スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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一年草

選べる楽しさ! 冬から初夏までを彩るパンジー&ビオラ
見逃し注意! 新色・個性派のパンジー&ビオラ Quang Ho/Shutterstock.com 花色も花形も多種多様なパンジー&ビオラ。上の写真はほんの一例です。 育てやすくて可愛い品種が続々登場! 花が少なくなり、色彩が寂しくなる冬のガーデニングに欠かせない花といえばパンジーとビオラ。日本では、花苗の中で年間一位の売り上げを誇るほど人気がある花です。カラフルな色彩に加え、育てやすく、冬から翌年の初夏まで半年も咲き継ぐ花期の長さも人気の秘密。ほかの植物との相性もよく、寄せ植えにも活躍します。 そんな優秀なパンジー&ビオラに、続々と個性派の新品種が登場しているのをご存じでしょうか。大きく華やかなパンジーや小さく可愛らしいビオラ、フリルの入ったエレガントな花形、ニュアンスカラーのグラデーションを持つものや覆輪花……。ショップに足を運ぶと、種苗会社の新品種から個人育種家のパンジー&ビオラまで、迷ってしまうほどたくさんの魅力的な花苗が並んでいます。 1966年に、世界に先駆けて「F1」品種の大輪パンジーを発表したサカタのタネでは、以来パンジー&ビオラで200以上の品種を作出しています。そんなサカタのタネに代表される、日本で作出されたパンジー&ビオラは、国内にとどまらず各国で高い評価を受け、世界中のガーデナーに愛されています。この秋に植える植物を探している方、いつもと花色や花形を変えてみたい方は、パンジー&ビオラの品種チェックをお忘れなく。 虹色スミレ/サカタのタネの人気品種「虹色スミレ」。繊細なグラデーションと軽やかな色合いが美しく、花壇がぱっと華やぎます。赤と黄色のコントラストが温かな印象の‘メープル’や、花の中心部から外側に向かって、黄色、白色、ピンク色にグラデーションする‘スイートラブ’など全7種。 絵になるスミレ/ボリュームたっぷりに波打つ花弁が豪奢な「絵になるスミレ」は、濃厚なカラーと相まって、とても印象的。花弁が厚く、花もちがよいので切り花でも長く楽しめます。寄せ植えの主役としても◎。シックなワインレッドの‘ヴィーノ’や春らしい柔らかい色彩の‘パルム’など全5色。 よく咲くスミレ/その名の通り、なんといっても花つきのよさが魅力。株張りもよく、次々とあふれるように花開きます。白地に色幅がある濃い紫色が入る‘ラベンダーソフト’や濃い青色の‘ブルーハワイ’など、全19色の豊富なカラーバリエーションも特徴です。3品種すべて品種育成元:サカタのタネ パンジー&ビオラの育て方のコツ パンジーやビオラは日当たりと風通しのよい場所を好みます。一株でもボリュームがあり、特に暖かくなってくるとよく広がるので、花苗は10cm以上の間隔を取って植え付けるとよいでしょう。高温多湿に弱いので、植え付け時期は10月頃からがおすすめ。本格的な寒さが来る前に根をしっかり張らせることで、丈夫で花つきのよい株になります。 パンジー&ビオラは花つきがよいので、花がらをこまめに摘みましょう。花が咲いたままにしておくと、タネをつくって栄養が取られてしまうので、株が疲れてしまいます。花茎が伸びて株姿が乱れてきたら、切り戻しを行うとまた花が楽しめます。
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観葉・インドアグリーン

高級感のあるコチョウラン(胡蝶蘭)! 長く楽しむための上手な管理方法を教えて!
コチョウランについての豆知識をご紹介! Sornram Yamtanom/Shutterstock.com コチョウラン(胡蝶蘭)はラン科の植物で、コチョウラン属(Phalaenopsis)の植物です。 もともとは東南アジアの原産で、温暖な気候を好みます。冬に最低気温が10℃を下回る九州以北では、栽培のために温室が必要となるため、希少性と相まってやや高額なブランド性のある花として扱われ、ギフトにもよく使われます。「幸せが飛んでくる」という花言葉も、贈り物としても好まれる理由の一つでしょう。 原種の中には芳香性のものもありますが、流通しているのは、どんなシーンでも使えるよう品種改良された香りがないものがほとんどです。花や株のサイズ、咲きやすさなど、さまざまな面で品種改良が進んでいます。 以前はコチョウランというと贈答用の大株が多かったのですが、近年は小型サイズの「ミニ」、ミニと大株の中間のサイズ「ミディ」なども作られるようになり、自分で買って楽しんだり部屋に飾ったりする人も増えています。 花色は白、黄色、オレンジ、赤、紫、青など多様で、これらのベースの色に異なる色の模様が入る品種なども作られています。栽培技術が確立されているので、温度管理された環境があれば通年開花させて楽しむことができます。 コチョウランの育て方や、管理で欠かせない大切なことをチェックしよう! Stanislav71/Shutterstock.com コチョウランの育て方や、管理をする上でポイントとなることをご紹介します。 置く場所 marvelouscity/Shutterstock.com コチョウランはもともと熱帯雨林の樹木の幹などに着生する植物です。 葉が茂った樹木の木漏れ日を浴びながら育つので、常に強い日ざしが当たるのは好みません。直射日光にあまり長い時間当たると、葉の一部が焦げたようになる「葉焼け」を起こしてしまいますが、気温が上がらない午前中に1時間程度当たるだけなら大丈夫です。終日明るい木陰や軒下、サンルーム、薄いカーテン越しの日光が当たるような場所が適しています。 コチョウランは全く風が動かない室内や、風が強すぎる環境は苦手なので、適度に風通しのよい場所に置きましょう。室内であっても、人の行き来があるような場所なら風通しは十分です。 マンションのベランダでも、特に高層階になると通風がよすぎるので、他の植物で風を遮ったり、風があまり当たらない場所を選んで置くようにしましょう。 室内に置くときは、エアコンの風が当たる場所は避けましょう。コチョウランはずっと風が当たっている場所が苦手で、なおかつエアコンのような乾燥した風はさらに苦手だからです。 コチョウランは花持ちのよいのが特徴ですが、いくつか気をつけるべきポイントもあります。 花の中心には雄しべと雌しべが一体になった、ずい柱という部位があり、ここには花粉の塊がついているのですが、触ると取れてしまいます。 花粉が取れると、花は、他の花に花粉を受け渡す役割を終えたと勘違いして、しおれてしまいます。花びらや花茎を多少動かしても花粉が取れることはないのですが、花の中心部は花粉が取れやすいので気をつけましょう。特に小さなお子さんやペットがいる場合は、花に触れないような置き場を工夫するとよいでしょう。 コチョウランだけではなく、多くの花は咲き進むに従って体内からエチレンガスを出します。エチレンガスは植物や果実の成熟を促す働きもあるのですが、同時に老化も促進します。特にリンゴなどの果物から多量に発生することが知られているので、コチョウランやその他の切り花も、果物のそばに置くことは避けましょう。 水やり VidEst/Shutterstock.com ギフトでもらったり、一般に市販されているコチョウランは、ほとんどの場合、ポリポットに水ゴケで植えられています。水やりは、水ゴケがしっかり乾いてから行いましょう。 春から秋の生育期は根がよく水を吸い、気温も高くて水ゴケが乾きやすい時期ですが、それでも水やりの間隔は7〜10日程度はあけます。 風通しがよい場所では水ゴケの表面がすぐに乾いたり、表面に乾いた根しか出ていないこともあります。しかし、そんな状態でも鉢の中にはまだ湿り気が残っている場合もあるので、可能であれば、鉢やポットの底穴に指を入れて、ちゃんと乾いているか確認してみましょう。 市販のコチョウランだと透明のポリポットに植えられている場合もあります。透明のポリポットだと、鉢の内部の様子が目で見て確認できるので、まだ湿っているようであれば水やりは控えましょう。 1回に与える水の量は、鉢(ポリポット)の容積と同じくらい。部屋や家具を濡らさないように鉢受け皿を使っている場合は、毎回受け皿にたまった水を捨てましょう。水をためたままにしていると根が傷んでしまいます。 冬の間は、さらに水やりを控えます。 コチョウランの自生地では、寒い時期は同時に乾季でもあります。コチョウランは寒くなると葉や根を出して体を大きくする成長をやめ、根で水を吸う働きも弱くなります。そうした時期に水をたっぷりと与えてしまうと、過湿で根が傷んでしまいます。 もともとコチョウランは木の幹肌などにくっついて育つ植物(着生植物)で、根が空気にさらされた状態を好みます。したがって、冬の間は必要な分の水を吸ったら、すぐに根が乾く程度の分量の水やりを心がけましょう。鉢の表面に根が露出しているようであれば、そこにぬるま湯を霧吹きでかける程度でもかまいません。 冬は水道の水も冷たくなっています。室温〜30℃程度の水温のほうが根が傷みにくいので、手で触れても熱くない程度のぬるま湯を、鉢の容積の1/2〜1/3程度与えるとよいでしょう。鉢の表面に根が露出しているようであれば、底にぬるま湯を霧吹きでかける程度でもかまいません。 春から秋の生育期であれば、昼間の明るい時間に根がよく水を吸うので、午前中に水やりをすると、過湿状態が長く続くのを避けられます。 また、コチョウランは明るい昼間に光合成を途中まで行い、夜になると二酸化炭素を吸って光合成の続きを行います。このときに葉の気孔という穴を開くのですが、空中の湿度が低いと体力を消耗してしまいます。水やりに加え、夜寝る前に、コチョウランにサッと霧吹きをすると、その体力の消耗を防ぎ、より元気に育てることができます。 ギフト用のコチョウランの場合、ポリポットがラッピングされていたり、複数の株が大きな鉢に詰め込まれていたりします。この状態のままだと株が過湿になって傷みやすいので、ラッピングを外して一株ずつ育てましょう。 温度管理 Jakub Rutkiewicz/Shutterstock.com コチョウランが最もよく生育するのは、気温20℃前後です。 朝、昼、夜では気温は変化しますが、一日を通して18〜25℃程度に収まるのが理想です。これは人が快適に暮らすことができる温度帯でもあるので、十分な明るさと通風があれば、エアコンなどで温度管理された室内で育ててもよいでしょう。 戸外で育てる場合、春であれば最低気温が15〜18℃を超える頃から外に出すことができます。気温が40℃近くなる真夏は生育が鈍るので、風通しのよい日陰に移動させるか、冷房が効いた室内に入れます。最高気温が30℃程度になってきたら、再び外に出し、最低気温が15℃になる頃を目安に室内に取り込みます。 部屋の中は、足元と天井近くでは10〜15℃の温度差があるといわれます。コチョウランは多少の時間であれば10℃程度までは耐えられますが、常時寒い場所では枯れてしまいます。冬の室内での置き場の注意点としては、第1に床に近い低い場所は避けること。第2に、外の冷気と接する窓のそばには置かないことです。 コチョウランは温かい時期に生育し、気温が下がってくると花芽ができて開花します。 現在流通している品種は、さまざまな原種を交配して作られたものが多く、種類によってどのくらいの気温で花芽ができるかはまちまちですが、夏の暑い時期を経て、最低気温が18℃程度になると、たいていの種類は花芽ができます。 同じ品種であっても、外で栽培していて早めに室内に取り込んだ株と遅れて取り込んだ株では、咲く時期がずれることがあります。涼しい戸外に置く期間を変えることで、開花をずらすこともできます。 胡蝶蘭は咲き終わった後の手入れが大切! また花を咲かせよう VidEst/Shutterstock.com 続いて、花が咲き終わってからの手入れの仕方をご紹介します。 手入れ方法 Agnes Kantaruk/Shutterstock.com 育て方が分からず、そのまま枯らしてしまう人も少なくありませんが、咲き終わったコチョウランも、ちゃんと手入れをすれば、再び花を咲かせてくれます。 