スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
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樹木

ツタ(ナツヅタ)を植える前に知っておきたいメリット&デメリットと育て方を解説
ツタ(ナツヅタ)の基本情報 Sodel Vladyslav/Shutterstock.com 植物名:ツタ学名:Parthenocissus tricuspidata英名:Boston-ivy、grape ivy、Japanese creeper、Japanese ivy和名:ツタ(蔦)その他の名前:ナツヅタ(夏蔦)、アマズラ(甘葛)、モミジヅタ(紅葉蔦)など科名:ブドウ科属名:ツタ属原産地:日本分類:落葉つる性木本 ツタ(ナツヅタ)はブドウ科ツタ属の落葉性つる植物です。原産地は、日本の北海道〜九州、朝鮮半島、中国。昔から日本の山野に自生してきたもので暑さや寒さに強く、育てやすい植物です。1年で1.5〜5mはつるを伸ばし、旺盛に茂っていきますが、吸盤のついた巻きひげや茎から出る気根を自ら他者に絡ませていくので、人の手による誘引の必要はありません。 春から秋にかけてはグリーンの葉を広げて面を埋め、みずみずしいシーンを演出、また秋には真っ赤に紅葉するので、季節感を楽しめるのもいいですね。夏は涼しい緑陰を作り、冬は葉を落として日差しをもたらすので、グリーンカーテンとしても利用されています。 ツタ(ナツヅタ)の花や葉の特徴 phichak/Shutterstock.com 園芸分類:観葉植物開花時期:6〜7月樹高:8m以上耐寒性:強い耐暑性:強い花色:緑 ツタ(ナツヅタ)の開花期は6〜7月。直径2〜3mmのグリーンの花なので、あまり目立ちません。秋には小さな果実を鈴なりにつけ、黒く熟した表皮には白い粉が吹いています。 葉は手のひらのような形で、3〜5裂しています。デザインのモチーフとしてさまざまに用いられる、美しい葉姿が特徴です。最大の魅力は晩秋からの紅葉。一面が真っ赤に染まる姿は見応えがあります。 ナツヅタとフユヅタの違い 冬に落葉したツタ。Daniel Sztork/Shutterstock.com ナツヅタとフユヅタは大変よく似ているので、見分けがつきにくいですよね。ナツヅタはブドウ科の落葉性つる植物で、フユヅタ(キヅタ)はウコギ科の常緑性つる植物。生育期のみ葉を茂らせ、冬には葉を落とすためナツヅタ、冬も青々とした葉姿を残すためにフユヅタとそれぞれ呼ばれるようになりましたが、別種の植物です。また、ナツヅタは気根と吸盤を使ってつるを他者に絡めますが、フユヅタは気根のみを使ってつるを這わせます。ちなみに、観葉植物として人気の高いシュガーバインは、常緑ですが、ナツヅタの仲間を品種改良したもの。アイビーはフユヅタです。 ナツヅタに分類されるシュガーバイン。KPG-Payless/Shutterstock.com フユヅタに分類されるアイビー。M88/Shutterstock.com ツタを植えるメリット・デメリット A.Luna/Shutterstock.com おしゃれな雰囲気をもつツタ(ナツヅタ)は、一度は植えてみたいつる植物として人気ですが、それなりにメリット・デメリットが顕著な植物でもあります。この項目でそれを把握して、植えるかどうか判断してください。 メリット ①つるを広い面に這わせて、みずみずしいシーンを作り出すことができます。②あまりデザイン性に優れないブロック塀やフェンスに這わせれば、目隠しすることができます。③窓前や建物に仕立てることで断熱効果・遮音効果を得られます。夏は日陰になって涼しく、冬は葉を落として陽だまりを楽しめるので、グリーンカーテンとしても利用できます。 デメリット ①生命力が旺盛で成長が早く、はびこりすぎることがあるので、メンテナンスに手間がかかります。②環境によっては虫が発生しやすくなることがあります。③建物に直接這わせると、壁を傷めてしまうことがあります。壁面にヒビなどがある場合には、そこにつるが入り込むこともあるので、ネットやワイヤーなどを張った上に、つるを這わせるなどの対策が必要です。 ツタ(ナツヅタ)の名前の由来や花言葉 Kuttelvaserova Stuchelova/Shutterstock.com ツタという名前の由来は諸説ありますが、他の木や岩肌に伝って伸びる様子から、「つたう」といわれたものが変化したという説が有力とされています。別名のナツヅタは、前述のとおり、夏に葉を茂らせて花を咲かせ、冬には落葉して見えなくなることから。また、ツタの樹液はほのかに甘く、古来甘味料の採取に利用されたという説から、アマズラ(甘葛)の別名もあります。 ツタの花言葉は「永遠の愛」「結婚」。つる植物らしい、結びつきの強さを表す花言葉です。 ツタの代表的な種類 ツタという言葉は、ツタ属全体を指すこともあります。ツタ属の中から、ここでご紹介しているツタ(ナツヅタ)以外に、ガーデニングでよく利用される代表的な種類をいくつかご紹介します。 アメリカヅタ bonilook/Shutterstock.com アメリカヅタは小葉が5つ集まり、掌状に広がる葉が特徴です。夏の青い葉や秋の紅葉が美しく、壁面緑化にもよく使われています。別名バージニアクリーパー。 ヘンリーヅタ AngieC333/Shutterstock.com ヘンリーヅタは他のツタに比べて成長がやや緩やかで、管理しやすいため、最近人気が高い種類です。こちらも鮮やかな紅葉が楽しめます。 ヴェイチイ Sodel Vladyslav/Shutterstock.com ツタ(ナツヅタ)の園芸品種で、一般種に比べるとやや小ぶりな葉を持ち、生育も穏やかで育てやすい品種です。 ツタ(ナツヅタ)の栽培12カ月カレンダー 開花時期:6〜7月植え付け・植え替え:3月下旬〜9月(真夏を除く)肥料:5〜9月 ツタ(ナツヅタ)の栽培環境 JT888/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日なたから半日陰まで、場所を選ばずよく育ちます。ただし、日照が不足すると、秋の紅葉時に発色が悪くなるので注意しましょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】土壌は適度に湿った場所を好みますが、丈夫で乾燥にも耐え、条件を選ばずよく育ちます。ただ、肥沃な土壌のほうがより生育が旺盛になり、枝葉をぐんぐん伸ばしていくようです。 耐寒性・耐暑性 日本の気候によく馴染み、暑さや寒さに強い性質を持っています。マイナス10℃以下にも耐え、耐寒性、耐暑性ともに高いので、基本的に冬越しや夏越しの対策は必要ありません。 ツタ(ナツヅタ)の育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料少量を混ぜ込んでよく耕してください。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり Vladimir Gjorgiev/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に与えると、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に行うようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意しましょう。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、休眠中の冬でもカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 【地植え】 強健な性質なので、1年目は植え付け時に元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。2年目以降は春の芽出し前に緩効性肥料を株まわりに施します。それ以降は特に必要ありませんが、株の生育に勢いがない場合は液肥を与えて様子を見てください。 【鉢植え】 生育期の4月〜9月中旬に緩効性化成肥料を株の周囲にばらまき、軽くスコップで耕して土に馴染ませます。株の生育に勢いがない場合は、液肥を与えておくとよいでしょう。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 ツタ(ナツヅタ)に発生しやすい病気は、炭そ病、さび病などです。 炭そ病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因の伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点が現れるのが特徴です。その後、葉に穴があき始め、やがて枯れ込んでいくので、早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので、被害を見つけたらすぐに除去して土ごと処分しておきましょう。密植すると発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時の泥の跳ね返りがきっかけになりやすいので、株元の表土を狙ってやさしい水流で与えるようにしましょう。 さび病は、カビによる伝染性の病気です。葉にくすんだオレンジ色で楕円形の斑点が現れます。この斑点は、やや細長くイボ状に突起するのが特徴です。症状が進むと斑点が破れ、中から粉のように細かい胞子を飛ばします。放置すると株が弱り、枯死することもあるので注意。発病した葉は見つけ次第切り取って処分し、適用のある薬剤を散布して防除します。 【害虫】 発生しやすい害虫は、アブラムシ、カイガラムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついてしまうほどに。植物の茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 ツタ(ナツヅタ)の詳しい育て方 植え付け・植え替え OlegDoroshin/Shutterstock.com 植え付け・植え替えの適期は、3月下旬〜9月です。ただし、真夏は株が弱りやすいため避けたほうが無難です。ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 庭で育てている場合、環境に合えば植え替える必要はありません。ただし、植え付けから5〜6年経って株が込み合っているようなら、掘り上げて株分けしてください。改めて植え直し、株の若返りをはかりましょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れます。苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、毎年は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。 剪定・切り戻し mihalec/Shutterstock.com 剪定適期は、葉を落として休眠中の12〜翌年2月。落葉している状態だと、つるがよく見えるので、作業がしやすいです。茂りすぎている部分や、これ以上範囲を広げたくない部分などをカット。剪定位置はあまり気にせずに、つるとつるとの分岐点を目安に、自由にカットしてかまいません。翌年の生育期になると、再び旺盛につるを伸ばすので、毎年同じくらいの範囲にとどめたい場合は、つるの1/2から1/3くらいまで切り戻します。 また、ツタ(ナツヅタ)は生育期に剪定してもOKです。葉が込み合っていると、病害虫を招くおそれがあるので、うっとうしく茂りすぎている部分は切り取って風通しをよくしましょう。 夏越し・冬越し Walter Pall/Shutterstock.com 【地植え】 暑さ、寒さに強いので、鉢上げして養生させるといったケアは必要ありません。 【鉢植え】 ハンギングや小鉢仕立てにして、移動しやすい状態で栽培している場合、コンクリートに囲まれたベランダやテラスなど、真夏に暑くなりすぎるようなら、風通しのよい明るい日陰に移動するとよいでしょう。寒さには強いので、戸外で越冬できます。 増やし方 Emmily/Shutterstock.com 株分け、挿し木、つる伏せで増やすことができます。 【株分け】 株分け適期は4〜5月か9〜10月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて4〜5芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ツタ(ナツヅタ)は挿し木で増やせます。 挿し木の適期は、4〜5月か9〜10月です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。3号鉢を用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。芽が出て順調に生育し、根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【つる伏せ】 つる伏せの適期は、4〜5月か9〜10月です。 まず、3号鉢に市販の草花用培養土を入れて、十分に水で湿らせておきましょう。つるの気根がついた部分を3〜4cmにカットします。鉢土の上に根を平らに置き、2cmほど土をかぶせておきます。これを水切れしないように管理すると芽を出し、新しい個体として生育し始めます。しばらく育苗し、ポットに十分に根が回った頃に、植えたい場所に植え付けます。つる伏せのメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。 ツタ(ナツヅタ)を撤去する方法 Happy_Nati/Shutterstock.com 「ツタ(ナツヅタ)が繁茂しすぎて手に負えないので、もう撤去したい」という声を聞くこともあります。メンテナンスが負担になってしまうなら、処分するのも一案です。壁面やフェンスに絡ませたつるは、手作業で剥がしましょう。丈夫で育てやすい反面、大変生命力が強いので、地上部を撤去しても地中に残っている根から芽が出て、またすぐにはびこってしまうことがあるかもしれません。その場合は、植えていた部分に除草剤をまいて対処するのも1つの方法です。 ツタ(ナツヅタ)を植えるならこまめに手入れを flaviano fabrizi/Shutterstock.com ツタ(ナツヅタ)はなんといっても美しい葉姿が魅力ですが、一方ではつるが旺盛に茂りすぎるきらいがあるので、定期的なメンテナンスも必要です。とはいえ、ツタが作り出すシーンは自然のアートといえるほどに見応えがあるので、ぜひ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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育て方

9月の庭仕事をチェック! ガーデニングカレンダー September
