夏のプリンセス・クルクマで、リゾート気分のウィークエンド|花のある週末、はじめませんか Vol.6
こんにちは!「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子です。こちらでは、旬の季節に楽しみたい花の、“長もちさせるハウツー”や“簡単おしゃれなコーディネイトのコツ”をお伝えしていきます。花瓶がなくても大丈夫。少しの花材と身近な雑貨を組み合わせて、家のなかに自分のお気に入りの花コーナーを作ってみませんか?
目次
8月のおすすめは「クルクマ」
8月のウィークエンドフラワー.クルクマ (英名:Turmeric ターメリック 和名:春鬱金)
・原産国: 熱帯アジア、アフリカ、オーストラリア
・主な生産地: 静岡県、愛知県、福岡県
湿度の高い夏の空気に似合うのは、亜熱帯の風をはらんだ南国の花やグリーン。
8月の始まりは、アジアンムードの「クルクマ」をチョイス。ほっそりした茎にユニークな形の花、初めて見る方は「これは何の花?」ときっと思いますよね。クルクマは、ウコンでおなじみのショウガ科の植物。葉や球根を見ると、谷中生姜によく似ていて納得します。
ハスの花にも似た美しさですが、花に見える部分は葉っぱが変化した苞(ほう)。実際の花は、苞の内側にそっと小さく咲いています。暑さに強くて花もちがよく、夏の間私たちを楽しませてくれます。「夏場は花が持たないから…」と敬遠しがちですが、クルクマは強い味方ですね!
大輪のシャロームタイプと小輪で肉厚なミニタイプがあり、濃淡ピンク、白、グリーンなどカラーバラエティもいろいろ。かわいらしさのなかに、どこかスタイリッシュな表情があったり、雄々しさを感じるほど力強い花姿があったり…。魅力は品種によってさまざまです。
また、品種によって花もちに差があり、肉厚なタイプのほうが若干長く楽しめるよう。
今回のアレンジに使用したのは、ミニタイプの‘プーディンプリンセス’。花姿が小さな王冠のようで、まさに夏のプリンセスです。シェルのような淡いピンクと、小さく凛とした佇まいが涼しげで、デビュー以来とても人気があります。
クルクマは、同じ熱帯原産のランの仲間とも相性抜群! 色鮮やかなモカラや、モダンな雰囲気のバンダなどといけても素敵ですが、今回は純白のデンファレを合わせて、可憐にプリンセス感アップ! 洗面台や鏡の近くに飾ったら、ちょっとキレイになれそう♪ ですね(笑)
シャーベットカラーのクルクマでひんやりアレンジ
あえてグリーンを合わせずに、白系のクルクマとランだけで、涼しげに愛らしくまとめます。花のフォルムがしっかりしているので、少ない本数でも絵になります。
■材料(花材費合計=1000~1500円)
●花材
クルクマ‘プーディンプリンセス’/2本
デンファレ‘ジャックハワイ’/1本
●器について
今回は夏らしく、ブルーのガラス器をチョイスしました。こちらは雑貨店「フライングタイガー」で、150円ほどで売っているキャンドルホルダー。キャンドルの部分をはずして、花器として使用しています。
インダストリアルな雰囲気のインテリアの流行にともなって、薬瓶型の器はここ数年のトレンド。小さな花飾りが、さりげなくおしゃれなカフェ風になって、自宅用の花あしらいにおすすめです! 花がない時は、棚の上などに並べておくだけでもかわいく、人気のドライフラワーを入れる器にもぴったり。雑貨屋さんで見つけたら、ぜひ手にとってみてください。
画像では、白い貝殻のオブジェを並べました。白い小物を合わせると、すっきり爽やかなコーディネイトになりますね。デンファレの花を1輪添えれば、いっそう南国リゾート気分に。
■3ステップでアレンジ
①クルクマは水道水でOK、切花鮮度保持剤を使用しなくても長もちします。
②2本のクルクマが横並びにならないよう、高低差をつけながらスッと立たせます。
③デンファレをサイドに流すようにあしらえば、できあがり!
※クルクマは暑さに強いですが、乾燥を嫌うので、午前中に霧吹きをして保湿すると、花もちがさらにアップ! エアコンの風が直接当たらないように気をつけましょう。
夏のホームパーティーにモダンエスニックアレンジ
同じ種類のクルクマも、熱帯のグリーンをあわせるとまた違う雰囲気に。グリーンを器の中に入れて水に沈ませると、それだけでも素敵な夏のインテリアになります。
花と葉の美しさをシンプルに魅せるモダンなアレンジ。
夏のホームパーティなど、タイ料理やベトナム料理などエスニックなメニューでゲストをおもてなしするようなシチュエーションにぴったりな花飾り! すごーく簡単なのに、グリーン使いのテクニックひとつで、ワンランク上のアレンジに見えます(笑)。
シリンダー形(円筒)のガラスの器も、一つ持っていると便利ですよ。
■材料(花材費合計=1000~1500円)
●花材
クルクマ‘プーディンプリンセス’/2本
クルクマ‘エターナルピンク’/1本
タニワタリ/1枚
タニワタリは水に沈めると、別の迫力が出ます。小輪系のクルクマと一緒にいける場合は、パキッと濃い目の色が入ったほうが、バランスがとれます。
■3ステップでアレンジ
①タニワタリの葉の茎が硬い部分をカットし、葉の表面が表になるように丸めながらガラスの器の中に入れます。器の1/3くらいの水を入れます。画像下のように、タニワタリだけでグリーンのオブジェのように見せる場合は、器いっぱいに水を入れた方がキレイです。
②クルクマ3本を、長さが横並びにならないよう高低差をつけていけます。ガラスの器の高さよりも、タニワタリのグリーンの面積を見ながら、クルクマの長さを決めるとよいでしょう。
③アレンジの周りに、エスニックな雑貨や食器、キャンドル、南国フルーツなど並べると、いっそう素敵なアジアンリゾート風コーディネイトに。
タニワタリを入れた花器に、さらにクルクマ1本を沈めて水中花のようにしても素敵です。肉厚のクルクマは、水中花にしても、しばらく楽しめる花なのです。
カレー粉などに使われるターメリックを球根に含むウコンは、日本でも江戸時代から栽培されていました。一方、観賞用のクルクマは、1990年の「大阪花の博覧会」で輸入されたことをきっかけに、国内でも広く栽培されるようになったそうで、まだ最近の花といえます。
現在のクルクマの人気品種を生み出しているのは、タイ在住の日本人育種家・齊藤正二さん。日本人の感性にあった、色や形状のクルクマが次々とデビューしています。齊藤さんが運営する「チェンマイセトコンファーム」では、多くの村民が仕事をしていて、村全体が大家族、齊藤さんは村のお父さんのような存在だそう…!
クルクマが数輪リビングに飾られているだけで、南国の風が流れるリゾートに~。じつに手軽にバカンス気分が味わえます(笑)。夏の花は、旅するよう楽しみたいですね。
ではでは皆さま、花と素敵な週末を。
Credit
小川典子
(一社)花の国日本協議会プロモーション推進室長/
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