花が咲き終わったら、まずは花茎を支えていた支柱を外しましょう。 支柱と花茎はビニールタイやクリップなどで留めてあるので、まずこれを外します。支柱は植え込み材の水ゴケに差し込んであるので、引き抜きましょう。花茎はつけ根で切り取ります。 たくさんの花が咲いた株であれば、花茎の節(所々突起がある部分)を4〜5節残して切ると、条件がよければ1〜2カ月で新しい花芽が出て、2回目の花が咲きます。 ただし、咲くかどうか、また咲く花の数は、品種や栽培環境によります。特に、葉や根が傷んだ株は、体力を消耗しているため、あまり期待できません。また、小型のコチョウランは株が小さく、2度咲く体力がないものが多いので、花茎をつけ根で切り、春から秋までしっかり育てて株を充実させ、次の冬に花を咲かせることを目指しましょう。 飾り方 Maya Kruchankova/Shutterstock.com 花が満開になったら、切り花として楽しむことができます。花器に収まりやすい長さで花茎を切り、活けましょう。花だけを切って水に浮かべるのも美しく、おすすめです。 株のほうは、気に入った鉢や鉢カバーにそのまま入れるだけで、観葉植物として楽しむことができます。株姿を楽しむには、コルク板などに張りつかせる「着生」もおすすめです。着生させる素材としては、コルク板、ヘゴ板、焼き杉板、素焼きの植木鉢のかけらなどが適しています。 コチョウランを着生させるには、着生させたい素材の上に、水で戻した水ゴケを薄く広げ、その上に根をほぐしたコチョウランを木綿糸などで縛りつけて固定します。1年ほど経つと、根が素材に張りつき、野生味あふれる姿を楽しむことができます。着生させるのは、植え替え同様、春から秋の生育期が適しています。 コチョウランを長もちさせるための植え替え方法は? OLHA TOLSTA/Shutterstock.com コチョウランを長く育てるためには、植え替えが必要です。ここではその方法をご紹介します。 準備する nieriss/Shutterstock.com 植え込みの用土(植え込み材、コンポスト)は、水ゴケか小粒のバークチップを使います。 鉢はポリポットか素焼き鉢を使います。 植え込み材は、水ゴケのほうがバークチップより水もちがよく、バークチップは水はけがよいという特徴があります。鉢は、ポリポットのほうが水もちがよく、素焼き鉢は植え込み材が乾きやすいです。鉢のサイズは、左右に広がった葉の先端同士の間が25cmを超えるような大株であれば4〜5号(直径12〜15cm)、ミニやミディであれば2.5〜3.5号(直径7.5〜10.5cm)程度のものを使います。 そのほか、ハサミや、あれば園芸用ピンセットなどの道具を用意します。 他の株から病気がうつらないよう、鉢は新しいものを使い、用具や手指はあらかじめ消毒用アルコールや漂白剤などで消毒しておきます。 乾燥水ゴケを使う場合は、丸1日水につけて戻し、ザルに上げて水を切っておきます。固く握っても水が滴り落ちない程度まで水が切れているのが理想です。 植え替える Marvelous World/Shutterstock.com 植え替えは4月、最低気温が18℃を上回る頃が適期で、2年に1回を目安に行います(着生させている場合は不要)。 活発に成長している時期に植え替えるほうがその後の生育がよいのですが、真夏だと新しい根が出にくく、秋だと十分に生育する前に寒くなってしまいます。遅くとも6月頃までには済ませておきましょう。 コチョウランは通年流通しているので、手に入れる時期もまちまちかもしれません。理想としては、冬から早春に花が咲いたあと、暖かくなって気温が安定してきた頃に行いたいところです。真夏や秋に手に入れた場合は、春まで待って植え替えましょう。 ギフト用の大鉢は何株も植えられているように見えますが、じつは1ポットに1株ずつ植えたものが寄せ鉢になっています。ですから植え替えは、1株ごとに行います。 植え替えの作業としては、まず鉢から株を取り出します。 ポリポットの場合は、全体を軽く揉むと固まった根が緩んで取り出しやすくなります。根を傷めないように、ポリポットをハサミなどで切って外してもかまいません。 素焼き鉢の場合は、水ゴケと鉢の間にピンセットや割りばしなどを入れて、根鉢を少しずつ緩めながら取り出します。根が張りついていることがありますが、干からびていたら気にせずハサミなどで切ります。まだしっかりとした根であれば、鉢を金槌などで割ってもよいでしょう。 株を取り出したら、古い水ゴケやバークチップを取り除き、黒くなったり干からびたりしている根をハサミで切り取っていきます。 水ゴケ植えは、ガーデニングで行う鉢への植え付けとは、やや方法が異なります。まずゴルフボール大に水ゴケを固く丸め、植え替える株の真下に入れて、その周りを根が包むようにします。植え付ける予定の鉢の直径より一回り大きくなるよう、さらにその上に水ゴケを重ねていきます。これを鉢に詰め込みます。植え付け後、株をつかんで鉢ごと持ち上げても抜けないくらい固く詰め込むのがポイントです。 バークチップ植えは、一般的な草花の植え付けと似ています。 まず、鉢底が見えなくなる程度にバークチップを入れます。その上に株を置き、ウォータースペースが5mm〜1cmくらいになるようバークチップを追加していきます。割りばしなどでつついて、バークチップがしっかり鉢に入ったら完成です。 植え替え後の水やりは水ゴケ植えであれば15〜20日後、バークチップ植えであれば7日程度経ってから始めます。 ちなみに、植え込み材と鉢は、組み合わせによって乾き方が異なります。一般的な資材を使った以下の組み合わせでは①が最もよく乾き、④がもっとも乾きにくくなります。 ①素焼き鉢にバークチップ植え ②ポリポットにバークチップ植え ③素焼き鉢に水ゴケ植え ④ポリポットに水ゴケ植え ①はとても乾きやすいので頻繁な水やりが必要になりますが、水やりが好きな人なら苦にならないかもしれません。 ②は乾きやすいバークチップを使いますが、ポリポットに入れているので鉢内の湿り気は素焼き鉢よりも長く保たれます。水ゴケ植えだと根腐れさせてしまいそうな人は、こちらがおすすめです。 ③は水もちのよい水ゴケを使いますが、水分が表面から抜けやすい素焼き鉢なので、湿りすぎにはなりません。水ゴケの中心部には水分が長く残るので、多少水やりの間隔があいても枯れにくいといえます。 流通しているコチョウランの多くは④の組み合わせで植え付けられています。水もちのよい水ゴケを、これまた水を逃がしにくいポリポットで植えることで、鉢内に長く水分が残り、頻繁な水やりをしなくてもよいという、数千〜数万ポットを栽培する生産農家がローメンテナンスで育てるための組み合わせです。 この組み合わせのコチョウランに、ガーデニングの草花と同様の頻度で水を与えてしまうと、あっという間に根腐れしてしまいます。 どうしても胡蝶蘭を根腐れさせてしまうという人は、植え替えの際に①〜③の組み合わせを選ぶとよいでしょう。そのまま育てるのであれば、多肉植物と同じペースで水やりをするといいかもしれません。 コチョウランの管理、季節別のポイント! VH-studio/Shutterstock.com コチョウランを管理する上で注意すべきポイントを、季節別にご紹介します。 春夏の管理 kongpons/Shutterstock.com 徐々に気温が上がり、安定して最低気温が18℃を超えるようになったら戸外に出すことができます。 植え替えをするなら、4月中に済ませましょう。暖かくなると同時に、月に1〜2回程度、液体肥料を施し始めます。「ハイポネックス原液」であれば2,000倍が目安です。市販の洋ラン用の肥料でもよいでしょう。 梅雨に入ると水ゴケが乾きにくくなるので、しっかり乾いてから水やりを行うようにしましょう。 猛暑の、時期はなるべく涼しい環境を用意します。室内に明るい場所があるなら、取り込んで冷房をかけておくと傷みにくいです。 秋まで外で育てる場合は、日が当たらず風通しのよい場所に置くとよいでしょう。ベランダは床が熱くなることがあるので、高い場所に置いたり、吊り下げたりするほうが夏越ししやすいでしょう。 秋から春までは多少直射日光に当たっても大丈夫ですが、暑い時期はあっという間に葉焼けするので、夏の間は日差しを避けましょう。 秋冬の管理 NAPA/Shutterstock.com 近年では秋分の日を過ぎても猛暑が続くことがありますが、太陽の位置はだんだんと低くなってきます。 太陽の位置が低くなるに従って、夏の間は日が当たらなかった場所にも日が差すようになります。思わぬ葉焼けの原因となるので、突然強い光が当たらないように気をつけましょう。 徐々に気温も下がってきますが、一日の気温が18〜25℃に収まる時期はコチョウランにとって最も過ごしやすい時期でもあります。できるだけ明るい場所に長く置いて、しっかり生育させましょう。 外の気温が15℃を下回る頃までには、外に出しておいた株は室内に取り込みます。だんだんと根が水を吸わなくなるので、春夏のように水を与えていると、鉢の中の加湿状態が長く続くようになってしまいます。鉢の中がしっかり乾いたことを確認してから水やりを行いましょう。 室内では暖かい場所で管理しますが、暖房の温風が当たる場所は避けましょう。人が生活しやすい湿度50%前後を目安に加湿器をかけると、乾燥で株を傷める心配がありません。 コチョウランの管理で注意すべき点は? Viktoriia Kotliarchuk/Shutterstock.com コチョウランを育てていると下の葉が黄色くなってくることがありますが、必ずしも株が傷んでいるわけではありません。 コチョウランは、他の常緑の植物と同様に、古くなった葉を落とすことがあります。下の葉が黄色くなったら、まずはその葉だけ取り除いて様子を見ましょう。 コチョウランの葉は肉厚で、中に水や養分を蓄えています。いわば多肉植物の葉のような働きをしています。多肉植物でも水やりが足りないとシワが寄ってくることがありますが、コチョウランも同じで、水が足りない時にはシワが寄ってきます。この場合は水を与えれば元の状態に戻ります。 水やりをしても葉のシワが改善しない場合は、根が傷んでいて水を吸い上げることができない可能性があります。 これは、根が過湿になっていることが原因で、根腐れをしていると起こる現象です。水をやってしばらくしても葉のシワが直らないようであれば、植え替えをして腐った根を取り除きます。 根腐れを防ぐためにも、水ゴケがしっかり乾くまで間隔を置いてから水やりをするようにしましょう。 コチョウランを何年も楽しもう! 二度咲きも期待できる Old Man Stocker/Shutterstock.com お祝いやギフトとして贈られることも多いコチョウランは、しっかり管理すれば、手に入れたときにあった花茎からもう一度花が咲く二度咲きも期待できます。置き場所さえ適切なら、頻繁な水やりも必要なく、案外手のかからない植物であることに気づくかもしれません。ぜひ、管理のコツをつかんで、長く楽しんでみてください。
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育て方

【プロに学ぶ!】11月はクリスマスローズ絶賛生育中!開花を促す「古葉取り」のやり方とその効果