来年の庭の植栽プランを立てましょう 秋は宿根草や春咲き球根(チューリップやヒヤシンスなど)、バラ苗、果樹苗の買いどき、植えどきです。ホームセンターや園芸店のほかに、ちょっと変わったものを入手したいなら、専門ナーセリーものぞいてみましょう。宿根草やバラ、クレマチス、果樹など、それぞれのジャンルに特化したナーセリーがあり、通販で購入できるところもたくさんあります。Garden Story内で連載をしているショップもあるので、ぜひ検索してみてくださいね。珍しい品種、人気の植物は早期に“sold out”になってしまうので、早めに計画を立てましょう。 茂った植物を間引き&透かし剪定で庭をリフレッシュ 猛暑日が続く夏の間は、庭仕事がはかどらなかったという方、涼しくなってきたら庭の整理をしましょう。夏の間に茂りすぎた株が向こう側の景色を遮っていたり、株姿が乱れて雑然とした雰囲気になっていたりするものがあります。茂りすぎた株は、先端を切って短くするのではなく、枝数を減らすように株元付近から剪定して間引きます。このように全体をコンパクトにすると、風通しがよくなって秋以降もきれいに生育します。また、思いのほか大きくなる植物もあるので、庭全体を遠目で眺めて、不要だなと思う植物は抜き取って、リフレッシュしましょう。 水やりを夏仕様から秋仕様に Joaquin Corbalan P/ shutterstock.com 鉢植えの植物は真夏と同じように頻繁に水やりをしていると、根腐れの原因になります。水の渇き具合をチェックして、気温が下がっていることを確認したら、夏仕様から秋仕様に変えましょう。自動灌水機を1日2回に設定している方は、1回に設定し直しましょう。 種まきを始めましょう Michelle Lee Photography/Shutterstock.com 庭にかかるコストを抑えたいなら、種まきをして自分で苗をつくりましょう。ムラサキハナナ、ワスレナグサ、アグロステンマ、オルレア、リムナンテス、ロベリアなど、耐寒性の強い一年草や二年草の種まきは、9月中に終えましょう。種子から育てると時間はかかりますが、経費は苗のおよそ1/10に抑えられますし、芽吹きから観察するのも面白いものです。 冬野菜の播きどきです ホウレンソウや小カブは用土に直まきして栽培することができます(左写真は小カブ)。右上/シュンギクの若葉。右下/シュンギクは草丈20〜25cmになったら主枝を途中で折り取って収穫します。根元のわき芽が伸びたら折り取って、繰り返し収穫できます。 家庭菜園を楽しんでいる人は、そろそろ冬野菜の準備です。ダイコンやラディッシュは9月中旬に、月末頃からはハクサイ、コマツナ、チンゲンサイ、カブ、スイスチャード、ホウレンソウ、シュンギクなどの種子を播くことができます。ホウレンソウの場合は、種まきの1週間前までに苦土石灰を土にまいてなじませておきましょう。 クリスマスローズの苗を植え付けましょう Traveller70/shutterstock.com 宿根草のクリスマスローズは9月下旬頃から植え付け、植え替えを始めましょう。本格的な寒さがくる前までに、定着させておく必要があります。鉢植えは2年に1度は植え替えが必要です。植え替えをする際は、根をあまり崩さないようにしましょう。大株になったクリスマスローズは、9月後半が株分けのタイミングです。以下の記事を参考に作業を。開花は3月です。 鉢植えや樹木の台風対策 台風の季節です。暴風雨に備えて、草丈の高いものは茎が折れないようまとめて縛っておくとよいでしょう。鉢やハンギングも置き場所を見直して、飛ばされない場所へ移動しましょう。移動ができない場合は、鉢を寄せ集めて縛っておきます。アーチやフェンスなどの構造物に誘引したつる植物も留め付け箇所を増やします。樹木も株元をチェック。この時期はカミキリムシの幼虫であるテッポウムシが幹の中を食い荒らしていることがあります。弱った樹木は倒れやすいので、おがくずなどが出ていないか、ぐらつきがないかなどを確認し、必要なら支えをしたり、ロープをかけたりなどの対策をしましょう。 秋バラを咲かせるための剪定 四季咲き性のバラの多くは、この時期に剪定すると約50日後に咲きます。日数を逆算すると、9月上旬〜中旬までが剪定のタイミング。順調に花茎が成長すれば10月20日頃から11月上旬に年内最後の花が咲きます。秋に咲くバラは、春よりも小ぶりですが色が濃く、風情があります。 キンモクセイの花を収穫しましょう Lora Sutyagina/Shutterstock.com 9月下旬頃にはキンモクセイが咲き始めます。キンモクセイは花姿を楽しむだけでなく、花の甘い香りをお茶やシロップ漬けにしてもGood。チンキやシロップづくりなど活用方法を、以下でご紹介しています。 青じそは、花も実も美味しく食べられます mujijoa79/Shutterstock.com シソ栽培では、花を咲かせると葉がかたくなるので、夏は花を摘みながら育てますが、もうすぐシーズンが終わるので、そろそろ花を咲かせましょう。花の後には実ができますが、花も実も塩漬けにすると香りのよい調味料として活躍します。おにぎりやお茶漬けに入れると絶品です。 まだまだバジルを楽しみましょう ElenVik/Shutterstock.com シソ同様、バジルも花をつけると葉がかたくなるので、花を収穫した後、半分くらいに切り戻して肥料を施します。しばらくすると再び芽が展開し始めて、秋遅くまでバジルの収穫を楽しむことができます。収穫した花も捨てないで! オリーブオイルに4〜5日漬け込んでおくと、香りが移って料理に重宝しますよ。 生け垣の刈り込みをしましょう Lora Sutyagina/Shutterstock.com 生け垣の刈り込み時期です。希望の高さよりやや低めに刈ると、その後はひと月ほどで新芽が吹いて、ちょうどよい高さになります。 チャドクガにご注意を! 葉の上の黒い点々はチャドクガの幼虫のサインかも。 ツバキやサザンカ、お茶の木があるお宅は、チャドクガにご注意ください。庭木の手入れ中などに、知らずに触れてひどい皮膚炎を起こすことがよくあります。葉に集団でいることが多いので、発見したら葉ごと取り除き、袋に入れて処分しましょう。全長60cm前後の長さの高枝切り鋏を使用すると便利です。
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観葉・インドアグリーン

ペペロミアは種類豊富でコンパクトな観葉植物! 特徴や育て方のポイント、人気の品種もご紹介
ペペロミアの基本情報 Pomme Home/Shutterstock.com 植物名:ペペロミア学名:Peperomia英名:Peperomia和名:サダソウ(佐田草)科名:コショウ科属名:サダソウ属(ペペロミア属)原産地:世界の熱帯~温帯分類:多年草 ペペロミアは、コショウ科サダソウ属(ペペロミア属、Peperomia属)の多年草の総称です。 世界の熱帯~温帯に約1,000~1,400もの種が存在し、園芸品種も多くあります。 草丈は5~20cmと小型のものが多く、室内で楽しめるインテリアプランツとして人気があります。さまざまな草姿があり、主に葉が四方に伸びるロゼットタイプ、太い茎がまっすぐ伸びる木立タイプ、地面を這う匍匐(ほふく)タイプに分けられます。 花は咲いても目立たない品種が多く、葉姿を楽しむことがメイン。気を静めたり調和をもたらしたりするとして、風水的にも人気があります。あまり手がかからないため、ガーデニング初心者にもおすすめです。 ペペロミアの葉や花の特徴 Maritxu/Shutterstock.com 園芸分類:観葉植物開花時期:4〜10月草丈:5〜20cm耐寒性:普通耐暑性:強い花色:緑、黄、白、茶など ペペロミアは品種によってさまざまな葉の模様や色があります。茎が下に垂れ下がるもの、横に伸びるものなど、草姿も多岐にわたります。葉に保水し、肉厚で丸っこい多肉質な葉を持つ品種が多くある一方、細長い葉をつけるものもあります。 品種によって花の形状も異なります。尾状花序が立ち上がる種類が多いですが、小花を多数つけるタイプもあります。色は緑や黄、白、茶などですが、花が目立たない品種が多いです。 ペペロミアの名前の由来や花言葉 Nahhana/Shutterstock.com ペペロミアの名前は、ギリシア語でコショウを意味するペペリ(peperi)と「~に似た」を意味するhomoiosを組み合わせたもので、「コショウに似た」という意味です。料理で使うコショウの近縁種で、草姿が似ているところからつけられました。 花言葉は「艶やか」「かわいらしさ」「片思い」など。「艶やか」「かわいらしさ」は光沢がある品種や葉がピンク色の品種から、「片思い」は葉がハート形の品種が由来とされます。 ちなみに、スパイスとしておなじみのコショウは、コショウ科コショウ属(ピペル属、Piper属)の植物です。 ペペロミアの人気品種 ペペロミアには非常に多くの種類や品種があり、葉の形や色、草姿もさまざまです。その中から、人気の品種をいくつかご紹介します。 ペペロミア・イザベラ YuliyaD/Shutterstock.com ペペロミア・イザベラは、ぷくっとした小さな楕円形の肉厚な葉が密集する姿が特徴です。横に広がって成長し、コンパクトでインテリアになじみます。育つと下に垂れ下がるので、ハンギングにするのもおすすめです。 ペペロミア・ロッソ Pixel-Shot/Shutterstock.com ペペロミア・ロッソは、ペペロミアの中では比較的新しい品種。葉の表は光沢のある緑、葉の裏は赤色で、コントラストが鮮やか、かつシックな雰囲気です。草丈は約10cm、株張りは約15cmで、花は棒のような尾状花序です。 ペペロミア・アングラータ roottripper/Shutterstock.com ペペロミア・アングラータは、ペペロミアの代表的な品種の1つです。細く茶色い茎に濃い緑の葉をつけ、成長すると下に垂れ下がります。葉はプラスチックのような質感で、よく茂ってこんもりした株姿になります。 ペペロミア・アルギレイア Magic Gun/Shutterstock.com 通称スイカペペとも呼ばれるペペロミア・アルギレイアも人気の品種。丸い葉にはスイカの皮のような模様が入り、目を引きます。 ペペロミアの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4〜10月植え付け・植え替え:5〜9月肥料:5〜9月 ペペロミアの栽培環境 New Africa/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】室内で鉢植えで育てるのが一般的ですが、春から秋までは戸外で育てることもできます。明るい日陰を好み、屋外で栽培する際は、陽射しが当たりすぎないよう注意することが重要です。地植えには向かないので、鉢で管理し、夜間の気温が10℃を下回るようになったら室内に取り込むようにしましょう。 【日当たり/屋内】明るい日陰を好み、春と秋はレースのカーテン越しに日光に当てるとよいでしょう。夏は直射日光を避けるようにします。室内でも10℃を下回る環境には置かないように注意してください。 【置き場所】強い直射日光が当たる場所や、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。品種によってはある程度耐寒性はありますが、基本的に10℃を下回る環境には置かないように注意してください。 耐寒性・耐暑性 ある程度の耐寒性はあるため、温室を用意する必要はありませんが、10℃以下になると株にダメージが見え始め、0℃以下になると枯れてしまう品種もあります。最低気温が10℃以下になったら室内に取り込むとよいでしょう。暑さには強いですが多湿は苦手なので、夏は直射日光の当たらない涼しい場所で管理し、根腐れしないように注意します。 ペペロミアの育て方のポイント 用土 rigsbyphoto/Shutterstock.com 土は水はけのよい用土を使うことが大切です。市販の観葉植物用や多肉植物用がおすすめです。もしくは、赤玉土と腐葉土に川砂などを混ぜたものを使いましょう。 水やり Sentelia/Shutterstock.com ペペロミアは葉や茎に水分を蓄えることができるため、水やりは控えめにします。 多肉質の品種は乾燥に強いので、夏でも土の表面が乾いてから、さらに数日おいて水やりをします。葉の表面に水を吹きかければ元気に育ちます。冬は乾かし気味に、葉が乾燥しているときは霧吹きで葉水をするときれいに育ちます。土が常にじめじめしている状態は根腐れの原因となるため避けましょう。 肥料 Jus_Ol/Shutterstock.com 肥料は基本的に必要ありません。様子を見て、生育期間に葉が黄色っぽくなってくることがあれば、規定より薄めた液体肥料や緩効性肥料を施します。 注意する病害虫 Crystal Eye Studio/Shutterstock.com 【病気】 生育期間中に細菌病が発生することがあります。症状の出た葉は取り除いて処分しましょう。 【害虫】 カイガラムシやハダニが発生することがあります。 どちらも吸汁して生育を阻害するため、注意が必要です。カイガラムシの成虫は薬剤が効きづらいため、ヘラなどを使って手で駆除しましょう。ハダニはテープで駆除するか、薬剤を散布しましょう。 ハダニは高温乾燥期に発生しやすいので注意。水やりするときに、2回に1回は株全体や葉裏にも水をしっかりかけて洗い流すと、発生予防につながります。 ペペロミアの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、葉や茎がしおれているもの、軽く触るとぐらつくものは避け、葉がよく茂ってハリのあるものを選びましょう。 植え付け・植え替え Julia Lav/Shutterstock.com ペペロミアの植え付けや植え替えは、生育期の5~9月に行います。 鉢底から根が飛び出している、また水やりの際に土への吸収が悪いなどの状態であれば、植え替えのタイミングです。鉢から株を抜いて土を丁寧に落とし、変色して傷んでいる根や葉は切り落とします。1回り大きな鉢に植え、土は元肥を混ぜ込んだ新しいものに替えるとよいでしょう。 切り戻し・剪定 AkvarellDesign/Shutterstock.com ペペロミアが茂りすぎた場合は、ある程度枝葉を剪定して風通しをよくすることが重要です。 剪定は5~9月が適しています。込み合っているところや傷んだ枝葉をカットしましょう。ロゼットタイプの場合は、葉柄の付け根でカットします。木立タイプや匍匐タイプでは、剪定するとすぐにわき芽が出てきます。 ペペロミアの増やし方 Tipwann.H/Shutterstock.com 株分けや葉挿し、挿し芽などの方法で増やすことができます。 【株分け】 株分けの適期は5~8月です。 株分けの際は鉢から株を抜いて土を軽く落とし、株元を確認して1株あたり芽が2~3個になるように切り分けます。それぞれを新しい用土に植え付けますが、あまり細かく分けすぎないように注意が必要です。 【葉挿し】 Benno Putro/Shutterstock.com 株元から葉が出るタイプのペペロミアは、葉挿しで増やすのがおすすめです。 葉柄を2cmほど残して切り取り、清潔な用土にそのまま植えます。明るい日陰で乾かさないように管理すると、1カ月ほどで発根し、徐々にほかの葉も出てくるようになります。ただし、斑入りの品種は葉挿しで増やすと斑が消えてしまうので、株分けで増やしましょう。 【挿し芽】 Izzah Khaliifah/Shutterstock.com 挿し芽にする際は、まず茎を5cmほどにカットし、下のほうについている葉は落とします。挿し芽用の土を鉢に入れ、穴をあけて茎を挿します。 鉢は明るめの日陰に置き、乾かしすぎないように霧吹きなどで葉や茎にも水をかけて管理します。順調に育てば、1カ月ほどで発根します。 ペペロミア栽培でよくあるトラブルと対処法 Damian Lugowski/Shutterstock.com ペペロミアは比較的育てやすい観葉植物ですが、育て方が合わないと調子が悪くなってしまうこともあります。 ここではペペロミアを育てる際に起きやすいトラブルとその対処法についてご紹介します。 根腐れ evgeniia_1010/Shutterstock.com ペペロミアに元気がなく葉が変色している、土から腐った臭いがする、土の表面にカビが生えているなどの症状があれば、根腐れを起こしている可能性があります。 その場合は、鉢から株を抜いて土を落とし、水はけのよい土に植え替えましょう。根っこの腐っている部分はカットします。根腐れを防ぐためには、水やりは控えめにし、風通しのよい明るい日陰で管理することが重要です。 根詰まり AnneGM/Shutterstock.com 水やりしても浸透が遅い、鉢底から根が見えている、葉が黄色くなっているなどの場合は、根詰まりを起こしている可能性があります。 生育期に一気に成長すると、根詰まりを起こしやすくなります。そのままにすると枯れてしまうこともあるので、1回り大きめの鉢に植え替えましょう。植え替えの際は新しい土にします。 葉焼け photowind/Shutterstock.com ペペロミアは暑さには強いですが、直射日光には弱く、葉焼けを起こしやすい植物です。葉焼けが起こると、葉の色素が一部抜けて白くなったり、葉の一部が茶色く枯れたりします。 これらの症状に気付いたら、直射日光が当たらない場所に移し、葉焼けした部分は清潔なハサミでカットしましょう。 ペペロミアを室内に飾って楽しもう New Africa/Shutterstock.com ペペロミアは小型で可愛らしい葉が特徴の観葉植物です。室内で育てるのにおすすめですが多湿には弱いので、育てる際は乾燥気味に管理し、風通しのよい場所に置くのがポイントです。 非常に多くの色や模様があるので、ぜひお気に入りの品種を探して育ててみてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

パンパスグラスを庭で育てるには? 室内でおしゃれに飾る方法もご紹介
