家で過ごす時間を充実させようと、家庭菜園を始める方が増えています。トマト、きゅうり、ネギ、ブロッコリー、イチゴに各種ハーブなど、人気の素材はたくさんありますが、今回ご紹介するのは、寒さ厳しい岩手県二戸市浄法寺町で育つ冬採りホワイトアスパラガス『白い果実』をご自宅で簡単に育てられる栽培キットです。その名のとおり、果実のように甘くてみずみずしいホワイトアスパラ、ぜひご自身で、そしてご家族で、育てて収穫して料理に活用してみませんか? 

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キクの花農家がアスパラガス栽培!?

岩手県北部に位置する二戸市浄法寺町

冬採りホワイトアスパラガス『白い果実』が生まれたのは、岩手県北部に位置する二戸市浄法寺町。北国・岩手のなかでも特に寒さが厳しく冬の訪れが早い町です。

生産農家・馬場園芸は、この浄法寺町で200年以上にわたり農業を営んできました。『sannimon(三右ヱ門・さんにもん)』というブランド名を掲げ、現在は、9代目の馬場淳(ばばまこと)さんが、「畑から届ける最高の贅沢」というコンセプトのもと、経営を担っています。

浄法寺町で先祖代々、家族で農業を営む馬場園芸。
浄法寺町で先祖代々、家族で農業を営む馬場園芸。

「ブランド名の『sannimon(三右ヱ門・さんにもん)』は、わが家の屋号です。先祖代々、農業を受け継いでここまできました。以前は水稲を中心としていましたが、今は遮光ハウスを使って、6~10月にかけて40種類ほどのキクを販売しています」(馬場さん・以下同)

馬場園芸は、もともとは観賞用のキクを専門とする、“花の生産農家”。馬場さん自身、農業大学校で花の園芸を学び、2009年に本格的に家業を継ぎました。

キクの農家を営みながら、地元の農業青年クラブの会長なども務めていた馬場さんは、あることに気づいたといいます。

「農業青年クラブの仕事をする中で、多くの若者が進学や就職を機に市外・県外へと出て行ってしまっているという現実を知りました。このままだと二戸市の人口は減少していくばかりと強い危機感を覚え、地域を活性化するにはどうしたらいいか、若者が、この町で一年を通して働くことのできる場所はどうやったら作れるだろうか、と真剣に考えました」

そんなとき、馬場さんは隣町が冬期出荷のグリーンアスパラガスの即成栽培に取り組んでいることを知り、気候の似ている浄法寺町でもできるのではないか、と栽培方法を学びました。

アスパラガスは、キクの栽培・販売のオフシーズンとなる冬場が栽培期間にあたるため、土地と時間を有効活用することができ、若者が働く機会を創出できるかもしれない、と考えたのです。

「早速2013年からグリーンアスパラガス栽培を開始したのですが、うちにもともとある遮光ハウスという設備を生かせば、日の光を完全に遮って育てなければならない“ホワイトアスパラガス”も作れるのではないか、と思いついたんです。そこでさっそく次の年には、日本では珍しい冬場のホワイトアスパラガス栽培に着手しました」

200年以上続く馬場園芸の9代目、馬場 淳さん。
200年以上続く馬場園芸の9代目、馬場 淳さん。

地域に雇用の場を作り出したい、という想いと、グリーンアスパラガスの栽培ノウハウにキク農家ならではの遮光ハウスの技術をあわせることで誕生したのが、馬場園芸独自の“冬期間に土を温めて育てるホワイトアスパラガス栽培”なのです。

ホワイトアスパラガス「白い果実」がおいしいわけ

ホワイトアスパラ栽培において、まず春から秋にかけて行われるのが、露地での「株づくり」です。土にこだわり、米ぬかや魚粉などを発酵させたアミノ酸を豊富に含んだ肥料を使い、健康な株を育てます。

「株づくり」の様子。さんさんと降り注ぐ太陽の光と栄養たっぷりの土で、ホワイトアスパラはすくすくと育つ。
「株づくり」の様子。さんさんと降り注ぐ太陽の光と栄養たっぷりの土で、ホワイトアスパラはすくすくと育つ。

そして11月はじめにはその株を掘り出し、山から採取したふかふかの黒ぼく土に伏せ込み(※1)、遮光ハウス内で萌芽させます。

浄法寺は、昼夜の寒暖差が大きい町です。そこに、『白い果実』がおいしくなる理由があるそう。

「温水ボイラーで温度管理をしているハウスですが、夜間には5℃ほどにまでに室温が下がります。夜に気温が低くなることで、アスパラの呼吸が抑制されるんです。そうすると糖の消費が少なくすみ、一般的に春先から出回るホワイトアスパラに比べ、より甘みが際立つんです」

また、一般的なホワイトアスパラづくりに必要とされる“土寄せ”(※2)をせずに育てることで、サポニン(※3)という苦味成分の生成が抑えられているのもおいしさの秘訣。