美しく進化し続けるクリスマスローズ ドレスの裾のように波打つ花弁が美しい‘プリマドレス®︎’。 凍てつく冬から春へ向かう頃、彩りの失われた庭にあかりを灯すように咲くクリスマスローズ。美しさを隠すようにうつむいて咲く姿はその気品にあふれ、「冬の貴婦人」と称されます。そっと手を添えて花の顔をのぞいてみれば、次の1輪ものぞかずにはいられないでしょう。クリスマスローズは無限とも思えるほどに花形、花色が変化に富み、可憐、華麗、清楚、艶美、シック…形容する言葉も魅力も尽きることがありません。 もともとは一重の素朴な花で、お茶席に飾るのに好まれていましたが、20年ほど前から日本での育種が盛んになり、近年ではダリアと見紛うような絢爛豪華な花も多数生まれています。今や日本のクリスマスローズは精緻な美しさと圧倒的なバリエーションで世界を驚嘆させるほど。そんなクリスマスローズの育種の第一人者が、横山園芸の横山直樹さんです。 「おはなよろこぶチカラコブ」のキャッチフレーズで、さまざまなメディアでもお馴染みの育種家、横山直樹さん。 歴史に残る名花を生み出し続ける育種家、横山直樹さん 株を覆うように白い花を咲かせている‘プチドール®︎’。 横山さんは、これまでクリスマスローズにはなかった小輪で多花性、コンパクトな株姿に小さい葉っぱが特徴の‘プチドール®︎’や、花弁数が40枚以上になる大輪で華やかな‘プリマドレス®︎’など、数々のオリジナル品種の名花を誕生させています。近年では、なんと247枚もの花弁をもつプリマドレス‘ルナソラ’という奇跡のような花も開花(未発売)。こうした華やかな進化の一方で、横山さんが育種に情熱を注ぐのは、一重の素朴な花です。 ほんのり桜色に色づく‘ヨシノ’。 横山さんが育種した一重のクリスマスローズ ‘ヨシノ’は、和紙のような繊細な透明感があり、淡い色づきはソメイヨシノを思わせます。増殖が難しく流通量が少ないため「幻の花」とも呼ばれ、いつか手に入れたいと夢見る愛好家は少なくありません。‘ヨシノ’の交配親は中国に自生し、長年幻の花とされていた原種チベタヌス。冷たい空気の中で紅潮する頬のような淡桃色の花は、ほかにはない美しさですが、平地での栽培は非常に難しく、交配でも敬遠されてきました。しかし、横山さんは根気よく交配に挑み、ハイブリッドとの種間雑種を成功させ、原種チベタヌスの美しさはそのままに、丈夫な性質を与えました。それが ‘ヨシノ’です。‘ヨシノ’は英国王立園芸協会で発表されるやいなや、その類稀な美しさとともに、その後のクリスマスローズの育種に大きな変化をもたらすものとして、世界で注目を浴びました。 丈夫で初心者も美しい花を咲かせられるクリスマスローズ クリスマスローズは庭植えで丈夫に育ち、次第に花数を増やす。 ‘ヨシノ’のような希少種は栽培が難しそうと思われることが少なくありませんが、前述の通り性質は丈夫で育てやすいのが魅力。‘ヨシノ’に限らず、クリスマスローズは丈夫で育てやすく、宿根草なので一度植えれば何年も同じ季節に咲いてくれ、次第に株が太って花数も多くなります。庭植えでも鉢植えでも楽しめ、栽培に苦労することは一部の品種をのぞいてあまりありません。 ただし、「冬の貴婦人」であるだけに、多くの植物が旺盛に生育する夏は休眠し、10月に再び目覚めて生育を始めるなど、ほかにはない特色があるため、性質を知って適期適切に手入れをする必要があります。今月11月は、まさにクリスマスローズの生育期。現在進行形で、株はますます活発に成長しています。植え替え、株分け、追肥などの適期でもあり、「古葉取り」というクリスマスローズ特有の作業をする時期です。 冬にやりたいクリスマスローズの「古葉取り」とは 春に茂った葉は、秋以降は枯れて傷んできます。これを古葉と呼びます。この時期には株の中心部に花芽ができ、それに押し広げられるように古葉は横に開いて倒れてきます。この古葉を取り除くことで株元によく日が当たり、地温も上昇して花芽の生育を促します。同時に、古葉が切られる刺激によりホルモンが働き、開花を促す効果があります。また、株元の風通しがよくなることで、灰色かび病の発生を防除することにもつながります。ただし、有茎種、中間種、H.ニゲル系の種間雑種は傷んだところのみ切り取ります。古葉取りは、株が生育する11月〜1月に行います。 やり方は簡単。株元から5cm以上を残してカットするだけです。茎を長めに残すのは、カットした先端から水滴が出るためです。短く切るとこの水滴が株元にたまってカビが発生したり、新芽を傷める可能性もあるため、茎は5cm以上残します。手で折り取るようにするか、ハサミで切る場合はハサミを消毒してから使います。複数の株の古葉取りをする際は、株ごとにハサミを消毒しながら切るのが理想的。ウイルス病に罹患している株がある場合、ほかの健全な株へ感染してしまうのを防ぐためです。全部を切る必要はありませんが、古葉は外側に倒れてくるので、不要なものは切りましょう。 丁寧な解説でクリスマスローズ初心者も安心の1冊 こうした月毎の手入れやクリスマスローズの特性についてまとめた横山直樹さんの新刊『新版 クリスマスローズ〜この1冊を読めば原種、交雑種、栽培などすべてがわかる』(誠文堂新光社刊)が2023年11月に発売されました。なぜその作業が必要なのかや、作業工程が写真で丁寧に解説され、初心者でも迷うことがありません。 また、‘プチドール’や‘ヨシノ’といった歴史に残る革新的な花がどのように生まれてきたのか、育種家のあくなき挑戦と情熱に触れられるストーリーも収録されています。さらに、写真家、鞆岡隆史(ともおかたかし)氏による美しい写真ギャラリーやクリスマスローズのフラワーアレンジメントも紹介され、クリスマスローズの魅力を堪能できる1冊です。
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樹木

ペルネッティア(真珠の木)は可愛い実が魅力! 特徴や育て方を詳しく解説
ペルネッティアの基本情報 COULANGES/Shutterstock.com 植物名:ペルネッティア学名:Gaultheria mucronate英名:Prickly heath和名:シンジュノキ(真珠の木)その他の名前:ハッピーベリー、パールツリー、ペルネティア科名:ツツジ科属名:シラタマノキ属(ゴーテリア属)原産地:チリ、アルゼンチン分類:常緑性低木 ペルネッティアは、ツツジ科ゴーテリア属(旧ペルネッティア属)の常緑性低木です。原産地は南米のチリやアルゼンチン。高地に自生する植物なので夏の暑さに弱く、冬は温暖で十分な湿度のある気候を好みます。幹を持たずに地際から数本の枝を伸ばす、株立ちの樹形が特徴です。自然樹高は50〜100cmですが、鉢植えにして毎年剪定すればコンパクトな樹形を保つことができます。 ペルネッティアの花や実の特徴 Elena Zajchikova/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:5〜7月観賞期:10~2月(実)樹高:50〜100cm耐寒性:強い耐暑性:やや弱い花色:白 ペルネッティアの開花期は、5〜7月頃。スズランに似たベル形の白い花を咲かせます。一つひとつの花は小さく、花径は1cm以下です。開花後に受粉すると10〜12月頃に1cm前後の艶やかな果実がつきます。果実の色は種類によってさまざまで、白、ピンク、赤、紫などが出回っています。太い幹はなく、地際から小枝をたくさん出して2cm前後の小さく艶やかな葉を茂らせます。葉は互生につきます。 ペルネッティアの名前の由来や花言葉 Nahhana/Shutterstock.com ペルネッティアは、以前はペルネッティア属に分類されていたため、学名の名残でそのままペルネッティアと呼ばれています。和名の「真珠の木」は、真珠のように輝く白い実をつけることから名付けられました。近年は「ハッピーベリー」という名前で知られるようになっていますが、これは園芸品種の一つです。 ペルネッティアの花言葉は「実る努力」「小さな幸せがいっぱい」「ひそかな情熱」など。これは艶やかな美しい果実がたわわに実る様子が由来となっているようです。 ペルネッティアと同じ属に分類される仲間 シラタマノキ属に分類される、ペルネッティアの仲間について、主なものをいくつかご紹介します。 チェッカーベリー 秋から色づく艶やかな赤い実が愛らしく、クリスマスやお正月の演出によく使われます。樹高20cmほどの常緑低木。開花期は6~7月で、釣り鐘形の白い小花を咲かせます。寒さには強く、丈夫で育てやすいですが、乾燥は嫌うので寒風が当たらない場所に置き、水切れに注意します。 シラタマノキ シラタマノキ属に分類される植物の中で、日本に自生する3種のうちの一つ。北海道と中部地方以北の亜高山帯から高山帯に分布し、比較的乾燥した場所に自生しています。名前のとおり秋に白い実をつけ、別名シロモノとも呼ばれます。熟した果実は食用もでき、果実酒などに利用されます。 ペルネッティアの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜7月植え付け・植え替え:3月頃肥料:3〜6月、9月中旬〜10月入手時期:9〜12月種まき:3月頃 ペルネッティアの栽培環境 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】風通しのよい日向で栽培します。暑さを苦手とするので、基本的に鉢栽培とし、季節に応じて適した場所に移動しながら管理することがポイントです。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本で、日当たりが悪い場所では間のびぎみの頼りない草姿になり、花つき・実つきともに悪くなります。 【置き場所】夏の高温多湿に弱いため、梅雨明け以降から秋の彼岸くらいまでは、半日陰の涼しい場所に移動しましょう。寒さには強いですが霜や寒風が苦手なので、冷たい風が吹きつける場所を避け、凍結しない日当たりのよい軒下などで管理します。 温度 耐寒性は強く、マイナス15℃程度まで耐えますが、霜や寒風が苦手なので、冬は凍結しない日当たりのよい軒下などに移動しましょう。 ペルネッティアの育て方のポイント ここまで、ペルネッティアの基本情報、名前の由来や花言葉、花や実の特徴などについてご紹介してきました。ここからはガーデニングの実践編として、適した用土や植え付け、水やりや施肥、日頃の管理など、育て方について詳しく解説します 用土 blueeyes/Shutterstock.com 贈答用の鉢花を入手した場合は、ワンシーズンはそのまま植え替えずに開花や結実を楽しみましょう。ポット苗を入手した場合、ペルネッティアは酸性土壌を好むので、ツツジやブルーベリーの栽培用にブレンドされた培養土を利用して植え替えると手軽です。一般的な草花用の培養土を利用する場合は、鹿沼土やピートモスを混ぜ込んで調整するとよいでしょう。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 鉢栽培が基本で、乾燥しやすいために日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし多湿を嫌い、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。特に、花弁に水がかかると傷みやすくなるので注意が必要です。 また、真夏は気温の高い昼間に水やりすると、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。一方、真冬は、気温が低くなる夕方に水やりすると凍結の原因になることもあるので、十分に気温が上がった真昼に行うようにしましょう。 肥料 sasimoto/Shutterstock.com 鉢栽培の場合は、水やりとともに肥料成分が流失しやすいので、肥料を切らさないように管理することが大切です。 生育期の3〜6月は、緩効性肥料を月に1度を目安に株の周囲にばらまいて、軽く耕して土に馴染ませます。または、10日に1度を目安に液体肥料を与えてもよいでしょう。7〜8月の真夏は、肥料を与えるとかえって株が弱ることがあるので、肥料を切らして管理します。涼しくなった9月中旬〜10月に、緩効性肥料または液肥を与えて株の勢いを取り戻しましょう。 気をつけたい病害虫 ペルネッティアは、病害虫の心配はほとんどありません。 ペルネッティアの詳しい育て方 苗の選び方 実や葉にハリがあり、株元がしっかりしている苗を選びましょう。 植え付け ペルネッティアの植え付けの適期は、3月頃です。 まず、5〜6号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてからツツジやブルーベリーの栽培用に配合された培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取りましょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。 日常のお手入れや注意点 【摘心】 苗木が幼いうちに枝の先端を切ると、わき芽が出てボリューム感のある樹形になります。