スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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イベント・ニュース

【大人気レッスン】春を先取り! 次々花咲く「球根の籠森」アーカイブレッスン ※売り切れました
苔むす森に次々と繊細な花が咲く「球根の籠森」で春を先取り! 2025年のレッスンは、『次々花咲く“鳥の巣風”「球根の籠森」』(左)と『ハンドル付きブリキの容器で作る「球根の籠森」』の2種のデザイン。 スイセンやクロッカス、ムスカリ、フリチラリア、プシュキニア、原種チューリップ……。 早春に咲く愛らしいラインナップの球根たちを16球も集めて咲かせる「球根の籠森」。今年は新デザインの『“鳥の巣風”「球根の籠森」』と『ハンドル付きブリキの容器で作る「球根の籠森」』の2種のデザインを用意しました。 黒葉スミレと八重クローバーなどもバランスよく植えて、表土を苔で覆ったら仕上げに剪定枝を挿して森の雰囲気に仕上げます。2月に完成させてから4月頃まで次々と花が咲き、風景が変わる春のミニチュアガーデンを間近で楽しめると毎年即完売となる好評のレッスン。 今年2月15日(土)に開催するオンラインレッスンは、『ハンドル付きブリキの容器で作る「球根の籠森」(A)』、リピーターの方向けの『球根セット(B)』、『“鳥の巣風”「球根の籠森」(C)』がほぼ満席と多数のお申し込みをいただきました。ご好評につき、後日レッスンの動画をご覧いただきながら寄せ植えをしていただくアーカイブレッスン(D・E・Fタイプ)を追加販売いたします。 リアルタイムでオンラインレッスンが受けられない方、またご希望のオンラインレッスンが完売でご購入いただけなかった方にもぜひ作っていただきたいと、実際のレッスン開催後に動画と材料をお送りするアーカイブレッスンの商品をご用意しました。ご希望の場所に材料が一式届き、お好きな場所で作れるので、作品が壊れないように持ち帰る心配もありません。 今回お届けする球根は、講師の牧野さんが冷蔵保存などをして開花調整をしてからお送りします。地植えやプランターに植え付けて自然に開花するよりも早いタイミングで花が見られるうえ、寒さにより長い期間咲き続けるのも魅力です。さらには、人気の北海道ガーデン「上野ファーム」の白樺の小道の春を再現したい! と特別に取り寄せられた「上野ファーム」産の剪定枝を刺して、可愛いミニチュアガーデンに仕上げる“ガーデンストーリー”オリジナルのレッスンです。 「球根の籠森」レッスン、今年は2デザイン3タイプをご用意 『次々花咲く“鳥の巣風”「球根の籠森」』仕上がり例。黒いプラスチック製の水盤を器に、周囲を鳥の巣風に仕上げます。 アーカイブレッスンは「ハンドル器の球根の籠森植え付けレッスン(Dタイプ)」、「球根のみのセット(Eタイプ)」(※ハンドル器をお持ちの方や、ご自身の器で作られる方向け)、「鳥の巣風植え付けレッスン(Fタイプ)」の3タイプです。 まず、今年新登場したのは、直径26cmの浅い器の周囲にリースベースを使って“鳥の巣風”のデザインを加えた、球根の籠森(アーカイブレッスン・Fタイプ)。植え付け後は、表土にコケを敷き詰めて、仕上げに北海道「上野ファーム」から特別に取り寄せた剪定枝を刺してナチュラルな風景づくりにチャレンジしていただきます。同じ材料を使っても、作り手によって表情が変わり、オリジナルの作品になるのも魅力です。 『ハンドル付きブリキの容器で作る「球根の籠森」』の作品例。 2023年から3度目の開催となる毎年人気の『ハンドル付きブリキの容器に植え付ける「球根の籠森」』レッスン(アーカイブレッスン・D)も開催します。新タイプの“鳥の巣風”同様に、スノードロップや原種チューリップ、クロッカス、ムスカリ、フリチラリア、スイセン、チオノドクサ、ミニアイリス、プシキニア、シラー、ヒアシンスなどの球根16球くらいに加え、黒葉スミレ‘ラブラドリカ’、八重クローバーの花苗をブリキの器にぎゅっと植え付けるので、花のボリュームいっぱいの作品に仕上がります。 球根セットのみのお届けもご用意 2023年から毎年開催してきた「球根の籠森」レッスンは、募集開始数日で完売となる大変人気のレッスンです。一人でも多くの方に小球根と過ごす時間を楽しんでいただきたい! という思いから、ガーデンストーリーでは、球根・苗・コケの植え付け材料のみのセット(アーカイブレッスン・Eタイプ)もお選びいただけます。ハンドル付きブリキの器をすでにお持ちの方や、タルト型やガラス容器など、器を自分で用意してオリジナルの「球根の籠森」作りができます。 今回お届けの小球根は、現在、講師の牧野さんの元で芽出しの調整中。お届けのタイミングでコンディションのよい種類を選んでお送りするので、何が届くかはお楽しみに♪ 約90分で完成! 管理方法などのアフターケアもばっちり 制作後は、玄関ポーチなど直射日光が当たらない日陰の場所に置き、ウェルカムフラワーとして飾ったり、ティータイムや来客のあるときなどは一時的に部屋で眺めることができる「球根の籠森」。制作動画には、作品が完成したあとの水やりや施肥、置き場所、翌年も咲かせるコツなどについてもご紹介予定です。また、同封の冊子に記載されたQRコードから、講師の牧野さんに質問をしていただくことも可能です。 【「球根の籠森」アーカイブレッスン】お申し込み方法(D・E・Fからお選びください) 2月15日(土)に開催するオンラインレッスンの動画を見ながら作品づくりを楽しむレッスンです。 ※以下でご案内のリンク先「ガーデンストーリーウェブショップ」よりご購入いただけます。※『ガーデンストーリークラブ』に入会済みで、LINEオープンチャットにもご参加いただくと、お得なクーポンをご利用いただけます。クーポンはLINEオープンチャットの「ノート」に記載しております。※『ガーデンストーリークラブ』については、こちらのご案内をご覧ください。 発送日 2月19日(水)発送。18〜24日のお申し込み分は26日に発送、25日〜締切28日までのお申し込み分は、ご注文日を除く2営業日以内に発送予定。 *動画視聴URLは発送通知メールにてお知らせいたします。 アーカイブレッスン Dタイプ◉ハンドル付き器+球根セット ※売り切れました 価格 12,500円(材料費込み・税込・送料込)※北海道は+1,000円、東北(青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島)は+500円となります※北海道と東北は、凍結防止のチルド便での発送を予定しておりますが、不要の場合は「注文備考」欄に必ず「チルド便不要」とお書きいただき、クレジットカードでお支払いください。ご注文後に差額を引かせていただきます(amazon pay利用の場合、ご注文後の金額変更ができませんのでご注意ください) 白い皿はつきません。 【お届け内容】ハンドル付きブリキの容器(直径25cm、高さ22cm) 、球根16球くらい(スノードロップ、原種チューリップ、クロッカス、ムスカリ、フリチラリア、スイセン、チオノドクサ、ミニアイリス、プシキニア、シラー等から旬のものを選んでお送りします)、花苗2株(黒葉スミレ‘ラブラドリカ’・八重クローバー)、山ゴケ(1パック)、北海道「上野ファーム」から届いた剪定枝1束、ビニール手袋 アーカイブレッスン Eタイプ◉球根セット(器は付きません) ※売り切れました 価格 11,500円(材料費込み・税込・送料込)※北海道は+1,000円、東北(青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島)は+500円となります※北海道と東北は、凍結防止のチルド便での発送を予定しておりますが、不要の場合は「注文備考」欄に必ず「チルド便不要」とお書きいただき、クレジットカードでお支払いください。ご注文後に差額を引かせていただきます(amazon pay利用の場合、ご注文後の金額変更ができませんのでご注意ください) 白い皿はつきません。 【お届け内容】球根16球くらい(スノードロップ、原種チューリップ、クロッカス、ムスカリ、フリチラリア、スイセン、チオノドクサ、ミニアイリス、プシキニア、シラー等から旬のものを選んでお送りします)、花苗2株(黒葉スミレ‘ラブラドリカ’・八重クローバー)、山ゴケ(1パック)、北海道「上野ファーム」から届いた剪定枝1束、ビニール手袋 アーカイブレッスン Fタイプ◉“鳥の巣風”「球根の籠森」球根セット ※売り切れました 価格 15,500円(材料費込み・税込・送料込)※北海道は+1,000円、東北(青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島)は+500円となります※北海道と東北は、凍結防止のチルド便での発送を予定しておりますが、不要の場合は「注文備考」欄に必ず「チルド便不要」とお書きいただき、クレジットカードでお支払いください。ご注文後に差額を引かせていただきます(amazon pay利用の場合、ご注文後の金額変更ができませんのでご注意ください) 【お届け内容】容器・植え付け材料/上野ファームの剪定枝、黒い水盤(直径26cm高さ6.5cmのプラスチック製8つ穴あけ済み)、リース台(直径30cm)、ワイヤー、受け皿(合成樹脂製、直径31.5cm、高さ2.6cm)、培養土、ビニール手袋 花材/球根花16球くらい(スノードロップ、原種チューリップ、クロッカス、ムスカリ、フリチラリア、スイセン、チオノドクサ、ミニアイリス、プシキニア、シラー、ヒアシンス等から旬のものを選んでお送りします)、花苗4株(黒葉スミレ‘ラブラドリカ’、八重クローバー、ヒナソウ、雪割草)、ハイゴケ1パック 【到着後の保管方法について】 制作するまでは、球根が徒長しないように箱を開けて直射日光の当たらない外に置き、暖房などが無い場所で保管してください。 【ご自身でご用意いただくもの】 *ハサミ(小枝を切るためのもの)*霧吹き(球根の洗いや保水のために使用)*新聞紙などの敷物(室内の机の上などで作業される場合のため)*「球根の籠森」球根セットをご注文の方は球根を植え込むための容器(底穴がなく水が染み出さない素材のもの。記事内写真のブリキ容器は横幅25cm、奥行き17cm、深さ2cm、取っ手までの高さ22cmのオーバル形。球根や苔を見やすくするため深さ2cmに近いものや、ガラス容器などがおすすめ) お申し込み締切 2025年2月28日(金)17:00 お申し込み方法 ①下記URLよりウェブショップページを開いてください。以下からお選びください。 ②購入数をご確認のうえ、「カートに入れる」を押してください。 ③内容をご確認のうえ、「購入手続きへ進む」をクリック(Amazonアカウントでの決済をご希望の方は「amazon pay」をクリック)し、必要事項をご入力のうえご購入ください。 お問い合わせ先 info@gardenstory.jpまでメールにてお問い合わせください 講師紹介 牧野博美(まきの ひろみ)「mama's garden 野の花」 北海道生まれ、奈良県在住。幼いころ花好きの両親の元に暮らしながら、大自然の中を駆け巡って育ったのが原点。生け花やフラワーアレンジメントを学び、一時期転勤で移住した青森で、自宅前に広がるが自然豊かな公園と桜並木の美しさに魅了され、植物を育てはじめる。現在は奈良県の自宅を拠点に、庭づくりに発展する寄せ植えの提案やレッスンを行なっている。Instagram nonohana26_mamFacebook
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ガーデン&ショップ

「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」 ガーデナー5名の“庭づくり”をレポート!
