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癒やし系ぷにぷに多肉植物10選|見てほっこり育ててハマる、推しの品種を厳選紹介! 読者プレゼントも

癒やし系ぷにぷに多肉植物10選|見てほっこり育ててハマる、推しの品種を厳選紹介! 読者プレゼントも

心を癒やすぷにぷに多肉植物で新生活に彩りを! 可愛いが炸裂、育てる楽しさ満点の品種10選を厳選紹介。初心者必見、育て方のコツも解説。長く寄り添える癒やしの相棒を見つけてみませんか? 記事最後のプレゼント情報も要チェック!

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癒やしが必要な今、多肉植物という選択肢

新生活が始まり、少しずつ慣れてきたころにやってくる5月病。
なんとなく気分が沈んだり、疲れが抜けない、という方も多いのではないでしょうか?
そんな時、そっと心に寄り添ってくれるのが、小さな植物たち。

オブツーサ

特に、ぷにぷにとした触感とユニークな姿で人気の“多肉植物”は、忙しい毎日に癒やしを感じさせてくれる存在です。

多肉植物の癒やしポイントって?

ぷにぷに、ころんとしたフォルム

松虫

多肉植物の魅力は、何といってもその“ぷにぷに感”
見ているだけでつい触りたくなる柔らかな葉の質感と、まるっとしたシルエットは、子猫や子犬に感じるような愛おしさを呼び起こします。

オベサ

やさしい色合い

淡いグリーンやピンク、ブルーがかった葉など、柔らかく穏やかな葉の色合いも癒やしポイント。
部屋の雰囲気を壊すことなく、自然とインテリアに溶け込みます。

小さくてスペースを取らない

窓辺

小型の多肉植物は、デスクやキッチンカウンター、窓辺の小さなスペースにも置ける程よいサイズ感が魅力で、どんな住宅事情にもマッチします。
コンパクトながらも存在感があり、視界に入るたびにほっこりとした気持ちにしてくれます。

世話の手間が少ない

トワイライト

多肉植物は葉やボディーにたっぷりと水分を蓄えているため頻繁に水をやる必要もなく、基本的には放っておいてOK。
植物自体を初めて育てる人でも安心してインドアグリーンを楽しむことができます。

ただし、多肉植物には春から秋にかけて成長が活発になる「夏型」、秋から春にかけて成長が活発になる「冬型」、春と秋に顕著に育ち、夏と冬は成長が鈍化する「中間型(春秋型)」が存在します。それぞれに合ったお世話のコツだけはチェックしておいてください(後述)。

眺めるだけで「ほっ」とできる

ほっとする

多肉植物は、小動物のように動きこそありませんが、日に日に少しずつ成長していく様子を見守ることで、忙しい日常の中にほんの少しの「余白」が生まれます。
その“余白”が、いつの間にか心の緊張をほどいてくれるでしょう。

癒やしの多肉植物おすすめ10選

筆者編集部員Kが特に“癒やし”という視点で選んだ、多肉植物10種類をご紹介。
いずれもフォルムの可愛らしさや育てる楽しさには定評があります。

モニラリア

ウサ耳
Photo courtesy of みつき屋
  • 学名:Monilaria
  • 和名:うさ耳モニラリア®︎(種子輸入総代理店「みつき屋」による園芸流通上の通称)
  • 原産地:南アフリカ西ケープ州
  • 成長期:秋から春にかけて成長する冬型
  • 特徴と癒やしポイント:メセンの中間であるモニラリア。
    茎からぷにっとしたうさぎの耳のような双葉がぴょこんと立ち上がる姿は、まるでイラストから飛び出してきたような愛らしさです。
    モニラリアにはモニリフォルミス、ピシフォルミス、オブコニカ、などの種類がありますが、小さなうちはどれも似ていて見分けがつきにくく、葉の形や質感の違いが現れ、どの品種か判別できるのはもう少し育ってから。
ウサ耳
筆者所有、実生2年目のモニラリア・モニリフォルミス。

個性が少しずつ見えてくる過程も、モニラリアならではの楽しみです。
乾燥に強く、手がかからないのに、なぜかつい構いたくなる存在感で、小さなペットのような癒やしをくれる多肉植物です。