この摘心を行うことで、枝が上に間のびするのを防ぎ、コンパクトにまとまってこんもりとバランスのよい樹形に仕立てることができます。 【果実の除去】 越年して3月頃になっても実がついているようなら、切り取っておきます。果実をつけたままにすると体力を消耗し、次のシーズンに開花する力が弱まって花つきが悪くなるためです。 【人工授粉】 ペルネッティアは雌雄異株なので、2年目以降も実を楽しみたいなら雄株が必要です。より確実に結実させるには人工授粉をするとよいでしょう。詳しい人工授粉のやり方は、後述の「ペルネッティアを人工授粉する方法」をご覧ください。 剪定・切り戻し Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 越年後、剪定せずに放任していると、枝葉が上へ上へと伸びて樹形が乱れてきます。見栄えのよい状態を保つために、剪定して樹形を整えましょう。剪定の適期は開花中です。花が終わった後に実る果実を観賞するので、花がついていない枝を選んで切り取ります。込み合っている部分があれば、間引くように剪定して風通しをよくし、長く伸びすぎてバランスを乱している枝があればカットしておきます。 植え替え 鉢植えで楽しんでいると、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、古い根が絡み合っているようであればカットして整理しましょう。植え替えの際には、新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ペルネッティアは、種まきと挿し木で増やすことができます。 【種まき】 ペルネッティアは、種まきからでも育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。多数の苗を作りたい場合は、コストカットにもなります。 種まきの適期は3月頃です。実った果実から取り出した種を利用します。種まき用のセルトレイにツツジやブルーベリー用にブレンドされた市販の培養土を入れ、1穴当たり1〜2粒ずつ播きます。種が隠れる程度に土を薄くかけ、はす口をつけたジョウロで高い位置から優しい水流で水やりをしましょう。発芽までは、乾燥・過湿にならないように適度な水管理をしてください。発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜4枚出始めたら黒ポットに鉢上げします。さらに育苗して根鉢が充実して十分に育ったら、植えたい場所に定植します。 【挿し木】 ペルネッティアは、挿し木で増やすことができます。挿し木とは、枝葉を切り取って地面に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ペルネッティアは挿し木で増やせます。 ペルネッティアの挿し木の適期は、6月頃です。5cm程度を目安に、新しく伸びた枝を切り口が斜めになるように切り取ります。つぼみがあればすべて取り、葉は先端の2〜3枚を残して下の葉は切り取ってください。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり、風通しのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。 ペルネッティアの夏越し・冬越し GIOIA PHOTO/Shutterstock.com ペルネッティアは暑すぎず、寒すぎない気候を好む植物で、日本の酷暑、厳寒と表現される極端な気候条件は苦手です。そこで、日本で栽培する際の夏越しや冬越しの方法についてご紹介します。 夏越しの方法 もともと高山に自生してきた植物なので、猛暑と呼ばれる日本の夏は苦手です。西日の当たる場所を避け、風通しのいい半日陰の場所に移動しましょう。そのような場所がなければ、遮光ネットや寒冷紗などを張って、直射日光にさらされないように対処してください。夏に木が弱ると、実がつかなくなるので、十分な暑さ対策を施すことが大切です。 冬越しの方法 寒さには強いほうですが、乾燥を嫌うため、常に寒風が吹きつけて乾燥しやすい場所には置かないようにしてください。また、凍結しないよう、日当たりがよく霜が降りない軒下などに移動するとよいでしょう。乾燥を防ぐために株元にバークチップなどのマルチングを施しておきます。 ペルネッティアを人工授粉する方法 Nahhana/Shutterstock.com 実った果実を観賞する植物ですが、雌雄異株なので、2年目以降もたわわな実姿を楽しむためには、雄株も一緒に育てるとよいでしょう。 開花期は5〜7月で、日本では雨の多いシーズンにあたるため、雨で花粉が流れて実つきが悪くなってしまうことがあります。そのため、果実を確実につけたい場合は人工授粉をするとよいでしょう。人工授粉のタイミングは、花が咲いて新鮮なうちに行うのがよく、晴れた日の朝8〜10時がベスト。花粉のついた花を摘み取り、花弁を取り去って、雄しべを雌株の花の雌しべにこすりつけます。何度か繰り返し行うと、授粉の確率が高くなります。 ペルネッティアが枯れる原因とは GIOIA PHOTO/Shutterstock.com 「大切に育てていたのに、枯れてしまった! どうして!?」という声が寄せられることもありますが、それにはいくつかの理由が考えられます。ここでは、その原因について考察していきます。 土壌が酸性ではない 酸性の土壌を好むので、植え付けや植え替えの際は、ブルーベリー用の培養土を選ぶとよいでしょう。同じ土に植えたままにしていると、土壌酸度が低くなってしまいがちで、生理障害を起こしてどんどん元気がなくなっていきます。1〜2年に1度は、適した土壌酸度の培養土を使って植え替えることが大切です。 暑さで弱った ペルネッティアの故郷は高山地帯のため、夏も涼しい環境を好みます。日本の暑い夏は過酷な環境となるため、できるだけ涼しく風通しのよい場所に移動して管理しましょう。 根腐れを起こした 乾燥が苦手とはいいながらも、常にじめじめとした多湿な環境になると根腐れを起こしやすくなります。表土が白くしっかり乾いたら、たっぷりと水やりすることを心がけ、適湿を保つようにしてください。水やりをしても吸い上げが弱い、しおれている、葉が変色している、土にカビが生えている、といった状態であれば、根腐れが原因として考えられます。 ペルネッティアを育てて可愛い実を楽しもう Irina Kvyatkovskaya/Shutterstock.com ペルネッティアは、初夏に咲くスズランのような花が愛らしく、秋からは艶やかな実姿を楽しめる、魅力的な鉢花です。暑さに弱いため、ケアに気を配る必要がありますが、手をかけた分だけ美しい姿で応えてくれます。ぜひ庭やベランダに迎えてみてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

カランコエは冬に咲くカラフルな花が魅力! 特徴や育て方を詳しく解説
カランコエの基本情報 inxti/Shutterstock.com 植物名:カランコエ学名:Kalanchoe英名:Kalanchoe和名:リュウキュウベンケイ(琉球弁慶)科名:ベンケイソウ科属名:リュウキュウベンケイ属(カランコエ属)原産地:アフリカ南部、東部、アラビア半島、東アジア、東南アジア分類:常緑多年草 カランコエはベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属(カランコエ属)の多年草です。原産地はアフリカ南部、東部、アラビア半島、東アジア、東南アジアなど。約100種が確認されており、大きく分けると花を観賞するタイプと、葉を観賞するタイプがあります。ここでは冬の鉢花として親しまれてきた、花を楽しむタイプについてご紹介します。 カランコエの花や葉の特徴 園芸分類:観葉植物・草花開花時期:1〜5月草丈:10〜50cm耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:赤、オレンジ、ピンク、黄、白など 開花時期は1〜5月ですが、開花調整されたものが通年販売されています。花色は赤、オレンジ、ピンク、黄、白など。一重咲きのほか、八重咲きやベル形の花も出回っています。草丈は10〜50cm。寒さに弱く、耐寒温度は10℃くらいなので、基本的に鉢栽培にし、晩秋からは室内に取り入れます。初夏まで開花を楽しみ、その後は戸外に出して適した場所に移動しながら管理するとよいでしょう。 カランコエは肉厚な葉をもつ多肉植物で、体内に水分を溜め込んで乾燥した気候を乗り切る能力を身につけています。そのため水の与えすぎに注意し、乾燥気味に管理しましょう。また、日が短くなると花芽をつける短日植物なので、室内では、夜に照明が届かない暗い場所に置くよう注意しましょう。 カランコエの花言葉や名前の由来 Yui Yuize/Shutterstock.com 「Kalanchoe」という名前は、同属の植物「加籃菜」の中国語発音から、フランスの博物学者ミシェル・アダンソン(1727~1806)が名づけたという説が有力です。日本での花言葉は「幸福を告げる」「たくさんの小さな思い出」などで、小さな花をたくさんつける株姿から。一方、西洋での花言葉は「人気」「人望」などです。 また風水では、子孫繁栄を象徴する縁起のよい植物とされています。それは、一部に葉から多くの芽を出す種類があるほか、花つきもよく強い生命力をイメージさせるため。子宝に恵まれるとして、妊娠を希望する方へのプレゼントに選ばれることも多いようです。 カランコエの代表的な種類 Ivanka I/Shutterstock.com 主に、草丈20cm以下のミニサイズと、30〜50cmのレギュラーサイズに分類されます。 カランコエ・プミラ‘白銀の舞’は、草姿全体が細かい産毛で覆われているため、シルバーがかった姿が美しく、カラーリーフとしても人気。ピンクの花が咲き、やや寒さに強い性質を持っています。‘ウェンディ’はオランダで作出された改良品種で、草姿がコンパクトにまとまり、花が次々と咲くのが特徴。「クイーンローズ」シリーズはバラのような咲き姿を見せる八重咲き種で、花もちがよい特性があります。花色は白、ライム、オレンジなど。 カランコエの栽培12カ月カレンダー 開花時期:1〜5月植え付け・植え替え:5〜6月、9月肥料:5〜12月入手時期:通年(主な流通は晩秋~初春)挿し芽:4~7月、9月 カランコエの栽培環境 Dmytro Dzhyrma/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日向で風通しのよい場所が適しています。6月から10月までは屋外で栽培できますが、強い日差しにより葉焼けすることがあるので、真夏は明るい半日陰で管理するとよいでしょう。 【日当たり/屋内】明るい窓辺など、よく日の当たる場所で育てましょう。日光不足だと花色や葉色が冴えずに花つきも悪くなり、徒長して軟弱な株になります。 【置き場所】日照時間が短くなると花芽をつける短日植物なので、夜も明るい場所に置くと花芽がつきにくくなります。そのため秋以降は、夜に照明が届かない場所に置いてください。もしくは、日が落ちたら箱をかぶせるなどして暗くしてもよいでしょう。 温度 寒さには弱く、10℃を下回ると生育に影響が出ます。11月から5月くらいまでは室内の明るい窓辺などに移動しましょう。 カランコエの育て方のポイント カランコエは、基本的に冬の鉢花として出回っており、寒さに弱いために地植えではなく、鉢栽培で楽しみます。ここでは鉢栽培での管理のポイントについて、詳しくご紹介します。 用土 Wstockstudio/Shutterstock.com 贈答用の鉢花を入手した場合は、そのまま植え替えずに開花を楽しみましょう。ポット苗を入手した場合は、市販の草花用培養土を利用して植え替えると手軽です。または、自身で培養土をブレンドする場合は、赤玉土小粒5、腐葉土3、酸度調整済みのピートモス2の割合で用いるのがおすすめ。さらに元肥としてリン酸分を多めに含む緩効性肥料を施しておくとよいでしょう。