スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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一年草

かわいいノースポールの花を育ててみよう! 育成のポイントをご紹介
ノースポールとは ノースポールは、「初心者向きの草花」の代名詞的な存在です。ここでは、育てやすいノースポールの基本情報について、解説していきます。 ノースポールってどんな花? kazzpix/Shutterstock.com ノースポールは、マーガレットを小ぶりにしたような花姿で、花径は2〜3cmほど。白い花弁と中央の黄色い花心のコントラストが美しい花です。一つひとつの花は小さいのですが、花つきがよく、こんもりと茂った株にたっぷりと咲き、見応えがあります。開花期は12〜5月で、長く咲き続けてくれるのも美点です。 ノースポールの基本情報 kazzpix/Shutterstock.com ノースポールは、キク科フランスギク属(レウカンセマム属)の一年草です。秋または春に種を播き、冬〜初夏まで休むことなく咲き続け、暑くなると夏越しできずに枯死してしまいます。ライフサイクルは半年ほどで、短い期間のうちに生命を終える植物です。 原産地は北アフリカ。寒さには強い性質で、暖地では地植えして越冬できます。一方で、暑さには弱い性質です。草丈は15〜30cmで、花壇の前面または中段向き。他の植物とも組み合わせやすいサイズで、コンテナの寄せ植えにも重宝します。 種類 Honki Kumanyan/Shutterstock.com ノースポールの名前で親しまれていますが、じつはこの名前は種苗会社によって作出された園芸品種名です。本来は「レウカンセマム(クリサンセマム)・パルドサム」といい、学名でLeucanthemum(Chrysanthemum) paludosumと表記します。初心者でも育てやすく、愛らしい‘ノースポール’の品種が大変な人気を博したために、この花の代名詞になったというわけです。ノースポール以外にも、レウカンセマム(クリサンセマム)・パルドサムには、‘スノーランド’という品種もあります。 ノースポールの花言葉 Leucanthemum paludosum/Shutterstock.com ノースポールの花言葉は、「誠実」「高潔」「冬の足音」など。「誠実」や「高潔」は花のイメージに由来するものと考えられますが、「冬の足音」は冬の初めから開花することにちなんでいます。 ノースポールの育て方 ここまで、ノースポールのプロフィールや種類、花言葉など基本情報についてご紹介してきました。ここからはガーデニングの実践編として、ノースポールの育て方について詳しく解説していきます。種まきや苗の植え付け、水やりや肥料などの日頃の管理、こんもりと茂らせるコツなど、有用な情報満載ですよ! 栽培環境 zzz555zzz/Shutterstock.com 日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日当たりが悪い場所では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意。水はけ、水もちのよい土壌を好むので、地植えする場合は植え付け前に有機質資材を投入してよく耕し、ふかふかの土作りをしておくとよいでしょう。 寒さには比較的強いほうで、暖地なら地植えして越冬できます。ただし、霜が降りる環境ではマルチングなどの防寒をしておくとよいでしょう。暑さには弱いので夏越しできず、夏前にライフサイクルを終えて枯死してしまいます。 種まき AlenKadr/Shutterstock.com ノースポールはこぼれ種でも増えるほど強健な性質で、ビギナーでも種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。 ノースポールの苗は冬から花苗店に出回り始めます。手軽にスタートしたいなら、苗の植え付けからのスタートがおすすめです。「1〜2株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、次項に進んでください。 ノースポールの発芽適温は20℃前後。種まきの適期は、一般地では2〜4月か10〜11月頃です。前年の秋に播いておけば、冬の寒さにあうことで丈夫で充実した苗になり、早春から長い期間にわたって花を咲かせるメリットがあります。春になるのを待ってから種まきしてもよく、長い間場所を占領することがないので、小スペースで楽しみたい時には春に種を播いてもOK。寒い地域では、3〜5月頃に種を播いて、6〜7月頃に開花させるとよいでしょう。 種まきの際は、種まき用のトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、タネ同士が重ならないようにばらまきします。タネが隠れる程度に土を薄くかけましょう。タネが流れ出すことがないように、トレイより一回り大きな容器に浅く水を張り、トレイをつけて底面から吸水させます。涼しい場所で乾燥しないように管理すると、5〜10日ほどで発芽します。 発芽したら、日当たりがよく、風通しのよい場所で管理しましょう。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗します。10日に1度を目安に液肥を与えると生育がよくなります。本葉が5〜6枚つくまで管理し、ポットに根が回ってしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 土作り funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を植え場所に投入し、よく耕してふかふかの土を作っておくとよいでしょう。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 苗の植え付け Vasyliuk/Shutterstock.com 花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。 【地植え】 土作りをしておいた場所に、苗を植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、約20cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。霜が降りる場所や乾燥しやすい場所では、表土にバークチップなどをまいてマルチングをしておくと万全です。 【鉢植え】 鉢の大きさは、入手した苗よりも2回りほど大きいものを準備します。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ノースポールの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出してみて根が白く回っているようなら、軽く根鉢をくずしてから植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 水やり cam3957/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。まだ寒い時期はそれほど頻繁に水やりしなくてもよいのですが、暖かい春を迎えてぐんぐん成長し始め、茎葉を広げて多数のつぼみが上がってくると、水を欲しがるようになります。気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイントです。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 元肥 苗を植え付ける際に施す肥料が、元肥です。元肥は苗の初期生育を助け、茎葉をしっかり茂らせることにつながります。 【地植え】 植え付ける前に、腐葉土や堆肥などの有機質肥料を施しておきましょう。 【鉢植え】 鉢植えの場合、市販の培養土の多くは元肥としての肥料が含まれていることが多いので、重複を防ぐためにも元肥を施す必要があるかどうか確認しましょう。肥料が配合されていない培養土や、赤玉土や腐葉土などを自身でブレンドした土を使う場合は、緩効性化成肥料を施しておきます。 追肥 植え付けた苗が順調に生育し、元肥の効き目が切れた頃に与えるのが追肥です。 【地植え】 晩秋〜冬に植え付けた場合は、生育が盛んになる少し前の3月上旬頃に、緩効性化成肥料を施すとよいでしょう。春に植え付けた場合は、元肥を施してあれば十分。あまり与えすぎると、茎葉ばかりが旺盛に茂ってかえって花つきが悪くなることもあるので注意します。ただし、生育が悪いようなら速効性のある液肥を与えて様子を見ましょう。 【鉢植え】 鉢栽培の場合は、水やりとともに肥料成分が流亡しやすいので、追肥をして株の勢いを保つようにします。春から生育が盛んになってきたら、月に1度を目安に緩効性化成肥料を表土にばらまき、軽く土になじませます。もしくは10日に1度を目安に、速効性のある液肥を与えてもよいでしょう。開花期は開花促進の効果がある、リン酸やカリ分などを多く含んだ液肥を選ぶと花つきがよくなります。 摘心 mihalec/Shutterstock.com 植え付け後、幼苗のうちに茎の先端を切り取る「摘心」を繰り返すと、下からわき芽が出てこんもりとした株姿に成長し、花数も多くなります。 花がら摘み ノースポールは次から次へと花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。株周りを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けくれます。 切り戻し 旺盛に生育し、一通り咲いて草姿が乱れてきたら、草丈の半分くらいまでを目安に全体を刈り込む「切り戻し」をするとよいでしょう。すると株が盛り返して勢いよく生育し、再びたっぷりと咲く花姿を楽しめます。 ただし、遅めに苗を入手して草姿が乱れていない場合には、切り戻さずにそのままにしておいてもかまいません。 病害虫に注意 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 ノースポールに発生しやすい病気は、灰色かび病、立ち枯れ病などです。 灰色かび病は、茎や葉が溶けるように腐っていく病気で、進行すると灰色のカビに覆われてしまいます。株が成長して茎や葉が込み合いすぎているようなら、適宜間引いて風通しをよくし、傷んだ茎葉があれば早めに取り除きます。発生初期にスプレータイプの殺菌剤をかけて防除しましょう。 立ち枯れ病は、根や地際の茎から感染する病気です。だんだん生育が悪くなり、葉が黄色くなって株全体に病気が広がり、やがて腐って枯れてしまいます。発生初期に適応する殺菌剤をかけて防除しましょう。病気が広がるようなら、抜き取って処分します。 【害虫】 ノースポールに発生しやすい害虫は、アブラムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目にも悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の薬剤を利用するのがおすすめです。 タネの収穫 ノースポールのタネ採りは簡単です。一通り開花を楽しんだ後に株が衰え始めたら、花がら摘みをやめてタネをつけさせます。花が乾いたら花茎を切り取って、花心をほぐしてみると、中からタネが出てきます。ある程度しごいてふるいにかけた後、密閉できる袋に入れて、種まきの適期まで保存しておきましょう。 増やし方 ノースポールは一年草でライフサイクルが短いため、増やし方は種まき一択のみです。方法は「種まき」の項目を参照してください。 ノースポールを育ててガーデニングをもっと楽しく! Picmin/Shutterstock.com この記事では、ノースポールの基本情報や種類、詳しい育て方についてご案内してきました。白×黄色のコントラストが美しい小花が、長い期間にわたってたっぷりと咲いてくれて、ビギナーでも安心して育てられる丈夫な性質が持ち味です。成功体験を得やすいノースポールを、ぜひ庭やベランダに取り入れてはいかがでしょうか?
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ガーデン&ショップ

「第1回 東京パークガーデンアワード 代々木公園」1年の取り組み
毎日見学者が訪れる「代々木公園」がコンテスト会場 昨年12月に作庭され、毎日公開しているコンテストガーデンとモデルガーデンがあるのは、JR山手線「原宿」駅から徒歩3分の「都立代々木公園」の中。原宿門から入ってすぐ右手の「オリンピック記念宿舎前広場」です。敷地の奥は、緑深い明治神宮の森が背景となり、右手から日が昇る日当たりがよい開けた場所。かつては陸軍代々木練兵場だったところで、その後はワシントンハイツ、東京オリンピックの選手村と時代とともに変遷ましたが、「オリンピック記念宿舎」今も保存されています。 「オリンピック記念宿舎」までの通路沿いの左右に、5つのガーデンが作られています。右奥の広場には、吉谷桂子さんによるモデルガーデン「the cloud」も公開中。11月上旬の様子。 「第1回 東京パークガーデンアワード」の最大の特徴は、主に宿根草などを取り入れた「持続可能なロングライフ・ローメンテナンス」をテーマとする点。一度植え付けて根付いたあとは、最小限の手入れで維持されること、また同時にデザイン性と植物や栽培環境に対する高度な知識が求められる、新スタイルのガーデンコンテストです。 コンテストガーデンが作られている敷地の平面図。A〜Eの各面積は約72〜85㎡ 。どのエリアでガーデンを制作するかは、2022年11月に抽選により決定しました。 ここでテーマとなる「ロングライフ・ローメンテナンスな花壇」とは、季節ごとの植え替えをせずに、丈夫で長生きな宿根草や球根植物を中心に使って、植えっぱなしで、異なる季節に開花の彩りが楽しめる花壇のこと。2022年10月に5つのデザインの作庭が決定し、同年12月上旬にはそれぞれの区画で1回目の土づくりと植え付けが完了しました。 「第1回 東京パークガーデンアワード 代々木公園」11月上旬最終審査が行われました 2022年12月に行われた5つのガーデン制作に関わった皆さん。審査委員の正木覚さんと吉谷桂子さんを囲んで。 【第1回 東京パークガーデンアワード in 代々木公園 最終審査までのスケジュール】 2022年10月20日 応募締め切り10月31日 書類による本審査 5名の入賞者決定12月5〜9日 入賞者によるガーデン制作①2023年2月27日〜3月3日 入賞者によるガーデン制作②4月 ショーアップ審査(春の見ごろを迎えた観賞性を審査)7月 サステナブル審査(梅雨を経て猛暑に向けた植栽と耐久性を審査)11月上旬 ファイナル審査(秋の見ごろの観賞性と年間の管理状況を審査)全3回の審査を踏まえ、総合評価のうえ、グランプリ・準グランプリ・特別審査委員賞の決定11月 審査結果の発表・授賞式 「第1回 東京パークガーデンアワード」は、5名の参加者決定から最終審査の結果発表まで1年かけて行われる、新しい試みのコンテストです。