スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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樹木

モクレン(木蓮)は優しい香りと清楚な花が魅力! 特徴や育て方を詳しく解説
モクレンの基本情報 Marinodenisenko/Shutterstock.com 植物名:モクレン学名:Magnolia liliiflora(Magnolia quinquepeta)英名:Magnolia和名:モクレン(木蓮)その他の名前:シモクレン科名:モクレン科属名:モクレン属原産地:中国南部分類:落葉性中高木 モクレンは、モクレン科モクレン属の落葉樹。原産地は中国で、暑さや寒さに強く、日本の気候に馴染みやすく育てやすい花木の一つです。葉を展開する前に、大きな花がたわわについて満開になる姿は見応えがあり、シンボルツリーとして庭に取り入れるケースも多いようです。花が咲くと、爽やかな甘い香りを楽しめます。 モクレンの花や葉の特徴 IMG Stock Studio/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:3〜4月樹高:4〜5m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:ピンク、複色など モクレンの開花期は3〜4月で、新葉が芽吹く前に花が満開になります。花色はピンクや、外側が赤紫で内側が白い複色など。6枚の花弁を持つ、チューリップに似た花径7〜10cmの大きな花が、枝から天に向かってまっすぐ立ち上がるのが特徴です。花後に芽吹く葉は卵形で15cm前後。自然樹高は4〜5mですが、剪定によって樹高をコンパクトに抑えることも可能です。 モクレンの名前の由来や花言葉 Mike Pellinni/Shutterstock.com モクレンという名前は、漢字で「木蓮」と書くとおり、花がハスに似ていることに由来します。かつてはランの花に似ているとして、モクラン(木蘭)と呼ばれていたこともあります。モクレンの花言葉は「自然の愛」「崇高」「持続性」などです。 モクレンの種類や品種 サラサモクレン。LifeCollectionPhotography/Shutterstock.com トウモウレン(唐木蓮)は花や葉が木蓮より小さめで、ヒメモクレン(姫木蓮)の別名も持っています。樹高もコンパクトで3m以内にとどまるので、小さめの庭におすすめ。サラサモクレン(更紗木蓮)はモクレンとハクモクレンを交配した品種群で、花弁が大きく豪華な咲き姿を見せる‘アレキサンドリナ’が有名です。 モクレンの栽培12カ月カレンダー 開花時期:3〜4月植え付け:1月〜3月上旬植え替え:4月下旬〜5月上旬肥料:1~2月、9月 モクレンの栽培環境 Alex Manders/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。あまり日当たりがよくない場所では、花つきが悪くなってしまうので注意してください。 【日当たり/屋内】一年を通して屋外で管理します。 【置き場所】水はけ・水もちがよく、有機質に富んでふかふかとした土壌を好みます。樹高が4〜5mほどになるので、枝葉を伸ばしたときに邪魔にならないような場所をあらかじめ確保しておきましょう。根が粗くて細根が少ないため、成木になると移植を嫌うので、植え場所は十分検討しましょう。 耐寒性・耐暑性 日本の気候に馴染みやすく、暑さ寒さに強いので、一年を通して戸外で管理でき、冬越し対策なども特に必要ありません。 モクレンの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、直径・深さ約50cmの穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで穴に戻しておきます。土づくりの後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用培養土を利用すると手軽です。 水やり Afanasiev Andrii/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために、枝葉全体にかけるのではなく株元の地面を狙って与えてください。 真夏は気温が高い昼間に水やりをすると、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は気温が低くなる夕方に水やりをすると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根付いたら、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に開花期や真夏は水を欲しがるので、水切れしないように注意しましょう。 肥料 sasimoto/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。その後は9月に追肥として緩効性肥料を株の周囲にばらまき、スコップなどで軽く表土を耕し、土に馴染ませます。 越年後は、毎年1〜2月と9月に緩効性肥料を与えましょう。 【鉢植え】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。その後は3〜6月に追肥として、緩効性肥料を月に1度を目安に施します。越年後も毎年3〜6月に追肥として緩効性肥料を、月に1度を目安に施しましょう。 注意する病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 モクレンに発生しやすい病気は、うどんこ病、すす病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が茂りすぎて風通しが悪くなると発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 すす病は、一年を通して葉や枝などに発生する病気です。葉に発生すると表面につやがなくなり、病状が進むと黒いすすが全体を覆っていきます。見た目が悪くなるだけでなく、葉に広がると光合成がうまくできなくなり、樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因で発生するので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込み合っている枝葉があれば剪定して、日当たり・風通しをよくして管理します。 【害虫】 モクレンに発生しやすい害虫は、カイガラムシ、カミキリムシなどです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物が原因ですす病が発生し、二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 カミキリムシは、主に夏から秋に発生しやすくなります。カミキリムシの幼虫が幹に穴をあけて中に侵入し、木質部を旺盛に食い荒らすので注意。被害が進むと木が弱るうえ、中が空洞化して枯れてしまうこともあります。成虫が飛来して卵を産み付けるので、成虫や卵は見つけ次第駆除しておきましょう。また、木の株元などにおがくず状のフンを見つけたら、木の内部で活動していると推測できます。おがくずが出ている穴に、細長い針金状のノズルを差し込むタイプの薬剤を注入して駆除しましょう。 モクレンの詳しい育て方 苗の選び方 モクレンの苗木は、幹が太くしっかりしていて、枝ぶりがよいものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え Jurga Jot/Shutterstock.com モクレンの植え付けの適期は1月〜3月上旬です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢を軽くくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。苗木が若いうちは、支柱を立てて誘引し、強風などによる倒伏を防ぎましょう。しっかり根付いたら支柱を取り外してもかまいません。 地植えの場合、環境に合って健全に育っていれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 モクレンを鉢で栽培する場合は、入手した苗木よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木をポットから取り出して仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。苗木が若いうちは、支柱を立てて誘引し、強風などによる倒伏を防ぎましょう。しっかり根付いたら支柱を取り外してもかまいません。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替え適期は、開花が終わった頃の4月下旬〜5月上旬です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して、あまり根鉢をくずさずに、新しい培養土を使って植え直しましょう。 剪定 mihalec/Shutterstock.com 剪定適期は花後すぐで、新葉が出る前に行います。一般家庭では、樹高3〜5mまでに抑える剪定を行いましょう。モクレンは比較的樹形が自然に整うので、それほど剪定には手がかかりません。地際から出てくるひこばえは付け根から切り取り、枯れ枝や木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」なども枝元から切り取りましょう。また、込み合っている部分があれば、日当たり・風通しがよくなるように、透かし剪定をします。勢いよく長く伸びている徒長枝は、下から3〜5節残して切ると、花芽をつける短枝が出やすくなります。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com モクレンは、挿し木、接ぎ木、種まきで増やすことができます。いずれも簡単にたくさん増えるというわけでもないので、多めに作っておき、その中からよい苗木を選抜しながら育苗するとよいでしょう。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、モクレンは挿し木で増やすことも可能です。 挿し木の適期は、6〜7月頃です。モクレンは活着率が悪く、成功率が高くはないため、生育のよいものを選抜することを前提に多めに挿しておくとよいでしょう。その年に伸びた新しい枝を10cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して表土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて2〜3カ月ほど育苗し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【接ぎ木】 接ぎ木とは、増やしたい樹木の枝(穂木)と、強健な性質を持つ近縁の木の台木を用意し、その両方の切断面をつけて接ぎ合わせ、互いの性質を生かして増殖する方法です。 接ぎ木の適期は、2〜3月です。台木は同じモクレン属のコブシを選ぶとよいでしょう。コブシの台木は、種まきして育苗した2年目の苗木を用います。穂木は、2〜3芽ついた勢いのある枝を選び、枝先から5〜6cmのところで切り取りましょう。切り口は斜めにカットしておきます。台木は地上部の主枝をカットし、株元に縦へ切り込みを入れて穂木を差し込み、園芸用の接ぎ木テープでしっかり固定します。穂木が生育し始めたら成功です。 【種まき】 モクレンは開花後に果実をつけ、熟すと中から赤い種子が出てきます。そうなる前に莢の状態で採取して陰干しし、数日後に莢が裂けて出てきた種子を採取します。果肉を取り除いて流水できれいに洗い流し、そのまま種まきしましょう。 黒ポットに新しい培養土を入れて十分に湿らせます。モクレンの種子を黒ポットに数粒播いて軽く土をかぶせ、明るい日陰で管理。春に発芽した後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 モクレンを育てて春の庭を彩ろう! IanRedding/Shutterstock.com あまり高くなりすぎず、自然に樹形がまとまるモクレンは、比較的手入れのしやすい花木で、シンボルツリーとしても人気があります。暑さや寒さに強く、放任してもよく育つので、ビギナーにもおすすめ。花の少ない早春から咲き、春の喜びをいち早く感じることのできるモクレンを、ぜひ庭に取り入れてはいかがでしょうか。