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 鉢栽培が基本なので、日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、もともとは乾燥地帯で多肉質の葉に水分を溜め込んで生命をつないできた植物なので、乾燥に強い反面多湿を嫌うので注意。いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。特に花弁に水がかかると、傷みやすくなるので注意が必要です。また、真夏は気温の高い昼間に水やりするとすぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。一方真冬は、気温が低くなる夕方に水やりすると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に行うようにしましょう。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 5〜9月まで、緩効性肥料を月に1度を目安に与えます。ただし、真夏は暑さによって株が消耗するため、肥料を与えるとかえって弱ることがあります。控えめにするか、与えずに乗り切るとよいでしょう。10〜12月は、速効性のある液肥を、10日に1度を目安に与えます。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 カランコエが発症しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすい病気で、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 カランコエに発生しやすい害虫は、カイガラムシ、アブラムシなどです。 カイガラムシは、体長2〜10mmで、植物の幹や枝について吸汁し、だんだんと弱らせていきます。また、その排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 カランコエの詳しい育て方 苗の選び方 花芽の多い、徒長していない株を購入するとよいでしょう。 植え付け・植え替え カランコエの植え付けの適期は、5〜6月か9月頃です。 まず、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るよう、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。水やりや降雨時の泥はねによって病気が発生するのを防ぐために、表土にバークチップなどを敷いておくとよいでしょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替えの適期は、開花が終わった後の6月頃です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。手始めに、草丈の半分くらいまで切り戻しておきましょう。そして鉢から株を取り出して根鉢をくずし、新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 日頃の管理 【摘心】 夏に新芽が出始めたら、早めに茎の先端を切り取る「摘心」をしておきましょう。そうすることで分枝して茂り、株張りがよくなって花茎の数も多くなります。 【花がら摘み】 終わった花は、早めに花茎の付け根で摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【切り戻し】 草姿が乱れてきたら5〜6月と9月に切り戻して、株の若返りをはかります。新芽がついている部分は残し、地際から草丈の半分くらいの高さを目安にカットしましょう。株が込み合っているようなら、数本の茎を地際から切り取り、風通しをよくします。 【汚れを落とす】 インテリアに飾って楽しんでいる場合、葉にホコリが付着しやすいので、気になる場合は、洗い流して取り除いておきましょう。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、カランコエは挿し芽で増やせます。 挿し芽の適期は、4〜7月か9月頃です。新しく伸びた茎葉に葉を3〜4枚つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。黒ポットを用意して新しいバーミキュライトを入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は乾燥気味に管理し、成長して根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 季節別の管理方法のポイント Alexey Medvednikov/Shutterstock.com 鉢植えにして育てるのが基本で、移動しやすいために季節に応じて適した場所で管理できるのがメリットです。日本は四季がはっきりしていて、夏や冬は厳しい気候条件となりますが、どんな場所で管理するのが適しているのか、解説します。 夏越し 暑さには強い性質を持っているので、鉢を戸外に出してもOK。ただし、強い日差しを浴び続けると、葉焼けを起こすことがあります。そのため梅雨明け以降の夏の暑さが本格化する前に、軒下やオーニングの下など強光線にさらされない半日陰の場所に移動するとよいでしょう。また、暑さで株が消耗し、肥料を与えるとかえって弱ることがあるので、真夏は肥料を与えないこともポイントです。 冬越し 寒さに弱く、耐寒温度は10℃以上とされています。生育期に戸外で管理していた場合は、寒くなる前に室内の日当たりのよい窓辺などに移動しましょう。気温が10℃以下になるとつぼみがつきにくくなり、5℃以下になると生育が止まって、悪くすると枯死することがあるので注意。また、冬の夜温は窓辺から冷えてくるので、室内に置いていても油断しないようにしてください。 温度や水やり、日照時間に配慮して、カランコエを冬の部屋でも楽しもう! barmalini/Shutterstock.com カランコエは室内を彩る鉢花として重宝しますが、多肉植物かつ短日植物であるため、季節ごとに適した場所へ移動して管理する必要があります。日照時間に配慮するなどのケアも必要ですが、その手間をかけた分、冬に見事な花を咲かせてくれると、喜びはひとしお。ぜひカランコエの栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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常緑樹なら手入れも楽! 庭木におすすめの品種や選び方のポイントをご紹介
ほかの樹木とどう違う? 常緑樹の特徴とは Wattlebird/Shutterstock.com 常緑樹とは、秋に一斉に落葉することなく、一年中葉を保つ樹木のことです。庭に数本植えておくと、冬もみずみずしい姿を楽しむことができます。とはいえ、常緑樹の葉はずっと枯れない訳ではありません。葉の寿命は種類によって異なりますが、一定の期間を過ぎれば枯死して落葉します。しかし、次々に新しい葉が芽吹くため、常に葉が茂っているように見えるのです。木が生きている限り、葉の新陳代謝は行われていますが、冬は生育が止まって既存の葉が残るのみとなります。 さて、常緑樹は常緑広葉樹と常緑針葉樹の2つに分類されます。常緑広葉樹は、カシやシイなどのように広くて光沢のある葉を持ち、もともとは熱帯~暖温帯の暖かい地域がルーツで、寒さが苦手。常緑針葉樹は、コニファーなどのように小さくて細い葉を持ち、主に冷温帯~亜寒帯などの寒い地域に自生することが多い樹木です。 常緑樹が庭木としておすすめな理由 秋に葉を一斉に落とす落葉樹は、冬になると幹や枝があらわになって、寂しい雰囲気を与えてしまいがち。常緑樹なら、冬でも美しい葉姿を楽しめるのが魅力です。落ち葉掃除などのメンテナンスが楽なうえ、外からの目隠しや境界線となる生け垣に利用できるというメリットもあります。 栽培や手入れにあまり手間がかからない Guppy2416/Shutterstock.com 常緑樹は落葉期がないために、落葉樹に比べて落ち葉掃除の手間がかからないといわれます。しかし「新陳代謝によって次々と葉が入れ替わるのなら、手間は同じでは?」と疑問に思うかもしれません。でも、落葉樹が毎年秋に一斉に葉を落とすのに比べ、常緑樹の葉の寿命は一般的に2~5年くらいなんです! 落ち葉の掃除もその分ラクになるという訳です。また、もともと日本に自生する種類も多いため、環境に馴染みやすい樹種を選べば、手をかけずともすくすくと育ちます。 常緑樹は目隠しになる romakoma/Shutterstock.com 常緑樹に限らず、樹木は低木・中木・高木と、成木になった時の樹高によって分類することができます。外から自宅に向けての視線を遮りたい場所に、ちょうどよい樹高の常緑樹を植えれば、周年葉をつけているので立派な目隠しとして重宝します。隣の家と密接していて視線が気になる場合や、交通量の多い道路に面した部分などには、一年中葉をつける常緑樹を植えるとよいでしょう。ツゲやサワラ、ドウダンツツジ、ウバメガシなどは葉を密に茂らせるので、生け垣にして「緑のフェンス」として利用するのもおすすめです。 庭木におすすめな常緑樹5種類 メンテナンスがしやすく、目隠しとしても利用できる常緑樹。ここでは、庭木として取り入れやすく、人気の高い常緑樹を5種、ピックアップしました。成長に合わせて必要な剪定のポイントも併せて解説しています。 1.シラカシ Martin Fowler/Shutterstock.com シラカシはブナ科コナラ属の常緑高木で、自然樹高では15mにも達するほどです。公園にもよく植栽される樹木で、強健で冬の寒さに強い性質があります。秋にはドングリを実らせるので、クラフトにも活用できそうです。強い生命力を持ち、葉を密に茂らせるので、刈り込みバサミで剪定すれば、生け垣にも利用できます。一方で、生育スピードが速いので、6~7月上旬と9月の年に2回を目安に、しっかりと剪定をして樹形をコントロールすることが大切です。茂りすぎると内側から枯れ込んでくるので、古い枝や内側に向かって伸びる枝などを付け根で切り取りましょう。込み合っている部分をすいて風通しよく管理することで、病害虫の発生を抑制することにもつながります。 2.コニファー BobrinSKY/Shutterstock.com コニファーは針葉樹の総称です。樹高が高くなる種類もあれば、這うようにして広がる種類もあるほか、葉の色もシルバーグリーンやイエローグリーン、ブルーグリーンなど多様。庭の雰囲気に合わせて選べる種類の豊富さが魅力です。ただし、樹形や生育スピード、耐寒性の強弱なども多様なため、前もって育てたいコニファーの性質をよく調べてから取り入れることが大切。自然に樹形が整いやすいものの、剪定が不要な訳ではなく、生育スピードに合わせた剪定も必要です。庭木として取り入れやすい、ポピュラーなコニファーは、ニオイヒバ‘スマラグ’(エメラルドグリーン)、‘グリーンコーン’、コロラドトウヒ‘ホプシー’、ジュニペルス‘ブルーアロー’など。 3.キンモクセイ Aoi190/Shutterstock.com キンモクセイ(金木犀)は、キンモクセイ科モクセイ属の常緑高木。オレンジ色の小花をたっぷりと咲かせ、芳香を強く漂わせるので、秋の風物詩となる庭木です。自然にまとまりやすい樹形ですが、自然樹高は約6mにも達するので、ある程度の高さになったら毎年剪定をして、樹高をコントロールしましょう。キンモクセイは春から伸びる新梢に8月頃に花芽がついて、9月下旬~10月に開花するので、花芽のない時期を選べばいつでも剪定できます。ただし、寒さにやや弱い性質があるので、生育期に入った春頃に行うのが無難です。長く伸びた枝や、込み合っている部分の枝を切り、前年くらいまでのサイズに戻しましょう。和風庭園なら、刈り込んで円筒状に仕立てることもできます。 4.シマトネリコ nitinut380/Shutterstock.com シマトネリコは、モクセイ科トネリコ属の常緑高木。軽やかな照り葉がサラサラと風に揺れる姿はたおやかで、シンボルツリーとしてもよく、近年特に人気の高い常緑樹です。