  • 栽培難易度:★★☆☆☆(育てやすいが休眠期の夏は蒸れに注意) 
  • 置き場所:明るい窓辺など日当たりの良い室内が最適。直射日光は避け、冬は5℃以上をキープ。
  • 水やり頻度:春・秋は10日〜2週間に1回、休眠する夏と生育が緩慢になる真冬は断水気味に。
  • 筆者雑感:「うさぎの耳が生えてる!?」と誰もが二度見する可愛さ。
    小動物が鉢から顔を出しているかのような姿を見ると、自然と笑みがこぼれます。
    小さなお子さまのいるご家庭や、室内にほっこりを求める方におすすめです。
  • 市場価格帯:1,000〜4,000円前後(サイズ・状態による)

うさ耳モニラリア®︎はタネから育てる実生栽培キットがおすすめ!

福岡の種子輸入販売業者「みつき屋」が販売する、うさ耳モニラリア®︎「ミニ栽培キット」は、タネ、用土、鉢はもちろん、鉢底ネットから鉢底石、腰水をするための外鉢まで付いた至れり尽くせりの栽培キットで、届いたその日から手軽にうさ耳モニラリア®︎の実生を楽しむことができます。

キットにタネを播いて20日ほど経てば、もううさ耳の新芽が! 葉を覆うキラキラしたものは水晶細胞といい、保水効果と葉を守るために光を反射拡散する効果、また食害防御のための迷彩効果があると言われている。

みつき屋は、モニラリアを「うさ耳モニラリア®︎」としていち早く国内に紹介し、その普及に務めているモニラリアのパイオニア。
記事の最後に栽培キットプレゼントのお知らせがあるので要チェックです!

ハオルチア・オブツーサ

オブツーサ
  • 学名:Haworthia cymbiformis var.obtusa
  • 和名・別名:日本ではオブツーサ、もしくは雫石
    欧米ではクッションアロエとも呼ばれる
  • 原産地:南アフリカ東ケープ州
  • 成長期:春と秋に特に成長する中間型
  • 特徴と癒やしポイント: 透明感のあるぷるんとした葉が魅力の「ハオルチア・オブツーサ」は、“多肉界のゼリー”とも称される存在。
    葉の先端がぷっくりと膨らみ、“窓”と呼ばれる透明な部分がガラス細工のような光沢とみずみずしさを持っていて、日光を受けるとキラリと輝く美しさは唯一無二。
    まるで小さな宝石を集めたようなロゼット型のフォルムは、見ているだけで癒しを与えてくれます。
    コンパクトで場所を取らず、インテリア性も高く、成長が穏やかなので初心者にもおすすめです。
  • 栽培難易度:★★☆☆☆(初心者向け)
  • 置き場所:室内の明るい場所(夏の直射日光はNG)。
    “窓”の透明度を保つにはレースのカーテン越しの光が理想的。
    直射日光を長時間浴びると”窓”の透明度が落ちる傾向があります。
  • 水やり頻度:春秋は週1回たっぷりと、夏冬は月2回程度で量は控えめに。
  • 筆者雑感:ぷにぷに、つやつや、きらきら、ハオルチア・オブツーサは、見る角度や光の加減で表情を変える“生きた宝石”のような多肉植物です。
    ハオルチアには他にもたくさんの種類がありますが、オブツーサの魅力にハマってコレクションを始める方は多く、筆者もまさにその1人。
    目の前にこのぷにぷにした“ぷに葉”があれば、もう触らずにはいられません。
    疲れた心に”ぷに葉”がそっと語りかけてくれる、そんな存在です。
  • 市場価格帯:800〜2,500円程度(株の形や、”雫石”や”アイススプライト”など、オブツーサの種類により変動)