これまで、12月に1回目のガーデン制作、2月下旬に2回目の植え付けや手入れがされ、4月に「ショーアップ審査」、7月に「サステナブル審査」、11月上旬に秋の見ごろの鑑賞性と年間の管理状況を審査する「ファイナル審査」が行われました。酷暑を乗り越え、晩秋のガーデン風景へと移り変わったコンテスト会場をぜひご覧ください。 「第1回 東京パークガーデンアワード 代々木公園」すべての審査が終了しました! 審査委員/福岡孝則(東京農業大学地域環境科学部 准教授) 正木 覚(環境デザイナー・まちなか緑化士養成講座 講師) 吉谷桂子(ガーデンデザイナー) 佐々木 珠(東京都建設局公園緑地部長) 植村敦子(公益財団法人東京都公園協会 常務理事) 4月、7月、11月の3回の審査では、5名の審査委員による採点と協議により行われました。審査基準は、以下の8つの項目です。1. 公園の景観と調和していること 2. 公園利用者のためのデザインであること 3. 公園利用者が美しいと感じられること 4. 造園技術が高いこと 5. 四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること 6. 「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること(ロングライフ) 7. メンテナンスがしやすいこと(ローメンテナンス) 8. デザイナー独自の提案ができていること グランプリ コンテストガーデンCGarden Sensuous ガーデン センシュアス コンテストガーデンC 季節の変化 11月上旬のコンテストガーデンC 「Garden Sensuous ガーデン センシュアス」 審査員講評緩やかなアンジュレーションと植栽との基本構成がしっかりしていて、年間を通して安心して見ていられるガーデンでした。厳しい夏を超えてなお目立ったダメージも少なく、全体としては自然風のガーデンである中で植栽配置が季節ごとにきちんと秩序を保ち、公共のガーデンにおける理想の新しい庭を見ているようでした。緑の質感と色のグラデーションが印象的で、エッジの曲線を活かした公園風景との一体感・透明感の作り方にも技術の高さを感じます。コンセプトの通り、来園者の感覚に優しく、静かに訴えかけるガーデンが見事に表現されていました。 ⚫︎コンテストガーデンCの月々の変化は、こちらからご覧いただけます。 準グランプリ コンテストガーデンBLayered Beauty レイヤード・ビューティ コンテストガーデンB 季節の変化 11月上旬のコンテストガーデンB 「Layered Beauty レイヤード・ビューティ 」 審査員講評一年中見どころの絶えないガーデンで、スタートから全力投球でのパフォーマンスに感服させられました。特に春、夏は、植物の色や質感の重厚なレイヤーが圧巻の美しさを作り出していました。確かな技術のもと引き出された多種の植物のパフォーマンスを間近で見ることができ、プロのガーデナーにとっても、今年のような酷暑にどの植物が効果的に、美しく、サスナブルに生きていけるのかを学ばせてくれる素晴らしいチャンスとなりました。思わず写真を撮りたくなる風景が四季折々に作られ、人々を惹きつける“植物の力”を再認識できるガーデンであったと感じます。 ⚫︎準グランプリを受賞したコンテストガーデンBの月々の変化は、こちらからご覧いただけます。 審査員特別賞 コンテストガーデンAChanging Park Garden ~変わりゆく時・四季・時代とともに~ コンテストガーデンA 季節の変化 11月上旬のコンテストガーデンA 「Changing Park Garden ~変わりゆく時・四季・時代とともに~」 審査員講評エントランスを飾るに相応しい、華やかなガーデンでした。色・質感がバリエーションに富んでいて、園路の際いっぱいまで活用した伸びやかな造形が公園の景色に調和すると共に、他にはない個性となっていました。慣れない東京の環境、遠方からの参加という厳しい条件の中で手入れのタイミングを逃してしまった時期も見うけられましたが、ローメンテナンスのもと最終審査の頃にはしっかりと再生させた手腕も見事で、秋には大きく育った宿根草の魅力や存在感が抜きん出ていました。年間を通じて、宿根草の豊かな表情の変化を見せてくれました。 ⚫︎コンテストガーデンAの月々の変化は、こちらからご覧いただけます。 入賞 コンテストガーデン DTOKYO NEO TROPIC トウキョウ ネオ トロピック コンテストガーデンD 季節の変化 11月上旬のコンテストガーデンD「TOKYO NEO TROPIC トウキョウ ネオ トロピック」 審査員講評明確なコンセプトのもと、他には無い珍しい植物を存分に満喫する楽しみを来園者に提供してくれました。熱帯植物の彫刻的な美しさが、高低差のある植栽配置やレイズドベッドへの寄せ植えの手法でより引き立ち、ディテールを鑑賞する楽しさや芸術性を感じながらガーデンを見ることができます。バイオネストの活用をはじめ年間を通じてのローメンテナンス、また、熱帯植物を公園のガーデンに取り入れるという実験的な視点で挑んだ点も評価が高く、今後、気候変動への対応が益々求められる中で、植栽デザインの一つの解答になり得ると感じています。 ⚫︎コンテストガーデンDの月々の変化は、こちらからご覧いただけます。 入賞 コンテストガーデン EHARAJUKU 球ガーデン コンテストガーデンE 季節の変化 11月上旬のコンテストガーデンE 「HARAJUKU 球ガーデン」 審査員講評タイトル通り、それぞれの季節に浮き上がる球状の花・植物が魅力的な、非常にビジュアルなガーデンでした。色調が統一された植栽は可愛らしさとシックさを両立しており、洗練されたお洒落さと、オリンピック記念宿舎を背景にした際のフォトジェニックさが特に際立ち、HARAJUKUという場所にマッチしています。ディテールにセンスの光る植栽デザインが垣間見えると共に、一般の庭づくりでも参考になる部分が多く見られた点も来園者に喜ばれたと評価します。デザイナーの世界観が十分に表現され、その温かな想いや愛情が伝わってくるガーデンでした。 ⚫︎コンテストガーデンEの月々の変化は、こちらからご覧いただけます。 Pick up 月々の植物 11月の植物 左から/サルビア‘アメジストリップ’(Aエリア)/ノコンギク‘夕映’(Bエリア)/アネモネ(シュウメイギク)‘パミナ’(Bエリア)/リアトリス‘フロリスタンホワイト’のシードヘッド(Cエリア) 左から/リアトリス・スカリオサ ‘アルバ’のシードヘッド(Cエリア) /パイナップルサングリア(Dエリア) /コレオプシス( Dエリア) /クジャクアスター(Dエリア) 10月の植物 左から/ペルシカリア(Aエリア)/ユーパトリウム‘羽衣’(羽衣フジバカマ)(Bエリア)/カラミンサ・ネペトイデス(Cエリア)/パンパスグラス‘ゴールデン・ゴブリン’(Dエリア) 左から/アスター・ラテリフローラス 'レディ・イン・ブラック’(Dエリア)/サルビア・アズレア(Eエリア) /カカリア( Eエリア) /アネモネ‘アンドレア・アトキンソン’( モデルガーデン) 9月の植物 左から/ミューレンベルギア・カピラリス(Aエリア)/パトリニア・プンクティフローラ(Bエリア)/アスター’アンベラータス’(Bエリア)/ガイラルディア‘グレープセンセーション’(Cエリア) 左から/ペニセタム’JS ジョメニク’(Cエリア)/ハナシキブ ‘ヒントオブゴールド’(Dエリア) /アスター’ジョリージャンパー’( Eエリア) /フロックス’オールドブルー’( モデルガーデン) 8月の植物 左から/ペニセタム‘テールフェザー’(Aエリア)/ヘレニウム’レッドシェード’(Aエリア)/バーノニア・ファスキクラータ(Bエリア)/ユーパトリウム‘レッドドワーフ’(Bエリア) 左から/リアトリス・スカリオサ ‘アルバ’(Cエリア)/ルドベキア・サブトメントーサ‘ヘンリーアイラーズ’(Dエリア) /アリウム’サマービューティ’(Eエリア) /アネモネ・トメントーサ(モデルガーデン) 7月の植物 左から/フロックス‘フジヤマ’(Aエリア)/ヒオウギ‘ゴーンウィズザウィンド’(Bエリア)/アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’(Bエリア)/エキナセア‘バージン’(Cエリア) 左から/カンナ(Dエリア)/アメリカフヨウ(Dエリア)/エキノプス‘プラチナムブルー’( Eエリア) /ヘリオプシス’ブリーディングハーツ’ (Eエリア) 6月の植物 左から/サルビア・ウルギノーサ(Aエリア)/エキナセア‘ラズベリートリュフ’(Aエリア)/アキレア‘ウォルターフンク’(Bエリア)/フロックス‘ブライトアイズ’(Bエリア) 左から/リアトリス‘コボルト’(Cエリア)/ラティビタ ‘レッドミジェット’(Cエリア)/ポピーマロウ(Dエリア)/ポンポン咲きダリア( Eエリア) 5月の植物 左から/エレムルス‘ロマンス’(Aエリア)/クニフォフィア・シトリナ(Aエリア)/ダウクス・カロタ‘ダラ’(Bエリア)/クラスペディア・グロボーサ(Bエリア) 左から/エリンジウム‘ブルーグリッター’(Cエリア)/リクニス・コロナリア(Dエリア)/ホルデューム・ジュバタム(Eエリア)/カンパニュラ‘サマータイムブルース’(モデルガーデン) 4月の植物 左から/ユーフォルビア・ウルフェニー(Aエリア)/フリチラリア・エルウェシー(Bエリア)/ラナンキュラス・ラックス‘アリアドネ’(Bエリア)/アジュガ'チョコチップ’(Cエリア) 左から/フロックス・ピロサ(Dエリア)/エリゲロン・カルビンスキアヌス(Dエリア)/アリウム・シルバースプリング(Eエリア)/アリム‘パープル・レイン’(モデルガーデン) 3月の植物 左から/アネモネ・デカン(Aエリア)/スイセン 'ペーパーホワイト’(Bエリア)/フリチラリア‘ラッデアナ’(Bエリア)/イベリス(Cエリア) 左から/サルビア・ネモローサ(Dエリア)/ベロニカ‘オックスフォードブルー’(Eエリア)/イフェイオン‘アルバートキャスティロ’(モデルガーデン)/シラー・シビリカ(モデルガーデン) 2月の植物 左から/スイセン‘ティタティタ’(モデルガーデン)/アリウム 'シルバースプリング’(Aエリア)/ユーフォルビア ウルフェニー(Aエリア)/カレックス テヌイクルミス(Bエリア) 左から/アジュガ レプタンス(Cエリア)/リナリア プルプレア 'アルバ' (Cエリア)/ガウラ リンドヘイメリ ’クールブリーズ'(Dエリア)/アリウム ‘サマードラマー’(Eエリア) 1月の植物 左から/アネモネ(エントランス花壇)/パンパスグラス‘タイニーパンパ’(エントランス花壇)/スティパ・イチュー(Aエリア)/苗から植え付けたアリウム‘サマードラマー’(Bエリア) 左から/レモンバームやオレガノ'ヘレンハウゼン’、 'ノートンゴールド’など(Cエリア)/ユーフォルビア‘ブラックバード’(Dエリア)/エルサレムセージ(Dエリア)/ニューサイラン(Eエリア) 全国から選ばれた5人のガーデンコンセプト 「持続可能なロングライフ・ローメンテナンス」をテーマに、各ガーデナーが提案するガーデンコンセプトは、5人5様。それぞれが目指す庭のコンセプトや図面、植物リストの一部をご紹介します(応募時に提出された創作意図や植物リストを抜粋してご紹介)。 コンテストガーデンA【審査員特別賞】Changing Park Garden ~変わりゆく時・四季・時代とともに~ 【作品のテーマ・創作意図】時間や四季の移ろいと共にドラマチックに展開する宿根草ガーデンは見る人の心を豊かにします。たとえば秋の夕景は、光が植物たちの魅力をいっそう引き出してくれる、もっとも美しい時間でしょう。公園の緑花空間は、来園者に感動や癒やしを提供する場所であり、さらに植物を通してコミュニティが生まれ「共感」の時代へと変化しつつあります。人々に愛される場所であることが真の持続可能なガーデンとなるのではないでしょうか。さまざまな意味で変化する公園のガーデン≪Changing Park Garden≫をテーマに、◆Chillax (チラックス) ◆Community(コミュニティ) ◆Challenge(チャレンジ)3つの「C」をコンセプトにガーデンデザインを計画します。【主な植物リスト】サルビアネモローサ カラドンナ/ユーフォルビア ウルフェニー/エキナセア パープレア/アガスターシェ ゴールデンジュビリー/ネペタ シックスヒルズジャイアント/ヘリオプシス ブリーディングハーツ/サルビア ミスティックスパイヤーズ/アジュガ ディキシーチップ/ペニセタム ビロサム/カレックス フェニックスグリーン/ペニセタム テールフェザー/アリウム イエローファンタジー など 合計84種 コンテストガーデンA 月々の変化 【11月中旬】 ペニセタム‘テールフェザー’やミューレンベルギア・カピラリス、ペニセタム‘ビロサム’などのさまざまなグラスが隣り合う植物を透かすように穂を広げる間では、先月から引き続きサルビア‘ミスティック・スパイヤーズ’の青花やエキナセア‘ラズベリートリュフ’の鮮やかなピンクがアクセントになっています。園路にはみ出すほど匍匐して広がる黄金葉のオレガノ‘マルゲリータ’や銀葉のエリムス・アレナリウスなど葉色のバリエーションが楽しめるうえ、11月になって、サルビア‘アメジストリップ’やカンパニュラ・ラプンクロイデス(下中央)が咲き始めて彩りが一層増しています。 【10月下旬】 先月から穂を伸ばし始めたさまざまなグラス類が穂を広げ、花壇にリズミカルな景色を作っています。6月から休むことなく咲き続けているサルビア‘ミスティック・スパイヤーズ’がさらに花を増やし、存在感がさらにアップ。低い位置では、エキナセア‘ラズベリートリュフ’の鮮やかなピンク(下中央)や、アキレア‘ラブパレード’、ペルシカリア、シルフィウム・モーリー(右下)などがカラフルな花色のアクセントを添えています。 【9月下旬】 高温が続き、雨量も少ない過酷な夏を超え、6月から引き続き咲き続けているサルビア‘ミスティック・スパイヤーズ’が未だ健在。エキナセア‘ラズベリートリュフ’の鮮やかなピンクに加え、アキレア‘ラブパレード’(右下)やクニフォフィア・シトリナが再び開花。カラマグロスティス・ブラキトリカやペニセタム・アロペクロイデス(チカラシバ)など、さまざまなグラス類が穂をあげてガーデンのアクセントになっています。 【8月中旬】 7月から穂が伸び始めたペニセタム‘テールフェザー’(上写真右側)が大株に育ち存在感を発揮しています。6月から引き続き咲き続けているサルビア‘ミスティック・スパイヤーズ’(下左)やバーベナ‘バンプトン’に加え、8月は、ヘレニウム’レッドシェード’(下中)が花束のようにダイナミックに咲き、夏に切り戻したベロニカ‘ファーストキス’(下右)が再び咲き始めています。 