’。
斑入りの品種 コルディリネ‘トーベイダズラー’=Cordyline australis ‘Torbay Dazzler’。

原産国はニュージーランド

コルディリネ・オーストラリス=Cordyline australisというと、オーストラリア原産だと勘違いされる方が多いが、学名のオーストラリス=australisは、ラテン語で「南の」という意味で、原産は南半球のニュージーランドだ。たしかにニュージーランドでは巨大な株を見かけた。

もちろんオーストラリアでもポピュラな庭木で、メルボルンのフラワーショーでは、写真の鉢が49ドルと日本とほぼ同じ価格で売られていた。

コルディリネには耐寒性がある

コルディリネというと、寒さに弱い熱帯観葉植物のアイチアカ(C. fruticosa ‘Aichiaka’)等を連想するかもしれないが、ここでご紹介しているコルディリネ・オーストラリスの仲間は、ニュージーランドが原産ということでわかるように、比較的耐寒性があり、地植えにして少々の雪や霜に当たっても越冬できるのも魅力だ。

同じコルディリネ属だが、熱帯観葉植物のアイチアカ(C. fruticosa ‘Aichiaka’)は屋外の栽培に向かない。 Photo/Skyprayer2005/shutterstock.com

庭で活躍するコルディリネ・オーストラリス

カラフルな剣状の葉は庭のアクセントとなりシャープな印象を与え、庭の雰囲気を引き締めてくれる。

あまり見かける機会はないかもしれないが、5月に白い花が咲き芳香を放つ。

ニオイシュロランと呼ばれたのも、その理由かもしれない。ちなみに我が家のこの写真のコルディリネは、20年ほど前にタネを輸入して育てたもの。

コルディリネの剪定とゴザ編み

短くしたい分、ばっさりと切る。
切り残した幹から脇芽が出てきた。

地植えにしておくと数年でかなり大きくなるため、ある程度の所で幹を切ると、脇から芽が出てくる。寒い時期は避け、暖かくなる4~5月に好みの高さで切っても心配無用だ。

ニュージーランドの原住民のマオリ族は、コルディリネの葉でゴザを編んだり、ロープをつくったりしたと聞く。カットした頭頂部に残った葉を捨ててしまうのは惜しいので、ゴザを編むのも一案だ。我が家でも葉を編んで、愛犬のマットをつくってみた。夏はヒンヤリと気持ちよさそうだ。

また、コルディリネは、寄せ植えの主木にも人気だ。周りに少し草花をあしらうだけで、オーナメンタルなコンテナができ上がり。

今までの庭風景に飽きたら、コルディリネを一本植えると、きっと庭の雰囲気がキリリと引き締まる事、間違いなしだ。

Credit

写真&文/遠藤
30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。現在は、川崎市緑化センター緑化相談員を担当しながら、コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施。園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。