アドロミスクス・松虫

松虫
  • 学名:Adromischus hemisphaericus
  • 和名:松虫(まつむし)
  • 原産地:南アフリカ西ケープ州の固有種
  • 成長期:春と秋に特に成長する中間型
  • 特徴と癒やしポイント: アドロミスクス・松虫は、天然石のような葉の形が特徴。
    でも触るとちゃんと“ぷに葉”してます。
    生えたばかりの葉は赤褐色で、それが徐々にティーグリーンに変化していく様子は興味深いです。
    その色彩ゆえに、古風な和鉢がマッチします。
    無骨で媚びない小さな姿に心が静かに落ち着く、まさに“静かな癒し”を与えてくれる存在です。
  • 栽培難易度:★★★☆☆(少しコツが必要)
  • 置き場所:風通しの良い明るい場所(屋外でもOK)
  • 水やり頻度:春秋は10日に1回、夏は断水気味、冬は月1〜2回程度
  • 筆者雑感:ある個体は盆栽的で、ある個体は地に咲く花のような、ひとつとして同じ形がなく、まるで天然石のような魅力がある松虫。
    静かに机の上に置いて眺めるだけで、自然とのつながりを思い出させてくれる存在です。
    上の写真は筆者所有株。灌木のような幹が自慢で、茶室に飾られているかのような侘びた佇まいに日々癒されます。
  • 市場価格帯:1,000〜3,000円前後(希少個体は高騰傾向)

ユーフォルビア・オベサ

オベサ
  • 学名:Euphorbia obesa
  • 和名・別名:日本ではそのままオベサ
    欧米では野球のボールに似ているためbaseball plantとも呼ばれる
  • 原産地:南アフリカ・ケープ州グレートカルー周辺の極めて限定的なエリアにのみ自生
  • 成長期:春から秋にかけて成長する夏型
  • 特徴と癒やしポイント: ユーフォルビア・オベサは、スイカのような縦ラインが特徴的な丸い球状のボディを持つユニークな外見が魅力。
    硬めのマットな表皮は、淡い緑から紫がかった色に変化し、下の方がゆっくりと木質化して行き、年々味わいを増して行きます。
    まるっとしたビジュアルとやさしい色合いが気分をほっこりとさせてくれます。
    成長はゆっくりなので、長く付き合える相棒となるでしょう。
    珍しい雌雄別株の植物で、オス株とメス株とでは花の形が異なります(上の写真はオス株)。
オベサ
オス株の花。先端に花粉が付いている。
オベサ
メス株の花。先端がY字に分岐しており、花粉は付いていない。

オス株とメス株が同時に開花すれば、交配しタネを生み出す楽しみも。

オベサ
メス株。雌雄の見た目は同じため、開花するまで区別はつかない。
3兄弟
個体ごとに模様も異なり、同じ模様はひとつとして存在しない。その美しさはまるで万華鏡をのぞいているようで、自然の造形美には驚かされる。
  • 栽培難易度:★★★☆☆(乾燥には強いが寒さと根腐れに注意)
  • 置き場所:明るく風通しの良い場所(直射日光を避けた窓際など。室内OK)
  • 水やり頻度:春秋は10〜14日に1回、夏は控えめに、冬は断水気味に。
  • 筆者雑感:初めて見たとき、「え、オブジェ?」と一瞬戸惑うほど、完成された形に驚かされました。
    音も言葉もないのに、存在そのものが癒やしを放ってくる不思議な魅力。
    机の上に置くだけで、日々のざわつきをすっと吸い取ってくれるような無言の癒やし力。これは手放せません。 
  • 市場価格帯:雄株2,000円〜6,000円前後(サイズや形で価格差あり)。基部が木質化した通称“ヴィンテージ株”は最低でも1万円以上。
    筆者のおすすめは2,000円程度のオス株。
    球体の直径は3〜4cmほどで、これから共に過ごすにはちょうど良い大きさ。
    ちなみに、メス株の市場流通は稀で、基本的には1万円前後から。