地際から数本の細い枝を立ち上げる、株立ち種が流通のほとんどで、この繊細な樹形も人気の理由です。ただし、生育スピードが速く、自然樹高では10mにも達するほど。剪定を怠ると株立ちの幹が太くなって、最初のスマートな姿とはほど遠い印象になってしまいます。生育期は4~11月で、剪定の適期は3、6、9月頃。枝が込み合っている部分があれば、剪定して風通しをよくしましょう。主枝が希望の高さより高くなったら、側枝との分岐点で主枝を切り、側枝を短く切り返します。 5.ゲッケイジュ Nikolina Mrakovic/Shutterstock.com ゲッケイジュ(月桂樹)は、クスノキ科ゲッケイジュ属の常緑高木です。別名ローリエの名も持ち、葉に爽やかな芳香があるためハーブとしても利用されています。雌雄異株の性質を持っていますが、日本で出回っているのは雄株が多く、雌株の流通量は少ないようです。自然樹高は15mに達するので、庭でバランスよく調和する高さにまで成長したら、適宜剪定をして樹形を整えましょう。真冬以外ならいつでも剪定でき、長く伸びている枝をカットして前年のサイズくらいまでに切り戻します。込み合いすぎている部分があれば、適宜間引き剪定をして、風通しよく管理しましょう。カイガラムシがつきやすいので、見つけ次第ハブラシなどでこすり落としたり、適応する薬剤を利用したりと、早めの防除が大切です。 失敗しない常緑樹の選び方 一年中みずみずしい葉をつけて、生命力あふれる姿を楽しめる常緑樹。庭木として迎えるには、どんな樹種を選べばいいのかは、楽しむ目的や庭の環境によっても異なります。ここでは、常緑樹の選び方についてご紹介します。 【選び方その1】目的を決める tdemirboga/Shutterstock.com 一口に常緑樹といってもさまざまな種類があります。「種類がありすぎて、どんな樹種を選んだらいいのか分からない」なら、まずは庭に取れ入れる目的を整理してみましょう。シンボルツリーが欲しい場合は、比較的樹高が高くなる、存在感のある樹種が適しています。また、家族の誕生日や結婚記念日の訪れを告げる、記念樹にしたい場合は、そのシーズンに花や実が見頃になる樹種を選ぶとよいでしょう。目隠しに利用したいなら、低木は向いていませんね。人の視線の高さよりも大きく育つ樹木が適し、比較的葉を密につける樹種を選ぶようにします。「夏の暑さをしのぐために、庭に緑陰をもたらす庭木が欲しい」なら、たっぷりと枝葉を伸ばす樹形が向いていますし、「冬にクリスマスツリーの飾りつけがしたい」場合は、コニファーを選ぶのも一案。まずは、どんな目的で庭木を取り入れたいのかを整理すると、おのずと樹種も絞られてきます。 【選び方その2】生育環境を確認する tab62/Shutterstock.com 庭木を選ぶ際、事前にチェックしておきたいのは、自邸の庭の環境に合うかどうか。極端なたとえをすれば、もともと暑い熱帯地域に自生しているような植物を、雪が多く降る寒い地域で育てようとしても、1年ももたずに枯れてしまうでしょう。庭木も同様で、暑さや寒さに耐えるか、日照時間はどれくらい必要なのか、どのような土壌を好むのか、といった樹種に関する情報を調べて、環境に合うものを選ぶことが大切です。常緑広葉樹は、もともとは熱帯~暖温帯の暖かい地域がルーツで、寒さを苦手とするものも多くあります。一方で、ツバキやサザンカ、ツゲ、ツツジ、キンモクセイなど日本で古くから親しまれている樹種は、放任しても環境に馴染みやすいものです。また、コニファーも属する常緑針葉樹は寒さに強いイメージがありますが、なかには耐寒性に優れない樹種もあります。こちらも、前もって樹種の適した生育環境や性質を調べておきましょう。 【選び方その3】スペースが十分にあるか確認する geogif/Shutterstock.com 庭木を選ぶ際には、庭にスペースが十分にあるかどうかも確認しておきましょう。購入した時には、か弱く小さい苗木でも、環境に適応してしっかり根を下ろした後は、生育スピードが一気に速くなり、ぐんぐん枝葉を伸ばしていきます。シンボルツリーとして利用するなら、樹高はもちろん樹冠(樹木の枝が四方に伸びる範囲)も想定しておくことが大切です。「屋根やカーポートに当たって邪魔にならないか」「隣家の敷地まで侵入してしまわないか」など、どれだけの周囲のスペースを確保できるかを確認しておきましょう。常緑樹であれば特に、樹冠の足元が一年中日陰になりやすく、取り入れる下草の種類も限られてきます。ただし、「自然樹高が10~15mにも達する高木は、庭には取り入れられない」と諦めるのは尚早です。毎年の剪定をきちんと行い、正しくメンテナンスをすれば、樹高をコントロールできます。 美しい樹形を保つには剪定が必要 Nakornthai/Shutterstock.com 庭に樹木を植えたら、必ず剪定のメンテナンスが必要になります。放任するとどんどん枝を伸ばして「気がついたら鬱蒼として、手がつけらない状態になってしまった」ということも。毎年剪定をして美しい樹形を保つことが、庭を美しく保つことにもつながります。庭木の剪定には、必ず適した時期があるので、樹種の「剪定適期」を確認しましょう。常緑広葉樹は寒さが苦手なことが多く、冬に剪定すると寒さで木が傷むことがあります。花を楽しむ樹種の場合は、花芽がつくられる時期に剪定すると、花が咲かなくなるので注意が必要です。常緑針葉樹のコニファーは、新梢が伸び始める前の3~4月が適期。剪定の際は、だいたいのアウトラインを決めて、大きくはみ出る枝を切り取って樹高をキープします。枝が込み合っている部分があれば、適宜間引き剪定をして、風通しをよくしましょう。 庭木にも「縁起」がある? 気になる場合は要チェック 日本では「縁起植物」として、お正月飾りにも用いられる庭木を育てる文化があります。その一方で、「縁起の悪い植物」として嫌われる植物も。ここでは、昔から伝わる、庭木に取り入れるとおめでたいとされる常緑樹と、庭木には避けられてきた常緑樹をご紹介します。 縁起がよいとされる常緑樹 gianpihada/Shutterstock.com 縁起がよいとして重宝される常緑樹の一つに、ナンテン(南天)があります。「難転(難を転ずる)」とされ、古くから魔除けや厄除けとして鬼門に植えられてきました。お正月飾りの花材としてもポピュラーですね。小さな赤い実をつけ、常緑樹でありながら赤く紅葉する姿も楽しめます。ユズリハも縁起植物の一つで、新葉が出揃ったら、古い葉が一斉に散るために「譲り葉」と呼ばれています。子孫繁栄を願って、こちらもお正月飾りによく使われます。ただし、ユズリハは生命力旺盛で枝をぐんぐん伸ばすので、毎年の強剪定が必要です。また、マツは「松竹梅」の一つとして知られる縁起物で、寿命が長いために健康長寿をもたらしてくれるとされています。 縁起が悪いとされる常緑樹 scott mirror/Shutterstock.com 縁起が悪いとして嫌われる常緑樹は、ツバキが代表的。花が終わると、花弁を散らさず花首ごとポトリと落ちるので、「首が落ちる」ことを連想させるからです。特に武家社会では「庭に植えるものではない」と嫌われたようです。ビワは古くから「庭に植えると病人が絶えなくなる」と伝えられる常緑樹。その理由は、根が広がりやすく家の基礎を壊す原因になるため、植えないように理由づけられたとか、常緑のため大きく育つと日陰になって湿気を呼び、健康を害しやすい、などの諸説がありますが、今となっては迷信ですね。ジンチョウゲ(沈丁花)も嫌われ者で、漢字に「沈む」という文字が使われることから、家が没落するといったことが連想されたようです。早春を告げる甘い香りが魅力のジンチョウゲ、可愛い花ですけれど。 常緑樹でお気に入りの庭をつくろう Jamie Hooper/Shutterstock.com 四季を通してグリーンが絶えない常緑樹は、冬枯れた景色の中で凛とした美しい葉を見せてくれるため、庭にぜひ取り入れたいものです。周年葉を茂らせるために、外部からの視線が気になる場合は目隠しとしても重宝し、樹種を選べば生け垣に利用することもできます。日本に古くから自生してきた樹種なら、放任しても旺盛に生育し、初心者でも育てやすいのも嬉しいところ。豊富な常緑植物の中から自分好みの樹種を選んで、一年中みずみずしいエバーグリーンを楽しめる庭にしてはいかがでしょうか?
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イベント・ニュース

写真をInstagramに投稿しよう! 第1回東京パークガーデンアワード 代々木公園 キャンペーン開催中
東京・代々木公園で公開中の5つのコンテストガーデンを写真に撮って応募しよう! コンテストガーデンの入り口は、「TOKYO PARK GARDEN AWARD」の看板が目印。写真は9月の様子。 「第1回 東京パークガーデンアワード」の最大の特徴は、主に宿根草などを取り入れた「持続可能なロングライフ・ローメンテナンス」をテーマとする点。一度植え付けて根付いたあとは、最小限の手入れで維持されること、また同時にデザイン性と植物や栽培環境に対する高度な知識が求められる、新スタイルのガーデンコンテストとして注目されています。 各花壇には作庭者の名前とタイトルが書かれた看板があります。上面図の左、入り口から右へ、A/畑や かとうふぁーむ 渡部陽子さん B/鈴木 学さん C/GreenPlace (埼玉県朝霞市) 山越健造さん D/西武造園 永江晴子さん E/平間淳子さんの順にご覧いただけます。 5つのモデルガーデンがあるのは、JR山手線「原宿」駅から徒歩3分の「都立代々木公園」の中。原宿門から入ってすぐ右手の「オリンピック記念宿舎前広場」です。白いアーチをくぐると、手前から奥へA〜Eの5つのガーデンを順番に見ることができます。 レンガの道に沿って、入り口から奥へと5つのガーデンが作られています。歩くたびに景色が変わり、季節ごとに主役の植物が移ろうガーデンが、訪れる人を楽しませています。 コンテストガーデン中央付近から入り口を望む景色。10月中旬の様子。 「東京都公園協会」のインスタグラムでは、東京パークガーデンアワードをより多くの方に知っていただきたい!と、抽選で豪華プレゼントが当たる「東京パークガーデンアワード Instagramキャンペーン第2弾」を11月6日(月)まで実施中。お気に入りのコンテストガーデンの写真を投稿して応募しましょう! ■応募期間■ 2023年10月15日(日)〜11月6日(月) 23:59まで ■応募方法■ ▼ ▼ *スマホ、タブレット、カメラなど撮影機材は問いません。*お1人様1回のご応募でお願いします。*募集内容・期間は状況に応じて変更する場合があります。*アカウントが非公開の場合は応募対象外となりますので、「公開」に設定してからご応募ください。 ご応募いただいた中から素敵な景品をプレゼント! ご応募いただいた投稿の中から、抽選で3名さまに「第一園芸 花や緑のギフトカタログ」、「イギリス・ホーズ社 銅製ジョウロ1リットル(180/2/銅製カン)」、「スノーピーク 世界初のリサイクルチタンを採用して地球にやさしいオーロラボトル600オーシャン」のいずれか1つの商品をプレゼントいたします! 【当選者の決定】2023年11月7日(火)以降に事務局で抽選を行い、当選者にのみ公式アカウントからInstagramのダイレクトメッセージで通知いたします。 みなさまのご応募、お待ちしております! ⚫︎第1回 東京ガーデンパークアワード 代々木公園について、詳しくはこちら。
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野菜

春菊(シュンギク)の育て方! 栽培のポイントや失敗しないコツを大公開