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ガーデン資材

【ガーデンシェッド】庭にあると便利! 活用法とデザインバリエ
ガーデンシェッドとは LaMiaFotografia/Shutterstock.com ガーデニングの本場、イギリスや欧米では庭の物置小屋を「ガーデンシェッド」と呼び、庭道具を整理整頓しながらスマートにガーデニングをしています。上写真のように道具を収納するだけでなく、小屋の壁や扉などの外装をペイントして庭のおしゃれな背景として生かすのも、欧米のガーデナーはとても上手。日本でもおしゃれにガーデンシェッドを活用するベテランガーデナーが増えています。 ガーデンシェッドへ道具類をコンパクトに収納しよう CGN089/Shutterstock.com 小屋の中には、大小さまざまな鉢やコンテナを並べる棚のほか、自立しないスコップやほうきなどをかけるフックを工夫してDIYで用意すれば、狭い場所が有効活用できます。用土や肥料も種類ごとに整理しておきましょう。「持っていたのに同じものを買ってしまった!」とか、「今必要なのに作業が進まない」なんていう失敗防止にも役立ちます。 Chrislofotos/Shutterstock.com コンパクトなガーデンシェッドなら、扉の内側や外壁も活用して、スコップや剪定鋏などを吊り下げておくのもアイデアです。 庭に映えるガーデンシェッドの色バリエ Mikael Broms/Shutterstock.com Mikael Broms/Shutterstock.com ガーデンシェッドの外壁の色は、庭の緑に溶け込むモスグリーンにすると花色が引き立ちます。庭を広く見せたい場合にオススメのカラーリング。 Gary Pettit/Shutterstock.com Dimitar Kunev/Shutterstock.com 鮮やかなブルーやブルーグレーなども、ガーデンで人気のカラーです。オベリスクやフェンスも同じ色にペイントすると、庭に統一感が生まれます。窓つきなら、ぜひフラワーボックスを取りつけて、季節の花を咲かせましょう。 植物を沿わせる場所としてもガーデンシェッドを活用 Steve Cymro/Shutterstock.com ガーデンシェッドの壁や屋根を利用して、クレマチスや半つる性バラ、アサガオなどのつる植物を絡めるのもオススメです。 yurisyan/Shutterstock.com 自宅の壁につる植物を絡めてみたいけれど、ちょっと抵抗があるという人は、試験栽培に利用してみませんか。でも、つる植物に覆われて小屋が隠れてしまわないように、つるの伸びが緩やかな品種を選びましょう。 ガーデンシェッドは趣味を楽しむ場所としても Del Boy/Shutterstock.com ガーデンシェッドは庭仕事の休憩スペースやアトリエなど、思う存分趣味を楽しむための小さな家にもなります。扉のすぐ外は緑が茂り、庭から風が吹き込む心地よい室内。日常から離れ、ゆっくりした時間が楽しめます。お気に入りの椅子とテーブルを用意して、自分好みの場所づくりを楽しみましょう。 Rawpixel.com/Shutterstock.com ガーデンシェッドは収納場所に使うだけではもったいない! と、ドライフラワーをつくってストックし、クラフトをしたり、絵を描いたり。また、刺繍や縫い物などの手仕事をするためのアトリエとしてもぴったり。 Artem Kalashnikov/Shutterstock.com 庭で過ごす時間がもっと充実するアイテム、ガーデンシェッドがあれば、庭を素敵にグレードアップできます。お気に入りのデザインのイメージを固めて、キットハウスや製品を探したり、大工さんにオリジナルを施工してもらうのもよいでしょう。施工や設置の適期は、多くの植物が休眠する冬です。少しずつ準備して、夢のガーデンシェッドを手に入れてください。
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宿根草・多年草

セネシオ‘エンジェルウィングス’はシルバーリーフが魅力! 特徴や育て方を詳しく解説
セネシオ‘エンジェルウィングス’の基本情報 Elena Rostunova/Shutterstock.com 植物名:セネシオ‘エンジェルウィングス’学名:Senecio candicans "Angel Wings"英名:Sea Cabbage、Angel Wings和名:セネシオ‘エンジェルウィングス’科名:キク科属名:セネシオ属原産地:南米チリ分類:宿根草(多年草) セネシオ‘エンジェルウィングス’の学名は、Senecio candicans ‘Angel Wings’(セネシオ・カンディカンス‘エンジェルウィングス’)で、キク科セネシオ属の多年草。ガーデニングで人気の高いシロタエギクの仲間で、フェルトのような柔らかな触り心地のシルバーグリーンの茎葉が特徴です。常緑性のため、一年を通して美しい葉色を楽しめます。原産地は南アメリカのチリで、乾燥した気候下で自生してきたため、高温多湿が苦手。一方で寒さには強く、戸外で越冬できます。草丈は20〜50cmほどです。 セネシオ‘エンジェルウィングス’の花や葉の特徴 Peter Turner Photography/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:5〜7月草丈:20〜50cm耐寒性:強い耐暑性:弱い花色:黄色 細かい産毛に覆われたシルバーグリーンの茎葉は、平たく大きいのが特徴。柔らかくてフェルトのような触り心地も魅力です。初夏に黄色い花が咲き、茎葉とのコントラストが美しいのですが、葉の観賞を目的とするなら、株が消耗するのを防ぐためにつぼみのうちに摘み取るとよいでしょう。 セネシオ‘エンジェルウィングス’の名前の由来や花言葉 Peter Turner Photography/Shutterstock.com セネシオは学名のSenecioがそのまま流通名となったもの。ラテン語の「senex」を由来としており、老人という意味を持っています。エンジェルウィングスは品種名です。 花言葉は「いつも喜んで」。 セネシオ‘エンジェルウィングス’とシロタエギクとの違い 左がセネシオ‘エンジェルウィングス’、右がシロタエギク。simona pavan、Volodymyr Zakharov/Shutterstock.com セネシオ‘エンジェルウィングス’は、シロタエギクの仲間ですが、見た目には大きな違いがあります。シロタエギクは葉に多数の切れ込みが入り、レースのような繊細な葉姿が特徴ですが、セネシオ‘エンジェルウィングス’は対照的に葉には切れ込みがなく、大きな楕円形のぽってりとした姿をしています。 セネシオ‘エンジェルウィングス’の栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜7月植え付け・植え替え:通年(真夏を除く)肥料:3〜5月、9~10月 セネシオ‘エンジェルウィングス’の栽培環境 Ballygally View Images/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所で育てます。日当たりが悪い場所では、ヒョロヒョロとか弱い茎葉ばかりが茂って草姿が間のびするので注意しましょう。ただし、高温多湿には弱いので、真夏は西日の当たらない半日陰のほうが管理しやすいです。鉢植えの場合は、半日陰に移動するとよいでしょう。 【日当たり/屋内】一年を通して屋外で管理します。 【置き場所】自生地はほとんど雨が降らない乾燥した気候のため、水はけのよい土壌を好みます。鉢植えの場合、梅雨~夏にかけては、雨が当たらない半日陰に移動するとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 高温多湿の暑い夏を苦手とし、特に蒸れに注意が必要です。耐寒性はマイナス5℃程度と寒さには強いため、戸外で越冬できます。 セネシオ‘エンジェルウィングス’の育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておきます。水はけの悪い場所では、川砂やパーライトなどを施して土壌改良し、周囲より土を盛っておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。自身で培養土をブレンドする場合は、赤玉土中粒6、腐葉土4を混合し、さらに元肥として緩効性肥料を施しておくとよいでしょう。 水やり Osetrik/Shutterstock.com セネシオ‘エンジェルウィングス’は株全体に細かな産毛をびっしりまとっているため、茎葉に水がかかると蒸れやすくなるので注意してください。水やりの際には株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えるようにしましょう。 真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉を伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、多湿を嫌う性質のため、与えすぎには注意し、いつもジメジメしている環境にならないようにしてください。 土の表面が十分に乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水やり忘れに注意します。冬は生育が止まって表土も乾きにくくなるので、控えめに与えるとよいでしょう。 施肥 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 土づくりの際に、元肥として緩効性肥料を施しておきます。追肥はほとんど必要ありませんが、夏を除く3〜10月の生育期に株に勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見ましょう。ただし、夏に肥料が残っていると株にダメージになるので控えめに。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 セネシオ‘エンジェルウィングス’に発生しやすい病気は、ほとんどありません。 【害虫】 セネシオ‘エンジェルウィングス’に発生しやすい害虫は、アブラムシやナメクジなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ナメクジは、花やつぼみ、新芽、新葉などを食害します。体長は40〜50mmで、頭にツノが2つあり、茶色でぬらぬらとした粘液に覆われているのが特徴。昼間は鉢底や積もった落ち葉の底などに潜んで姿を現しませんが、夜に活動します。植物に粘液がついていたら、ナメクジの疑いがあるので、夜にパトロールして捕殺するか、ナメクジ用の駆除剤を利用してもよいでしょう。多湿を好むので風通しをよくし、落ち葉などは整理して清潔に保っておきます。 セネシオ‘エンジェルウィングス’の詳しい育て方 苗の選び方 葉色が美しく、株元がしっかりした苗を選びます。葉が黄色くなっていたり、株元がぐらついているようなものは避けましょう。 植え付け・植え替え OlegDoroshin/Shutterstock.com 植え付けは一年を通してできるので、苗を購入したら早めに植え付けてください。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、根鉢よりも一回り大きな穴を掘って苗を植え付けます。複数の苗を植える場合は、20〜40cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。 