【7月中旬】 各株が大きくなり、混ざり合って茂る真夏。6月から引き続き咲き続けるスカビオサ・オクロレウカやサルビア‘ミスティック・スパイヤーズ’などに加え、メリカ・シリアタ(写真下左)スティパ・イチュー(写真下中)、ペニセタム‘テールフェザー’(写真下右)など、さまざまなグラスの穂が伸びていて、花壇に動きが感じられます。 【6月中旬】 植物の成長が進み、一つずつの植物のボリュームが増して緑の量も増えました。6月に開花が始まったエキナセアの鮮やかなピンク色の花にペニセタム・ピロサムの穂が寄り添っていたり、5月に白花を咲かせていたバレリアナ・オフィシナリスの花がらが雲のように優しい景色を作っています。サルビアの青花、ペニセタム・テールフェザーなどが丈高い植物が背景でスクリーンのようになり、アリウムが宙に浮かんでアクセントになっています。 【5月中旬】 5月になると一気に成長が進み、まったく地面が見えないほど、どの植物もボリュームアップ。4月中旬に花壇のフレームからはみ出すほど成長していたスタキス ビザンティナ(右下)は、花穂を立ち上げ、周囲の植物と色の対比を見せています。花壇の後方では、白花のバレリアナ・オフィシナリスやエレムルスが背丈ほどに伸び、景色が立体的になりました。 【4月中旬】 3月に咲き始めたアネモネ・デカンは、まだまだ花数を増やし、他の植物も2倍、3倍と草丈が高くボリュームが増してきました。スタキス・ビザンティナ(英名ラムズイヤー、右下)は、花壇のフレームからはみ出るほどに葉を伸ばし、アリウムにはつぼみがついています。葉の形状の違いや草丈の差が出て、花壇が立体的になってきました。 【3月中旬】 アネモネ・デカンの葉が増え、白・紫・赤・ピンクとカラフルに花が咲き出しています。また、原種チューリップ‘ポリクロマ’も開花中。スタキス・ビザンティナやアリウム 'シルバースプリング’、ユーフォルビア ウルフェニーも存在感を増し、緑の量が日に日に増えています。 【2月中旬】 斑入り葉のカレックス・オシメンシスや黄金葉のカレックス‘ジェネキーが日に輝くなか、サルビア・ネモローサ‘カラドンナ’やスカビオサ・オクロレウカ、スタキス・ビザンティナなどが地面に張り付くように葉を広げています。 【1月中旬】 コンテストガーデンB【準グランプリ】Layered Beauty レイヤード・ビューティ 【作品のテーマ・創作意図】季節を感じる宿根草ガーデンを作るということは、さまざまなレイヤーを組み合わせて、美しさを構築するということだと考えています。<植物のレイヤー・時間差のレイヤー・バランスのレイヤー・地下部のレイヤー>これまで、多くのデザイナーやガーデナーとの交流の中で、どの植物がガーデンの中でどんな役割を果たしているか、また、どんな植物が耐久性があるのか、今後どういった植物を提案したらよいかなどについて蓄積してきた引き出しとアイデアがあり、それらを、今回提案できればと考えました。デザインにおいては、感性だけではなく、植物生産者としてサステナブルで、かつ美しく見える植栽の構築について理詰めでデザインする(=一般化できる)手法を取り入れ、その過程をオープンにできればと思っています。 【主な植物リスト】 <グラス類>パニカム チョコラータ/カラマグロスティス ブラキトリカ/ミスカンサス モーニングライト/ルズラ ニベア/スキザクリウム スモークシグナルなど <宿根草(高)>ユーパトリウム レッドドワーフ/パトリニア プンクティフローラ/ヒオウギ ゴーンウィズザウィンド/フィリペンデュラ ベヌスタなど <宿根草(中)>エキナセア(オレンジパッション、マグナス スーペリア他)/ヘリオプシス ブリーディングハーツ/アムソニア ストームクラウドなど <宿根草(低)>ゲウム マイタイ/アリウム(サマービューティ、イザベル、メデューサ)/ベロニカウォーターペリーブルー/カラミンサ ブルークラウドなど <日本由来の植物>イカリソウ(4-5種)/ヤマトラノオ/ノコンギク夕映/ユーパトリウム羽衣/シュウメイギク パミナなど <一年草・二年草>ラークスパー/アンスリスクス/アンミ/フロックス クリームブリュレ/タゲテス ミヌタ/クラスペディアなど <球根類>フリチラリア(ラッデアナ、ペルシカ、エルウェシー)/シラー ミスクトケンコアナ/クロッカス プリンスクラウス/ミニチューリップなど 合計142種 コンテストガーデンB 月々の変化 【11月中旬】 見上げるほど丈高く、まるで雲のようにピンク色の小花をふんわりと咲かせているユーパトリウム‘羽衣’(羽衣フジバカマ)の株元では、ノコンギク‘夕映’が紫の花を多数咲かせていたり、低い位置では茶色く色づくグラスとエキナセア‘ミニベル’がコラボレーションしているなど、花壇のあちこちでシックなカラーコーディネイトが楽しめます。ルドベキア‘ブラックジャックゴールド’のシードヘッド(花がら)が黒く残って宙に浮かび、花壇のアクセントとしても役立っています。 【10月下旬】 先月から次々と穂を伸ばしているグラス類がスモークのように穂を広げている効果で、花壇全体がやさしい印象です。人の背丈を越すほど大きくなったユーパトリウム‘羽衣’(羽衣フジバカマ)には小さな花を咲かせて赤みを添えています。ピンクの花を咲かせていたガイラルディア‘グレープセンセーション’は花びらが落ちた後、丸い花芯が残って道沿いのアクセントになっています。アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’やヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’が引き続き咲くなか、アスター・ラテリフローラス 'レディ・イン・ブラック'やノコンギク‘夕映’など秋を感じさせる花が咲いています。 【9月下旬】 園路沿いに低く茂るグラスの間からガイラルディア‘グレープセンセーション’(左下)などが再び花を増やし、アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’やヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’も引き続きガーデンの彩りに貢献。高低差のあるさまざまなグラスも存在感を増すなか、パトリニア・プンクティフローラ(上写真中央)やユーパトリウム‘羽衣’(羽衣フジバカマ)が人の背丈を越すほど大きくなり、デザインの変化となっています。 【8月中旬】 8月になると園路に沿ったの花壇の縁を隠すほどグラスの穂がふわふわと茂り、まるでスモークのよう。8月に咲き始めた多数のアリウム‘メデューサズヘア’(下左)やヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’(下右)、ガイラルディア‘グレープセンセーション’などが穂と混ざり合い、ユーモラスな景色が見られます。7月から涼しけなブルーの花が継続して咲いているアガスターシェ‘ブルーフォーチュン’は、突然の強い雨風や猛暑にも耐えて彩りに貢献しています。 【7月中旬】 5〜6月から咲き続けているダウクス・カロタ‘ダラ’やフロックス‘ブライトアイズ’、エキナセア‘ミニベル’に加え、7月は、ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’やアガスターシェ‘ブルーフォーチュン’が花を増やしています。花壇の中には、秋に向けてぐんぐん成長するものや、これから咲く蕾もスタンバイしています。 【6月中旬】 6月になると、エキナセア‘イブニンググロー’や‘ブルーベリーチーズケーキ’、アキレア‘アプリコットデライト’や‘ウォルターフンク’などの暖色系の花に主役がバトンタッチして、さまざまな色彩が楽しめます。間に茂る銅葉のアンスリスクス ‘レイヴンズウィング’によって花色が際立って見えたり(左下)、ゲラニウムの黄金色の葉にエキナセアが引き立って見える(右下)など、植物同士のコラボレーションが楽しめます。 【5月中旬】 4月中旬からアクセントになっていた大小さまざまなアリウムは、次の開花を迎えるアリウムとバトンタッチしながら、咲き終わってボール状の花がらのまま残っているなか、エリンジウム(右下)やクラスペディア・グロボーサなど、新しい花色が多数組み合わさって、場所ごとに異なるカラーハーモニーが楽しめます。花から種になるもの、蕾から花を咲かせるもの、いろいろな植物の姿が一緒に見られます。 【4月中旬】 12種も植えられていたチューリップは3月から順次咲き始めて、4月中旬までバトンタッチするように咲き継ぎました。4月中旬は、ラナンキュラス・ラックスやカマシア、アリウムの彩りが加わって一層華やかに。花壇の土を盛り上げた効果で、奥に咲く花の様子もよく見えます。 【3月中旬】 花壇手前には、ピンクやブルー、白のムスカリが次々と開花し、花壇中央では、スイセン‘ペーパーホワイト’が開花。黄花のミニチューリップ・シルベストリスも花束のように咲いています。アリウム・ギガンテウムは、葉をダイナミックに繁らせ、地面を隠すほどに成長。暖かい日が続いて、多くの植物が目覚めています。 【2月中旬】 苗から植え付けたアリウム‘サマードラマー’が前月よりも2倍の高さまで伸び、スイセン‘ペーパーホワイト’(左下写真中央)はつぼみが膨らんでいます。オーニソガラムやチューリップ、クロッカスなど、あちこちで芽吹きが確認できます。ふわふわと茶色の細葉を伸ばすのは、カレックス・テヌイクルミス。 【1月中旬】 コンテストガーデンC【グランプリ】Garden Sensuous ガーデン センシュアス 【作品のテーマ・創作意図】私たちの感覚に訴えかけるガーデン、Garden Sensuous。日本の古の歌人・俳人たちは、森羅万象、感情の機微や情緒、美しい風景を歌に詠んできました。その美しさへの眼差しは自然環境への知見を踏まえた、高度に知的で文化的なものであったと考えられます。そしていま、これからの環境について考える場合、サステナブルやエシカルであることは、無視できないトピックです。サステナブルなガーデンであること、エシカルなガーデンであることが、人の感覚に訴えかける条件の一つであると考えます。また私たちの感覚に訴える美しさとはそういったものであって欲しい、という願いを込めてこの庭をデザインしました。【主な植物リスト】<Spring>アスチルベ/アガパンサス/ガウラ/カラミンサ<Summer>エキナセア/ヘレニウム/ルドベキア/ガイラルディア/アガスターシェ/ヘリオプシス/バーベナ/リアトリス<Autumn>オミナエシ/オトコエシ/フジバカマ<Ground cover>オレガノ/レモンバーム/ワイルドストロベリー<Grass 他>イトススキ/ペニセタム/フェンネル など 合計65種 コンテストガーデンC 月々の変化 【11月中旬】 カラミンサやガウラの白花と、イトススキやペニセタムの穂が花壇全体に白くエアリーな雰囲気を作るなか、アガスターシェ’ゴールデンジュビリー’と地際を覆うワイルドストロベリー 'ゴールデンアレキサンドリア’の黄金葉が明るさを添えています。その中で黒くシックなアクセントになっているのは、リアトリス‘フロリスタンホワイト’やリアトリス・スカリオサ ‘アルバ’の長い花穂のシードヘッド(花がら)です。昨年12月の作庭時に設置されたバグ・ホテルは約一年の風雨を受けて味わいが出ています。 【10月下旬】 これまで大きく茂っていた株は、剪定などの手入れで風通しよく整理され、9月よりも全体にボリュームが抑えられ、すっきりとした印象です。先月まで鮮やかに咲いていたエキナセアは花びらを落としたあと花芯が残り、リアトリス‘フロリスタンホワイト’の長い花穂のシードヘッドが9月よりも枯れ色になって、花壇に馴染んでいます。7月から咲き続けているカラミンサ・ネペトイデスは、さらに花穂を伸ばしてスモークのようにふわふわと優しい雰囲気を作っています。イトススキやオミナエシ、フジバカマといった日本で親しみのある植物も混ざり咲いています。 【9月下旬】 過酷な夏を耐えた植物たちは、隣り合うもの同士が支え合っているかのようにこんもり茂り、花壇全体に咲き続けている花が多数あります。手前では、ガイラルディア‘グレープセンセーション’が低く咲き、ペニセタム’JS ジョメニク’も穂を立ち上げています。花壇の中ほどでは、7月から引き続きカラミンサ・ネペトイデスやエキナセアが咲き、奥では丈高くバーベナ・ボナリエンシスやオミナエシが彩りに。夏の間、茂みに隠れていたバグ・ホテルが再び見えるようになり、その様子から月日の経過が感じられます。 【8月中旬】 7月から咲き続けているバーベナ・ボナリエンシスやオミナエシ、カラミンサ・ネペトイデス、エキナセアが彩る中で、花が終わったリアトリス‘フロリスタンホワイト’の長い花穂やエキナセアのシードヘッドがアクセントになっています。3月にシードボール(種団子)を播いて育ったアカジソの銅葉(上写真内右)やレモンバーム‘ゴールドリーフ’のライムグリーンの葉(下右)もガーデンの彩りに一役買っています。 【7月中旬】 5月までは場所が確認できていた4つのバグホテル(虫たちの住処になる場所)が隠れるほど各植物のボリュームが一層増して、花の彩りも豊かです。カラミンサ・ネペトイデスのような細かな花に対比して、エキナセアやガイラルディアの花が引き立ち、リアトリスやアガスターシェのような穂状の花もアクセントになっています。花壇の後方では、バーベナ・ボナリエンシスやオミナエシが丈高く開花。 【6月中旬】 各植物のボリュームが一段と増して、植物の高低差がリズミカルです。花々の中で昆虫が休んでいる様子が見られたり、花穂を伸ばす植物は風に揺れ、ワイルドストロベリーには赤い果実がなっています。この庭のテーマである「生き物たちの住処になる」ことや、風による動きや花や緑の香りを感じられたり、食べられるものも育つという「五感を刺激するガーデン」を花壇の中で実際に見ることができます。 【5月中旬】 地面がほぼ隠れるほど、どの植物も葉を増やし、ガウラやエキナセア・パラドクサ、アスチルベ、リナリアなどが開花して、花の彩りも増えています。花壇の後方では、グラスの穂が風に揺れたり、背丈より高く伸びたバーベナ・ボナリエンシスが紫の花を咲かせ、植物の高低差にリズムを感じます。2月下旬に設置されたバグホテル(虫たちの住処になる場所)が隠れるほど、周囲の植物がよく成長しています。 【4月中旬】 それぞれの植物が勢いよく成長し、イベリスの白い花とオレガノ 'ノートンゴールド’などの黄色い葉が明るいアクセントになっています。カラス除けとして刺さされていた枝は、丈高く育ってきた植物の支えに転用し、花壇の中で馴染んでいます。 【3月中旬】 2月下旬に設置されたバグホテル(虫たちの住み家になる場所)の周囲に植わるリナリア・プルプレア 'アルバ' がぐんぐん成長し、窪んだ低地では、アスチルベが存在感を出してきました。