春菊の基本情報 春菊は日本のハーブともいえる野菜で、さわやかな香りがあります。鍋物やすき焼きに入れると臭み消しにもなり、味に深みが増すことは知っている…「だけど春菊って、ほんとはどんな野菜だっけ?」と、もやっとしている方に向けて、ここではその基礎知識をガイドします。 春菊はどんな野菜? Tony_Traveler85/Shutterstock.com 春菊は、キク科シュンギク属の葉物野菜で、地上部の葉を収穫します。葉物野菜といえば、害虫がつきやすいというイメージがありますが、キャベツやハクサイ、ブロッコリーなどのアブラナ科の植物とは異なり、害虫がつきにくい傾向にあります。原産地は地中海沿岸で、比較的冷涼な気候を好みます。 春菊を野菜として食べているのは、日本、中国、東南アジア、インドなどの東アジアのみ。原産地のヨーロッパでは、観賞用の草花として栽培されています。キク科らしいマーガレットに似た花が咲くので、トウ立ちして収穫できなくなった後は、観賞用として楽しむのもいいですね。 春菊の栄養素 anaken2012/Shutterstock.com 春菊は、βカロテン、ビタミンC、ビタミンK、カリウム、鉄、食物繊維などを含む、栄養価の高い緑黄色野菜です。 自分で育てられる! 春菊栽培の基本 育てやすい野菜の春菊について、栽培をスタートするのに適した時期や、すくすくと生育する環境、種類について解説していきます。植える前にしっかり把握しておくと、よりスムーズに管理できますよ! 栽培時期 lzf/Shutterstock.com 家庭菜園で春菊を育てる際には、春に種を播く「春まき」と、秋に種を播く「秋まき」があり、年に2回の栽培が可能です。一般地を基準にすると、「春まき」は4月中旬〜5月中旬に種を播き、6月頃に収穫。「秋まき」は8月下旬〜9月に種を播き、10月〜12月上旬に収穫します。 栽培環境 Yeongha son/Shutterstock.com 日当たり、風通しのよい場所を好みます。生育適温は15〜20℃で冷涼な気候を好むため、夏の栽培には向きません。27〜28℃を超える環境では、生育不良になります。一方で寒さには比較的強く、簡易的なビニール被覆のトンネル栽培で冬越しできます。 春菊に適した土壌酸度はpH5.0〜5.5です。必要であれば植え付けの2〜3週間以上前に苦土石灰を散布して土壌改良をしておくとよいでしょう。肥沃で水はけ、水もちのよい、ふかふかとした土壌を好みます。 春菊の種類 Humannet/Shutterstock.com 春菊は、葉に入る切れ込みの形で分類することができます。葉に厚みがあり、切れ込みが浅いのが「大葉種」です。苦味が少ないのが特徴で、中国・九州地方で主に栽培されています。最もポピュラーな「中葉種」は葉の切れ込みがほどほどで、「株立ちタイプ」と「株張りタイプ」があります。葉の切れ込みが深い「小葉種」もありますが、収穫量が少なくトウ立ちしやすいことから、ほとんど栽培されていません。 実際に育ててみよう ここまで、春菊の基礎知識についてご紹介してきました。ここからは家庭菜園の実践編として、詳しい育て方について掘り下げていきます。菜園・プランター栽培に分けて、育て方を解説していきますよ! 土作り Sleepyhobbit/Shutterstock.com 【菜園】 種まきの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり100〜150g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおいてください。さらに植え付けの1〜2週間前に、1㎡当たり堆肥約2㎏、緩効性化成肥料(N-P-K=8-8-8)約100gを均一にまいて、よく耕しましょう。次に、幅約60cm、高さ10cmほどの畝を作ります。畝の長さは作りたい量や広さに応じて自由に決めてかまいません。表土は平らにならしておきましょう。土作りは植え付け直前ではなく、事前に行っておくことで、分解が進んで土が熟成し、植物の生育がよくなります。 【プランター栽培】 野菜の栽培用にブレンドされた市販の培養土を利用すると便利です。 種まき〜発芽まで zcw/Shutterstock.com 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。ただし、春菊の苗は花苗店やホームセンターなどで入手できます。手軽にスタートしたいなら、苗の植え付けからがおすすめです。「2〜3株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方も、次項に進んでください。 春菊の種まき適期は、「春まき」が4月中旬〜5月中旬で、「秋まき」が8月下旬〜10月上旬です。 【菜園】 土作りを済ませた畝に、20cm間隔を取って種を播くための溝を作ります。畝の幅と平行になるように園芸用の支柱などを表土に軽く埋め込んで、1〜2cmほどの深さの溝にしましょう。まき溝に、種を約1cm間隔で播きます。春菊は好光性種子といって、発芽に光を必要とする性質を持っています。そのため、かぶせる土はごく薄くしておくことがポイントです。最後に、たっぷりと水やりをしておきます。種が流れ出すのを防ぐため、はす口をつけたジョウロでやわらかな水流となるように高い位置から水を与えましょう。発芽までは乾燥させないように管理します。 【プランター栽培】 標準サイズのプランターを準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際にあふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。10〜15cmの間隔を取り、2本のまき溝を作ります。プランターの幅と平行になるように園芸用の支柱などを表土に軽く埋め込んで、1〜2cmほどの深さの溝にしましょう。まき溝に、種を約1cm間隔で播きます。春菊は好光性種子といって、発芽に光を必要とする性質を持っています。そのため、かぶせる土はごく薄くしておくことがポイントです。最後に、たっぷりと水やりをします。種が流れ出すのを防ぐため、はす口をつけたジョウロでやわらかな水流となるように高い位置から水を与えましょう。発芽までは乾燥させないように管理します。 間引き・追肥と土寄せ Varts/Shutterstock.com 間引きながら育成し、十分な株間を取ります。抜き取った間引き菜は、サラダや汁物の具などに利用できますよ! 【菜園】 間引きは2回行います。 1回目は、本葉が1〜2枚ついた頃に、約3cm間隔になるように間引きます。葉が傷んでいるものや、弱々しく生育が悪い苗を選んで抜き取りましょう。根が浮いてしまったら、土を株元に寄せておきます。 2回目は、本葉が4〜5枚ついた頃に、10cm間隔になるように間引きます。この時、緩効性化成肥料(N-P-K=8-8-8)を1㎡当たり30gを目安にばらまき、クワで土によく混ぜ合わせて株元に土を寄せておきます。 【プランター栽培】 間引きは3回に分けて行います。 1回目は、本葉が1〜2枚ついた頃に、3〜4cm間隔になるように間引きます。葉が傷んでいるものや、弱々しく生育が悪い苗を選んで抜き取りましょう。根が浮いてしまったら、土を株元に寄せておきます。 2回目は、本葉が3〜4枚ついた頃に、5〜6cm間隔になるように間引きます。この時、緩効性化成肥料(N-P-K=8-8-8)約10gを苗の周囲にまんべんなくばらまき、土によく混ぜ合わせて株元に土を寄せておきます。 3回目は、本葉が6〜7枚ついた頃に、10〜15cm間隔になるように間引きます。2回目の間引きの時と同量の追肥を施しておきましょう。 苗の植え付け Vasyliuk/Shutterstock.com この項目は、苗の植え付けからスタートする方に向けた解説です。種まきからのスタートを選んだ場合は、次項に進んでください。 苗は花苗店やホームセンターなどで入手できます。本葉が4〜5枚ついた、節間が詰まって勢いのある苗を選びましょう。 【菜園】 土作りをして設けた畝に、株間(株と株の間)・条間(隣の列との間)ともに約15cmの間隔を取って苗を植え付けます。最後に、たっぷりと水やりをしておきましょう。 【プランター栽培】 標準サイズのプランターを準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際にあふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。10〜15cmの間隔を取って苗を植え付け、最後に底から流れ出すまで、たっぷりと水やりをしましょう。 摘心・摘蕾 mihalec/Shutterstock.com 【摘心】 草丈が20cmくらいになったら、先端を10cmほど切り取る「摘心」の作業をします。こうすることで、下から新たにわき芽が出てきて、茎葉の数を増やすことができます。この「摘心」の作業を繰り返して株をこんもりと茂らせ、収穫量を多くしましょう。 【摘蕾】 つぼみがつくと茎葉がかたくなって老化が進むので、つぼみを見つけたら摘み取っておきます。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 【菜園】 発芽後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、雨が降らず乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。 【プランター栽培】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。冬は、気温が十分に上がった昼ぐらいに与えましょう。夕方以降に水やりすると凍結の原因になるので注意します。 病害虫 T.Kai/Shutterstock.com 【病気】 春菊がかかりやすい病気は、べと病です。 べと病は糸状菌が原因で、3〜6月、9月下旬〜11月の気温15〜20℃の条件下、かつ気温差が大きい時に発生しやすくなります。葉に黄色みがかった斑紋が現れ、だんだんと広がって枯れ上がっていきます。気温などの条件が揃うと2〜3日で全体に広がってしまうので注意。チッ素成分が多い肥料を与えすぎると発生しやすくなります。 【害虫】 春菊に発生しやすい害虫は、アブラムシ、ハモグリバエなどです。 アブラムシは、3〜10月頃に発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。 ハモグリバエは、葉の中に潜りこんで食害し、葉に白い線が浮き出てくるので発見しやすい害虫です。見つけたら葉の上から潰すとよいでしょう。 せっかく家庭で栽培するのなら、できるだけ無農薬で管理したいですよね。そんな時は、園芸用資材を上手に利用する方法があります。用意するのは、不織布と防虫ネット、園芸用支柱です。 不織布は、種を播いた直後に、畝にべた掛けにして四方に土を盛って固定しておくと、幼苗を虫から守ることができます。ある程度苗が育ってきたら、不織布を外して防虫ネットの設置に切り替えましょう。園芸用支柱を畝の両端と中央あたりにアーチ状にして深く差し込み、防虫ネットを被せます。畝の両端で防虫ネットを結んで固定し、四方の裾に土を盛ってしっかりと固定。これで物理的に虫の侵入を抑えられるというわけです。プランター栽培でも同様に管理できます。虫が苦手な方は、園芸用資材を上手に使って防除するのがおすすめです。「秋まき」で栽培する場合は、冬の寒さ対策にもなりますよ! 収穫 JIANG HONGYAN/Shutterstock.com 収穫の適期は、「春まき」が6月頃、「秋まき」が10〜12月上旬です。 春菊の収穫は、「抜き取り収穫」と「摘み取り収穫」があります。 「抜き取り収穫」は、草丈が20cmくらいまで成長したら、株を抜き取って収穫する方法です。節間が成長せず、株元から側枝がたくさん出てくるタイプの品種に向いています。 「摘み取り収穫」は、茎の途中で切り取る方法です。しばらくするとわき芽が出て再び茎葉を茂らせるので、長く収穫し続けることができます。つぼみがついてトウ立ちする頃までが収穫の目安。トウ立ちするとかたくなって質が落ちます。茎の節間が伸びる株立ちタイプの品種を選ぶとよいでしょう。家庭菜園では、長く収穫し続けられる「摘み取り収穫」がおすすめです。 春菊を家庭栽培してみよう! lzf/Shutterstock.com この記事では、春菊の基礎知識から育て方まで、幅広く取り上げてきました。春菊は、「摘み取り収穫」をすれば、長く収穫し続けることができますよ! ビギナーでも失敗が少ないので、ぜひ菜園やプランターで育ててみてはいかがでしょうか?