第3回コンテスト会場の全貌 2022年からスタートし、画期的な試みとして注目を浴びている「東京パークガーデンアワード」。3回目となる今回は、多くの区民が訪れる都立砧公園。コンテスト会場は園内の子どもが遊べる‘みんなのひろば’前に設けられました。 サクラやケヤキなど落葉樹に囲まれた芝生エリアに設けられたコンテストガーデン。 コンテストガーデンの区画には、あらかじめ事務局にて「高さ40cmの木枠のレイズドベッドに客土された状態」の2対1組の花壇が5つ用意されました。ガーデナーは自身が表現したい植栽が健全に育つように、ガーデン制作時に土壌改良・施肥などをすることが可能です。 作庭が完了した12月下旬の様子。 ガーデン制作にあたり、デザイナーが踏まえておくこと デザイン・植物について ・ コンテストのテーマは「みんなのガーデン」とし、多年生植物をメインとしたガーデンを制作すること。 ・ 国内市場で流通している植物のみ使用可能(採取した植物は不可)。・ 公園内で爆発的に繁殖するおそれがある植物は使用不可。・ 主たる植物は多年生植物を使用すること。容易に制御が可能な草本類に近い木本類は使用可能(全ての植物は高さ2m以内に限る)。・ 構造物やガーデンオーナメント等の設置は不可。植物のみで構成すること。・ 発生材処理のためのバイオネストの設置は可能。来園者の安全を考慮した仕様とすること。 作庭の様子。 メンテナンスについて ・ 展示期間中(2024年12月~2025年12月末)は入賞者がメンテナンスをし、それ以降は事務局が管理。・ 補植は可能。・ 最低限植物の状態を保つ週1回程度の潅水は事務局が行う。・ 薬剤の散布は不可。自然素材の忌避剤の使用についても不可。・ ごみ(発生材含む)は持ち帰り、または自身のガーデン内のバイオネストで処理をすること。・ メンテナンスの計画を提出すること。 区画・土壌について ・ 会場の基礎土壌には、事務局にて準備した土を使用。・ ガーデン制作時に施肥など土壌改良が可能。 【審査基準】公園の景観と調和していること/公園利用者の関心が得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること/メンテナンスがしやすいこと/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 「第3回 東京パークガーデンアワード」【12月】第1回作庭 気鋭の5人がつくるガーデンは、さまざまな工夫が凝らされています。各ガーデナーの植え込みの様子をチェック。ガーデナーの経験値が頼りになる土壌づくりにも注目を! コンテストガーデンAGathering of Bouquet 〜庭の花束〜 保坂悠平さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:混合土穣(多孔質人工軽量土壌(エコロベース):バーク堆肥=7:3)マルチング:樹皮発酵堆肥(くつきバーク)その他:複合微生物資材(カルスNC)、トウガラシを粉砕したもの ◆土壌を整える◆ モグラ除けのために、トウガラシを砕いたものを花壇全体にまく。保水・排水がよい混合土穣(多孔質人工軽量土壌(エコロベース):バーク堆肥=7:3)を均等に撒き、耕運機でよく混ぜながら耕す。 デザインに基づいて溝や起伏を作り、溝に管理動線用途としてのステップ用丸太を埋め込む。 ◆造作物等を設置する◆ 直径1mほどのバイオネストをつくる。剪定した雑木の80cmほどの太い枝数本を、深さ約30cmまで埋まるように土に挿し込む。その後、柔らかくしなるカツラの細い枝などで編むように丸く囲んでいく。バイオネストには発酵を促進させるための複合微生物資材(カルスNC)を混入する。 ◆植え付け◆ 水糸を張ってグリッドを作り、デザインに基づいてゾーンを分けるラインをチョークの粉で引く。 宿根草の苗を一度配置してから植え付ける。 宿根草を植え付けた後、その間に球根を植え付ける。 ◆マルチング&その他仕上げ◆ 左/溝に埋めた丸太のまわりに、水や土が流れ込まないよう土壌を突き固める。右/表土を樹皮発酵堆肥(くつきバーク)でマルチングする。 左/丸太を埋めた溝の側面に沿って細い枝を埋め込み、見映えを兼ねた土留めを設ける。 右/黒いアルミ製のネームプレートに白色で植物名を書き込んだ札を設置。 【12月の作庭完了】 東側 西側 【メンテナンス時の発生材について】 バイオネストを設置することで、発生した植物発生材を運搬・処理する手間を省くことができます。作業したその場で、剪定枝などの発生材を組み合わせて土台にし、落ち葉や刈草などを投入することで継続的に堆肥にできる簡便さに優れています。一般的な堆肥づくりで行う切り返しなどは必要なく、気温や降雨の水分、昆虫や土壌動物、自然界の菌糸の活動により、ゆっくりと分解が進みます。 コンテストガーデンBCircle of living things 〜おいでよ、みんなのにわへ〜 世田谷bajicoポットラックガーデン 代表デザイナー 石野夕華さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:多孔質人口土壌(ビバソイル)、腐葉土、もみ殻くん炭、牛糞堆肥(お馬の堆肥)など排水確保材:竹炭、汚泥発酵肥料(タテヤマユーキ1号)、剪定枝葉(ササ、ケヤキ、オリーブ、マサキなど)マルチング:樹皮完発酵堆肥(くつきバーク)、杉皮マルチバーク(スリーダイヤ2号) ◆土壌を整える◆ 保水性や排水性を持たせるため多孔質人口土壌(ビバソイル)を混ぜ込んだ後、有機質が豊富な腐葉土、もみ殻くん炭、牛糞堆肥(お馬の堆肥)を載せてよく耕す。 溝を作り、竹炭、汚泥発酵肥料(タテヤマユーキ1号)を入れた後、剪定枝葉(ササ、ケヤキ、オリーブ、マサキなど)を横たわるように入れていく。 ところどころに通気孔を掘り、底に竹炭を入れる。その後、土が入り込まないようにするため、太い枝で外側を囲み、その内側には細い枝を渦巻き状に入れていく。 ◆植え付け◆ 中央に低木やニューサイランなどの大株を植えたあと、宿根草を植え込んでいく。 宿根草の苗を植え付けた後、球根を植え込む。 ◆マルチング&その他仕上げ◆ 左/最後に樹皮完発酵堆肥(くつきバーク)と杉皮マルチバーク(スリーダイヤ2号)で表土をマルチングする。さらに、溝部分に落ち葉を軽く化粧的に載せる。 【12月の作庭完了】 東側 西側 【メンテナンス時の発生材について】 高地と低地を区分けするように作ったS字型の窪み、「風のとおり道」には枝が漉き込んであり、水はけや植物の発根を促す効果に加え、ガーデン発生材を処理し、バイオネストのように堆肥を作るという機能も持ち合わせています。また、各所に配置した鳥の巣状の「サークルネスト」と名付けたものには、微生物や虫などの住処や餌場となる役目があります。 コンテストガーデンCLadybugs Table 「てんとう虫たちの食卓」 小野雄大さん率いる作庭メンバーの皆さん。 【使用資材】 土壌改良材:真砂土、バーク堆肥(炭入りコンパ)、腐葉土、ゼオライト、もみ殻燻炭排水確保材:竹炭、剪定枝葉(サクラ、ケヤキ、クスなど)マルチング:樹皮ウッドチップ元肥:マグアンプ、微生物系肥料(タキアーゼS)その他:トウガラシ ◆土壌を整える◆ 左/全体に真砂土載せた後、溝を掘りながら、ざっくりとした起伏をつける。その後、モグラ除けのために粉砕したトウガラシを撒き、よく混ぜ込む。右/多孔質のゼオライトや有機質を補いつつ団粒構造を維持するバーク堆肥(炭入りコンパ)や腐葉土、もみ殻燻炭、肥料分のマグアンプと微生物系肥料(タキアーゼS)を加え、よく耕して最終的な地形をつくる。 溝には竹炭を入れたあと、ケヤキやサクラ、クスの剪定枝を敷く。 溝のところどころに通気孔を開け、砧公園内で発生したマサキの剪定枝を入れ込む。 ◆植え付け◆ まずは、低木やキンカンなどの樹木を植栽して骨格を形作る。 宿根草の苗を植えた後、球根を植え付けていく。 ◆マルチング&その他仕上げ◆ 植栽前に樹皮ウッドチップを溝以外に敷く。植栽後にも同様に植物の周りに撒く。 溝に沿って入れた枝をカバーするために、苗を植え付けた際にカットしたグラス類の穂を載せて見栄えをよくする。 【12月の作庭完了】 東側 西側 【メンテナンス時の発生材について】 作業通路とバイオネストを設置。作業通路は他の場所より一段低い地形で、水が流れ込みやすい場所で、湿度があるため菌糸類や微生物が繁殖しやすい環境です。手入れのたびに発生する抜いた草や間引いたものをそれらに入れ込みます。落ち葉や木の枝などの層が、昆虫などに住居や食料を提供。枝葉の堆積物は水や空気を土の中に取り入れたり蓄えたりするのにも役立ち、植物たちに必要な養分にもなります。 コンテストガーデンDKINUTA “One Health” Garden 合同会社百暮 代表デザイナー 高橋祐眞さん率いる作庭メンバーの皆さん。 【使用資材】 土壌改良材:多孔質資材を複数配合したオリジナルソイル、菌糸および菌床マルチング:多摩川梨の剪定枝のチップ(地元川崎の植木農家及び果樹農家から発生する農業副産物)肥料:発酵鶏糞 ◆土壌を整える◆ 左/土中の微生物多様性を高めるために、ガーデン全体に多孔質資材等を複数配合したオリジナルソイルを入れ、発酵鶏糞と共によく耕す。右/オオヒラタケのブロック状の菌床を崩して表土に軽く混ぜ込む。オオヒラタケは菌糸が広がるのが早いので、土壌病原菌の抑制や根の成長を促す効果が期待できる。 ◆造作物等を設置する◆ バイオネストをつくる。直径約50cm、深さ約40cmの穴を開け、その内側に沿って焼杉丸太を打ち込み、多孔質資材を底に敷く。その後、丸太の間をシラカシ等の剪定枝で編み込んで囲みをつくる。 ◆植え付け◆ 低木類から植えて骨格を固め、そのまわりに宿根草の苗を植え込んでいく。 ◆マルチング&その他仕上げ◆ 宿根草の植栽前に、多摩川梨の剪定枝を利用したウッドチップを撒いて表土をマルチングする。ナシの枝はやや硬めで、程よい粒の大きさを保っているため、見た目がよいだけでなく、水の浸透がよく水はねや風による飛散が少ないことが期待できる。 左/バイオネストにシルバーリーフの剪定枝をあしらい、より植栽になじませる。 右/オオヒラタケの菌床でつくったステップを、作業の足場用として設置。数カ月後には朽ちて、土壌改良としても機能する。 【12月の作庭完了】 東側 西側 【メンテナンス時の発生材について】 バイオネストを設置し、メンテナンスで発生する剪定枝や落ち葉などの堆肥化を促進します。また、バイオネストの地中を掘り下げて焼き杭を打ち、多孔質な改良材を入れ込んで土中の微生物多様性を高めることで分解速度を高めつつ、土壌改良効果も狙う「生態系のぬか床」の構築を目指します。 コンテストガーデンE「みんなのガーデン」から「みんなの地球(ほし)」へ 太田敦雄さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:軽石、もみ殻燻炭、土の活力素(バイオマイスター)、シマミミズ入り堆肥マルチング:バイオマイスター(下地)、軽石、鹿沼土(仕上げ)元肥:発酵米糠肥料、海藻元肥、バットグアノその他:EFポリマー、トウガラシ ◆土壌を整える◆ 全体的に軽石を混ぜて耕した後に、もみ殻燻炭、土の活力素(バイオマイスター)を混ぜる。 左/モグラやコガネムシの幼虫を除ける目的で用いる砕いたトウガラシ、有機質を補う有機リン酸肥料(バットグアノ)、ミネラル分を補う海藻元肥を混ぜてよく耕し、溝をつくって起伏を作る。右/部分的にミミズ入り堆肥を投入(この部分にトウガラシは入れない)。 ◆植え付け◆ 左/水糸を張り、グリッドをつくる。 右/デザインに基づいて、白線を引いてゾーンを明確にする。 中央のニューサイランを軸に大株から植栽。ポット苗や球根の下には、保水効果がある生分解ポリマーを少量敷いて、成長するまでの冬場の根の乾燥を防ぐ。 宿根草の間に球根を植え込んでいく。 ◆マルチング&その他仕上げ◆ 株のまわりに土の活力素(バイオマイスター)を撒き、夏の蒸れ予防とコガネムシ忌避のために軽石と鹿沼土で仕上げのマルチングをする。 植栽作業完了後、カラスなどのいたずら防止のため、花壇の上に細い紐を張り巡らせて完了。 【12月の作庭完了】 東側 西側 【メンテナンス時の発生材について】 メンテナンスの作業性や植栽内の日照確保、風通し向上のために、エリアを分割する曲線通路を設けました。これは単なる通路ではなく、剪定で出た枝葉のゴミを細かく切って通路の土に埋め込み、それがまた土に還って植物の栄養として供給される「新たなゴミを極力出さない“リサイクル循環Path”」としても活用します。埋める剪定ゴミは分解菌豊富な肥料の働きによって堆肥化が促進され、より速やかな循環サイクルが形成されます。 コンテストガーデンを見に行こう! Information 都立砧公園「みんなのひろば」前所在地: 東京都世田谷区砧公園1-1電話: 03-3700-0414https://www.tokyo-park.or.jp/park/kinuta/index.html開園時間:常時開園※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせ下さい。入園料:無料アクセス:東急田園都市線「用賀」から徒歩20分。または東急コーチバス(美術館行き)「美術館」下車/ 小田急線「千歳船橋」から東急バス(田園調布駅行き)「砧公園緑地入口」下車/小田急線「成城学園前駅」から東急バス(二子玉川駅行き)「区立総合運動場」下車駐車場:有料
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家庭菜園

アイスプラントの育て方 ペットボトルで水耕栽培も可能な新感覚野菜!