地植えの場合は、環境に合えば植え替えの必要はなく、そのまま植えっぱなしにしてかまいません。 【鉢植え】 苗を単植する場合は、5〜6号鉢を準備します。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、軽く根鉢をほぐして植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、古い土や根を落として新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 日常のお手入れ Aleksei Golovanov/Shutterstock.com 【つぼみの除去・花がら摘み】 初夏に小さな黄色い花を咲かせますが、どちらかというとシルバーリーフの茎葉を主に観賞します。花を咲かせると株が消耗してしまうので、茎葉の観賞を重視するならば、つぼみがついたら早めに摘み取りましょう。 また、花を楽しむなら、終わった花は、適宜摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まってしまうので注意しましょう。 切り戻し 草姿が乱れてきたら、適宜切り戻して株の若返りをはかります。草丈の半分くらいまでを目安に、深めにカットしましょう。梅雨前に行うと、株が蒸れやすくなるのを防ぎ、風通しよく管理することができます。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com セネシオ‘エンジェルウィングス’は、株分け、挿し芽で増やすことができます。 【株分け】 セネシオ‘エンジェルウィングス’の株分けの適期は5〜6月か10月頃です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げ、数芽ずつつけて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、セネシオ‘エンジェルウィングス’は挿し芽で増やせます。 セネシオ‘エンジェルウィングス’の挿し芽の適期は、5〜6月か10月頃です。新しく伸びた茎を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります(挿し穂)。水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を半分くらい切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。明るい日陰に置いて適宜水やりをしながら管理し、発根して十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 夏越し・冬越し Anton Starikov/Shutterstock.com ●夏越し 【地植え】 近年、日本は温暖化が進んで夏の暑さが大変厳しくなっています。高温や強光線によって株が弱るのを防ぐために、一日中チラチラと木漏れ日が差す程度の落葉樹の足元や、朝のみ日が差し込む東側などに移植するか、遮光ネットを張って対策するとよいでしょう。 【鉢植え】 茎葉が産毛に覆われているせいで蒸れやすいため、長雨が続く時期は軒下など雨の当たらない場所に移動するとよいでしょう。また、真夏の高温多湿の環境を苦手とするので、風通しのよい半日陰など、涼しい場所で管理します。 ●冬越し 【地植え・鉢植えともに】 寒さには強いので、暖地なら戸外で越冬できます。その際は、株元にバークチップなどを施してマルチングをし、凍結対策をしておくのがおすすめです。 セネシオ‘エンジェルウィングス’が枯れる原因と対処法 Elena Rostunova/Shutterstock.com セネシオ‘エンジェルウィングス’が枯れる原因の一つと考えられるのは、水の与えすぎです。自生地は乾燥した気候のため、日本のように雨の多い気候は苦手。地植えでは水はけのよい土壌をつくっておくこと、また鉢栽培では土がしっかり乾き切った頃に水やりをすることがポイントです。茎葉が産毛で覆われているために、水がかかると蒸れやすくなるので、水やりの際は表土に水を注ぐようにしましょう。 セネシオ‘エンジェルウィングス’購入時の注意点 Paul and Studio/Shutterstock.com セネシオ‘エンジェルウィングス’は、チリとの交流をきっかけに認可され、岩手県八幡平のみで生産されています(2022年調べ)。人気が高いながらも流通量は少なく、インターネットでの販売が中心です。正規に生産されている苗は‘エンジェルウィングス’のブルーのラベルが目印。ラベルのないものは不正に増殖されている可能性があるので、購入時には注意が必要です。 木立性セネシオとは Vipul1989/Shutterstock.com 「木立性セネシオ」の名で流通している草花がありますが、これはセネシオ‘エンジェルウィングス’とは別属で、キク科ペリカリス属に分類されています。花も葉も姿は全く異なり、花はサイネリアに似ています。花色は紫、ピンク、青、白があり、冬から春にかけて開花します。 セネシオ‘エンジェルウィングス’の白く愛らしい姿を楽しもう DRIMOROND/Shutterstock.com 寄せ植えなどでは、主役の草花の引き立て役として重宝するセネシオ‘エンジェルウィングス’。常緑のため、冬でも輝くような美しい葉姿を保つのもいいですね。カラーリーフプランツとして、ベランダや庭に迎え入れてはいかがでしょうか。
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樹木

山茶花(サザンカ)と椿(ツバキ)の違いは知ってる? そっくりな花の見分け方
そっくりなのに違う品種の山茶花(サザンカ)と椿(ツバキ) 童謡の「たき火」でも歌われているように、生け垣などにもよく使われているサザンカと、古くから美しい花が観賞され、特に茶花として好まれたほか、タネから採れる油もさまざまに利用されてきたツバキ。どちらも私たちの暮らしに馴染み深く、人々に愛されている花ですが、その2つの違いは? と聞かれたときに、はっきりしないという人も多いのではないでしょうか。 日本原産の花、学名はどちらもツバキ科ツバキ属のCamellia サザンカとツバキはどちらもツバキ科ツバキ属に属する植物で、学名はそれぞれCamellia sasanquaとCamellia japonicaといい、日本を原産とする樹木。サザンカは日本の固有種ですが、ツバキは台湾や朝鮮半島にも自生しています。 山茶花と椿を見分ける3つのポイント サザンカの中には、ツバキとの交雑によって生まれた品種もあります。そのため、花や樹形がそっくりなのも無理からぬこと。この2つの花を見分けるポイントには、主に次のようなものがあります。 開花期葉の特徴花の咲き方・散り方 では、それぞれのポイントについて、どのような違いがあるのか見てみましょう。 1. 開花期で見分ける Svetlana Lukienko, Ken Kojima/Shutterstock.com サザンカとツバキは、どちらも冬に花を咲かせますが、開花期には少し違いがあります。 サザンカは10月頃から花を咲かせますが、対するツバキの開花期は12~4月。また、サザンカには大きく分けて、サザンカ群、カンツバキ群、ハルサザンカ群の3つがあり、最も早く花を咲かせるサザンカ群は10~12月、カンツバキ群は11~3月、そしてツバキとの交雑種が祖だと考えられるハルサザンカ群が12~3月と、順番に咲き継いでいきます。 このように、秋咲き始めるのがサザンカ、少し遅れて冬になってから咲き始めるのがツバキという特徴があります。でも、咲く時期が重なっていることもあり、まだちょっと見分けにくいですよね。ほかの特徴も見てみましょう。 2. 葉の大きさと葉柄の毛の有無で見分ける サザンカとツバキを見分けやすいポイントとなるのが葉。葉の形はよく似ていますが、サザンカの葉は、ツバキと比べると一回り小ぶりです。そして葉の付け根部分にあたる葉柄に細かい毛が生えているものがサザンカ、毛が生えていないものがツバキです。ツバキの品種によっては、ユキツバキのように葉柄部分に毛が生えているものもわずかながらありますが、これで大体区別をつけられるはず。ちなみに、実のもととなる子房の部分にも、サザンカは毛が生えていますが、ツバキにはほとんど生えていません。 毛のあるなしは有効な判定方法ですが、手の届く範囲まで近寄って、よーく観察しないと見分けがつかないのも事実。そこで、遠目から見ても一番分かりやすい特徴が、花の咲き方・散り方です。 3. 花の咲き方・散り方で見分ける Inmt24/Shutterstock.com サザンカとツバキには、花の咲き方にもそれぞれ特徴があります。サザンカの多くは完全に平開して咲くのに対して、ツバキの花は、平たく開いて咲くことはほとんどなく、カップ状になることが多いです。パッと見たときに、一番見分けやすい特徴ですね。 もう一つの特徴は、花の散り方。これはよく知られていることでもありますが、ツバキの花は、そっくり丸ごとポトリと落ちるのに対し、サザンカの花は花弁がバラバラになってそれぞれ散っていきます。ただし、ツバキの園芸品種の中には、花弁が分かれて散っていくものもあるので、注意が必要です。 いかがでしたか。 近所に咲いているあの木の花、サザンカだったかな、ツバキだったかな、なんて思ったときには、上の特徴を見てみると違いが分かるかもしれません。園芸品種によっては、これらの特徴が当てはまらないこともありますが、原種の場合はきっと判断がつけられるでしょう。このほかにも、一般的にサザンカの花には香りがありますが、ツバキには香りのある品種は少ないなどの違いもあります。 ツバキとサザンカには、このように細かい違いがありますが、どちらも日本に自生し、長く愛されてきた花木。どちらも日本の気候風土の中で育てやすく、常緑で、冬に花を咲かせるという、ガーデナーにとっても嬉しい樹木です。ガーデンに取り入れてみるのもオススメですよ。 最後にクイズ! 下の写真はツバキ? サザンカ? (撮影は12月) そう! 花びらが平たく開いて咲いているので、正解はサザンカ。 ツバキにもたくさんの品種があり名前もさまざま。詳しくは以下の記事も参考に。 また、サザンカの剪定については、以下の記事も参考に。
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ガーデン資材

バードフィーダーを庭に置いて野鳥観察! 野鳥の好物とは?
庭にやってくる野鳥の種類 庭にやってきたシジュウカラ。Lovely Bird/shutterstock.com 住宅街などでも、野鳥観察が叶う必須のアイテムは、バードフィーダー(餌台)の設置です。部屋の窓からも見える場所に設置すれば、野鳥が逃げることなく観察することができます。庭にやってくる野鳥には、胸にネクタイのような模様があるシジュウカラや、茶褐色の体に白いほっぺのヤマガラ、美しい抹茶色のメジロ、ベージュの体に太いクチバシのシメなど。よく観察していると、平地でも10種類くらいの鳥を見ることができます。野鳥図鑑などの本を1冊側において観察すると、鳥の名前が分かって楽しいですよ。 バードフィーダーに置きたい!野鳥の好物とは? noxnorthys/shutterstock.com 果物 一番人気の果物は、柿。柿はヒヨドリ、ヒレンジャク、アカハラ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、スズメ、ムクドリなどが好んで食べます。リンゴやミカンも人気です。果物は食べやすく半分に切ってあげましょう。 落花生 キジバト、シジュウカラ、カワラヒワ、イカル、シメ、スズメなどが好みます。塩味のついていない殻付きのものを選び、殻の両端を切ってあげましょう。 パン・ごはん パンやごはんもよく食べます。パンは乾燥させて細かくしてあげると食べやすいようです。 ラード Nitr/shutterstock.com 動物の脂身やラードも冬の間の貴重なエネルギーになります。ラードのみでも食べますが、ラードを温めてゆるくし、ヒマワリのタネやアワなどを混ぜ込み、再び冷やし固めたものをバードケーキといい、たくさんの鳥が好みます。そのままエサ台に置くとカラスなど大型の鳥に丸ごとかっさらわれてしまうので、網などに入れてエサ台に固定するなどの工夫をしましょう。 庭にバードフィーダー(餌台)を置くメリット Stana/shutterstock.com 雪が多く降る地域では、人間の与えるエサが小鳥たちの生活の手助けになります。雪で埋もれないよう屋根付きのエサ台を高い位置に設置して、管理するのがよいでしょう。エサを与えるということは、小鳥たちの生活と関わるということ。いったん与え始めたら、気紛れにエサを置くのではなく、なくならないように定期的にチェックしましょう。また、エサを与えるのは野山にエサが少なくなる季節、冬の間だけにするのがガーデンバードウォッチングのルール。春になり、昆虫などが増えてきたらエサを置くのをやめましょう。自分でエサをとる野生の能力がなくなってしまいます。 小鳥のための庭づくり babetka/shutterstock.com 餌台には、木製や陶器、テラコッタなど既製品もいろいろありますが、屋根をガーデンにした草屋根のバードフィーダーはいかがですか? 屋根の部分に土の入るスペースを設けて、這性の植物を植えました。旺盛に茂って、屋根から溢れんばかりです。夏の暑さ対策にも役立つ餌台のアイデア。簡単なDIYで作れるので、チャレンジしてみては。ポイントは、屋根の上に波板をかませて排水スペースを作ることと、セダムや芝桜などの根の浅い植物を選ぶことです。 Bachkova Natalia /Shutterstock.com 鳥が好む実のなる木を庭に植えるのも、小鳥を庭に呼ぶよい方法です。「小鳥のための庭」というコンセプトで庭づくりをしてみても面白いですね。小鳥の好む実は、ナナカマドやガマズミなど。これらの植物については、「オータムベリーズ」のページで詳しくご紹介しています。