コノフィツム・ブルゲリ 

ブルゲリ
  • 学名:Conophytum burgeri
  • 和名:ブルゲリ(”光るブドウ”と呼ばれることも)
  • 原産地:南アフリカからナミビアにかけてのオレンジ川周辺域
  • 成長期:秋から春にかけて成長する冬型
  • 特徴と癒やしポイント: メセンの仲間であるブルゲリは、まるでキャンディやグミのような、ぷるんとしたフォルムが魅力。
    半透明のつやつやとした質感で、マスカットのようなグリーンがとても幻想的。
    ひと目で惹かれるビジュアルは静かな美しさを秘めており、見ているだけで癒されます。
    休眠期に入る前は下の写真のように全体が赤紫色に染まるため、色彩の変化も楽しめ、その透き通るような美しさはまさに癒やしの宝石。
ブルゲリ
  • 栽培難易度:★★★★★(上級者向け)
    育てたいと思う方は多いのですが、中上級者でも水やりでの失敗が多いというほど難易度は高め。
  • 置き場所:成長期は風通しがよく、適度に遮光した環境で育てます。
    特に風通しは必須で、風通しがない状態が続くと溶けてしまいます。
    また、成長期に光量が不足すると休眠前に赤くならないため、屋外で30%ほど斜光した太陽光をたっぷり与えてあげるか、またはAMATERASなど高出力タイプの植物育成LEDライトとサーキュレーターを用いての完全室内栽培もおすすめです。
    休眠期は特に蒸れに注意しながら、風通しと涼しさ、そして遮光(50%程度)した環境で管理します。
  • 水やり頻度:成長期(秋)は、土が“乾ききる寸前”にたっぷり水を与えるのが基本。
    この”寸前の見切り”を誤って、水分が多めに残っているうちに水を与えると、表皮が裂けて腐敗することも。
    逆に乾かしすぎると吸水をやめてしまい枯れてしまうこともあり、水やりの繊細な見極めが求められます。

    筆者が行っているのは、週2〜3回ほど竹串を用土に挿し、土の湿り具合を確認する方法。
竹串

休眠期(春〜秋)は基本的に断水しますが、完全な断水にも弱いため、週1回夕方以降に土の表面を軽く湿らせる程度の水を与えます。

  • 筆者雑感:「これ、本当に植物なの!?」と驚かれること間違いなしの不思議系多肉植物ブルゲリ。
    栽培難易度に敷居の高さを感じてしまうかもしれませんが、この手間と向き合う時間さえも癒やしをくれるという稀有な多肉植物です。
    まるで静かに思索にふけるようにそっとそこに佇む姿は、心にじんわりとした余韻を残してくれるため、筆者的には“哲学する植物”と評しています。
    希少性が高いため出会えたら即ゲット推奨!
  • 市場価格帯:4,000〜10,000円以上(大きさにより変動)

ランプランサス・アウレウス’オレンジムーン’ (マツバギク)

マツバギク
マツバギク
  • 学名:Lampranthus aureus ‘Orange Moon’
  • 和名:マツバギク(松葉菊)
  • 原産地:南アフリカ西ケープ州周辺南西域
  • 成長期:春と秋に特に成長する中間型
  • 特徴と癒やしポイント: シャープで多肉質な葉をぎゅっと密に茂らせ、その中から現れるビビッドなオレンジの花にうっとり。
    オレンジムーンは、ムーンというネーミングとは真逆の、小さな太陽のような存在感を放ち、癒やしと共に元気も与えてくれます。

    花期は春から初夏にかけてで、一度開花すると、午前中にふわっと花開き午後にはそっと閉じるリズムが2〜3週間も続くため、日々の中に“咲く喜び”を繰り返し届けてくれます。
    多肉植物の中では珍しく“花を主役”にできるタイプでありながら、茎の木質化や肉厚な葉の質感も見どころ。
マツバギク
マツバギク
茎はかなり伸びて垂れ下がるため、ハンギングで楽しむのがおすすめ。
  • 栽培難易度:★★★☆☆(日当たり重視で蒸れに注意)
  • 置き場所:直射日光を好むため、日当たり良好な屋外推奨(室内でも窓際の強い光がある場所なら可)
    関東以北の冬場は室内管理推奨
  • 水やり頻度:春〜初夏は週1回ほど。夏は控えめ、冬は断水気味に。
  • 筆者雑感:開花した瞬間、ふっと気持ちが明るくなります。
    パッと花開く様子に癒やされるだけでなく、まるで自分の気持ちまで開花するような気分に。
    午前中に開く花が今日1日の活力を与えてくれる、”心にビタミン”な多肉植物です。
    しかも安い!
  • 市場価格帯:250〜1,500円前後(ポット苗やハンギング鉢仕立てなど、バリエーションにより変動)

