ガーデニング&雑貨ショップ「みどりの雑貨屋」
RIKA -ベランダガーデニングクリエイター-の記事
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観葉・インドアグリーン
グリーンコーディネーターに教わる! 暮らしを美しく整える、インドアグリーンの選び方
お部屋をぐっと素敵にするにはグリーンにも役割を持たせること 空間に緑があるだけで、人の気持ちは自然と潤うもの。「好きだな」と感じた植物を取り入れることが一番ですが、ただ並べるだけでは部屋のなかは雑然としてしまいがちになります。インテリアを美しくまとめるためには、家具や雑貨のデザインやサイズ感を考えるように、植物もインテリアの一部として選ぶことが大切です。今回は、そんな選び方のヒントとおすすめの植物をご紹介します。 役割①視線を集めるフォーカルポイント 背丈が高く大きいグリーンは、日常に心地よいアクセントをもたらし、空間を印象的に仕上げてくれます。リビングや玄関に一つ置くだけで、そこに視線を自然と集めながら、他の植物につなげていくような、フォーカルポイントの役割を担ってくれるのです。 【おすすめプランツ3】 1.ウンベラータ Ficus umbellataクワ科/常緑高木/熱帯アフリカ原産 大きなハート型の葉が魅力的で、リビングに置くだけでやさしい雰囲気を演出。丈夫で育てやすく、成長も早いのが特徴です。明るく開放的な空間づくりにぴったりのグリーンです。 2.カシワバゴムノキ Ficus lyrataクワ科/常緑高木/熱帯アフリカ原産 カシワの葉のようなユニークな形の葉が特徴で、存在感たっぷり。落ち着いた深緑色の葉はインテリアをぐっと大人っぽい空間に見せてくれます。 3.エバーフレッシュ Cojoba arboreaマメ科/常緑高木/中~南アメリカ原産 繊細な細い葉が涼やかで軽やかな印象。夜になると葉を閉じ、朝になるとまた開くというユニークなリズムも楽しめます。柔らかい雰囲気をまとった姿は、リラックスできる空間づくりにぴったりです。 役割②空間をふわりと柔らかく彩る やわらかな葉を広げる植物は窓辺や棚の上などに置くだけで、お部屋の空気感をやわらげ、リラックスできる空間をつくってくれます。 【おすすめプランツ】 1.ポトス Epipremnum aureumサトイモ科/つる性植物/ソロモン諸島原産 丈夫で育てやすく、つるを伸ばして軽やかな動きを出せる万能プランツ。 2.シュガーバイン Parthennocissus sugarvine ブドウ科/常緑つる性植物/オランダ原産 小さな葉が愛らしく、つるが伸びて軽やか。明るい日陰を好み、吊るすと空間をナチュラルに彩ります。 3.アスパラガス・スプレンゲリー Asparagus densiflorusキジカクシ科/常緑多年草/南アフリカ原産 軽やかな葉がふんわり広がり涼やか。明るい日陰を好み、置くだけで空間をやさしく彩ります。 役割③棚などの上に小さなワンポイントを添える テーブルや棚に小さなグリーンを置くだけで部屋の印象はぐっと変わります。コンパクトなグリーンは寄り添うような可愛らしさが魅力。鉢にこだわりながらお気に入りの雑貨と並べれば小さな癒やしのコーナーになり、視線を向けるたびに気分をリフレッシュさせてくれます。 【おすすめプランツ】 1.パキラ Pachiraアオイ科/常緑低木/南アメリカ原産 育てやすい幸運の木パキラ。瑞々しい葉が広がり、お部屋を明るく彩ります。 2.ガジュマル Ficus macrocarpaクワ科/常緑高木/アジア太平洋熱帯・亜熱帯地域原産 ぽってりとした幹が個性的で「多幸の木」とも呼ばれる人気の観葉植物。お部屋にやさしい存在感を添え、癒やしのシンボルとして楽しめます。 3.リプサリス Rhipsalisサボテン科/多年草/アメリカ~アフリカの熱帯・亜熱帯地域原産 サボテンの仲間でありながらトゲがなく、しなやかにつるを伸ばすユニークな存在。