パンパスグラスの基本情報 Connie Guanziroli/Shutterstock.com 植物名:パンパスグラス学名:Cortaderia selloana英名:pampas grass和名:シロガネヨシ(白銀葭・白金葭)その他の名前:お化けススキ、西洋ススキ(セイヨウススキ)科名:イネ科属名:シロガネヨシ属原産地:南米、ニュージーランド、ニューギニア分類:宿根草(多年草) パンパスグラスは南アメリカやニュージーランド、ニューギニアに自生しており、イネ科シロガネヨシ属に分類される植物です。ススキに似た姿で、草丈は1〜3m、開花時期は9〜10月です。寒さにはやや弱く、暑さには強い性質です。 栽培の難易度は低くて育てやすく、伸びた穂は切り花として飾ったり、乾燥させてドライフラワーにしたりして利用されています。 パンパスグラスの花や葉の特徴 Chrislofotos/Shutterstock.com 園芸分類:草花、グラス開花時期:9〜10月草丈:1〜3m耐寒性:やや弱い耐暑性:強い花色:白、ピンク パンパスグラスの花穂は羽毛のようにふわふわとしています。花穂は50〜70cm、草丈は3mほどにまで成長する大型のグラスです。雌雄異株の植物で、花穂の色は雄株では茶色、雌株では白色が一般的ですが、ピンクや紫がかる品種もあります。 花穂のない時期には、細く伸びた葉だけでもオーナメンタルグラスとして楽しめます。細長い葉は縁がギザギザのノコギリ状になっているのも特徴で、手入れの際は肌や手を傷つけないよう、手袋をはめるなど注意をするとよいでしょう。葉に縞のような斑が入った種類もあります。 パンパスグラスの名前の由来と花言葉 Kathryn Roach/Shutterstock.com パンパスグラスという名前は草原地帯(pampas)に生える草(grass)という意味で、和名はシロガネヨシ(白銀葭)といいます。 パンパスグラスの花言葉は「光輝」「雄大な愛」「強気な心」「人気」など。「光輝」の花言葉は花穂が日の光でキラキラと光る様子から。また「雄大な愛」や「強気な心」などは、草丈が最大で3mほどにも成長する姿に由来します。 パンパスグラスの代表的な種類 Pablo Rodriguez Merkel/Shutterstock.com パンパスグラスの主な園芸品種をご紹介します。 姫パンパスグラスとも呼ばれるプミラは、草丈180cmほどの矮性種で、白銀色の花穂が非常に美しい品種です。 近年はプミラよりもさらに小型の‘タイニーパンパ’や‘ミニパンパス’という品種も流通し、個人邸のガーデンでも育てやすい草丈50〜60cm程度のサイズで注目されています。また、草丈1m程度の‘ゴールデンゴブリン’という品種など、育てる場所に併せて選べるようになっています。 左は、‘ミニパンパス’の苗。右は、草丈1m程の‘ゴールデンゴブリン’。Photo/InfoFlowersPlants/shutterstock.com、3and garden ‘ホワイト・フェザー’は白い花穂をつけ、切り花によく利用される品種です。草丈は2〜3mにもなるので、育てる場合は広いスペースが必要になります。 ‘ピンク・フェザー’はピンク色の花穂をつける品種で、こちらも切り花によく利用されます。草丈はおよそ3mになり、育てるには広いスペースが必要です。 ‘ゴールド・バンド’は葉の黄金色の斑が特徴的な品種です。日当たりのよい場所で育てると葉の色が濃くなります。 パンパスグラスとススキとの違い ススキの穂。Zaiga Pettere/Shutterstock.com ススキはイネ科ススキ属ですが、パンパスグラスはイネ科シロガネヨシ属で、科としては同じグループですが異なる属の植物です。 ススキとパンパスグラスを見分ける際の大きな違いは、花穂のボリュームです。ススキは軽やかなのに対し、パンパスグラスは厚みがあります。草丈も異なり、ススキは1〜2mですが、パンパスグラスは矮性種でなければ2〜3mにもなります。 それぞれが好む環境も異なります。ススキは耐暑性も耐寒性も非常に高いですが、パンパスグラスは耐暑性は高いものの、耐寒性はやや低めです。 パンパスグラスの栽培12カ月カレンダー rudiPro/Shutterstock.com 開花時期:9〜10月植え替え適期:3〜7月、9〜10月肥料:不要(ただし、大きく育てたい場合は控えめに与えるようにしましょう。肥料を与えすぎると花穂が上がらず、葉だけが茂る原因になるため注意が必要です)植え付け:3〜7月、9〜10月種まき:4〜5月 パンパスグラスの栽培環境 ThomBal/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりがよく、水はけと風通しのよい場所がおすすめです。 【日当たり/屋内】大きく育つため、屋内での鉢植え栽培より屋外での地植え栽培がおすすめです。日当たりが良く、スペースのある場所を選ぶようにしましょう。 【置き場所】暑さに強く、寒さに弱いので日当たりの良い乾燥気味の場所がおすすめです。日当たりが悪く、湿気が多い場所では穂がつかない場合があります。また、寒冷地では防寒対策をしないと株が弱ります。 耐寒性・耐暑性 パンパスグラスは耐暑性が強く、真夏の直射日光を浴びても弱ることなく元気に育ちます。暑さに強い一方、冬の寒さにはやや弱く、霜が降りるような場所では根が傷むことがあります。冬に氷点下3度以下になるような場所では、ビニールで覆ったり、株本をマルチングで覆ったりするなどの防寒対策が必要です。 パンパスグラスの育て方のポイント crystaldream/Shutterstock.com 用土 パンパスグラスは乾燥には強いものの湿気には弱く、保水力があって水はけの良い場所を好みます。水はけが悪い場所で栽培する際は、傾斜を作り、パーライトなどの土壌改良資材を土に混ぜ込むなどして土壌改良を行ってから植えるようにしましょう。 水はけさえよければ、植えつける場所の土質は選びませんが、腐葉土などの有機質を多く含む土を好むので、植え付けの際に土に混ぜ込んでおくと良いでしょう。 水やり hvostik/Shutterstock.com パンパスグラスの水やりは、基本的に自然の降雨のみで十分です。植え付け後から根付くまでの1カ月間と、真夏に雨が全く降らない日が2週間以上続いたような時だけ水やりをするとよいでしょう。 肥料 肥料も特に必要なく、過肥にしてしまうとかえって株が弱るので注意しましょう。株の元気がないときのみ、周囲の土に腐葉土をすき込みます。 注意する病害虫 パンパスグラスは病害虫に強く、病害虫の被害はあまりありませんが、つきやすい害虫として、アザミウマ、アブラムシ、エカキムシ、カメムシ、ハダニ、バッタなどがあげられます。また、かかりやすい病気としては、うどんこ病、黒星病、立枯病、斑点病などがあります。病害虫を発見したら、それぞれに適した薬剤を散布する、虫や葉を除去するなどして対処しましょう。 パンパスグラスの詳しい育て方 Mark Rademaker/Shutterstock.com 苗の選び方 苗を購入する際は、葉に傷みがなく、健康的で病気や害虫などが発生していないものを選びましょう。葉に変色や黒斑などがあるものは弱っている可能性があるので避けましょう。 植え付け・植え替え 植え付けの最適期は5〜6月です。ただしそのほかの季節でも、真夏と真冬のみ避ければ植え付けられます。 根が大きく張るので、複数株植える場合は隣り合う株の間隔を1m以上あけるようにします。植え付けの際には傷んだ根を取り除き、終わった後は水をたっぷりと与えましょう。 剪定・切り戻し stockphotofan1/Shutterstock.com 花が咲き終わったら半分くらいの高さまで切り戻します。そうすることで春から新芽が出やすくなります。冬の間は葉が枯れても防寒のためにそのままつけておき、3〜4月、新芽が伸び始める頃に取り除くとよいでしょう。葉の縁で手を切ることがあるので、手入れの際は手袋を着用するのがおすすめです。 秋の長雨や台風などで花穂が傷むことがあるので、早めに切ってドライフラワーや切り花として楽しむのも一つの方法です。 夏越し・冬越し パンパスグラスは耐暑性が高いため、夏は特に対策は必要ありません。 冬は寒冷地では霜で根が傷むことがあるため、株をビニールや寒冷紗などで覆ったり、株元をバークチップや腐葉土などで覆うマルチングなどの対策をするとよいでしょう。 増やし方 Vectorium/Shutterstock.com パンパスグラスは種まきと株分けによって増やすことができます。種まきは4〜5月が適期です。ポットに小粒の赤玉土や種まき用土を入れ、種を埋めたらたっぷりと水を与えます。発芽するまでは乾燥しないように注意しながら、成長に応じて植え替えを行いましょう。 株分けの場合は、3〜4月および9〜10月が適期です。株を掘り上げたら、根を3分の1程度に切り、株を2〜3株に分けます。分けた株を植え付けたら、根付くまでは乾燥しないように気を付けましょう。根付いたら、通常の栽培と同様に管理してください。 パンパスグラスを室内で楽しむポイント KaryB/Shutterstock.com パンパスグラスは育てるだけでなく、インテリアとして室内に飾って楽しめるのも魅力です。ここでは飾り方のポイントについてご紹介します。 庭のパンパスグラスを切り花として飾るなら Gladius Stock/Shutterstock.com 庭で育てているパンパスグラスを切り花として活用する時は、花穂が広がり出る前の皮で覆われた状態(トウモロコシの皮が実を覆っているような状態)のうちに切っておきます。穂を覆っている皮の根元付近に一周ぐるっとカッターなどで切り込みを入れて皮を外すと、内側からきれいな花穂が出てくるので、それを切り花に使います。覆っている葉も縁が鋭いので手を切らないように注意しましょう。 ドライフラワーの作り方 Volurol/Shutterstock.com パンパスグラスのドライフラワーの作り方には、ハンギング法とドライインウォーター法があります。 ハンギング法は、ドライフラワーにするパンパスグラスを麻ひもやビニールひもで吊るしておく方法です。風通しがよく湿気が少ない、直射日光が当たらない場所に1週間ほど吊るしておくと、ドライフラワーになります。 ドライインウォーター法は、花瓶などの容器に少量の水を入れてパンパスグラスを挿し、乾くのを待つ方法です。風通しがよく直射日光が当たらない場所に置き、水は足さないようにします。 おすすめの飾り方 ElenaBoronina/Irina Shatilova/Shutterstock.com パンパスグラスは1本だけでシンプルに飾るのもいいですし、数本をまとめて穂先をほぐしてふんわりとさせても見栄えよく飾ることができます。他の花と合わせてブーケやスワッグ、リースなどにしても、インテリアになじみやすくなりますよ。パンパスグラスのドライフラワーなどもよく市販されているので、庭で育てていなくても、手軽に購入して楽しむことができます。 雄大で存在感のあるパンパスグラス svetlana_apo/Shutterstock.com パンパスグラスは雄大な姿や特徴的な花穂が魅力の植物。ガーデンプランツとしてだけでなく、切り花やドライフラワーにしても楽しめます。庭のスペースに余裕がある方は、ぜひ育てて、その雄大な姿を身近に楽しんでみてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

バコパ(ステラ)は寄せ植えやハンギングにもおすすめ! 特徴や育て方のポイントとは
バコパの基本情報 vaivirga/Shutterstock.com 植物名:バコパ学名:Sutera英名:Bacopaその他の名前:ステラ 科名:オオバコ科属名:スーテラ属原産地:南アフリカ分類:宿根草(多年草) バコパはオオバコ科ステラ属、季節を問わず葉が緑のままである常緑性多年草です。原産地は南アフリカ。暑さや湿度が苦手ですが、密集して葉が繁るので、風通しや鉢の湿度管理が大切です。 草丈は10〜30cmとコンパクトで這うように伸びる性質があるので、寄せ植えやハンギングなどでも好んで用いられます。花壇に植える場合は、土をやや高めに盛って、周囲をレンガや木枠で囲んで植える場所が高くなるレイズドベッドがおすすめ。レイズドベッドは通気性に優れており、高さがあるのでバコパの垂れ枝がよく映えます。 開花時期になると、緑の葉の間に小ぶりな花が目立ち、いっそう華やかな姿に。育てやすいこともあり、人気の高い園芸植物です。 バコパの花や葉の特徴 photoPOU/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:1〜6月、9〜12月草丈・樹高:約10〜20cm ※枝垂れさせる場合は30cm以上耐寒性:弱い耐暑性:少し弱い花色:青、紫、ピンク、白、複色 バコパ(ステラ)の花や葉は、小ぶりで丸みを帯びた可愛らしいシルエットが特徴です。花色は白、パステルピンク、パステルブルー、紫、複色など。花径は1cm前後で小さく、5弁花で、一重咲きや八重咲きがあります。八重咲きの品種は夏になると花弁が少なくなり、一重咲きに近い状態になることも。また、品種によっては葉に白い斑が入るものもあります。 バコパの開花期は、3〜7月、9月〜11月上旬。花つきがよく、次々と咲いて長く楽しめるのが特徴です。 楚々として愛らしく主張しすぎないため、寄せ植えなどで他の植物とも調和しやすく、脇役として活躍する花です。 バコパの名前の由来と花言葉 Kabar/Shutterstock.com バコパの名前は、近縁種であるバコパ属が由来です。本来はステラ属なので、ステラとも呼ばれています。 バコパには、可愛らしい小さな花をつけることから「愛らしい」、開花期にたくさんの花が集まるように咲くことから「家族」などの花言葉がつけられました。 また、可憐な姿にもかかわらず、開花期が長く丈夫な植物であることから、「小さな強さ」という花言葉もあります。 バコパの代表的な品種 ‘スノーフレーク’ M. Schuppich/Shutterstock.com バコパは品種改良された園芸品種もいくつか出回っています。ここでは、代表的な品種をご紹介しましょう。 スノーフレーク バコパの園芸品種のうち、最もポピュラーな品種です。花色は白で、草丈は20cm前後。這うように横へ増え広がる性質を持っているので、グラウンドカバーやハンギングバスケットの寄せ植えなどにも利用できます。 グレートピンクリング 基本種よりも花のサイズが大きめで、ピンクの花を咲かせます。花弁の中央にやや濃いピンクがのるのが特徴で、満開時には大変華やかです。草姿が乱れてきた頃に切り戻すと、数週間以内に盛り返して開花し始めます。 ライムバリエガータ 葉にライムイエローの斑がランダムに入る品種で、開花期以外にはカラーリーフプランツとして重宝します。花色は白で、清楚な雰囲気。草丈は10cm前後で、這うように広がります。 バコパの栽培12カ月カレンダー 開花時期:1〜6月、9〜12月植え替え適期:5〜8月肥料:3〜11月植え付け:3〜5月、9〜10月種まき:3〜5月 バコパは春・秋に育ちやすい植物なので、3〜5月および9〜10月が植え付けの適期です。秋から春にかけて花が見ごろになります。 バコパの栽培環境 Yulia_B/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 バコパは、日当たりのよい場所を好みます。屋内・屋外どちらでも育てられますが、いずれも日光が十分に当たる場所がおすすめです。 また、バコパは多湿を嫌います。夏は特に株が蒸れやすいので、置き場所を選ぶ際は風通しにも注意しましょう。茎が柔らかく這うように育つので、釣り鉢やハンギングバスケットなどに植え付けたり、高所に置いたりすることで、垂れ下がった枝にもしっかりと風を通せます。 なお、土壌は、水はけ・水もちのバランスがよく、有機質に富んだふかふかの状態が良いでしょう。 耐寒性・耐暑性 バコパは日光を好む一方で、暑さが弱点です。夏場は、強い日差しを避けられる場所に移動しましょう。1日のうち一定時間だけ日光が差す、半日陰と呼ばれる場所がおすすめです。 バコパは寒さにはある程度強い植物ですが、気温が氷点下まで下がる環境では凍結によって傷んでしまう恐れがあります。冬に寒さが厳しくなる地域では、室内や屋外の日当たりが良い場所など、ある程度寒さをしのげる環境が必要です。 バコパの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んでよく耕してください。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり cam3957/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつでもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬は用土が乾きにくくなるので、状態を見ながらやや控えめに与えるようにしましょう。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え】 元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。株の生育に勢いがない場合は、液肥を与えて様子を見てください。 【鉢植え】 3〜11月頃、月に1度を目安に緩効性化成肥料を少量、株の周囲にまきます。スコップなどで軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。開花期間中は、緩効性化成肥料をやめて速効性の肥料を与えるのも一案。開花を促すタイプの液体肥料を、10日に1度を目安に与えて株の勢いを保ちます。 注意すべき病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 バコパは病気を発症する心配はほとんどありませんが、まれに炭そ病にかかる場合があります。 炭そ病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因で発生する伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点が現れるのが特徴です。その後、葉に穴があき始め、やがて枯れ込んでいくので、早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので、被害を見つけたらすぐに除去して土ごと処分しておきましょう。密植すると発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時に株全体に水をかけると、泥の跳ね返りをきっかけに発病しやすくなるので、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。 【害虫】 バコパに発生しやすい害虫は、アブラムシやコナジラミなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第、こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 コナジラミは、植物の葉裏について吸汁します。体長は1mmほどで大変小さいのですが、白いので目にとまりやすいでしょう。