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ガーデンデザイン

オベリスクで素敵な庭づくり! 選び方やつる性植物の仕立て方を知ろう
オベリスクとは Molly Shannon/Shutterstock.com まずは、オベリスクとはどのようなものなのかをご紹介します。 オベリスクの概要 Andrew Fletcher/Shutterstock.com オベリスクとは、もともと古代エジプト時代に神殿の入り口に建てられた記念碑のことですが、日本では、ガーデニングに使われる、つる性植物を絡ませる立体的な支柱を指すことが多いです。上方が細く尖った形状だったり、円柱形のものがよく見られます。オベリスクを設置すれば、小さなスペースでもつるバラやクレマチスなどを誘引して、360度どこからでも花を観賞することができます。 トレリスとの違い AgneshUladar/Shutterstock.com オベリスクと似た用途のガーデニングアイテムにトレリスがありますが、両者にはいくつかの違いがあります。トレリスは、フェンス状になった支柱のことで、格子状だけでなくデザイン性の高いものもあり、つる性植物を絡ませたり、そのままオブジェとして飾ったり、間仕切りとして使うこともできます。トレリスはフェンス状で平面的ですが、オベリスクは円柱形など立体的な形状であることが大きな違いです。 オベリスクにおすすめの植物 KPG-Payless/Shutterstock.com オベリスクは、つる性植物を絡ませるための便利なアイテムです。美しい花を咲かせるものを絡ませて育てると見栄えもよく、植物に日が当たりやすい仕立て方です。つる性植物の中でも、クレマチス、アサガオ、トケイソウ、ジャスミンなど、支柱に巻きついて伸びる植物が簡単でおすすめ。自ら巻きつかない植物は誘引して固定する必要はありますが、つるバラを絡めると華やかで、非常に人気があります。また、ミニサイズのゴーヤやミニトマトなど、長く茎を伸ばす野菜の栽培に使うこともできます。 オベリスクを使うメリット Zoomik/Shutterstock.com オベリスクを使うと縦方向に立体的に植物を仕立てることができるため、小さなスペースでコンパクトにガーデニングを楽しむことができます。さらにスタイリッシュな見た目で、庭のデザインにメリハリが生まれます。 植物の生育にとってもメリットがあり、風に弱い植物や枝が横に広がりやすく不安定な植物も、オベリスクに仕立てるとより安定し、美しい形を保つことができます。またつる植物の場合も、安定して高くつるを伸ばすことができ、たくさんの花を楽しむことができます。 オベリスクを選ぶ5つのポイント Fagreia/Shutterstock.com オベリスクにもたくさんの種類があるため、どのようなものを選べばよいのか迷ってしまうかもしれません。ここではオベリスクを選ぶ際のポイントを解説します。 1.オベリスクの高さ Sergey V Kalyakin/Shutterstock.com オベリスクのサイズは、誘引したい植物の樹高を目安にして選びます。 枝や茎が太く大輪を咲かせるような植物を誘引する場合は、幅が小さいオベリスクではうまく巻きつけられず折れてしまうことがあるため、大きめのものを選びましょう。今は小さくても、将来的に大きく成長する植物の場合も、最初から大きめなオベリスクを選ぶことをおすすめします。後からオベリスクを別のものに取り替えるのは非常に手間がかかるため、植物が成長した後のことも見据えて選ぶことが必要です。 2.鉢植えで使うか地植えするか Mira Drozdowski/Shutterstock.com オベリスクには、地面に挿す「地植えタイプ」と、鉢に挿す「鉢植えタイプ」の2種類があります。誘引するのが地植えの植物か鉢植えの植物かによってタイプを決めましょう。 また、購入前に、しっかりと固定するために必要な深さを確認することが大切です。特に鉢やプランターに使用する場合は、深さが足りないとぐらついたり鉢ごと倒れる可能性があるため、オベリスクと鉢の大きさのバランスがよいサイズを選びましょう。 3.オベリスクの設置場所 Vidu Gunaratna/Shutterstock.com オベリスクを設置する場所が、庭かベランダ・テラスなのかも重要なポイントです。庭に設置する場合は、雨風に強い丈夫な素材を選びましょう。アイアン素材などは、防サビ処理が施されているものを選ぶと長もちします。 一方、ベランダに鉢を置いてオベリスクを立てる場合は、取り回しのしやすい軽量な樹脂製などが向いています。また、天井や軒がある場所で使う場合は、鉢の高さの分だけオベリスクも底上げされることを考えてサイズを選ぶ必要があります。 4.オベリスクの素材 Beekeepx/Shutterstock.com オベリスクには、主に樹脂製と金属(アイアン)製、木製があります。 樹脂製のオベリスクは比較的安価で、軽く扱いやすいという利点がありますが、強度が低いため、長期間使用する場合や、つるが強く花が重いバラを育てる場合は注意が必要です。 一方、金属製のオベリスクは強度が高く、壊れにくいため、長期間使用することを想定した場合や、つるが強い植物を育てる場合には適しています。ただし、樹脂製のオベリスクに比べて価格が高くなることが多いです。 海外の歴史あるガーデンでは、古くから木製のオベリスクが使われているケースもあり、日本でも少量ながら木製のオベリスクが入手できます。また木材を使ってDIYでオベリスクを作る方法もあります。 5.オベリスクのデザイン NattaPort/Shutterstock.com オベリスクを選ぶ場合には、設置する庭やベランダのテイストに合わせることも大切です。例えば、ジャンクガーデンにはユニークなデザインのオベリスクが合うでしょうし、イングリッシュガーデンにはアイアン素材のエレガントなオベリスクがよく似合います。また、ナチュラルガーデンには天然素材のオベリスクが調和するでしょう。 つるバラをオベリスクで仕立てる方法 Gary Matuschka/Shutterstock.com ここからは、数あるつる植物の中でも人気の、つるバラをオベリスク仕立てにする際の方法やポイント、おすすめの品種について解説します。 仕立て方 Volushka/Shutterstock.com つるバラをオベリスク仕立てにする手順をご紹介します。 まずポイントは、オベリスクをしっかり固定すること。十分な深さまで地面に挿し込んで、しっかりと固定します。手でゆすっても動かない程度固定できていれば通常は問題ありませんが、庭に設置する場合はより頑丈にするため、深い穴を掘り、脚の間に鉄の棒や支柱などを渡し、ワイヤーなどで固定してから埋めてぐらつきにくくする方法もあります。また、サイズによっては、地中に基礎や杭を埋め込んで支柱の脚をモルタルなどで固めると、さらに強固になります。 オベリスクを設置したら、つるバラの苗を植えます。その際の注意点として、苗はオベリスクの内側ではなく外側に、また正面から見たときにオベリスクの背後になるよう植え付けるとよいでしょう。 苗を植えたら、つるをオベリスクに巻きつけていきます。オベリスクの外側につるを螺旋状に巻きつけ、ワイヤーや麻紐、ビニールタイなどを使って固定しましょう。頂部の枝もオベリスクに固定します。また、枝は左回りと右回りに交互に巻きつけることで、バランスよく仕上がります。 つるバラのオベリスク仕立てのポイント Whiteaster/Shutterstock.com オベリスクの見た目を美しく保つためには、冬に一度、つるを外して誘引し直すことが重要です。つるはオベリスクの「外側」に巻きつけます。内側につるが入るように誘引してしまうと、新しい枝がオベリスクの中に伸びてしまい、外側に誘引し直す際に折れてしまうことがあります。 また、枝同士が交差しても構いませんが、重ならないようにすることも大切です。枝と枝の間隔は、大輪系の場合は30cmほど、小輪系の場合は15cmほどあけるのが目安です。 クレマチスをオベリスクで仕立てる方法 Ercesuzan/Shutterstock.com 次に、つるバラよりもつるが細くて扱いが簡単なクレマチスをオベリスクで仕立てる方法とポイントを解説します。 仕立て方 daily_creativity/Shutterstock.com クレマチスをオベリスクで仕立てる手順をご紹介します。 まずオベリスクを固定し、クレマチスの苗をオベリスクの外側に植えます。伸びているつるがあれば、ワイヤーや麻紐、ビニールタイなどを使ってオベリスクの下方から順に固定します。新芽が出たばかりの枝は柔らかく折れやすいので、つぼみがついてある程度硬くなった枝のほうが誘引しやすいでしょう。絡んでほどけないつるがある場合は、多少カットしてもかまいません。成長期はぐんぐんつるが伸びていくので、伸びたつるを随時オベリスクの外側に巻きつけるように誘引していきます。伸び始めは、なるべくつるが下方に収まるようにすると、バランスよく成長します。 クレマチスはポット苗が3月頃、開花苗が5月頃に出回りますが、オベリスク仕立てにしたい場合は、3月頃のポット苗がおすすめです。5月頃に出回る開花苗はすでに行燈状に仕立てて売られていることが多く、オベリスクに誘引するには一度外す作業が必要になるため、手間がかかります。 クレマチスのオベリスク仕立てのポイント Kostenko Maxim/Shutterstock.com クレマチスの生育期は3〜10月までで、この期間は旺盛につるが伸びるため、こまめな誘引が必要です。 つるが硬くなり、誘引の際に折れてしまっても、完全に切れていなければ問題ありません。そのような場合はテープなどで折れた箇所を固定するとよいでしょう。しかし、復活しなかった場合はカットする必要があります。誘引の際は、枝が重ならないように気をつけることが大切です。また、新枝咲きや新旧両枝咲きを選ぶと、冬の剪定は地際でバッサリ切るだけで済み、簡単です。旧枝咲きのタイプは、既存のつるを大切に誘引し直す必要があります。 オベリスクは自作も可能 Evtushkova Olga/Shutterstock.com オベリスクは市販品を使うだけでなく、好きなサイズや形のものをDIYで作成することもできます。 簡単なものでは、ホームセンターなどで鉄製の棒を購入し、結束バンドで留めて作るという方法があります。木材を必要な長さにカットして組み立てる方法もあります。 庭のアクセントに! オベリスクでガーデニングをもっと楽しもう NattaPort/Shutterstock.com オベリスクは植物を立体的に仕立てることができ、小さなスペースでも大きく育てられるのが魅力です。ただし、一度植物を誘引すると外すのが難しいため、選ぶ際は植物が成長した後のサイズも見据える必要があります。ぜひ記事を参考にオベリスクを取り入れて、つる植物が映える庭づくりを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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樹木