アイスプラントの基本情報 nuengbk/Shutterstock.com 植物名:アイスプラント学名:Mesembryanthemum crystallinum英名:iceplant、common ice plant、crystalline ice plant和名:アイスプラントその他の名前:アイスプランツ、ソルトリーフ、クリスタルリーフ、プッチーナ、バラフなど科名:ハマミズナ科属名:メセンブリアンテマ属原産地:南アフリカ形態:宿根草(多年草) アイスプラントはハマミズナ科メセンブリアンテマ属の多肉植物で、地上部の葉を収穫する野菜です。自生地では本来は多年草ですが、厳しい夏を苦手とし、日本では夏越しが難しいので一年草として扱われることが多いようです。原産地は南アフリカのナミブ砂漠で、発芽適温は20℃前後、生育適温は5〜25℃です。春と秋に種まきして栽培できます。アイスプラントは茎葉がキラキラとした透明な粒に覆われており、まるで凍っているように見えます。 アイスプラントの葉や花の特徴 Vilda.S/Shutterstock.com 園芸分類:野菜開花時期:7〜8月草丈:20〜30cm耐寒性:やや強い耐暑性:弱い花色:白 アイスプラントは塩分を含んだ土壌でも栽培ができることから、「吸塩植物」とも呼ばれています。茎葉の表面に透明でキラキラとしたブラッターと呼ばれる細胞を持っているのが特徴で、水滴のような粒がつくユニークな見た目です。このブラッター細胞にはミネラルが含まれており、口に含むとプチプチとした食感と塩味が感じられます。 また、多肉植物に分類され、体内に水分を蓄える性質があります。そのため乾燥には強いものの、多湿な環境を苦手としています。 アイスプラントの花。svf74/Shutterstock.com アイスプラントは夏に白い花が咲きますが、葉先が赤く色づいてくるのが開花の合図。収穫を長く楽しみたい場合は、花芽を摘み取りましょう。開花後には種子ができるので、種まきして株を増やすこともできます。 アイスプラントの名前の由来と花言葉 svf74/Shutterstock.com アイスプラントという名前は、茎葉がキラキラとした透明な粒に覆われており、まるで凍っているように見えることが由来。アイスプラントの花言葉は「冷淡」「あなたの容姿は私を凍らせる」などです。 アイスプラントの栄養価 boommaval/Shutterstock.com アイスプラントはミネラルを多く含む植物です。カリウムやマグネシウム、βカロテンのほか、抗脂肪肝ビタミンのイノシトール類や、ピニトールなどの機能性成分が含まれています。 アイスプラントの楽しみ方 jennywonderland/Shutterstock.com アイスプラントは、サラダに利用するのが一番。流水で軽く洗い、一口大に切って生食します。葉についているプチプチの食感と塩気を楽しみましょう。好みのドレッシングをかけたり、生ハムやスモークサーモン、チーズなどをトッピングしてもおいしくいただけます。 煮物などの加熱料理は形が崩れてしまうのであまり向きませんが、天ぷらにすると食感と塩気をそのまま楽しめます。 アイスプラントによく似た植物 Romix Image/Shutterstock.com アイスプラントと同じく食用できる多肉植物に、アロマティカスがあります。アロマティカスはシソ科の常緑多年草で、ミントのような香りがあるためハーブとして利用されています。多肉質のぷくぷくとした見た目が可愛らしく、インテリアにも人気。生食でサラダの材料にするほか、加熱調理もできるので、オムレツやパスタなどに入れてもおいしいハーブです。 アイスプラントの栽培12カ月カレンダー 開花時期:7〜8月植え付け:3〜5月、10~11月肥料:特になし種まき:2月中旬〜3月、9~10月 アイスプラントの栽培環境 Miyuki Satake/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりと風通しのよい場所を好みます。ただし、夏の強い日差しで傷むことがあるので、夏は遮光して風通しのよい場所で栽培したほうが、夏越しできる可能性が高まります。 【日当たり/屋内】日当たりがよい場所であれば、屋内でも栽培できます。ただし、夏の強い日差しで傷むことがあるので注意しましょう。 【置き場所】適した土壌酸度はpH6.0〜6.5なので、酸性に傾いている場合は、苦土石灰を散布して土壌改良しておきましょう。有機質に富む水はけ・水もちのよいふかふかとした土壌を好むので、植え付け前に堆肥などの有機質資材を散布して土に混ぜ込んでおきます。 耐寒性・耐暑性 アイスプラントの生育温度は5〜25℃で、マイナス5℃程度までは耐えるため、戸外での越冬も可能です。ただし、霜にあたったり土が凍結すると枯れてしまうので注意しましょう。多肉質で乾燥に強い反面、暑さや多湿に弱く、夏は30℃を超えると下葉が枯れ始めます。風通しがよく涼しい日陰で管理すると夏越しできる可能性は高まりますが、枯れてしまうことが多いので、一年草と割り切って種まきで更新するほうが管理しやすいでしょう。 アイスプラントの育て方のポイント 種まきと間引き aniana/Shutterstock.com 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。ただし、アイスプラントの苗は花苗店やホームセンターなどで入手できるので、手軽に育てたいなら、苗の植え付けからのスタートがおすすめです。「2〜3株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、次項に進んでください。 アイスプラントの発芽適温は20℃前後で、種まきの適期は、「春まき」が2月中旬〜3月、「秋まき」が9〜10月です。まず、種まき用のセルトレイに野菜用にブレンドされた市販の培養土を入れます。中央にくぼみをつけて種子を2〜3粒ずつ播き、軽く土をかぶせましょう。種子が小さいので流れ出さないように、浅く水を張った容器にセルトレイを置き、底から吸水させます。春まきする場合、気温が低い時期は育苗用の簡易フレームや加温器を利用するとよいでしょう。 発芽までは明るい半日陰で管理し、乾燥しないように底面から吸水させましょう。発芽後は日当たりのいい場所に置きます。本葉が2〜3枚出て葉が触れ合うくらいに成長したら、比較的弱々しい苗を間引いて1本のみ残し、本葉が4〜5枚つくまで育苗します。 土づくり Sleepyhobbit/Shutterstock.com 【菜園】 植え付けの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり約100g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおいてください。 さらに植え付けの1〜2週間前に、畝の幅を約50cm取り、目印をつけてよく耕します。畝の長さは作りたい量や広さに応じて自由に決めてかまいません。耕したのち、畝を作る場所に1㎡当たり堆肥2㎏、緩効性化成肥料(N-P-K=8-8-8)100gを均一にまき、よく耕しましょう。 土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植物の生育がよくなります。 【プランター栽培】 野菜の栽培用にブレンドされた市販の培養土を利用すると便利です。 植え付け Vlyaks/Shutterstock.com 植え付けの適期は3〜5月、または10~11月。苗を購入する場合は、節間が詰まってがっしりと締まった、勢いのあるものを選びましょう。 【菜園】 土づくりをしておいた場所に、幅約50cm、高さ15〜20cmほどの畝を作り、マルチフィルムを張ります。畝の中央に約60cmの間隔を取って植え穴をあけ、苗を植え付けます。最後にたっぷりと水やりをしましょう。 【プランター栽培】 標準サイズの長方形型プランターを準備してください。底穴に鉢底ネットを敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際にあふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。20〜30cmの間隔を取って苗を植え付け、最後に底から流れ出すまでたっぷりと水やりをしましょう。 水やり Zoom Team/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 【菜園】 アイスプラントは乾燥に強く多湿に弱いため、基本的には乾燥気味に管理します。ただし、生育期間中はよく水を吸ってぐんぐん成長するため、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥しているようなら、水やりをして補います。 アイスプラントに塩味をつける場合は、海水と同程度の5%までを目安に食塩水を与えます。しかし、菜園の場合は土に塩分を含ませると後作に生理障害が発生することがあるので、普通の水やりのほうがよいでしょう。調理の前に塩水に浸して塩味をつけるのも一案です。 【プランター栽培】 日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。成長期を迎えてぐんぐん茎葉を広げるようになると、水を欲しがるようになります。気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。アイスプラントに塩味をつける場合は、5%程度までの食塩水を与えます。食塩水は間隔をあけて与えるようにし、葉が縮れてきたら中止します。塩分濃度は好みに合わせて調整するとよいでしょう。 追肥 Pawel Beres/Shutterstock.com 【菜園】 土づくりの際に元肥を施していれば、特に追肥の必要はありません。 【プランター栽培】 苗の植え付けから2週間後と4週間後を目安に、2回に分けて追肥します。緩効性化成肥料(N-P-K=8-8-8)約10gを株の周囲へ均一になるようにばらまいて、軽く土になじませましょう。 収穫 Vilda.S/Shutterstock.com 【菜園・プランター栽培共に】 種まきからおよそ2カ月後、わき芽が多数広がってきたら収穫を始めます。10cmほどになった葉を付け根で切り取りましょう。すると下からわき芽が出て繰り返し収穫を楽しめます。葉が大きくなりすぎると食感が悪くなるので、若くてやわらかいうちに収穫するとよいでしょう。 アイスプラントは多年草ですが、日本の夏の暑さに弱く、夏越しはしにくい性質をもっています。収穫を終え、暑さで株が弱ったら、抜き取って処分しましょう。 注意する病害虫 schankz/Shutterstock.com 【病気】 アイスプラントは病気に強いほうですが、まれにうどんこ病が発生することがあります。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気で、葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になります。放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると発生しやすくなります。うどんこ病が出たら病害部分を摘み取って処分しましょう。 【害虫】 アイスプラントに発生しやすい害虫は、アブラムシやハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 冬越し nuengbk/Shutterstock.com 【菜園】 春まき、秋まき共に5℃を下回る時期は防寒用シートを利用して寒さ対策をしておきましょう。畝幅に約60cm間隔で園芸用支柱をアーチ状に設置して骨組みを作り、防寒用シートを被せて両端を結び、周囲に土を盛って隙間のないように固定します。高温には弱く、30℃を超えると株が弱るので、日中は換気をし、十分に気温が上がったら防寒シートを撤去しましょう。 【プランター栽培】 最低気温が10℃くらいになったら、温室や日当たりのよい場所に移動して管理します。 ペットボトルでの水耕栽培 maruco/Shutterstock.com アイスプラントは、水耕栽培することもできます。専用のキットが販売されていますが、身近な素材のペットボトルを利用してもOK。スーパーなどで食材として購入したものを挿し芽して栽培をスタートすることも可能です。定期的に食塩水を与えれば、塩気を感じることができます。 ペットボトルを使った水耕栽培の方法 ペットボトルを使ったアイスプラントの栽培では、まず苗のほか、ラベルを剥がしたペットボトル、ハイドロボール、アルミホイル、水耕栽培用の液体肥料を準備しましょう。ペットボトルを利用した基本的な鉢の作り方や栽培方法は、次のとおりです。 ① ペットボトルを流水できれいに洗い、上から1/3くらいで水平にカットします。② 上から1/3で切った部分を逆さにし、飲み口を下にして重ねます。③ 藻が発生するのを防ぐため、全体をアルミホイルで覆います。④ アイスプラントの苗をポットから出して土を落とし、根を洗います。⑤ 飲み口側のボトルに苗を入れ、ハイドロボールを入れて根を固定します。⑥ 重ねた下のボトルに水を入れ、毎日水を入れ替えて管理します。液体肥料はなくても育つほどなので、控えめに与えましょう。⑦ 収穫が近くなったら、5%ほどの食塩水を入れると塩気を感じる葉になります。⑧ 葉が育ったら、順次収穫します。 アイスプラントを水耕栽培するときの注意点 Ice plant vOqbas/Shutterstock.com ペットボトルを利用したアイスプラントの水耕栽培は気軽にスタートすることができますが、管理の面でいくつかのポイントがあります。ここでは、メンテナンスのコツについてご紹介します。 日当たりを好むが、夏場は半日陰の涼しい環境にする 日当たりのよい窓辺などに置いて管理しましょう。アイスプラントの生育適温は5〜25℃です。気温が25℃を超えるようになったら直射日光が当たるのを避け、レース越しの光程度に遮光し、涼しく管理するとよいでしょう。 温度管理をする アイスプラントの生育適温は5〜25℃なので、真夏や真冬の置き場所に注意します。夏は遮光して温度が上がるのを防ぎ、冬は窓辺から少し離して冷たい外気が伝わらないようにしましょう。 できれば毎日水を交換する 水耕栽培では毎日水を交換することが大切です。難しい場合でも、2〜3日に1度は交換するようにしましょう。 注目のニューフェイス「アイスプラント」の栽培を始めてみよう Vilda.S/Shutterstock.com 塩分を含んだ土壌で栽培できることで知られるアイスプラント。家庭菜園ではもちろん、プランターでも栽培できる手軽な野菜です。自家採取なら新鮮なうちに食べられるのも魅力。サラダなどで美味しくいただけるアイスプランツをぜひ育ててみてください。
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観葉・インドアグリーン

インテリアにぴったり! ミルクブッシュの育て方とお手入れ方法