明るい日陰を好み、吊るすと空間をスタイリッシュに彩ります。 役割④空間にオーナメンタルな存在感を添える ユニークなフォルムを持つ植物は、それだけで部屋をドラマチックに変えます。独特のシルエットはまるでアートのようで、シンプルな空間に加えるだけで印象が深まり、インテリアの主役に。存在感のあるグリーンは日常に新鮮な刺激をくれる“生きたインテリア”です。 【おすすめプランツ】 1.サンスベリア Dracaenaキジカクシ科/多年草/アフリカ原産(おもに南部アフリカ) シャープな葉姿がスタイリッシュ。乾燥に強く明るい日陰でも育ち、空間をすっきり引き締めます。 2.アデニウム Adeniumキョウチクトウ科/常緑低木/アフリカ~アラビア半島原産 ふっくらした幹と伸びやかな枝が魅力。日当たりを好み乾燥に強く、空間をアートのように彩ります。 3.エアプランツ Tillandsiaアナナス科/常緑多年草/中~南アメリカ原産 土を使わず自由に飾れる姿が魅力。風通しと明るい日陰を好み、軽やかに空間を彩ります。 育てる環境が悪い場合は?フェイクグリーンを取り入れて 本物に憧れてもお世話が大変、飾りたい場所の日当たりや風通しなどが悪い……そんな方におすすめなのがフェイクグリーン。水やりや日当たりを気にせず飾れて、忙しい日々でも気軽に楽しめます。リアルな質感のアイテムを選べば、空間は違和感なく明るく華やぎ、“緑のある心地よさ”を感じられます。本物のグリーンと合わせて飾っても素敵なシーンを描くことができます。選び方は通常の植物合わせと同じで、隣り合うグリーンの色・形と引き立て合うことができるように、よく見極めましょう。 【おすすめフェイクグリーン】 1.つる性のアイテム 棚やカゴから垂らすだけで動きのあるコーディネートに。高い場所に飾るほどより映え、空間を華やかに彩ります。ポトス、シュガーバイン、へデラのフェイクがすすめ。2.ビカクシダのフェイク 鹿の角のように広がる葉姿が魅力のビカクシダ。水やりが難しい子の植物も、フェイクならお世話いらずで、安心。壁掛けやハンギングにすれば、空間をワイルドに彩ります。3.コンパクトなアイテム お好みの器を選び、棚やテーブルに置くだけで、空間を爽やかに彩りセンスアップしてくれます。土を使っていないので食卓上でも衛生的に飾れます。 4.大型・中型のアイテム 大きなグリーンを飾る自信がない方には、大型や中型フェイクグリーンがおすすめ。自然な質感で鉢付きのものを選べば、お部屋を一気におしゃれに仕上げることができます。お手入れ・水やり不要で移動も楽だから、模様替えも自由自在。インテリアの主役として輝きます。 インドアグリーンを長く楽しむために 室内で育てるインドアプランツもやはり“居心地”が大切。日当たりや風通し、温度や湿度を少し意識するだけで、植物はぐっと健やかに育ちます。それぞれの植物には好む環境があります。特性を知り、日々の小さな変化を観察することが、長く楽しむためのいちばんのコツです。 本物もフェイクも、グリーンは暮らしに彩りと癒やしを添えてくれる存在。お気に入りのひと鉢がそばにあるだけで、毎日の時間はもっと心地よく、そして豊かに変わっていきます。ぜひ、気に入ったひと鉢から育ててみましょう。
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暮らし
グリーンコーディネーターに教わる! インテリアを観葉植物と雑貨でおしゃれに飾るコツ