築山には、イベリスの白花やシラーの青花が彩りに。黄金葉のワイルドストロベリー 'ゴールデンアレキサンドリア’ にも花が見られます。 【2月中旬】 銅葉のガウラ 'フェアリーズソング’や黄金葉のワイルドストロベリー 'ゴールデンアレキサンドリア’、緑葉のシャスターデージー ’スノードリフト’が低く、地表に彩りを添えています。植物を守るように刺さる枝は、カラス除け。 【1月中旬】 コンテストガーデンD【入賞】TOKYO NEO TROPIC トウキョウ ネオ トロピック 【作品のテーマ・創作意図】地球温暖化と共に東京で越冬するようになった亜熱帯植物を取り入れ、花壇をつくります。また「循環型再生管理」を目指し、維持管理の過程で発生する植物の発生材は現場で更新、循環するガーデンをつくります。亜熱帯植物が力強く越冬する姿から緑のうるおいとあわせ、環境への意識「地球温暖化への警鐘」のきっかけをつくります。そして、地球温暖化による気温上昇、豪雨などの異常気象が多発するなかで、改めて「植物」や「土」の環境改善の役割を見つめ直し、緑の大切さを発信します。【主な植物リスト】<PURPLE >アンドロポゴン‘ブラックホース’ /アスター‘レディーインブラック’ /リグラリア‘ミッドナイトレディ’/アルストロメリア‘インディアンサマー’/エンセテ‘マウエリー’/ユーホルビア ‘ブラックバード’/カレックス ‘プレーリーファイヤー’/リシマキア ‘ファイヤークラッカー’/パニカム ‘チョコラータ’/ニューサイラン ‘ピンクストライプ’/トラディスカンチア ‘ムラサキゴテン’/ダリア<SILVER>ルドベキア ‘マキシマ’/リクニス‘コロナリア’/アガベ ‘姫滝の白糸’/アガベ ‘ボッテリー’/ユーホルビア/スティパ/エルサレムセージ/パンパスグラス<GREEN>ユーパトリウム‘グリーンフェザー’/トリトマ ‘アイスクイーン’/アロエベラ/ナチシダ/アガパンサス/ストレリチア/ガウラ ‘クールブリーズ’/アスパラガス ‘マコワニー’/アガスターシェ ‘ブラックアダー’<YELLOW>ワイルドストロベリー ‘ゴールデン アレキサンドリア’/ジャスミン ‘フィオナサンライズ’/カンナ ‘ベンガルタイガー’<GROUND COVER>クリーピングタイム/エリゲロン/スイセン‘チタテート’/チューリップ‘タルダ’/ハナニラ/アリウム ‘サマービューティ’/ゼフィランサス/イベリス 合計40種 コンテストガーデンD 月々の変化 【11月中旬】 5月から存在感を出していた2株のエンセテは、遠くからも存在が分かるほど一段と大株に育ち、来園者を驚かせています。アロエやエルサレムセージの銀葉、ユーフォルビア‘ブラックバード’の銅葉、カンナなどの黄金葉など、さまざまなカラーリーフが楽しめるなか、11月中旬になってもダリアやアルストロメリア、ルドベキア、エキナセア、パイナップルサングリア、コレオプシスなど多くの種類が引き続き咲き続けていて、彩り豊かです。ウィービングレイズドベッドには、ワイルドストロベリーとパッションフルーツが実をつけています。 【10月下旬】 夏に存在感があったガウラやルドベキアの花が減ってきたことと比例して、ダリアが花数を増やし、パンパスグラスやパニカム’チョコラータ’などのグラスの穂が伸びて、景色が変わってきました。紫葉のトラディスカンチアが茂るレイズドベットのそばでは、アスター・ラテリフローラス 'レディ・イン・ブラック'が無数に花を咲かせ、背景ではユーパトリウム・カピリフォリウムがふわふわと茂って、さまざまな葉色のコラボレーションも見られます。また、隣のレイズドベットに植るストレリチア・レギナエ 'ゴールドクレスト'の花芽が再び上がってきました(丸囲み内)。6月から咲き続けているアルストロメリア‘インディアンサマー’は、引き続き開花が衰えていません。 【9月下旬】 5月から存在感を出していた2株のエンセテは、カンナを越すほど丈高く成長し、花壇により一層立体感を与えています。ストレリチアが植わるウィーピングレイズドベッドで茂っていたイポメアやベンガルヤハズカズラは、つるが整理されてフレームが見えるようになりました。引き続き咲き続けている白花のガウラと紫葉のトラディスカンチア、イポメアのライムグリーンの葉色のコントラストが鮮やかです。6月から夏中咲き続けてきたアルストロメリア‘インディアンサマー’に加え、各所でダリアも次々咲き始めています。 【8月中旬】 5〜6月から咲いているガウラやアガスターシェ、アルストロメリアに加え、7月に咲き始めたルドベキアが引き続き彩りになっている8月。パンパスグラスも大きな穂を立ち上げて、さらにガーデンに立体感が出てきました。ストレリチアが植わるウィーピングレイズドベッドでは、イポメアやベンガルヤハズカズラがフレームを覆い隠すほど旺盛に葉を増やして緑豊かです。 【7月中旬】 スティパの穂が風に揺れ、5〜6月から咲いているガウラやアガスターシェ、ポピーマロウ、トリトマ、アルストロメリアが引き続き咲き続けるなか、4種のルドベキアやダリアとクロコスミアの彩りも加わって鮮やかです。丸く剪定枝を積み重ね、落ち葉などを入れて堆肥を作るバイオネストの縁に、隣から伸びてきたベンガルヤハズカズラが絡んで花壇に馴染んでいます。 【6月中旬】 各植物がより一層茂ったことで、銀色がかる葉、青みがかる葉、銅色の葉など、葉色や草姿の違いが際立ってわかるようになってきました。6月は、トリトマやアルストロメリア‘インディアンサマー’のオレンジ色の花が鮮やかに引き立っています。「Look at me!」と記された札が立つウィービングレイズドベッドには、ワイルドストロベリーの茂みの中でパッションフルーツが丸い実をつけています。夏の日差しを受けて、花壇は日に日にトロピカルな雰囲気が増しています。 【5月中旬】 花壇の中に作られた9つある「ウィービングレイズドベッド」の中の植物も、枠からはみ出るほど成長し、レイズドベッドごとに異なる景色が楽しめます。植えつけ時期の3月は、とても小さかったエンセテ(左下中央)は、赤みを帯びた緑葉を大きく広げて存在感が日に日に増し、目を惹いています。尖った葉、ふわふわ茂る葉、這って広がる緑、ワイルドに育つさまざまな草姿の違いも注目のポイントです。 【4月中旬】 スイセンやチューリップは見頃を終え、桃色のフロックス・ピロサや青花のアジュガ・レプタンス、白花のイベリス・センペルビレンスが、花を増やし彩りを添えています。メシダ‘バーガンディレース’の葉の間に咲くのは、アネモネ・フルゲンス(右下)。マルバダケブキの間から丸いつぼみを伸ばしているのはアリウム・ニグラム(左下)。 【3月中旬】 これまで姿が見えていなかったスイセン‘ティタティタ’があちこちで芽吹き、ワイルドストロベリーやアガベ、エルサレムセージなど、周囲の植物たちと面白いコラボレーションを見せています。自然素材を使った「ウィービングレイズドベッド」に植えられた植物は地面よりも高い位置にあるので、植物の様子が近くに感じられます。銀色や銅色、斑入りなど、いろんな葉色が楽しめます。 【2月中旬】 12月の植え付け時から地上部が残っているパンパスグラスやエルサレムセージ、ユーフォルビアが寒さに耐えているなか、レイズドベッドに植わる植物が少しずつ芽吹き始めています。 【1月中旬】 コンテストガーデンE【入賞】HARAJUKU 球ガーデン 【作品のテーマ・創作意図】初夏からのアリウム~秋のダリア を中心とした、球状の花の組み合わせでポップに楽しく魅せるガーデンです。アリウムはその形状が非常にユニークかつアート的で、原宿に集う人々のアンテナに触れる植物ではないでしょうか。ほかにも、エリンジウムやヘレニウム‘オータムロリポップ’、モナルダ、ニゲラの花後の球果など、観て楽しい植物で構成しました。また、秋のダリアはデスカンプシア‘ゴールドダウ’との合わせで、一見存在が浮いて見えてしまいがちなダリアを、幻想的に他の植物たちと融合させます。「球ガーデン」のネーミングは、某超有名ガーデンを原宿ならではの遊び心でもじらせていただきました。【主な植物リスト】アリウム/ダリア/エキナセア/モナルダ/ワレモコウ/ゲウム リバレ/ムスカリ/ニゲラ/カカリア/バーノニア/エリンジウム/ディアネラ/ユーパトリウム チョコレート/ヘレニウム オータムロリポップ/パニカム/ニューサイラン/カレックス/デスカンプシア ゴールドタウなど 合計88種 コンテストガーデンE 月々の変化 【11月中旬】 10月から存在感を増しているミューレンベルギア・カピラリスなどのグラス類がより一層スモークのように穂を広げ、晩秋の日差しに輝いています。10月から咲き始めていたカカリアがさらに花数を増やし、ピンクとオレンジの花が宙を浮くように咲いていたり、株を覆うように紫花が多数咲くクジャクアスターが見学者の目を惹いています。花壇の高い位置では、ユーパトリウム‘羽衣’(羽衣フジバカマ)が開花し、花が終わったバーノニア(右下)の茎先は、丸い綿毛をつけています。 【10月下旬】 ミューレンベルギア・カピラリスやディスカンプシア‘ゴールドタウ’などのグラス類が煙のように穂を広げ、周囲に咲くアスターやガウラなどが透けて見えて幻想的な雰囲気が増してきました。花壇のタイトル「HARAJUKU 球ガーデン」を表現する球形の花として多数植えられていたダリアが次々と開花し、ガイラルディア‘グレープセンセーション’の球形の花芯も花壇の景色として貢献しています。今月咲き始めたサルビア・アズレアのブルーの花色が暖色系の花々を引き立てています。 【9月下旬】 この花壇のタイトル「HARAJUKU 球ガーデン」を春から初夏に表現してきた多数のアリウムから、真夏はエキノプスやサクシサ・プラテンシスにバトンタッチしていましたが、9月からはダリアが球形を表現する花として次々開花。秋にダリアが咲いたころ幻想的に調和する効果を狙って植えられた、ミューレンベルギア・カピラリスやディスカンプシア‘ゴールドタウ’などのグラス類が穂を広げ、アンティークカラーに変わってきているものもあります。 【8月中旬】 強い日差しを受けて輝くディスカンプシア‘ゴールドタウ’の穂が煙のように花壇全体に広がり、隣り合う植物の間を繋げています。穂に浮かび上がって見える球状花のエキノプス(右下)は、花後もガーデンのアクセントとして活躍。7月から咲き続けているオレンジ花のヘリオプシス’ブリーディングハーツ’やピンク花のガイラルディア‘グレープセンセーション’などが彩りになっているなか、サクシサ・プラテンシス(左下)が球状花として仲間入りしています。 【7月中旬】 6月から咲いているポンポンダリアやヘレニウム‘オータムロリポップ’、エキノプス‘プラチナムブルー’、スカビオサ・オクロレウカがさらに花数を増やす中、オレンジ花のヘリオプシス’ブリーディングハーツ’が咲き始めてさまざまな花色が楽しめます。株間から、ディスカンプシア‘ゴールドタウ’の穂が見え始め、次の季節へと成長を進めています。 【6月中旬】 5月は、アリウム・ギガンチウムやアリウム‘グレースフルビューティー’などが、この花壇のタイトル「HARAJUKU 球ガーデン」を表現していましたが、6月は、背丈を越すほどまで伸びたアリウム ‘サマードラマー’をはじめ、ポンポンダリアやヘレニウム‘オータムロリポップ’(下左)、エキノプス‘プラチナムブルー’(下中)、アリウム‘丹頂’(下右)などが球状花として花壇を彩り、にぎやかです。 【5月中旬】 花壇のタイトル「HARAJUKU 球ガーデン」を表現する球状の花の一つであるアリウムが5月上旬に多数開花。5月中旬になると残った丸い花がらが、ホルディウム・ジュパタムやスティパ‘エンジェルヘアー’などのグラス類の上に浮いているように見え、個性的な風景を作っています。花壇の後方では、背丈よりも大きく育ったバーベナ・ボナリエンシスと競うように丈高く伸びるアリウム ‘サマードラマー’の蕾がスタンバイ。球状の花の開花リレーが続きます。 【4月中旬】 さまざまなアリウムの葉の間をつなぐようにグラスの細葉が風に揺れるほど成長してきました。アリウムの中でいち早く、白花のアリウム・シルバースプリングが開花。緑の間にオレンジや黄色のゲウム・リバレやゲウム‘テキーラサンライズ’が咲いて華やかなアクセントになっています。 【3月中旬】 この庭の特徴となる玉のような花を咲かせる多品種のアリウムも存在感を出し、ディスカンプシア‘ゴールドタウ’やホルデウム ユバツムなどグラスも葉を増やしています。花壇の縁付近では、ベロニカ’オックスフォードブルー’の紫花やムスカリも次々開花中。いろんな植物がたくましく混ざり合って育つ様子が見られます。 【2月中旬】 アリウム‘サマードラマー’やアリウム‘シルバースプリング’が勢いよく伸び出し、切り戻されていたグラスのディスカンプシア‘ゴールドタウ’は細い葉を伸ばし始めています。地面に張り付いたように葉を残す緑のニゲラや赤い葉のペンステモン‘ハスカーレッド’が彩りを添えています。 【1月中旬】 第2回参加者決定&第1回入賞者によるオンライン座談会 「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物園」参加者決定! 代々木公園での第1回開催に続き、第2回のコンテストの舞台は、都立神代植物公園正門手前プロムナード[無料区域](調布市深大寺)。コンテストのテーマは「武蔵野の“くさはら”」です。9月1日締切までに応募された作品から、5名の入賞者が決定しました。第2回のコンテストの様子はこちら。 第1回東京パークガーデンアワードの入賞者によるオンライン座談会 「第1回 東京パークガーデンアワード 代々木公園」の入賞者5名が登壇。応募に向けた準備や植物の調達から造園、メンテナンスまで、現場の“生”の声が聞ける座談会が2023年8月10日(木)にオンラインで開催されました。アーカイブのご視聴はこちらから。 庭づくりの舞台裏記事も公開中! 5つのコンテストガーデンは、2022年12月に第1回目の作庭が行われました。その様子をご紹介する記事『【舞台裏レポ】「第1回 東京パークガーデンアワード」5つの庭づくり大公開』もご覧ください。
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樹木

ユリオプスデージーとは? 育て方をはじめ、基本情報を理解しよう