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ガーデニング

芽がでてからの大事な作業「間引き」とは? やり方とポイントをご紹介
種まき後の作業「間引き」とは 「間引き」は種まきの後、発芽して植物が次第に大きくなっていく過程で行う作業です。タネを播くときは複数粒を一緒に播くことが多いので、成長にしたがい近くの葉が重なり合うようになってきます。そのままにしておくと、必要な養分を土から得ることができなかったり、陽を十分に浴びられなかったりして、一つひとつが小さく弱々しい苗になってしまいます。そこで、若葉のうちに、間があくよういくつかを抜くことを「間引き」といいます。バジルの間引きを例に、間引きのやり方を見てみましょう。 間引きの方法 一本のライン状になるよう「すじ播き」したバジル。バジルは発芽率が高いので、とてもよく発芽し、本葉が展開するようになる頃には間がギュウギュウ詰めになってきました。まずこの時点で1回目の間引きを行います。 茎が太くて丈夫そうなものを残して、ヒョロヒョロのものや曲がっているものはそっと抜きます。せっかく発芽した可愛い若葉を抜くのは、なかなか切ない作業ですが、これをしないと全部がうまく育たないことになってしまいます。植物によってはスッと抜けないものもあるので、そういう場合は無理やり抜かずに、ハサミで地際からカットします。無理をすると残したいものまで抜けてしまうので注意。 間引いた芽は捨てないで! 抜いた若葉は「間引き菜」と呼びます。バジルや葉物野菜、根菜などの若葉はベビーリーフとしてサラダなどでも美味しくいただけるので、捨てずに利用しましょう。 間引いた後の畑。だいぶスッキリしました。このあと再び隣同士が重なり合うようになってくるので、もう一度間引きます。「それなら将来を見越して、最初から間をとって1回で間引けばいいじゃないか」と思うかもしれませんが、こうして段階的に間引くのには意味があります。隣り合うもの同士は競って育ち、成長段階で力の差が表れてきます。強者を選抜して残すことで、病虫害に強い丈夫な苗が育ち、結果的に収量も多くなります。つまり、競わせながら育てるということですね。 バジルの間引き菜を散らしたトマトスパゲッティー。小さくてもちゃんと味と香りがあり、美味しいですよ。
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野菜

カブの正しい栽培方法を知ろう! 上手に育てるポイントも押さえよう
カブについて知ろう julie deshaies/Shutterstock.com カブは、アブラナ科ダイコン属の根菜類で、根を収穫します。根菜類に属す野菜は、移植による根の変形を防ぐために、種まきから栽培をスタートすることになります。 カブの原産地は地中海沿岸地域、中央アジアで、寒さに強い性質を持っています。日本で栽培されてきた歴史は古く、縄文時代から親しまれてきました。歴史がある分地方品種も多く、全国に80種ほどがあるとされています。カブといえば白くて丸い根を想像しますが、種類によってその大きさには幅があり、直径5〜6cmの小カブ、10cmほどの中カブ、15cmを超す大カブがあります。ほかに赤カブ、扁平カブ、勾玉状になる津田カブなど多様です。家庭菜園で最も育てやすいのは、生育期間の短い小カブで、プランターでも栽培できます。 カブは漬物、炒め物、煮物、スープの具などに利用でき、和・洋・中いずれの料理でも活躍してくれます。カブの根には、消化酵素のジアスターゼやアミラーゼが含まれており、すずなと呼ばれる茎葉の部分には、カルシウム、鉄、カロテン、ビタミンC、ビタミンKなどを含みます。じつは根よりも茎葉のほうが栄養分は高いといわれているほどなので、捨てずにぜひ調理に使ってください。 栽培に適した時期・環境 annchan/Shutterstock.comj カブの生育適温は15〜20℃で、冷涼な気候を好みます。暑さと乾燥が苦手で、寒さには強く、旬は秋〜冬です。したがって、おいしくてビギナーでも作りやすいのは、秋に種を播いて育てる「秋まき」です。 じつのところ、カブの栽培は春に種をまく「春まき」と、秋に種を播く「秋まき」とができ、年に2回の栽培が可能です。一般地を基準にすると、「春まき」は3〜5月に種を播き、5〜7月上旬に収穫。「秋まき」は8月下旬〜10月上旬に種を播き、10月下旬〜12月に収穫します。 年に2回の栽培が可能なかぶですが、連作(同じ場所で同じ種類〔科〕の植物を育て続けること。土壌バランスが崩れて生育障害が起きやすくなる)を嫌う性質を持っています。そのため、かぶが属するアブラナ科の植物を1〜2年は育てていない場所を選びましょう。 畑の準備と種まきについて 根菜類に属すカブは、移植ができないので種まきからスタート。畑の準備はその2〜3週間前に行い、有機物などが分解されて土が熟成するのを待ちます。ここでは、土作りのポイントと種まきについてご紹介します。 土作り・肥料 Sleepyhobbit/Shutterstock.com 【菜園】 種まきの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり100〜150g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。さらに植え付けの1〜2週間前に、1㎡当たり堆肥2〜3ℓ、化成肥料(N-P-K=8-8-8)約100gを全面に散布し、よく耕して平らにならしておきましょう。 【プランター栽培】 野菜の栽培用にブレンドされた市販の培養土を利用すると便利です。 種まき Jaromir Urbanek/Shutterstock.com カブの種まき適期は、「春まき」は3〜5月、「秋まき」は8月下旬〜10月上旬です。 【菜園】 土作りをしておいた場所に、幅約60cm、高さ約10cmの畝を作ります。畝の長さは作りたい量や広さに応じて自由に決めてかまいません。この畝に、2列の種まき用の溝をつけます。溝の間隔(条間)を20cmあけて、園芸用の支柱を押し当て、深さ1〜2cmのまき溝をつけます。そのまき溝に、1cm間隔で株の種を播いていきましょう。溝の両側から土を寄せて薄く土を種にかぶせ、軽く手のひらで押さえます。最後に、はす口をつけたジョウロを使い、高い位置からやわらかな水流でたっぷりと水やりをしましょう。 【プランター栽培】 小カブの品種を選べば、プランターでも栽培することができますよ! 標準サイズのプランターを準備。底穴に鉢底ネットを敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際にあふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。園芸用支柱などを使い、手前と後ろに10〜15cmほどの間隔をあけて2本のまき溝をつけます。溝の深さは1cmほどが目安です。小カブの種を1cm間隔で播き、溝の両側から土を寄せて薄く種にかぶせ、軽く表土を手で押さえます。最後に、はす口をつけたジョウロを使い、高い位置からやわらかな水流で鉢底から流れ出すまでたっぷりと水やりしましょう。発芽までは乾燥させずに管理することがポイントです。 発芽・間引きについて かぶの栽培では、種を多めに播いて成長とともに間引きを繰り返しながら育成します。間引いた苗は、味噌汁やスープの具などに利用できますよ! ここでは、発芽から間引きの栽培プロセスについて解説していきます。 発芽・間引き tamu1500/Shutterstock.com 【菜園・プランター栽培ともに】 双葉が出揃ったら、3cm間隔になるように間引きます。葉が傷んでいるものや、弱々しく生育が悪い苗を選んで抜き取ります。 本葉が2〜3枚ついたら、5〜6cm間隔になるように間引きます。がっしりと締まって勢いのある苗を残しましょう。この時、追肥(菜園では化成肥料を1㎡当たり約30g、プランターでは約10g)を周囲にばらまき、土によくなじませて株元に土を寄せておきましょう。 本葉が4〜5枚ついたら、10〜12cm間隔になるように間引きます。この時、2回目の間引きの時と同様に、追肥と土寄せをしておいてください。 間引きをする理由 tamu1500/Shutterstock.com カブは移植ができないために、園芸用トレイなどで育苗せずに、菜園やプランターに直接種を播いて栽培する必要があります。そのため、発芽が揃わなかったり、幼苗のうちに虫に食われたりと、それなりにリスクが高くなるわけです。そのため、多めに種を播いておき、共に競わせながら成長を促します。成長と共に適切な株間を保つように、間引きながら育成して、より健やかな苗を残すのです。「間引き」の作業が遅れると、葉ばかりが茂って根が育たないので、適切なタイミングを逃さずに行いましょう。 水やり cam3957/Shutterstock.com 【菜園】 発芽後は、地植えの場合は地中から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、雨が降らず乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。 【プランター栽培】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 追肥・中耕・土寄せについて tamu1500/Shutterstock.com 【菜園・プランター栽培ともに】 発芽・間引きの項目でのべたように、2回目と3回目の間引きを行うタイミングで、追肥と土寄せを行います。量は前項を参照してください。この時、苗の周囲を軽く耕す「中耕」の作業を行っておきましょう。土は降雨や水やりが繰り返されると、かたく締まった状態になります。周囲を軽く耕すことで、土中に空気が送り込まれて根の生育がよくなります。また、株元に土を軽く寄せる「土寄せ」の作業も大切です。かぶは根の張りが浅く、株元がぐらついていると根の形が悪くなることがあるので、土寄せをして株元をしっかりと支えましょう。その際、雑草が生えていれば抜いておきます。 病害虫について THETAE/Shutterstock.com 【病気】 かぶに発生しやすい病気は、根こぶ病、白さび病などです。 根こぶ病は、カブの根にこぶが作られていびつな形になる病気で、症状が進むと枯死してしまいます。糸状菌の発生による土壌伝染病で、アブラナ科の植物を宿主とするので、連作を避けることが大切です。アブラナ科に属す野菜は、カブのほかにダイコン、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリーなどがあり、1〜2年以内にこれらの野菜を育てていた場所でかぶの栽培を始めると、発症しやすくなるので注意してください。 白さび病も、糸状菌による病気で、はじめは葉の裏面に白い斑点が現れ、次第に白い粉状のものに覆われていきます。雨が多い時期に発生しやすいので注意しましょう。 どちらも発病した場合は、周囲に蔓延するのを防ぐために抜き取って処分します。 【害虫】 カブに発生しやすい害虫は、アブラムシ、アオムシ、コナガの幼虫などです。 アブラムシは、3〜10月頃に発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。 アオムシは、モンシロチョウの幼虫です。葉裏などに卵を産み、孵化した幼虫は旺盛に葉を食害します。葉に穴があいているのを見つけたら、裏返して幼虫がいないか確認し、見つけ次第捕殺します。放置するとギョッとするほど大きくなり、葉脈のみを残して食べ尽くすほどの害を与えるので、早めの対処が大切です。 コナガの幼虫は、5〜10mmの小さなアオムシで、孵化した当初は葉の内部に潜り込み、大きくなると葉裏について食害します。表皮を残して食害する特徴があります。葉に穴があき、ふんが落ちているようなら、葉裏などをチェックして捕殺しましょう。 アブラナ科に属するカブは、大変虫がつきやすい野菜です。でも、せっかく家庭で栽培するのですから、できるだけ無農薬で管理したいですよね。そんな時は、園芸用資材を上手に利用する方法があります。用意するのは、不織布と防虫ネット、園芸用支柱です。 不織布は、種を播いた直後に、畝にべたがけにして四方に土を盛って固定しておくと、幼苗を虫から守ることができます。ある程度苗が育ってきたら、不織布を外して防虫ネットの設置に切り替えましょう。園芸用支柱を畝の両端と中央あたりにアーチ状にして深く差し込み、防虫ネットを被せます。畝の両端で防虫ネットを結んで固定し、四方の裾に土を盛ってしっかりと固定。これで物理的に虫の侵入を抑えられるというわけです。プランター栽培でも同様に管理できます。虫が苦手な方は、園芸用資材を上手に使って防除するのがおすすめです。 カブの収穫の目安 julie deshaies/Shutterstock.com カブは、収穫が近づくと根が太って地面にせり上がってくるようになります。小カブでは直径約5cm、大カブでは直径約15cmを目安に収穫。株元を持って一気に引き抜きます。収穫が遅れると、肥大しすぎて根が割れたり、スが入ったりして品質が落ちるので、適期のタイミングを逃さないようにしてください。葉を残しておくと水分が葉から蒸散されてしまうので、収穫したら、すぐに葉の部分を切り取りましょう。茎葉の部分も栄養価が高く、調理に利用できますよ! よくある失敗集 julie deshaies/Shutterstock.com ここでは、カブの栽培でよくある失敗をご紹介します。 【収穫したら根の形がよくない!】 カブは根を収穫する野菜です。畑に小石や異物などが混入していると、生育時に当たって変形することがあります。土作りの際には、よく耕して小石などを見つけたら取り除いておきましょう。とはいえ、根が変形していてもおいしく食べられますし、ユニークな形のカブは、家庭菜園ならではの楽しみでもあります。 【スが入っていた!】 収穫の遅れが原因と考えられます。根の内部がスカスカになって食感が落ちるので、適した時期に収穫するようにします。 【根が割れていた!】 これにはいくつかの原因が考えられます。 一つは、土壌の水管理がうまくいっていないこと。かぶは乾燥しすぎるのを嫌うので、雨が降らず乾燥が続く場合は水やりをして補います。ただし、いつも湿った状態にすると病気になりやすいのでNG。適した水分管理を心がけます。 もう一つは、適した時期に間引きを行っていないこと。かぶは間引きを繰り返して競合させながら育成しますが、早めに間引いたせいであまりに勢いよく育ちすぎると、根が割れる原因になるとされています。 最後に考えられるのは、収穫の遅れ。内部が肥大しすぎて割れてしまうので、早めの収穫を心がけましょう。 【表面が汚い!】 キスジノミハムシの食害が原因と考えられます。連作を避け、防虫ネットなどをかけておくとよいでしょう。傷がついたカブを食べても、問題はありません。 カブ栽培を楽しもう! yuratosno3/Shutterstock.com この記事では、カブの基本情報や栽培について、詳しくご紹介してきました。種まきからスタートして移植はしない、間引きながら育てる、適切に水を管理するなど基本さえ把握しておけば、順調に育って失敗することの少ないカブの一つです。ぜひ自身で育てた野菜を、食卓で味わってはいかがでしょうか。



