パキポディウム「恵比寿笑い」

恵比寿
  • 学名:Pachypodium brevicaule
  • 和名:恵比寿笑い(えびすわらい)
  • 原産地:マダガスカル島アンタナナリボ南部からイトレモ山脈にかけての標高1,250~1,900mの岩場
  • 成長期:春から秋にかけて成長する夏型
  • 特徴と癒やしポイント: ぽってりと膨らんだ塊根部と、そこからちょこんと飛び出す葉。その独特なフォルムで見る人をほっこりさせる「恵比寿笑い」。
    ぷにぷにした感触はありませんが、ユニークで愛嬌たっぷりな姿を眺めるだけで心がほぐされます。
    和名「恵比寿笑い」は、“見ていると自然と笑顔になる”というところから付けられたとも言われており、まさにネーミング通りの魅力を放っています。
    成長はゆっくりで、少しずつの変化をじっくり楽しめるのも醍醐味のひとつ。
    塊根植物ならではの「育てる時間の豊かさ」を感じさせてくれます。
    個体差がありますが、直径3cmほどの小さな株でも黄色くて可憐な花を咲かせることがあるので、そうなると愛着もひとしおです。
恵比寿
  • 栽培難易度:★★★★☆(休眠期の管理に少しコツが必要)
  • 置き場所:日当たりのよい場所。室内でもOKだが通年で風通しと日光が必須。
  • 水やり頻度:春〜秋の成長期は土が乾いたらたっぷりと。冬は断水気味に。
  • 筆者雑感:「見れば見るほど可愛い!」と、筆者妻は恵比寿笑いの大ファン。
    恵比寿様のようにどっしりと構えてニコニコしているような、なんともほっこりする存在。
    成長期に葉をたくさんつけている様子も可愛いですが、筆者個人的には葉を完全に落とした冬の休眠期のからの目覚めの姿(下の写真)が好きですね。
恵比寿
ファーストコーデックス(最初の塊根植物)にもおすすめだ。
  • 市場価格帯:5,000〜20,000円以上(サイズや現地球か実生かで変動)

ケラリア・ピグマエア

ケラピグ
  • 学名:Ceraria pygmaea(現在は Portulacaria pygmaea に分類されることも)
  • 和名・別名:日本ではそのままケラリア・ピグマエアで流通
    欧米では”Pygmy Porkbush(とても小さな低木)”とも呼ばれている
  • 原産地:ナミビアと南アフリカ・ケープ州の国境域
  • 成長期:秋から春にかけて成長する冬型
  • 特徴と癒やしポイント: まるでミニチュアの盆栽のような風格ある姿が魅力的な塊根植物。
    古木のような幹に小さなグミのような多肉質の葉がぽつぽつと付き、まるでおとぎ話の中の木のような不思議な可愛らしさを感じさせます。
ケラピグ

そんな見た目とは裏腹に、乾燥した環境に強く、野生では厳しい岩場に根を張るほどのたくましい性格の持ち主。
成長がとてもゆっくりなので、長くじっくりと付き合える人生の相棒的存在になるでしょう。
ただ、写真のような古木風の塊根部を楽しめるのは現地球(輸入株)であり、タネから育てた実生株は塊根部も細く、あっさりとした印象です。

  • 栽培難易度:★★★★☆(乾燥管理と日照確保がポイント)
  • 置き場所:成長期は日当たりのよい屋外か屋内。風通しの良さが大切だが、厳冬期は室内へ。
  • 水やり頻度:春〜秋は土がしっかり乾いてからたっぷりと。厳冬期は量を控えめに。
  • 筆者雑感:”手のひらサイズの小さな森”ですね。
    まるで小人が住んでいそうな雰囲気は見ているだけで自然の世界に引き込まれてしまいます。
    実生株も十分に可愛いのですが、現地球の誘惑は強烈なものです。ただ価格が・・・。
    成長期を迎える秋冬になると値段も高止まりするため、ある程度価格が下がる春の「冬型塊根売り尽くしセール」などを狙うのもアリかも。実際に筆者もそれで購入。
  • 市場価格帯:【実生株】2,000〜10,000円前後(サイズや樹形により異なる)
    現地球(輸入株)】20,000〜70,000円(サイズや樹形、根の状態により異なる)

