日本の春は、新たな環境へと踏み出す旅立ちの季節でもあります。大切な友人や今までお世話になった人に、感謝や応援の心を込めて花を贈りませんか? 花言葉のバリエーションはとても豊富なので、あなたの気持ちを運んでくれる花がきっと見つかるはず。贈り物にぴったりな花言葉を持つ花をご紹介します。
目次
敬愛や感謝の思いを込めて
ゼラニウム
花言葉:尊敬 信頼 真の友情
丈夫で育てやすく、冬にも花が楽しめるゼラニウムは、ガーデナーにとってなじみのある花。葉に特徴があり、美しいものが多いことから、コンテナガーデンでも活躍します。ゼラニウムは虫が嫌う独特の香りを放つことから、ヨーロッパでは虫除けに利用され、それが転じて魔除けや厄除けとして窓辺に置く習慣がありました。このような習慣から、「尊敬」「信頼」といった花言葉が生まれたとされています。
カンパニュラ
花言葉:感謝 誠実
ラテン語で「釣り鐘」を意味するカンパニュラは、白やピンク、紫など柔らかな色合いのベル形の花。この花の持つ「感謝」「誠実」といった花言葉は、ギリシャ神話のカンパニュールという名のニンフに由来します。彼女はオリンポスの果樹園で黄金のリンゴを守っていました。ある日リンゴを盗もうと侵入してきた兵士に気づき、ベルを鳴らして知らせましたが、兵士に見つかり命を奪われてしまいます。それを知った花の女神フローラは、彼女を美しい花に変えたといわれています。
カーネーション
花言葉:感謝の心 温かな愛情など
母の日に贈る花としても親しまれているカーネーションは、花色や種類が豊富で、ゴージャスで端正な花姿が魅力。花もちもよいので、フラワーアレンジメントや花束で、よく活躍します。そんなカーネーションには、花色によって異なる花言葉があります。ピンクの花は「感謝の心」「温かな愛情」を、赤は「愛」「感動」を、オレンジは「情熱」「清らかな愛」を、白は「純粋な愛」を意味します。ただ、黄色や濃い赤色の花はネガティブな花言葉を持つので、贈り物にするときはちょっと気をつけましょう。
ヤグルマギク(セントーレア)
花言葉:繊細 優美 幸福 感謝 教育
目を見張るほど鮮やかな青紫色と、矢車に似て放射状に広がる独特の花姿を持つヤグルマギク。定番のブルーのほか、白やピンク、赤、黒紫色まで、カラフルな色合いの品種が数多くあります。麦畑の中で咲く可憐な花姿がヨーロッパで広く愛され、洋食器の人気モチーフ「アングレーム・パターン」はヤグルマギクをもとにしたもの。ドイツでは、ドイツ皇帝の紋章であったことから「カイゼル(皇帝)の花」と呼び、現在も国花として愛されています。
レースフラワー
花言葉:可憐な心 感謝 ほのかな思い
純白の小さな花がいくつも集まって咲き、繊細なレース編みのような美しさを持つレースフラワー。花茎がしっかりしていて長さもあるので、切り花として使いやすく、花束やフラワーアレンジメントの引き立て役としてもよく登場します。別種に、淡い青やピンクのブルーレースフラワーという花もあります。花言葉の「感謝」という意味は、古くからハーブとして活用されていたことにちなむといわれています。
新たな門出の応援に
ガーベラ
花言葉:希望 前向き 美しさ など
花弁が丸く開く花姿に、飾らない素直な美しさがあるガーベラ。周囲まで明るくなるような陽気な雰囲気と、鮮やかでポップな色合いから、花言葉も希望にあふれたものばかりです。もともとは赤い花が基本だったガーベラも、品種改良の結果カラフルな色合いの花が数多く作出され、それにつれてそれぞれに花言葉も生まれました。赤い花は「神秘の愛」「限りなき挑戦」、ピンクは「崇高な愛」「思いやり」、オレンジは「忍耐強さ」「冒険心」、黄色は「究極の愛」「やさしさ」を意味します。ガーベラという名は植物学者ゲルバーに由来します。
スイートピー
花言葉:門出 やさしい思い出 繊細 デリケートな喜び
まるでチョウが羽ばたいているようなマメ科特有の花姿と、甘く優しい香りが人気のスイートピー。つるを伸ばして周囲に巻きひげを絡ませながら成長し、美しく上品な色合いの花を咲かせます。花色は赤、ピンク、白、ブルー、紫など、バリエーション豊か。美しい花を今にも飛び立ちそうなチョウに見立て、「門出」や「やさしい思い出」などの花言葉がつけられています。
アルストロメリア
花言葉:持続 未来への憧れ 凛々しさ
「持続」や「未来への憧れ」などの花言葉を持つアルストロメリア。ユリに似たすっきりとした花姿と、個性豊かで色鮮やかな花色が魅力です。主に切り花として親しまれていますが、屋外でも育てやすく、初夏になると鮮やかな色の花を次々に咲かせ、ガーデンでも活躍します。花もちがとてもよく、長い間咲き続けることから「持続」という花言葉を持つようになったといわれ、贈り物にもぴったりの花です。
オーニソガラム
花言葉:純粋 無垢 才能 純白
オーニソガラムは星に似た純白の六弁花を咲かせる清楚な花。キリスト誕生の際に輝き、三賢者を導いたとされる「ベツレヘムの星」に例えられる花の一つで、この星が野に飛び散ってオーニソガラムの花となったという伝説もあります。その伝説にふさわしく、清楚で凛とした美しさを持つ純白の小花は花もちもよく、花嫁のブーケの花材としても人気です。植えっぱなしでもよく育つ、丈夫で育てやすい球根植物です。
花束、というとちょっとかしこまった贈り物のように思いがち。もちろん、改まった贈り物としてもぴったりですが、肩肘の張らない小さなブーケであれば、日常の中でもカジュアルに贈ることができます。花を贈られるのは、誰にとっても嬉しいもの。あなたの気持ちを美しい花に託して、一輪から気軽に贈ってみませんか?
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Credit
文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
参考文献/「美しい花言葉・花図鑑 彩りと物語を楽しむ」(二宮孝嗣著 ナツメ社刊)
Photo/ 1)Agnes Kantaruk/ 2)loreanto/ 3)svf74/ 4)Antonova Ganna/ 5)alicja neumiler/ 6)InfoFlowersPlants/ 7)mantigomo/ 8)Laura Bartlett/ 9)Valeriya Kalinichenko/ 10)Iva Vagnerova/ Shutterstock.com
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