パーゴラとは? 種類や特徴を知っておしゃれな庭づくりに生かそう

Milosz Maslanka/Shutterstock.com
酷暑を回避する日陰スペースとしての機能を持ち、庭がおしゃれな雰囲気になるガーデンアイテム「パーゴラ」を設置したいと考えている方へ。パーゴラのメリット・デメリットや、素材ごとの特徴まで詳しくご紹介します。記事を参考に、庭にパーゴラを取り入れてみましょう。設置時期は、多くの植物が休眠する冬から早春までの間がおすすめです。
目次
パーゴラとは

パーゴラとは、もともとイタリア語でブドウ棚を意味する言葉です。日本でのガーデンアイテムとしてのパーゴラは、柱と桁で作られた構造物を指します。ガーデンの装飾として立体的な景観を楽しんだり、アウトドアリビングとして使ったりと用途はさまざまです。
パーゴラには枠組みだけのものや屋根付きのものなどがありますが、屋根がないタイプであってもシェードを天井部分に張ったり、つる植物を這わせて茂った葉を日よけとして利用することもできます。庭に設置するのが一般的ですが、2階のバルコニーや屋上などに設置するケースもあります。
パーゴラを設置する目的

パーゴラを設置する目的としては、次のようなものがあります。
1つ目は、日差しや雨、周囲の目線を遮るためです。パーゴラそのものはフレームだけですが、シェードを張ったり、つる性植物を這わせたりすることで、日差しや雨を防ぎ、また近隣の視線を遮るのに活用できます。
2つ目は、つる性植物を育てて観賞するためです。藤棚のようにフジを這わせるほか、つるバラ、ジャスミン、ブドウ、キウイ、アケビなどを這わせて、花を咲かせたり、実がつく姿を楽しむこともできます。
3つ目は、設置場所の景観をよくするためです。パーゴラをうまく活用すると、庭やバルコニーに立体感がプラスされ、一層おしゃれな雰囲気にすることができます。
パーゴラ設置のメリット

パーゴラを設置することによるメリットはさまざまあります。ここでは、その主なメリットについて、項目ごとにご紹介します。
庭に落ち着いたスペースができる

パーゴラを庭に設置して、ベンチや、テーブルとイスのセットなどを置くと、くつろぎスペースとして利用することができます。天井に布を張ったり、植物を這わせたりすれば、程よく日差しを遮り、日光と日陰を楽しめる空間になります。
おしゃれな庭になる

パーゴラは、ガーデンのインテリアアイテムとして庭をぐっとおしゃれな雰囲気にしてくれます。家の外観に合わせてパーゴラを選べば、ナチュラルテイストやモダンテイストなど統一感のある空間を作ることもできます。大きく高さのあるパーゴラはガーデンでも目を引いて非常によいアクセントになり、過ごしやすい庭の拠点として一役買ってくれることでしょう。
ガーデニングが楽しめる

パーゴラには、つる性植物を這わせて観賞することもできます。葉が茂る時期や花が咲く時期で彩りや印象が変わり、四季折々移り変わる風景を楽しむことができます。
パーゴラ設置のデメリット

たくさんのメリットがあるパーゴラですが、設置にはデメリットもあります。設置後に後悔しないよう、デメリットも確認しておきましょう。
完全な日よけ・雨除けにはならない

パーゴラ自体は、一般的には枠組みだけですので、単体では雨よけや日よけにはなりません。
屋根なしタイプのパーゴラで雨や日差しを遮るには、布を張ったり植物を這わせたりする必要がありますが、それでも完全に雨や日差しを遮ることはできないので注意しましょう。なお、パーゴラに似た構造で屋根がついたものは、ガゼボと呼ばれることもあります。
定期的なメンテナンスが必要

木製のパーゴラの場合、定期的に塗装をしたり防腐剤を塗るなどのメンテナンスが必須です。屋根がついているタイプのパーゴラでは、落ち葉やチリなどが屋根に落ちてきても、手が届きにくいので掃除が大変なこともあります。大雪が降る地域の場合は、積もった雪の重さで構造物が壊れてしまうケースもあります。また、つる性植物を這わせて育てたい場合は、パーゴラを覆うまで時間がかかり、育った後もつるの整理や掃除など、こまめなお手入れが必要になることは意識しておくとよいでしょう。
パーゴラの価格相場は?