サボテン「デフューサ(翠冠玉)」

ディフューサ
  • 学名:Lophophora diffusa
  • 和名:翠冠玉(すいかんぎょく)
  • 原産地:メキシコ中部ケレタロ州に自生するメキシコ固有種
  • 成長期:春から秋にかけて成長する夏型
  • 特徴と癒やしポイント:まるで高級和菓子のような見た目の翠冠玉は、トゲのないぷにぷにの肉厚ボディーと、ふさふさの羽毛が特徴。
    手のひらにすっぽり収まるサイズ感とやさしい質感が、”触れる癒やし”を与えてくれます。
    成長はとてもゆっくりですが、だからこそ「焦らなくていいよ」と語りかけてくるような穏やかさを持った存在。視覚と触感、両方から癒してくれるサボテン界のセラピストです。
  • 栽培難易度:★★★★☆(水管理と風通し、日照のコントロールが重要)
  • 置き場所:太陽が大好きだが、直射日光は肌焼けの危険があるので遮光下で管理。
    室内でもOKだが風通しの良さは必須。 
  • 水やり頻度:春〜秋は月1〜2回、用土が完全に乾いてからたっぷり与える。
    冬は断水気味に。
  • 筆者雑感:ぷにフサっ、とでも言いましょうか、静かな可愛さを醸し出す佇まいは、どんな空間にも凛とした空気を添えてくれます。
    見ているだけで自然と呼吸が深くなるような存在。
    和菓子っぽいので、和鉢が似合います。
  • 市場価格帯:4,000〜12,000円前後(大きさ・羽毛の生え方によって変動)

サボテン「月世界」

月世界
  • 学名:Epithelantha micromeris
  • 和名:月世界(つきせかい)
  • 原産地:米国のメキシコ国境地域からメキシコ北東部の乾燥地帯
  • 成長期:春から秋にかけて成長する夏型
  • 特徴と癒やしポイント:小型サボテンの人気種で、銀白色の極小トゲが綿毛のように密集。
    全体がビロードのような質感に包まれ、米俵のようなフォルムもユニークです。
    円柱形のボディにふわふわの羽毛のような柔らかいトゲが愛らしく、思わず守りたくなる存在。
    そっと触れると”ザラぷに”感があり、日々のストレスでギスギスした心を視覚と感触で静かに和らげてくれる存在です。
    静物好きにおすすめの癒し系です。
  • 栽培難易度:★★★☆☆ (蒸れと過湿に注意すれば比較的育てやすい)
  • 置き場所:成長期は風通しの良い明るい屋外の日陰か、レースのカーテンごし程度の明るさの室内がベスト。
    冬は室内に。
  • 水やり頻度:春〜秋は月2回程度、冬は断水気味に。
    しっかり乾いてから与える「乾燥→たっぷり」のメリハリが大事。
  • 筆者雑感:名前も見た目もどこか非日常で、眺めているだけで楽しくなるサボテンです。
    薄いピンクの小さな花を咲かせた後、交配すると下の写真のように赤い実(種鞘)ができるのですが、これがまた愛嬌たっぷり。
月世界
種鞘のぷにぷに感は、たまらなく気持ちいい。
  • 市場価格帯:2,000〜8,000円前後(サイズや状態で変動)

癒やし系多肉植物の育て方のポイント

癒やしを楽しむには「気負わず育てることが」が大事。
多肉植物は基本的に強い子ばかり。多少のミスがあってもすぐに枯れることはありません。
ここでは無理なく続けられるお世話のポイントを押さえておきましょう。

水やりのポイント

水やりの際は、できるだけ株本体に水がかからないように注意しましょう。
葉やボディに水がたまると、蒸れて病害虫の原因になるほか、水跡が残って美観も損なわれてしまいます。

水やり
鉢底から水が溢れるまで与える。

また、おすすめ10選の中でいくつかの品種は「冬は断水気味に」と明記してありますが、完全に水を断つわけではありません。
細根を傷めないためにも、冬場は月1〜2回、用土表面がほんのり湿る程度に軽く与えるのが理想。
この“ほんのり加減”が次の成長期の質を高めるカギとなります。