ミルクブッシュの基本情報 PhilipYb Studio/Shutterstock.com 植物名:ミルクブッシュ学名:Euphorbia tirucalli英名:Indian tree spurge、milk bush、naked lady、pencil tree、pencil cactus、fire stick、aveloz和名:ミドリサンゴ(緑珊瑚)その他の名前:アオサンゴ(青珊瑚)、ミルクブッシュ科名:トウダイグサ科属名:トウダイグサ属(ユーフォルビア属)原産地:熱帯アフリカ、南アフリカ形態:常緑性低木 ミルクブッシュの学名はEuphorbia tirucalli(ユーフォルビア・ティルカリ)。ユーフォルビアの1種で、トウダイグサ科トウダイグサ属(ユーフォルビア属)の低木です。樹高は10〜200cm。こまめに剪定すれば樹高をコンパクトに保つことができます。 原産地は熱帯アフリカ、南アフリカで、暑さに強いものの寒さには大変弱いので、地植えにする場合は、冬は鉢上げして室内や温室に取り込む必要があります。常緑性で冬もみずみずしい姿を保ち、枝姿が美しいので観葉植物として人気があります。 ミルクブッシュの枝や葉、花の特徴 Paladin12/Shutterstock.com 園芸分類:観葉植物開花時期:6〜9月樹高:10〜200cm耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:黄色 ミルクブッシュの枝は直径5mmほどの棒状で、とても小さな楕円形の葉がつきますが、すぐに落葉してしまいます。多肉性のグリーンの枝がよく分枝して伸びる姿はサンゴに似ていることから、「ミドリサンゴ」「アオサンゴ」という名前でも呼ばれています。枝の切り口から出る白い樹液は有毒で、皮膚につくとかぶれを引き起こし、目に入ると失明の危険性もあるので注意しましょう。 Pungu x/Shutterstock.com ミルクブッシュは主に枝を観賞しますが、夏には小さな花も開花します。枝先に杯状花序と苞葉がつき、花後には蒴果が実ります。 ミルクブッシュの名前の由来と花言葉 GreenThumbShots/Shutterstock.com ミルクブッシュという名前は、枝をカットすると切り口からミルクのような白い液体が出てくることに由来します。この液に触れると、皮膚がかぶれることがあるので注意しましょう。剪定をする際は、必ず園芸用のグローブをはめて作業し、もし手指についたら流水で洗い流しておきましょう。デメリットのようでもありますが、食害にあいにくいというメリットもあります。 ミルクブッシュの花言葉は「穏やかな性格」です。 ミルクブッシュの代表的な品種 Nikolay Kurzenko/Shutterstock.com ミルクブッシュは、人の手による交配によって作出された園芸品種も多く出回っています。ここでは、主に流通している品種についてご紹介します。 ‘ファイヤースティック’ alybaba/Shutterstock.com 寒くなるとグリーンの枝先がオレンジから赤へ変色していき、それが品種名の由来となっています。日当たりのよい場所で管理すると、さらに発色がよくなります。‘スティックオンファイア’とも。 ‘イエローマジック’ 新芽が出始める頃に黄色〜オレンジに色づいて、カラフルな株姿を観賞できます。日当たりのよい場所に置くと色がよく冴えるのが特徴。やがて枝葉の色はグリーンに落ち着きます。 ‘ピンクカメレオン’ 秋から冬にかけて紅葉するタイプで、枝先がピンク〜黄色になります。‘ファイヤースティック’よりも赤みが控えめな色調で、シックな雰囲気が魅力です。 ミルクブッシュの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6〜9月植え付け・植え替え:5〜9月肥料:4〜10月剪定:4〜5月、9月頃 ミルクブッシュの栽培環境 Natalia Leen/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。春から秋は屋外でも栽培できますが、寒さに弱いので冬は室内に取り込みましょう。 【日当たり/屋内】日当たり・風通しのよい場所で管理します。 【置き場所】水はけ・水もちのよい土壌を好むので、腐葉土や堆肥を多めにすき込んで腐植質に富んだふかふかの土づくりをしましょう。屋内の場合、日当たりのよい窓辺などで管理します。また、鉢を動かさずにいると日の当たる方向にばかり枝葉が伸びて、樹形のバランスが悪くなってしまいます。週に1度を目安に、鉢の向きを替えるのもポイントです。 耐寒性・耐暑性 耐寒性が弱いので、最低気温が10℃を下回るようになったら、地植えの場合は鉢に植え替え、日当たりのよい室内に移動して管理しましょう。 ミルクブッシュの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料少量を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に与えると、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると夜温で冷たくなってしまうので、十分に気温が上がった日中に行うようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、過度に乾燥する日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。生育期は旺盛に枝葉を伸ばすので水切れに注意が必要ですが、秋以降は徐々に水やりの回数を減らし、乾燥気味に管理するとよいでしょう。 肥料 【地植え・鉢植え共に】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきます。その後は、生育期に緩効性化成肥料を2カ月に1度を目安に施しましょう。 注意する病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 ミルクブッシュに発生しやすい病気は、枝枯れ病です。 枝枯れ病にかかりやすいのは、主に4〜10月。日当たりが悪く、湿気の多い場所で発生しやすい病気です。主に枝を剪定したときの切り口や食害された部分などに淡い褐色または黒ずんだ褐色の不整形な斑点が現れ、病斑が広がると枝が枯れてしまいます。枯れた枝の表面には、黒い粒が発生するのが特徴です。剪定する際、枯れ枝があれば切り取っておき、株と株の間が狭い場合や、茎葉が茂りすぎて鬱蒼としていたら、間引いて風通しよく管理します。生育期に芽吹いて新しい枝を伸ばし始めた頃に、適用のある殺菌剤を散布して予防してもよいでしょう。 【害虫】 ミルクブッシュに発生しやすい害虫は、ハダニやカイガラムシなどです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 ミルクブッシュの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、節間が短くがっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。黄色く傷んだ葉がついているものや虫食い痕のあるもの、ヒョロヒョロと茎葉が長く伸びて弱々しいものは避けたほうが無難です。 植え付け・植え替え OlegDoroshin/Shutterstock.com ミルクブッシュの植え付け・植え替えの適期は、5〜9月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えます。複数の苗を植える場合は、40〜50cmくらいの間隔を取っておきましょう。 ミルクブッシュの耐寒温度は5℃くらいなので、最低気温が10℃を下回るようになってきたら鉢に植え替え、日当たりのよい室内や温室へ移動してください。越年して霜の心配がなくなった頃に、地植えに戻します。 【鉢植え】 6〜8号の鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取って植え替えましょう。 剪定 mihalec/Shutterstock.com 成長して樹形が乱れてきたら、剪定をします。ミルクブッシュの剪定適期は4〜5月か9月頃です。枝を切ると切り口から樹液がポタポタと落ちてくるので、室内で作業する際は、ビニールシートや新聞紙などを敷いておくとよいでしょう。 剪定の際はどこで切ってもよく、密に茂りすぎて風通しが悪くなっている部分を、バランスを見ながら透かすように切っていきます。枝は途中で切らずに、分岐部まで遡って切るようにしましょう。また、太くて勢いよく伸びている徒長枝があると、全体のバランスがくずれるので、深めに切り戻してください。枯れ枝があれば、すべて切り取っておきます。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ミルクブッシュは、株分けと挿し木で増やすことができます。ここでは、それぞれの方法について解説します。 【株分け】 ミルクブッシュの株分けの適期は5〜9月です。 植え付けてから数年が経ち、大きく育ったら「株分け」をして増やします。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、植え直します。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。 【挿し木】 挿し木とは、茎葉を切り取って土に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ミルクブッシュは挿し木で増やせます。 ミルクブッシュの挿し木の適期は、5〜9月です。新しく伸びた枝を10〜15cm、切り口が斜めになるように切り取り、切り口から乳液が出なくなるまで、流水で洗い流します。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を半分くらいに切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。明るい日陰に置いて乾燥させないように管理し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 見た目がユニークなミルクブッシュを育ててみよう GreenThumbShots/Shutterstock.com まるでサンゴのようなユニークなフォルムが目を引くミルクブッシュは、インテリアグリーンとして楽しめる植物です。日当たりのよい場所に置き、週に1度を目安に180度回転させながら管理すると、美しい株姿をキープでき、リビングや個室で存在感あるアクセントになります。ミルクブッシュの栽培にぜひチャレンジしてみてください。
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おすすめ植物(その他)

蜜源植物とは? ガーデンで人気の種類&ハチミツの香りと味わいの違いもご紹介
蜜源植物とは Davizro Photography/Shutterstock.com 蜜源植物とは、ミツバチが蜜を採取する花が咲く植物のことです。世界には約4,000種類の蜜源植物があり、日本には500〜600種類があるとされています。 ハチミツは植物の蜜からできているため、蜜源植物はハチミツを作り出す上で欠かせない存在です。ミツバチは蜜源植物から蜜を採取し、胃にためて巣に持ち帰ります。その蜜を巣の中のミツバチに渡して、糖度の薄い蜜を翅であおぎ、水分を蒸発させて糖度を80%程度まで上げるとハチミツになります。 ミツバチは花の蜜を集めてハチミツを作るだけでなく、ほかの植物に飛来して花粉を運ぶ役割も担っています。他の昆虫とは異なり、ミツバチはほぼすべての植物に飛来し、人間が食べる作物の多くはミツバチが花粉を運ぶことで受粉し、収穫できるようになります。 現在、気候変動や環境汚染など複合的な要因によるミツバチの減少が大きな社会問題になっています。ミツバチの減少は生態系を毀損し、農作物の生産にも影響を与えると考えられています。ミツバチの生育をサポートするためには、ミツバチが蜜や花粉を得ることができる蜜源植物を増やすことも大切です。 ミツバチが好む花の特徴 LIUCHUNG/Shutterstock.com ミツバチが好む花の種類には、樹木の花、群生する草花、ハーブ類、キク科、マメ科、シソ科、柑橘類の花などがあります。樹木の花は一時期にまとまって咲くため、ミツバチは移動せずに効率よく蜜を集めることができます。また、レンゲや菜の花、ヒマワリ、クローバーなどの群生する草花にもミツバチが集まりやすいです。シソ科のバジル、ローズマリー、ミント、シソなどは香りが強く、小さい花が密集して咲くため、ミツバチが好んで集まります。 単花蜜と百花蜜 New Africa/Shutterstock.com 単花蜜とは、ミツバチが単一種類の花から集めた蜜で作られたハチミツです。蜜を集める働きバチの中には偵察の役割をするハチがいて、蜜の集められる花を見つけると巣に帰り、仲間のハチに蜜源となる花がある方向や距離を8の字ダンスと呼ばれる手段で伝えます。ハチは1つの蜜源にたどり着くと、その花の蜜を取り終えて巣に戻るまでほかの花に行かない「訪花の一足性」という習性があり、この習性が単花蜜が作られる原因の1つとなっています。 一方、百花蜜はさまざまな花から採取したハチミツで、花の種類が限定できないため、味や風味、香りは採蜜された地域によって異なります。また、同じ花から採れる蜜でも、時期やその年の天候によって味わいが違うものになります。西洋ミツバチは1種類の花から蜜を集める性質がありますが、花の蜜が少ない場合や開花が遅れている場合はほかの花からも蜜を集めます。日本ミツバチはその地域特有のさまざまな野草の花から蜜を集めてハチミツを作り、日本ミツバチによって作られた百花蜜は希少価値が高いです。 主要な蜜源植物10種 蜜源植物はハチミツを作るうえで欠かせないもので、非常に多くの種類があります。まずは、代表的な蜜源植物と、それから採れるハチミツについて種類ごとにご紹介します。 ナタネ(菜の花) Leonid Ikan/Shutterstock.com ナタネはナタネ油が採れる植物としても知られており、菜の花やアブラナとも呼ばれています。温暖な地域に生息し、花は黄色です。4〜5月に採蜜されます。ナタネから採れるハチミツは淡い黄色で、なめらかな香りと菜種油を思わせるコクのある味わいが特徴です。結晶は細かくクリーミーです。 ハチミツの主成分はブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)で、ブドウ糖の割合が高いほど結晶化しやすくなります。ナタネハチミツは他のハチミツよりもブドウ糖の割合が高いため、固まりやすいという特徴があります。 レンゲ Bennie/Shutterstock.com マメ科の植物であるレンゲは、紫色の小花を咲かせ、4〜5月中頃に採蜜されます。しかし、日本では外来の害虫であるアルファルファタコゾウムシの影響を受けて、栽培面積は30年前と比べて30%にまで減少しています。 レンゲハチミツは日本で販売されているハチミツの中で最もポピュラーで、「ハチミツの王様」とも呼ばれています。その味わいは濃厚でまろやかであり、ほんのりとした酸味とフローラルな香りが特徴です。国産のハチミツの中では最も癖がなく、食べやすいとされています。 サクラ(山桜) Serghei Starus/Shutterstock.com 山桜は日本を代表する樹木で、4〜5月に採蜜されます。単花蜜として採蜜する場合、山桜が蜜源になることが多いです。山桜のハチミツは華やかさがありながらも桜の葉の青さが感じられ、上品な甘さが特徴です。しかし、山桜が多く自生していないと採蜜できないため、山桜のハチミツは希少価値が高いです。 アカシア Victoria Kondysenko/Shutterstock.com アカシアはマメ科の植物で、ハリエンジュやニセアカシアとも呼ばれます。房状の花が垂れ下がって咲くのが特徴です。蜜源植物の中でもアカシアは人気が高く、「ハチミツの女王」と呼ばれています。アカシアのハチミツはさっぱりとした味わいで、日本人に特に人気があります。癖があまりないため、ドレッシングやパンなどさまざまな料理に合わせやすいです。 ミカン barmalini/Shutterstock.com ミカンの花は5月初旬から中旬にかけて採蜜されます。白く透き通った薄い黄色の花からは、甘酸っぱい香りのハチミツが採れます。このハチミツは柑橘特有の爽やかな風味とキレのあるコクが特徴で、さっぱりとした飽きのこない味わいが楽しめます。そのため、ハチミツが苦手な人にもおすすめです。果糖だけでなくブドウ糖も多く含まれているため、冬季には結晶化しやすいです。 ソバ Nnattalli/Shutterstock.com ソバの花は6月下旬から8月後半にかけて採蜜されます。白やピンクの花で、採蜜の時期によって夏ソバと秋ソバに分けられ、秋ソバは特に蜜源として利用されます。ソバのハチミツは茶褐色でハチミツの中でも色が濃く、黒砂糖に似た深いコクがあります。 ソバのハチミツには花粉由来のフラボノイドのほか、カルシウム、鉄、ビタミン、ミネラルなど身体によい成分が多く含まれています。特に鉄分は他のハチミツと比べて5倍も多く、脳卒中や動脈硬化に効果があるといわれるルチンも含まれています。また、ハチミツには殺菌作用がありますが、中でもソバのハチミツは殺菌力が高いことで知られています。 クローバー Vladimir Konstantinov/Shutterstock.com マメ科シャジクソウ属の植物であるクローバーは、和名はシロツメクサ。6月から7月下旬にかけて採蜜されます。酪農が盛んな北海道では、家畜の餌としてクローバーが栽培されており、蜜源としても利用されています。クローバーのハチミツは結晶化するときめが細かくクリーミーです。 クローバーのハチミツは世界的にも人気があり、親しまれています。クセがなく優しい甘みと上品な味わいが特徴で、どんな飲み物や食べ物にも合わせやすく、特に紅茶との相性がよいです。 リンゴ marilyn barbone/Shutterstock.com リンゴはバラ科リンゴ属の落葉高木で、小アジアやコーカサスを原産としています。ミツバチの受粉を必要とする代表的な植物で、6月上旬から中旬にかけて採蜜されます。 リンゴのハチミツは癖がなく、後味にリンゴの皮の渋みが感じられ、リンゴ畑にいるようなフルーティーな味わいが特徴です。特にリンゴの産地である東北地方などで採蜜される、貴重なハチミツとされています。 シナノキ ganjalex/Shutterstock.com シナノキの仲間は菩提樹、リンデンとも呼ばれ、リラックス効果のあるハーブとしてアロマテラピーやハーブティーに利用されます。7月中旬から8月上旬にかけて、日本では東北以北でのみ採蜜されています。ヨーロッパでは特に人気が高いこのハチミツはやや強めの黄色で、ハーブの香りが持続する個性的な味わいが特徴です。 トチノキ(トチ) BestPhotoStudio/Shutterstock.com トチノキは山の中に多く自生する自然木で、トチノキ科に属します。栃木県の県の木にも指定されており、東北地方で多く生産されています。