インドアグリーンで自宅はどこよりも心地よい空間に 多忙な毎日を送るRIKAさん。自宅にいる時間を日々大切に暮らしています。出かけないときのほとんどはLDKで過ごしているため、インテリアはナチュラルなカフェ風スタイルに設えて、心地よい空間づくりを心がけています。 壁は漆喰をDIYで塗装。家具はウッディなものを中心に、ライトやシェルフなどにはアイアンやスチール製のものをセレクトしています。ブラウンと白を基調にした落ち着きのある色でまとめられた空間に、動きとつややかさをもたらしているのがインドアグリーン。大好きな雑貨とグリーンをポイントに配しながら、瑞々しい癒しの時間を演出しています。コーナーのグリーンはヒメモンステラ。 インテリア空間はスッキリとまとめて瑞々しさと清潔感をアップ 「インテリア空間をデザインすることは、用いる植物は違えども、ガーデンをデザインすることと基本的には同じで、バランス感覚が重要」とRIKAさん。ただし、趣味の場であるガーデンとは異なり、室内は生活の場なので気を付けたい点がいくつかあります。RIKAさんが最も重要視していることは、‘スッキリとさせて清潔感を持たせること’。雑貨や植物を楽しく盛り込むベランダとは異なり、室内では、ほっとひと息つける心地よさを追求しています。 限られたスペースに、さまざまな植物を絶妙なバランスでレイアウトしたベランダガーデン。ジャンクなアイテムで無造作感を出し、楽しげな雰囲気を演出。 ベランダ、インドアどちらもグリーンが引き立つよう、極力にぎやかな色のものは使わないことが鉄則。ベランダではビビッドなカラーをアクセントとして少量使っています。 大きさの異なるグリーンを計画的にバランスよくレイアウトする インテリアでも、フォーカルポイントとなるような大きめのグリーンを1点置くようにしています。庭でいうシンボルツリーのような存在になるものです。シンボリックなグリーンを置いたら、これを軸にしてグリーンをバランスよく配していきます。フィカス・ウンベラータの葉は大きめですが、葉色が明るく光も通すので、圧迫感がなく、インドアプランツのシンボルツリーにぴったりのグリーンです。 鉢を置くことができないスペースには、ワイヤーやマクラメを使ってハンギングを。ベランダ側の壁を有効に使い、一幅の絵画のようなシーンを楽しんでいます。吊ったグリーンは、ディスキディア・フォルモサナと斑入りのポトス。棚の上にあるグレーの鉢にはリプサリスを。 チェストの上は、雑貨とグリーンを飾る場に。壁にかけたシダの絵を中心にして、カシワバゴムノキ、セローム、シェフレラなどの鉢を雑貨と並べました。小さいものはボックスや古材を台にして高低差をつけ、美しいバランスを取っています。 リプサリスやサンセベリアなど、多肉植物をまとめたコーナー。枝を伸ばすミルクブッシュやチランジアは、スタンドを使ったり縦長の器に入れたりして、それぞれの個性を際立たせています。 ダイニングとキッチンの境目となるアイランド型キッチン台のコーナーに、やや大きめなグリーン・ヒメモンステラをレイアウト。キッチンとダイニングの空間をやんわりと仕切る役目を担っています。 テーブルやキッチン台の上には、コンパクトなグリーンを飾っています。ここは特に清潔感を維持したい場所なので、鉢皿とセットになった鉢に人工用土(セラミス)を使用することも。 水をやる時は、洗面所やキッチンのシンクに持って行き、鉢底の穴から流れ出るほどたっぷりと。その後、しっかり水が切れてから鉢皿に戻しています。 雰囲気の異なるグリーンも使ってインテリアの表情をより豊かに 室内外で共通するイメージは、‘ナチュラル’。しかし、やわらかいナチュラル一辺倒ではなく、ポイントで野生味のある力強いグリーンを加えて雰囲気に変化をつけ、空間の表情に奥深さを与えています。 小鉢を並べたチェストの前には、ダイナミックに茎を伸ばすリュウビンタイを。ブリキのバケツに入れてワイルドさを強調。 照明のレールを活用し、流木につけたビカクシダをハンギング。ネジを取り付けた流木2カ所にワイヤーを巻き付けて輪を作り、そこにS字フックを引っかけて吊り下げました。取り外しが簡単なので手入れも楽で、時々お風呂場に持って行き、葉や根元にシャワーでたっぷり水をかけてメンテナンスをしています。 雑貨と合わせても、スッキリ感は忘れずに 雑貨が大好きなRIKAさんは、グリーンと合わせて、美しくも楽しいLDKを演出しています。