ほんのり
ほんのり加減は、株周りを一周程度で良い。(※動画がループしているため何周もしているように見えますが、実際は一周です。)

光の当て方のポイント

sunlite

多肉植物は日光に強い種類が多いですが、室内育ちの株をいきなり強い日差しに当てると葉焼けの原因に。
屋外に出す場合は、まずは明るい日陰で慣らす「順化」のステップを忘れずに。
また、直射日光が苦手な種類には、下の写真のように園芸用遮光ネット(30〜50%遮光)を適当な大きさに切って、鉢にかぶせ、輪ゴムで止めるのも手です。

遮光

最近の日本の直射日光はかなり強烈なので、無理に屋外で育てず、特に初心者の方には植物育成LEDライトを使った室内栽培もおすすめ。
ただし、湿度管理には注意が必要です。
サーキュレーターなどで室内の空気を循環させ、蒸れやカビを防ぎましょう。

必須

プラ鉢からの植え替え

購入時のプラスチック鉢でも十分に育てられますが、味気なさを感じたら、お気に入りの鉢に植え替えるのも楽しい選択です。

プラ鉢
確かに味気ないが、植物を守り育てる機能性は高い。ゆえにプロは使用する。

ただし、多肉植物の根はデリケート。
元の土を無理に崩さず、同じかワンサイズ大きい鉢に優しく移しましょう。

鉢選びに迷ったら「素焼き鉢」がおすすめ。
素焼き鉢は土(粘土)を原料とし、素材に含まれる微細な気孔が空気を通すことで、通気性と排水性に優れています。そのため根腐れのリスクを抑えられます。
見た目もナチュラルで多肉との相性◎。使用時は鉢底石をお忘れなく(詳細は後述)。

素焼き鉢

鉢底石と土のポイント

多肉植物を元気に育てるカギは、「通気性」と「排水性」。
購入時のプラスチック鉢はスリットが多く通気・排水に優れていますが、素焼き鉢など底穴が一つだけの鉢を使う場合はひと工夫が必要です。

まず、鉢底に鉢底ネットを敷き、その上に鉢底石を重ねて土を底上げしましょう。
これにより通気と排水の性能がグッと高まり、蒸れや根腐れを防ぐことができます。
目安としては3号鉢(直径9cm)で鉢底石の高さが1/4程度がちょうど良いバランスです。

鉢

土は市販の「多肉植物・サボテン用培養土」でも十分ですが、筆者のおすすめは、プロが調合した専用土。
たとえば、当連載でもおなじみの「ガディンツキープランツ」関さんや、オザキフラワーパークのオリジナル用土など、多肉を知り尽くしたエキスパートによる配合なら安心して使えます。

用土

まとめ|小さな多肉が、心のビタミンになる

癒やしの存在は人それぞれ。我が家の場合、今年6歳になる愛猫の甘えた姿は、何にも代えがたい心のオアシスです。
でも、小さな多肉植物たちも、ふとした瞬間にそっと心をなごませ、元気をくれる存在になっています。
忙しい日々の中「植物と暮らす」ということは、ぷにぷにとしたフォルムや、ころんとしたシルエットに癒やされながら、自分のペースで心を整える時間を持つということ。
まるでビタミンを補うように、気づけば明日への活力になってくれます。

思うに、癒やしとは一方的にもらうものではなく、こちらからも愛情を注ぐことで初めて返ってくるもの。
愛とは、ちょっとしたお世話や、健やかに育ってほしいと願う気持ち。
それは動物でも植物でも、きっと同じです。
小さな多肉植物たちも、ちゃんとその想いに応えてくれます。

あなたの毎日に、ちいさな緑のビタミンをひとつ、加えてみませんか?

⭐️読者プレゼント⭐️

ウサ耳

おすすめ10選のコーナーでも紹介した、うさ耳モニラリア®︎の栽培キットを販売している「みつき屋」から、初めての人でも超簡単! ミニ栽培キットをご提供いただきましたので、抽選で2名の方にプレゼントいたします。

応募締切は5月30日(金)17:00。下のアイコンから奮ってご応募ください。
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