マンリョウ(万両)は緑の葉と赤い実が美しい縁起物! 特徴や育て方を詳しく解説
マンリョウの基本情報 tamu1500/Shutterstock.com 植物名:マンリョウ学名:Ardisia crenata英名:Coral bush和名:マンリョウ(万両)その他の名前:ヤブタチバナ科名:サクラソウ科属名:ヤブコウジ属原産地:日本、朝鮮半島、中国、台湾、インド、東南アジア分類:常緑性低木 マンリョウの学名はArdisia crenata(アルディシア・クレナタ)。サクラソウ科ヤブコウジ属の低木です。原産地は日本、朝鮮半島、中国、台湾、インド、東南アジアなどで、暑さや寒さに強い性質を持っています。日本での分布は関東以西。常緑性で、冬もみずみずしい葉姿を楽しめます。樹高は30〜80cmで、落葉樹の足元などでよく育ちます。 マンリョウの花や実の特徴 Doikanoy/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:7月樹高:30〜80cm耐寒性:普通耐暑性:強い花色:白 開花期は7月頃で、花径1cm弱の白い5弁花を咲かせます。もっとも、観賞価値が高いのは実のほうで、実姿を楽しめるのは12~3月。実の色は赤が最もポピュラーですが、ほかにも白、黄、ピンクがあります。品種は80種ほどあるとされ、赤葉や斑入り葉などもあります。実は野鳥に食べられることがあるので、お正月飾りに利用したい場合は、ネットを張るなどの対策をしておきましょう。 マンリョウの名前の由来や花言葉 Yongkiet Jitwattanatam/Shutterstock.com マンリョウはセンリョウよりも、大きく真っ赤な実をたくさんつけることから、より価値が高いとして「万両」と呼ばれるようになったといわれています。 マンリョウの花言葉は「寿ぎ」「財産」「金満家」「徳のある人」「慶祝」など。財にまつわる言葉を多く持っています。 マンリョウ以外のお金にまつわる縁起木 センリョウ。High Mountain/Shutterstock.com お金にまつわる名前を持つ植物は、万両(マンリョウ)以外に、千両(センリョウ)、百両(カラタチバナ)、十両(ヤブコウジ)、一両(アリドオシ)があります。江戸時代、寛政年間の園芸ブームにより、斑入り葉や変わり葉は高い値段で売買され、お金を生む木として「金生樹」と呼ばれました。諸説ありますが、「百両」「十両」は取引値段が由来といわれています。お正月の飾り物として「千両、万両、有り通し(常にある)」の語呂合わせで寄せ植えなどを作り、お金に恵まれる一年を願ったそうですよ! マンリョウの栽培12カ月カレンダー 開花時期:7月植え付け・植え替え:4〜5月肥料:2月頃入手時期:12月種まき:12~4月 マンリョウの栽培環境 High Mountain/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】明るい日陰を好みます。チラチラと木漏れ日が差す程度の林床地に自生する植物なので、強い直射日光が当たる場所や、夏に西日が差し込む暑い場所などは苦手で、葉焼けしたり、枝が枯れ込んだりと生育が悪くなりがち。日当たりのよくないシェードガーデンで重宝しますが、極端に暗い日陰では、実つきが悪くなります。 【日当たり/屋内】基本的に屋外で栽培しますが、斑入りの品種などは性質が弱いため、冬は室内に取り込んで管理するほうが無難です。 【置き場所】明るい日陰を好むので、落葉樹や常緑樹の株元などに植えるとよいでしょう。温暖な地域が原産地なので、暑さには強い一方で寒さにはやや弱く、冬に寒風が吹きつけない場所を選びましょう。寒さが厳しい地域では、最初から鉢栽培にするか、冬前に地植えから鉢上げして移動し、凍結の心配がない暖かい場所で管理してください。 耐寒性・耐暑性 耐暑性は高いので、夏は屋外で管理できますが、耐寒性はやや弱く、特に乾いた寒風が当たると傷みやすいです。関東以西の温暖な地域では地植えで越冬できますが、寒冷地では鉢植えにして、霜の当たらない軒下や日当たりのよい室内で冬越しさせるとよいでしょう。 マンリョウの育て方のポイント 用土 Wstockstudio/Shutterstock.com 適度に水はけと水もちのよい、ふかふかとして腐植質に富んだ土壌を好みます。乾燥が苦手なので、乾きやすい砂質土などでは、植え付け前に有機質資材を投入して土壌改良しておくとよいでしょう。 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに30〜40cmの穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 用土は、樹木用にブレンドされた市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり cam3957/Shutterstock.com 水やりの際は、木の幹や枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温の高い昼間に行うと、水がすぐにぬるま湯になり木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。 【地植え】 植え付け後にしっかり根付いて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いてひどく乾燥する場合は、水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。マンリョウは極端な乾燥を嫌うので、水切れには注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと根腐れの原因になってしまうので、適度な水管理を心がけてください。 茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水切れに注意します。冬は生育が止まり、表土も乾きにくくなるので、株の状態を見ながら控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 New Africa/Shutterstock.com マンリョウに肥料を与えるのに適したタイミングは、2月頃です。 【地植え・鉢植えともに】 多肥を好まない性質なので、ほとんど不要です。あまり生育に勢いがないようであれば適期に緩効性化成肥料を与え、様子を見てください。 注意すべき病害虫 Tomasz Klejdysz/Shutterstock.com 【病気】 マンリョウの栽培では、ほとんど病気の心配はありませんが、うどんこ病、すす病が発生することがあります。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がり、そのままにしておくと光合成ができなくなって、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が茂りすぎて風通しが悪くなったりしていると発生しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 すす病は、一年を通して葉や枝などに発生する病気です。葉に発生すると表面につやがなくなり、病状が進むと黒いすすが全体を覆っていきます。葉に広がると光合成がうまくできなくなって樹勢が衰え、また見た目も悪くなります。すす病はカイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因で発生するので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込み合っている枝葉があれば、剪定して日当たりや風通しをよくして管理します。 【害虫】 マンリョウの栽培では、ほとんど害虫の心配はありませんが、カイガラムシ、アザミウマが発生することがあります。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 アザミウマは花や葉について吸汁する害虫で、スリップスの別名を持っています。体長は1〜2mmで大変小さく、緑や茶、黒い色の昆虫です。群生して植物を弱らせるので注意しましょう。針のような器官を葉などに刺して吸汁する際にウイルスを媒介するので、二次被害が発生することもあります。被害が進んだ花や葉は傷がついてかすり状になるので、よく観察してみてください。花がらや枯れ葉、雑草などに潜みやすいので、株まわりを清潔に保っておきます。土に混ぜるタイプの粒剤を利用して防除してもよいでしょう。 マンリョウの詳しい育て方 苗の選び方 植え付け適期は4~5月ですが、お正月用の花材として年末によく出回ります。鉢ものを入手した場合には、一通り観賞を楽しんでから、適期に植え替えるとよいでしょう。 植え付け・植え替え wavebreakmedia/Shutterstock.com 植え付け・植え替えの適期は4〜5月です。これ以外の時期にも、花苗店などでは苗木が流通しているので、入手したら早めに植えたい場所に定植してください。冬に入手した場合は、適期まで待ちましょう。 あらかじめ土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 地植えの場合は、環境に合ってよく育っているようなら、植え替えは不要です。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、5〜6号鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりしてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。 剪定・切り戻し Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 剪定適期は4月頃ですが、マンリョウは自然に樹形が整うので、剪定の必要はほとんどありません。しかし、樹形が乱れてきた場合には、込み合っている部分の弱々しい枝、内側に伸びている枝、交差している枝、長く伸びすぎている枝などを選んで切り取ります。長い期間育てていると下葉が落ちて見栄えが悪くなることもあるので、気になる場合は上部を切り戻して仕立て直しをします。ただし、仕立て直しをすると一時的に葉がなくなって姿が悪くなり、また2~3年は実もつかなくなります。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com 挿し木、種まきで増やすことができます。ここでは、それぞれの方法についてご紹介します。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って土に挿しておくと発根し、生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、マンリョウは挿し木で増やせます。 挿し木の適期は、6月頃です。その年に伸びた新しい枝を2〜3節つけた長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために、先端の葉を3〜4枚残して下葉を切り取ります。残した葉も先端から1/3ほど切り取って蒸散する面積を小さくしておきましょう。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、挿し穂を挿して土を押さえてください。明るい半日陰に置いて水切れしないように管理し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【種まき】 実がついたら種子を採取し、その種子を播いて増やすことができます。