「空間をより魅力的に見せるには、すべてが調和していることです」。自己主張の強い派手なモノは避け、こまごましくならないように気を付けています。では、それぞれのコーナーに使われているインドアグリーンと、その魅力をご紹介しましょう。 シェフレラなどコンパクトなグリーンと、スクエアの雑貨類をリズミカルにレイアウト。アルファベットのオーナメントをアクセントにして遊び心を。 白い産毛をまとったユニークなブレインカクタス。ブック形のボックスの上に置いて、控えめな愛らしさをぐっと引き立てています。 ベランダでも活躍しているキャベツボックスは、インドアグリーンを飾るのにもピッタリ。濃緑葉のコーヒーノキと黒板を配して、ビターなコーナーを演出。 チランジアを鳥かご型ワイヤーバスケットに乗せたディスプレイ。洋書風のボックスをそばに置き、彩りを控えたシックなコーナー。 リプサリスやドルステニア・フォエチダの傍らに配したのは、タビビトノキの真っ青なタネ。2枚重ねた板を台にして糸巻きと飾り、立体感を出しながらクールなカラーにまとめています。 ドライフラワーも合わせてシーンに軽やかさをプラス 草花のドライなども、グリーンと一緒に飾るのがRIKAさん流。瑞々しい植物とは相反する乾いたアイテムですが、緑や茶色などのナチュラルカラーならグリーンとの相性は抜群です。グリーンにはない軽やかさをもたらしてくれます。 ベランダで咲いたアジサイ‘アナベル’をドライフラワーにするために、枝にとめ付けてハンギング。 おしゃれな園芸店などで販売されているウラボシ科の植物、ドリナリア・クエルシフォリアの貯水葉。数枚を束ねただけですが、サンセベリアを飾ったメンズライクなコーナーで、おしゃれなオーナメントとして存在感を発揮しています。 お掃除をラクにしてくれるアイテムを積極的に使って サボテンなどのトゲがあって運びにくい植物や、こまごましいものをまとめた台は、掃除の度に動かすのは面倒なもの。そんなときは、キャスター付きの鉢カバーや木箱を使うと、移動がぐっとラクになります。 例えば、重量のあるハシラサボテンは、キャスター付き木製の鉢カバーに入れてディスプレイ。 セロームやコーヒーノキ、アイビーなどのこまごまとした小鉢は、キャスターの付いたキャベツボックスの上にまとめて飾り、塊で楽しむコーナーに。これらの商品はRIKAさんがアドバイザー&コーディネーターをしている「みどりの雑貨屋」で扱っています。 光の弱い場所にはフェイクグリーンを使う エアプランツなどのフェイク。 光が入らない場所や、高い位置で世話がしにくい場所にグリーンが欲しい場合は、フェイクを活用するのがオススメとRIKAさん。無理して植物を育てても、育てる側にも植物にもストレスがかかります。「フェイクだからと排するのではなく、その場所に似合うモノを選んで、自由に飾って楽しんでいます。エアコンのホースなどの目隠しにも活躍してくれますよ」。明るい場所でグリーンと組み合わせて飾っても◎。フレキシブルに使って楽しみの幅を広げましょう。 パーセノシッサスシュガーバインのフェイク。 アジアンタムのフェイク。 シルバーリーフのフェイク。 照明レールにはしごを吊るし、グリーンのフェイクをたっぷり飾ってアレンジ。 エアプランツのフェイクも充実。異なる高さ、フォルムのものを合わせた、絶妙なバランスのコーデイネート。シックな色味の中、赤いローズヒップがアクセントカラーに。 ベランダのオリーブを室内に取り込んで楽しむ この年は鉢を麻布でカバーして、ぬくもりのあるディスプレイに。 毎年クリスマスが近くなると、ベランダで育てているオリーブをリビングに取り込み、オーナメントを飾り付けて楽しんでいます。オリーブは丈夫ですが、空調の風が当たらないような場所に置きましょう。 手入れのポイントは「自然に近い状態にすること」 RIKAさんが心がけていること。それは、異なる植生の植物を一緒に育てていながらも、それぞれが好む状態=自然界に近い環境を作ることです。