ユリオプスデージーとは Santi Wiwatchaikul/Shutterstock.com ユリオプスデージーは、キク科ユリオプス属の常緑低木です。幼苗のうちは草花のように見えますが、じつは樹木であり、数年育てていると大きく育ってゴツゴツとした太い幹になります。樹高は90〜100cmほどで、低木に分類されています。 原産地は南アフリカで、暑さや寒さにはほどほどに耐える性質です。 日本にユリオプスデージーが伝わったのは、1970年代。比較的新しい花で、当初は鉢花として販売されていました。暖地では地植えにしても越冬できるため、次第にガーデニングの素材として注目されるように。現在では一般的な認知度も高くなり、庭植え、鉢植えともに人気の花となっています。 ユリオプスデージーの開花期は11〜5月と長く、しかも冬でも咲いてくれるのが最大の美点。マーガレットのようなキク科らしい花を次々と咲かせて、寒々としがちな冬の庭に華やぎをもたらしてくれます。花色は黄色のみで、花径は3〜4cm。花姿は一重咲き、八重咲きなど。花茎を10〜15cm伸ばした頂部に花を咲かせます。 枝葉はレースのような繊細なフォルムが魅力的なうえ、明るいシルバーグリーン。常緑のためカラーリーフとしても一年中観賞でき、開花期間以外もほかの草花の引き立て役として活躍します。シルバーグリーンに見えるのは、枝葉に細かな産毛が密生しているから。そのため水がかかると乾きにくく、蒸れやすくなるので、水やりの際には株元の土のみに与えることが大切です。 ユリオプスデージーの主な品種 Enid Versfeld/Shutterstock.com ユリオプスデージーが属するユリオプス属は、北アフリカを中心に、95種類ほどが確認されているようです。日本でユリオプスデージーとして普及しているのは、学名ではEuryops pectinatus(ユリオプス・ペクチナータス)といいます。ユリオプスとは、ギリシア語で「大きな目を持つ」という意味があり、花姿に由来するようです。ユリオプスデージーの代表的な園芸品種には‘ティアラミキ’があります。花弁が多数重なる八重咲きで、豪華な雰囲気を持つ花です。 また、同じユリオプス属には、ユリオプス・バージネウス‘ゴールデン クラッカー’という品種があります。ユリオプスデージーよりも花は小ぶりで枝葉は明るいグリーン、松葉のようなユニークな姿をしています。 ちなみにユリオプスデージーによく似たマーガレットコスモス(Euryops chrysanthemoides)も、ユリオプス属。両者はよく混同されがちですが、別の種類です。 ユリオプスデージーの育て方 ここまで、ユリオプスデージーのプロフィールについて、詳しくご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、適した環境や植え付け方、水やりや施肥、病害虫対策や剪定など、日頃の管理、増やし方などについて解説していきます。 栽培環境 J Need/Shutterstock.com 日当たりのよい場所を好み、地植でも、鉢栽培でも健やかに生育します。乾燥には強い反面、多湿が苦手なので、水はけのよい土壌作りをするのがポイント。斜面を利用したり、やや盛り土をしたりして工夫するとよいでしょう。冬に凍結する環境でなければ、戸外でも越冬します。 植え付け・植え替え Peter Kniez/Shutterstock.com ユリオプスデージーの苗の植え付け適期は、3〜5月、9月下旬〜10月です。この時期に限らず、花苗店で開花株を購入した場合は、早めに定植しましょう。 【地植え】 腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入してよく耕し、土作りをしておいた場所に、苗を植え付けます。複数の株を植え付ける場合は、60〜80cm以上は間隔をあけましょう。植え付け後は、たっぷりと水やりします。 寒さが厳しい地域では、冬前に鉢に植え替えるとよいでしょう。日当たりがよく、霜の降りない暖かい場所などへ移動して管理します。 【鉢植え】 草花用培養土を利用すると便利です。鉢の大きさは、入手した苗より1〜2回り大きなサイズが目安。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ユリオプスデージーの苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 根の伸びが旺盛で、株が大きく育って込み合うと弱ってくるので、1年に1度は植え替えましょう。1〜2回り大きな鉢にサイズアップしてもいいですし、あまり大きくしたくない場合は、根鉢をくずし、半分くらいまでの高さを目安に深く切り戻して同じ鉢に植え替えます。 水やり cam3957/Shutterstock.com ユリオプスデージーの枝葉がシルバーグリーンに見えるのは、全体が白い産毛に覆われているから。そのため、水やりの際に株全体にかけると、蒸れて株が弱ってしまう原因になります。ジョウロのはす口を取り、株元の地面を狙って与えるようにしましょう。 真夏に水やりする場合は、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまいます。 逆に、真冬に水やりをする場合は、十分気温が上がってきた昼間に行いましょう。夕方に水やりをすると、その後どんどん気温が下がって凍結し、植物にダメージを与えることがあります。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチして対応することが、枯らさないポイントです。 肥料 Singkham/Shutterstock.com ビギナーの場合、緩効性化成肥料と速効性のある液肥を常備しておくのがおすすめです。植物への汎用性が高く、においがしないため扱いやすいのがメリット。開花期に与える液肥は、開花促進を目的とした配合の製品を選びましょう。 庭植え、鉢栽培ともに、真夏と真冬を除いて、定期的に緩効性化成肥料を株の周囲にまいて株の勢いを保ちます。鉢栽培の場合は、花茎が上がってきた頃から開花が終わるまで、10日に1度を目安に液肥を与えるとよいでしょう。夏の高温期に肥料成分が残ると株が弱ることがあるので、夏は肥料を切らして管理するのがポイントです。 花がら摘み aaelrahman89/Shutterstock.com 「花がら摘み」とは、咲き終わって株に残った花を摘み取ることをいいます。枯れた花は早めに摘み取って、見映えよく保ちましょう。株周りを清潔に保つことが、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうことにもつながります。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 病害虫対策 muroPhotographer/Shutterstock.com 成長期の4〜10月には、アブラムシがつきやすくなります。早期の対策が大切で、植え付け・植え替えの際に土中に混ぜる粒剤タイプの薬剤も効果的です。用法・用量を守って使うようにしましょう。 雑草が繁茂していたり、花がらや枯れ葉をそのまま放置したりしていると、病害虫が発生しやすくなります。こまめにメンテナンスをして、株周りを清潔に保ちましょう。また、成長とともに茎葉が茂って風通しが悪くなると、病害虫が発生しやすくなります。適宜枝葉を間引いてスマートな姿を保つことも予防のポイントです。 夏越し・冬越し 【夏越し】 多湿の環境を嫌うので、鉢栽培の場合は日当たりのよい軒下などに移動して管理するとよいでしょう。地植えの場合は、そのままでかまいません。 【冬越し】 寒さに弱いわけではありませんが、戸外で越冬できるのは関東以南の地域です。真冬に凍結する寒冷地では、地植えにしている場合は、鉢に植え替えて冬越ししましょう。霜などの当たらない、日当たりがよく暖かい場所で管理します。 剪定 mihalec/Shutterstock.com ユリオプスデージーの剪定適期は、5〜6月か9月下旬〜10月です。生育旺盛でよく茂るので、樹形が乱れているようであれば、丈の半分くらいまでを目安に深く切り戻して、すっきりさせましょう。 ユリオプスデージーは草花のように見えますが、実際は樹木なので、数年経つと木らしくなって幹がゴツゴツとしてきます。こうなると花が咲きにくくなるので、挿し木苗を作って、植え替えるのも一案です。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com ユリオプスデージーは、挿し木で増やすことが可能です。挿し木の適期は4〜6月か9月下旬〜10月。まず、勢いのある枝葉を約5cmの長さで切り取り、水を張った容器に1時間ほど挿して吸水させておきましょう。市販の草花用培養土を育苗用トレイなどに入れて、吸水させた枝葉(挿し穂)を挿します。摘心したり、切り戻したときの茎葉を使ってもOKです。水切れしないように管理すると、しばらくして発根するので、黒ポットなどに植え替えて育苗しましょう。株が大きくなったら、植えたい場所に定植します。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。 ユリオプスデージーの花が咲かない原因とは? anystock/Shutterstock.com ユリオプスデージーは、マーガレットに似た黄色い花が魅力です。しかし、まれに「株は大きく育ったのに花があまり咲かない」というケースがあります。その原因としては、根詰まりを起こしていることが考えられます。 ユリオプスデージーは根の生育が旺盛なので、鉢栽培の場合は毎年植え替えて根が張りやすい環境に整えることがポイント。根が回っていたら、古い根を切り取り、ほぐして新しい培養土を使って植え直しましょう。根を整理して小さくした分、地上部も切り戻し、根からの吸水と葉からの蒸散のバランスをとることも大切です。 また、ユリオプスデージーは、多湿を嫌うという性質も把握しておいてください。動物が毎日エサを欲しがるのとは違って、植物は毎日水を与えればいいというものではありません。特にユリオプスデージーは乾燥を好むので、毎日水を与えると多湿になってたちまち弱ってしまいます。鉢栽培の場合は、「表土が白く乾いたら」を目安に、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えるようにしましょう。雨が続く日もあれば、日照りが続くこともあるので、天候状況に応じた水分管理が大切です。 華やかな黄花が魅力のユリオプスデージーを育ててみよう! ibrahim kavus/Shutterstock.com ユリオプスデージーは、枝葉をこんもりと茂らせ、冬から初夏までと開花期間が長いのが魅力です。鮮やかな黄色い花は、冬の庭を明るく彩ってくれるので、1株は欲しくなる人気の植物。ここでは、その特性から育て方まで、幅広くご紹介してきました。ビギナーでも育てやすいユリオプスデージーを、ぜひ庭やベランダに迎え入れてみてはいかがでしょうか。
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育て方

植物の防寒・冬越し・寒さ対策 鉢植え植物のダメージを回避する5つの方法
耐寒温度によって屋外か屋内か置き場所を変えよう! 植物は種類によって、生育できる最低温度である耐寒温度が大きく異なります。そのため、冬の間も手を掛けなくても大丈夫なものから、寒風に当たらないように温室に取り込まないと冬を越せないものまでさまざま。必要のない防寒は、逆に植物の生育を妨げてしまうこともあります。寒さ対策を始める前に、自分の育てている植物の耐寒性について調べておきましょう。 耐寒温度-10℃~0℃程度の植物:暖地なら屋外でも越冬できます。 耐寒温度3℃~5℃程度の植物:寒さに少し弱いので、寒さ対策をしたほうがよいでしょう。 耐寒温度8℃以上の植物:特に寒さに弱いので、室内でガラス温室などを利用するとよいでしょう。 耐寒温度が高い植物は、寒さに弱いため対策が必要。鉢植えの植物に行う防寒方法を5つご紹介します。 1 室内に取り込む BestPhotoPlus/Shutterstock.com 一番簡単な寒さ対策は、室内に取り込んでしまうこと。気候に合わせて置き場所を移動できるのは、鉢植えの大きなメリットです。耐寒性の低い植物は、病害虫の状態をチェックして、室内で管理すると冬を越しやすくなります。 室内で植物を育てる時は、置き場所に注意が必要です。昼間はできるだけ日当たりがよい場所に置き、夜間は急激に気温が下がる窓際からは移動するなど、昼夜の気温差が大きくなりすぎないようにします。暖房機器が一日中稼働しているような部屋は、植物にとっては乾燥しすぎ、また暖かすぎるため、水切れには注意が必要です。 2 植木鉢にカバーを巻いて保温 冬の植木鉢は、鉢もその中の土も冷え、気温によっては霜が降りたり根が凍ったりしてしまうことがあります。そんな冷え過ぎの状態を防ぐために、効果的なのが鉢を覆ってしまうこと。極端に気温が下がる日があれば、発泡スチロールや段ボールなどの保温性の高い容器に一時的に入れたり、鉢カバーを用いるなどして根が凍らないように保護しましょう。また、鉢が地面に直接触れないようして、底冷えを解消させます。鉢の周囲に新聞紙を巻くだけでも、立派な寒さ対策になります。 3 植物を覆って寒さから守る Polarpx/Shutterstock.com 冷たく乾燥した冬の寒風は、植物にダメージを与えるもの。風が直接当たらないような場所に移動してあげましょう。植物の周囲を覆うのも、寒さと風の対策に効果的。植物の周囲に支柱を立て、寒冷紗や不織布、隙間をあけたビニール袋などで覆って風除けをしましょう。まだ小さく、耐寒性が低い幼苗は、ペットボトルを切って被せておくのも寒さ対策にいいですね。ミニ温室や鉢用温室、苗キャップなど、市販の防寒用具を利用するのも便利です。 4 水やり方法に注意 冬場は水やりの時間や方法にも注意が必要。気温の低い早朝や、気温が下がっていく夕方は避けましょう。夜間に水が凍りつき、根を傷めてしまう恐れがあります。水やりは気温が上がった昼前に行いましょう。また、冬は植物の生育が緩慢になり、水をさほど必要としない場合がほとんどなので、水やりの頻度は控えめに。土の表面が乾いて少し経ってから行い、週に1~2回程度で大丈夫です。乾燥気味に育てると、耐寒性も少し高くなるそうですよ。水やりをする時には、ほかの季節同様に、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりとあげましょう。 5 株元にマルチングを敷く OzCameraman/Shutterstock.com 地面が凍りついて霜柱ができると、根や球根が持ち上がり、根が切れてしまうことがあります。そんな霜柱を避けるために効果的なのが、土の表面を覆うマルチング。マルチング材を敷くと、保温・保湿効果が上がり、泥はねや雑草の防止にも効果があります。見た目もおしゃれなバークチップやウッドチップなどは、直接土が見えず清潔感があるので、室内で管理する観葉植物の鉢植えの表土に使うのもオススメです。ほかに、ワラや水苔などもマルチング材として利用できます。 ここでご紹介した耐寒温度はあくまでも目安です。育てている植物の様子を見ながら、必要に応じた寒さ対策をしてあげましょう。
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寄せ植え・花壇

入手しやすい身近な花でつくるBlack&Whiteの寄せ植え