繁殖力が旺盛で、短期間で卵から幼虫、成虫になり、被害が拡大しやすいのが特徴。吸汁によってウイルスを媒介するほか、排泄物にすす病が発生しやすく、二次被害を呼びやすいので要注意。冬は卵やサナギの状態で雑草の中に潜み、春になると周囲に移動して活動を始めるので、雑草や枯れ葉を残さずに処分しておきましょう。大発生した時はスプレータイプの適用薬剤を散布して対処してください。 バコパの詳しい育て方 苗の選び方 バコパは、苗から育てるのが一般的です。流通時期は春〜秋で、園芸店やホームセンターなどで手に入ります。 バコパの苗を選ぶ際は、葉や茎、根の状態に注目しましょう。葉の色が良く、茎がしっかりとしていて、根元から葉が良く茂っている苗がおすすめです。 植え付け・植え替え AlenKadr/Shutterstock.com バコパの植え付け・植え替えの適期は、3〜5月か、9〜10月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後に、たっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、20〜40cmの間隔を取ってください。 地植えの場合、環境に合えば植え替える必要はありません。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。バコパの苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。大きな鉢にほかの草花と一緒に植え込んで、寄せ植えを作っても素敵です。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 日常のお手入れ 【摘心】 バコパは、苗が幼いうちに茎の先端を切り取る「摘心」を繰り返すと、よく分枝してこんもりと茂ります。枝葉が増えることで花数も増えるので、ひと手間かけておくことをおすすめします。 【花がら摘み】 バコパは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 剪定・切り戻し mihalec/Shutterstock.com 6〜9月に草姿が乱れてきたら、その都度切り戻して株の若返りをはかります。草丈の1/2〜1/3の高さを目安に、深めにカットしましょう。すると新芽を出して株が盛り返し、再び開花し始めます。 夏越し・冬越し 【夏越し】 高温多湿を嫌うので、早めに切り戻しをして風通しをよくしておきましょう。地植えで湿気が多く強光線が照りつける環境の場合は、鉢に植え替えて養生させるのも得策です。鉢栽培では、風通しがよく涼しい半日陰などに移動します。 【冬越し】 寒さには強いほうですが、戸外で冬越しできるのは凍結しない暖地のみと捉えるのが無難。霜が降りたり、霜柱ができたりする地域では、鉢に植え替えて凍結しない軒下や、日差しが届きやすい室内などに移動して管理しましょう。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com バコパは、種まき、株分け、挿し芽で増やすことが可能です。ここでは、それぞれの方法について詳しくご紹介します。 【種まき】 バコパの種まきの適期は3〜5月で、発芽適温は20〜25℃です。 種まき用のセルトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、1穴当たり1〜2粒ずつ播きます。土はかぶせずに、水を張った容器にセルトレイを入れ、底から吸水させます。発芽までは乾燥・過湿にならないように適度な水管理をしてください。発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚出始めたら黒ポットに鉢上げします。さらに育苗して根鉢が充実し、十分に育ったら植えたい場所に定植します。 【株分け】 バコパの株分けの適期は、3〜5月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて4〜5芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽ができないものもありますが、バコパは挿し芽で増やせます。 挿し芽の適期は、4〜6月か9〜10月です。新しく伸びた茎葉を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。セルトレイを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたら黒ポットに植え替えて育苗し、十分に育った頃に植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 他の草花と組み合わせやすいバコパを花壇や鉢に咲かせよう Sergey Bezgodov/Shutterstock.com 這うように増え広がる草姿で、流れるような茎葉のラインが美しく、寄せ植えなどで動きを出すアクセントになってくれるバコパ。草姿が乱れても切り戻せば、若返った姿を再び見せてくれるのもいいですね。どんな花とも組み合わせやすいバコパを、ぜひ庭やベランダに取り入れてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

ラティビダ(メキシカンハット)はユニークな姿の夏の花! 育て方のポイントやおすすめ品種を解説
ラティビダの基本情報 The Jungle Explorer/Shutterstock.com 植物名:ラティビダ学名:Ratibida columnifera英名:upright prairie coneflower、Mexican hat、longhead prairie coneflower和名:ヒメバレンギク(姫馬簾菊)その他の名前:メキシカンハット、ラチビダ、プレーリーコーンフラワーなど科名:キク科属名:ラティビダ属原産地:北アメリカ分類:宿根草(多年草) ラティビダの学名は、Ratibida columnifera(ラティビダ・コルムニフェラ)。メキシカンハットやヒメバレンギク、プレーリーコーンフラワーなどの別名もあります。キク科ラティビダ属の多年草で、原産地は北アメリカ。7種が分布するとされ、草丈は30~90cmで種類や品種によって幅があります。暑さにも寒さにも強く、乾燥した気候を好み、多湿が苦手です。冬には落葉しますが、越年して生育期に入ると再び新芽を出して花を咲かせることを繰り返します。一度植え付ければ毎年開花する、ライフサイクルの長い植物です。 ラティビダの花や葉の特徴 Dan Flake/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:7〜9月草丈:30〜90cm耐寒性:強い耐暑性:強い花色:赤、オレンジ、黄、茶など ラティビダの開花期は、7〜9月。花色は赤、オレンジ、黄、茶など、明るくカラフルな印象で、長く伸びる花心に下から上へ咲き上がる筒状花と、だんだんと垂れ下がる舌状花で構成されるユニークな花姿が特徴です。舌状花が落ちた後も、筒状花は残ります。葉は切り込みの入った細長い形です。 ラティビダの名前の由来や花言葉 Dan Flake/Shutterstock.com ラティビダという名前は、学名のRatibida columniferaから。「Ratibida」は、19世紀に活躍した植物学者・動物学者のConstantine Samuel Rafinesque-Schmaltz(コンスタンティン・サミュエル・ラフィネスク=シュマルツ)により名付けられました。「columnifera」は「円柱状の」という意味で、花心が長く伸びて筒状花が咲く様子を表しています。別名のメキシカンハットは、花姿がメキシコの帽子ソンブレロに似ていることに由来しています。 ラティビダの花言葉は「友情」「親しみ」です。 ラティビダの代表的な種名・品種 ラティビダ・ピナータ。Brian Woolman/Shutterstock.com 国内で流通しているラティビダのいくつかの種類のうち、ポピュラーなものをご紹介します。 ラティビダ・ピナータ 同じラティビダ属の仲間で、開花期は初夏〜秋。花径7cmほどの黄色い花を咲かせます。中央の花心は短めで、最初はグリーンからだんだん茶色へと変化。草丈が高くなるのが特徴で、最大150cmほどに達します。 ラティビダ‘レッドミジェット’ 開花期は夏〜秋で、花心が長めに伸びます。舌状花は個体差があり、黄色×赤の複色もあれば、赤一色になるケースもあるようです。交配された園芸品種で、草丈が30〜45cmとコンパクトにまとまり、扱いやすいのが特徴です。 ラティビダの栽培12カ月カレンダー 開花時期:7〜9月植え付け・植え替え:4〜6月、10月頃肥料:3月、10月(地植えはほとんど不要)種まき:4〜5月、9月下旬〜10月 ラティビダの栽培環境 Kit Leong/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。半日陰でも生育しますが、極端に日照が不足すると花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとしたか弱い茎葉ばかりが茂って草姿が間のびしたりするので注意しましょう。地植えの場合は、西日が強く当たる場所は避けます。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】水はけがよく、腐植質に富んだふかふかの土を好みます。酸性に傾いた状態を嫌うので、苦土石灰をまいて土壌改良しておくとよいでしょう。多肥は好まず、やせ地でもよく育ちます。 耐寒性・耐暑性 耐寒性はマイナス15℃程度まであり、暑さや寒さに強いため、一年を通して屋外で栽培できます。 ラティビダの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付ける1〜2週間前に、酸性土壌を改善するために苦土石灰をまき、さらに腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根の生育がよくなります。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 高温多湿を嫌うため、やや乾燥気味に管理します。水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えましょう。 真夏は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 Singkham/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの際に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。基本的に追肥は不要ですが、株に勢いがなかったり花つきが悪い場合は、緩効性肥料を与えて様子を見ましょう。 【鉢植え】 植え付けの際に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。3月と10月に緩効性肥料を株元にばらまき、土に馴染ませます。 注意する病害虫 Catherine Eckert/Shutterstock.com 【病気】 病気の心配はほとんどありません。 【害虫】 発生しやすい害虫は、ハダニです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 ラティビダの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。 植え付け・植え替え Nataly Studio/Shutterstock.com 植え付けの適期は4〜6月か10月頃です。直根性なので、植え付けの際はあまり根をいじらないように注意しましょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗を植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、約30cmの間隔を取っておきましょう。あまり密に植え付けると、風通しが悪くなって株が蒸れることがあるので、余裕を持たせておくほうが無難です。植え付けた後は、たっぷりと水やりをしておきましょう。 環境に合えば植え替えの必要はなく、そのまま植えっぱなしにしてかまいません。 【鉢植え】 鉢の大きさは、入手した苗よりも2〜3回り大きい鉢を準備します。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら植え付けます。その際、苗の根が白く回っているようなら、軽く根鉢をくずしてから植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておきます。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していき、最後に鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して軽く根鉢をくずし、古い土や根を落として新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備して植え替えてください。 日常のお手入れ RapunzielStock/Shutterstock.com 【花がら摘み】 次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【切り戻し】 開花が終わった後、草姿が乱れていたら切り戻します。地際から草丈の半分〜1/3の高さを目安に、深めにカットしましょう。 夏越し Jerrold James Griffith/Shutterstock.com 【地植え】 長雨に当たると蒸れることがあるので、梅雨前に株が込み合っているようであれば、茎葉を間引くように切り取り、風通しをよくしておきましょう。 【鉢植え】 梅雨前に雨の当たらない軒下などへ移動して蒸れないようにしておきます。梅雨が明けたら置きたい場所へ移動します。 冬越し David G Hayes/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 寒さには強く、マイナス15℃くらいまで耐えるので、戸外で越冬できます。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com 種まきと株分けで増やすことができます。ここでは、それぞれの方法について解説します。 【種まき】 種まきの適期は4〜5月か、9月下旬〜10月で、発芽適温は20〜30℃です。種まきから栽培する場合、花壇などに直まきすると、幼苗のうちに病気や虫の害にあいやすく、天候不順にも左右されやすいので、種まき用のセルトレイに播いて適した場所で管理すると、より確実です。 セルトレイを使う場合は、市販の種まき用の培養土をトレイに入れて種子を播き、覆土はごく薄くしてください。種が流れ出すことのないように、水やりは水を浅く張った容器にトレイを入れ、底から給水します。発芽までは乾燥させないように水の管理をしましょう。 発芽したら日の当たる場所で管理し、苗が込み合っている部分があれば抜き取って間引きましょう。もったいないからといって密になったままにしておくと、ヒョロヒョロと間のびした徒長苗になってしまうので、注意。 本葉が3〜4枚ついたら、トレイから抜いて鉢上げします。黒ポットに草花用の培養土を入れて、根を傷つけないように苗を周りの土ごと抜き取って植え付けます。日当たりのよい場所に置き、表土が乾いたら水やりして育成します。ポットに根が少し回るくらいまでを目安に育苗し、幼苗のうちに植えたい場所に定植します。 【株分け】 株分けの適期は、4月頃です。 株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて根を半分ほどに切り分け、再び植え直しましょう。それぞれの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 ラティビダはドライフラワーにもなる JohnatAPW/Shutterstock.com ラティビダは、開花すると舌状花がだんだんうなだれて垂れ下がるようになり、中央の筒状花が上へ咲き上がっていきます。やがて舌状花が花弁を落とし、花心のみが残った頃に摘み取って、ドライフラワーにしましょう。採取した茎をいくつか束ねて麻ひもなどで縛り、直射日光の当たらない風通しのよい場所で逆さに吊して乾燥させます。1〜2週間ほどしたら、インテリアなどに飾って楽しみましょう。 ラティビダのユニークな花を楽しもう S.A. Sebastian Gnolfo/Shutterstock.com 暑さにも寒さにも強いラティビダは、乾燥ぎみに管理するのが栽培のポイント。花茎を伸ばした先にメキシコ風麦わら帽子のような花を咲かせる姿はユニークで、アイキャッチにもなります。花が終わった後、枯れていく姿も趣があり、秋の庭のアクセントとしても楽しまれています。ぜひ庭やベランダに取り入れて、ナチュラルな咲き姿を愛でてください。
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樹木

アオダモ(コバノトネリコ)はシンボルツリーに人気の庭木! 特徴や育て方、メリット・デメリットは?