熟した果実から種子を取り出し、流水でよく洗います。乾燥すると発芽しなくなるので、すぐに植え付けましょう。黒ポットに新しい培養土を入れて十分に湿らせたら、洗った種子を播き、薄く土をかけて明るい日陰で管理。発芽後、本葉が3〜4枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。根が回るくらいに成長したら、植えたい場所に定植しましょう。 間のびしてきたときの対策 T.Kai/Shutterstock.com マンリョウは上へ幹が伸びていき、枝も上部から出るので、気づいたときには足元がスカスカで不恰好になってしまいがち。ここでは仕立て直しや挿し木で対策する方法についてご紹介します。 幹の仕立て直し 仕立て直しの適期は4月頃です。幹を好きな高さで切り取ると新芽が吹き出して、再び枝を伸ばして元の姿に戻ります。ただし、実をつけるまでは2〜3年かかります。 挿し木で更新 マンリョウは、挿し木で簡単に増やせる植物です。剪定した枝葉を利用して挿し木にし、新しい株を作ってもよいでしょう。挿し木なら、採取した株のクローンになります。挿し木の方法は、「挿し木」の項目を参照してください。足元をカバーするように新しい株を植えれば、高低差がついて見栄えもよくなります。 葉が枯れる・実がつかないときの原因と対処法 Taromon/Shutterstock.com 「マンリョウの葉が枯れる」「実がつかない」といったトラブルの原因は、「強い日差しに長く当たって葉焼けした」「乾燥が続いて水切れした」「冬の寒風にさらされた」などが考えられます。もともと林床地に自生してきた低木で半日陰を好むため、あまり日当たりのよい場所は避けたほうが無難です。同じ理由でマンリョウは乾燥するのを嫌うため、水切れには注意して管理しましょう。また、関東以西に分布する植物で寒さは苦手なので、冷たい風がいつも吹き付けるような場所では葉が傷み、枯死することもあります。寒冷地では晩秋に鉢上げして、霜の当たらない軒下や日当たりのよい室内などに移動してください。 マンリョウを育てて美しい実を観賞しよう Doikanoy/Shutterstock.com 冬もエバーグリーンで美しく、みずみずしい実をつけるマンリョウは、江戸時代にもてはやされた植物です。赤と白の実を寄せ植えして紅白にするのも縁起がよく、お正月飾りなどにおすすめ。ぜひマンリョウの栽培にチャレンジしてみましょう。
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おすすめ植物(その他)

【1月の庭花】新年の幕開けを飾る花! 1月に咲く人気の花20選
フクジュソウキンポウゲ科多年草/主な花色:黄/開花期:2~4月 pote-poteco/Shutterstock.com 昔から北海道〜本州に自生してきた山野草で、寒さに強く丈夫な性質です。漢字で「福寿草(ふくじゅそう)」と書くおめでたい名前から、お正月に飾る縁起植物として愛されてきました。本来の開花期は2~4月の早春ですが、年末年始にかけては鉢花がよく出回ります。鉢花を購入した場合、根が切られていることが多いので、大きな鉢などに植え替えて根を回復させましょう。草丈20〜30cmの落葉性の多年草なので、一度植え付ければ毎年花を咲かせてくれます。落葉樹の足元や午前中のみ日が差す場所など、明るい半日陰を選び、水はけ、水もちのよい土壌に植え付けましょう。フクジュソウの花言葉は「幸せを招く」「永久の幸福」「悲しき思い出」などです。 スイセンヒガンバナ科多年草/主な花色:白・黄・オレンジ・複色/開花期:11月中旬〜4月 写真/前田満見 春まだ浅い時期にラッパのような形の花を咲かせ、早春から春の庭を明るく彩ってくれるスイセン。一度植え付ければ毎年開花してくれる息の長い球根植物で、濃厚な甘い香りも楽しめます。品種によって開花期が異なり、早咲きのものは11月中旬から、ラッパズイセンなどは3~4月に開花します。球根の植え付けの適期は10〜11月です。球根は、持ち重りのするもの、表面に凹凸や汚れのない締まったものを選ぶようにしましょう。植え付け後、一定期間低温を経験すると開花が促されます。花後は葉が枯れるまでそのままにしておき、球根を太らせます。スイセンの花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」などです。 ツバキツバキ科高木/主な花色:白・ピンク・赤・複色/開花期:12~4月 High Mountain/Shutterstock.com 日本人にとって古くから馴染みのあるツバキは、万葉集にも登場する日本原産の花木です。高さが15mにも達する常緑高木で、光沢のあるしっかりとした葉を持ち、生け垣としてもよく利用されています。江戸時代には選抜や育種が進んで数多くの品種が生まれ、また近年では、花形や花色、香りなどに特徴のあるさまざまな原種が栽培されています。よく似た花にサザンカもありますが、ツバキはサザンカから少し遅れて冬になってから咲き始め、基本的に葉に産毛がなく、花は丸ごとぽたりと落ちるように散るなどの違いがあります。木の寿命が長く丈夫で、土壌や日当たりを選ばず育ちますが、花つきをよくするには、寒風の当たらない半日陰の環境がベスト。西日を避けられる建物の東側か南側で、乾燥しすぎない場所を選びましょう。害虫として、毛に毒があるチャドクガが発生しやすいので、栽培の際は注意しましょう。ツバキの花言葉は「控えめな優しさ」「誇り」などです。 センリョウセンリョウ科低木/主な花色:白/開花期:6月 High Mountain/Shutterstock.com 寒い季節に鮮やかな実をつけるセンリョウは、古くから縁起物として、お正月飾りなどに用いられてきました。お金にちなんだ名前を持つ植物は、千両(センリョウ)以外に、万両(マンリョウ)、百両(カラタチバナ)、十両(ヤブコウジ)、一両(アリドオシ)などがありますが、なかでもセンリョウは上向きにまとまってつく実がよく目立ち、冬に華やかなので、庭にもよく植えられます。小ぶりで育てやすく、明るい日陰を好むセンリョウは、シェードガーデンにもおすすめ。東アジア原産で環境に馴染みやすい植物ですが、西日が差し込んで暑い場所や、寒風が吹きつける場所は避けましょう。センリョウの花言葉は「利益」「祝福」「富」「財産」「恵まれた才能」「可憐」などです。 パンジー&ビオラスミレ科一年草/主な花色:赤・ピンク・オレンジ・黄・白・紫・複色 /開花期:10月下旬~5月中旬 写真/3and garden 冬の花壇や寄せ植えの定番、パンジー&ビオラは非常に種類が豊富で、また可愛らしい新品種が登場するので、毎年育てていても飽きることなく楽しめます。一年草ですが、丈夫で育てやすく、晩秋から初夏までたっぷり咲いてくれるコストパフォーマンスも高い植物。長く楽しむために、こまめに花がらを摘み、必要に応じて追肥をするとよいでしょう。摘心すると、よりこんもりと花数も多くなります。パンジーの花言葉は「もの思い」「私を思って」などです。 ナンテンメギ科低木/主な花色:白/開花期:6~7月 写真/海野美規 紅葉が美しく、晩秋に艶やかな赤い実をつけ、お正月にも欠かせないナンテン。のど飴でもおなじみの植物です。名前が「難を転ずる」に通じることからも、古くから庭木として愛されてきました。ナンテンの実や葉には微量ながら有毒成分が含まれるので、口にはしないように注意しましょう。葉はごく微量であることから、殺菌効果を期待してお弁当などにのせることもあります。土質を選ばずよく育ち、地植えであればほとんど手をかけなくても育ってくれますが、強い西日の差す場所は避けましょう。半日陰を好みますが、日当たりが悪すぎると実付きが悪くなることがあります。ナンテン全般の花言葉は「私の愛は増すばかり」です。 ハボタンアブラナ科多年草/主な花色:黄/開花期:3~4月 Sann von Mai/Shutterstock.com 冬に美しいカラーリーフが楽しめるハボタン。原産地はヨーロッパで、二年草、多年草に分類されています。葉色は白、紫、淡いピンク、斑入りなど、葉姿は丸葉、縮れ葉、切れ葉など、バリエーションが豊富。近年は寄せ植えに使いやすいミニサイズも多く出回っています。春になると花茎を伸ばして、菜の花のような黄色い花を咲かせます。日当たり・風通しのよい場所を好み、冬も戸外で管理できますが、強い霜や寒風を避けたほうがきれいな状態を保てます。水やりは表土が乾いたらたっぷりと。巻いた葉の中に水がかかると蒸れやすいので、地面を狙って水やりするとよいでしょう。ハボタンの花言葉は「祝福」「物事に動じない」「利益」などです。 ロウバイロウバイ科低木/主な花色:黄/開花期:12~2月 backpacking/Shutterstock.com 12~2月に、まるでロウ細工のような光沢のある、透き通った黄色い小花を、ややうつむき加減に咲かせます。特徴は、なんといってもその香りのよさ。寒さの中で芳しい香りを放つロウバイは、冬の花として古くから人々に親しまれてきました。庭植えはもちろん、鉢植えでも育てることができます。植え付けの適期は、真冬を除いた落葉期である11~12月、または2月中旬~3月。移植を嫌うので、場所をよく吟味してから植え付けましょう。ロウバイの花言葉は「慈愛」「慈しみ」「ゆかしさ」「先見」などです。 カランコエベンケイソウ科多年草/主な花色:赤・黄・オレンジ・白・ピンク/開花期:1〜5月 Moskwa/Shutterstock.com 一重や八重のカラフルな花を咲かせ、冬の窓辺を彩る鉢花として、昔から愛されてきたカランコエ。たくさんの花をつけることから、縁起のよい植物としても重宝されてきました。本来の開花期は1~5月ですが、開花調整されたものを一年中手に入れることができます。肉厚な葉をもつ多肉植物で、体内に水分を溜め込むため乾燥に強い反面、過湿に弱いので注意が必要。水やりは控えめにし、乾燥気味に管理しましょう。冬に開花期を迎えるものの寒さには弱く、10℃を下回るようになると生育に影響が出ます。11~5月は室内の明るい窓辺などに移動しましょう。また短日植物なので、室内でも夜は照明が届かない暗い場所で管理します。カランコエの花言葉は「幸福を告げる」「たくさんの小さな思い出」などです。 クリスマスローズキンポウゲ科多年草/主な花色:白・ピンク・黄・緑・紫・茶・黒・複色/開花期:12~3月 写真/3and garden うつむき加減に咲く清楚な風情と、バラエティーに富んだ花姿で、多くのガーデナーに愛されるクリスマスローズ。花の少ない冬から早春にかけてガーデンに色を添えてくれる、頼りになる存在です。1株ごとに花色や模様などが微妙に異なるので、自分だけの花選びも楽しめます。寒さに強く植えっぱなしで年々大株に育ち、こぼれ種でも増える丈夫な植物なので、ガーデニング初心者にもおすすめ。花のように見える部分はガクなので、長く楽しめます。夏の暑さや強い日差しは苦手で、木の株元などの日陰でもよく咲きます。クリスマスローズ全般の花言葉は「私の不安をやわらげて」「慰め」「中傷」などです。 シクラメンサクラソウ科多年草/主な花色:白・赤・ピンク・紫・黄・複色/開花期:10~3月 写真/平田ナーセリー 花の少なくなる晩秋から年末にかけてはシクラメンがよく出回り、冬の鉢花の代表的な存在。比較的耐寒性があり、温暖な地域では地植えでも冬越し可能なガーデンシクラメンも人気が高く、冬から春の寄せ植えや花壇を彩ってくれます。最近ではブルー系やクリーム系の色の品種も登場。くるりと反り返った花だけでなく、葉色の美しさも魅力です。うまく夏越しさせれば、翌年も花が楽しめますよ。鉢花のシクラメンは寒さに弱いので、15~25℃程度の日当たりのよい場所で管理しましょう。シクラメンの花言葉は「遠慮」「気後れ」「内気」「はにかみ」などです。 オキザリスカタバミ科多年草/主な花色:白・ピンク・紫・黄・オレンジ・複色/開花期:11~3月(種により異なる) Iva Villi/Shutterstock.com やや光沢のある筒状の5弁花を太陽に向かって開き、日がかげると花を閉じるオキザリス。身近な野草カタバミの仲間で、球根を持つものや多肉質なものなど、南アフリカや中南米を中心に800種類以上が分布しています。ガーデンでも人気の花で、多くは宿根草で毎年咲いてくれます。