白と赤の大きな花の群れがツリー形に細かい花を咲かせ、その実は食用になります。 採蜜時期は6月上旬から中旬で、トチノキのハチミツは自然を感じさせるワイルドな味わいが特徴。フローラルな香りとこってりしたコクがあり、濃厚で柔らかい甘さが楽しめます。コーヒー、ヨーグルト、紅茶、チーズやパンによく合います。 蜜源植物にもなるガーデンプランツ8種 主要な蜜源植物に続いて、ガーデンプランツとしても人気があり、自宅の庭でも育てやすいミツバチやチョウが好む花を8種ご紹介します。 モナルダ Tatyana Mut/Shutterstock.com モナルダはシソ科の宿根草。ベルガモットやタイマツバナとも呼ばれ、香りがあるのでハーブとして扱われます。6〜9月に赤やピンク、紫、白などの鮮やかな花を咲かせ、夏のガーデンを彩ってくれます。 ラベンダー aniana/Shutterstock.com ラベンダーはシソ科の低木。その香りと愛らしい紫の花から、ハーブの中でも人気が高い種類です。開花期は4〜7月。高温多湿に弱いので、温暖な地域では暑さに強い種類を選ぶとよいでしょう。 カラミンサ Traveller70/Shutterstock.com カラミンサはシソ科の宿根草で、淡いピンクや白、淡い紫の小さな花を咲かせます。ミントのような爽やかな香りがあり、開花期間は5月中旬〜11月上旬と、非常に長く楽しめます。カラミンサによく似たキャットミント(ネペタ)も、よくミツバチが訪れるハーブです。 ブッドレア Paya888/Shutterstock.com ブッドレアはゴマノハグサ科の低木で、和名はフサフジウツギ。チョウが集まることから、英名ではバタフライブッシュと呼ばれます。成長が早く、開花期は7〜10月。花色は藤色のほか白や紫などで、円錐形の花穂を長く伸ばし、甘い香りがあります。 アガスターシェ(アニスヒソップ) Svetlana Zhukova/Shutterstock.com アガスターシェはシソ科の宿根草。アニスヒソップとも呼ばれ、葉に香りがあることからハーブとしても扱われます。開花期は5〜10月で、小さな花を穂状にたくさん咲かせます。黄金葉や銅葉の品種は、カラーリーフとしても人気があります。 エキナセア ileana_bt/Shutterstock.com エキナセアはキク科の宿根草で、別名ムラサキバレンギク。花の中心部が盛り上がり、その周囲に放射状に広がる花弁は満開になると垂れ下がるのが特徴です。開花期が6〜9月と長く、耐暑性があり、園芸品種も非常に豊富でカラーバリエーションもあることから、人気の高いガーデンプランツです。種類によってはハーブとしても利用されます。 ヤグルマギク Marina Demidiuk/Shutterstock.com ヤグルマギクはキク科の一年草。もともとヨーロッパでは麦畑の雑草として扱われていたことから、英名ではコーンフラワーと呼ばれます。開花期は4〜5月で、花茎を立ち上げた頂部に青や紫、ピンク、白、黒赤、複色などの花を咲かせます。こぼれ種でもよく増える丈夫な性質です。 キュウリ jekin/Shutterstock.com 花を楽しむ植物だけでなく、夏の家庭菜園で人気の高いキュウリやカボチャ、ズッキーニ、ゴーヤなどのウリ科の野菜もミツバチがよく訪れます。これらの野菜は、ミツバチなどの花粉媒介者によって受粉するため、家庭菜園の収穫量をアップさせるためにもミツバチは欠かせない存在です。 蜜源植物の種類によって味わいや香りが異なるハチミツ kobeza/Shuttertstock.com ミツバチが蜜を集めに来る蜜源植物は日本だけでも500〜600種類あり、今回は中でも代表的な植物をご紹介しました。自宅の庭でも蜜源植物となる花を育てることで、ミツバチの生育をサポートすることにもつながります。また、蜜源植物が異なるハチミツは味わいや香りなども異なります。ぜひ、さまざまなハチミツを食べ比べて、好みの味や香りのものを探してみてはいかがでしょうか?
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宿根草・多年草

プリムラ・オブコニカの育て方〜花言葉は「初恋」の可憐な花
プリムラ・オブコニカの基本情報 unverdorben jr/Shutterstock.com 植物名:プリムラ・オブコニカ学名:Primula obconica英名:Primula obconica、German primrose、poison primrose和名:トキワザクラ(常盤桜)その他の名前:シキザキサクラソウ(四季咲き桜草)科名:サクラソウ科属名:サクラソウ属(プリムラ属)原産地:中国形態:宿根草(多年草) プリムラ・オブコニカの学名はPrimula obconica で、学名がそのまま流通名になっています。トキワザクラ(常盤桜)、四季咲きサクラソウ(桜草)の別名もあります。サクラソウ科サクラソウ属(プリムラ属)の常緑性多年草ですが、夏の暑さに弱く夏越しが難しいために、日本では一年草として扱われることもあります。原産地は中国湖北省で、高温多湿に弱く、冬の寒さも苦手。草丈は20〜30cmです。 冬から春にかけて開花するプリムラ・オブコニカは、シクラメンやポインセチアなどのように、花が少なくなる時期に室内を彩る花鉢として愛されてきました。カラフルな花は、ギフト用としても人気があります。茎葉には、プリミンと呼ばれるアルカイドを含み、触るとかぶれることがあるので、花がら摘みなどの手入れをする際にはガーデングローブを着用するとよいでしょう。近年は、品種改良によってプリミンをほとんど含まない園芸品種も登場しています。 プリムラ・オブコニカの花や葉の特徴 Esin Deniz/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:12〜翌年4月草丈:20〜30cm耐寒性:弱い耐暑性:やや弱い花色:紫、ピンク、白、藤色、サーモンピンク、複色など プリムラ・オブコニカの開花期は12〜翌年4月で、冬から春にかけて室内を彩る花鉢として親しまれてきました。花茎を長く伸ばし、その先に数輪~十数輪の花を咲かせます。花色は紫、ピンク、白、藤色、サーモンピンク、複色などで、色幅が豊富に揃うため、選ぶ楽しみがあります。産毛が生えた葉には長い葉柄があり、ロゼットを作ります。 プリムラ・オブコニカの名前の由来や花言葉 ncristian/Shutterstock.com プリムラ・オブコニカという名前は、学名Primula obconicaから。「最初の、初めの」という意味の「primus」と、「逆円錐」という意味の「obconica」からなるラテン語で、花の形と早春にほかの花に先駆けて咲くことが由来です。 プリムラ・オブコニカの花言葉は「初恋」「青春」「少年時代」「しとやかな人」などがあります。 プリムラ・オブコニカの誕生花 Peter Turner Photography/Shutterstock.com プリムラ・オブコニカは、2月19日、3月1日、3月26日、12月9日、12月19日の誕生花とされています。花鉢としてポピュラーに出回っているので、ギフトにしても喜ばれそうです。 プリムラ・オブコニカの代表的な種類 プリムラ・オブコニカは品種改良が進み、かぶれにくい園芸品種も登場しています。ここでは、それらの品種について取り上げます。 ‘タッチミー’ ncristian/Shutterstock.com オランダのナーセリーが開発した品種で、かぶれの原因となるプリミンをほとんど含まないため安心です。赤、紫、ピンクの濃淡など色幅があるシリーズです。 「プリカント」シリーズ InfoFlowersPlants/Shutterstock.com 「プリカント」シリーズは、グリーンがかった白、青紫、赤紫の花色が揃い、いずれもシックなニュアンスカラー。花弁にはフリルが入り、エレガントな雰囲気をまとっています。アレルギー物質のプリミンをほとんど含まないのが特徴です。 プリムラ・オブコニカの栽培12カ月カレンダー 開花時期:12〜翌年4月植え付け・植え替え:9月頃肥料:10〜翌年4月種まき:6~7月 プリムラ・オブコニカの栽培環境 Ric Photography/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】耐寒性が弱いため、鉢植えでの栽培が基本で、春から秋は屋外でも栽培できます。基本的には半日陰で栽培しますが、あまりに日当たりが悪いとヒョロヒョロと茎葉が間のびして軟弱な株になったり、花つきが悪くなったりするので注意してください。 【日当たり/屋内】気温が10℃を下回るようになったら取り込み、明るい窓辺で管理します。 【置き場所】高温多湿に弱いので、屋外で栽培しているときは、風通しがよく雨の当たらない軒下などで管理するとよいでしょう。また、室内ではエアコンの風が直接当たらない明るい窓辺に置きます。ただし、あまり窓の近くだと、夜に外気温が伝わって冷え込み、株が弱ることがあるので注意してください。 耐寒性・耐暑性 寒さに弱いため、鉢植えにして季節に応じて適した場所に移動しながら管理します。耐寒温度は5℃くらいなので、10℃を下回るようになったら室内に取り込みます。また、暑さにも弱いので、風通しのよい涼しい場所で夏越しするとよいでしょう。 プリムラ・オブコニカの育て方 ここからは、プリムラ・オブコニカの鉢植えでの育て方を解説します。 用土 blueeyes/Shutterstock.com 特別な成分は必要がないので、市販の草花用培養土を利用すると手軽です。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 真夏は乾燥しやすいので、水切れには特に注意しましょう。また、気温の高い日中に水やりすると、太陽の熱ですぐに土の温度が上がり、株が著しく弱ってしまいます。真夏の水やりは、気温の低い朝か夕方に行いましょう。一方で、真冬は十分に気温が上がった日中に水やりをすませておくことがポイントです。 肥料 sasimoto/Shutterstock.com 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 開花期を迎えたら、月に1度を目安に緩効性化成肥料をばらまき、スコップで軽く中耕して土に馴染ませます。または、10日に1度を目安に液体肥料を与えてもよいでしょう。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 プリムラ・オブコニカに発生しやすい病気は、灰色かび病です。 灰色かび病 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすく、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれます。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は間引いて、風通しよく管理しましょう。 【害虫】 プリムラ・オブコニカに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ヨトウムシ、ハダニ、スリップスなどです。 アブラムシ アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ヨトウムシ ヨトウムシは蛾の幼虫で、漢字で「夜盗虫」と書くように、主に夜に姿を現して茎葉を食害します。大きくなった幼虫は食欲が旺盛で、一晩で株を丸裸にしてしまうほどです。葉から食害し始めるので、異変を察したら幼虫がまだ若いうちに駆除しましょう。発生しやすい時期は4〜6月、9〜10月です。食害の痕が認められたら夜にパトロールして捕殺するか、適用のある薬剤を散布して防除します。 ハダニ ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫で、体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 スリップス スリップスは花や葉につき、吸汁する害虫で、アザミウマともいいます。体長は1〜2mmと大変小さく、緑や茶色、黒い姿をした昆虫です。群生して植物を弱らせるので注意しましょう。針のような器官を葉などに刺して吸汁する際にウイルスを媒介するので、二次被害が発生することもあります。被害が進んだ花や葉は傷がついてかすり状になるので、よく観察してみてください。花がらや枯れ葉、雑草などに潜みやすいので、株まわりを清潔に保っておきます。土に混ぜるタイプの粒剤を利用して防除してもよいでしょう。 プリムラ・オブコニカの詳しい育て方 苗の選び方 プリムラ・オブコニカの苗を購入する際は、葉色がよく、つぼみがたくさんついたものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え AlenKadr/Shutterstock.com プリムラ・オブコニカの植え付け適期は9月下旬です。 5〜6号鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 越年して株が大きく育ち、鉢が窮屈になったら、1回り大きな鉢に植え替えます。適期は9月下旬です。植え替えの際は、しばらく水やりを控えて土を乾かしておくと作業しやすいでしょう。鉢から株を取り出して根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根や土を取り除き、1/2〜1/3まで小さくして再び植え直します。 日常のお手入れ Early Spring/Shutterstock.com 【花がら摘み】 プリムラ・オブコニカは次々に花が咲くので、終わった花はすぐに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。種子を採取したい場合は、開花が終わりそうな頃に花がら摘みをやめて、種子をつけさせましょう。 夏越し OTS1989/Shutterstock.com プリムラ・オブコニカは本来は多年草ですが、高温多湿の環境は苦手で、日本では夏越しが難しいため、一年草として扱われる場合もあります。暑さで枯死してしまった場合は処分しましょう。夏越しにチャレンジする場合は、風通しのよい涼しい場所で管理します。 冬越し ibrahim kavus/Shutterstock.com プリムラ・オブコニカは寒さが苦手で、5℃以下になると枯死してしまうことがあります。最低気温が10℃を下回る前に室内に取り込み、日当たりのよい窓辺などに置きましょう。夜は外気温が伝わりにくい場所に移してください。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com プリムラ・オブコニカは種まきや株分けで増やすことができます。ここでは、それらの方法についてご紹介します。 【種まき】 プリムラ・オブコニカの種まきの適期は6〜7月です。 まず、種まき用のセルトレイを準備してください。トレイに市販の種まき用の用土を入れて十分に湿らせ、1穴当たり数粒ずつ播きます。プリムラ・オブコニカは発芽に光を必要とする好光性種子のため、土をかぶせる必要はありません。種が細かいので、浅く水を張った容器にセルトレイを置いて鉢底から吸水させます。発芽までは涼しい場所に置き、乾燥しないように適度な水管理をしてください。 双葉が出揃ったら、弱々しい苗を間引いて1本立ちにしましょう。残す苗の根を傷めないように、株元を押さえて抜き取ってください。本葉が4〜5枚出始めたら、鉢上げするタイミングです。3号の黒ポットに草花用の培養土を入れ、セルトレイから苗を抜き取って根鉢をくずさずにそのまま植え付けます。日当たり、風通しのよい場所で育苗しましょう。根が回るほどに十分育ったら、植えたい場所に定植します。 【株分け】 プリムラ・オブコニカが大株に育っていたら、株分けして増やすことができます。株分けの適期は4〜5月か9月下旬です。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。あまり強引に引きちぎったり、小分けにしたりすると、株が弱ることがあるので注意してください。 プリムラ・オブコニカを育てる際の注意点 ncristian/Shutterstock.com プリムラ・オブコニカは、葉や花茎、萼などにプリミンを含有しています。この物質は、肌に触れると皮膚炎を起こしてしまうことがあるので注意。植え替えや花がら摘みなど、手入れ作業をする際は、必ずゴム手袋を着用しましょう。特に敏感肌の方は要注意です。一度かぶれると、2度目、3度目は症状が重くなることがあります。 プリムラ・オブコニカの鉢花を長く満喫しよう fotookamziky/Shutterstock.com 寒い冬でも、窓辺に置けば明るい花色を見せてくれるプリムラ・オブコニカ。咲く花の種類が少なくなるこの時期には嬉しく、毎年購入している人もいるのではないでしょうか。ぜひ鉢栽培にチャレンジして、お部屋を明るく彩ってみてください。
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春蘭とは? 春蘭の特徴・育て方について分かりやすくご紹介!
