真冬の屋外ガーデンは、地域によっては積雪や寒風、霜、凍結などで寒さが厳しく、植物も種類によってはダメージを受けるほど厳しい季節です。土の中で寒さに耐えながら、春をじっと待っている植物たちを、ちょっと手助けするだけで、株の傷みや枯れ込みを防ぐことができます。冬のガーデニングで必須のお手入れ「鉢植え植物の冬越し対策」の方法をご紹介します。
目次
耐寒温度によって屋外か屋内か置き場所を変えよう!
植物は種類によって、生育できる最低温度である耐寒温度が大きく異なります。そのため、冬の間も手を掛けなくても大丈夫なものから、寒風に当たらないように温室に取り込まないと冬を越せないものまでさまざま。必要のない防寒は、逆に植物の生育を妨げてしまうこともあります。寒さ対策を始める前に、自分の育てている植物の耐寒性について調べておきましょう。
- 耐寒温度-10℃~0℃程度の植物:暖地なら屋外でも越冬できます。
- 耐寒温度3℃~5℃程度の植物:寒さに少し弱いので、寒さ対策をしたほうがよいでしょう。
- 耐寒温度8℃以上の植物:特に寒さに弱いので、室内でガラス温室などを利用するとよいでしょう。
耐寒温度が高い植物は、寒さに弱いため対策が必要。鉢植えの植物に行う防寒方法を5つご紹介します。
1 室内に取り込む
一番簡単な寒さ対策は、室内に取り込んでしまうこと。気候に合わせて置き場所を移動できるのは、鉢植えの大きなメリットです。耐寒性の低い植物は、病害虫の状態をチェックして、室内で管理すると冬を越しやすくなります。
室内で植物を育てる時は、置き場所に注意が必要です。昼間はできるだけ日当たりがよい場所に置き、夜間は急激に気温が下がる窓際からは移動するなど、昼夜の気温差が大きくなりすぎないようにします。暖房機器が一日中稼働しているような部屋は、植物にとっては乾燥しすぎ、また暖かすぎるため、水切れには注意が必要です。
2 植木鉢にカバーを巻いて保温
冬の植木鉢は、鉢もその中の土も冷え、気温によっては霜が降りたり根が凍ったりしてしまうことがあります。そんな冷え過ぎの状態を防ぐために、効果的なのが鉢を覆ってしまうこと。極端に気温が下がる日があれば、発泡スチロールや段ボールなどの保温性の高い容器に一時的に入れたり、鉢カバーを用いるなどして根が凍らないように保護しましょう。また、鉢が地面に直接触れないようして、底冷えを解消させます。鉢の周囲に新聞紙を巻くだけでも、立派な寒さ対策になります。
3 植物を覆って寒さから守る
冷たく乾燥した冬の寒風は、植物にダメージを与えるもの。風が直接当たらないような場所に移動してあげましょう。植物の周囲を覆うのも、寒さと風の対策に効果的。植物の周囲に支柱を立て、寒冷紗や不織布、隙間をあけたビニール袋などで覆って風除けをしましょう。まだ小さく、耐寒性が低い幼苗は、ペットボトルを切って被せておくのも寒さ対策にいいですね。ミニ温室や鉢用温室、苗キャップなど、市販の防寒用具を利用するのも便利です。
4 水やり方法に注意
冬場は水やりの時間や方法にも注意が必要。気温の低い早朝や、気温が下がっていく夕方は避けましょう。夜間に水が凍りつき、根を傷めてしまう恐れがあります。水やりは気温が上がった昼前に行いましょう。また、冬は植物の生育が緩慢になり、水をさほど必要としない場合がほとんどなので、水やりの頻度は控えめに。土の表面が乾いて少し経ってから行い、週に1~2回程度で大丈夫です。乾燥気味に育てると、耐寒性も少し高くなるそうですよ。水やりをする時には、ほかの季節同様に、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりとあげましょう。
5 株元にマルチングを敷く
地面が凍りついて霜柱ができると、根や球根が持ち上がり、根が切れてしまうことがあります。そんな霜柱を避けるために効果的なのが、土の表面を覆うマルチング。マルチング材を敷くと、保温・保湿効果が上がり、泥はねや雑草の防止にも効果があります。見た目もおしゃれなバークチップやウッドチップなどは、直接土が見えず清潔感があるので、室内で管理する観葉植物の鉢植えの表土に使うのもオススメです。ほかに、ワラや水苔などもマルチング材として利用できます。
ここでご紹介した耐寒温度はあくまでも目安です。育てている植物の様子を見ながら、必要に応じた寒さ対策をしてあげましょう。
Credit
文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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