花色も豊富で、開花期もさまざま。品種を組み合わせれば、一年中楽しむこともできますが、日本では11~3月に咲くタイプがよく出回っています。オキザリスの花言葉は「輝く心」「喜び」「母の優しさ」「決してあなたを捨てません」などです。 シンビジウムラン科多年草/主な花色:白・ピンク・オレンジ・黄・緑・茶・複色/開花期:12~4月 Nadya So/Shutterstock.com シンビジウムはランの仲間で、花が豪華で開花期が長いことから、コチョウランと同様に贈答用としても人気があります。ランとしてはとても丈夫で、寒さにも強く育てやすい種類です。葉の根元にバルブと呼ばれる膨らんだ部分があり、そのバルブに生育や開花に必要な栄養を蓄えることができ、状況が整うとバルブの横から花茎を伸ばして開花します。真冬以外は屋外で管理できますが、日当たり・風通しともによい場所に置きましょう。植え付けの際は洋ラン専用に配合された培養土などが便利です。シンビジウムの花言葉は「飾らない心」「素朴」「高貴な美人」「華やかな恋」などです。 プリムラ・ジュリアンサクラソウ科一年草/主な花色:紫・黄・オレンジ・赤・ピンク・白・青・複色/開花期:11~4月 Nnattalli/Shutterstock.com 初秋から春先にかけて彩りの少ない時期に、とてもカラフルで愛らしい花を咲かせます。花壇や鉢植え、寄せ植えに欠かせない花として愛されるプリムラには、ジュリアン、ポリアンサ、マラコイデス、シネンシスといった種類があり、それぞれ耐寒性や耐暑性が異なりますが、冬から春のガーデニングでは、コンパクトに育つプリムラ・ジュリアン(プリムラ・ポリアンサ)がよく利用されます。本来は多年草ですが、暑さに弱いため日本では基本的に一年草扱いとされています。蒸れに弱いので、風通しよく育てましょう。プリムラの花言葉は「青春のはじまりと悲しみ」「青春の恋」などです。 ユリオプスデージーキク科低木/主な花色:黄/開花期:11~5月 BOULENGER Xavier/Shutterstock.com マーガレットによく似た、明るい黄色の花を咲かせるユリオプスデージー。冬から初夏まで次々と開花して、輝くような花色で庭を彩ってくれます。シルバーグリーンの繊細な葉も美しく、カラーリーフプランツとしても魅力的。苗のうちは草花のように見えますが、じつは低木で、数年育てていると大きく育ってゴツゴツとした太い幹になります。霜などの降りない、日当たりのよい場所を好みます。ある程度耐寒性はありますが、地植えで越冬できるのは関東以南の地域。寒冷地では冬は鉢植えにし、凍結しない場所に移動して管理しましょう。乾燥には強い反面、多湿が苦手なので、水はけのよい土壌で育てましょう。ユリオプスデージーの花言葉は「円満な関係」「夫婦円満」「明るい愛」などです。 ヒューケラユキノシタ科多年草/主な花色:白・ピンク・赤・緑/開花期:5~6月 claire norman/Shutterstock.com 冬も楽しめる常緑性のカラーリーフの代表格、ヒューケラ。赤やオレンジ、黄、黒、シルバー、ブロンズ、斑入りなど、葉色のバリエーションが非常に豊富で、他の草花とも合わせやすい多年草です。寒冷地では冬はやや葉が少なくなりますが、強い霜の降りない地域であれば葉を茂らせたまま越冬し、冬の庭を彩ってくれます。初夏には花茎を立ち上げて穂状の花が咲きます。丈夫で育てやすい反面、直射日光で葉焼けすることがあるので、シェードガーデンにおすすめ。しかし、冬の日差しであれば日向でも十分育てられるので、玄関前の寄せ植えにも向きます。花がらや枯れ葉は早めに取り除き、株まわりをすっきりと保ちましょう。ヒューケラの花言葉は「穏やか」「あなたを支える」などです。 カレンデュラ(キンセンカ)キク科一年草/主な花色:黄・オレンジ・複色/開花期:12~5月 Elena Koromyslova/Shutterstock.com カラフルな花を咲かせ、明るい印象のカレンデュラ。黄金色でさかずき(盞)のような形の花を意味する、キンセンカという和名でも親しまれています。一年草や多年草がありますが、高温多湿が苦手で夏越しが難しいことから、日本では基本的に一年草として扱われます。皮膚や粘膜の修復作用、抗菌作用、抗酸化作用などがあるハーブとして、化粧品にも利用されています。こぼれ種で増えるほど丈夫なので、ガーデニングビギナーにもおすすめ。日当たり・風通しのよい場所を好みます。寒さには強いですが、霜が降りる地域ではマルチングをして寒さ対策をするとよいでしょう。カレンデュラの花言葉は「別れの悲しみ」「悲嘆」「寂しさ」「失望」などです。 ノースポールキク科一年草/主な花色:白(花心は黄)/開花期:12~5月 kazzpix/Shutterstock.com ノースポールは、マーガレットを小ぶりにしたような花姿で、白い花弁と黄色い花心のコントラストが美しい小花を咲かせます。草丈30cmほどなので花壇の前方におすすめ。開花期が長く、ガーデニング初心者向きの育てやすい花です。可憐な姿はどんな花とも合わせやすく、主役でも脇役でも活躍してくれます。こぼれ種でも増える丈夫な性質で、種まきからでも簡単に育てられます。旺盛に開花するので、こまめに花がらを摘み、株姿が乱れてきたら切り戻しをすると長く花を楽しめます。ノースポールの花言葉は「誠実」「高潔」「冬の足音」などです。 マンサクマンサク科低木/主な花色:黄・赤・オレンジ・茶/開花期:1月下旬~3月 billysfam/Shutterstock.com マンサクはまだ雪の残る早春に、2cmほどの黄色い紐状の花をいち早く咲かせる花木です。日本に自生しているものは黄色ですが、品種によっては濃赤色やオレンジ色、茶色の花もあり、また甘さのある香りも漂わせます。まだほかの樹木が冬枯れている時期に、一足早く明るい黄色の花を咲かせることから、縁起のよい植物として愛されてきました。耐寒性が強く、病害虫も少ないので、庭木としてもおすすめです。日本にも自生している植物なので、特に手入れをせずとも育てやすいですが、極端な乾燥には弱いため、植え付け直後や夏に乾燥が続く場合は、しっかりと水やりをしましょう。鉢植えであれば、夏は半日陰で管理するとよいでしょう。マンサクの花言葉は「呪文」「魔力」「霊感」「ひらめき」などです。 プリムラ・マラコイデスサクラソウ科一年草/主な花色:紫・赤紫・ピンク・白・青・黄緑・複色/開花期:1~4月 fpdress/Shutterstock.com サクラソウ属の仲間は500~600種もあるといわれ、中国原産のプリムラ・マラコイデスもその一つ。ガクや葉の裏などに白い粉をつけるため、和名では化粧桜(ケショウザクラ)とも呼ばれ、12月上旬から出回ります。整った形の小さめの花が段を作るようにたくさん開花し、愛らしい咲き姿に。小輪品種は耐寒性が強く、寒風を避ければ戸外で冬越しができます。大輪品種は寒さに弱いので、冬は凍らせないように注意し、室内で管理するとよいでしょう。プリムラ全般の花言葉は「青春のはじまりと悲しみ」「青春の恋」などです。 1月に見頃を迎える人気の植物を育てよう! Petra Schueller/Shutterstock.com 今回は、1月に見頃を迎える人気の草花や樹木を20種類ご紹介しました。ここでご紹介した以外にも、寒さに耐えて咲く冬の花や、まだ遠い春の気配をほのかに感じさせてくれる早咲きの早春花は、冬枯れの庭に貴重な彩りを添えてくれます。寄せ植えや花壇、インドアガーデンに取り入れて、1月のガーデニングを楽しんでくださいね。
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育て方

1月の庭仕事をチェック! ガーデニングカレンダー January
一年のガーデン計画を立てましょう 今年はどんな庭にしましょう。一年を通じて花と緑が絶えないように、いつ頃どんなものを買って、植え、咲かせるのか、年間の計画を立ててみましょう。年間プランがあれば、衝動買いが少なくなり、庭や花壇も美しく整いますよ。ポイントは「どんな庭にしたいか」だけを考えるのではなく、あなたが庭にかけられる時間と体力、お財布とも相談すること。どんなに素敵なガーデンを思い描いてみても、それを実現するためには日々のお手入れがあってこそ。 Andrey Sayfutdinov/shutterstock.com 今のあなたのライフスタイルに合わせて無理なくガーデニングができるように、好きか嫌いかだけでなくメンテナンスの面も考えて花選びをしましょう。今はちょっと手間がかかりすぎて育てられそうにない花も、憧れとして未来の自分ためにとっておくのも夢があるものです。メンテナンスにあまり労力を割かずに美観を保つコツは、「常緑」の植物を入れること。そしてときにはプロの手を借りることも選択肢の一つです。 ガーデンダイアリーをつけてみよう ガーデン計画とともに、庭や植物のことをあれこれ記入する専用のダイアリーをつけてみましょう。ベランダガーデンでも鉢植えガーデンでも、いつどんな植物を買って、植え、どんな風に成長していったか、また肥料をやったり、植え替えをしたりといった作業内容、そしてあなたが感じたことも書き付けておきましょう。どんな参考書より、あなた自身のダイアリーがあなたの庭づくりの一番の参考になります。翌年以降、そのダイアリーを見返しながら庭仕事をすると、どんどんガーデニング上手になりますよ。 ガーデンファニチャーや構造物の点検を 写真/前田満見 植物が眠りについているこの時期は、フェンスやアーチ、ガーデンファニチャーなどの構造物を点検しましょう。風雨にさらされ、錆びたり朽ちたりすることがあるので、一通り見回って、壊れそうなものは修理したり取り替えたりしましょう。また、壊れていなくても、塗装で雰囲気をガラリと変えるのはこの季節がチャンス。新しく塗り替えた色に合わせて植栽プランを立ててみるのも楽しいですよ。 写真/前田満見 冬は畑の土づくりの季節です Oleksii Synelnykov/shutterstock.com 寒さを利用して、この季節には昔から畑の土づくりが行われてきました。土を深く耕すことで土中の害虫や病原菌を駆除する「天地返し」という作業です。土をひっくり返すように深く耕し、小山を築いて一冬寒風にさらしておくと、固い土も春にはサラサラになります。なかなか骨の折れる作業ですが、毎年この作業をやっていくと畑の土は年々ふかふかになり、美味しい野菜がつくれますよ。畑の土もあなたの手で育てましょう。 クリスマスローズの買い時 クリスマスローズの開花株が店頭にたくさん並ぶ時期です。咲いている花を確認して購入することができるので、じっくり株選びを楽しんでください。開花している株の中には、温室で育てられたものもあり、買ってきてすぐに庭植えにすると霜に当たって弱ってしまう場合があります。春までは鉢植えで霜の当たらない場所で育てた方が安心です。庭植えにする場合には、3月かその年の秋まで待った方がよいでしょう。鉢植えで育てる場合には、買ってきたままの鉢は小さいことが多いので、一回り大きな鉢に植え替えましょう。 窓辺の花に注意してあげましょう Kristi Blokhin/shutterstock.com コチョウランや多肉植物など、窓辺に植物を置いている場合は、夜間の温度に気をつけて。昼間は日が差して暖かい窓辺も、夜間はグッと温度が下がります。できれば最低最高温度計を使って、植物を置いている場所の最低気温と最高気温を確認しておくとよいでしょう。コチョウランなど熱帯地域の植物は15℃以下になると成長が停滞し、5℃以下が続くと枯れてしまうことがあります。一軒家では夜間の窓辺の温度はしばしば10℃を下回ることがあるので、夜だけでも窓から離して、できるだけ暖かいところへ移動させましょう。ただし、暖房の風が直接当たる場所は避けて。 鉢植えの宿根草・球根花に水やりを 芽が出る日を楽しみに、球根や宿根草を植えた鉢への水やりを忘れずに。Tikhonova_Marina/shutterstock.com 地植えの場合は水やりの必要はありませんが、鉢植えの宿根草や球根花は、今花が咲いていなくても根は生きています。地上部に何もないと水やりを忘れがちですが、極度に乾燥させると枯れてしまうので、1週間に1度は水やりを。 バードフィーダーを置いて庭で野鳥観察 部屋の窓から見える場所にバードフィーダーを設置すれば、野鳥を驚かすことなく観察できます。庭にやってくるのは、胸にネクタイのような模様があるシジュウカラや、茶褐色の体に白いほっぺのヤマガラ、美しい抹茶色のメジロ、ベージュの体に太いクチバシのシメなど。よく観察していると、平地でも10種類くらいの野鳥を見ることができます。 【果物が好物の野鳥】一番人気の果物は、カキ。ヒヨドリ、ヒレンジャク、アカハラ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、スズメ、ムクドリなどが好んで食べます。リンゴやミカンも人気。食べやすいように半分に切って設置しましょう。【落花生が好物の野鳥】キジバト、シジュウカラ、カワラヒワ、イカル、シメ、スズメなどが好みます。塩味のついていない殻付きを選び、殻の両端を切っておきましょう。
