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和モダンや洋風もあり! 自分流の創作坪庭をデザインしよう

和モダンや洋風もあり! 自分流の創作坪庭をデザインしよう

https://pic.takasho.jp/portforio/14463

坪庭は小さいスペースですが、部屋の窓から眺めると気分が和み、落ち着きのあるリラックス感が生まれます。そんなステキな坪庭を、自分でデザインしてつくってみませんか? 伝統的な和風にこだわらなくても全然OK! ものづくりが好きな方なら、オリジナリティあふれるユニークなものがつくれますよ。写真やイラストで、分かりやすく解説します。

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なぜ「坪庭」と呼ぶのか?

坪庭という名前は、平安時代の貴族の屋敷で、建物同士をつなぐ渡り廊下に面した通り道の空間を「壺(つぼ)」と称したことに由来します。身分の高い女性の住居は、桐、藤、萩などの草木を優雅に植え、源氏物語に登場するように桐壺、藤壺、萩壺などと呼ばれました。

現在では小さい庭で採光や通風を確保し、気持ちがうるおう観賞を目的とした空間を「坪庭」と呼んでいます。

どこにつくるのか…そのポイントは?

坪庭がある場所は、一般に和室やバスコート。余裕があれば、玄関ホールの目の前にステキな坪庭を設ける例もあります。でも、そんなスペースがない! という方には、例えば玄関脇につくって、来訪者の目を楽しませてはいかがでしょうか。

それでは、坪庭をつくる場所によって、どんなことに気をつければよいのか、和室前、中庭、バスコート、エントランスの4カ所について解説します。

1. 和室前

和室は、一般に掃き出し窓になっているので、地面に近い下草や低木まで、見通しがよい空間です。足元がよく見えるので、平板や苔、芝など、舗装面やグラウンドカバーを上手に生かすことで、ステキな眺めをつくり出すことができます。

2. 中庭

中庭
https://pic.takasho.jp/portfolio/2471

住宅の和室、玄関ホール、LDKなどに囲まれた中庭を、坪庭としてつくることもあります。それぞれの部屋から見えるので、どこから眺めても美しく見えるよう、工夫が必要です。

3. バスコート

バスコート
Breslavtsev Oleg/Shutterstock.com

バスコートとは、浴室に隣接してつくられた坪庭のことをいいます。

写真はアジアンテイストのデザインです。

浴室は湯船につかって眺めることを考慮すると、地面に近い部分は見えにくくなります。中・高木や高さのあるオブジェなどで演出すると見栄えがします。隣家から見えないよう、目隠しフェンスを設置したり、周辺からの視線を遮る注意も必要です。窓に庇がついていない場合は、オーニングを設けたり、室内にロールスクリーンを設置するなどして、視線をカットしましょう。

4. エントランス

玄関前は家族が行き来する場所なので、ホッと安心感のある場所にしたいものです。来訪者にとっても、ドアホンを鳴らしてからドアが開くまでの間、気持ちが和むような眺めの坪庭をつくってみましょう。

ステキな見栄えを検討しよう!

坪庭は、眺める視点によって、どう見えるかを検討する必要があります。窓ガラスが1カ所で1方向から眺めるケースもあれば、2方向や3方向から眺めるケースも出てきます。2方向や3方向から眺める場合は、その視点ごとにイメージスケッチを描きながら、見る方向によって見栄えが悪くならないように、植栽や景石の位置や高さを検討する必要があります。

見栄えが良くない植栽、景石の配置
(左)見栄えがよくない植栽、景石の配置:B方向の見栄えがよくない
(右)見栄えのよい植栽、景石の配置:A・Bともに見栄えがよい

また、坪庭の背景が塀などの壁なのか、竹垣または、生け垣なのかによって見栄えが変わってきます。背景が白やベージュ色だったり、白竹の竹垣などの場合は、緑がキレイに映えて植栽が引き立ちます。生け垣が背景の場合は、イロハモミジやカツラなどの落葉樹を植えると、春や夏場は緑の濃淡で柔和なイメージに、秋には紅葉や黄葉でガラリと一変する背景を楽しめます。

背景と葉の色を研究することで、季節感を楽しむこともできます。

ベージュ色の背景は緑や紅葉が綺麗
ベージュ色の背景は緑や紅葉が映えて綺麗
生垣の背景は緑がなじんで柔和
生け垣の背景は緑がなじんで柔和

背景の塀や竹垣は、さまざまなデザインがあります。エクステリアのカタログで調べたり、ホームセンターへ出向き、研究してみましょう。

坪庭をつくる前にここは気をつけよう!

