初心者でも失敗しない! 丈夫で育てやすい洋ラン「オンシジウム」の栽培ポイントとQ&A
Emmy Liana Dewi/Shutterstock.com
可憐な花や甘い香りが魅力の洋ラン「オンシジウム」。丈夫で寒さに強く、可憐な黄色い花が多数咲く定番の品種のほか、香りのよい花を咲かせる小型の品種も人気です。本記事では、オンシジウムを失敗せずに楽しむための栽培ポイントや、「花が咲かない」「バルブがしわしわになった」といったよくある疑問を解決するQ&Aを栽培のプロが分かりやすく解説します。室内園芸を楽しみたい方や、洋ラン栽培に初めて挑戦する方もぜひ参考にしてください。
目次
オンシジウムの基本情報

植物名:オンシジウム
学名:Oncidium
英名:Dancing Lady Orchid 、Dancing Doll Orchid
別名:オンシジューム
科名:ラン科
属名:オンシジウム属
原産地:熱帯・亜熱帯アメリカ
形態:多年草
花をスカートを広げて踊る女性に見立てて、ダンシングレディオーキッドの英名があります。丈夫で寒さに強く、黄色い花を咲かせる交配種が以前より多く流通しています。花は1カ月間ほど開花し、黄色のボリュームのある花は切り花としても多く利用されています。
近年は、小型で花色のバリエーションもあり、香りもよい品種がよく流通しています。どれも丈夫で育てやすいので、初心者におすすめの植物です。
一般にはあまり流通しませんが、趣味家に人気がある高温性の種類もあり、バルブが小さく多湿を好むので、最低温度を10~15℃以上保つように育てます。
満開のオンシジウム。Pak Lang/Shutterstock.com
オンシジウムの特徴・性質

園芸分類:ラン
開花時期:12~1月、4~6月、9~10月(種類による)
草丈:15~70cm
耐寒性:弱い
耐暑性:普通
花色:黄、ピンク、赤、オレンジ、クリーム
オンシジウムは、木の幹に根を張り付けて生育する着生ランです。原産地では湿地付近や山岳地帯の東側斜面の樹木などに自生しています。
茎が膨らんだ部分をバルブと呼び、株元のバルブに水分や栄養を貯めています。
鉢植えとして主に流通するのは、葉が薄い「薄葉系」と呼ばれる系統のオンシジウムです。株元のバルブに1~2枚の葉を付けます。開花期は種類や品種によりさまざまです。丈夫で育てやすく、室内で比較的簡単に冬越しします。
オンシジウムの仲間・品種
現在の分類では、多くの種類が他属や新しい属に移行しています。以前のオンシジウムの主流の種類(Onc. flexuosum やOnc. varicosumなど)は、ゴメサ(Gomesa)属に移行しています。またオドントグロッサム属やコクリオダ属は無くなり、オンシジウム属他に移行しています。
オンシジウム・アロハイワナガ Oncidium Aloha Iwanaga

以前から最もよく流通する大型の定番品種です。不定期咲きですが、栄養状態がよいと年に2~4回開花します。切り花にもよく利用されますが、花茎があまりのびず、鉢植えにも最適です。
オンシジウム・フレクスオサム Oncidium flexuosum ( =Gomesa flexuosa )

ブラジルやアルゼンチン、パラグアイ原産で、さまざまな園芸品種の元になった原種です。開花期は秋から冬です。
オンシジウム・トゥインクル Oncidium Twinkle

花にバニラの芳香のある小型の交配種です。性質は強健で育てやすく、花も咲きやすいです。花色はクリーム色のほか、黄色やピンク、赤などがあります。開花期は冬から春です。
オンシジウム・ケイロホルム Oncidium cheirophorum

中南米原産で、高さ15~20cmほどの非常に小型の種類です。寒さに強く丈夫で、花付きもよいです。黄色の花は冬に開花します。
オンシジウム・オーニソリンカム Oncidium ornithorhynchum

メキシコ、グアテマラ原産の小型種です。丈夫で育てやすく、芳香のある花は秋から冬に開花します。交配に使うと、香りのよい品種が生まれます。
オンシジウムの栽培12カ月カレンダー
植え替え適期:4~5月
肥料:5~10月
オンシジウムの栽培環境

適した環境・置き場所
強い直射日光は避けますが、できるだけ明るい場所で育てます。1年中室内に置いても育てられますが、5~10月は風通しがよい屋外で育てるのが理想的です。吊り鉢にするとよく育ち、病害虫などによるトラブルも少ないです。屋外では30%程度の遮光下に置き、風通しのよい場所に置きます。室内ではレースなど薄手のカーテン越しくらいの日光に当ててください。
夏に暑さが厳しい場合や風通しが悪い場所では、50~70%程度遮光してください。室内ではカーテン越しの日光が当たる場所か、北側の窓辺に置きます。夏の閉め切った室内では、温度が上がりやすい南や西側の窓付近に置くのは避けたほうがよいでしょう。
生育温度
15~30℃が生育温度の目安です。夏に遮光下に置けば、暑さで弱ることも少ないです。
冬越し
0℃付近まで温度が下がっても耐えますが、株が傷むことも多いです。11月からは室内に置き、最低温度を5℃以上に保つようにしてください。
葉焼けの心配がないので、窓越しの日光によく当てるとよいでしょう。ただし窓の近くは屋外と同じくらい冷える場合があります。冷え込みの厳しい時は、窓から離れた場所に移動させるとよいでしょう。
関東地方南部や都心部では、建物の南側近くなどの条件のよい場所で屋外でも越冬することがあります。ただしひどく株が傷んで枯れることも多いので注意しましょう。
オンシジウムの育て方・日常の手入れ