室内だと、つい水をやりすぎてしまいがちですが、乾湿のメリハリをつけてやるようにしています。また、植物はエアコンなどの人工的な風を嫌うので、直接当たらないように心がけています。 葉水も病気予防に有効で、葉に元気がなくなってきたら、お風呂場で葉をしっかり濡らすようにしています。そうすると、たちまち元気を取り戻すのだそうです。また、施肥には液体肥料「ペンタガーデンValue」を愛用。この肥料には、植物の光合成を活性化させるALAが入っているので、暑さ寒さ、日照不足などによる体力低下で元気がなくなったときに効果があります。 ベランダガーデンから、植物の癒しを実感したRIKAさん。インドアグリーンを暮らしに取り入れたことで、生活空間全体に癒しがもたらされました。観葉植物は、成長が速く成果がすぐに現れる喜びがあり、雑貨類とも相性がよいので組み合わせる楽しさがあります。そんな楽しさいっぱいのインドアグリーンライフが、RIKAさんのグリーンコーディネーター人生に深みを与えてくれています。 併せて読みたい
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ベランダガーデニング
ベランダでガーデニング!植物と雑貨でおしゃれに飾る「無粋な場所を隠すテクニック」
緑が瑞々しく育つベランダを実現 徹底したカバー力と演出力で、何もなかった殺風景なベランダを観葉植物やハーブなどが瑞々しく育つ空間に変えてしまったRIKAさん。ベランダの仕様や条件は、一般的な賃貸マンションやアパートなどと同じです。実際にどのような技を駆使して仕上げたのかを教えていただきました。 まずは、ベランダで広い面積を占めている無機質な基礎部分を隠す 引っ越し当初の、横幅7m×奥行き1.8mのベランダ。殺風景で寒々しい風景が広がっています。 引っ越し前のベランダで使っていた少量の木板をベランダの一角に敷き、以前から使っていたアイテムを並べました。しばらくして、湿気で床板が腐るのを防ぐために、ホームセンターで購入した押し入れなどで使うプラスチックのすのこを敷き、その上に長さを違えた木の板をのせ、今の状態に仕上げました。 白くペイントした木板を4枚一組としてすのこ状に組み立て、裏側にラティス用固定金具(フックなど)を2つ取りつけ、腰壁の上面にひっかけて無粋な壁を端からカバー。その際、腰壁に取りつけられていた洗濯物干しのバーは不要なので撤去しました。 白い木板のウォールが完成! 塗りムラで表現したエイジング加工が、空間の表情を深めています。 1年に1回を目安にベランダを大掃除をしよう RIKAさんは1年に1回を目安に、床板とプラスチックのすのこを取り外して、床面や側溝、排水溝などの掃除をしています。その際、床板・スノコについているほこりなどは、小さなホウキで丁寧に払って。取り外した床板は、後で並べる順番が分からなくならないように、印をつけるなどして同じ場所に戻すようにしましょう。 ベランダの中で生活感がある場所を徹底的におしゃれに隠してガーデニング ベランダには、配管や隣家との間の仕切り壁など、ちょこちょこ見せたくないカ所があるものです。ほんの小さな所でも、それだけで空間の雰囲気が台無しになりかねません。それ自体に手を加えることはできないので、簡易的にカバーしてしまいましょう。雰囲気を変える際も便利です(避難経路は塞がないなど、お住まいの建物の管理規約に準じ、該当する場所は避けてデコレーションをしましょう)。 天井から床まで通っているグレーの排水管には、ホームセンターで購入した金網を巻きつけてワイヤーで固定しました。金網にはあらかじめジェルタイプの水性ステイン‘アンティーキングジェル’でエイジング加工を施し、無機質感をカバー。排水管を全体的に覆ったら、つる性植物のシルクジャスミンを絡め、瑞々しいオベリスクとして活用しています。 水場も生活感が漂いがちです。最も隠したいシンク下の配管を、雑貨と植物で完全にカバー。その延長で白い陶器のシンクも半分覆い、やんわりと隠しています。 