家の玄関の前に目隠し機能をつけることは、防犯やプライバシーの確保の面からとても重要です。街並みを歩いていて、「玄関ドアを開けたら、すぐ道路」になっているアプローチって意外に多いと感じませんか? そこで今回は、いろいろな機能を備えた玄関の目隠しの方法と実例をご紹介します。

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玄関前の目隠しはどうして必要?

戸建てにお住まいの方は、玄関ドアを開けたら、道路の通行者と目が合ってしまったという経験、ありませんか? そのことでなんとなく気まずい思いをしたり、それがストレスになったりすることもあるかもしれません。そんなとき、玄関の前に目隠し機能をあったらいいですよね。

実は玄関前の目隠しには、道路からの視線を遮るほかにも、いろいろな目的を持たせることができます。目隠しが必要な理由をいくつか挙げてみましょう

プライバシーの確保

目隠しでプライバシーの確保
https://pic.takasho.jp/portfolio/7624

やはり第一に気になるのは、道路側からの視線。目の前の道路を歩く人と目が合ってしまった瞬間、もちろん相手に悪気がなくても、「家の中を見られたのではないか」と感じてしまうのではないでしょうか。

そんな気苦労がないためにも、玄関前に目隠しフェンスなどを設置して、外部からの視線をカットしましょう。

防犯のため

ご自宅の前の人通りが少ない場合、防犯面にはより一層気を付けたほうがいいでしょう。侵入者にとって、周囲の人に見られないほど犯罪のチャンスになります。また、家の中が丸見えになるという状態も、侵入者に中の様子や、留守にしていることを知らせているようなものです。目隠しの塀やフェンスを設置することで、侵入者に状況を知られにくく、侵入されにくい環境をつくりましょう。

子どもの急な飛び出し防止対策にも

小さな子どもがいるご家庭では、急な飛び出し対策として、目隠しが役に立ちます。玄関ドアを開けた子どもは、目の前の道路に勢いよく飛び出してしまいがちですが、玄関前に目隠しとなるフェンスがあることで、自然と足が止まるものです。

おしゃれなデザインを楽しむ

目隠しでおしゃれなデザインを楽しむ
https://pic.takasho.jp/portfolio/596

ただ塀で敷地を囲ってしまうのでは、圧迫感があり、見栄えもよくありません。目隠しには、横板張りのものや角材を縦格子状に並べたものなど、いろいろなデザインがあり、素材もさまざまです。

住宅のファサードにフィットする目隠しで、家の外観のデザイン性を高めることができます。

このように、玄関前の目隠しは、ただ外からの視線を遮り、プライバシーを守るだけでなく、防犯や事故防止策として、また、外観をおしゃれに見せる面でも役立つのです。

玄関の目隠しの方法って、どんなものがあるの?

玄関の目隠しの方法はさまざまです。

例えば、プライバシーを重視したいのであれば、人間の視線の高さが1.6~1.7mの位置になると考えると、ブロック塀の高さを2m程度にすることで、外部からの視線を完全にカットする目隠しになります。

デザインを重視したい方は、住宅の外壁や、バルコニー、玄関ドアなど、住宅の一部に使っている素材や色に合わせた目隠しにすると、住宅とエクステリアの調和や全体の統一感がとれたデザインになります。

また、子どもの飛び出しなどを防ぐための目隠しは、完全目隠しの塀ではなく、ポリカボネートのクリアマットで採光を取り入れて、周りを明るくする透過性のあるもの(下写真1)や、等間隔に並べた角材で圧迫感のない風通しのよいもの(下写真2)などがオススメです。

1:ポリカボネート・クリアマット(半透明)の目隠し(写真:タカショー)
1:ポリカボネート・クリアマット(半透明)の目隠し(写真:タカショー)
2:木目調木材(エバーアートウッド)の目隠し(写真:タカショー)
2:木目調木材(エバーアートウッド)の目隠し(写真:タカショー)

このように、玄関の目隠しにはさまざまな方法があり、用途や目的によって選ぶことが大切です。メーカーやホームセンターのカタログから、お好みの目隠しのデザインを探してみましょう。

最近人気の玄関の目隠し施工例を紹介!