水やり
5~10月の成長期の水やりは、植え込み材料が完全に乾燥するような頻度では水不足になります。カトレアなど他の洋ランと比べて水を好む傾向があります。水不足でバルブにシワが増えている状態では、花も咲かなくなります。
ミズゴケで植えている場合は、表面が乾き始めたらたっぷり水やりしてください。環境や株の状態にもよりますが、乾燥する夏などは毎日与えてもよいでしょう。またミズゴケを完全に乾燥させた場合、うまく水分を吸収させるため、一晩ほど鉢を水につけてください。
ミックスコンポストで植えている場合は、ミズゴケ植えより乾きやすいです。春から秋の晴れた日は毎日与え、冬は表面が乾いたら水やりします。
冬に最低温度が10℃以下になる場合は、ミズゴケやミックスコンポスト(*)が乾いてから水やりしてください。
*ミックスコンポストとは、赤玉土やバーク、軽石、炭などの複数の素材を混合した、排水性と通気性に優れた園芸用の植え込み材料のこと。
肥料
成長期の5~10月に、3要素(N:窒素、P:リン酸、K:カリ)が等量の液体肥料を規定の倍率で1週間に1回与えます。
ランは草花類の鉢花や観葉植物などより薄めの倍率で与えるので、混同しないよう注意してください。目安として1,000倍程度に薄めて使用することが多いですが、必ず肥料のパッケージに記載された説明をよく読んで使用してください。また夏の猛暑などで株の調子が悪い場合は、肥料を与えないでください。
病害虫
屋外では花茎にナメクジなどの食害やアブラムシが発生することがあります。適用のある薬薬剤等で防除してください。
またカイガラムシが発生することもあります。見つけ次第、ブラシなどでこすり落としてください。
バルブが腐って枯れる軟腐病が発生することがあります。長雨に当てたり、植え替え後に水やりが多いと発生しやすいです。吊り鉢にするなど通風のよい場所で育てると発生を防げます。薬剤はストレプトマイシンなどの抗生物質を使用して防除します。
オンシジウムの作業

用土と鉢
通気性のよい素焼き鉢にミズゴケ、またはプラスチック鉢にラン用のミックスコンポストの組み合わせで植えます。鉢はやや小さめのサイズが適します。
生育に定評があるのはミズゴケ植えです。ただし水の与えすぎや、乾くと水が浸透しにくいので注意してください。
初心者でも植えやすいのはミックスコンポストです。乾燥しやすくミズゴケより水やりの頻度が多くなります。水やりが多すぎる傾向がある人におすすめです。
植え替えと株分け
株が鉢からはみ出したり、植え込み材料が古くなったら植え替えます。植え替えをしないと生育が悪くなり、立ち枯れなども多くなります。目安として2~3年間隔で植え替えてください。
植え替えの適期は、春の4~5月ですが、秋の9月中旬~10月中旬にも行うことができます。
混み入った株は、バルブを3個ほどつけて分けます。古い植え込み材料は丁寧に取り除き、新芽が伸びる方向をあけるように植えます。
増やし方
葉のない古いバルブは、切り離してミズゴケで植えつけると新芽を出します。
オンシジウムのQ&A

Q バルブがしおれている、シワが多い
花後にしおれてきた場合は、バルブの水分を使って消耗したためと考えられます。単なる水不足なので花茎を切り、正しく水やりすれば回復します。開花中は霧吹きするほか、早めに花茎を切って、切り花で楽しむとバルブの消耗を防げます。
次に単なる水やりの不足が考えられます。水やりの頻度を多くしてください。またミズゴケは乾燥すると水分をはじくので注意してください。
根腐れの可能性もあります。水やりや肥料が多すぎると根腐れします。また植え替えせず植え込み材料が古くなっても根が傷みます。基本的な管理を見直してみてください。
Q 花が咲かない
花が咲かない原因として、日照不足がまず考えられます。葉焼けしない範囲でできるだけ明るい場所に置きます。
次に水やり不足も考えられます。ミックスコンポストなどで植えられている場合は、乾燥しやすいので注意してください。
オンシジウムは丈夫なので、以上の2点が改善されれば花が咲くことが多いです。その他の原因として肥料や水のやりすぎによる根腐れなども考えられます。
オンシジウムの栽培ポイント

- 春から秋の成長期は、植え込み材料を完全に乾かさないように水やりする
- ミックスコンポストは乾きやすい
- できるだけ明るい場所で育てるが、強い直射日光は避ける
- 吊り鉢にすると病害虫の発生を防げ、生育もよい
丈夫で育てやすく、花も咲きやすいオンシジウム。初心者にもおすすめの洋ランです。バルブに水分をためるので、旅行などで短期的に乾燥しても問題ないのも魅力的です。耐陰性もあるので室内でもよく育ち、開花させるのも難しくありません。インドアプランツにも最適なオンシジウムの栽培にぜひ挑戦してみてください。
Credit
文 / 小川恭弘 - 園芸研究家 -

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