春蘭の基本情報 goriyan/Shutterstock.com 植物名:シュンラン学名:Cymbidium goeringii英名:Riverstream orchid和名:春蘭その他の名前:ジジババ、ホクロ、ゲンコツバサミ(拳骨挟み)、テングバナ(天狗花)など科名:ラン科属名:シュンラン属(シンビジウム属)原産地:北海道~九州、中国形態:常緑多年草 春蘭はラン科シュンラン属の多年草。学名をシンビジウム・ゴエリンギー(Cymbidium goeringii)といいます。洋ランとして親しまれているシンビジウムの仲間で、東洋ランと呼ばれ古くから愛されています。 英語圏ではリバーストリームオーキッド(Riverstream orchid=谷間のラン)と呼ばれる通り、山あいでひっそりと咲くランです。 日本と中国が原産地で、3〜5月に開花期を迎えます。 春蘭の花や葉の特徴 goriyan/Shutterstock.com 園芸分類:山野草、ラン開花時期:3月下旬~4月草丈:10~30cm耐寒性:普通耐暑性:普通花色:緑、黄、朱金、褐色 春蘭は北海道から九州の山地に広く分布しています。里山の雑木林など、広葉樹の林床に自生していることが多く、春の雪解けと共につぼみを膨らませます。野趣のある素朴で可憐な花と、甘く爽やかな香りがあり、山菜として食したり、塩漬けにしてお茶にするなど、昔から人々の暮らしの中にある植物でした。ジジババ、ホクロなどの地域名もあります。 花の色が違ったり、葉に斑が入っているなど通常とは異なる個体は珍重され、増やされてきました。現在でも古典園芸植物として人気があり、春になると多くの場所で品評会が開催されています。 春蘭の名前の由来と花言葉 chasou_pics/Shutterstock.com 春蘭は、その名の通り春に咲く蘭であることから名づけられました。 春蘭の学名(Cymbidium goeringii)は、Cymbidiumがギリシャ語で船を意味するcymbeと形を意味するeidso、goeringiiは植物採集家のグーリングが由来です。 代表的な別名であるホクロは、唇弁の斑をあらわした呼び名です。なお一説にはハクリと呼ばれる薬草に用途がよく似ていたことから、ハクリと混同して呼ばれ始め、やがてホクロに変化したとされています。 春蘭は、素朴で美しい花姿から「控えめな美」、うつむき加減で横向きに咲き、主張が少ないことから「飾らない心」、また林床部の薄暗い中でもしっかりと存在感を漂わすことから「気品」などの花言葉が与えられています。 春蘭の代表的な種類 yoshi0511/Shutterstock.com 春蘭は基本的にシンビジウム・ゴエリンギーを指しますが、コラン・カンラン・スルガラン・ナギラン・ヘツカラン・アキザキナギランなどたくさんの仲間がいます。カンランをはじめとする仲間は育て方も似ており、春蘭に近似のグループとして扱われます。 同じラン科でも少し違うのがエビネランです。エビネランはエビネ属(カランセ属)で、春咲きと夏咲きがあります。春蘭が1茎に1つの花を咲かせるのに対し、エビネは1茎に10~30輪の小ぶりな花を、穂のように咲かせます。野生のエビネランはほかのエビネ類と交わりやすく、交雑種が多数存在するのも特徴です。 エビネラン。High Mountain/Shutterstock.com なお、エビネランは春蘭と同じく、偽鱗茎(バルブ)と呼ばれる、水分や栄養を蓄える部位を持っています。このバルブがエビの背に似ていることからエビネと名づけられました。 このグループに含まれるものにはいくつかの種類があります。代表的な種は、以下になります。国内のシュンラン属は樹上着生のヘツカランを除き、ほかは土壌に根を張る地生ランです。また亜種や変種、シュンラン属同士の自然交雑種などもあります。 なかには根に共生した菌類から栄養をもらって成長する菌従属栄養植物(腐生植物)というカテゴリーに分類されるものもありますが、これは栽培に向きません。 国内のシュンラン属 ホソバシュンランCymbidium goeringii var. angustatum カンランCymbidium kanran ナギノハヒメカンランCymbidium × nomachianum スルガランCymbidium ensifolium コランCymbidium koran ヘツカランC.dayanum Reichb. fil. var. austro‐japonicum オオナギランCymbidium lancifolium ナギランCymbidium lancifolium アキザキナギランCymbidium javanicum var. aspidistrifolium ホウサイランCymbidium sinense マヤランCymbidium macrorhizon サガミランCymbidium macrorhizon f. abberans ハルカンランCymbidium × nishiuchianum 春蘭の栽培12カ月カレンダー muhummhad siddik noppaka/Shutterstock.com 開花時期:3月下旬~4月植え替え適期:4月下旬~5月中旬肥料:4月下旬〜6月植え付け:4月下旬~5月中旬 春蘭の栽培環境 yoshi0511/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 春蘭は、地植えと鉢植えどちらでも栽培可能です。 鉢植えの場合は、水はけ・通気性のよい鉢を用意しましょう。素焼きの鉢で、鉢底穴が大きなものがおすすめです。春蘭は根が太く長いので、深めの鉢を選ぶ必要があります。春蘭専用の鉢も市販されているので、鉢選びに迷ったら活用してみましょう。 【日当たり/屋外】半日陰を好みます。 【日当たり/屋内】基本的には屋外で管理します。 【置き場所】通常は30~50%、夏場は70~75%の遮光下で管理しましょう。地植えの場合は木陰がおすすめです。 耐寒性・耐暑性 春蘭の耐寒性・耐暑性のレベルは普通です。年間を通して屋外での管理が可能ですが、冬にマイナス5℃を下回る場合は、屋内に移動しましょう。 春蘭の育て方のポイント 用土 用土は、保水性と水はけのよさを重視し、粗めの軽石を主体とするか、赤玉土を混ぜた混合土にしましょう。東洋ラン専用の培養土を利用するのもおすすめです。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 用土が乾いたら鉢底から流れ出すまで水を与えます。その際は、鉢の表面だけでなく、内部の用土までしっかりと乾いていることを確認しましょう。春蘭は水を与えすぎると根腐れしやすいので、乾いているときと水やり後の鉢の重さを把握しておき、水やりのタイミングの参考にしましょう。 また冬期は鉢内部の乾燥が緩やかになるので、水やりは控えめに行います。暖かい日の午前中に、表土が濡れる程度の水やりをすればよいでしょう。 肥料 Ihor Matsiievskyi/Shutterstock.com 施肥は、4月頃と9月頃に緩効性肥料を与えるようにしましょう。また新芽が成長し、翌年の花芽を形成する4~6月と、花芽充実期の9~11月には、液体肥料を2週間に1回を目安に与えるのがよいでしょう。緩効性肥料は、できるだけ株から離して置くことで肥料焼けを予防できます。 注意する病害虫 shyshechka/Shutterstock.com 【病気】 被害として一番挙げられるのはウイルス病です。その多くが株分け時などに使った刃物から感染するというものです。葉に斑点ができたり、かすり模様が出てきた場合は、ウイルス病の可能性があります。一度ウイルスに感染してしまうと薬などでは対処できないので、処分するしかありません。使う刃物の消毒をしっかりと行い、予防に努めましょう。 また高温多湿の時期は根腐病や軟腐病、低温多湿の環境であればカビ病にも注意が必要です。そのような時期は水やりに気をつけ、風通しのよい場所で管理し、定期的な薬剤散布で予防しましょう。 A.Halff/Shutterstock.com 【害虫】 風通しの悪い場所などではハダニやナメクジが発生することがあります。また花芽形成時にアブラムシが付くこともあります。見つけ次第、捕殺や薬剤散布を行うなどして対処しましょう。地植えの場合は野生動物による食害もあるため、心配なら防護ネットを張るなどの対応をしましょう。 春蘭の詳しい育て方 苗の選び方 苗を選ぶ際には、バルブや葉、株立ちを見ましょう。バルブが大きく、葉が多いものは、元気な苗の特徴です。株から立ち上がっている茎が多いかどうかも、勢いのある苗を見分ける目安になるでしょう。 根の状態を見ることができる場合は、なるべく根が大きなものを選ぶのがおすすめです。 なお、春蘭は基本的に苗から育てます。種子を発芽させるためには専用の設備が必要なので、一般的には行われません。 植え付け・植え替え shyshechka/Shutterstock.com 春蘭の植え付けの適期は、花が終わった後もしくは秋です。植え付けをする前には、バルブや根の状態をチェックしておきましょう。傷んでいるバルブや根、葉は剪定し、切り口を清潔にしておきます。 植え付ける際には、バルブが1~2cm埋まるくらいを目安にしましょう。 植え替えの適期は、4~5月の花後です。おおよそ3年ごとに植え替えると、根詰まりを防げます。 鉢を株から外したら、根の土を落とし、枯れた根があれば取り除いておきます。株が込み入っていたり、傷ついている場合は、バルブごと切り離しましょう。 根やバルブ、葉を切る際は、切り口から病原菌が入らないように注意が必要です。使う刃物は、アルコール消毒あるいは火であぶる消毒を行いましょう。 日常のお手入れ 春蘭の日常的なお手入れは、主に古葉外しと花がら摘みです。 春蘭の葉は2~3年で新しくなるので、古い葉は摘み取りましょう。また、花が咲き終わったら、しぼんだ花を摘み取ります。 夏越し・冬越し 春蘭は夏場も戸外で育てられます。しかし、強い日差しで葉焼けする恐れがあるので、真夏は70~75%以上の遮光ネットを張りましょう。 また、春蘭はランのなかでは珍しく、屋外でも冬越しが可能です。ただし、凍結による葉や根の傷みを避けるため、真冬は無加温ハウスや棚下で管理しましょう。また、マイナス5℃を下回る場合は室内に移動するのもおすすめです。ただし、花の生育のためにはある程度の低温が必要になります。室内で管理する場合は、凍結しない程度の寒さに一定時間あてましょう。 増やし方 春蘭を増やしたいときは、株分けを行いましょう。株分けとは、小木や多年草の株を分割して、数を増やすことを指します。植え替え時に株が大きくなっていたら、株分けのタイミングです。 株分けをする際は、まず春蘭の株を土から引き抜き、根に付着した土を落とします。次に、バルブ2~3個を目安に、新しい芽がついていることを確認して、刃物で株を切り分けます。切り口は清潔に保ち、病気や雑菌が侵入しないようにしましょう。 春蘭を育ててみよう chuyuss/Shutterstock.com 春蘭は古典園芸植物として多くの品種があります。通常種を地植えにして素朴で可憐な花を愛で、春の訪れを感じるもよし、さまざまな品種をコレクションしたり、自分で交配してオリジナル品種を作出するもよし、春蘭の楽しみ方は多岐にわたります。この機会に美しい春蘭を育ててみましょう。