アオダモの基本情報 植物名:アオダモ学名:Fraxinus lanuginosa英名:Fraxinus lanuginosa和名:アオダモ(青梻)その他の名前:コバノトネリコ、アオタゴ科名:モクセイ科属名:トネリコ属原産地:日本、朝鮮半島など形態:落葉高木 アオダモは、モクセイ科トネリコ属の落葉高木です。原産地は日本、朝鮮半島など。北海道から九州までの山地で自生してきた雑木で、日本の暑さや寒さに強い性質です。 アオダモは自然樹形で10〜15mに達し、高木に分類されています。「そんなに大きくなるんだったら、持て余してしまいそう」と、ガーデンに取り入れることにためらいを感じるかもしれませんが、これはあくまで自然の状態で、例えば山野で育った場合の最終樹高です。毎年、冬の休眠期に適切な剪定を行えば、好みの高さに抑えることができるので、ご心配なく。自然樹形が美しく、庭にナチュラルな雰囲気をもたらす、人気の高い庭木です。 アオダモの花や葉の特徴 園芸分類:庭木・花木開花時期:4〜5月樹高:10〜15m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白 アオダモは、4〜5月に花を咲かせます。花色は、清楚なピュアホワイト、またはやや黄色味を感じるアイボリーです。一つひとつの花は5〜6mmと小さいのですが、花穂を伸ばして多数の花をつけ、それが木全体を覆うように咲き誇るので、満開の時にはみずみずしいグリーンの葉全体に雪をまとったような姿となり、とても見ごたえがあります。 アオダモの名前の由来や花言葉 アオダモの「アオ」は、一説には枝を切って水に入れておくと、エスクリンなどの成分が溶けだし、水が青みを帯びた色になることに由来するとされています。ほかに、雨上がりに樹皮が緑青色になることや、青墨を作るために利用されたことからという説もあります。 アオダモの花言葉は、一般に「未来への憧れ」、「幸福な日々」と言われています。由来は明白ではありませんが、シンボルツリーとして取り入れるのにぴったりな花言葉です。 アオダモの樹形、株の特徴 株立ち・一本立ち(単幹)とは? 【株立ち】 根元から複数の幹が生えている樹姿のこと。複数の幹に栄養が分散されるため、比較的幹が細く繊細で優しい雰囲気になります。1株で雑木林のような雰囲気を出せるのも特徴です。 【一本立ち(単幹)】 幹が1本の樹姿のこと。1本の幹に栄養が集約されるため、太くしっかりとした幹になり、堂々とした雰囲気が出ます。 庭に樹木を取り入れる際は、育てる環境やどのような雰囲気を演出したいかなど、それぞれの樹形がもつ特性を理解して選択することが大切です。 アオダモは株立ちの樹形が多い 一般に広く販売されているアオダモの苗はほとんどが株立ちの樹形ですが、一本立ち(単幹)のアオダモも存在します。アオダモは自然樹形が美しいことが魅力の一つですが、縞模様の木肌がさらに雑木らしさを感じられ、ナチュラルな雰囲気を演出してくれます。 アオダモの木は木製バットの材料として利用されている アオダモの材木は、硬く丈夫で、弾力性に優れているなどの特徴があり、曲げ木にも適しています。これらの特性により、古くから野球の木製バットやテニスラケットの木材などの用途で利用されてきました。 アオダモの仲間 アオダモが属するモクセイ科トネリコ属には以下の樹木があります。 ヤマトアオダモ アオダモは白またはアイボリーの花弁をつけるのに比べ、ヤマトアオダモには花弁がありません。オオトネリコとも呼ばれます。 マルバアオダモ マルバアオダモはアオダモによく似た白い花が咲きます。葉っぱは鮮緑色で、葉脈上にわずかに毛がある点がアオダモとの違いです。 ミヤマアオダモ 本州、四国に分布するミヤマアオダモは、アオダモによく似ていますが、葉っぱの縁に鋭い鋸歯があるのが特徴です。 シマトネリコ ツヤのある美しい葉をつける、トネリコ属では数少ない常緑樹で、シンボルツリーとして人気です。 アオダモと名前が似ているアオハダとは? アオハダ。 樹形や名前が似ていることから混同されやすいアオダモとアオハダ。アオハダはモチノキ科モチノキ属の樹木で、アオダモと同様に雑木風の庭づくりに人気です。「アオハダ」という名の通り木肌は青みがかっており、小さく丸みを帯びた葉や、淡い緑色の丸い花びらなどの特徴から、アオダモと見分けがつけられます。 アオダモが庭木として人気のある理由 アオダモは、その家の顔となるような存在感を発揮する、シンボルツリーとして選ばれることが多い樹木です。どうしてそれほどの人気があるのか、ここではアオダモの庭木としての魅力について紐解いていきます。 どんな住宅でも合わせられる Photo/3and garden アオダモは、比較的樹高が高くなり、樹形が自然に美しく整う姿が魅力です。背丈が高くならない低木や、刈り込んで形を整えることで生け垣として魅力を発揮する樹種とは異なり、1本植えるだけで庭の主役となる風格を持っています。明るくグレーがかった幹肌はなめらかで優しく、黒肌でゴツゴツとした幹を持つ樹種のような荒々しさはありません。自然に枝を四方にバランスよく伸ばし、明るいグリーンの葉は薄くて軽やかな質感。穏やかな風にもサラサラと葉を揺らし、癒やしのひとときをもたらしてくれます。もともと日本の山野に自生する樹木なので、庭に取り入れると「フォレストガーデン」のようなナチュラルな景観づくりに一役買ってくれます。また、建物や庭のスタイルを問わず、和洋、どんな外観にもしっとりと馴染んでくれる一面も持っています。 成長速度が遅く初心者でも育てやすい アオダモは、自然樹高が10〜15mになると前述しましたが、一気に成木となるわけではありません。比較的生育スピードが遅く、ゆっくりと成長していくので、庭木の中でも管理がしやすい樹種の一つです。また、昔から日本に自生している植物なので環境に適合し、病害虫にも強いので、ガーデニングのビギナーにもおすすめです。 適した剪定を行えば高さを抑えることができる 落葉期に適した剪定を行えば、大きくなりすぎることもなく、「切っても切っても枝が繁茂して樹形が乱れるので管理が面倒、ゴミ出しも大変」ということにはならないでしょう。 落葉樹のため四季を通してさまざまな表情を見せてくれる アオダモは落葉樹のため、四季を通してさまざまな表情を見せてくれるのも魅力。すっかり葉を落として冬枯れた景色の中でも、枝をよく見ると冬芽がついていて、暖かくなるにつれ、だんだんと大きくなっていきます。3月頃にはその葉芽から新緑が吹き出し、たくましい生命力に感動せずにはいられません。初夏には白い花が雪をかぶったように株全体に咲いて、一番の見頃に。夏にはたっぷりとした緑陰が涼風を呼び込んでくれます。秋になると実をつけ、冬前には落葉。このように一年を通して姿を変えて、「またこの季節がやってきた」と四季の移ろいを強く感じさせてくれる樹木です。 冬は美しい樹形を生かしてライトアップを楽しむのも 落葉する冬の季節は、樹木の影を住宅の壁面に浮かび上がらせるシャドーライティングという手法でおしゃれなライトアップ演出をするのもおすすめです。また、樹形を生かして幹や枝に巻き付けるイルミネーションも、落葉樹ならではの楽しみです。 アオダモの苗はどこで販売されている? アオダモの苗木は、園芸店やホームセンター、ネット通販などで広く販売されています。 アオダモの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4〜5月植え付け・植え替え:12月または3月頃肥料:2月 アオダモの栽培環境 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日向〜半日陰を好むので、風通しがよく、西日が照りつけない場所を選びます。西日が強く当たる環境だと、葉焼けを起こす場合があります。 【日当たり/屋内】一年を通じて屋外で管理します。 【置き場所】水はけ、水もちがよく腐植質に富んだ肥沃な土壌に植え付けます。 耐寒性・耐暑性 耐暑性・耐寒性に非常に優れており、-20℃ほどの気温までなら問題なく冬を越せます。 アオダモの育て方のポイント 用土・植える場所 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質や砂質、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めに入れるとよいでしょう。肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた培養土を利用すると手軽です。赤玉土(小粒)7、腐葉土3の割合でよく混ぜ、配合土を作ってもよいでしょう。 水やり Afanasiev Andrii/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをします。根付いた後は、下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりするとすぐにお湯状になり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりするとすぐにお湯状になり、株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。一方、冬は休眠し表土も乾きにくくなるので、控えめに与えるとよいでしょう。与えた水が凍らないよう、気温が十分に上がった日中に行います。 肥料 Criniger kolio/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 2月頃に緩効性化成肥料を与え、土によくなじませましょう。生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり、旺盛に枝葉を広げることにつながります。 注意する病害虫 feathercollector/Shutterstock.com 【病気】 アオダモは、ほとんど病気が発生しない丈夫な庭木の一つですが、幼木の時期には褐斑病(かっぱんびょう)が発生することがあります。葉に茶色の斑点ができ、だんだん大きくなって全体に広がっていき、やがて葉を落とします。病状が木全体に広がると、ほぼ落葉してしまい、樹勢が弱まるので注意しましょう。 5〜10月に見られる病気ですが、特に梅雨頃に多く発症するようです。アオダモは冬になると落葉しますが、その落ち葉に菌が潜んで越冬します。 発症が見られた場合は、落葉したすべての葉を掃き取って処分しましょう。また、新芽が出る頃に木全体と周辺の土壌に、適応する薬剤を散布して防除します。 木が大きく育って樹勢が強まると、病気を寄せつけにくくなります。 【害虫】 アオダモにはほとんど害虫の被害は出ませんが、テッポウムシが現れることがあります。テッポウムシは、カミキリムシの幼虫です。成虫が幹などに産卵し、幼虫が木の内部を1〜2年にわたって食害するため、徐々に樹勢が弱り、枯死することも。木の周囲にオガクズが落ちていたら、内部にテッポウムシがいることが疑われます。見つけ次第、侵入したと見られる穴に適応する薬剤を注入して駆除しましょう。 アオダモの詳しい育て方 選び方 一般に販売されているアオダモの苗木は、価格に幅があります。幼く小さい苗の場合は、1,000円前後で購入できます。地際から数本の幹を立ち上げる株立ちに仕立てた苗木では一気に値段が上がって、1万円以上になります。樹齢が長い苗木になるほど値段が上がるのは当然ですよね。また雑木の庭のシンボルツリーにする目的で、山に自生して自然にダイナミックな樹形を作り上げているアオダモを「山採り」して購入する場合は、大変高価になります。 幼い苗を植え、自身の手で樹形を作り上げていくか、コストはかかっても最初から樹冠を大きく広げた美しい成木を手に入れて、手っ取り早く雑木の庭のシンボルツリーにするか。それぞれご家庭の目的に応じて選ぶとよいでしょう。 植え付け SujaImages/Shutterstock.com アオダモの植え付け適期は、落葉後の休眠期で、厳寒期を除いた12月または3月頃です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 鉢の大きさは、8〜10号鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れます。苗木をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておきます。土が鉢内まで行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。しっかりと根付くまでは、支柱を立てて誘引しておくとよいでしょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。一年を通して日当たり、風通しのよい場所に置いて管理しましょう。 種まき 秋まきの場合は10月頃、春まきの場合は5月上旬頃に播きます。 剪定・切り戻し mihalec/Shutterstock.com アオダモの剪定適期は、休眠中の12〜2月です。 自然樹形を楽しむ庭木なので、込み合っている部分を切り取って風通しをよくする「すかし剪定」を基本にします。地際から立ち上がっている「ひこばえ」は元から切り取りましょう。木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく伸びすぎている「徒長枝」も元から切り取ります。 植え替え・鉢替え 鉢植えで楽しむ場合は、成長とともに根詰まりしてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。 増やし方(種まき、挿し木) アオダモはタネを播くか、挿し木から増やすことができます。タネから増やす場合は、9月上旬から10月に採取したタネを10月から11月上旬頃までに播きます。挿し木で増やす場合は、剪定した枝を挿し穂にして増やすことができます。 夏越し アオダモは耐暑性に優れているため、特別な対処は必要ありません。 冬越し アオダモは耐寒性に優れているため、特別な対処は必要ありません。 アオダモを植えると後悔する? 庭に取り入れる際のデメリットや知っておきたいこと bluebullet/Shutterstock.com アオダモを植栽する前に知っておきたい、栽培するうえでのデメリットや管理のポイントなどをピックアップしました。「知らなかった!」と後悔しないために、ぜひ参考にしてください。 放置すると巨木になる アオダモは、自然樹形で10〜15mに達する高木です。毎年、落葉期に適した剪定をすれば樹高を抑えることができますが、手入れをせずに放任すると大木に育って、「気づいたら手に負えなくなっていた」というケースもあります。枝葉を大きく広げるので日当たりが悪くなり、アオダモの株元には植物が育たなくなってしまった、という残念な結果にも。個人邸で地植えにする場合は、シンボルツリーにするとしても、3〜4mまでに樹高を抑えたほうがよいでしょう。大きく育ってきたら、造園業者などに剪定を依頼するのも一案です。 目隠しになる? 常緑樹のシマトネリコ。 庭木を取り入れるメリットに、隣家や道路からの視線を遮る目隠しの効果があります。株立ちのアオダモであれば、軽やかな印象の目隠しとして役立つ一方で、冬には葉が落ちるため、視線が気になるという可能性もあります。その場合は、アオダモによく似た常緑樹であるシマトネリコを選ぶのもよいでしょう。 スペースが必要 アオダモは自然に樹形が整うので、大きく育ててシンボルツリーとすることでその魅力を発揮できます。そのため、ある程度枝葉を伸ばしても邪魔にならないような広いスペースを確保しておきましょう。建物やカーポートなどに近い場所に植えると、大きく育った枝が軒下などにつかえて切らざるを得なくなり、のびのびと枝葉を広げた樹形の美しさを観賞できない、というケースもあるようです。 あらゆるスタイルの庭・外構に馴染む! アオダモを育ててみよう アオダモは自然樹形が美しい落葉樹で、みずみずしい新緑から白くふんわりとした花、赤い実に紅葉と、一年を通して表情が変化していくのが最大の魅力です。環境に馴染みやすく生育スピードは緩やかで、メンテナンスの手間が比較的少ないのもいいですね。ぜひシンボルツリーとして、庭に取り入れてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