坪庭をつくるにあたって、気をつけなくてはいけない注意点を挙げます。

日当たりや風通しがよいところ

植物が育つためには、できるだけ日当たりや風通しのよいことが大切です。通気が悪いと地面がジメジメして、見栄えのよくない銭苔(ぜにごけ)などが生えてくる場合があります。ただの苔だと思っていても、だんだんと生長するにつれて、葉を広げて増えていきます。地面に強く張り付いて取り除くことが難しくなるので、注意が必要です。

水はけをよくする

坪庭は、住宅の外壁面に接している凹部につくることが多いため、水がたまりやすくなりがちです。せっかくつくった坪庭が水浸しになっては見栄えが悪くなります。地面に水がしみこむよう、砂利などを敷いて水はけをよくするか、場合によっては、敷地外に排水ができるような工夫が必要です。

日陰に強い植物を選ぶ

坪庭は住宅外壁に囲われた場所につくる場合もあります。北側の裏庭やバスコートなど、日当たりがよくないところには、日陰に強い植物を選びましょう。アオキや白花のシャガ、グラウンドカバーのリュウノヒゲ、大きい葉のハラン、よく玄関脇で見かけるヒイラギナンテン、マンリョウやヤツデ、斑入りのヤブランなど、日陰に強い植物もいろいろあります。

植栽の植え付け時期を調べておこう

せっかく植えた樹木が枯れてしまっては大変です。夏場の暑い時期に植えると簡単に枯れてしまいます。一般に、常緑樹は梅雨の時期、落葉樹は冬の早い時期、針葉樹は3~4月がよいとされています。メインになる植栽を枯らさないよう、適期を調べておきましょう。

創作坪庭のデザインを考えよう!

それでは、枠にとらわれない自由な創作坪庭のデザインを考えてみましょう。

ここでは、できるだけDIYでつくれそうな、和風、和モダン、洋風の3つのデザインを提案してみました。イラスト付きで解説します。

和風デザイン

和風デザイン

日本古来の庭には、竹垣、鹿威し(ししおどし)、景石、苔、灯籠(とうろう)などのアイテムが使われます。ネットや旅行雑誌などで和風の庭の写真を探し、自分の好みに合った坪庭を見つけてみましょう。

イラストは、苔やシダ系を植えた低い築山(つきやま)をつくり、景石は少し高いものと低いものを置きました。バックは白竹の御簾垣を設置して、メインツリーのモミジの新緑や紅葉が映えるようにしました。

景石は重量があるので、ホームセンターや通販で購入しても、配送料などが高額になります。また設置も大変なので、より安価で設置しやすい人工石で代用するとよいでしょう。また、飛び石も景石と同様の理由で設置に苦労するため、30cm角の平板での代用がおすすめ。DIYでも楽に設置できます。

和モダンデザイン

和モダンデザイン

白い玉砂利と黒の平板を並べてモノトーンのコントラストを効かせます。プランターの立ち上がりは、黒ミカゲ石の二丁掛(10×20cm)のピンコロを立てて、地面に半分埋めるようにすれば、上手に並べることができます。その周りにアクセントカラーとなるタマリュウやリュウノヒゲなどのグラウンドカバーを配置しました。

バックは黒の千本格子にして繊細さを出します。

低木のマホニアコンフューサは、和モダンイメージが強調されて、千本格子とよく合います。また、斑入りヤブランを植えても、優しいイメージで品よくまとまります。

イラストにはありませんが、トクサを使ってみるのも面白そうです。

洋風デザイン

洋風デザイン

赤茶色系のテラコッタタイルをベースにして、その周りは茶系のレンガを並べました。高さの不揃いな枕木を3本立て、その上に四季折々の草花やハーブの花鉢を置きます。目隠しフェンスは、ルーバー状の木製トレリスを立てました。花鉢は高さがあるので、バスコートにも使えるデザインです。住宅壁際には、砂利敷き部分を設けて、雨が地面に浸透できるようにしました。

創作坪庭のデザイン
画像:タカショー

創作坪庭デザインは、平板やタイル、砂利などを地面に並べたり、敷くだけなので、意外と楽しんでつくることができます。達成感が得られ、愛着も強まるでしょう。

平板やタイルなどの張り方や、レンガ花壇のつくり方の詳細は「初心者にオススメの庭DIYを解説! すぐできることや注意点は?」を参照してください。

さあ、坪庭づくりに興味のある皆さん! ぜひ、自分流創作坪庭に挑戦してみましょう。

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