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宿根草・多年草

和モダンなガーデニングにも最適なトクサの育て方&楽しみ方
トクサの基本情報 tamu1500/Shutterstock.com 植物名:トクサ学名:Equisetum hyemale英名:Dutch rush、horsetail、rough horsetail、scouring rush和名:トクサ(木賊、砥草) その他の名前:エダウチトクサ、ハミガキグサ(歯磨草)科名:トクサ科属名:トクサ属原産地:日本を含む北半球の温帯地域形態:宿根草(多年草) トクサはトクサ科トクサ属に分類されるシダ植物で、ツクシ(スギナ)と同じ仲間です。日本では本州中部地方より北に分布し、山間部の湿地や谷川の岸辺などに自生しています。草丈は数十cmから1mに達します。湿地性植物ですが、丈夫で環境をあまり選ばず、普通の土でもよく育ちます。半日陰を好み、和風の庭でよく利用されます。 nukopic/Shutterstock.com また、トクサは湿地に自生しているため、ビオトープの植物としてもよく利用されています。ビオトープは、もともと「生き物が生息する空間」という意味で、水場を作ることで、人為的に植えた植物以外にも多様な動植物が自然発生し、遷移する環境が整っているエリアをいいます。 トクサの茎の特徴 neconion/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:7~8月(胞子嚢)草丈:30〜100cm耐寒性:強い耐暑性:強い トクサは通常枝分かれすることがなく、まっすぐ伸びていく姿が特徴。茎には節がいくつかあり、それを囲むように葉が変形した袴(はかま)がついています。茎は中空で、強い風に吹かれると折れることがあり、上に引っ張ると節からスポッと抜けます。花は咲きませんが、夏に茎の先端にツクシに似た楕円形の胞子嚢(ほうしのう)をつけます。茎の表面にはケイ酸が多く含まれ、ザラザラとした質感です。直線と節で構成された独特の草姿は竹のような雰囲気で、生け花にもよく使われます。性質は頑健で、地下茎でよく増えます。 トクサの名前の由来や花言葉 ON-Photography Germany/Shutterstock.com トクサは漢字では砥草や木賊と書きます。名前の由来は、砥石になる「砥ぐ草」が転じたものといわれています。歯磨草(はみがきぐさ)という別名もあります。トクサの花言葉は「率直」「非凡」です。 トクサは天然のやすり Volodymyr TVERDOKHLIB/Shutterstock.com トクサの茎の表面にはケイ酸が多く含まれており、ザラザラとして硬くなっています。これを利用して、昔の日本ではツゲの櫛などの木工品を磨くための“やすり”としても利用されていました。やすりにするためには皮をむいて煮込み、乾燥させたものを板に張り付けて使います。 トクサの代表的な種類 Starover Sibiriak/Shutterstock.com トクサにはいろいろな種類があります。日本には9種類が自生していますが、ここでは近縁の種類をいくつかご紹介します。 オオトクサ Nathan Jacques/Shutterstock.com オオトクサは成長すると草丈が1.5~2mにもなる大型のトクサで、1本の茎がまっすぐ伸びるのが特徴です。節は黒く、茎も太いためインパクトのある草姿が人気の品種です。 ヒメトクサ BLUR LIFE 1975/Shutterstock.com ヒメトクサは草丈が10~20cmと小型のトクサで、茎の中に空洞がなく、細い茎が枝分かれするのが特徴です。 ミズトクサ Nahhana/Shutterstock.com ミズトクサは草丈が20~80cm、太さは1.5mmほどのトクサです。上の2種よりも節の色が薄く柔らかい印象が特徴。通常のトクサと違い、水底に根を張って葉や茎を伸ばし、一部を水面上に出す抽水植物なので、株元をしっかり水に浸けて育てます。 トクサの栽培12カ月カレンダー Bildagentur Zoonar GmbH/Shutterstock.com 開花時期:7~8月(胞子嚢)植え付け・植え替え:4〜6月肥料:4〜9月 トクサの栽培環境 AVN Photo Lab/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】耐陰性があり、半日陰から明るい日陰で栽培できます。真夏以外は日の当たる場所のほうがよく育ちますが、夏の日差しには弱いため、真夏は西日や直射日光を避けた場所に置きましょう。 【日当たり/屋内】耐陰性があるため、明るい場所であれば室内でも育てることができます。 【置き場所】水はけがよい環境であれば、土質を選ばずよく育ちます。やや湿り気のある場所でも栽培できるため、日陰のシェードガーデンにも向きます。ただし、本来は湿地性の植物のため、極端に乾燥する場所では育ちにくいので注意しましょう。 耐寒性・耐暑性 Kristina Ismulyani/Shutterstock.com 耐寒性は高く、寒冷地では地上部が枯れることがありますが、地下茎が凍らなければ春に再び芽吹きます。ただし霜で傷みやすいので、霜が降りない軒下や日当たりのよい暖かい室内に取り込み、0℃以下にならないように管理するとよいでしょう。耐暑性は高いですが、夏の日差しには弱いため、真夏は西日や直射日光を避けた場所で管理します。 トクサの育て方 用土 PPstudio/Shutterstock.com トクサは用土を選ばない植物ですが、水はけのよい土で育てるのがおすすめです。 【地植え】 植える場所の水はけがよければそのまま植えても問題ありません。水はけが悪い場合は、腐葉土やバークチップ、パーライト、バーミキュライトなどを混ぜて改善します。 ただし、トクサは地下茎で広がっていくため、あちこちに繁茂させたくない場合は、根止めシートなどで根の伸びる場所をコントロールするなどの注意が必要です。 【鉢植え】 市販の草花用培養土で育てることができます。自分で配合する場合は、水はけのよい土にするために、赤玉土と鹿沼土を配合するのがおすすめです。 水やり Lee Charlie/ Shutterstock.com トクサは湿地性の植物なので、極端に乾燥する土地は苦手です。春~秋の生育期は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。冬は生育が鈍るため、やや乾かし気味に管理しましょう。 【地植え】 基本的に水やりの必要はありませんが、過度な乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 春~秋の時期は水切れに注意し、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。冬は休眠期で生育が鈍るので、水やりは控えめにします。乾燥を嫌うとはいえ、常にジメジメした状態が続くと根腐れしやすいので、土がしっかり乾いてから水を与えるようにしましょう。 肥料 VH-studio/Shutterstock.com 基本的に必要ありませんが、生育を早めたい場合は肥料を与えると効果的です。4~9月の生育期に、緩効性化成肥料や希釈した液肥を与えましょう。ただし生育が鈍る冬は肥料焼けしやすいため与えないようにします。 病害虫 AVIcon/Shutterstock.com 注意すべき病害虫は特にありません。 トクサの詳しい育て方 苗の選び方 トクサの苗はあまり流通していません。購入する際は、病害虫の痕がなく、茎が曲がらずまっすぐ伸びているものを選びます。また、トクサは通常分岐せずに伸びますが、先端が傷むと枝分かれすることがあるため、枝分かれしていないものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え Mas Abdul Subechi/Shutterstock.com 植え付け・植え替え適期は4~6月です。旺盛に生育するため、スペースを確保してから植え付けます。 【地植え】 根が旺盛に生育するため、深さ50cmほど掘り下げ、苗の2~3倍程度の幅を耕して植え付けましょう。環境に合ってよく生育していれば植え替えの必要はありません。株が込み合っているようであれば、株分けをして整理しましょう。 【鉢植え】 旺盛に生育するため、地上部とのバランスがとれるよう、ある程度深さのある鉢に植えるとよいでしょう。根詰まりしないように1~2年に1度は植え替えが必要です。1回り大きな鉢に植え替えるか、株分けしてサイズを小さくし、元の鉢に植え直しましょう。 冬越し Beekeepx/Shutterstock.com 耐寒性は高いですが、霜で傷みやすく、地下茎が凍ると枯れてしまう可能性があるため注意しましょう。霜が降りない軒下や日当たりのよい暖かい室内に取り込み、0℃以下にならないように管理するとよいでしょう。10℃以上の気温を保てば冬も生育します。霜にあたらなければ、屋外でも越冬可能です。寒さで地上部が枯れ込んでも、地下茎が凍らなければ春に再び芽吹きます。 増やし方 Be Projects/Shutterstock.com トクサは挿し芽と株分けで増やすことができます。 【挿し芽】 Kazakova Maryia/Shutterstock.com トクサは切り花にしたものも水につけているだけで根が出る、といわれるほど発根しやすく、挿し芽で簡単に増やすことができます。挿し芽をする場合は、2節ほどの長さで切り取って、切り口をしばらく水に浸けておきます。その後、湿らせた土に植え付けます。 【株分け】 Kazakova Maryia/Shutterstock.com 株分けは、地上の茎を数本つけた状態で地下茎を切り分け、それぞれ土に植え付けて増やすことができます。トクサは生育旺盛なので、植え替えの際に株分けをし、サイズを調整しながら育てるとよいでしょう。 トクサは増えすぎに注意が必要 mmarif/Shutterstock.com トクサは非常に丈夫で育てやすい反面、地下茎を伸ばして旺盛に広がり、ほかの植物の生育を阻害したり、思いもよらない場所から出てくることもあります。地上部を引き抜いても地下茎が残るため、根絶が難しい植物です。地植えにする場合は、増えても困らないような場所に植えるか、広がりすぎないように根を制限する仕切りを設置するなど対策をしておきましょう。 M. Rinandar Tasya/Shutterstock.com 庭に彩りを添えるトクサは初心者にもおすすめ Honki Kumanyan/Shutterstock.com トクサは一見シンプルで地味な印象ですが、一風変わった見た目が和風モダンな庭の雰囲気づくりにぴったりです。湿地性の植物でビオトープづくりの脇役にもおすすめですが、地下茎で広がりやすいので植える場所には注意が必要です。耐陰性もあり非常に丈夫で、ほかの植物が育ちにくいシェードガーデンの下草にも向きます。ガーデニング初心者にも育てやすいので、ぜひ庭の雰囲気づくりに取り入れてみてはいかがでしょうか?