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宿根草・多年草

【高貴な花】菊をきれいに咲かせる育て方のコツは? 特徴や種類も知っておこう
菊とは? 身近な植物の菊ですが、どのような特徴や性質を持っているのでしょうか。ここでは、菊の概要についてガイドします。 基本情報 foto_molka/Shutterstock.com 菊は、キク科キク属の多年草です。原産地は中国で、暑さや寒さに強く、一年を通して戸外での栽培が可能です。日本へは奈良〜平安時代に伝わったとされています。園芸文化が花開いた江戸時代には品種改良が盛んに行われ、人気を博しました。日本から海外へ持ち出され、さらに欧米で品種改良が進み、洋菊のジャンルも確立されています。 菊の開花期は9〜11月。花色は赤、オレンジ、黄、白、紫、緑、茶、複色などさまざま。花姿もポンポン咲きや丁子咲き、スプーン咲きなど枚挙に暇がなく、選ぶ楽しみがあります。品種が多種多様で、草丈は15〜100cmと幅広いため、庭やベランダの広さにマッチするか、苗を購入する前にラベルなどで草丈の確認をしておくとよいでしょう。 菊の花と重陽の節句との関係 F_studio/Shutterstock.com 9月9日は重陽の節句で、旧暦では菊が開花する時期であることから、「菊の節句」ともいわれています。中国から伝わった五節句の一つで、ほかに1月7日の人日 (七草)の節句、3月3日の上巳(桃)の節句、5月5日の端午(菖蒲)の節句、7月7日の七夕(笹)の節句があります。菊は薬草として用いられた歴史があり、重陽の節句には健康や不老長寿を願って菊の花を浮かべた菊酒をいただいたり、菊の花びらを浮かべた湯船に入ったりといった風習があります。 菊の種類 菊は昔から親しまれてきた植物で、江戸時代から品種改良が盛んに行われてきました。そんな歴史を持つことから、その種類をここですべてはご紹介しきれませんが、主なものについて解説します。 古典菊 MasterChefNobu/Shutterstock.com 盛んに品種改良が行われていた江戸時代に生み出された品種。東京の江戸菊、京都・嵯峨野で作出された嵯峨菊、美濃地方で生まれた美濃菊、熊本で育種された肥後菊、伊勢地方で完成した伊勢菊、松坂菊などがあります。 大菊 inomasa/Shutterstock.com 一輪の花のサイズが18cm以上になる、大きな花を咲かせる菊のことです。花弁が鱗状に幾重にも重なって咲く厚物、長くて太い管状の花弁が集まってこんもりと咲き、外側の花弁は外へ流れるように広がる厚走り、花弁が管状になっている菅物(くだもの)、平たい花弁が放射状に伸びて一重咲きとなる一文字(いちもんじ)などがあります。 中菊 mimi-TOKYO/Shutterstock.com 花のサイズが9〜18cmくらいになる、中型サイズの菊のことです。古くは古典菊の江戸菊を指す呼び方でしたが、今では洋菊もこのサイズにおさまるものは含まれることもあります。 小菊 livebear chen/Shutterstock.com 花のサイズが9cm未満の、小型の菊のことです。盆栽向きとして、文人菊と呼ばれることもあります。小菊は洋菊も含まれ、種類が多彩で育てやすいのが特徴です。 洋菊 Inga Locmele/Shutterstock.com 日本で盛んに栽培されていた菊が欧米に渡り、現地で品種改良が進んだ結果生まれた菊の系統。スプレー咲きになるスプレーマム、コンパクトな丸い花姿になるクッションマム、鉢植え用として小さくまとまるポットマムなどがあります。 菊の育て方のポイント7つ ここまで、菊の基本情報や種類などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、菊に適した栽培環境や植え付け、水やりや施肥、日頃の管理、増やし方など、育て方について詳しく解説していきましょう。古典菊や大菊の栽培には専門的な知識が必要なので、ここでは一般家庭でも庭やベランダでカジュアルに栽培できる中・小菊、洋菊の栽培方法に絞っています。 栽培に適した環境 crystaldream/Shutterstock.com 【地植え】 一日を通してよく日が当たり、風通しのよい場所を好みます。日当たりの悪い場所では花つきが悪くなり、ひょろひょろと徒長気味に伸びて軟弱な株になるので注意しましょう。水はけのよい環境を好むため、10〜30cmほど土を盛って周囲より高くしたり、レイズドベッドや傾斜地に植え付けたりするのも一案です。 暑さにも寒さにも強いので取り立てて対策を講じる必要はなく、一年を通して戸外で植えっ放しにしてかまいません。 【鉢植え】 一日を通してよく日が当たり、風通しのよい場所に置いて管理します。開花期は、日当たりがよく、雨の当たらない軒下やベランダで管理すると、花が傷みにくく長く楽しめます。暑さにも寒さにも強いので、一年を通して戸外で管理してかまいません。 土づくり funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んでよく耕し、有機質に富んだ水はけ・水もちのよい土壌をつくります。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると手軽です。 植え付け・植え替え Nataly Studio/Shutterstock.com 植え付け・植え替えの適期は、3〜5月です。ただし、それ以外の時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢をくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、20〜40cmの間隔を取っておきます。草丈が高くなる種類は支柱を立てておき、生育と共に支柱に誘引して倒伏を防ぎます。水やりや降雨時の泥はねによって病気が発生するのを防ぐために、表土にバークチップなどを敷いておくとよいでしょう。 地植えにしている場合は、数年は植えたままにしてもかまいません。しかし、大株に育って込み合ってきたら、掘り上げて株分けして植え直し、株の若返りをはかるとよいでしょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢の中に仮置きして高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて、植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。草丈が高くなる種類は支柱を立てておき、生育と共に支柱に誘引して倒伏を防ぎます。水やりや降雨時の泥はねによって病気が発生するのを防ぐために、表土にバークチップなどを敷いておくとよいでしょう。最後に鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えます。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に水やりをすると、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に水を与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に行いましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に開花期間中は水を欲しがるので、水切れしないように管理しましょう。また、冬は葉を落として休眠しますが、鉢内がカラカラに乾燥することのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え】 3〜10月までの成長期に、緩効性化成肥料を月に1度を目安に施します。 【鉢植え】 3〜10月までの成長期に、緩効性化成肥料を月に1度を目安に施します。9〜11月の開花期は、株の状態に勢いがないようであれば、液肥も与えて様子を見るとよいでしょう。 必要な作業・お手入れ Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 【摘心・切り戻し】 小菊や洋菊は特に、苗が幼いうちに茎の先端を切り取る「摘心」または深めに切り取る「切り戻し」を行うと、よく分枝してこんもりと茂ります。適期は4月から7月にかけて。枝葉が増えることで、花数も増えるので、ひと手間かけておくことをおすすめします。 【花がら摘み】 終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【刈り取り】 秋が深まると地上部を枯らして休眠するので、地際で刈り込んでおきましょう。枯れた茎葉をそのまま残しておくと病害虫の越冬地となってしまうので、株まわりをきれいにしておきます。また、晩秋からロゼット状になって冬を越す芽が出てくることがありますが、寒さに当たることで春からの成長につながるので、過保護にして室内に取り込むことのないようにしてください。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com 菊は、「株分け」と「挿し芽」で増やすことができます。 【株分け】 株分け適期は3〜5月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿のクローンが増えていくというわけです。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、菊は挿し芽で増やせます。 菊の挿し芽の適期は、5〜6月です。新しく伸びた茎を2節以上つけて、切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり・風通しのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 注意すべき病害虫 muroPhotographer/Shutterstock.com 【病気】 菊が発症しやすい病気は、白さび病や灰色かび病などです。 白さび病は、カビによる伝染性の病気です。葉の裏に白く小さな楕円形の斑点が現れます。この斑点は、やや細長くイボ状に突起するのが特徴です。症状が進むと斑点が破れ、中から粉のように細かい胞子を飛ばします。発症すると株が弱り、枯死することもあるので注意。梅雨や秋の長雨の時期に発生しやすくなります。茎葉が茂りすぎたら適宜間引いて風通しよく管理しましょう。発病した葉は見つけ次第切り取って処分し、適用のある薬剤を散布して防除します。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下にて発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 キクに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけて予防するとよいでしょう。 こまめなお世話で美しい菊を咲かせよう Piyapong Wongkam/Shutterstock.com 菊は古くから日本人に親しまれて家庭でも栽培されてきただけに、環境に馴染みやすく放任しても育ちやすい植物です。秋に庭を華やかに彩り、切り花として飾っても花もちがよく重宝します。ぜひ庭やベランダに迎え入れてはいかがでしょうか。



