クワズイモ(アロカシア・オドラ)は素敵なグリーンインテリア! 元気に育てるポイントを解説
クワズイモの基本情報 Prawit Ritchalearnwatthu/Shutterstock.com 植物名:クワズイモ学名:Alocasia odora英名:Giant elephant's ear、night-scented lily、Asian taro和名:クワズイモ(食わず芋)その他の名前:アロカシア、アロカシア・オドラ、出世芋科名:サトイモ科属名:アロカシア属原産地:熱帯アジア分類:多年草 クワズイモの学名はAlocasia odora(アロカシア・オドラ)。サトイモ科アロカシア属の常緑性多年草です。原産地は主に東南アジアで、草丈は2mほど。熱帯地域のジャングル内に自生することが多く、半日陰の環境を好みます。したがって、真夏に強い日差しを浴びると、葉焼けすることがあるので注意。太くて細長い根茎が地上部まで立ち上がり、そこから大きな葉を何本も広げる姿はダイナミックで、インテリアグリーンとしても人気があります。アロカシア属に分類されているため、アロカシアという名前で流通することもあるようです。 クワズイモの葉や花の特徴 Predrag Lukic/Shutterstock.com 園芸分類:観葉植物開花時期:6〜8月草丈:10〜200cm耐寒性:やや弱い耐暑性:強い花色:白 クワズイモの葉は、大きくなると60cmほどにもなります。根茎から茎が数本立ち上がり、四方に艶やかなハート形の葉を広げる美しいフォルムが魅力です。 開花期は6〜8月ですが、株が十分に成熟していないと咲かないようです。白い仏炎苞と呼ばれる花弁に似た苞の中に、棒状の花穂が立ち上がって甘い香りを漂わせます。 クワズイモの名前の由来や花言葉 Yurich/Shutterstock.com クワズイモは、里芋に似ているものの、食用にできないことが名前の由来です。成長が早いために「出世芋」と呼ばれることもあります。 クワズイモの花言葉は「仲直り」「復縁」など。葉がハート形をしていることが理由のようです。 クワズイモの葉。wacharagorn worasit/Shutterstock.com クワズイモの近縁の仲間 クワズイモが属するアロカシア属の植物には、クワズイモのほかにも観葉植物として流通しているものがあります。代表的な品種をいくつかご紹介しましょう シマクワズイモ lovelypeace/Shutterstock.com シマクワズイモ(Alocasia cucullata)はヒメクワズイモとも呼ばれ、ほかの近縁種と比較して葉が小ぶりで株もコンパクトなので、お部屋の狭いスペースでも育てやすい種類です。耐陰性が高いため、シェードガーデンのグラウンドカバーにも利用されます。 インドクワズイモ julie deshaies/Shutterstock.com インドクワズイモ(Alocasia macrorrhiza)はクワズイモとよく似ていて、同じようにインドアグリーンに利用されますが、耐寒性は普通のクワズイモよりもやや弱いとされています。 アロカシア・ポリー aappp/Shutterstock.com 葉につやつやと強い光沢があるアロカシア・ポリー(Alocasia × amazonica ‘polly’)は、アロカシア・アマゾニカの園芸品種で、濃い緑色にくっきりと白い葉脈が浮かぶ葉が印象的です。アロカシアの中でも流通が多く、ほかのアマゾニカ同様、細長くシャープな葉は縁部分に波打つように凹凸があります。 アロカシア・ゼブリナ Chatchai Somwat/Shutterstock.com アロカシア・ゼブリナ(Alocasia zebrina)の特徴は、葉柄の色。名前のとおり、シマウマのように暗褐色の縞模様が入ります。細長くシャープな葉もスタイリッシュで、インテリアプランツとして人気があります。 アロカシア・ブラックベルベット Zulfa Abdullah/Shutterstock.com アロカシア・ブラックベルベットは流通名で、学名はアロカシア・レギヌラ(Alocasia reginula)。その名のとおりベルベットのような質感の葉は、黒に近い濃い緑色で、葉脈部の白色と鮮やかなコントラストを描きます。コンパクトに成長する種類です。 斑入り品種 joojoob27/Shutterstock.com アロカシアには斑入りの品種もあり、大きな葉にさまざまな斑が入る様子はモダンな雰囲気で人気があります。斑の色や入り方は個性があり、バリエーション豊かです。 クワズイモは毒性に注意 Wirestock Creators/Shutterstock.com クワズイモには、シュウ酸カルシウムが含まれており、誤食すると食中毒を引き起こすので注意しましょう。特に幼児やペットのいる家庭では、インテリアグリーンとして飾った際に誤って口に入れることのないように、置き場所に配慮してください。また、切り口から出る液も、触れるとかぶれることが多いので、手入れをする際はゴム手袋を装着しておくとよいでしょう。 クワズイモの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6〜8月植え付け・植え替え:5月中旬〜9月肥料:5〜10月 クワズイモの栽培環境 virgo1957/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】クワズイモは観葉植物として人気がありますが、地植えにしても育てられます。強い直射日光を浴びると葉焼けするため、半日陰で育てましょう。鉢植えの場合は半日陰で雨の当たらない場所に置き、冬は室内に取り込んで冬越しさせます。 【日当たり/屋内】インテリアの観葉植物として飾る場合、室内の日当たりのよい場所に置きます。真夏は葉焼けを防ぐために、直射日光を避け、レースのカーテン越しの光を当てるとよいでしょう。 【置き場所】水はけ・水もちのよい環境を好みます。暑さに強い反面寒さには弱く、関東以南の太平洋側など、温暖な地域ではバークチップなどでマルチングをすれば越冬も可能ですが、寒い地域では鉢に植え替えて、凍結しない場所で越冬させましょう。 耐寒性・耐暑性 クワズイモの耐寒温度は5℃くらいまで。必要に応じてマルチングや室内での管理など寒さ対策を行います。暑さには強いですが、強い日差しには弱いため注意しましょう。 クワズイモの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、30〜40cmの穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、再び埋め戻しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 観葉植物用にブレンドされた、園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に与えると、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になることがあるので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根づいた後は、下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて過度に乾燥している場合は、水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いてから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。受け皿にたまった水は、こまめに捨てましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。乾燥する時期は、霧吹きで葉に水をかけると、ハダニの予防になります。 施肥 New Africa/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 生育期の5〜10月は、2〜3カ月に1度を目安に、緩効性化成肥料を株の周りにばらまき、スコップなどで軽く耕して土になじませます。 注意する病害虫 Tomasz Klejdysz/Shutterstock.com 【病気】 クワズイモに発生しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病、軟腐病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉や新梢などに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。チッ素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすく、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 軟腐病は土壌中の細菌による病気で、植物の傷口から病原菌が入り込むことによって発症します。地際部などが変色して軟らかくなり、腐って悪臭を放ちます。進行すると地上部がしおれ、地際も溶けたようになり、枯れてしまいます。発病した株は周囲に広がらないよう抜き取って処分しましょう。発生初期の段階であれば、腐った部分をすべて取り除き、新しい清潔な用土に植え替えることで復活も見込めます。菌が繁殖しやすい梅雨から秋の高温多湿な時期に発生しやすいので、水はけのよい環境にし、植え付けや強風によって植物を傷つけないよう注意しましょう。また、前年に発生した場所では同じ植物を栽培しないほうが無難です。 【害虫】 クワズイモに発生しやすい害虫は、ハダニ、アザミウマなどです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 アザミウマは花や葉について吸汁する害虫で、スリップスという別名を持っています。体長は1〜2mmと大変小さく、緑や茶色、黒い姿をした昆虫です。群生して植物を弱らせるので注意しましょう。針のような器官を葉などに差し込んで吸汁する際にウイルスを媒介するので、二次被害が発生することもあります。被害が進んだ花や葉は傷がついてかすり状になるので、よく観察してみてください。花がらや枯れ葉、雑草などに潜みやすいので、株まわりを清潔に保っておきます。土に混ぜるタイプの粒剤を利用して防除してもよいでしょう。 クワズイモの詳しい育て方 苗の選び方 葉に張りや艶があってみずみずしく、根や茎がしっかりしているもの、キズや病害虫の痕がないものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え laenon/Shutterstock.com 植え付け適期は、5月中旬〜9月です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、根鉢をくずさずに植え付けます。最後に、たっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用培養土を半分くらいまで入れます。苗の根鉢をくずさずに鉢に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。 日常のお手入れ Flystock/Shutterstock.com 【枯れ葉の整理】 枯れている葉があれば、基部で切り取ります。切り口から傷んでくることがないように、殺菌剤を塗布しておくと安心です。切り口から出る樹液に触れるとかぶれることがあるので、ゴム手袋などをはめて作業してください。また、枯れた葉が株の周りに落ちているようなら、拾って処分しましょう。株まわりを清潔に保つことで、病害虫の予防につながります。 冬越し rangtheclick/Shutterstock.com クワズイモは寒さに弱い性質があります。庭に地植えした場合は、越冬できる暖地ではバークチップなどで株元にマルチングをして寒さ対策をしておきます。寒い地域では、鉢に植え替え、暖かい室内で越冬させます。鉢植えにして戸外に置いている場合も、暖かい室内に取り込みましょう。室内に置く際は、窓にごく近い場所では夜に冷気が伝わりやすいので、少し離れた場所に置くようにします。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com 挿し芽、株分けで増やすことができます。ここでは、それぞれの方法について解説します。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、クワズイモは挿し芽で増やせます。 挿し芽の適期は、5月中旬〜6月です。棒状に伸びて地上に立ち上がっている根茎を地際あたりで切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、葉を切り取り、半日ほど日陰に置いて、切り口を乾かします。黒ポットに新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。株として十分に育ったら、植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【株分け】 株分けの適期は、5月中旬〜6月です。最初の植え付けから数年が経ち、株が大きく育っていたら、株分けすることができます。新しくできた子株があれば切り分けて、それぞれに鉢を用意して植え直します。 クワズイモは水耕栽培も可能 KPG-Payless/Shutterstock.com クワズイモは、ハイドロボールなどを使っての水耕栽培でも育てることができます。ここでは、揃えておきたい材料や、管理のポイントなどについてご紹介します。 用意するもの まず、クワズイモの苗、水耕栽培する容器、ハイドロボール、根腐れ防止剤を準備します。そのほか、清潔なハサミや水を入れたバケツも用意してください。クワズイモは株が大きく成長するので、大きめで深さのある容器を選ぶようにしましょう。 手順 苗をポットから出して根鉢の土を落とし、水を入れたバケツの中で根を洗います。古い根や邪魔な根があれば切り落としてもかまいません。 容器の底に根腐れ防止剤を入れ、ハイドロボールを少し入れて苗を仮置きします。苗が器とちょうどよいバランスになるように、高さを調整しながらハイドロボールを入れていきましょう。最後に、ハイドロボールに水を注ぎます。水の量は容器の1/4程度を目安にし、ハイドロボールが浸るほど水を多く入れすぎないように注意してください。 育て方のポイント ハイドロボールに植え付けたあとは、半日陰の場所に置いて管理します。水がなくなったら適宜水やりをしますが、水は入れすぎないようにするのがポイントです。肥料はハイドロカルチャー専用のものを使いましょう。 クワズイモ栽培のトラブルと対処法 KPG-Payless/Shutterstock.com クワイズイモの栽培では、思わぬトラブルが発生することがあります。ここでは、発生しやすい症状と対処法についてご紹介します。 根腐れ 水やりの頻度が多すぎると、根腐れして株が弱ることがあります。放っておくと根が呼吸できなくなり、ひどくなると枯死してしまうので注意。その兆候として見られるのは、土がなかなか乾かない、葉が変色する、葉が枯れる、茎や根茎を押すとやわらかくなっている、土に臭いやカビが発生する、などです。 根腐れの症状が起きている場合は、掘り上げて傷んだ根や塊根を切り取り、新しい培養土を使って植え直します。あまりに症状が進んでいるようであれば、挿し芽をして更新してみましょう。 葉焼け 半日陰を好むクワズイモは、強い直射日光に晒されると葉焼けしてしまいます。葉の色が抜けて白くなったり、茶色く枯れ込んだりするので、観賞価値が著しく下がってしまうので注意。真夏は特に、直射日光が当たらない場所で管理することが大切です。 クワズイモを素敵なグリーンインテリアとして楽しもう Foto by KKK/Shutterstock.com みずみずしいグリーンの葉を四方に伸ばすクワズイモは、オープンな広いリビングなどに置くと見栄えがします。ダイナミックなフォルムのクワズイモを、インテリアプランツとして迎え入れてはいかがでしょうか。