簡単な構造のパーゴラなら、予算は10万円前後です。大型のものでは40万円ほど、中にはデザインが凝っていたり、使用されている素材が高価なため100万円を超える豪華なものもあります。
DIYで作る場合、簡易的なキットでは数万円で仕上がる場合もありますが、構造がしっかりしていて長く使えるものを選ぶなら20万円からが相場です。
パーゴラに使われる素材と特徴

パーゴラにはさまざまな素材のものがあります。
ここでは、パーゴラに使われる主な素材とその特徴について、素材別に解説します。
天然木

天然木で作られたパーゴラは、ナチュラルな見た目で草花が育つ庭によく馴染みます。つる性植物を這わせたいときにも適しています。加工が比較的簡単で、スペースに合わせたサイズにしたり、オリジナリティのある色に塗装するなど、DIYを楽しむこともできますが、風雨によるダメージや経年劣化が起こりやすいので、定期的なメンテナンスが必要です。
木製樹脂

木粉と樹脂を混ぜ合わせた木製樹脂のパーゴラは、天然木よりも軽くて腐食が起こりにくいというメリットがあります。木のようなナチュラルな色もありますが、白色のものも多いです。一方で、紫外線で劣化しやすいというデメリットがあります。
アルミ製

家の外壁に繋げたり、壁に取り付けて自立させるタイプのパーゴラは、ほとんどの場合、アルミ製です。錆びに強く、メンテナンスがほとんど必要ないことが最大のメリットです。アルミに木目調のラミネートを貼ったものなど、カラーバリエーションも豊富です。価格は高めですが、お手入れの簡単さが魅力の素材です。
アイアン製

アイアン製のパーゴラは、ドーム状のものや曲線を描いたもの、線が細くエレガントなデザインのものなど、複雑な造形が可能です。庭のサイズやイメージに合わせてアイアン作家にオリジナルのパーゴラを依頼するケースもあります。シックな色合いが庭に引き締まった印象を与え、イングリッシュガーデンでもよく使われることから、本場イギリスへの憧れから選ばれることも多いです。
輸入品であれば比較的安価に手に入れることが可能ですが、鉄製は錆びやすいため定期的にサビ止めや再塗装などのメンテナンスが必要です。
パーゴラをDIYするなら

パーゴラを自分で作る場合、どのように始めればよいのでしょうか。DIY初心者の方は、キットを使うと手軽に作ることができるのでおすすめです。DIYすると予算を抑えることができますが、作りが甘いと倒壊の危険もあるので十分注意しましょう。
ここからは、パーゴラのDIY手順について、簡単にご紹介します。
設計図の作成

まずは設置場所を検討しましょう。庭やテラス、バルコニーなど、どこに置くかを決め、設計図を作成して、どのような形にするのかイメージを固めます。設計図は、正面図と側面図も書いて立体的に考えると混乱しにくくなります。
材料の準備をする

設計図が完成したら、必要な材料を割り出し、ホームセンターなどで購入します。キットを利用すると簡単に用意することができます。
必要に応じて、素材に防腐や防虫のための塗装をするなどの加工も行います。キットの場合、加工済みでも塗装が弱いものもあるので、組み立て前に好みの色に塗っておくのがおすすめです。
基礎を作る

倒壊しにくいパーゴラを作るためには、しっかりと土台となる基礎部分を作ることが重要です。
束石のサイズに合わせて地面を掘り、砕石を敷き詰めます。そこにモルタルを流して固めてから、束石を置きましょう。束石の周りにもモルタルを流し込んで埋め固めます。
束柱と横木を設置する

束石の穴に柱を垂直に立てて、仮止めします。さらに屋根の枠になる部分(横木)を仮止めしながら地面と水平になるように取り付け、柱と横木を固定します。最後に、屋根になる材木を渡して固定しましょう。
パーゴラで素敵な庭づくりを

パーゴラは庭の景観をおしゃれに変え、憩いのスペースとして活用することもできます。素材によってはメンテナンスが必要ですが、高さのある見た目が華やかな庭景色に仕上げてくれるガーデンアイテムです。
ぜひ素敵な庭づくりのために、パーゴラを導入してみてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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