上手な花選びのための5つのチェックリスト 1.色合わせ ここでは白い鉢と黒い鉢に合わせて、それぞれ5つの花苗と球根を選んでいます。寄せ植えは、鉢も含めた全体の色合わせを考えましょう。 <黒い鉢> ビオラ‘ヌーヴェルヴァーグ’(紫色)プリムラ・マラコイデス(濃いピンク)ヒューケラ・ドルチェ‘ブラックナイト’コクリュウハボタン‘光子プレミアム’チューリップ‘コンプリメント’ <白い鉢> ビオラ(淡い黄色)スーパーアリッサム‘フロスティーナイト’プリムラ・マラコイデス(白)斑入りヤブコウジ‘十両金’カレックス・オシメンシス‘エヴァリロ’チューリップ‘バレリーナ’ 4月のアリッサムの様子。成長すると花壇から枝垂れるように咲き広がります。 2.高低差 草丈が揃いすぎると、寄せ植えが平面的になり、それぞれの花の個性も引き立ちません。「横に広がって成長するもの(ビオラやアリッサム)」、「縦に伸びるもの(プリムラやチューリップ)」など、生育形態を考えて取り入れると、立体的でバランスのよい寄せ植えができます。 3.形の違い 花の大きさや葉の形の違いを意識して選びましょう。細葉のカレックスやコクリュウは、寄せ植えに変化を生み出す名脇役です。 チューリップ‘バレリーナ’。甘い香りとスレンダーな咲き方が人気。草丈40〜60cm。Photo/ Mayabuns/Shutterstock.com 4.季節の変化 植えたときだけでなく、育っていく過程でも変化があると、より季節感が味わえます。それぞれの植物は春に向けてグンと成長し、それだけでも春の訪れを感じられますが、ここではさらに季節感を演出する仕掛けとして、チューリップの球根を用います。春以降、チューリップの茎が伸びてきて、5月半ばには白い鉢にはオレンジ色の、黒い鉢にはパープルピンクのチューリップがブーケのように華やかに咲く予定です。 5.使い回し この寄せ植えでは一年草(ビオラ、プリムラ、アリッサム、ハボタン)、宿根草(ヒューケラ、コクリュウ、カレックス)、球根(チューリップ)、低木(ヤブコウジ)を取り混ぜています。5月下旬には一年草やチューリップが終わりますが、宿根草や低木は引き続き次の季節の寄せ植え素材として使うことができます。植え替えるたびに全ての植物を一から揃えるより、ローコストで充実感のある寄せ植えができますよ。 フラワーアレンジのテクニックで‘馴染んだ感’を出す 植え込んだばかりのときは、どうしても「今、植えた感」があり、なんとなく植物同士もよそよそしい感じがします。成長していく過程で、葉が重なり合ったりしながら植物同士が馴染んでいい具合になりますが、少し時間はかかってしまうもの。そこで、1ポットの苗をいくつかに分け、フラワーアレンジメントで花を束ねる時のように植物同士をあらかじめ組み合わせて植えます。すると、時間が経って植物が馴染んだ感じが最初から演出できます。すべての植物が1ポットから分けられるわけではありませんが、カレックスやコクリュウは数株に分けることができます。これらの細葉を散らして植えこむと、全体の調和がとれ、馴染んだ感の演出に重宝します。 植え込みをしよう! 植え込み手順1 鉢底石の上に用土を入れます。鉢底石は生ゴミ用のネットに入れておくと、植え替えの際に土ふるいにかけずに簡単に取り除くことができて便利です。用土は水やりの際に土が流れ出ないように、鉢の縁から少なくとも3〜4cmは下げた位置を上限とします。花苗を植え込んだ後も用土を足すことを考慮して、最初に鉢に入れる土の高さを調整しましょう。 <使った資材> 左/「きれいな鉢底石」根腐れ防止に効果的な木炭やゼオライトが入り。3ℓ 410円(税込)/花ごころ右/「花ちゃん培養土」12ℓ 905円(税込)土壌改良効果と肥料効果を併せ持ち、通気性がよく軽いので鉢植えに最適。緩効性肥料も入っているので、これ一つで始められて手軽。12ℓ 905円(税込)/花ごころ 花ごころ直営オンラインショップ「花ちゃん園芸ショップ」http://hanachan-shop.com/index.html 植え込み手順2 カレックス(黒い鉢ではコクリュウ)は1ポットを数株に分けます。水の中で土を洗い落としながら根っこをほぐしていくと、分けやすいでしょう。 植え込み手順3 小分けにしたカレックスをフラワーアレンジメントの要領で、他の植物と組み合わせた状態で植え込んでいきます。 植え込み手順4 花苗を全て植えたら、最後にチューリップの球根を植えます。チューリップの葉は幅が広いので、葉が展開してきたときに他の植物を覆い隠してしまわないよう、端にまとめて植えます。 植え込み手順5 球根の上や苗と苗の間に用土を入れていきます。苗と苗の間は狭く、土を入れたつもりでも意外と隙間があいてしまうことがよくあるので、指で土を寄せてしっかり根を覆いましょう。土を入れたら水やりをしますが、水やりをすると空気を含んでいた土が沈んで隙間があくことがあるので、そこにも土を足しましょう。 植え込み手順6 チューリップの部分にプランツネームを立てましょう。何もないと間が抜けた感じになってしまいますし、案外何を植えたのか忘れてしまうものです。チューリップの芽が出てきて葉が展開し始めたら外します。 <使った資材> 黒にペイントされたステンレス製のプランツネーム。ホワイトマーカーなどで植物名を書き込みます。500円〜/ベルツモアジャパンhttp://bellsmore.jp 完成! Black&Whiteの寄せ植えの完成です。並べて置いても素敵ですが、それぞれ背景の明暗が反対の場所に置くと花色がよく映えて綺麗です。黒い鉢は上の写真のように背景が白っぽい明るい場所へ、白い鉢は下の写真のように緑や濃い色を背景にすると引き立ちます。
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ガーデン資材

パーゴラとは? 種類や特徴を知っておしゃれな庭づくりに生かそう
パーゴラとは Palika Momoone/Shutterstock.com パーゴラとは、もともとイタリア語でブドウ棚を意味する言葉です。日本でのガーデンアイテムとしてのパーゴラは、柱と桁で作られた構造物を指します。ガーデンの装飾として立体的な景観を楽しんだり、アウトドアリビングとして使ったりと用途はさまざまです。 パーゴラには枠組みだけのものや屋根付きのものなどがありますが、屋根がないタイプであってもシェードを天井部分に張ったり、つる植物を這わせて茂った葉を日よけとして利用することもできます。庭に設置するのが一般的ですが、2階のバルコニーや屋上などに設置するケースもあります。 パーゴラを設置する目的 Andriy Blokhin/Shutterstock.com パーゴラを設置する目的としては、次のようなものがあります。 1つ目は、日差しや雨、周囲の目線を遮るためです。パーゴラそのものはフレームだけですが、シェードを張ったり、つる性植物を這わせたりすることで、日差しや雨を防ぎ、また近隣の視線を遮るのに活用できます。 2つ目は、つる性植物を育てて観賞するためです。藤棚のようにフジを這わせるほか、つるバラ、ジャスミン、ブドウ、キウイ、アケビなどを這わせて、花を咲かせたり、実がつく姿を楽しむこともできます。 3つ目は、設置場所の景観をよくするためです。パーゴラをうまく活用すると、庭やバルコニーに立体感がプラスされ、一層おしゃれな雰囲気にすることができます。 パーゴラ設置のメリット Zoomik/Shutterstock.com パーゴラを設置することによるメリットはさまざまあります。ここでは、その主なメリットについて、項目ごとにご紹介します。 庭に落ち着いたスペースができる Artazum/Shutterstock.com パーゴラを庭に設置して、ベンチや、テーブルとイスのセットなどを置くと、くつろぎスペースとして利用することができます。天井に布を張ったり、植物を這わせたりすれば、程よく日差しを遮り、日光と日陰を楽しめる空間になります。 おしゃれな庭になる Spring_summer/Shutterstock.com パーゴラは、ガーデンのインテリアアイテムとして庭をぐっとおしゃれな雰囲気にしてくれます。家の外観に合わせてパーゴラを選べば、ナチュラルテイストやモダンテイストなど統一感のある空間を作ることもできます。大きく高さのあるパーゴラはガーデンでも目を引いて非常によいアクセントになり、過ごしやすい庭の拠点として一役買ってくれることでしょう。 ガーデニングが楽しめる Federico Magonio/Shutterstock.com パーゴラには、つる性植物を這わせて観賞することもできます。葉が茂る時期や花が咲く時期で彩りや印象が変わり、四季折々移り変わる風景を楽しむことができます。 パーゴラ設置のデメリット yumeyume6/Shutterstock.com たくさんのメリットがあるパーゴラですが、設置にはデメリットもあります。設置後に後悔しないよう、デメリットも確認しておきましょう。 完全な日よけ・雨除けにはならない volkanozgumus/Shutterstock.com パーゴラ自体は、一般的には枠組みだけですので、単体では雨よけや日よけにはなりません。 屋根なしタイプのパーゴラで雨や日差しを遮るには、布を張ったり植物を這わせたりする必要がありますが、それでも完全に雨や日差しを遮ることはできないので注意しましょう。なお、パーゴラに似た構造で屋根がついたものは、ガゼボと呼ばれることもあります。 定期的なメンテナンスが必要 Kosoff/Shutterstock.com 木製のパーゴラの場合、定期的に塗装をしたり防腐剤を塗るなどのメンテナンスが必須です。屋根がついているタイプのパーゴラでは、落ち葉やチリなどが屋根に落ちてきても、手が届きにくいので掃除が大変なこともあります。大雪が降る地域の場合は、積もった雪の重さで構造物が壊れてしまうケースもあります。また、つる性植物を這わせて育てたい場合は、パーゴラを覆うまで時間がかかり、育った後もつるの整理や掃除など、こまめなお手入れが必要になることは意識しておくとよいでしょう。 パーゴラの価格相場は? lovelyday12/Shutterstock.com 簡単な構造のパーゴラなら、予算は10万円前後です。大型のものでは40万円ほど、中にはデザインが凝っていたり、使用されている素材が高価なため100万円を超える豪華なものもあります。 DIYで作る場合、簡易的なキットでは数万円で仕上がる場合もありますが、構造がしっかりしていて長く使えるものを選ぶなら20万円からが相場です。 パーゴラに使われる素材と特徴 Rvector/Shutterstock.com パーゴラにはさまざまな素材のものがあります。 ここでは、パーゴラに使われる主な素材とその特徴について、素材別に解説します。 天然木 Blue Amber Design KC/Shutterstock.com 天然木で作られたパーゴラは、ナチュラルな見た目で草花が育つ庭によく馴染みます。つる性植物を這わせたいときにも適しています。加工が比較的簡単で、スペースに合わせたサイズにしたり、オリジナリティのある色に塗装するなど、DIYを楽しむこともできますが、風雨によるダメージや経年劣化が起こりやすいので、定期的なメンテナンスが必要です。 木製樹脂 iofoto/Shutterstock.com 木粉と樹脂を混ぜ合わせた木製樹脂のパーゴラは、天然木よりも軽くて腐食が起こりにくいというメリットがあります。木のようなナチュラルな色もありますが、白色のものも多いです。一方で、紫外線で劣化しやすいというデメリットがあります。 アルミ製 karelnoppe/Shutterstock.com 家の外壁に繋げたり、壁に取り付けて自立させるタイプのパーゴラは、ほとんどの場合、アルミ製です。錆びに強く、メンテナンスがほとんど必要ないことが最大のメリットです。アルミに木目調のラミネートを貼ったものなど、カラーバリエーションも豊富です。価格は高めですが、お手入れの簡単さが魅力の素材です。 アイアン製 NChi/Shutterstock.com アイアン製のパーゴラは、ドーム状のものや曲線を描いたもの、線が細くエレガントなデザインのものなど、複雑な造形が可能です。庭のサイズやイメージに合わせてアイアン作家にオリジナルのパーゴラを依頼するケースもあります。シックな色合いが庭に引き締まった印象を与え、イングリッシュガーデンでもよく使われることから、本場イギリスへの憧れから選ばれることも多いです。 輸入品であれば比較的安価に手に入れることが可能ですが、鉄製は錆びやすいため定期的にサビ止めや再塗装などのメンテナンスが必要です。 パーゴラをDIYするなら Bartlomiej Kaminski/Shutterstock.com パーゴラを自分で作る場合、どのように始めればよいのでしょうか。DIY初心者の方は、キットを使うと手軽に作ることができるのでおすすめです。DIYすると予算を抑えることができますが、作りが甘いと倒壊の危険もあるので十分注意しましょう。 ここからは、パーゴラのDIY手順について、簡単にご紹介します。 設計図の作成 Andy Dean Photography/Shutterstock.com まずは設置場所を検討しましょう。庭やテラス、バルコニーなど、どこに置くかを決め、設計図を作成して、どのような形にするのかイメージを固めます。設計図は、正面図と側面図も書いて立体的に考えると混乱しにくくなります。 材料の準備をする Jasen Wright/Shutterstock.com 設計図が完成したら、必要な材料を割り出し、ホームセンターなどで購入します。キットを利用すると簡単に用意することができます。 必要に応じて、素材に防腐や防虫のための塗装をするなどの加工も行います。キットの場合、加工済みでも塗装が弱いものもあるので、組み立て前に好みの色に塗っておくのがおすすめです。 基礎を作る Sanatana/Shutterstock.com 倒壊しにくいパーゴラを作るためには、しっかりと土台となる基礎部分を作ることが重要です。 束石のサイズに合わせて地面を掘り、砕石を敷き詰めます。そこにモルタルを流して固めてから、束石を置きましょう。束石の周りにもモルタルを流し込んで埋め固めます。 束柱と横木を設置する Ozgur Coskun/Shutterstock.com 束石の穴に柱を垂直に立てて、仮止めします。さらに屋根の枠になる部分(横木)を仮止めしながら地面と水平になるように取り付け、柱と横木を固定します。最後に、屋根になる材木を渡して固定しましょう。 パーゴラで素敵な庭づくりを karelnoppe/Shutterstock.com パーゴラは庭の景観をおしゃれに変え、憩いのスペースとして活用することもできます。素材によってはメンテナンスが必要ですが、高さのある見た目が華やかな庭景色に仕上げてくれるガーデンアイテムです。 ぜひ素敵な庭づくりのために、パーゴラを導入してみてはいかがでしょうか。
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一年草

たくさん植えると華やかな「デージー」! 可愛く上手に育てるには?