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ガーデンデザイン

【実例】ストレスから解放するセラピーガーデンデザイン|健康と社会にアプローチする都市公園
大規模都市公園の中の「ユニバーサルガーデン」の役割 * 浜名湖ガーデンパークは、浜名湖畔に56ヘクタールという広大な敷地を有する都市公園です。2004年に「浜名湖花博」の会場として整備され、その翌年から静岡県営の公園として一般に無料で開放されています。2024年春には花博から20周年を迎え、その記念事業の1つとして、私たち「かたくり工房」はパークの西側エリアにある「ユニバーサルガーデン」のリデザイン&施工を引き受けることになりました。 市民が暮らしの中で日常的に親しむ公共空間をデザインするにあたり、私は改めて公園の役割について考えました。公園はしばしば「憩いの場」と表現されますが、「憩い」には「身体や心を休めること」「安らかにする」という意味があります。つまり、公園には疲れた身体や心を安らかな状態にする「癒やし」の役割が求められているのです。そこで、私はデザインコンセプトを「セラピーガーデン」とし、植物が人の心身にもたらす作用を積極的に取り入れることにしました。 緑を見てホッとしたり、癒やされるという感覚は、誰しも経験があるかもしれません。これまで体験的なものとして知られてきたこうした感覚は、近年さまざまな研究によって科学的に解明されてきています。例えば、千葉大学大学院・園芸学研究科の岩崎寛准教授は、血圧の正常化など、緑が心身にもたらす生理的作用を発見。緑を見ることで恒常性回路(健康を維持するための機能)が崩れる要因となるストレス刺激が緩和され、自己治癒力を高める効能があることを解明しました。 また、植物の香りには種類ごとにさまざまな作用があり、ラベンダーの香りが副交感神経に働きかけ、心身をリラックスさせたり、安眠効果があることは有名です。このように植物は視覚や嗅覚など人の五感に作用し、安らかな状態にするさまざまな力を持っているのです。そこで私は、東西に細長い敷地のこのユニバーサルガーデンを嗅覚・触覚・味覚・視覚・聴覚の5つのエリアに分類し、それぞれの感覚に働きかけることが期待される植物をセレクトしました。 聴覚に働きかける「音のエリア」。 例えば、嗅覚のエリアでは、前述したラベンダーのほかに、同様の効果があるとされるクチナシや、女性ホルモンに作用するバラ、認知機能を高める柑橘系の香りのタイム‘レモン’など、香りの効果があるものをセレクトして入れています。また聴覚のエリアでは、小鳥が訪れるのを期待して、エゴノキやジューンベリーを植栽し、巣箱をかけておきました。すると早速、オープンから1カ月余りでシジュウカラが入居し、かわいいさえずりをガーデンに提供してくれています。 2024年春のオープンの際の様子。車椅子の利用者と家族がガーデンを散策していた。宿根草はまだ小さく、植物は2年後に本来の大きさに生育する。 このように、エリアごとの目的に合わせて植物をセレクト。東西に細長い100mほどの小道状のガーデンを端から端まで歩いていけば、植物が五感に働きかけ、通り抜けた後には心身が安らいでいる、というイメージで設計をしました。 (*ガーデンは現在夏季養生中/2024年8月中) 維持管理のストレスを極力減らす雑草対策 このようにユニバーサルガーデンは植物のセラピー効果を積極的に取り入れたガーデンですが、一方で植物は人にストレスを与えることがあります。その一つが雑草の繁茂。ガーデニングをしている人は実感があると思いますが、草取りの労力はガーデニングの中で大きなストレスとなります。ことにこうした公園のような広いエリアでは雑草の管理も重労働となり、管理が行き届かなければ植栽した植物の生育が阻害され、デザイン意図が崩れる大きな要因にもなってしまいます。 私はこれまでさまざまな観光ガーデンを手掛けてきましたが、草取りのためにしばしばシルバー人材センターからお年寄りが派遣され、真夏の炎天下で作業をする姿が心配でなりませんでした。ガーデンの維持管理は設計施工者である私たちではなく、公園側へ委ねることになり、こうした市民の力を借りることも大いに考えられたため、雑草管理を極力少なくするということも私の使命と考えました。 植栽時の様子。左の花壇はマルチング済み。右の花壇はマルチング前で、専用に開発された植栽リングの中に植物を植えた状態。 そこで、この庭では、長年私たちがガーデン施工をする中で研究開発してきた「ノンストレスガーデン工法」を採用することにしました。簡単に説明すると、防草シートを植栽エリア全面に敷き、配置図に沿って植栽箇所にのみ穴をあけて植物を植えるという工法です。最後に全面にマルチングを施すため、防草シートが入っているようには見えません。この工法では、雑草を極力防ぐことができるため、選んだ草花を育てることに専念できます。ですから、草取りのストレスから開放されるという意味で、「ノンストレス」と名付けました。実際、ノンストレスガーデン工法で施工したあるバラ園は、それまで草取りにかけていたメンテナンス費が1/10に削減され、主役であるバラの手入れにより力が入れられるようになったといいます。 植物が生育すると植栽リングも隠れ、防草シートが入っているようには見えなくなる。 草取りの手間がないなら、庭を持ってみたいという人は多いのではないでしょうか。ノンストレスガーデン工法は、もちろん個人の庭でも施工可能で、私が手掛けている個人邸は、近年すべてこの工法で施工しています。私はこの工法が広がって、よりガーデンの楽しみを享受する人が増えることを期待しています。ただし、防草シートの敷き方や穴のあけ方、留め方など細部で正しく施工しないと逆効果になってしまうため、私たちが長年培ってきた知識や技術、施工後の管理方法などを他の施工者の方々に丁寧にお伝えできる形を現在模索中です。 グラウンドカバープランツとしても優秀な「クラピア」 そしてもう1つ、より誰もができる雑草対策として、グラウンドカバープランツによる雑草対策も取り入れています。グラウンドカバープランツとは地面を這うように広がってくれる植物で、さまざまな種類があります。代表的なものは芝生やリシマキア・ヌムラリア‘オーレア’などですが、芝生は密に生えそろうまでに雑草のタネが落ちて数年は除草作業が必要ですし、リシマキアはかんかん照りの場所より少し日陰を好みます。そこで近年、重宝しているのが「クラピア」です。クラピアは暑さに強く日なたでよく育ち、小さな丸い葉が重なっているので雑草が入る隙を与えません。芝生より早く生育して広がるので、新たなグラウンドカバープランツとしてさまざまな施工現場で活用されています。 グラウンドカバーとしてクラピアが優秀な理由の一つに、クラピアが日本の在来種から品種改良され、タネを作らないよう開発されていることも重要な点として挙げられます。クラピアによく似たヒメイワダレソウ(リッピア)という植物がありますが、こちらは外来種で旺盛に繁殖するため、日本では「生態系被害防止外来種リスト」に指定されています。ヒメイワダレソウはタネが飛んでいってしまうため、仮に農作物を作る田畑にタネが飛んで旺盛に繁茂してしまったら、とても厄介なことになります。雑草対策には、このように雑草化してしまう可能性のあるものはNG。植物には種類によってそうしたリスクもあるので、近隣への配慮もしながら選ぶ必要がありますが、クラピアは人がコントロールできるので安心して使えます。 また、浜名湖ガーデンパークはすぐそばに海があるため、クラピアが塩害に強いということもポイントです。海が近くにあるエリアでは、台風がくると海水を巻き上げた暴風雨の影響で、庭の植物が塩害によって枯れることがあります。そのため、台風の後にはホースで真水をまいて洗い流すなどの作業が必要になることがありますが、クラピアはもともと沖縄の沿岸に自生しており、塩害に強いため安心して植えられました。 白い花が咲いたクラピア。 さらに、クラピアは管理の面でも芝生と比較し、楽なのもよい点です。緑の絨毯のような芝生は植えれば勝手にできるわけではなく、むしろ植えた後の管理が肝心。芝生は刈り込むことで分枝し、密に茂って絨毯のようになるため、生育が始まる春から2週間に1回、そして生育が旺盛になる夏には1週間に1回芝刈りをするのが理想です。一方、クラピアはシーズンに1回の刈り込みで十分緑の絨毯状になります。春から夏にかけては1cmくらいのクローバーに似た可愛らしい花を咲かせ、一面の花畑のような風景を作ることも可能ですし、刈り込みの頻度を増すことで葉が小さくなり、草丈低くより緻密な緑の絨毯に仕上げることも可能です。このように、こちらの都合に合わせて管理方法が選べる点も私が気に入っている理由です。 庭づくりのアイデアを知らせる看板にも注目 クラピアについて解説した看板。文字が読めない人でも、意味が伝わるようイラストも添えた。 管理の負担を低減したり、暮らしに合わせて選択できるようにすることは、デザインや植物のセレクト次第で可能になります。特に年々、暑さが厳しくなる夏の管理を減らすことは、今後ますます課題になっていくでしょう。こうしたガーデニングの知識や技術を訪れた方にお伝えし、自宅でも活かしてもらえるように、ガーデン内には解説ガイドの看板も要所要所に立ててあります。このアイデアは、私がアメリカ園芸療法学会の会員としてカンファレンスに参加していたシカゴボタニックガーデンから得ました。このガーデンには車椅子のガーデナーが設計した「イネイブリングガーデン」というエリアがあります。「イネイブリングガーデン」とは(不可能を)可能にするガーデンという意味です。この庭には、さまざまな障害を持った人でも庭や庭づくりが楽しめるアイデアが詰まっており、そのアイデアが看板に記され、小さなポストからアイデアメモを持ち帰ることができるようになっていました。 シカゴボタニックガーデンで「イネイブリングガーデン」を設計したジムさんと。* シカゴボタニックガーデンからは、この看板だけでなく、ユニバーサルの機能についても大いに参考にさせてもらいました。ガーデンの名前にもなっている「ユニバーサル」は、しばしば「バリアフリー」と混同されますが、バリアフリーが特定の障害を持った人へ配慮したデザインであるのに対し、ユニバーサルデザインは障害を持った人もそうでない人も、大人も子どもも性別も超えて、すべての人にとって快適であるデザインのことを指します。不特定多数の人が訪れる公園には、ユニバーサルデザインの考えが不可欠ですが、私はそれを「複数の選択肢を用意する」という手法でデザインしました。 誰にとっても通りやすい園路の工夫 ユニバーサルガーデンの東口の入り口。 例えば、東口の入り口は階段を設け、西口の入り口はスロープにしました。すべてをスロープにしたほうが誰にとっても使いやすいのではないかと思われがちですが、足腰の弱った人の中には、平らな部分がない傾斜が続くほうがしんどいこともあるのです。その点、階段は一段一段平面があり安定しているため、自分のペースで進み、休みが必要ならば手すりにつかまって休憩することも可能です。 この階段は、じつは介助付きの車椅子でも、上り下りが可能です。介助者がいる場合、車椅子の後方にあるティッピングレバーを踏んで押し進めることで、前輪を浮かせて階段を上ることができます。階段の段差(蹴上げ)はその許容範囲内である14.5cmとし、一段一段車椅子が安定するように、階段の奥行き(踏み面)を120cmとしました。上るときも下がるときも介助者が下から支えて利用するよう説明した看板もあります。前述のようにスロープは傾斜が続くため、介助者は上り切るまで手を緩めることができないので、こちらのほうが都合がよい場合もあります。このように階段とスロープ、都合に合わせてどちらも選べるように東西の入り口の形状を変えてデザインしましたが、ここでは両方を体験してもらうことも目的の1つです。 車椅子の利用者になることは誰にでも起こりうることですが、家の入り口などのデザインにはいくつかのバリエーションが可能で、自身にあったスタイルはどれなのか、体験したり練習する場所として公園ほど安全な場所はありません。このようにさまざまなアイデアを持って帰ってもらい、自宅で活かしてもらうことも都市公園の役割の1つではないかと考え、より具体的に活かせるよう看板には寸法も入れています。 すべての人が過ごしやすい場所を目指したユニバーサルガーデン もう1つ、芝生のベンチも車椅子の利用者のことを考慮してデザインしました。ここは芝生に座る感覚を車椅子の人にも味わってもらいたいと作った場所です。芝生の地面から車椅子への移動は高さがありとても大変ですが、芝生の高さを上げてベンチ状にすることでスライド移動となり、車椅子の人も楽に芝生に座ることができます。 これは前述のイネイブリングガーデンを参考にしたもので、車椅子のデザイナーならではの発想に、とても感心したことを覚えています。実際座ってみると分かりますが、地面から立ち上がるより、高さのあるベンチのほうが誰にとっても負担が少なく済みます。例えば公園には赤ちゃん連れの方も多く訪れますが、芝生のベンチなら、赤ちゃんを抱いた状態でもバランスを崩さず安全に座ったり立ったりできます。 草花に触れやすいように、沿道側はレイズドベッド状花壇にした。高・中・低と3つの高さがあるので、自身に合う花壇を楽しめる。 世の中のデザインは一般に健常者の視点で作られていることが多く、ハンデを負っている方の不都合には気づきにくいものです。ユニバーサルデザインでは、その不都合を意識し、解消するデザインを模索する必要がありますが、結局それはハンデのない人にとっても快適な形であることが多いことに、このガーデンの設計を通して気づきました。また、公共の場所のデザインはそうであるべきとも思います。特に、公園は一定の時間を過ごす場所であるからこそ、いろいろな人がいることを認識し、相手の存在をお互いに気遣ったり思いやったりする場面も生まれ、「気づきにくさ」というものが解消されていくことも期待したいです。都市公園には「憩いの場」としての役割のほかに、多様性への理解を進め、よりよい社会へと導く役割もあるのではないでしょうか。ユニバーサルガーデンがたくさんの方に利用され、そうした役割を果たすことを期待したいと思います。
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育て方

庭を芝生にしよう! 芝生のお手入れ方法や張り方、メリット・デメリットを徹底解説