ホワイトアスパラ収穫の様子。薄暗いハウスの中をヘッドライトをつけて収穫する
ホワイトアスパラ収穫の様子。薄暗いハウスの中をヘッドライトをつけて収穫する。

さらには、遮光ハウスのなかに二重に設けた遮光トンネル内で栽培するため、湿度が高く保たれ、ジューシーな食感に仕上がっているのも『白い果実』の特徴です。

栽培の過程で、糖質を増やして、苦味・えぐみを減らし、湿度を保つ工夫を施しているからこそ、まさに果実のようなみずみずしさと甘さが実現しているのですね。

※1 伏せ込み:秋まで露地栽培したアスパラガスの株を掘り上げて、ビニールハウス内の圃場へ移植し冬に栽培する方法。世界的にも日本でしか行われていない冬にアスパラガスを収穫するための栽培技法。

※2 土寄せ:土を高く盛ることで日を遮り、ホワイトアスパラにする方法。ホワイトアスパラの本場ヨーロッパではほぼこの方法でホワイトアスパラを生産している。極太になる一方で、独特の苦味成分であるサポニンが生成される。

※3 サポニン:植物の根、葉、茎などに広く含まれている配糖体の一種で、渋み、苦み、えぐみなどの原因ともなる成分。

コロナ禍で開発された日本初のホワイトアスパラガス栽培キット

「甘くてやわらかい!」と評判を呼んだホワイトアスパラガス『白い果実』は、全国の飲食店や高級ホテルからも引き合いが来るようになり、約150店舗のイタリアンやフレンチのレストランなどで食材として重宝されるまでになりました。

しかし、2020年、状況は変わります。

「コロナウィルス感染拡大の影響を受け、レストラン向けの販売は非常に厳しい状況に陥りました。世間では外出が制限される状況の中で、私たちが今できることは何か考えました。その時に思い出したのが、取引先の種苗メーカーの方から聞いた『今都内のマンションではトマトの栽培キットが流行っている』という情報でした」

馬場園芸では、“伏せ込み栽培”という特殊な栽培方法でホワイトアスパラを生産しています。この工程で、アスパラガスの根っこを掘り起こし、移植するという作業があります。馬場さんは、この技術を生かして『白い果実』を栽培キット化できるのではないかと考えました。

「早速試験販売したところ、なんと2週間で準備していた数量が完売! 再販希望の問い合わせが多数寄せられました。これは需要があると確信し、本格的に商品化しました」

ホワイトアスパラガス栽培キット。アスパラガス株入りの鉢、受け皿、遮光袋のほか、漫画での解説付きの取扱説明書やレシピ集などが入っている。
ホワイトアスパラガス栽培キット。アスパラガス株入りの鉢、受け皿、遮光袋のほか、漫画での解説付きの取扱説明書やレシピ集などが入っている。

通常アスパラガスを家庭菜園で収穫するには3年かかります。それが、この栽培キットの場合、すでに馬場園芸で大株に育てられたアスパラ苗を専用の鉢に植え込んだ状態で届けられるので、届いて3週間で収穫でき、約2カ月間収穫し続けることができます。

マンションのベランダでも栽培できるように考えられており、収穫後も処分しやすいように、培土は燃えるゴミに出せるヤシガラを使った天然素材だけでできています。また、ホワイトアスパラは日の光が必要ありませんので、室内のどこでも栽培可能。

誰でも、どこでも、気軽に、栽培できるように、馬場さんが考え抜いて世に生み出した渾身の栽培キットです。

「一株からとれる本数は約10〜12本。自分で育てたものを収穫する喜びは格別です。私自身も2歳の息子と一緒に自宅で取り組んだ時に、『今日は芽が出たかな?』『どのくらい伸びたかな?』と二人で毎日確認しあって楽しみました。息子が自分で収穫したホワイトアスパラを『おいしい』と言って食べてくれたのには、生産者としてだけではなく、父としてもとても嬉しい気持ちになりました」

楽しい報告続々! 『ガーデンストーリークラブ』ホワイトアスパラガス栽培モニターの体験レポートより

ガーデンストーリーが運営する会員制度『ガーデンストーリークラブ』では、会員様から「ホワイトアスパラガス栽培モニター」を20名様募集し、会員専用サイトにて体験レポートを披露していただきました。

現在も続々とレポートが投稿されていますが、ここでは、その中から会員の皆さまの声の一部をご紹介します。おしゃれで美味しそうなお料理例もたくさん届きました!