機能性とデザイン性を併せ持った目隠しの方法が分かったところで、住宅デザインにぴったり合ったおしゃれな玄関の目隠しの事例をご紹介します。

シンプルなフロントヤードにナチュラルテイストをプラス

シンプルなフロントヤードにナチュラルテイストをプラス
http://pic.takasho.jp/portfolio/2851

コンクリート打ち放しの門構えとモダンなデザインの住宅に、ダークなブラウン色の目隠しを設けることでナチュラルモダンなイメージに。植栽との相性も◎です。

ダークなブラウン色の目隠しを設けることでナチュラルモダンなイメージに
(写真:タカショー)

こちらは、ホワイトが基調となったシンプルな住宅にブラウン色の木目調スリットのある目隠しを設置。植栽との相性もよく、安らぎ感のあるナチュラルモダンなイメージになっています。

目隠しに細やかな工夫が施されたフロントヤード

目隠しに細やかな工夫が施されたフロントヤード
http://pic.takasho.jp/portfolio/1737

白の漆喰(しっくい)と濃い色の腰壁や千本格子(縦格子)、御影(みかげ)風の白い敷石の素材が和のスタイルでまとまっています。また、塀の一部に設けられた丸窓と白と黒のコントラストで和のイメージを強調しています。

よく見ると、向かって右から左側に斜めに高くなっているゲートがあります。お客さまがこの門前に来たときに、格子戸の向こう側左手に玄関があることを暗示しているかのような演出を感じさせます。

さらに開かれた格子戸の向こうにも、アイストップになる丸窓付きの目隠しが見え、全体の統一感と独特な遠近感が出ています。

左側の塀の足元にあるオタフクナンテンの植栽や、門の右側にあるトクサも和を代表する植栽です。

見事な落ち着きのある、和モダンスタイルの立派な門構えになっています。

和風建築に合わせた門構えのデザイン

和風建築に合わせた門構えのデザイン
http://pic.takasho.jp/portfolio/2339

和瓦屋根の住宅や通気性のある糸屋格子の目隠しで和風のバランスがとれています。

玄関の引き戸や糸屋格子の目隠し、右手の低い格子フェンスともに縦格子のデザインにしているため、おしゃれな和のイメージに統一されています。住宅外壁の縦格子と門袖も縦格子と合わせてスリットを入れ、より一層の統一感を出しています。

玄関ポーチやアプローチの自然石乱貼りや、植栽のタマリュウも和風のイメージづくりに欠かせないアイテムです。

余談ですが、この「糸屋格子」は、京都の宮津町家で最も多い格子組です。その語源は、親格子1本、子格子(切子)2本とすることで、リズムと音色を感じさせつつ、採光をよく確保できたため、商品の地色で商売をする糸屋、紺屋、呉服屋などの繊維関係の店構えに使われたことから、「糸屋格子」といわれるようになりました。

フェンスなど門まわりの素材感を意識した目隠し

フェンスなど門まわりの素材感を意識した目隠し
https://pic.takasho.jp/portfolio/11490

建物全体が白ベースの中、フェンスと目隠しなど、門まわりのアイテムは暖色系でまとめています。この暖色系の部分に木目調の素材感を出すことで単調さをなくしたデザインになっています。

このエバーアートフェンスやエバーアート門扉は人工木材ですが、木目や節などの表情がよく出ています。

 

玄関前に設置する目隠しは、プライバシーを保つ以外に防犯や子どもの危険防止策、風通し、採光など、さまざまな役割と機能があります。

実際の施工例から和モダンが人気傾向にありますが、最近では、より洋風に寄った個性豊かなナチュラルモダンのデザインもよく見かけるようになりました。

ここでご紹介した施工例を参考に、住宅とエクステリアデザインにフィットした素材と色で玄関前をおしゃれに目隠ししてはいかがでしょうか。

Credit

文:松下高弘

文/松下高弘(まつしたたかひろ)

長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、手描きパース・イラスト・CG・模型等のプレゼンテーションや大手ハウスメーカー社員研修、エクステリア業の研修講師およびセミナープロデュースを行う。

著書には、『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』、『住宅エクステリアのパース・スケッチ・プレゼンが上達する本(彰国社)』など。新刊『気持ちをつかむ住宅インテリアパース(彰国社)』、大手書店に続々登場!!

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