味気ない蛇口は、真鍮のアンティーク蛇口と取り換えました。水場の上にある段差にはウッドボックスを立てて入れ、飾り棚のように見せて雰囲気を高めています。 ベランダの仕切り壁は、最も簡易的にカバー 隣家との境の仕切り壁も、そのままでは雰囲気が台無しです。とはいえ、板などで完全に塞いでしまうと消防法に抵触するので、大きなものでは隠せません。そこでRIKAさんは、コーヒー豆の麻袋を広げてカーテンをつっかい棒で下げて簡易的に覆いました。これなら簡単に外せます。 平板な印象にならないように、麻袋で作ったカーテンにオーナメントをひっかけ、愛らしいアクセントをプラス。 生活感漂うバックヤードは見えにくい側に設ける おしゃれな室内。リビングからキッチン側の窓の外は、ほとんど見えません。 ベランダはガーデニングの場だけでなく、生活の場でもあります。一時的にゴミを置いたり、日当たりを確保して洗濯物を干したりするスペースが必要ですが、それらをきれいにしつらえたメインのガーデン内に設けることは避けたいもの。そこでRIKAさんは、横長のベランダの2/3をガーデニング用スペースに、1/3を生活の場にと、二分しました。その際、キッチン側とリビング側のガラス窓の間にある壁を、二分する切り替えポイントとして活用。バックヤードはキッチン側のベランダに設けました。リビングからはほとんど外の様子が分かりません。 2つのゾーンの間に、ユーカリやオリーブなどの樹木をバランスよくレイアウト。冬でも常緑の葉が奥の風景を目隠ししているので、メインのガーデンからも、バックヤードは気になりません。 思い切ったベランダDIYでバックヤードをより快適に 以前、室外機は床に置かれていました。無粋なうえ、吹き出る温かい風で植物が傷むほか、場所も取るので、思いきって業者さんに依頼して頭上に設置してもらいました。これで空間を有効に使うことができるようになったので、キャベツボックスを並べてラックにし、多肉植物などを飾っています。 空間の雰囲気を損ねていた物干しのステンレスポールも目立たぬようにひと工夫。2×4材でパーゴラのような物干しをDIYしました。材はサンダーをかけたあと水性ステイン(ウォールナット)を塗り、乾いたらオフホワイトの水性ステイン(ミルクペイント)をかさつくようにムラを作りながら塗装。最後に保護のために、油性のウッドステイン(オールドビレッジ クリアペーストグレーズ )を塗ってコーティングしました。 ガーデニングの作業場もベランダにおしゃれにしつらえ、魅せる場に ガーデニングの作業場は、バックヤード側に設けました。寄せ植えなどをする作業台は、ミシン台風の脚に古材の足場板をつけてDIY。ガーデン側から見えてもさまになるように、おしゃれな見映えに仕立てています。 培養土は、緑のホウロウの容器に入れて保存しています。 肥料や殺虫剤もウッドボックスに入れて、おしゃれに収納。 ベランダはリビングの一部。美しい空間づくりにこだわって ベランダガーデンは、リビングの先に新たに広がる‘インテリアの一部’として捉えているRIKAさん。屋外と切り離すのではなく、リビングと一体化するような空間づくりに励んでいます。朝、ベランダが見える窓のカーテンを開ける瞬間、植物の変化を感じる瞬間、どれもが、自分でつくり出したかけがえのない瞬間。そんな愛おしい瞬間が、忙しいRIKAさんの毎日に力を与えてくれています。 どこにでもある一般的なベランダを、みごとな隠し技で美しい空間につくり上げているRIKAさん。ご家庭のベランダだということを忘れてしまいそうな仕上がりです。ご紹介のおしゃれに仕立てるコツは初心者さんでも真似できそうですね。ぜひ参考にしてみてください。 併せて読みたい
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ベランダガーデニング
ベランダガーデンを植物と雑貨でおしゃれに飾る「素敵なコーディネートとは?」