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樹木

常緑低木マサキの育て方と楽しみ方 日本庭園にも洋風の庭にも映える樹木
マサキの基本情報 AnnaNel/Shutterstock.com 植物名:マサキ学名:Euonymus japonicus英名:Japanese euonymus、evergreen euonymus、Japanese spindletree、evergreen spindle和名:マサキ(柾、正木)その他の名前:シタワレ、フユシバ科名:ニシキギ科属名:ニシキギ属原産地:日本、中国、朝鮮半島形態:常緑性低木 マサキの学名は、Euonymus japonicus(ユオニマス・ジャポニカス)。シタワレ、フユシバなどの別名もあります。ニシキギ科ニシキギ属の低木で、原産地は日本、中国、挑戦半島。日本で自生してきた植物なので暑さや寒さに強く、放任してもよく育ちます。 マサキは潮風や大気汚染にも強いとされ、海岸付近や都市の緑化を目的に街路樹として用いられてきました。葉に斑が入る変異が出やすいため、江戸時代の園芸愛好家に好まれたことから、園芸品種が多く生まれた歴史があります。その名残により、現在でも斑入り種が多様に揃っており、選ぶ楽しみもあります。 常緑樹で冬もみずみずしい葉姿を保つので、目隠ししたい場所に植えるのにも向き、園芸用や生け垣として重宝されています。斑入り葉を選べば、カラーリーフプランツとしても活躍することでしょう。樹高は自然樹形で6mほどですが、毎年剪定をすればコンパクトな姿をキープすることは可能です。萌芽力が強いので、刈り込んで生け垣として利用することもできます。 マサキの花や葉の特徴 園芸分類:庭木開花時期:6〜7月樹高:2~6m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:淡緑色 開花期は6〜7月で、直径5mmほどの小さな花が集まって咲きます。花は淡いグリーンで、あまり目立ちません。花弁は4枚で、おしべも4本ついています。開花後、7〜8mmの果実をつけます。秋に赤く熟すと野鳥がやってくることも。完全に熟すと果実が割れて中から種子が飛び出してきますが、その実姿も愛らしいものです。厚みのある葉は長さ4〜7cmほどの楕円形で、縁には浅い切れ込みが入ります。 マサキの名前の由来や花言葉 Svetlana Zhukova/Shutterstock.com マサキという名前の由来については諸説あり、常緑で冬でも青々としていることから真青木(まさおき)と呼ばれ、それが転訛したとする説、挿し木が容易なことから「芽挿木(めさしき)」が転訛したとする説、まっすぐに伸びることを表す「正木」からとする説などがあります。 マサキの花言葉は「厚遇」「円満」です。 マサキの葉や実には毒がある F.Neidl/Shutterstock.com マサキの葉や実、樹皮には脂肪油が含まれ、毒性があります。野鳥が好んで食べにくるのでおいしいのかな? と思う方もいるかもしれませんが、絶対に口に入れないでください。誤って食すと、下痢や嘔吐の症状が出ることがあります。特に幼い子どもやペットがいる家庭では、注意しましょう。 マサキの品種 マサキは江戸時代から品種改良が行われた植物として知られています。ここでは基本種のほか、特にポピュラーな品種についてご紹介します。 マサキ Jcaley/Shutterstock.com 基本種としてのマサキの葉は濃いグリーン。肉厚で光沢があります。 キンマサキ 本来は新芽の中央に黄色い斑が入る品種を指しますが、最近では葉の外側に斑が入る品種もキンマサキとして流通しています。バランスよく入る黄色が洋風の軽やかな雰囲気で、庭を明るく彩ります。 ギンマサキ Peter Turner Photography/Shutterstock.com やや丸みのある葉が特徴で、葉に白い縁取りが入る品種です。明るく爽やかな雰囲気をもたらします。 オウゴンマサキ Yoshihide KIMURA/Shutterstock.com 新芽が出る頃は明るい黄色で、まるで花が咲いたような華やかさがあります。葉は徐々にグリーンになります。 マサキの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6〜7月植え付け・植え替え:3月〜4月中旬、9月下旬〜10月上旬肥料:2月頃剪定:6月頃と9〜10月(生け垣) マサキの栽培環境 Umair 123/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりがよく、風通しのよい場所を好みますが、耐陰性があるため、朝のみ光が差す東側やチラチラと木漏れ日が差す落葉樹の足元など、日なた~明るい日陰まで栽培可能です。ただし、日照不足になると枝葉がヒョロヒョロと伸びて間のびした樹形になったり、実つきが悪くなったりすることがあります。 【日当たり/屋内】1年を通して屋外での栽培が基本です。 【置き場所】水はけがよく腐植質に富んだふかふかとした土壌を好みますが、さほど土質は選びません。潮風や大気汚染にも強く、耐陰性もあるため、環境を選ばず栽培できます。 耐寒性・耐暑性 暑さにも寒さにも強く、特に冬越し対策などをしなくても周年戸外で管理できます。 マサキの基本的な育て方 用土 Wstockstudio/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50㎝程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の樹木用の培養土を利用すると手軽です。自身で配合土を準備する場合は、赤玉土小粒と腐葉土を等量でブレンドするとよいでしょう。 水やり Afanasiev Andrii/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に与えると、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に行うようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 生育期に入る少し前の2月頃、生育を促すために緩効性化成肥料を株の周囲にまき、周囲の土を軽く耕して土に馴染ませましょう。あまり肥料を多く与えると枝葉が茂りすぎて樹形が乱れやすくなるので、与えすぎには注意してください。 注意する病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 マサキに発生しやすい病気は、うどんこ病、すす病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病害部分を摘み取って処分し、適応する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 すす病は、1年を通して葉や枝などに発生する病気です。葉に発生すると表面につやがなくなり、進行すると黒いすすが全体を覆っていき、光合成がうまくできなくなり、樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因なので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込み合っている枝葉があれば、剪定して、日当たり・風通しよく管理します。 【害虫】 マサキに発生しやすい害虫は、ミノウスバ、カイガラムシなどです。 ミノウスバはガの1種で、幼虫が葉を旺盛に食害します。クリーム色の体表に黒い縦縞が多数入り、毛も生えているのが特徴です。老齢になると2cmほどになります。発生時期は3〜5月で、集団発生することがあるので要注意。肌に触れるとかぶれることがあります。見つけ次第捕殺するか、適応する殺虫剤を散布して駆除しましょう。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 マサキの詳しい育て方 苗木の選び方 葉色が鮮やかで、新しい芽がしっかりしているものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え Jurga Jot/Shutterstock.com マサキの植え付け・植え替えの適期は、3月〜4月中旬か、9月下旬〜10月上旬です。 ただし、ほかの時期にも苗木は出回っているので、花苗店などで入手したら真夏と真冬を除いて早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、根鉢を軽く崩して植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 地植えで育てる場合は、環境に合えば植え替える必要はありません。 【鉢植え】 入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木をポットから取り出し、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて、植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、前よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 剪定 mihalec/Shutterstock.com 剪定の基本 【自然樹形で剪定する場合】 自然樹形を生かして剪定する場合は、真冬と真夏を除けばいつ行ってもかまいません。花や実を楽しみたい場合は、芽吹く前の3月頃に行うとよいでしょう。 マサキは自然に樹形が整うので、若木のうちはあまり刈り込んだり強く切り戻したりする必要はありません。木が大きくなって枝葉が込み合っている部分があれば、不要な枝を枝の付け根で切り取って風通しをよくします。不要な枝とは、古くなった枝、勢いよく伸びすぎている枝、ほかの枝に絡んでいる枝、内側に向かって伸びる枝、下に向かって伸びる枝、ひこばえ(株元から勢いよく伸びる枝)などです。 また、斑入りの品種を育てている場合、斑の入っていない緑の葉を茂らせた枝が出てくることがあります。このような先祖返りした枝は繁殖力が強く、そのままにしておくと斑の入っていない枝のほうが優勢になってしまうため、見つけ次第、根元から切り落としましょう。 【生け垣を刈り込む場合】 生け垣にしている場合、マサキは成長が早く形が乱れやすくなるので、年に2回ほど刈り込みます。適期は6月頃と9〜10月です。さぼらずに刈り込むことで、枝葉が密になって充実した生け垣になります。刈り込む際は、だいたいのアウトラインを決めて、はみ出している枝を刈り込みバサミで切り揃えていくとよいでしょう。 庭師に剪定してもらう 家の周囲にぐるりとマサキの生け垣を設けているなど、範囲が広すぎて手に負えない場合は、庭師に依頼するとよいでしょう。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com マサキは挿し木で増やします。挿し木とは、枝を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、マサキは挿し木で増やすことが可能です。 マサキの挿し木の適期は、6月頃です。その年に伸びた新しい枝を10〜15cmの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて育苗し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 観賞用庭木・生け垣に人気のマサキを育てよう マサキは日本に自生してきた植物なので環境に馴染みやすく、放任してもよく育つのでビギナーにもおすすめです。江戸時代から品種改良がされてきた歴史もあり、カラーリーフとしても種類を選べます。常緑樹で冬もみずみずしい葉姿を保つため、目隠ししたい場所に植栽するのもおすすめ。庭木として見栄えのよいマサキを、庭に迎え入れてはいかがでしょうか。
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個人邸

【冬のおしゃれな庭づくり】地植え+鉢植え+花壇+ハンギングで実現! 立体感で魅了する美しい庭
コンテナ、花壇、ハンギング、リースの4重奏の立体ガーデン ここは公道に面したエリアで、道ゆく人の目を楽しませる武島邸のフロントガーデンです。春にはつるバラがフェンスや壁に咲き誇り華やかそのものですが、バラが姿を消す冬も彩り豊かで見応えたっぷり。奥行き2mほどの場所ながら、手前から「コンテナ」「花壇」「ハンギング」、扉にかけた「リース」というように、さまざまなガーデニング手法を組み合わせ、視線の先を下から上まで花と緑で彩り、華やかなフロントガーデンを実現しています。 冬の庭の素材はパンジー&ビオラなど草丈の低いものが多いため、地植えだけでは視線が下に集中し、庭が平面的な印象になりがち。これらの素材で華やかさを演出するには、いかに「立体感」を出すかがポイントです。武島さんの「コンテナ」「花壇」「ハンギング」「リース」で構成された4重奏の立体ガーデンを詳しく見ていきましょう。 ① 一番手前は、石積みの花壇の下に置いたコンテナ。透明感のある水色のビオラ‘ビビ ヘブンリーブルー’とミニサイズのハボタンを寄せ植えにした奥行き15cmほどの横長のコンテナがズラッと並びます。シンプルな寄せ植えを繰り返し並べることで、花壇の縁がトリムのように彩られ、おしゃれ度アップ。 ② 高さ50cm、奥行き30cmほどの石積みの花壇には、パンジーとシルバーリーフのダスティーミラー、ストックを植栽。ストックは冬の花材の中では草丈が30〜40cmと高く、立体感が出る貴重な植物。甘い香りがするのも魅力です。柔らかなペールトーンでまとめながらも、パンジーに濃い色をプラスしてアクセントに。 ③ ハンギングバスケットの1つは、コンテナの寄せ植えと揃えたビオラ‘ビビ ヘブンリーブルー’の単植。花壇にハンギングスティックを挿して飾っています。草丈の低いビオラの花を目線の高さで堪能できるのが、ハンギングバスケットの魅力。 もう1つのハンギングバスケットは、アイボリーのガーデンシクラメンやサーモンピンクのパンジー、イエローやシルバーのカラーリーフを用い、ペールトーンでまとめたもの。こちらは、フェンスにS字フックで引っ掛けています。 ④ 一番目線が高くなる、扉にかけたリースは、ハボタンとワイヤープランツの寄せ植え。リース形の寄せ植えを、このように扉などに垂直に飾る場合は、高低差があまり出ない素材を選んで、ギュッと詰めて植えるのがポイント。隙間があると土がこぼれ落ちてしまいます。 玄関扉の横には、スクエアのコンテナの寄せ植えを。ブルーのパンジー‘シエルブリエ’を囲むようにシルバーや斑入りのリーフをたっぷり使い、冬のイメージを表現した上品な1鉢。コンテナも高さのあるものやプランタースタンドを用いることで、目線を上にコントロールすることができます。 レンガを積んだプランタースタンドにピンクの豪華な寄せ植えを。庭のアーチの両側に、対になるように設置している。 ガーデンチェアで作る冬の庭のハイライト 庭の中には数カ所にガーデンチェアが置かれており、その背もたれもハンギングバスケットやリースを飾る場所として活用しています。椅子の両脇に置いた寄せ植えとハンギングスティックに吊した背後のバスケットは、ピンク系のパンジー&ビオラでコーディネート。ここでも下から上まで目線の先を花が彩るように演出しています。 フリル咲きのパンジー、ハボタン、アイビーの3種を使ったリース。 白と黒のコントラストが美しいハンギングバスケットを飾ったチェア。手前に対のハボタンとドドナエアの寄せ植えを置いて。 ハンギングバスケットは地面のない場所でも飾れるのがメリットですが、引っ掛ける場所を必要とします。ガーデンチェアはテラスなどでも手軽にハンギングバスケットが飾れるツールとして活用でき、庭風景にもナチュラルになじむのでおすすめです。 コンテナ+ハンギングの花材を揃えて印象的に バラのアーチの正面は、視線が集まりやすいフォーカルポイントです。武島さんはガーデンシェッドの壁面を利用してハンギングバスケットとコンテナをコーディネートし、華やかなシーンを作り出しています。メインの素材となるスキミアとパンジー、ハボタンは両者共通させ、脇役となるリーフ類はスキミアのつぼみの色に合わせつつ、それぞれの鉢の形に合う銅葉を選んでいます。壁を背にして半球状のハンギングバスケットを作る場合は、中央部を高く、コンテナは後方から前方へ草丈を低く作るのがきれいに見えるセオリーです。 コンテナの後方を彩るのはロフォミルタス‘マジックドラゴン’とドドナエア。ハンギングバスケットではヘーベとドドナエアを。 花瓶に飾ったパンジーにも、ハンギングバスケットとコンテナの間をつなぐ効果が。 連続ハンギングバスケット+地植えで作る花咲く小径 細い棒状のハンギングスティックを使い、ハンギングバスケットを連続させた庭の小径。ハンギングスティックは土に差すだけで、どこでも手軽に花を吊して飾れる新しいツールで、細くて目立たず風景の邪魔にならないのも魅力です。ピンクのグラデーションがかわいい大輪のパンジー‘ピーチシェード’を植え、ハンギングも足元の花も揃えて小径を華やかに演出しました。 大輪で華やかなパンジー‘ピーチシェード’。 空中に浮かぶようなハンギングバスケットは、冬枯れの庭で存在感抜群。凝った花の組み合わせにしなくても、花付きのよい種類を選べば1種類でもかわいく仕上がるので、ハンギングバスケット初心者にもおすすめです。 室内から庭を眺める時間も長くなる冬だからこそ、武島さんのようにさまざまな手法を組み合わせて庭を立体的に演出し、美しい庭景色を楽しみたいですね。新しいツールも活用し、まだまだ店頭にたくさん並ぶパンジー&ビオラで新しい冬の庭づくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。



