どんな花? デージーの特徴 Eduard Valentinov/Shutterstock.com デージーは、キク科ヒナギク属の秋まき一年草です。原産地はヨーロッパ、地中海沿岸で、寒さにはやや強く、暑さに弱い性質を持っています。原産地では多年草で、一度植え付ければ毎年咲く花ですが、日本の暑い夏には耐えられずに枯死してしまうので、日本では一年草として分類されています。草丈は15〜40cmで、花壇の前段や縁取りなどに向いています。生命力旺盛で、初心者でも育てやすい花です。 デージーは、花茎を伸ばした頂部に直径2〜5cmほどの花を咲かせます。花色は赤、パステルピンク、白など。開花期は12月下旬〜5月上旬と長く、最盛期は4月頃です。多くの系統、品種があり、一重咲き、八重咲きなどもありますが、フラワーショップで手に入れやすいのは八重咲きのものです。 花言葉や名前の由来 Paul Stringer/Shutterstock.com デージーの名前は、「day’s eye」が語源とされています。「日の目」と訳すとハテナと感じますが、これは太陽の光に反応して花びらを開き、黄色い花芯を見せることを表現しているとか。 日本には、明治初期に伝来し、小さくて可愛らしい菊のような花姿から、「雛菊(ひなぎく)」と名付けられました。開花期が長いことから、「延命菊(えんめいぎく)」「長命菊(ちょうめいぎく)」とも呼ばれています。 デージーの花言葉は、日本では「美人」「純潔」「希望」「平和」、西洋では「純潔」「美」など。赤いデージーは「無意識」、白は「無邪気」と、特定の花色に絞ったものもあります。 デージーの種類 Thijs de Graaf/Shutterstock.com デージーは、花弁の形によって大きく2種類に分けられます。花弁がストロー状にくるっと巻いているリグローサ種と、平たい花弁のフィストゥローサ種です。この2種からさらにさまざまな系統が生まれていますが、フラワーショップなどでよく出回っているのは、リグローサ種ではポンポネットデージー、チロリアンデージー。フィストゥローサ種ではイングリッシュデージーが人気です。 デージーの愛らしさを楽しむ植え方 Peter Turner Photography/Shutterstock.com デージーは冬から開花株が出回るので、同時期に出回るパンジーやビオラ、プリムラなどと一緒に寄せ植えをして、庭を明るく彩るとよいでしょう。 春の最盛期に楽しむなら、20cm前後のコンパクトな草丈を生かして、花壇の縁取りにしたり、群植させると見応えがあります。チューリップやスイセン、アネモネ、ラナンキュラスなど、デージーよりも草丈の高い植物の足元を彩るように、高低差をつけて組み合わせても素敵です。 デージーの時期 Adrienne Kulcsar/Shutterstock.com デージーは、暖地基準では秋にタネを播き、育苗後に定植して冬越しし、春から開花。開花後は暑さに耐えられずに夏前くらいに枯死するという短いライフサイクルをたどります。 開花期間は12月下旬〜5月上旬となっていますが、これは冬頃から苗が出回るため。冬に出回る開花株は、生育が止まっているので次から次に開花するわけではなく、開花した状態を長くキープするというものです。3月頃から生育のスイッチが入り、初夏まで多数の花茎を上げて咲いてくれます。 デージーの育て方のポイント ここまで、デージーの特性や種類などをご紹介してきました。知れば知るほど、育ててみたくなる可愛らしい花ですよね! では、ここからは実践編として、デージーの詳しい育て方について解説。種まきや植え付けから、水やりや肥料の与え方、病害虫対策などの日頃の管理のポイントまで、詳しくご紹介していきます。 適した環境 Cristina Ionescu/Shutterstock.com 日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日当たりが悪い場所では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりします。水はけ、水もちのよい土壌を好むので、地植えの場合は、植え付け前に有機質資材を投入してよく耕し、ふかふかの土作りをしておくとよいでしょう。 寒さには比較的強いほうで、暖地なら地植えのまま越冬できます。ただし、霜が降りる環境ではマルチングなどの防寒をしておくとよいでしょう。暑さには弱いので夏越しできず、夏前にライフサイクルを終えて枯死してしまいます。 種まき Montana Isabella/Shutterstock.com デージーは、ビギナーでも種まきから育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がなく、環境に馴染みやすいことです。 フラワーショップなどで花が咲き始めた頃の苗を入手して、手軽に植え付けからスタートしたい場合は、次項へ進んでください。 種まきの適期は、温暖な地域では9月中旬〜10月上旬頃で、発芽適温は20℃くらい。寒い地域では、3月上旬頃にタネを播いて、5月〜7月上旬頃に開花させるとよいでしょう。 デージーはタネが小さく、好光性種子(発芽に光を必要とする性質)なので、種まき用のトレイを準備。トレイに市販の草花用培養土を入れ、タネを播きます。土をかぶせず、涼しい半日陰などに置きましょう。上から水やりするとタネが流れ出すので、水を張った受け皿の上にトレイを置き、下から吸水させます。発芽までは乾燥させないように水の管理をしましょう。3〜4日すると発芽し、1週間ほどで双葉が出揃います。 発芽したら日の当たる場所で管理し、数本込み合っている部分などがあれば抜き取って間引きましょう。もったいないからといって密のままにしておくと、ヒョロヒョロと間のびした徒長苗になってしまいます。 種まきから1カ月ほど経ち、本葉が2〜3枚ついたら、トレイから抜いて鉢上げします。黒ポットに草花用培養土を入れ、苗を周りの土ごと抜き取って植え付けます。日当たりのよい場所に置き、表土が乾いたら水やりして育成します。多湿になると根の張りが悪くなり、徒長苗になったり、病気が発生したりするので注意。適切な水分管理をすることがポイントです。7〜10日に1度を目安に、液肥を与えて生育を促しましょう。本葉が10枚ほど出揃うのを目安に育苗します。 植え付け Dirk Ott/Shutterstock.com タネから育てた場合、植え付けの適期は温暖地で11月中旬〜12月上旬頃です。フラワーショップで苗を購入してスタートする場合は、春先まで苗が出回っているので、手に入り次第植え付けます。寒冷地で種まきした場合は、4月下旬頃に定植するとよいでしょう。 【地植え】 丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕してふかふかの土を作っておくとよいでしょう。 土作りをしておいた場所に、苗を植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、約20cmの間隔を取りましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。霜が降りる場所や乾燥しやすい場所では、表土にバークチップなどを播いてマルチングをしておきましょう。 【鉢植え】 草花用に配合された培養土を利用すると便利です。鉢の大きさは、入手した苗の2回りほど大きいものを準備します。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。デージーの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出してみて根が白く回っているようなら、軽く根鉢をくずしてから植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、ジョウロのはす口を外して、株元の地面を狙って与えましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイントです。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 元肥 苗を植え付ける際に施す肥料が、元肥です。元肥を施すことで苗の初期生育を助け、茎葉をしっかり茂らせることにつながります。 【地植え】 植え付ける前に腐葉土や堆肥などの有機質肥料を施しておきましょう。 【鉢植え】 鉢植えの場合、市販の培養土には肥料が含まれていることが多いので、元肥を施す必要があるかどうか確認し、必要な場合は緩効性化成肥料を施しておきます。 追肥 植え付けた苗が順調に生育し、元肥の効き目が切れた頃に与えるのが追肥です。 【地植え】 晩秋〜冬に植え付けた場合は、生育が盛んになる少し前の3月上旬頃に、緩効性化成肥料を施すとよいでしょう。春に植え付けた場合は、元肥を施してあれば十分。あまり与えすぎると、茎葉ばかりが旺盛に茂り、かえって花つきが悪くなることもあるので注意します。ただし、生育が悪いようなら速効性のある液肥を与えて様子を見ましょう。 【鉢植え】 鉢栽培の場合は、水やりとともに肥料成分が流亡しやすいので、追肥をして株の勢いを保つようにします。春から生育が盛んになってきたら、月に1度を目安に緩効性化成肥料を表土にばらまき、軽く土になじませます。もしくは10日に1度を目安に、速効性のある液肥を与えてもよいでしょう。開花期は開花促進の効果がある、リン酸やカリ分などを多く含んだ液肥を選ぶと花つきがよくなります。 増やし方 Taras Garkusha/Shutterstock.com デージーは秋まき一年草に分類される、ライフサイクルの短い植物です。そのため株分けや挿し芽などで増やすことはできません。種まき一択となります。 開花後に実らせたタネを採取し、種まきに利用するのは難しいので、毎年新しいタネを購入するとよいでしょう。詳しい種まきの方法については、「種まき」の項目を参照してください。 病害虫 schankz/Shutterstock.com 【害虫】 デージーにつきやすい害虫はアブラムシで、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が強く、発生すると茎葉をびっしり覆うほどに。茎葉から吸汁し、株を弱らせるとともに、ウイルス病を媒介する要因にもなってしまいます。見た目にも悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじき落としたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒剤を利用するのがおすすめです。 【病気】 デージーは、菌核病が発生することがあります。気温が低い時期に、多湿の状態になると発症しやすい傾向にあります。地際の部分に発生しやすいので、株に元気がない場合は、よく見てください。初期は小さな斑点が現れ、次第に大きくなって灰色の病斑が発生します。ひどくなると枯死し、周りの株にも病気を広めてしまうので注意。病株を発見したら、抜き取って処分し、周囲の草花に蔓延させないようにします。 開花が終わったら rigsbyphoto/Shutterstock.com 咲き終わった花は、早めに摘み取りましょう。株周りを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして長く咲き続けてくれます。 開花期を過ぎて暑くなってくると、デージーは弱って枯れてしまいます。病害虫の温床にならないよう早めに抜き取り、次のシーズンの草花に植え替えましょう。 デージーを植えて華やかな庭にしよう loflo69/Shutterstock.com ピュアホワイトやパステルピンク、ビビッドな赤など、愛らしい花色が魅力のデージー。主役にも脇役にもなれる花で、どんな植物とも相性よくまとまります。しかも強健な性質で育てやすく、ガーデニングを始めたばかりの方にもおすすめです。ぜひ冬から春の庭に取り入れて、キュートな花姿を愛でてはいかがでしょうか?