念願のベランダガーデンづくりに長年かけて磨いたセンスを注ぎ込んで 11年ほど前からベランダガーデンを始めたRIKAさん。以前から植物に囲まれた生活に憧れてはいたものの、転勤が多かったため、ベランダに本格的なガーデンの作り込みをすることはできませんでした。そして今のマンションに定住したのをきっかけに、念願のベランダガーデニングライフがスタート。それまであたためていたアイデアや育ててみたかった植物を盛り込み、ベランダとは思えない緑あふれる空間に仕上げました。 それほど大きくない鉢植えで構成しているのに、こんなにも瑞々しい空間が完成。 空間づくりのキーワードは「植物×古びたモノ」 かつて訪れたインテリアショップ『THE GLOBE』(東京都・世田谷区)の一角に設けられたジャンクな庭に、大きな衝撃を受けたというRIKAさん。その庭の制作者はガーデンスタイリスト・川本諭さんでした。「植物×古びた道具」で見せるジャンクで独特な空間づくりは、それまでにはないガーデンの世界。その味わいのあるカッコよさに魅了され、川本さんが植栽を手掛けたカフェ『CHUM APARTMENT』(東京都・目黒区)にも訪れました。そこでも「植物×古びたモノ」でカッコよく演出された「計算された無造作感が生み出す美」に感銘。この2つのガーデンとの出合いが、今のRIKAさんの空間づくりに対する考え方の基礎を形づくったのでした。その後、そういった視点で洋書などを眺めながらセンスアップを図り、現在のようなベランダが生まれました。 お気に入りの植物や雑貨をかわいらしく見せる6つのポイント 美しく、心地よい空間が広がるRIKAさんのベランダガーデン。さまざまな創意工夫が集まり、この庭ができています。なかでも特に意識していることが「力みを感じさせずに、無造作に見せる」こと。川本諭さんが手掛けた庭で刺激を受けて以来、RIKAさんのベースになっているセオリーです。また、生活感を出さないことも大きなポイントです。それでは、それらを含めた6つのポイントにクローズアップしてみましょう。 Point1〔高低差をつくり、メリハリをつける〕 キャベツボックスを重ねて、空間を有効利用。背景にしつらえた白いフェンスにも、グリーンや雑貨をバランスよく配しています。 ポイント2〔前後に重ねて奥行きを出す〕 アイテムを前後に重ねることで、シーンを重層的に見せています。奥に配した木の車輪は、厚みがないのでオススメ。 ポイント3〔向きにばらつきを持たせて置く〕 それぞれのラインを揃えて整然と飾るのではなく、角度を振るようにしてあしらうことで、シーンに動きが加わっています。雑然とした印象を与えない絶妙なバランスも見事。 台として使ったキャベツボックスに対し、プレートの向きをずらして配し、小さな鉢の愛らしさを引き立てる舞台に。 ポイント4〔無造作感を出す〕 小さな鉢を重ねて転がしラフに飾ることで、シーンに遊び心がプラス。古びたアイテムは、特にこういった無造作なスタイルがよく似合います。荒れた印象にならないように乱用は避けて。 ポイント5〔人の気配を感じさせる〕 ホウキやジョウロ、スコップなどのガーデン道具は完全に見えない場所に収納するのではなく、庭を飾るアイテムの一つとして活用しています。そうすることで人の気配を感じさせることができ、空間にあたたかみや安心感を生まれます。 ポイント6〔ポイントで差し色を入れる〕 全体的に自己主張が強くない素朴な色や素材を選んでいますが、ぼんやりした雰囲気にならないように、アクセントカラーになるものをポイントでプラス。赤いスコップが、緑の中でキリリと効いています。 限られたスペースで、大好きなグリーンと雑貨を巧みに使いながら、居心地のよいベランダガーデンを演出しているRIKAさん。力みを感じさせないナチュラルな空間ですが、それは細やかな計算によって生み出されたものです。ぜひ参考にしてみてください。次回は、‘難を転じて福となす’技をご紹介します。 併せて読みた