「到着しました!」の声

栽培キットが届きました

先日申込んだ栽培キットが届きました🎵 早速セットしました。出荷元の三右ヱ門さんの優しさが伝わってくる梱包でした。

「先ほど、栽培キット届きました。

先ほど、栽培キット届きました。三右ヱ門さま、ありがとうございます。日々の生活に、また楽しみが増えました! 小冊子やLINEの動画など拝見し、愛情込めて栽培されてるんだなぁとホッコリ温かい気分になってます。

「生えてきました!」「収穫できました!」の声

本日が3回目の水やりです

本日が3回目の水やりです。室温は17℃前後の環境ですので、我が家のアスパラちゃんは大器晩成型かなと思いますが、​大中小と3つ発芽してました。

水やりはじょうろではなく蓄圧式噴霧器を使っています。バラの消毒に使う方が多いようです。霧状なので水垂れしないため観葉植物の葉にもシューシューッとかけています。​心配でしたが順調のようです(¨;) やっぱり、育てるって、楽しいですね♪​

土曜日は水やりの日

毎週土曜日を水やりの日と決めて、本日土曜日、楽しみに袋をあけると…9本のアスパラが確認できました! ひょろっと細い子、太めの子、真っ直ぐ伸びる子、曲がって伸びてく子もいて個性豊か。そして皆、生命力にあふれています!

一本だけ、収穫出来そうな大きさなので収穫しました。

一本だけ、収穫出来そうな大きさなので収穫しました。レンジでチンのシンプルな食べ方。何も付けずに食べましたが甘い! そして、みずみずしかったです!

栽培を始めて、1週間

栽培を始めて、1週間。こんなに芽が出てました! エアコン25度設定のリビングの片隅で育てています。

ついにアスパラガスが採れ頃に

ついにアスパラガスが採れ頃に! あー、嬉しいなぁ。早速生でも食べてみたけど、これも美味しい

1回目の収穫

のびのびになってた1回目の収穫を本日しました。な、なんかすっごくでっかい! 太い子や細長い子等計4本収穫です。プランターの中にはまだ7本くらい芽が出てるので、この子たちはあとのお楽しみ。

元気復活

終わったと思ったら! あれまた元気復活⁉ 土が湿っぽかったので1回水やりを辞めてみました。まだまだ収穫できそうです♪

ホワイトアスパラを使ったさまざまなレシピ披露!

ホワイトアスパラ肉巻き​に

全部で、15本程でしょうか。成長がひと段落ついたようなちっちゃいのが4本。グリーンアスパラプラスしてチーズ焼きとホワイトアスパラ肉巻きに。

ミモザサラダ

早速大きな子を2本まずは生でこの時期ならではミモザサラダにしていただきました。

新鮮な野菜はやっぱり美味しい

次々と芽が出てきています。1回目は、太くて立派な2本を収穫して、グリーンアスパラと一緒に焼いてみました。新鮮な野菜はやっぱり美味しいですね♪

ホワイトアスパラのバター炒めバジルソース風味

ひとつ小さいのを一本生ガブリしてみました! みずみずしくて甘くて、少しだけほろ苦い様な~春の味?でした。後の3本は、ホワイトアスパラのバター炒めバジルソース風味に。

アスパラメンチカツ! デミグラ風ソース

まだまだ収穫できたアスパラちゃんで念願のアスパラメンチカツデミグラ風ソースで。

ホワイトアスパラのリゾット

ホワイトアスパラ、今日の収穫は5本。ネットで見つけたレシピがおいしそうだったので、今回はリゾットを作ってみました。仕上げに散らしたパセリもベランダから摘みたてです。

この一週間で2、3本ずつ3回​収穫できました

この一週間で2、3本ずつ3回収穫できました。皆さんのお料理を参考にさせてもらいながら、3回の食卓にアスパラ登場です。

①グリーンアスパラと共にボイルしてモーニングプレートに。生ハム巻きも。

②茹で汁も使ってクリームレモンパスタ🍋

ブロッコリーとベビーリーフとホワイトアスパラのサラダ温玉のせ。ベーコン巻きも。

こんなに楽しませてもらってるけど いつか収穫終了の時がくるのよね…なんか淋しい…。

豚肉巻き

レンチンで1分間下処理をした後に豚肉を巻いて焼き、焼き肉のタレで味付けしましたが、もうちょっとレンチンした方が良かったかな? ベジトラグで育てたレタスも添えて、春の旬を味わえ幸せでした。

生ハム巻き

ホワイトアスパラと生ハムの春巻き​完成!!! 我が家で収穫したと思うと格別のお味でした。ふふふ。あと何本生えてくるのかなぁ。。。楽しみです!!!

今シーズンの栽培キットの販売は4/15頃まで!

『sannimon(三右ヱ門・さんにもん)』のホワイトアスパラガス栽培キットは現在絶賛販売中で、4月15日頃には販売終了となる予定です。

ご興味のある方はお早めにお求めください!

オンラインショップ→
https://sannimon.official.ec

※在庫がない場合もありますので、あらかじめご了承くださいませ。
※ホワイトアスパラガス単体の販売は12~3月にかけて行っております。

また、冷凍ホワイトアスパラガスは通年で販売しており、シーズンオフもそちらでお楽しみいただけます。
販売ページはこちら→ https://sannimon.official.ec/items/34784744

Credit

ガーデンストーリー編集部

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