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宿根草・多年草

シロタエギクはシルバーリーフが魅力! 特徴や育て方、寄せ植えのコツを詳しく解説
シロタエギクの基本情報 Doikanoy/Shutterstock.com 植物名:シロタエギク学名:Senecio cineraria英名:Dusty Miller和名:シロタエギクその他の名前:ダスティーミラー科名:キク科属名:セネシオ属原産地:地中海沿岸分類:宿根草(多年草) シロタエギクは、キク科セネシオ属の多年草です。原産地は地中海沿岸で、高温多湿を苦手とし、寒さにやや強い性質をもっています。茎葉はびっしりと白い産毛に覆われており、シルバーリーフが大変美しく、主に茎葉を観賞するカラーリーフプランツとして人気があります。常緑性で美しい葉姿を保つため、冬の寄せ植えなどに重宝される植物です。 シロタエギクの花や葉の特徴 Alvin Owyong/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:5〜7月草丈:20〜50cm耐寒性:強い耐暑性:普通花色:黄色 シロタエギクの草丈は20〜50cm、株幅は20〜40cmです。葉には細かい切れ込みが入り、産毛に覆われたシルバーグリーンの色も相まって、レースのような繊細な表情をもっています。常緑性のため、一年を通して葉姿を楽しめますが、新芽ほど葉色は美しく、春と秋が見頃です。葉姿を観賞するカラーリーフのためにあまり注目されませんが、5〜7月に黄色い花を咲かせます。花を咲かせると株が弱りやすく、花自体も直径2〜3㎝でさほど目立たないため、葉の観賞を目的とするなら、株の消耗を防ぐために早めに摘み取っておくのがおすすめです。 シロタエギクの名前の由来や花言葉 Celine Kwang/Shutterstock.com シロタエギクは、漢字で「白妙菊」と書きます。白妙とは白い色という意味を持ち、茎葉が産毛に覆われていることによって白く見えることに由来。英名はDusty miller(ダスティーミラー)。「Dusty」は「汚れた」、「Miller」は「製粉を行う人」という意味があるので、小麦を製粉することによって衣服が汚れてしまっている様子を表現したものとイメージできます。 シロタエギクの花言葉は、「あなたを支えます」「穏やか」など。花壇や寄せ植えでは主役の花を引き立てる役割として利用されることが多く、また主張しすぎずにどんな植物とも調和することなどが、その理由のようです。 シロタエギクの代表的な品種 シルバーダスト。YuRi Photolife/Shutterstock.com 寄せ植えの引き立て役として大変人気が高いだけに、品種もいくつか出回っています。ここでは主な品種をご紹介します。 シルバーダスト シロタエギクの品種のうち、最もポピュラーに出回っている品種です。株姿がコンパクトにまとまる矮性種で、葉に深い切れ込みが入るレースのような質感が魅力です。 シラス 葉の切れ込みが非常に浅く、丸みのある葉を展開するかわいらしい株姿が特徴です。「シリウス」とも呼ばれています。草丈は30cmほどで、草姿が乱れてきた頃に思い切って切り戻すと、コンパクトな株姿を保つことができます。 ダイヤモンドダスト 大きめの葉に入る切れ込みはやや浅く、優しい印象をもたらす品種です。丈夫で育てやすいので、ビギナーにもおすすめ。「ダイヤモンド」と呼ばれることもあります。 シロタエギクの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜7月植え付け・植え替え:通年肥料:3〜10月入手時期:通年種まき:4~5月、10月 シロタエギクの栽培環境 ElenVik/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりと風通しのよい場所を好みます。日当たりが悪い場所では、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびするので注意しましょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】シロタエギクは産毛に覆われていて蒸れやすいため、鉢栽培の場合は、長雨が続く時期は軒下など雨の当たらない場所に移動するとよいでしょう。また、真夏の高温多湿の環境を苦手とするので、風通しのよい半日陰など、涼しい場所で管理します。 耐寒性・耐暑性 寒さに強く、マイナス5℃程度まで耐えるので、暖地なら戸外で越冬できます。その際は、株元にバークチップなどを施してマルチングをし、寒さ対策をしておくと安心です。 シロタエギクの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。自身で培養土をブレンドする場合は、赤玉土中粒6、腐葉土4を混合し、さらに元肥として緩効性肥料を施しておくとよいでしょう。 水やり Ivanko80/Shutterstock.com シロタエギクは細かな産毛を株全体にびっしりとまとっているため、茎葉に水がかかると蒸れやすくなります。水やりの際は、株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えるように注意しましょう。 真夏は気温の高い昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉を伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、多湿を嫌う性質のため、与えすぎには注意し、いつもジメジメしている環境にならないようにしてください。 土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から流れ出すまで、たっぷりと水を与えましょう。茎葉がだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水やりを忘れないよう注意します。冬は生育が止まって表土も乾きにくくなるので、控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 vladdon/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 土づくりの際に、元肥として緩効性の肥料を施しておきます。追肥は、3〜10月の生育期に緩効性化成肥料を周囲にばらまいて軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。 注意する病害虫 muroPhotographer/Shutterstock.com 【病気】 シロタエギクが発症しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 シロタエギクに発生しやすい害虫は、アザミウマ、アブラムシなどです。 アザミウマは花や葉につき、吸汁する害虫です。スリップスの別名を持っています。体長は1〜2mmと大変小さく、緑や茶色、黒い姿の昆虫です。群生して植物を弱らせるので注意しましょう。針のような器官を葉などに差し込んで吸汁する際にウイルスを媒介するので、二次被害が発生することもあります。被害が進んだ花や葉は傷がついてかすり状になるので、よく観察してみてください。花がらや枯れ葉、雑草などに潜みやすいので、株まわりを清潔に保っておきます。土に混ぜるタイプの粒剤を利用して防除してもよいでしょう。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 シロタエギクの詳しい育て方 苗の選び方 節間が間のびしておらず、がっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。 植え付け・植え替え Vasyliuk/Shutterstock.com 一年を通してえ付けができます。花苗店などで苗を購入したら、早めに植え付けてください。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、根鉢よりも一回り大きな穴を掘って苗を植え付けます。複数の苗を植える場合は、約20cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 苗を単植するなら、鉢のサイズは、5〜6号鉢を準備します。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、軽く根鉢をほぐして植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 日常のお手入れ Renars Otto/Shutterstock.com 【つぼみの除去・花がら摘み】 シロタエギクは小さな黄色い花を咲かせますが、どちらかというとシルバーリーフの茎葉を主に観賞します。花を咲かせると株が消耗してしまうので、茎葉の観賞を重視するならば、つぼみがついたら早めに摘み取りましょう。 また、シロタエギクの花を楽しむなら、終わった花は、適宜摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まってしまうので注意しましょう。 剪定・切り戻し 草姿が乱れてきたら、適宜切り戻して株の若返りをはかります。草丈の半分くらいまでを目安に、深めにカットしましょう。梅雨前に行うと、株が蒸れやすくなるのを防ぎ、風通しよく管理することができます。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com シロタエギクは、挿し芽と種まきで増やすことができます。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、シロタエギクは挿し芽で増やせます。 シロタエギクの挿し芽の適期は、4〜6月か9月下旬〜10月です。新しく伸びた茎を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を半分くらい切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。明るい日陰に置いて適宜水やりをしながら管理し、発根して十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【種まき】 種まきの適期は4〜5月か10月で、発芽適温は約20℃です。種まき用のトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、種子同士が重ならないようにばらまきし、種子が隠れる程度に土を薄くかけましょう。種子が流れ出すことがないように、トレイより一回り大きな容器に浅く水を張り、トレイをのせて底面から吸水させます。涼しい場所で乾燥しないように管理し、発芽を待ちます。 発芽したら、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗します。10日に1度を目安に液肥を与えると、生育がよくなります。本葉が5〜6枚つくまで管理し、ポットに根が回ってしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 シロタエギクを寄せ植えするコツ Gardens by Design/Shutterstock.com シロタエギクは常緑性のため、一年を通して美しい葉姿を楽しめます。寄せ植えなどでは、主役となる花の引き立て役として重宝し、主張しすぎずにどんな草花とも相性よくまとまります。寒さに強いため、特にパンジーやビオラ、ノースポールやガーデンシクラメンなどを使った冬の寄せ植えで大活躍。冬を彩る寄せ植えは、それぞれの草花の成長が春まで止まっているので、密に植え込んだほうが見栄えがよくなります。 シロタエギクで、寄せ植えや花壇の色合わせをもっと楽しもう Kristine Rad/Shutterstock.com 常緑性で、一年を通してカラーリーフプランツとして観賞できるシロタエギク。寒さには強いので、特に冬の花壇や寄せ植えなどで活躍します。調和役としてうまくまとめてくれるので、庭やベランダに1株はほしいもの。今年こそ、ぜひ育ててみてはいかがでしょうか。
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寄せ植え・花壇

庭が寂しくなる今だから作りたい! 冬咲き花のリース状寄せ植え
リース状のバスケットを選ぶ 最近は園芸店やガーデンセンターでよく見かけるようになった、リース状の植え込み容器。ワイヤータイプや小枝を編んだものなどありますが、土が入るスペースがたっぷりありそうなものがおすすめです。あまり土が入るスペースが小さいと、水切れが頻繁で植物を枯らしてしまうので気をつけましょう。 植え込む前の準備 購入した際にココヤシマットなどがセットになっている場合は、そのまま使ってもよいですが、一度植え替えたあとは、他の敷き込み材を使ってもOKです。ここでは、用土がなるべく多く入るように、ココヤシマットよりも薄手な素材をご紹介。まず、英字柄のワックスペーパーをぐるりと敷き詰めます。 次に、ある程度の排水性があるビニール製のがら袋(土嚢袋)をリースの幅に合わせて長く切ったものを敷き詰めます。がら袋や土嚢袋は、茶色やグリーンなどアースカラーのものがあり、安価なので見つけたら10枚セットなど、まとめ買いをしておくのがおすすめ。植え替えのたびに新しい敷き材として使えて便利です。 この時期園芸店に並ぶ花と葉をチョイス ピンクのガーデンシクラメン(上左)をぜひ使いたい! と、まず1種お気に入りを決めたら、隣にあると引き立つかなぁと考えて、2種の花(上中・上左)を選びました。花ばかりでもOKですが、銅葉のクローバー(下左)と銅葉のハボタンが何だかおしゃれに見えたので合わせてみることに。すでに選んだ5種だけだと少々暗い感じがしたので、シルバーリーフ(下中)をプラスしました。 各品種は、上左から時計回りに、ガーデンシクラメン‘ベリッシマ’、ガーデンシクラメン‘オリガミ’、ビオラ‘パピオンワールド’、クローバー‘ティントブロンズ’、カロケファルス・プラチーナ、ティアードハボタン。 植え込みを始めましょう! まずリース状にどう配置するか、苗を並べてバランスを確認。隣り合う色がなるべく一緒にならないように交互に銅色の葉を並べました。 準備しておいたリース状の容器に培養土をぐるりと一周入れます。用土が入るスペースが少ないのと冬は乾燥するので、鉢底石を入れなくても根腐れせずに育ちますよ。 各ポットから苗を取り出して、熊手などで根っこをほぐします。底の方に根っこが固まっているようならば、熊手でかいて外してしまっても大丈夫です。 根がほぐれたら器の中に入れ、根の両サイドに用土を少し入れ、隙間に土が入るように指で押し込んだりしてみましょう。1つ終わったら隣の株を植える。土を入れて指で押す。これを繰り返してどんどん植えていきましょう。 ハボタンなど、いくつかの株に分かれそうな葉ものは分離して、他の位置に植えつけるのもテクニックです。 すべての苗を植え終わったら、土が入っていない場所はないか指で探って確認。これ以上、土が入らないなと思ったら植え込み完了です。最後にたっぷり水をやりましょう。 直径26㎝のリース状のバスケットに、ぴったり6ポットの苗が植え込めました。作業に慣れれば30分程度で作れます。完成したら、なるべく日中日が当たる、よく見える場所に置いて咲き姿を楽しみましょう! 2〜3日に一度水やりをして、花がらをこまめに取ると、きれいな姿が長く続きます。 これからの時期、ビオラやプリムラ、寄せ植え向きの葉物など冬によく咲く苗が売られますので、ぜひお気に入りの花を選んで、花のある暮らしを冬も楽しみましょう!
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土作り

【冬にやるべき庭仕事】宿根草もバラも、植物がすくすく育つ土とは?
美しい庭で使われている土壌資材「バイオマイスター」 バラの美しい庭として全国的にも有名な面谷内科・循環器内科クリニック。庭を丹精する院長夫人の面谷ひとみさんは、冬は必ず庭の土壌改良を行います。土壌改良やバラの寒肥として使っているのは「バイオマイスター」。植物活力素で有名なメネデール社の土壌資材で、幅広い用途とマルチな効果を持つ便利なアイテムです。 バイオマイスターの効果を花数の違いで実感 写真は上下で同じバラのシーンの比較です。上はバイオマイスター使用前の5月のバラの様子。下はバイオマイスターを使って一年後の様子です。円で囲んだ赤いバラは‘フレーズ’。手前の淡いピンクのバラは‘プリュム’。どちらもバイオマイスター使用後は花数に圧倒的なボリュームが出て、庭での存在感が何倍にも増しています。 こちらの写真も上下で同じバラのシーンの比較です。上はバイオマイスターの使用前の5月のバラの様子。下はバイオマイスターを使って一年後の様子です。 「このコーナーは庭を作った当初からバラを植えていますが、5年くらいすると、場所によって以前のように花が咲かなくなってくることがあるんです。本来は扉の両側から赤いバラが咲き上がってくるように2本植えているんですが、上の写真の年は右側が全然咲かなくて。もう諦めて抜こうかなと思っていたところにバイオマイスターを使ってみたら、見事復活! ピンクのバラも盛大に咲いて、華やかさが戻りました」(面谷ひとみさん) 土の活力素「バイオマイスター」とは バイオマイスターは土づくりで幅広く活躍する土壌資材です。培養土を作る際の基本資材として、また、古土の再生、マルチング材、腐葉土作りなど、さまざまな用途で使うことができます。その効果の秘密は、バイオマイスターの成分設計にあります。 【バイオマイスターの構成】 根を生育させるための肥料成分を含んでいる。 土壌中の有害な菌の発生を抑えるバチルス菌や乳酸菌を含んでいる。 植物と共生し、その生育を支える菌根菌などの善玉菌を多く含んでいる。 厳選した有機物と鉱物をベストバランスで配合し、新鮮な空気や水が届く土壌環境設計になっている。 特に最後の項目にある素材の配合バランスが良い土壌づくりに寄与し、植物の生育をサポートしてくれます。 庭づくりや寄せ植えに活躍するバイオマイスターの使い方 【地植えの場合】 ●土壌改良を行う場合、根回りの土を堀りあげ、その土にバイオマイスターを20~30%混ぜて埋め戻します。 ●土壌改良を行わない場合、バイオマイスターをマルチ資材として使用できます。良質な腐葉土とバイオマイスターを等量混ぜ、根域土壌(根が張っている範囲の土)の表面全体を覆うように2~3cmの厚みで敷き詰めます。 【鉢植えの場合】 ●植え替えをする場合、用土にバイオマイスターを20~30%混合して元肥のように使えます。その場合、他の堆肥や元肥は必要ありません。●植え替えをしない場合、バイオマイスターをマルチング材としても使用できます。良質な腐葉土とバイオマイスターを等量混ぜ、土の表面に2~3cm敷き詰めます。●古土を再生したい場合には土を消毒した後、バイオマイスターを古土に対して30%分混ぜると良質な培養土へ蘇ります。 バイオマイスターを元肥として使った寄せ植え。右は生育2カ月後。こんもりどの植物もよく育っています。



