庭を芝生に! 後悔しないためにメリット・デメリットを知っておこう Kate Aedon/Shutterstock.com 公園やガーデンのふかふかとした芝生で一休みしたことはありますか? 見た目にも青々と美しくおしゃれで、優しい踏み心地の芝生はとてもリラックスできる場所。ついつい長居してしまいたくなります。そんな芝生の庭をDIYで自宅にもつくってみませんか? 爽やかな緑の広がる芝生の庭は、すっきりとして眺めるだけでも気持ちよい絵になる場所に。晴れた日は、日陰や木陰でゆったりと読書なども楽しめます。子供や犬などのペットの遊び場としてもぴったりですよ。 天然芝と人工芝の違い、メリット・デメリット photo/3and garden 天然芝とは、文字どおり植物であるイネ科の芝のこと。生き生きと鮮やかな緑色を保ち、感触がやわらか。またプラスチックやビニール製の人工芝と比べて安い費用で敷き詰めることができますが、成長したり枯れたりする植物なので、日々のメンテナンスが必要で、雑草対策なども必須です。庭の手入れや園芸が好きな方には、天然芝の管理はやりがいがあり、苦にならない人もいます。 バーベキューや焚き火、花火、ヨガなどを楽しみたいアウトドア派の方にも、剥き出しの地面のままよりも、天然芝がおすすめです。 szancsaa/Shutterstock.com 一方、人工芝は、ポリエチレンやウレタンなどの合成樹脂で作られた資材です。毛足の長さもさまざまで、近年では天然芝に見劣りしないものも出てきています。 メリットは、メンテナンスフリーで一年を通して同じ景観が楽しめること。日当たりも気にする必要がなく、マンションのベランダなどどんな場所にも設置でき、枯れることもなく、害虫の心配もありません。ただ、設置コストが天然芝より高くなること、また溶ける可能性があるので火気厳禁である、そして、近年は環境負荷の課題であるマイクロプラスチックの発生に関わっているという懸念点があるなどのデメリットがあります。 この記事では、主に天然芝について解説していきます。 芝生と砂利、コンクリートの違い、メリット・デメリット terng99/Shutterstock.com では、芝生、石(砂利や砕石)、コンクリートでは、管理面やメリット・デメリットでどのような違いがあるのでしょうか。 芝生のよさは、なんといっても青々とした緑の見た目。新芽が生え揃い、青々と緑が濃くなるという季節による色の変化も楽しめます。導入時の費用も他と比べて比較的安く抑えられ、傷んだらその部分だけ切り取って張り替えることもできます。 デメリットとしては、先に記述した天然芝の項目にもあるように刈りそろえるなどの管理の手間が挙げられます。 Ridhwan Fauzi/Shutterstock.com 芝生の代わりに、表土に石を敷き詰めるデザインの場合、砂利や砕石を利用します。砂利とは、岩石が砕け、角がとれて丸くなった2〜5cmの小石のこと。また、同じようなサイズで、角が残っている砕石(さいせき)も庭に敷き詰める石材としてよく用いられます。使用する分量によりますが、地面に敷く建材の中では最もリーズナブルなコストで敷き詰めることができます。色・形状や敷き方によって庭のイメージを和風にも洋風にも変えることができます。 庭に砂利を敷くと水はけがよくなるというメリットがあるほか、踏むと音が鳴るため防犯にも役立ちます。 デメリットとしては、落ち葉の掃除がしにくい、砂利の隙間から雑草が生えやすい(防草シートで対策が可能)、夏は太陽光によって石が熱せられるなどが挙げられます。 コンクリートのメリットは、耐久性の高さ。昨今のコンクリートは性能が高く、半永久的に劣化しないので、一度敷けばメンテナンスの必要がありません。地面を完全に覆うので、雑草対策や害虫対策も必要なく、勾配と排水溝をきちんと作れば、水はけもよくなります。車いすでの移動もスムーズにできます。 手入れの楽さと機能面を重視される方には向いていますが、見た目は無機質になるので、一部にレンガやタイル、人工芝などを配置するとデザイン性が高まるでしょう。 デメリットとしては、DIYで設置するのが難しいため設置工事を事業者に依頼する必要があります。また、施工後はレイアウト変更が簡単にはできなくなるほか、夏は太陽光によって熱せられるので、人や動物にとって過ごしにくい場所になります。 芝の種類 photo/3and garden 芝生にはさまざまな種類がありますが、大きく日本芝と西洋芝に、さらに暖地型と寒地型に分けられます。 日本芝は暖地型のみ、西洋芝には暖地型と寒地型の両方の種類があります。 詳しく見ていきましょう。 日本芝と西洋芝 芝生は原産地によって日本芝と西洋芝に分けられます。 日本芝は、日本に自生する芝。高麗芝(コウライシバ)や野芝(ノシバ)などの種類があり、暖地型(夏芝)で、高温多湿に強く、病害虫に強いというメリットがあります。 日本芝は、西洋芝に比べて葉の色が薄くて幅が広く、冬になると茶色くなって枯れます。 西洋芝は、主にヨーロッパが原産で、近年に日本に輸入された芝。西洋芝には寒地型(冬芝)と暖地型があります。ブルーグラス系、ペントグラス系、ライグラス系といった系統があります。 西洋芝は、一般的に日本芝と比べて葉の色が濃く、細くてやわらかく、繊細です。 暖地型(夏芝)と寒地型(冬芝) 芝生は、生育気温によって暖地型と寒地型に分けられます。 暖地型の芝は、高温と乾燥に強く、生育温度は23〜35℃で春から秋にかけて成長します。11月から3月にかけての冬の間は休眠し、地上部の葉は枯れて茶色くなり、春になると再び新芽が出てきます。関東以西の地域に向いている芝生です。 寒地型の芝の大きな特徴は、寒さに強く、冬でも緑を保つ常緑性があること。日本では、春と秋に成長します。ペントグラスなどは、ゴルフ場の芝などによく使われています。一方で、生育温度は15〜25℃で夏の暑さに弱く、特に関東以西では管理が難しいのが難点。北海道と東北地方で生育が可能です。 冬の間の青々とした寒地型芝の美しさもとても魅力的なので、管理に自信がある方はぜひ挑戦してみてください。 高麗芝に野芝、TM9… おすすめの芝生と選ぶポイント Feriefrizal/Shutterstock.com 芝生の上で過ごしたいと考えているなら、葉が細くて肌触りが柔らかく、比較的管理がしやすい高麗芝がおすすめ。 野芝は葉が太くチクチクしますが、寒さに強く、西洋芝ほど手がかからないので、緑の見た目を優先する場合によく使われています。 トヨタ自動車の開発登録品種で、省管理型コウライシバ(高麗芝)TM9(ティーエムナイン)という品種もあります。景観性のよい芝生を、管理を省いて維持することを目的に開発されたもので、草丈が低いため、少ない芝刈り回数で管理ができます。きめが細かく、葉色が濃いという特徴があり、肥料の量を減らしても、美しい見た目を維持することができます。 芝の種類を選ぶときに気にかけたいことの一つが、芝の生育速度です。端正でふかふかとした芝生を保つためには芝刈りが欠かせません。芝の成長が速ければ、芝刈りの頻度は高くなりますので、あまり手を掛けられない場合は成長が遅い芝を取り入れましょう。よく伸びる成長期にも芝刈りの頻度を抑えることができます。 また、見た目や手触りを優先するか、お手入れの工数を優先するかも考えて種類を選ぶとよいでしょう。踏んでも剥げにくい、踏圧に強いものを選ぶとお手入れが楽になります。 芝生の庭をDIYでつくる費用 庭を芝生にする際、最も安い費用で済むのは、DIYで天然芝を設置する方法です。 天然芝は、ホームセンターや園芸店のほか、通販でも購入できます。品種にもよりますが、費用は1㎡あたり1,500~3,000円前後が相場。1束9〜10枚のシートで1㎡分、というように束で売られていることが多く、また少し割高になりますが、表土に載せるだけで簡単に設置ができるロール状マットの天然芝も販売されています。 芝生の張り方 6つのステップ welcomia/Shutterstock.com 庭に芝生を張る方法には主に2種類があります。一つはマット状やシート状に成長している切り芝(ソッド)を用いる方法、もう一つは種まきからスタートして育てる方法です。 ここでおすすめするのは、ソッドを用いる張芝の方法です。すでにある程度成長している苗を使うため失敗が少なく、面積が広い庭全体を覆うのにも時間がかかりません。芝は地下茎で増えるので、芝に侵入してほしくない場所は、あらかじめエッジなどを使って区切っておくのを忘れずに。 また、芝張りに適した時期は、4月から梅雨入り前までと、秋ごろです。庭の作業が比較的少ない冬の間に、土づくりと整地をしておくと作業がスムーズです。 では、芝生の張り方の手順を見てみましょう。 1.芝生を張ることに決めたら、まずは下地となる土づくりを。芝は水はけ(排水)のよい土を好むので、30cmほどの深さを耕して川砂などを混ぜ込みましょう。 2.できるだけ表面が平らになるように整地します。その際、外側が低くなるようにイメージして全体に少し傾斜をつけると水がたまる場所ができません。 Eag1eEyes/Shutterstock.com 3.平らにした地面にソッドを並べていきましょう。その際、間隔を開けて置くと、枚数を減らすことができますが、目地があく分、芝が全体を覆うまでには時間がかかります。芝を並べるときには、一列ごとに半分ずらすなどして切れ目が揃わないようにしましょう。切れ目が揃うとその部分が溝になり、地面が削れやすくなります。 Yatra/Shutterstock.com 4.ソッドを並べ終わったら、上から圧力をかけて地表と根を密着させます。そのまま踏んでもいいですが、板などの上から踏むと均等に圧力をかけることができます。 5.芝生の上から砂や土を足してしっかりすき込み、細かな凹凸や芝生の隙間を埋めます。土を足すときには、土で葉が隠れないように注意しましょう。 6.最後にたっぷり水やりを。根づいていない芝は乾燥しやすいため、2週間くらいは多めの散水を心がけます。 以上で芝張り作業は完了です。芝生がしっかり根づき、庭全体を覆うまであと少し。張ったばかりの芝は、立ち入りは控えたほうが無難です。 芝生の日頃の手入れ・管理〜きれいな庭を保つために 芝生の庭をきれいに保つには、日頃のお手入れが欠かせません。芝生の基本的なメンテナンスについて解説します。 Kzenon/Shutterstock.com 芝生の管理の基本は、なんといっても芝刈りです。芝が伸びすぎて高さが変わるのを防ぐだけでなく、切り戻しを行うことで分枝が促され、緻密な芝生をつくることができます。 Mike Pellinni/Shutterstock.com 芝刈り機には、仕上がりがきれいなリール式と、雑草も刈れる手軽なロータリー式があります。好みに合わせて選びましょう。 また、庭のサイズに合わせて、手動、電動、バッテリー式など、動力も併せて選びましょう。近年では、定期的に芝を自動で刈ってくれる自動芝刈り機なども登場しています。 芝刈り機では刈りづらい隅や脇の部分は、小さめの刈り込みバサミや電動バリカンなどを使うとうまく切り揃えることができます。 Yganko/Shutterstock.com 成長速度にもよりますが、芝刈りはおおむね2~3週間に1回程度行います。多くの芝の成長期に当たる夏は頻度を増やしましょう。成長が鈍る冬は芝刈りの必要はありません。草丈が2~3cmを保つぐらいで刈りましょう。芝が伸び過ぎてしまった場合、一度に長くカットすると、葉だけでなく成長点のある茎まで切ってしまう「軸刈り」になることも。そうなると、光合成ができないために芝が弱ったり、枯れ込んだりして復活が難しくなるので、ハサミで刈り込むときは注意が必要です。芝が伸び過ぎてしまったら、一度に短くしてしまわずに、少しずつ何度かに分けて切り戻し、本来の草丈に戻すとよいでしょう。 水やり kilukilu/Shutterstock.com 芝生の水やりの頻度や量は、季節や地域、気候によって異なりますが、基本的には芝生が成長する時期には水をたっぷりあげる必要があります。また、芝生を植えてから1年くらいは根の張りが浅いので、表面が乾いたタイミングでたっぷり水やりをしましょう。 日本芝は暑さや乾燥に強い一方で、西洋芝は寒地型が多く、乾燥に弱いため、特に春から秋にかけてはこまめに水やりする必要があります。 季節・月ごとの目安は以下のとおりです。 春(4月、5月、6月) 3~4日に1回(週に1~2回)を目安に水やりをしましょう。 梅雨の季節は頻度を抑え、雨の合間に必要であれば行いましょう。 夏(7月、8月、9月) 7月から9月上旬の夏のうちは、毎日の水やりがおすすめですが、地域や日当たりなどによって乾燥具合が左右されるため、様子を見ながら、少なくとも週に2~4回は行うとよいでしょう。 炎天下に晒されたり、暑さが夕方以降も残るような日は、夕方から夜にかけて再度水やりをしましょう。 秋(10月、11月) 秋は水やりの目安は3~4日に1回(週に1~2回)ですが、暖地型の芝生は11月頃から休眠に入リます。休眠中は生育が止まるため水やりが不要となります。9月後半辺りから11月にかけて、徐々に水やりの間隔をあけていきましょう。 寒地型の場合も、3~4日に1回(週に1~2回)程度を目安に行いますが、11月になると週1回ほどで十分になります。水やりの頻度を少しずつ減らすようにしましょう。 冬(12月、1月、2月、3月) 暖地型の芝生は、冬の間は基本的には水やり不要です。 寒地型の芝生は、乾燥しない程度に水やりしましょう。 雑草対策 Rob Bayer/Shutterstock.com 雑草対策も芝生にとって大切な手入れの一つ。雑草が生えてきてしまったら、タネをつけないうちに根から取り除きましょう。一度雑草の侵入を許すと、あとから駆除をするのは手が掛かります。 また、芝刈りをこまめにすることで、芝が緻密になり、雑草が入り込むスペースをなくすことができます。 雑草の発生を抑える方法としては、 芝を高めに刈る 暖地型は秋から冬の肥料を控える 芝生を密に保つ などがあります。 芝生に生える雑草には、スズメノカタビラ、カタバミ、コニシキソウ、チドメグサ、シロツメクサ(クローバー)、スギナ、ドクダミなどがあります。 それぞれの雑草に対する対策について、詳しくはこちらの記事もご参照ください。 肥料 photowind /Shutterstock.com 芝生を美しく保つには栄養も必要で、肥料を施すのも手入れの一つです。 高麗芝などの日本芝の場合、4〜8月に月1回の施肥を行います。西洋芝の場合、3〜6月と9〜12月に月1回行います。 例えば、化成肥料(N-P-K=10-10-10)であれば、1回につき1㎡あたり20~30g程度散布します。撒くときにムラができないように、少量ずつ均一に撒くのがポイント。ほうきや熊手などで肥料を分散させるのもよいでしょう。 肥料が多すぎると、育ちすぎて芝刈りに苦労することになるので、規定量を守って施しましょう。 虫対策 芝生に害虫が発生したときのサインは、一部だけ枯れていたり、鳥が来るようになる(虫が鳥のエサとなるため)、などがあります。このようなサインを見逃さないようにして、早めに虫対策を行いましょう。 芝生に発生しやすい害虫には、スジキリヨトウ、アリ、コガネムシ、シバツトガ、タマナヤガ、ツマグロヨコバイ、シバオサゾウムシ、ドウガネブイブイ、ケラが挙げられます。駆除の方法とは殺虫剤が有効です。それぞれの殺虫剤によって効果のある虫や使い方が異なりますので、説明をよく読んで使用しましょう。 また、刈り残しや冬枯れした芝生は「サッチ」として堆積します。これを放置すると、土壌の通気性や水はけが悪くなり、病原菌の温床となって害虫の発生源になってしまいます。 このサッチを除去することを「サッチング」といいます。サッチングは年に何度も行う必要はなく、冬枯れした芝生を取り除くために春先に行うのがおすすめです。芝生にとってよい環境を維持するよう心がけましょう。 凸凹した芝生のメンテナンス「目土入れ」 SingjaiStocker/Shutterstock.com 芝生は刈り揃える手入れ以外にも、春の芽吹きの頃に行うと効果的な「目土入れ」という手入れの方法があります。洗い砂や焼砂、川砂など芝生栽培に向いた専用土を、芝生の隙間に入れることで、芝の発芽や発根を促進する効果があります。芝生の密度が足りないときや、生え揃っていない剥げた場所が目立つようになったら、目土入れを行なうとよいでしょう。 また、芝生は、雨の降った後、低くなった場所に水がたまりやすく、湿った状態が繰り返されると芝生の根が腐ってしまい、凸凹が目立つ場合もあります。そこで、整地し修繕するには、低くなった箇所を中心に芝生の間に目土がまんべんなく入ることをイメージして、目土を撒きます。 そうすることで表面に露出した茎の保護と根の生育範囲の拡大がうながされて、芝生の凹凸の補正が期待できます。具体的な方法は、枯葉をレーキでかいて取り除き、下記に紹介するエアレーションを行って、全体的に葉が埋もれないように目土をまんべんなく撒きます。もし、広範囲に枯れた箇所がある場合は、先に紹介した芝を張る要領でマット状の芝生を部分的に張って補修するのもよいでしょう。 芝生の更新作業「エアレーション」 Paul Maguire/Shutterstock.com 芝生に穴あけを行うことを「エアレーション」といいますが、通気性や透水性を改善するために定期的に行うとよい芝生のメンテナンスの一つです。 NinaMalyna/Shutterstock.com レーキやローンスパイクなどを使って、深さ5~10cmの穴を5~10cmの間隔であけます。特に、日頃よく踏む場所を重点的に行いましょう。穴をあけたら、その穴の中に目土を入れて養生しましょう。 芝生の庭で楽しいアウトドアタイムを 美しい芝生の庭付きの戸建ての暮らしに憧れるけれど、管理が不安という方は、ぜひこの記事で解説した手入れ方法を参考に、一部からでも芝生を取り入れてみてはいかがでしょうか? 芝生の庭に合わせてウッドデッキやテラス、テーブルを置いたり、目隠しにもなるフェンスの設置、植栽や花壇などを配置して、タイルや飛び石などでアクセントをつけるなど、エクステリアを工夫すれば、プライバシーを守りながらキャンプ気分も楽しめるような素敵な庭空間が実現するでしょう。 ぜひ憩いの芝生の庭でアウトドアタイムを楽しみましょう。 併せて読みたい



















